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記憶喪失の彼

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  1. 1 : : 2020/01/03(金) 02:39:15
    皆さん本当にごめんなさい!!
    以前書いていた作品の構成を思い出せず、続きを書けなくなってしまいました…
    代わりにこちらの新作品を書いていきたいと思います…
    本当にごめんなさい!!!

    【注意点】
    ・現パロ
    ・エレヒス
    ・エレンの記憶が全失

    前作の分まで一層力を入れて頑張ります!!
  2. 2 : : 2020/01/03(金) 08:03:59
    マジでか…
    今書けないってことでいいのか、
    思い出す、または新たに構成が思いついたら
    続きも書いて欲しい

    ま、こっちにも期待します

  3. 3 : : 2020/01/03(金) 09:47:54
    もう今日で3日目。

    私の彼、エレン・イェーガーは今、病室で眠っている。

    3日前、私とのデートの待ち合わせの時間に遅れた彼は、急いで来る途中、居眠り運転の大型トラックと衝突した。

    付き合ってちょうど2年目の日だった。

    救急車で運ばれて行く間、ずっと彼が握っていたものがあったらしい。

    結婚指輪。

    恐らくデート中にプロポーズをする計画があったのだろう。

    元は白く光っていたと思われる指輪は、

    私が手にした時は彼の血で真っ赤になっていた。

    エレンのお父様とお母様は私が到着してすぐに来られた。

    ご両親は手術中の息子の身を案じ、気が気でないご様子だったが、

    震えていた私の背中をさすって慰めてくれていた。

    私は手術中のランプが消えるまで、涙は出なかった。

    不思議だった。

    彼のことが好きじゃない訳では無い。

    いつも笑って、楽しませてくれて、優しい彼のことは大好きだ。

    事故を知った時も、本当にショックを受け、目眩がした。

    でも、涙は出なかった。

    辛くて、悲しくて、怖くてたまらない。

    それでも涙だけは不思議と出なかった。

    おそらく本能が、泣けば心が壊れると判断したのだろう。

    私は一粒の涙も流すことなく、

    手術を終えた彼の病室で今日まで3日間過ごしている。

    彼のご両親も仕事を終えた後は必ず病室に来られる。

    本当に息子思いの素晴らしいご両親だと思う。

    でも、そのことを彼は知らない。

    1度も目を開けずに眠っているのだから。

    私は彼にいつも迷惑ばかりかけていた。

    出会った時だってそうだ。

    勤めていた会社が倒産し、シガンシナで再就職した私は、

    慣れない土地で不安な毎日を過ごしていた。

    そんなある日、私はストーカーされたことがあった。

    体力の無い私には撒くことはできず、

    それでもあまりの恐怖に耐えられず、

    思わず近くの家に助けを求めて飛び込んだ。

    その家がたまたま彼の家だった。

    それが私たちの最初の出会いで、それから仲良くなり、付き合うことになった。
  4. 4 : : 2020/01/03(金) 20:56:29
    付き合ってからも、彼はいつも助けてくれた。

