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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

さよならエイリアン

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  1. 1 : : 2020/05/03(日) 01:04:15
    前回までのあらすじ:オリジナルコトダ祭り開催にあたり、テーマを1人ずつ出し合い、あみだくじで交換することになるが、お題が被ってしまい・・・?



    お題出した人→書く人「お題」

    ししゃもん→De「悪」
    シャガル→ししゃもん「氷」
    あげぴよ→あげぴよ「散」
    風邪は不治の病→風邪は不治の病「水」
    理不尽→シャガル「巨」
    De→理不尽「嘘」


    次から投稿しまーす。
  2. 2 : : 2020/05/03(日) 01:05:02



    ある日のこと、牛飼いの少年は牛に餌をやりながら、退屈そうに欠伸をした。周りは山がそびえ立ち、ポプラの柵に囲われた丘の上には、いつもと同じ時間がゆっくりと流れていた。


    木皮を剥いで、巧く巻いて作られたポーチから赤色の果実を取り出し、齧り付く。縦に模様が施された服で、手についた果汁を拭うと、少年は再び餌やりを始めた。


    突然、牛たちが鳴き出し、あたりを慌ただしく動き始める。そんなことは今まで一度もなかったと、少年は不穏な空気に額に汗を浮かべる。


    いや、一度だけあった。大きな大地の揺れが起こった時だ。村の住人が3人ほど亡くなった、あの時も牛は騒ぐことを決してやめなかった。


    空に連なる、細くたなびく雲を押し除け、巨大な円盤が現れる。それは日の光を遮り、大きな影を生み出し、その影に少年も、牛も、山も飲み込まれていく。


    円盤から、何かが降りてくるのが見えた。



  3. 3 : : 2020/05/03(日) 01:06:15




    同刻、ニューヨーク。


    非常事態に、政府関係者は胃が擦り切れるような思いで対応していた。それが無駄だと理解できたのは、何の前触れもなく、電波ジャックが行われた時だった。


    テレビに映し出されたそれは、あまりにも想像上の『彼ら』に似ており、職員たちは手を止め、固唾を飲んでテレビを見守った。


    突起の少ない滑らかなフォルムに、銀色の肌をしている。目は黒く楕円状で、つり上がっており、鼻はほとんどの高低差が失われていた。


    唯一、イメージと違うのは彼が衣服を着用していることだろう。黒のスーツのような物に身を包み、白のネクタイを結んでいた。



    「えーと……これでOK? 大丈夫?」



    英語で語りかける『彼』、テレビに映っていない何者かと会話をしてるようだった。



    「……はじめまして、地球に住む皆さん」


    「私はデムナと言います。見ての通り地球外生命体です」


    「私たちはここよりももっと高度な文明を持つ星から来ました。勘違いしないでいただきたいのが、別にあなた達に危害を加えようとか、地球の物資を狙ってるとか、そんな気は一切ないということです」


    「考えてみてください。他の生命体がいる星に来ることができるような高度な文明を持つ生命体は、自分達より進んでいない星の資産などこれっぽっちも必要としてないことがわかるでしょう」


    放たれた正論に、地球上の誰もが耳を傾けた。


    「私たちは皆さんに技術を提供します。共に宇宙を生きる同居人として、発展の協力は惜しまないつもりです」


    正論。


    「さらに、宇宙の文化も皆さんには伝えていきたいと思います。やはり文化の交流こそが、人の進歩そのものですから」


    正論。


    「手始めとして、ひと月5万人。無作為に地球の方の中から選んで、家畜の牛と同じような生活をしていただきます」


    ーーーーーー異論。


    正論の中に紛れ込んだ異論は、清く透き通った水に垂らされたインクのように、異彩を放った。


  4. 4 : : 2020/05/03(日) 01:06:51




    舞台は戻り、牛飼いの少年は息を荒くしながら村へと駆けていた。皮で編み込まれた靴の隙間から尖った小石が食い込むが、激痛に顔をしかめながら彼は脚を止めることをしない。


    「みんな!! 大丈夫か!?」


    この村の大人はほとんど出稼ぎに出ており、寝たきりの老人が二人と、女が三人、彼と同い年の少女が一人いるだけだった。


    彼は責任感が強く、残された弱い者を守ろうという意志を持っていた。その矢先に訪れたこの異物の襲来。冷静さを欠くのも無理はなかった。


    「返事をしてくれ!! どこだ!?」



    「……ここ! ここだよ!!」


    村に着くなり、声をあげて安否を確認する。返答はあったが、絶望的な状況が少年の目に焼き付けられる。


    少女の身体が宙に浮いていたのだ。


    あの円盤と無関係とは彼は思えなかった。絶望的な状況はさらに加速し、少女の身体は村の家屋よりも高い位置まで浮上していく。


    「待て!!!」


    少年は牛を引くときに用いるリードを、屋根の突起部にかけ、慣れた手つきでよじ登った。屋根の上を全速力で走り抜け、一気に踏み抜き、少女に向けて飛びつく。


    手を伸ばし、叫ぶ。



    「アミナ!!!!」



    少女の指先に数センチメートル届かなかった彼の手のひらは空を切り、宙を舞う彼女とは対照的に、地へと落ちていく少年。


    「マンソン!!! 私のことなら大丈夫だから!! きっとなんとかなる!!」



    泣きそうな声と潤んだ瞳で少年に訴える少女。落下時の痛みが背中に走り、薄れゆく意識の中で、少年は自分の中に底知れない何かが湧き上がっていくのを感じた。


  5. 5 : : 2020/05/03(日) 01:08:06




    世界中の都心の電光掲示板に、アメリカの大統領が映し出される。たいそうな大仕掛けを施し発信された内容は、全世界からちょうど5万人が、年齢や人種の差別なく、正体不明の円盤へと吸い寄せられているという物だった。


    この事態を受け、アメリカは連合軍を作成。ロシアから120万、中国から80万、フランスから23万、イギリスから21万、日本から12万、ドイツから11万2000、イタリアから10万800、韓国から9万8000、カナダから5万7000、そしてアメリカから200万の兵士が徴収された。


    総予算は天文学的な数値に跳ね上がり、株価や地価は底の底まで下落し、何人もの人間がその日のうちに首を吊った。


    人類史上最大級の混乱と引き換えに形成された連合軍は、祖国の誇りと、家族を守る為の勇気を各々が胸に秘めた戦士達によって率いられ、総攻撃の開始後、僅か30分で壊滅を喫した。


    宇宙人達の使う技術は地球の数万歩先を行っており、地球の重火器では全く歯が立たず、最終手段であった核兵器も、円盤の辺りの空気を数十分程度汚染するだけで終わってしまった。


