このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
※ベルユミ ベルトルト「好きだとか、」
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- 1 : 2019/12/11(水) 22:44:20 :
- 進撃の巨人
ベルトルト・フーバー×ユミルのSSです。
主は18巻までしか読めてないので、それ以降出てる分の情報とかは薄らぼんやりしか知らないですすみません…
ゆるやかに、のんびりと、優しい目で見守っていただければ幸いです。
前提として、本作初期のベルトルトはアニに恋心を抱いてて、ライナーはクリスタが好きって感じです。
※恋愛的なエレアニ要素はありません
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- 23 : 2019/12/15(日) 00:28:07 :
トリップど忘れしたので変更しました、すいません。 作者です。
皆様、貴重なご意見ありがとうございます!
確かにタイトルにベルユミと記載しておくべきでしたね…。すいません。
>>1にも記載済みですが、こちらはベルトルト×ユミルのSSになります。
申し訳ありませんが、苦手な方はブラウザバックをお願い致します!
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- 26 : 2019/12/15(日) 00:59:26 :
「______そんなこと、言ってる場合じゃないんだよ、僕達は!」
まさか僕がこんなに大きな声を出して反論するだなんて、彼は思ってもみなかった様で。
「じょ、冗談じゃねえか、落ち着けよ。」
僕の気を静めようと冷や汗をかきながら僕に言う。
______10年来の親友であるライナー・ブラウンだ。
「ほら、だだの世間話じゃないか……解ってるさ、お前が…………、」
そう言って彼は口篭る。
「…取り乱した。別に、怒ってるわけじゃないよ……、ごめん。」
溜め息のひとつでも吐き捨ててやりたかったが、そんなことをすればまたこの男はうじうじと悩み腐るだろう。
体格に見合わぬこのナイーブな所を、もう少しでも治せば……なんて、
(僕が言えたことじゃないけど。)
溜め息を吐く代わりに、隣を歩く彼の方をちらりと見て、なるべく穏やかに伝える。
「…ごめん、僕、資料室に行ってから寮に戻るよ。先に帰ってて。」
さっきの件は、何も気にしていませんよ。
そんな素振りを見せるようにして、柔らかく言ってみた。
「ん…、そうか、わかった。」
彼から漏れた安堵の息は、恐らく先程の一件が「何事もなく片付いた。」なんて思ったが故のものだろう。
別に怒っている訳では無いけれど、かと言ってこのまま彼と仲良く部屋に戻る気もしないので、特に用も無い資料室に足を運ぶことに決めた。
「あんまり根を詰めるなよ。」
「君もね。」
後ろを向きながら、ひらひらと手を振って帰る彼をなんとなく数秒間見つめてから、資料室の方へと足を進めた。
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- 27 : 2019/12/15(日) 01:00:18 :
- 期待します
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- 28 : 2019/12/15(日) 01:18:16 :
別に、恋愛自体に嫌悪感を持っている訳では無い。
流行りものの恋愛小説を、別段馬鹿馬鹿しいだなんて思わない。
むしろ、誰かのことを想って真剣になれるなんて、素敵な事だとさえ思う。
甘ったるい愛の言葉も、キスも、セックスも。種の存続のため必要な行動という事は理解している。
人類には、ほかの種族と比べて前のふたつが必要みたいだけど、それだって立派な人間らしさだと思う。
____あくまで、【人類には】だけど。
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- 29 : 2019/12/15(日) 08:01:17 :
- 期待!
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- 30 : 2019/12/15(日) 09:15:22 :
- 支援!
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- 31 : 2019/12/15(日) 10:06:03 :
- 期待
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- 39 : 2019/12/15(日) 23:29:22 :
僕からすれば、結局実らせることの出来ない無駄な感情なんて、持たない方が良いに決まってる。
そんなことを思うと、開拓地での彼らとの会話が脳裏を過った。
僕らの【仲間】のもう一人、アニ・レオンハートは言った。
「アンタ達、頼むから……馬鹿みたいに惚れた腫れたなんて抜かさないでね。」
あの頃のアニは先の不安からか、もうあまり笑顔を見せなくなっていた。
どこか下のほうを見つめ、焦点を合わせずに僕らに言う彼女の姿は、とても同い年の女の子には見えなかった。
今思えばきっとアニは、男女という大きな差の中で、僕らが自分の知らないうちに離れて行ってしまうんじゃないかと、ただただ不安だったのでは無いか。
でも、当時のライナーと僕は、そんな深いことなんて考えずに、アニから色恋の話が出たことに驚いて、僕らなりに焦っていたんだ。
贔屓目で見なくともアニは可愛いと思う。
無愛想なのは使命を背負っているが故のものだと思うし、本来ならきっと、このくらいの歳になれば__、それこそ兵士になんてならなければもっと、誰が素敵で、この人が好きだとか、流行りの服を買うために友達と出掛けてみたり、とか……。
ライナーだって、好きなように遊べただろうし、彼女だって彼の性格だったらすぐにできたに違いないだろう。
…………僕だって、そうだ。
でも、僕らに残されている道は、信じられないほどに暗く、重い。
「……お前こそ、乙女なんだろ?頼むぜ、お前が一番怪しいじゃないか。」
アニからの突然の話に、ライナーはいつもの軽口で流そうとする。
「…………」
いつもなら、アニはここでライナーに蹴りを入れるはずだ。
でも、アニは下を向いたまま、それ以上は何も言わなかった。
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- 40 : 2019/12/15(日) 23:59:40 :
- いいじゃないか
期待
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- 41 : 2019/12/16(月) 07:33:05 :
- 久しぶりの良作
期待!