    沢山ありすぎて覚えきれないくらい。

    それからちょうど2年と3日が経ち、彼は今眠っている。

    ガラガラガラ…

    カルラ「ヒストリアちゃん、本当にありがとうね…」

    ヒストリア「いえ、私が彼の隣に居たいだけなので…」

    カルラ「それでももう3日目だし疲れも溜まってるでしょう?私は仕事も終わったから、少し外の空気でも吸ってきた方がいいわよ」

    ヒストリア「でも…」

    カルラ「あら?お義母さんに逆らうつもり?」フフフ

    ヒストリア「ま、まだ結婚してません…!」

    カルラ「ふふ…ほら、少し散歩でもしてきなさい!これはお義母さんのご命令よ!」ニコ

    ヒストリア「…ありがとうございます」ペコリ

    カルラ「こちらこそ本当にいつもありがとうね」

    ヒストリア「いえ…では少しだけ失礼します」

    スタスタ…

    カルラ「初めて会った時から思ってたけど…本当に良い子…エレンには勿体ないわ…」

    エレン「…」

    カルラ「エレン、あんた、あんないい子をいつまでも悲しませてちゃいけないよ!早く目を覚ましな!」

    ガラガラガラ…

    グリシャ「エレンはどうだ?」

    カルラ「あら、もう仕事終わったの?」

    グリシャ「ああ、今日は院長が早めに帰れってね…それで、エレンは?」

    カルラ「見ての通りよ…特に変わったことは無いわ」

    グリシャ「そうか…そう言えば、ヒストリアちゃんは今日はいないのか?」

    カルラ「ヒストリアちゃんならさっき私が散歩でもしてきなさいって言ったわ」

    グリシャ「そうか…あの子は本当に優しい…疲れが溜まっていても無理しているのだろうな…」

    カルラ「ヒストリアちゃんのためにも、早く目を覚まして欲しいわ…もちろん親としても」

    グリシャ「もちろんだ」




    ヒストリア「結婚、か…」キラッ…

    ヒストリア「綺麗な指輪…」

    私は、この指輪をまだ1度もつけていない。

    彼から直接つけてもらうって決めたから。

    ヒストリア「エレン…早く…早く目を覚まして…」グス…

    ヒストリア「あ…涙…」

    初めて、涙が出た。

    3日間で落ち着いたと判断したのだろう。

    実際、泣いてはいるが正気は保てている。

    ヒストリア「…戻らなきゃ」

    そうだ。今は泣いてる場合じゃない。

    今度こそ、私が彼を、エレンを支えるんだ。

    ダダダ…

    ヒストリア「あれ?グリシャさん…?」

    グリシャ「ひ、ヒストリアちゃん!は、早く来るんだ!!」

    ヒストリア「!?は、はい!」ダッ!

    エレンに何かあった。

    私は直感的にそう感じた。

    そしてその直感は当たっていた。

    ヒストリア「エレン!大丈夫!?」

    だけどその直感は、

    エレン「俺…なんで病院に…?それに…どちら様ですか…?」

    ヒストリア「えっ…?」

    悪い方に当たっていた。
  5. 5 : : 2020/01/03(金) 21:33:57
    ヒストリア「ど、どういうこと…?エレン、私のこと…覚えてないの…?」

    エレン「お、覚えてないって言うか…会ったことないですよね…?」

    カルラ「エレン、何言ってるの!?あなたの彼女のヒストリアちゃんでしょ!?」

    エレン「彼女…?ヒストリア…?何言ってんだよ母さん…」

    ヒストリア「か、カルラさんのことは分かるの…?」

    エレン「そりゃ…母親のこと忘れるわけ…っ!?」

    カルラ「エレン!?どうしたの!?」

    エレン「な、なあ、母さん…あのカレンダーって…まちがってるよな…?」

    カルラ「まちがってないわよ…?」

    エレン「じょ、冗談はやめてくれよ…今は2016年のはずだろ!?」

    カルラ「違うわ…今日は2019年12月8日よ…」

    エレン「嘘…だろ…これって…じゃあ…」

    記憶喪失。

    エレンは、ここ3年間の記憶を無くしていた。

    私のことだけ認識できないってことが何よりの証拠だろう。

    ヒストリア「そんな…」フラ…

    グリシャ「ヒストリアちゃん!?」ガシッ!

    カルラ「ヒストリアちゃん!しっかりして!!」

    ヒストリア「」

    グリシャ「先生を呼んでくる!」

    エレン「…何が…どうなってんだよ…」




    ーうおっ!?なんだお前!?急に入って来て…ー

    これは…?

    ーなるほど、そういう事か。じゃあしばらくここでいなくなるのを待ってた方がいいなー

    エレンと…初めて会った時の…

    ー怖かったよな…ゆっくり休んでいいからな!ー

    ほんと、初めて会った時から、優しかったなあ…

    ーへえ、ヒストリアって言うのか!よろしくな!ヒストリア!ー

    あれ…?なんでそんなに慌ててるの…?

    ーーーーーちゃん!

    ちゃんって変だよ…

    ーートリアちゃん!

    この声…エレンじゃ…

    カルラ「ヒストリアちゃん!!」

    ヒストリア「はっ…!!」ガバッ!

