リヴァイ「本日から営業中」
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- 1 : 2019/08/06(火) 17:26:46 :
- 現パロってそういや、書いたことなくね?
リヴァハン?エルハン?モブハン?みたいなやつ描きたくね?
ってか、まぁ、爽やかよりも、ちょっと鬱憤としたやつかきたいよね。(自己完結)
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- 2 : 2019/08/08(木) 13:29:38 :
- 蹴飛ばした机が思いっきり倒れた。整理整頓された部屋が、一瞬で中途半端な部屋に変わってしまった。
嫌いだ。嫌になる。あいつらの頭も蹴飛ばしたい。俺が死ぬほど嫌いなのは、あいつらみたいに殺しても殺しても死なねぇゴキブリだ。いつのまにか、ぬるくなったコーラは常温のまま鞄の中に眠ったままで、二度と誰にも飲まれない。俺は、コーラを取り出すと、台所で中身をこぼした。黒い液体が、炭酸を弾かせ消えていく。コーラをくれたあの男。結局、誰だったのか検討もつかない。
それよりも、男のくせに喧嘩を売られて、殴られたのに立ったままだったあいつは、頭がおかしい。しかも、見た感じ、学生だった。深夜徘徊とはいいご身分だな。
殴ったやつを、殴った俺に、コーラをくれたのはいいものの、俺が買いに行ったのは、タバコで、冷えたコーラは求めてなかった。要らないと、言う前に、男は消えていたのだ。
そして、俺が瞬間で、そのコーラを返せなかったのは、そいつの瞳があまりにも死んでたからだ。すたすたと歩いていく男の後ろ姿は、意外にも華奢だったし、名前も分からなければ、存在すらしていたのかわからない。
もんもんとさっきの出来事を思い出し、なおさらあの男が気になる。
変なやつ。
おかしい。
倒した机の横にある、まだ蹴られていない椅子に腰をかけた。深く腰掛け、背もたれる。暗がりな室内で、ライターの光を灯す。紅蓮に燃え上がる、ポッと出た炎に買ってきたばかりの煙草を近づけ息を吸い込んだ。
煙は、みるみる肺と目の前を覆い、いつのまにか消えていく。
三白眼の俺の目は、さらに半開きになり、気怠げに天井を見つめる。視界は依然、暗闇で、眠気だけが残る。やっと吸い始めた煙草の火を消し、思考は完全に停止して、結局そのまま眠ってしまった。
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- 3 : 2019/08/09(金) 16:48:05 :
- 目覚めたころには、朝日どころか、夕日の日差しになっていて、カーテンの隙間から漏れた光が、目をくらます。夜中に、煙草を買いに行ってからずっと寝ていたはずなのに、まだまだ寝足りない。成長期は恐るべし。今日は、何もしていない。そう言えば、母がいないのか。うるさい、母さんが。騒がしくもないし、無理に叩かれることもない。昨日、殴られたところも少し腫れが引いている。ソファにうずくまっている時間が心地いい。このままがいいなぁ、なんて。非日常は愛おしい。ひとりがいい。消えたい。
そんなこと言ったってなんにも変わりゃしないか。母がいないうちに、早く頼まれてたものを買ってこよう。
えっと、パンと、牛乳と、酒と煙草ね。
古いアパートをそそくさと出て、街に出る。早くなくなっちゃえばいいのに、あの家。
バスは何時だろう。まぁいいや、少し先のバス停まで歩こう。
薄汚れたスニーカーは、履き鳴らされていて、早く替えが欲しいなと思う。新しいスニーカーが欲しい。そしたら、こんな気分も明るくなるのだろう。
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- 4 : 2019/08/09(金) 22:28:34 :
- 夕日は自分の体を照らしながら、あと少しで沈もうとしていた。買ったパンと牛乳、煙草と酒を抱えながら、バスを待つ。時計の針は、バスの到着時刻を少し過ぎ、5分過ぎていた。もう、来ないで、と、かかとを上げ下げしながら、ままだきを繰り返し、しかめっ面でらバスが来る方向を睨む。さっきから信号機が赤と青を繰り返している。青が黄色になる。黄色が赤になる。車たちが止まる。歩行者が歩き出した。横断歩道の人たちも歩き終わり、青が点滅し始めて、やがて赤になり、歩道の信号機は赤から青になった。そして、憎らしい、バスが来た。
買ったものを抱えながら、片手で切符を取ると、間近の空いてる席に座る。紙袋がくしゃ、くしゃとバスが揺れる度に音がなる。
そして、夕日が消え、照らすものがなくなり、一番星が輝き出した頃には、バスもどこかへ消え、自らの足で、少しも良くないアパートに着いていた。
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- 5 : 2019/08/09(金) 22:29:49 :
- 車がある。
つまり、母がいる。もれなく、男もいて、おまけに子供もいる。
普段、母が、食べないパンと牛乳は、男の子供と男のためのご飯かよ。
そして、酒と煙草は、母さんの精神安定剤か。クソだな。なんのための、お使いだよ。
舌打ちをする。
荷物を持ちかえ、階段を登る、はずだった。
うちの目の前、知らない男がいる。
2人?