    その様子を通信室で見ていたアメリカの大統領は、自室に戻ると、机の下に閉まっていた拳銃を取り出し、引き金を引く準備をした。



    「大統領……?」



    秘書が怪訝そうな顔で大統領へと呼びかける。それを一瞥すると、「許してくれ」とだけ言い残し、彼はこめかみに拳銃を突き当て、必死の形相で指先に力を込めた。


    突如、拳銃は切断され、頭身が床へと転がった。不発に終わった自殺に気が抜けたのか、大統領はその場に膝をついて頭から倒れ込んだ。


    「ふー、間に合った……命は大事にするものですよ、地球の方」


    そこにいたのは、あの忌まわしき放送を行った宇宙人だった。ボディガードは制圧を行おうと拳銃を胸ポケットから抜こうとする。



    「無」



    宇宙人が両の腕を振り上げると、空中を切り裂き、鋭い線が走った。



    「駄です……全ての抵抗は」



    まるでオーケストラの指揮者に従う演者のように、切断された指を押さえ、金切り声をあげて数人のボディガードは地に伏した。



    「アメリカの大統領、あなたがこの星で一番上の立場にいることは知っています」



    この大統領は、死刑囚の権利を減らすことを公約に打ち出して当選した。だが、この地に突っ伏した今の今に、死にゆく彼らの気持ちを理解することができた。


    「な、何が望みだ……我々の、何を……」


    全面の降伏を示し、宇宙人に媚びる姿は、街を行く人がたまたま彼を見かけても、とても世界を背負って立つ男と認識することはできないだろう。



    「んー、やっぱ勘違いしてるかー。我々は何も望んでませんよ。なんならあなた達をコテンパンにした技術を提供しても良い」


    「ただ、我々の文化を受け入れて欲しいだけです。今まで自分達が奪ってきた命を理解するために、自分の、家族の、恋人の、友人の、恩人の、嫌いな奴の、殺したい奴の命を差し出す」


    「なんとも文化的だと思いませんか?」


    「この星で一番偉いあなたが公約してくれれば、きっとスムーズにことは運ぶと思うのです」



    納得はできない。だが、牙は既に折られていた。爪も、回復できない程に根元から捻り取られていた。アメリカは降伏を告げた。それは人類の降伏であることと同意義だった。

  6. 6 : : 2020/05/03(日) 01:09:12



    それから、地球が時間をかけて、ゆっくりと太陽の周りを3回半廻ったある日のこと。物語の場面はデトロイトに移る。


    異星人の襲撃によって街並みは変わり果てていた。摩天楼のように、幾つもの天まで届きそうな高層ビルが連なっている。それらビルのあちらこちらに球体状の膨らみがあり、アリの巣を連想させた。街を走る車は全て浮いており、空中に投射された写像の道路を、なぞるように進んでいる。


    そんな近未来的な光景を、無数のゴミの山から眺める、1人の青年。


    唾を地面に吐き捨て、ゴミを踏み分けながら歩き始めた。黒のローブを羽織り、立ち込める悪臭に顔をしかめながら、古びた建物の前に辿り着いた。


    コンクリートでできた薄汚い壁を激しくノックすると、彼の足元のゴミをかき分け、塵山の中から、白髪を長く伸ばした若い女性が出てきた。


    「やっほー、マンソン。状況はどんな感じ?」


    「最悪の二歩手前だ」


    「じゃあまだ間に合うね」


    頬笑みながらそう告げる彼女に、男は怪訝そうな視線を向ける。女は手に持った、人と同じぐらいの長さをした工具箱を開き、中身を手渡した。


    「じゃーん、新調したブレードでーす。どう? 格好良くない?」



    煤黒い刀身は光を鋭く反射し、その柄には機械的な装飾が施されていた。



    「攻撃の種類は?」


    「一種類! マイナス感情を込めると剣内部でエネルギーを増幅し、刃の先からそれをぶつけます! 破壊力ある一撃!」


    「俺、攻撃の手数増やしたいってリクエストしたよな?」


    「エンジニアが納期を間に合わせようとしたら、することはひとつしかないよ。顧客の要望を削る」




    真顔でそう話す彼女にため息をつき、ブレードを背負っていた鞘へとしまった。



    「早く行くぞ。時間がない」


    「そろそろ演説が始まる時間だ」



    男がそう言葉を放ったと同時に、上方のビルがけたたましい音を立てながら、花びらが開いていくかのように、頂点から縦に裂けていき、ぱっくりとその内装を露出させた。




    「相変わらず凄い技術だねぇ」


    「……このくだらないマジックショーの代償が、今の現状なら俺は願い下げだね」



    男は地面に転がるゴミを眺めながら、何か親近感のようなものを感じていた。


  7. 7 : : 2020/05/03(日) 01:10:05




    空中、1450M。


    あらゆる国の首脳が集まり、談笑している。上空にできたスペースは、ホールを思わせる作りをしており、時折通り抜けようとした野鳥が透明なバリアに追突して、落下していった。バリアのお陰か、見晴らしの割には快適な空調で皆過ごしているようだ。


    『皆様、お集まりいただき誠にありがとうございます。今日は地球と我々が友好関係を結んで3周年という、非常に記念的な日であります。どうか最後までお付き合いよろしくお願い致します』



    目が三つある紫の肌をした異星人がマイクでアナウンスを流すと、首脳達は会話を辞め、ステージ上を見つめる。



    「いや〜、すみません。こんな大切な日に遅刻してしまって。ちょっとゴタゴタを片付けてました」


    壇上を横切って現れたのは、デムナと名乗ったあの日の異星人だった。


    「ジャパンに行ってたんですけど、ここに来るまで忙し過ぎて忙し過ぎて、ネクタイ結ぶ暇すらなくてですね……」


    そう言うと、デムナは自身の頭に結ばれたネクタイを指差し、歯を剥き出しにして、口角を上げてみせた。


    「ジャパニーズスタイルできました」


    クスクスと首脳達は笑い、それを見ながらデムナはネクタイをテキパキと首元につけ直した。


    「さあ、前置きはこのぐらいにしておいて、まずは皆さんへの感謝を言わせてください」


    「ここまで順調にいくとは思っていなかったんです、正直。僕と僕の彼女の関係もですけど」


    ホールの後ろで笑い声が上がった。


    「ひと月5万人、大変な数です。野蛮な人達なら受け入れることができないと思います。けど、これをしなければ、我々が奪ってきた命への有り難みが消えてしまいます」


    「それは人間性の消滅です。私は最初牛のように、家畜としてその集めた人を扱うと言いました。その言葉に間違いはありません、現に、このビルの下……地下の地下に、人を飼う施設があります」