    カルラ「ヒストリアちゃん!良かったあ…」ギュッ…

    ヒストリア「…カルラさん…私は…」

    カルラ「気を失ったの…エレンが目を覚ました後すぐに」

  6. 6 : : 2020/01/04(土) 16:59:15
    ヒストリア「そ、そうだ!エレンは!?エレンはどうなってるんですか!?」

    カルラ「先生にも診てもらったら…やっぱりここ3年間の記憶が無くなっていたわ…」

    ヒストリア「そんな…」

    3年前はまだ私と出会っていない。

    だからエレンは私を見ても誰かわからなかったのだ。

    ヒストリア「…私と、出会う前の記憶しかない…」

    カルラ「い、今お父さんがあなたのことも説明しているから…」

    ヒストリア「…」

    私はひどく落ち込んだ。

    当然のことだと思う。

    2年間作り上げてきた思い出の全てが彼の記憶から消えているのだ。

    落ち込まないわけが無い。

    カルラ「…ヒストリアちゃん…」

    ヒストリア「大丈夫です、私はエレンから離れたりしません」

    カルラ「…あまり、無理しちゃダメよ…?」

    ヒストリア「…エレンに会うことはできますか?」

    カルラ「それはできるけど…ほんとに大丈夫…?」

    ヒストリア「はい、もう覚悟は出来てます」

    嘘だ。

    カルラ「そう…それじゃあ行きましょうか」

    ヒストリア「ありがとうございます」

    覚悟なんて出来るわけが無い。

    ガラガラガラ…

    彼の中に“ヒストリア”は居ないのだ。

    グリシャ「…彼女が、今話したヒストリアだ」

    もう二度とあの日々には戻れないかも知れない。

    カルラ「じゃあ…私達は外に出ているから…ヒストリアちゃん、よろしくね…」

    だけど、

    ヒストリア「はい、ありがとうございます」ペコリ

    私には残ってるんだ。彼との思い出が。

    ヒストリア「えっと…こんばんは…エレン…」

    私は大好きなんだ。彼のことが。

    エレン「ああ…えっと…君が、ヒストリアさん、でいいのかな…?」

    それに決めたはずだ。今度は私が彼を支えるって。

    ヒストリア「うん…あの…私、いろいろ助けるから!だから…」

    私は、もう弱虫にはならない。

    エレン「なんか…ごめんな…こんなことになっちまって…」

    正直に言うと俺はめちゃくちゃ混乱している。

    目の前にいる女の子は俺の記憶には全くない。

    長めの金髪、小柄な体、同い年のはずだが俺より幼そうな顔…はっきり言ってそこまでタイプでは無い。

    だが、この子は確かに俺の彼女らしい。

    エレン「えっと…俺と君は…付き合ってるって聞いたけど…」

    ヒストリア「うん…3日前…エレンが事故にあった日でちょうど2年目だった」

    それも2年も付き合っている。

    だが、今の俺はこの子が誰かよく分かってないし、好きだという感情も…はっきり言って、ない。

    エレン「そうだったんだな…そんな大事な時に…」

    ヒストリア「え、エレンは悪くないよ…!」

    エレン「…俺も頑張って思い出せるようにするよ」

    ヒストリア「…うん」

    エレン「とりあえず、家に帰らねえと…」

    ヒストリア「だ、ダメだよ!ちゃんと安静にしておかないと…」

    エレン「でも…早く思い出さねえと…」

    ヒストリア「焦って大変なことになったらダメだよ!今はちゃんと病院にいた方がいいよ」

    エレン「…そうだな…悪い、少し焦っちまった」

    ヒストリア「じゃあ今日はもう遅いし帰るね?また明日来るから…またね!」ニコ

    エレン「…」

    ヒストリア「エレン…?」

    エレン「あ、ああ…悪い、ぼーっとしてたみたいだ…また明日な」

    ヒストリア「うん、じゃあね!」ニコ

    まただ…

    ガラガラガラ…

    ますます分からない…

    俺はなんであんな奴を好きになって、2年も付き合ってたんだ?

    容姿はいい方だと思う。そっち方面には疎いが。

    でも好みってわけじゃない。…少なくとも今の、3年前の俺は。

    そして、何より…

    エレン「あの笑顔…気味が悪いな…」

    ただの作り笑いとかじゃない、何かを封じ込めたような人工的な笑顔…

    しかもその顔をずっと維持していた…

    ハッキリした笑顔じゃない時も嘘の微笑みを維持して…

    エレン「ろくに笑えもしねえ奴を好きになったのかよ俺は…」

    分からない。

    全く分からない。

    彼女の何に惚れたのか。

    それに、

    エレン「俺、モテたことねえのに…」

    そう、俺のことが好きだと言うのがおかしいんだ。

    俺の記憶(3年前まで)では俺は悪人面らしく、目つきが悪い、顔が怖いと、女子にはことごとく避けられていたはずだ。

    何が気に入られたのだろう…

    エレン「まあ、記憶もねえのにあれこれ考えても仕方ねえか…」

    また明日になれば何か思い出せるかもしれない。

    今日はもう、寝よう。
  7. 7 : : 2020/01/27(月) 19:47:26
    とても清々しい朝…とまではいかないが、割といい朝だ。

    1度寝れば記憶が戻っているかも知れないと、少し期待をしていたが、現実はそう甘くない。

    記憶が戻らないことは特に不快には思わない。親の顔はわかるし、3年前までに会ったことのある人なら認識できる。

    ただ、

    ヒストリア「おはよう、エレン!」ニコ

    この笑顔を見たくない。

    エレン「あ、ああ…おはよう」

    ヒストリア「よく眠れた?あ、」

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Gerrard_177

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