なぜ、うちのドアが開いている?
度重なる疑問が、頭をよぎる。
正面玄関ではない、裏口に回り、階段を登ろうと足を上げた。
パンッッッ
強烈な、発砲音が鳴り響く。
パンッッッ、パンッッッ
鳴り止まない。
パンッッッ、パンッッッ、パンッッッ
パンッッッ、パンッッッ、パンッッッ
何度も何度も、なり続ける。
私は、階段を登る足を止めなかった。
階段も登り終わり、アパートの廊下に出る。案の定、家の前には、いかつい男1人と、ドアは乱暴に開いたまんまで、その開けっ放しのドアからは、子供の手が見える。
目の前に、荷物を持ちかえ、パンで顔が見えないように、前に進む。
進み出した途端、部屋から男の2人が出てきて、子供の手を蹴って、ドアを閉めた。3人の男は自分の方向に歩いてきた、このまま、親と一緒に死ぬのか。
自分の家まで足を進める。歩幅も変わらず、速度も変わらず。
自分の家に。
自分の家に。
自分の家に、、、、向かわなかった。自分の家の目の前になっても、足を止めず、歩き続ける。
男たちの足音も鳴らないまま、私の足音だけがなり続ける。
そして、私の家ではない一番奥の部屋の前で足を止めた。
コンコンと、扉を叩く。
「買ってきたよ」
コンコンと、扉を叩く。
「おつかい、行ってきたよ」
コンコンと扉を叩く。
開けてくれ。
開けてくれ。
開けてくれ。
男たちの足音はまだ鳴らない。
コンコンともう一度扉を叩く。
ガチャリ。
男たちの足音よりも、私が扉を叩く音でも、銃声でもなく、無機質な音が鳴った。
「、、、入れ」
男は、私の手を強く引っ張り、部屋に入れた。
ポロポロと、頰を濡らしていた私を置いて、母さんたちを殺していった男たちの足音が遠のいていった。
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- 6 : 2019/08/11(日) 12:39:14 :
- 部屋に入れたのはいものの、この男、この間の男じゃねぇか。
茶髪でボサボサのショートボブ。
目つきの悪すぎる目元。
そして、でけぇ。俺よりもでけぇ。
「、、、大丈夫か」
死んだ目つきは治らない。俺も人のこと言えないが。
「、、、大丈夫です」
嘘つけ。
「とりあえず、荷物おけよ」
パンが入った紙袋を玄関に降ろし、男の服を引っ張る。
「なんですか」
くせぇ。臭う。
「風呂だ」
「は?」
男は、驚いた顔で俺の顔を見た。
「今すぐ風呂に入れ、さもなければ追い出す」
汚いスニーカーを脱がせ、乱暴に風呂場へ押し込む。絶対、汚ねえ。臭うし。
「あ、押すな!転ぶ、、、!」
ふらふらと押されながら、風呂場に押し込まれ、勢いよく倒れて四つん這いになる。
「乱暴だな、、、」
ぶつぶつとぼやきながら、男は、こちらを見た。
「乱暴ですまねぇな。早く入れ。話はそれからだ。」
バタンと、これまた乱暴にドアを閉めて、俺はその場を後にした。
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- 7 : 2019/08/11(日) 22:00:49 :
- ちゃんと湯船に肩まで浸かって、ぶくぶくとお湯で泡を作る。私は、膝を抱えてやっと入る大きさのバスタブでぼーっとしていた。
疲れた。
普通、日常でこんなことがあるはずがない。
殺人?その前に私は天涯孤独?
いやいやいやいやいや、私まだ未成年だし。てか、父さん、、、は気がついたら蒸発してたし、母さんの親戚、、、、
「、、、、会ったこともねぇよ」
やっぱ、おかしい、これは夢だと信じたい。思いっきり頭を湯船に突っ込む。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、、、、、14、、、、
「っっあ"ぁ!夢じゃない!」
まじかまじかまじか。これが現実かよ。ありえねぇだろ。なんで、こんな目に。だるい日常だったけどさぁ、え?なにこれ、おかしくない?えっと、どこからが始まりなの?母さんって、なにかしたの?なんで、殺された?つーか、皆殺しだったじゃん、日常じゃ、そうあり得る話じゃない。
「、、、、上がろう」
そろそろのぼせてきたし、頭も回らない。
「何、ブツブツ唱えてやがる、気色悪りぃ。早く出てこい。」
30分前に殺人が起きてんだぞ。なんでそんな冷静なんだよ。おかしくねぇ?
しかも、同じ階。殺した男たちに顔バレしてる。私たちが殺されるのも時間の問題。あの男に焦りはないのか?
勢いよく湯船から飛び出し、濡れたまま、洗面所の鏡の前に立つ。
茶髪の髪がいつもより長くなってて、母さんに殴られてた腰と、叩かれて腫れてたところはほのかに青く、赤くなったままで、このあざを作った母さんは、もうこの世にはいない。その事実はあざが消えてもなくなりそうにないのだ。
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