    「牛から牛乳を取るように、人から感情を取っています。そしてその感情をエネルギーとして変換しています」


    「我々は今後も、技術の恩恵を受けるたび、発展の礎となった彼らを、犠牲にしていた者たちを思い出せるのです」



    壇上の下にあったカメラはデムナを移し続けている。とある幸せな家庭は、この演説を見ながらディナーを食べていた。父と母と娘の三人家族だった。


    唐突に、娘の身体は浮き始め、部屋の窓が勝手に開き、そこに向かって飛び始める。母親は泣き喚くが、父親がそれを押さえ込みながら、娘から目を逸らした。


    目の前に広がる水平面。犬を膝の上に乗せ、釣りをしている老人がいた。その男性は自らの身体が浮き始めるのに気づくと、犬を投げ出した。投げ捨てられた犬は、事態を理解しているのか、自らの飼い主が見えなくなるまで上空に向かって吠え続けた。


    ある学校では授業中に、生徒に嫌われた教師が浮き始め、廊下へと移動していった。それを見てケタケタ嗤っていた女子生徒。彼女は、自分が友達と思っていた人物に指摘され、漸く気付く。自分自身の身体も浮いていることに。





    世界各国の犠牲者達は、デムナの演説会場の上に浮遊している、巨大な円盤へと集まっていく。それを眺めながら、デムナと首脳達は涙を流した。



    「皆さん、祈りましょう。僕らの人間性を、文化を守ってくれる彼らに」



    デムナの合図と共に、皆は全ての指を目の前で組んで、黙祷を捧げた。そのすぐ上では5万人の阿鼻叫喚が飛び交い、地獄を形成していた。


    バリアは音は防がない。声が届かないのではない。最初から聞こえないように努めているのだ。こんなに悲観的なBGMが最大音量で流れているのに、誰も気にしないのだ。




    「好都合だな」



    真上から、ブレードが振り下ろされる。バリアが割れた音は絶叫に掻き消され、ブレードの主は一気にデムナへと、迫ることに成功した。


    「どうしたんだ、祈ってる腕がガラ空きだぞ」


  8. 8 : : 2020/05/03(日) 01:23:37



    ブレードをデムナへと叩き込むが、間一髪で目を見開いたデムナに避けられる。即座に距離を開けるデムナを見て、奇襲をかけた彼は臨戦態勢を取る。



    「おいクソ異星人。てめー殺してやっから逃げんじゃねえよ」


    「支離滅裂だな、君が殺そうとするなら僕は逃げるし、君が暴れるなら僕は君を制圧する義務がある」


    (どうやってここまで来た? 彼のブレードの性能の一種か……? いや、違うなぁ。円盤に吸い寄せられる人を掴んで、会場の真上まで移動したってところか。若干やクレバー!)



    会場はパニックの渦に呑まれており、逃げ惑う人々は、下に倒れている人間を何度も踏みつけながら外に出ようと必死だった。



    「君、名前は?」


    「知ってどーすんだよ。どうせ死ぬのに意味ねーだろ」


    「いや、間違って殺したら、墓標に君の名前を刻まなきゃいけない」



    にやりと邪悪な笑みを浮かべると、腕を大きく振って武器を使用するデムナ。空中にいくつかの線が走り、鋭く男へと襲いかかる。


    それをブレードの刃で受け止め、驚いた表情をみせたデムナに男は駆けて詰め寄った。


    ブレードが赤黒い光を纏う。男は下から斬り上げ、渾身の一撃をゼロ距離からデムナに放った。


    安堵するのも束の間、男の背後から空気の筋が迫ってくる。音でそれを察知した彼は、その場で回って体制をわざと崩す。腹部の皮膚を切り裂きながら逸れていく、謎の攻撃。


    肝を冷やしながら、剣を握りしめ、再び男はデムナと対峙した。



    「あら〜、2本も折れちゃった。いい攻撃だ」



    ケタケタと嗤うデムナ。その背後には8本の機械的な蜘蛛の脚のような武器が生えていた。そのうち2本はへし折れ、火花を散らしている。



    (あれで防がれていたのか。そしてあれで攻撃していたのか。しかし逆を言えば、あと6本折っちまえばいいってことだ)



  9. 9 : : 2020/05/03(日) 01:24:31



    「……マンソンだ」


    「え? ダイソン? でもどうして急に掃除機のメーカーを?」


    「マンソン、俺の名だ」


    「あー、これはまた丁寧に。こちらはデムナです。けど変だな、君は名乗らない筈じゃ?」


    「理由ができたからな」


    「理由?」


    「時間稼ぎ」



    不気味な表情でマンソンが呟くと、バリアを突き破り無数の銃弾がデムナへと正面から叩き込まれる。


    「ぐっ……!」


    デムナは膝をつき、銃声の方を睨みつける。そこには、腕の数倍の太さはある機関銃を模した武器を、右手首へと装着した、白髪の女性の姿があった。


    「危ない、保険で身体に巻いてた脚がなかったら死んでた」


    銃弾によって突き破られたジャケットの下に覗かせる機械仕掛けの脚。焦げた銃痕を視認できるが、機能停止には至っていないようだった。


    (仲間がもう1人潜んでたのかーーーーー)


    「だっ」


    デムナの背後の三本の脚が驚く程にしなり、仰け反ったように湾曲していく。


    「た」


    即座に反応出来たのはマンソン。耳がはち切れんばかりの轟音が響いたかと思えば、先ほどまで構えていたマンソンが消え失せ、代わりに数十メートル先の柱が砂埃を巻き起こし、崩れ落ちた。



    「マンソン!!」


    「らぁ!!!!……先に女の子から制圧しとこうと思ったんだけど、君って意外とフェミニスト?」


    たちこめる砂埃を掻き分け、頭から真紅の血を流しながらも、マンソンは敵から目を逸らすことをしない。



    「フェミニストかどうかは知らねえけど、一端の倫理観は持ち合わせてるつもりだ」


    「行け!! トーガ!!」


    自分を庇ったマンソンの甚大なダメージに狼狽た女性も、彼の咆哮に頷くと、避難経路の方へと駆けていった。


    (どういうことだ? 共闘しにきたわけじゃない? 他の目的か? 例えば大統領の誘拐……いや、わざわざこの日を襲撃するメリットが薄)



    「考え事してぇんなら死んでからしろ!」



    ブレードでの攻撃を体を後方に逸らして避けるデムナ。直後、マンソンの体制が崩れる。ように思えたが、瞬時に切り返し、再びブレードが黒い光を纏う。



    (奴が防ぐより先に届くッ!! 喰らえッ!!)