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- 42 : 2019/12/21(土) 11:33:52 :
でも、でも近頃は、彼らの様子が違ってきた。
これは、ただの気の所為なんかじゃない。
恐ろしくて、考えたくもない。
___アニが、最近よく笑うような気がするのも、
ライナーが皆から慕われて、信頼されて、その上……クリスタに気があるような、浮ついた気持ちでいるような気がするのも、
全部、僕の気の所為だと、信じたい。
…僕は、彼らがまるで、人類を愛してしまったんじゃないかと、今日も苦しくて、心細くて、
いつか、僕だけが取り残されて、重い闇に引きずり込まれてしまうんじゃないかって、
ずっと、不安だ。
資料室の本棚にある本に、何も考えぬまま手を掛けていた様で、その表紙には『巨人の生態』と大きな字で書かれていた。
「ひっ……!?」
その本が何故か堪らなく恐ろしく思えて、
つい、手を滑らせて落としてしまった。
なぜなら、今の僕には_____、この本たった一冊に『僕達』の弱点や殺し方が記されているという事実が、落とした本に手を伸ばせないほどに受け入れられなかった。
「…………………嫌だ、」
鼻の奥がツンと痛く、熱くなり、視界が揺らめく。涙が出そうで、でもそれを流してしまえばきっと、僕の中の何かが壊れてしまう。
がたがたと震え始めた身体を、どうすることも出来ずにただ僕は本を見つめていた。
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- 43 : 2020/01/26(日) 00:45:36 :
- 頑張れー
早く続きがほしい
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- 44 : 2020/02/19(水) 00:46:51 :
- >>43
ありがとうございます
書いていきます
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- 45 : 2020/02/19(水) 00:47:11 :
「____ベルトルト?」
「!」
随分と低い位置から聞こえた声に驚いて、声も出なかった。
「……クリスタ、」
「どうしたの?顔色悪いよ、大丈夫?」
間髪入れずに僕に問う彼女は、眉を下げていていかにも【心配そう】だった。
今、そんな彼女の顔は見たくない
「落としたよ、本……借りるの?」
にっこり笑う彼女は、所謂同期の言う【女神】…………にはとても見えなくて。
僕達の計画に差し障る邪魔者にしか、
見えない。
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- 46 : 2020/06/18(木) 00:37:42 :
「ベルトルト?」
続けて僕に声を掛けるその【女神】は、必死に首を上に向けて、眉を下げる。
普段は(身長差の関係で、)ほとんど旋毛しか見えない彼女。
今はよく顔が見える。
………白い肌に大きな目。
青い瞳に落ちる長いまつ毛。
………こいつが居なくなれば、ライナーはまた使命を果たすことに集中できるよね?
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- 47 : 2020/06/18(木) 00:41:56 :
簡単に、殺せる気がする。
首を折ってやれば、声も出さずに、血も出ずに、
僕の力ならこんな女、数秒で殺せるな。
資料室には今、僕と君しか居ないんだよ。
簡単に、殺せるんだよ。
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- 48 : 2020/06/30(火) 12:02:26 :
- 期待
スレ整理してるんだろうけどアンチ減ったな
よかったよかった
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- 49 : 2020/12/26(土) 16:31:29 :
- 面白いです! 続きが見たい~
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- 50 : 2021/02/12(金) 22:44:28 :
は、と我に返ったのは、頬に走る痛みのおかげだった。
直後にクリスタが何かを叫んだような気がしたけど、理解するまでには至らなかった。
目の前が揺れる。
打たれたのであろう頬が、物凄く痛い訳では無いけれど、何故だか上手く捉えられない。
クリスタが居るであろう所と、新たにもう一つ影が見える。
誰か来たのかな。
その増えた影の辺りから声がする。
僕の名前を読んだ気がする。
まだぼやける視界で、漸く捉えたそれは、
「なあ、何とか言えよ、気持ち悪ぃな」
と、恐らくは僕に、投げかける。
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- 51 : 2021/02/12(金) 23:01:21 :
「ユミル!」
と叫んだクリスタ。
きっとさっきも、彼女の名前を呼んだのだろう。
今になって、思い出した。
「黙ってろクリスタ。」
そう言って、一蹴する。
ビク、と一瞬震えたクリスタは、それ以上は何も言わなかった。
「なあ、見てたんだけどよ、ベルトルさん。」
乱暴に、乱雑に続ける。
「あんた、クリスタに何しようとしてたんだよ。2m近え奴がふらふら私の女神に近寄ってんじゃねぇよ気持ち悪ぃ、」
つらつらと慣れたように悪態をつく彼女は、鋭い目付きで僕の顔から目を離さない。
「最初は声掛けたんだぜ、でもあんたが気付かねえから一発入れてやったんだ…目付き、普通じゃなかったからな」
「だ、だからって叩くことないじゃない!」
とまた、クリスタが叫んだ
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