このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
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斃レタ墓
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- 1 : 2020/06/06(土) 21:27:10 :
緋 い花が咲いていた。
その墓の傍に。
彼女はそれを引きちぎる。
ヒガンの思いを、丸ごと。
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- 2 : 2020/06/06(土) 21:55:35 :
- 『母さん!』
『駆逐してやる......!』
『服が破けちまうだろうが!』
『クソっ!』
『やった! 討伐数1!』
『最低の気分だ』
『敵は何だ?』
『あはははははははっ!!』
『何にも変わってねえじゃねえか!!』
『来るんじゃねえ!』
記憶の断片が。
弾け、戻り、消えて、現れる。
ミカサ「......」
「ミカサ?」
ザッ...
ミカサ「アルミン......」
アルミン「......やぁ」
ミカサ「......」
アルミン「......」
アルミン「......やっぱり」
ミカサ「......」
アルミン「僕じゃ、無理な話だったんだ」
ミカサ「......」
アルミン「僕は、弱いんだ」
ミカサ「......エレンは」
ミカサ「死んでない......」
アルミン「......」
ミカサ「......」
アルミン「そんなこと......言うなよ。もう......遅
かったんだよ!」
アルミン「何もかもが遅かったんだ! 気付いたときには何もかも!! 何が海だ! 壁の外だ! 氷の大地だ!! そんなもの、たとえ今僕らが見たところで──!!!」
ミカサ「......うぅ」
アルミン「......君がいなきゃ、意味なんて無いのに」
風が吹き、花が揺れる。
アルミン「......もう、駄目だ。駄目なんだよ」
ミカサ「......ぇ?」
ミカサ「どういうこと......?」
アルミン「何もなかったことにしよう。巨人も、この島も、この世界も......何もかも、ね」スッ...
ベチャッ!!
ミカサ(血!?)
パリパリッ!!
アルミン「......」
ミカサ「アル────!!!!!
ズドォォォォォォォォン!!!!!!
ズシィン!!!!
......ああ。
......ミカサ。君は......どこまで?
彼女が身を挺してまで守ったもの。
それは、「彼」の墓だった。
しかし、爆発は残酷にも全てを殺していく。
──はずだった。
......怖いよ、ミカサ。君に恐怖すら感じる。
......いや。恐ろしいのはミカサじゃなくて......君の方なのか?──エレン。
墓は、残っていた。多少損傷はあるものの、倒れているだけ。その上に、脳や内臓が飛散した人間の死体があった。
......。
アルミンは斃 れた墓を容赦なく踏み潰す。何度も、何度も、何度も。
......ああ、僕は馬鹿だな。こんなくだらないことに時間を使ってしまった......。
何もかも、無くなった。
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- 3 : 2020/06/06(土) 21:57:38 :
- おしまい☆
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