    「何が目的だ、青年」


    「我々はそれを聞く義務がある」



    デムナの体の胸元から、肉を突き破り、鋭く脚が射出される。驚異的な速度でマンソンの胸部へと、それは深く突き刺さった。血反吐を吐きながら、マンソンは地に伏す。途端にあの日を思い出した。あの、少女を救えなかった忌まわしい記憶を。


    そこで彼の意識は消え、デムナは微笑んだ。


  10. 10 : : 2020/05/03(日) 01:26:25




    次に彼が目を覚ましたのは、純白のベッドの上だった。まず汚れひとつない真っ白な壁や天井が目につき、衣服も清潔感があった。水色を基調とし、青のストライプが施されたデザイン。



    「お目覚めかい」


    マンソンはその声にハッと目を見開く。声の主は先程まで死闘を繰り広げていたデムナのものだった。


    「……なんのつもりだ?」


    「なんのって?」


    「こんな扱いしやがって……拘束するなり、殺すなりしろよ!!」


    怒りを露わにし、目の前の敵に怒鳴りつけるマンソンに対し、デムナは少し引いたような表情を見せる。


    「えー? せっかく治療してあげたのにな」


    「命を無駄にするものじゃないよ、マンソン君」


    そう言うと、デムナは分厚い扉の方に向かっていく。扉はデムナが前に立つと自動でスライドしていき、その先には緑の液体が人の形をとったような、そんな生物がいた。



    「なんだよそいつ」



    マンソンの問いに、デムナは振り向きざまに、


    「指導係」


    とだけ口角を上げて応えた。入れ違いになりながら入ってきた生命体は、近くでよくよく観察してみると、ツインテールを模っており少女のような外見をしている。


    「アンタがデムナ様に盾ついたアホ?」


    「アホじゃねえよ、マンソンだ」


    「じゃあアホのマンソンよ。ほんっと地球人っていつまで経っても変わらないのね」


    「私はカミハシラ。あなたの指導係よ。好きに呼んでいいわ」



    凛とした態度の少女に、マンソンは溜め息をつき、少しだけ沈黙を挟んだ後に言葉を発した。


    「俺の仲間は無事か?」


    「あー、トーガっていったっけ? いや、本当にダメよ。あの子はまだ見つかってないけど、私達が総力を上げて探してるから、すぐに見つかるわ」


    「良かった」


    「何が? あなたの目的が何か知らないけど、もう最悪って感じじゃない」


    「まだ」


    「まだだ。まだ最悪の一歩手前だ。まだ……」


    「……そう、頑張って」



    虚空を険しい顔で見つめながら、語るマンソンはどこか狂気的なものをカミハシラに感じさせた。だが、その狂気ももう達成はされないことを知ってる彼女は、ただ彼を肯定も否定もしなかった。



    「……そろそろ食事の時間だけど、アンタも来る?」


    「は?」


    「要らないの?」


    「俺は捕虜だろ? どこに行くんだ?」


    「食堂よ。ウチの食堂のご飯は本当に美味しいんだから。美味しすぎて死んでも知らないわよ」


    「は?」


    「な、何よ。ちょっとした冗談でしょ」


    「いやそうじゃねえよ。確かに殴りたいぐらいお前の冗談も面白くねえけど、敵を自陣地で開放するってイカレてんのか?」


    「イカレてないわ。敵の捕虜にも人権を。それがウチのモットー。そして敵の思想もなるべく受け入れてあげる。文化的でしょ?」


    「じゃあさっさと俺のブレード返せ。人の物盗るのは文化的じゃねえだろ」


    「ダメー」


    舌を覗かし、拒絶の意思を示すカミハシラ。その際、口内が少し見えたが確認できる範囲全てが緑色だった。


    内心毒付き、ぶっきらぼうに頭を掻くと、マンソンは一言も発さないまま立ち上がる。ドアの方向へ顎を使って、「連れて行け」と言わんばかりの無作法な態度を示す。


    「可愛くないわねぇ」


    ジッと見つめた後、仕方ないといった感じで、カミハシラはドアへ向かって歩み始める。その足取りは若干重いように見えた。


    廊下に出ると、無機質な白の道が何処までも続いてるように錯覚された。その延々と連なる道は、この施設の規模をそのまま視覚に訴えかけてくる。


    「コッチよ」


    カミハシラの足元がもにゅもにゅと音を立てながら、彼女は前進していく。黙ってしばらくついていくマンソン。数分歩くと、大広間のような空間に出た。

  11. 11 : : 2020/05/03(日) 01:27:23


    上には光り輝く球体が浮いており、それを数本の輪っかが囲んでいる。


    そこには様々な背格好をした異星人達がテーブルを囲み、食事を楽しんでいた。頭が蛸のようになっている異星人が、テーブルに設置されたパネルにワードを入力すると、上の輪っかから光の線がテーブルに降りてき、イカの炭焼きが出現する。


    「なんだこれ……」


    「どう? 驚いて声も出ないかしら?」


    「ああ、驚いてる」


    「ふふん!」


    上機嫌になってるカミハシラを差し置き、マンソンは辺りを見渡す。すると、異星人達は食事を止め、マンソンの方を見ながら何やら耳打ちをし始めた。


    全長3メートルはあるだろうか。1人の熊型の異星人が恐る恐るマンソンに近づき、口を緊張した面持ちでゆっくりと開いた。



    「君が、あの、マンソン君?」


    「だったら?」



    異星人達はお互いに顔を見合わせて、その次の瞬間に叫び声を上げた。



    「凄え〜〜!! あのデムナ様と死闘をしたマンソンが生きてた!!」


    「いや〜、デムナさんにあそこまで食い下がる地球人がいるとは驚いた」


    「デムナさん本気じゃなかっただろ。場所もデムナさんに不利な要素が多かった」


    「言うて空中戦ってなかなかないぜ? 立体的な地形なら確かにデムナ様に勝てる奴なんて居ないと思うけどよぉ」


    「おい!!!」



    マンソンを差し置き盛り上げる彼らに、当の本人は拳を握りしめて激昂した。


    「なぁ......俺はお前らの仲間を殺そうとしたんだぞ? それを、なんだ? スポーツの観戦でもやってんのか?」


    「ちょ、ちょっと!」



    マンソンの吐き出す言葉に、指導係としての命を授かっていたカミハシラは少し狼狽た様子を見せた。



    「ううぅん……君の言わんとすることもわかるけどね」



    困った表情でマンソンを見つめる熊型の異星人。まるで何も知らない子供に、世界の決まりを諭すかのような態度で語り始める。



    「僕らの『医学』は非常に進歩しているんだ。だからどんな怪我をしたって関係ないのさ。君たちにとってのスポーツで負ってしまう怪我と、死闘で負わされた傷、なんら変わりがないんだ。致命傷だってね」


