この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
この作品は執筆を終了しています。
-SS-【YES】
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- 1 : 2019/06/06(木) 01:13:30 :
- 「こんなところでどうしたの?」
行く場所も宛もなく、気味悪がられてきたボク…。
そんなボクに優しく声をかけてくれたのは…
キミだけでした。
「ここじゃ濡れちゃうから」
『……』
「私の家すぐ近くなんだ!」
『……(聞こえないぐらい小声で)ほっといて』
「良かったら、服乾かし.…『…ほっといて…』…え?」
『…ほっといて…』
そんなキミにも、どうせ他のヤツらと同じでボクを気味悪がる…顔をあげたら離れていく…この眼を見たらきっと……そう思っていた。
もう、誰かが離れていくのは嫌だった。
だから、初めから近付くことをやめた。
「……(はっ!)
そんな、悪いことしてやろうなんて思ってないよ!?
風邪ひいちゃうといけないと思って…ッ!
でも、そうだよね、家に来るのイヤだよね…。
…ッ!ちょっと待ってて!」
何かを言っていた気がするけど、わからない。
傘をボクにかけてキミは走って行ってしまった。
ついに、顔を上げなくても人が離れていくようになってしまった。
ボクはさらに膝を抱えて小さくなる。
傘のおかげで、雨の冷たさは少しマシになってはいる。
代わりに、ボクの心は冷たくなっていく。
『!』
何か温かいものに包まれて、咄嗟に顔を上げてしまった。
キミと目が合う。
「…綺麗な赤。」
その一言で、今までぼやけて聞こえていた周りの音が、一瞬でクリアになった。
キミの声が、クリアに聴こえた。
「家に来るのがイヤなら、せめてタオルをって思って持ってきたの!
…でも、足りないね。
やっぱり家でかわかして行かない?」
答えはイエスしか思い浮かばなかった。
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