    「俺は殺す気だった」


    「でも、君にも訳あり、だろ? 自分達の都合だけを見ていたら人を許せなくなる。けど他人の都合を考え始めると、意外とあっさり分かり合えるよ」



    対面の異星人の発言に面喰らったのか、マンソンは少し口を閉ざした後、悲痛さを感じさせるような笑い声を上げた。


    「クク……クフ……! わ、わかり合える? 俺とお前らが?初めて面白い異星人ジョークが聞けたよ。マジで。俺は、お前らが侵攻してきた3年前から一切許す気なんてねえ」


    「もしかしてだけど、君の友人か家族、あるいは恋人が家畜にされちゃった……とか?」


    「……友人だ。名はアミナ」



    それを聞くと、異星人達はわんわんと泣き始め、泣いていない奴らは首を少し振り、哀れみな表情でマンソンを見つめた。



    「君はその友人を取り戻すために、デムナさんの演説中に襲撃したのか!! なんて友人思いなんだ……」


    「けど私達がこうやって素晴らしい暮らしをおくれるのも、全て彼らのおかげなのね……本当に残酷だわ、世界って」



    ひとりひとりが思いを述べ、場は感極まっていく。マンソンは異星人達の演説を澄んだ瞳を通して、黙って聞いていた。そして、固く結んだ拳をゆっくりと開いていった。



    「……帰る」



    そう言うと、彼は涙を目元に浮かべている異星人達に背を向け、来た道を戻っていく。



    「マンソン……」



    結局、分かり合う事は出来なかったことを察したカミハシラは、少し肩を落とし、去っていく地球人を哀れんだ瞳で見つめていた。


    その横にそっと先ほどマンソンと口論を繰り広げた、熊型の異星人が寄り添う。



    「元気を出して。きっと彼にも、僕らは悪い人間じゃない事は伝わってる。まだ受け入れる準備ができてないんだ。それに彼の友人のことも諦められないんだろう」



    「でもいつかきっと、分かる日が来る」



  12. 12 : : 2020/05/03(日) 01:29:57




    それから3日が経った。果たして、そのいつかの日は近づいているのだろうか。それとも遠ざかっているのだろうか。誰にもわからないまま、時間だけが過ぎていった。


    ベッドの上で動かずに、マンソンはただ座り込んでいた。その視線の先には、何が有るのだろう。マンソンはここに捕虜として幽閉されてから、食料を一切摂っていない。水分さえも。


    さすがに心配したのか、医者を名乗る複数の人物が何回か訪ねてきたが、彼はその全てを拒んだ。


    部屋の扉からノックの音が聞こえ、それを黙って見つめたまま、彼は扉の方へとよろよろと向かっていった。



    「なんだ」



    扉の先にはカミハシラがいた。手にはお盆と食料が乗せられている。水と、マンソンの好物のベーグルだった。故郷に戻った大人達が、お土産として持ち帰ったそれを好んで食べていた。そして、その隣にはいつもアミナがいた。



    「……飯なら食わねえ」


    「違う、話があるの」


    通常の彼女とは違う態度に、認識できないほどの、ほんの少しばかりの興味本位が湧き上がった彼は、彼女を部屋へと招いた。


    ベッドに互いが腰掛け、会話のタイミングを委ねる。先に口を開いたのはマンソンの方だった。



    「いい加減に話せよ。お前。なんなんだ? 話って」


    「……」



    口を噛みしめ、目頭が熱くなっているカミハシラ。何がそんなに悲しいのかと、マンソンは次第に腹立たしさを感じていた。



    「……はっ……グス……あのね。落ち着いて聞いてね」


    「あの、私調べたの。何度も。でも、結果は変わらなかった」



    「あなたの友人……アミナは、3ヶ月前に終了処分されているの」


  13. 13 : : 2020/05/03(日) 01:30:38




    カミハシラが事実を伝えてからしばらく時間が経ち、異星人達は廊下を通るたびに奇妙なものを見かけるようになった。


    捕虜の部屋の前に、液状の異星人が両の手のひらで顔を覆って座っていたのだ。食堂に行って、戻ってきてもまだいる。日を跨いでも、まだ彼女はそこにいた。


    理由を他の異星人に問いただすと、どうやら捕まっている捕虜が関係しているらしい。なんでもその捕虜の大切な友人が、終了処分されてしまったようだ。


    感情を搾り取る地下施設は、あまりに過酷で、長くても1年ほどで廃人になる人間がほとんどだった。そこで2年と9ヶ月耐え切った彼女が、いかに精神的に優秀だったかが分かる。


    いや、それとも、マンソンという心の支えが大きかったのかもしれない。そしてそれは、逆もまたしかりである。


    そう皆が考えたからこそ、マンソンの気持ちが痛いほど理解できるし、それを伝えたカミハシラの心の傷を思うと、胸が張り裂けそうになった。


    膝を組み、そこに顔を埋めるカミハシラに対し、熊型の異星人が声をかける。その後ろには複数の異星人が、心配そうな様子で、彼らの会話を見守る。



    「カミハシラ、大丈夫かい?」


    「放っておいて。私は最低なの。人間性のカケラもなくて、人として終わってるわ」


    「私勘違いしてた。マンソンが執着するものがなくなったら、私達と分かり合えるって」


    「けど、違った。マンソンがここまで来れたのも、全部アミナのおかげだったの。私は彼の生きる意味を奪ったのよ」


    「……確かに君は、マンソンを深く傷つけたかもしれない。でもいつかは、彼にとって知らなくちゃいけなかった事だ。そしてカミハシラ、君はマンソンを救いたいと心から思ってた筈だ。なら、大丈夫。それをマンソンもわかってる」


    「思いは、必ず伝染する」



    ニコッとはにかんでみせる熊型の異星人。後ろの野次馬も「そうだぞ!」「お前は悪くない!」と、次々とカミハシラを励ましていった。


    カミハシラが泣きながら、顔をゆっくりと上げると、捕虜がいる部屋の扉が開いていく。そこにはマンソンが立っていた。



    「あ? なんだこれ?」


    「マ、マンジョ……ン……?」


    「なんでお前そこ座ってんの?しかも泣いてるし、ワケがわかんねえ」


    「さっさと立て。行くぞ、飯食いに」


    「え、えぇ!? なななな、なんで!?」


    「は? 指導係だろ? お前。腹減ってんだよ俺」


    「……あ」



    何かを思い出したのか、歯切れが悪そうに、それでもマンソンはきちんと言葉にした。



    「まあ、その、なんだ。ベーグル、美味かったよ……マジで」


    「マンソオオオオオオオン!!!!!」


    「うわ!! 汚え!! マジでお前鼻水と涙つけんな!! 緑色でめっちゃ染みが目立つ!!!」



    マンソンに思いっきり抱きつき、号泣するカミハシラを叱りつけるマンソン。それを温かい目で異星人達は見守っていた。それは、文化が交わった姿の象徴とも呼べるものだった。


    熊型の異星人は涙を流しながら、拍手を続ける。



    「未だに抗争が絶えない地域がある。我々の文化を受け入れられない人たちがいる。だが、我々は人間なんだ」


    「いつかなんかじゃない。行動を起こせば、明日にだって時代は移り変わる」


  14. 14 : : 2020/05/03(日) 01:31:17




    その日から、マンソンの態度は一変した。食事はカミハシラや他の異星人と取るようにし、有り余る時間は戦闘訓練室で、他の異星人と共に汗を流した。


    訓練室はサッカーの競技場のように広く、戦士達の戦いを見学、もとい興行として愉しんでいる観客たちによって囲まれたドームのような形状をしていた。


    戦いのフィールドはどんな形状にでも変貌を遂げる事ができ、今日のステージは障害物ひとつない平野を模していた。そこの中央に、マンソンが立っている。


    血だらけになった犬の顔をした異星人を見下ろし、返り血に染まった手から、一滴ずつ紅い雫が滴り落ちていた。



    「マンソン5本目!! 勝者マンソン!!」



    宣言が告げられると、湧き上がる観客たちの中から、いそいそと白衣を着た異星人が四輪車を引き連れて出てくる。傷だらけの異星人をそれに乗せて、走って退場していった。


    マンソンも一礼をすると、選手控え室の方へと歩み始める。観客の「マンソンコール」は彼が見えなくなっても、数分間止まる事はなかった。


    観客達がやっとそのコールを辞めたのは、本日の興行の終了を告げるアナウンスが流れた時だった。


    それから数十分後の食堂でも、今日のマンソンの勝利の話題で持ちきりだった。


    「いや〜、しかしあの地球人強いな。相手もかなりの強者だったろ?」


    「地上戦ならマンソンの上にいるやついないんじゃないか? このまま行けばここの区画のトップランカーだな」



    その話に聞き耳を立てながら、パンを口に咥えるカミハシラ。だが箸は進んでおらず、少しソワソワした表情を覗かせた。


    「ん? どうしたんだい? カミハシラ」


    その場を通りかかった、空の食器を持った熊型の異星人が、カミハシラの様子を心配そうに尋ねる。



    「えーーー? や、ちょっと考え事をしてただけよ」


    「ふむ、マンソン君のことかな?」


    「ちちち、違うくないけど!? そうわよ!?」


    「なんなんだそれは……」


    動揺を隠せないカミハシラに、年相応の若さを見出せる。熊型の異星人は少しだけ悩んだそぶりを見せ、ゆっくりと彼女に語りかけた。


    「まあ……マンソン君カッコいいもんね。うん、地球人の顔はみんな同じに見えるけど、彼は特に鼻がシュッとしてて、目も大きい」


    「!?」


    カミハシラの頬の液体が、コポコポと音を立てて沸騰している。口に咥えているパンが焦げ目がつくくらいに、焼き上がった。



    「なんなんだ? カミハシラお前あの地球人のこと好きなの?」


    先ほど、後ろでマンソンの話をしていた異星人達がカミハシラの方に振り返り、ニヤニヤしながら質問を投げかける。


    「こらこら、茶化してはいけんよ」


    「すんませーん、ベアーフォーさん。でもあのカミハシラについに好きな男ができるなんてなぁ」


    「でも結構マンソンって女人気あるぞ。俺の星の女もあいつのファンいるよ」


    「マジ?」


    カミハシラをそっちのけで会話を繰り広げる、勝手な男共に憤りを感じたのか、彼女は机を強打し立ち上がった。


    「カミハシラ?」


    「ケリつけてくるわ」


    彼女の目は据わっており、その視線を浴びた男達は茶化すのをやめ、ただただカミハシラがその場から離れていくのを見守ることしかできなかった。


    「やれやれ……」


    熊型の異星人、名はベアーフォー。彼は溜め息をつき、その後の行方に若干の不安を抱きながらも、期待を胸に膨らませ、希望に想いを馳せた。


  15. 15 : : 2020/05/03(日) 01:32:10



    カミハシラはマンソンの自室の前で、深呼吸を数回繰り返すと、意を決して扉をノックした。


    返事はない。


    焦らされた想いは焦燥へと移り、微量の不穏な心情を孕んだ、何かよくない予感を彼女に感じさせた。恐る恐る扉に手を触れる。


    生体認証により、指導係であるカミハシラは強制的に扉の施錠を行う事ができた。彼女はそれを行う。行ってしまった。


    彼女が目にしたのは、マンソンだった。ベッドの上に腰掛ける、いつもと変わりがないマンソン。



    「ご、ごめん! ちょっと気になっちゃって! ほら! 最近、試合が多いから! 大丈夫かなって!」





    マンソンは応えない。無言で、険しい表情でカミハシラを見つめた。彼が変わったと思われた日から、そんな表情は一度たりとも見たことは無かった。


    背後で扉が閉まると同時、カミハシラは腹部にひんやりとした感触を感じる。


    その感触を辿ると、白髪の女がいた。彼女は銃をカミハシラに突きつけ、まるで蛆虫を見つめるかのように、不愉快な感情に顔を歪ませていた。



    「この女は……指名手配されてる……!?」


    「う、嘘」


    「嘘じゃないよ」


    きっぱりと女は言った。


    「嘘じゃない。襲撃の後、家畜の召集に乗じて円盤に潜入したの。地下に感情を吸い取る装置があるのに、わざわざ円盤付近に集めるのは変よね? 必ず円盤内部で人の加工があるんだろうと目星をつけたの」


    「無作為に選んでるなら妊婦も当然選ばれる。だったら生体反応できっかり人数を検査してるとかは無いと思ったけど、読みが当たってて嬉しかったわ」


    「食糧はときどきマンソンが運んでくれた、はい、約束の品」



    白髪の女性が床にブレードを転がす。それを沈黙を貫いたまま、マンソンは見つめていた。ブレードが完全に停止すると、彼は床へと屈んだ。



    「マ、マンソン……?」


    「違うよね? マンソンは、違うよね? だってマンソンは……! マンソンはもう!」


    マンソンへと叫ぶカミハシラに対し、彼は床に転がったブレードを握り締め、一歩ずつ、ゆっくりと彼女へと歩み寄った。


    「……お前らは」


    「勘違いしてたよ。最初から」


    「俺はアミナを助ける気はさらさら無かった。死んでると思ってたからな」


    「俺は一回も嘘はついていない。アミナを救う気もないし、お前らを許す気だってない」


    「分かり合えねえんだよ、見当違いなことばかり並べやがって」



    泣きじゃくりながら、嗚咽を何度もし、カミハシラは漸く言葉を発した。


    「な……何がし、たいの? マンソンは? 何が目的、なの?」


    「世界を取り戻す。気色悪いんだよお前ら」


    「わ、私、マンソンを」



    マンソンはブレードを振り下ろし、一気に衝撃を放つ。液体があたりに飛び散り、無数の染みを形成した。直後、異常を感知した警報機が鳴り出す。


    「よし、急ごう。マンソン! 潜入の結果、この円盤のコアなる部分の場所がわかった! そこを叩けばこの円盤はエネルギーを管理する装置が暴走し破壊される!」


    「……ああ」


    「マンソン、調子はどんな感じ? 私は今日より幸せな日は金輪際こないだろうって確信できる!」


    「……俺もだよ」


    二人は扉を開き、廊下を出ると、即座にその場から離れていく。マンソンの部屋には、薄汚い染みが残っただけだった。

  16. 16 : : 2020/05/03(日) 01:48:22


    マンソンとトーガは廊下を駆ける。目的地までの距離は短くはなかったが、悲願が達成されるまでの道のりを思えば、そこに苦痛は無かった。


    閑散とし、警報のみが鳴り響く道のりに、不気味な印象を植え付けられる。



    「妙だ。全然人気がない」


    「確かに。なんでだろうね。休日だから? ホワイト企業に休日出勤はないのかもね〜」


    「だったら今日は建国記念日だ、俺たちの国を取り戻す」


    「……あ、あそこだよ!!」



    トーガが指差すその方向には、ただの純白の壁がそびえ立っている。



    「その先か!?」


    「そう!!その向こう側!!」



    マンソンのブレードがエネルギー光に包まれると、二人は壁に向かって全速力で突っ込んでいく。

    彼がブレードを横に振ると、壁は轟音を立てながら崩壊していき、無数の瓦礫と共に、彼らは薄暗い空間に飛び出した。

    二人は突然の浮遊感に戸惑いながら、2メートルほど宙を落下したかと思うと、脚に走った激痛で地面があることを理解する。マンソンはトーガに悪態をつくと、目線を上にやった。


    そこには直径が20メートル、高さは数十メートルはあるだろうか。透明なガラス貼りの円柱が、いくつものコード線を絡ませながら存在していた。


    その円柱の内部には「ヒトの脳」のような物体が複数個、緑色の液体に浸かっており、生理的な嫌悪感を2人に感じさせた。


    「これが……」


    「そう、これがコアだ。この舟の核であり、技術の叡智だ」



    この声に見覚えがあった。あの日交えた剣を、マンソンは忘れる筈もなかった。


    声の主は円柱の側に寄り添いながら、手のひらでピタリとガラスに触れた。恍惚の表情でそれを見渡している。



    「てめえ……そこの気色悪い円柱のおもりははお前だけか」


    「僕だけ? うーんまあそうだね。護衛は僕だけさ」


    「他の奴らはいいのか?」


    マンソンの質問に、デムナは鳩が豆鉄砲を喰らったかのような顔つきになると、その直後に腹の底から嗤い声をあげた。


    「……どうしたんだい? 君ってそんなお喋りな奴だったっけ?」


  17. 17 : : 2020/05/03(日) 01:49:11


    デムナは両の腕を仰ぐ。床のタイルに亀裂が走り、陶磁器性の金属片を巻き上げながら道を作った。その道の先にいるのは白髪の少女。


    不可視の一撃がトーガの首を跳ねる。肉を高速で抉ったためか、あたりには血の雨が降り注ぎ、骨と肉が混ざり合いシェイクされた物が死体の側に転がる。


    「トーガ!!!」


    「しまった、やりすぎた」



    頭に手を当て、大口を開けるデムナと対照に、額に大粒の汗を浮かべるマンソンへと、追撃が迫る。タイルの亀裂は四方八方に広がり、砂埃があたりに舞うことになる。


    不可視の攻撃は強風を起こし、まるで風の折に閉じ込められた様だった。


    「タイミングが計れねえ!!!!」


    「ははは、嫌になるけど素直だ」


    強者に従って自ら道を開けるように、砂埃の中に一本の大穴が開けられた。その方向にマンソンはブレードを向け、迫りくる衝撃を予測すると、げんなりしながらも歯を食いしばった。


    火花があたりに散り、薄暗い空間に一瞬、目が眩むほどの閃光が走った。追撃、複数の攻撃が空気を切り裂き、マンソンに未だ狙いを定める。それらをブレードの刃で滑らせ、いなし、姿勢を低く保ちながらマンソンはひたすらに走った。



    「ひゅう〜!!! 君、本当に凄いな!! 才能の塊だ!!」


    「うるせえ!!」


    マンソンが力を振り絞り、放った一撃は、デムナから生えた二本の脚に堰き止められ、刹那の膠着状態を生み出した。交差する腕からお互いの表情が見える。


    彼らの表情は全く異なる形相をしていた。



    「前より威力落ちた?」


    「気のせいだろ」


    「ふーん、あ、今更だけど良い?」


    「なんだよ」


    お互いが有利な位置取りを画策し、鬩ぎ合いの中で行われた会話は、どこか言葉だけでのやり取りではないことがうかがえた。


    「実はこれ、全世界に流してるんだ。全世界に中継してる、驚いた?」


    「驚かねえ」


    「肝が据わってるなぁ! テーマは『分かり合う』、果たして僕らは分かり合えるだろうか? いや、きっと分かち合ってみせる!!」


    「全世界が僕らが分かり合えることを願っている」



    マンソンは頭を項垂れ、柄を握る強さがさらに増していく。そして、デムナの前で初めて笑顔を見せた。しかし、邪悪で、悲痛な。


    「分かり合えると思ってるから、分かり合えねえんだよ、俺たちは」


    「?」


    キョトンとした顔をみせるデムナを無視し、マンソンは続ける。


    「俺はカミハシラを殺した。お前もトーガを殺した。だから分かり合えない、赦しちゃいけえねえんだよ」


    「なんでそれがわからない?」


    「なんでお前らは仲間を殺したやつと一緒に飯が食えるんだ?」


    「俺は絶対に、あの日から、お前らを赦さない」


    「……赦せるのが人の強さだ」


    「いいや、人間性のカケラもなくて、人として終わってるよ」



    マンソンは一歩分だけ離れると、デムナの表情から虚をついたことを確信する。ブレードが発光し、それはまるで、暗く何もない宇宙にまるで光が灯った様だった。


    彼が刀を振り下ろすと、光は形と成り、デムナへと放たれた。光速かつ脚の隙間を針に糸を通すかのように打ち込まれたそれは、いとも簡単にデムナの身体を縦に両断した。



    「ウチのエンジニアの分だ!!」


  18. 18 : : 2020/05/03(日) 01:50:12


    紫色の血が辺りに散り、デムナは膝をついて倒れ落ちた。肩で息をするマンソンは、突然背後で鳴った拍手の音に、咄嗟に振り向く。


    振り向き様に放った光の斬撃は、数本の機械仕掛けの脚によって持ち主への隙間を埋められ、防がれ、薄い光の粒として飛散した。


    「な〜〜るほど、通りで攻撃が前より弱いと思ったら、別オプションが付いてたわけか」


    そこにいたのはマンソンが殺した筈のデムナだった。


    「……ラッキーだな、まだ俺の分をお前に叩き込んでなかったから」


    横見し、背後に倒れたデムナの身体を見つめる。既に死闘を繰り広げ、心身ともに疲弊しきっている彼には、この新手の登場は絶望的過ぎた。


    「僕たちはクローンを持っている。もちろん記憶のバックアップを週1で取ってるから、記憶ばっちりの正真正銘のデムナがここにいる」


    マンソンは熊型の異星人が言っていた、「『医学』が進んでいる」という発言を思い出しながら、最悪の状況に運命を委ねた。


    また別の方向から声が、した。



    「今回は緊急事態だからね。予め作っておいたボディを急遽動かしてるわけ」


    されに、別方向。


    「当然、君の仲間のトーガちゃんも我々にかかれば生き返らせれる。彼女の脳が完全に死ぬ前に早く投降するんだ」


    あっという間にマンソンは、何十という数のデムナに囲まれ、武器を向けられた。


    「「「「「さあ、帰ろう。カミハシラもそろそろ生き返って君を待っている」」」」」


    マンソンはしばらくデムナの顔を執念深く凝視したかと思うと、沈黙を貫いたまま、ブレードを握り締めながら言葉を発した。


    「……」


    「……りぃ」


    マンソンが絞るようにして放った言葉に、デムナ達は耳を傾ける。下を俯き、彼は言葉を繋いだ。



    「………………わりぃ」



    謝罪を貰ったと思った彼らは、顔を突き合わせ、喜びを謳った。あるデムナ達はハイタッチをし、1人で中継中のカメラに向かってピースをするデムナもいた。



    「気色がわりぃんだよ、てめーら」


  19. 19 : : 2020/05/03(日) 01:56:44



    分かり合えた、そう考えたが、マンソンから突き放されるような言葉を聞いた彼らは、ショックで一瞬固まった。



    「本当に、ほんっとに気色が悪い。お前ら言ったよな?『命を大事にしろ』って。そのお前らがこの様じゃねえか」


    「なぁ、お前ら死なねえからなにもわかんねえんだろ。喜びも悲しみも憎悪も全部……薄いんだろ?」


    「だから自分達でわざわざ理不尽な要素を作って、人工の不幸に哀しがるんだろ。無様だよ、マジで」


    「仲間が殺されてもなんっにも思わないんだろ? どうせ生き返るからって」


    「カミハシラが待ってる? 待ってない、俺が殺したからな。あの時の、俺を理解してくれようとしたカミハシラは、俺が殺したから。もういない」


    「人が死ぬってそういうことだろ。そうじゃなきゃいけないだろ。取り戻せちゃ駄目なんだよ」


    「お前ら全員それがわかんねえから、本当に気色が悪かったんだな。納得したぜクソ異星人共」



    マンソンの攻め立てるような発言の嵐に、1人のデムナが渋い顔をしながら応えた。



    「……で? どうするんだ? 結局、君は何にもできないだろ」



    何かを覚悟した目つきで、子供を諭すような口調をしながらマンソンは思いを綴る。



    「……絶対赦しちゃいけねえ奴らがいる。それは、とんでもない悪たちだ」


    「人はそいつらを殺す為なら、死だって厭んじゃいけない」


    「悪? なにが悪? 僕らが!!? 君の方がよっぽど悪党だろう?」



    デムナらは激昂する、マンソンに対し、罵声を浴びせる。人格批判は混えないが、彼の意見を覆せるよう、認めずにすむよう、言葉を続ける。


    だが、マンソンは怯まない。



    「……悪はそこら中にいる。石ころも、植物も、動物も、人も、機械も。全部他者からみたらとてつもなく悪だ」


    「物体が存在するスペースには、そこの空間には、どんなに望んだとしても他者の介入はできない、さしてもらえない」


    「人の場合はさらに、文化や人種って要素が複雑に絡み合い、とてつもない広さに存在、もとい悪を広げている」


    「いつか悪と悪はぶつかる」


    「だから人は赦し合う、その悪を。それが善い事なんだ」


    「存在を認めることが、善で、お前らは口先だけで俺たちを赦さなかった、存在を押し付けた」


    「悪が、力で悪を捻じ伏せたんだ」


    「勧善懲悪さ、ここで死んでけ、死恐怖症の悪党共」


    マンソンはありったけの憎悪を、愛情を、怒りを、哀憐を、心に湧き上がる感情をブレードに押し込めた。光はもうちっぽけな灯ではなかった。眩いほどに輝くそれは、死が怖いだけの亡霊共の皮膚を焼き焦がした。



    「あぁ!!! 熱い!!痛い痛い!!!」



    絶叫するデムナ達を嘲笑うかのように、処理不可能の膨大な感情を詰められたブレードは、融解を始め、蒸気を噴出し始める。


    「ま、まさか……!!! やめろ!!」



    無数のデムナが腕を伸ばし、マンソンを抑えようとする。彼はブレードを手放し、上へと放り投げた。そんなに時間はかからなかった、だが途轍もない時間が流れたように思えた。


    全てのデムナが熱を帯び、歪んだブレードを見上げる中、マンソンはたった1人、目を閉じてぼそりと一言だけ呟いた。


    「さよなら、デムナ」


    ブレードは爆風を巻き起こし、コアと呼ばれる柱を木っ端微塵に吹き飛ばしながら、あたりを殲滅していく。熱風に焼かれながら、剥がされたタイルと共に死体が転がっていく。


    死体に引火し、燃え盛る中、二酸化炭素がその空間を埋め尽くした頃、そこは傾きだし、阿鼻叫喚が外から聞こえ始めた。


    アメリカに住む人間は空を見上げ、円盤が墜落していく様を泣きながら見守った。愛する者と抱き合い、目に涙を浮かべ、笑いながら、歌を唄い、踊った。



  20. 20 : : 2020/05/03(日) 01:57:19




    とある星。円卓の形をしたテーブルで、厳かな装飾が施された椅子に座った、数人の生物は、地球という星について会議をしていた。


    「この星の住人は極めて非人道的な行いを、過去数千年単位でしており、その罰を全く受け入れようともせず、暴力を持って抵抗した。満場一致で、星の死刑を実行する」



    そうまとめたのは、“白を基調とした肌を持ち、黒ぶちのある、鼻輪をつけ、小さな角を生やした”異星人だった。


    「さらばだ、エイリアン共」


    その生物が机に設置されたボタンを押すと、地球に向けて、巨大な、巨大な白い光線が放たれた。





    『さよならエイリアン』



  21. 21 : : 2020/05/03(日) 02:13:21
    書き上げた感想書きます。ずっと悩んでました、悪について。考えがまとまったら書けました。てか、とっさの思いつきで書いたカミハシラが可愛かったので良かったです。カミハシラ可愛いなと思います。そこが全てです。
  22. 22 : : 2020/10/26(月) 14:31:13
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

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    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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