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転生したら『村人』だった件
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- 1 : 2019/04/12(金) 18:58:12 :
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【起きなさい、起きなさい】
【私のかわいい坊や】
【今日はあなたが16歳になった誕生日】
【……】
【まぁだからと言って】
【何かある訳じゃないんだけどね】
【……とりあえず、まぁ、おめでとう】
【……あー……】
【ほら、早く起きて薪を集めに行きなさい、坊や……】
【暖炉の木が少なくなってるのよ】
【だからほら、はよう】
【……】
【そろそろ母さんも怒るわよ?】
【ほら、起きて】
【……】
「起きんかいコラァ!!」
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- 2 : 2019/04/12(金) 19:06:46 :
~とある家~
サブ「はっ!?」
母親「やっと起きたかい、サブ!」
母親「ったくアンタはいつもいつもグータラして昼まで寝よってからに!」
母親「隣の家のあの子を見習ってほしいもんだよ!」
サブ「えっ、えっ」
母親「まだ夢の中にでもいるつもりかい!? 早く顔洗って薪拾いに行きな!」
母親「働かない者に食わせる飯はないんだよ、いいね!?」
バタン
サブ「……」
サブ「ええと……なんだこれ……」
サブ「夢でも見てんのかな、確か俺は……」
そう、俺の名は「浅倉優紀」。
地球という星の日本という国で生まれ育った24歳の会社員。
だった、はず。
なのに目が覚めたら、いきなり知らない女の人に「サブ」とか呼ばれて、困惑している。
サブ「あっ、そうか、分かったぞ」
サブ「これラノベとかでよくある『転生』ってやつか?」
理解は早かったかもしれない。それぐらい俺の世界では「一般人が異世界に転生する物語」が大人気だったからだ。
俺個人としては本とかそういう系は読まないけど、世間で何が流行っているかくらいは知っている。深夜アニメでもよくやってるし。
サブ「へー、マジかー、これが転生かぁ」
サブ「つか待てよ……転生ってことは、俺死んだのか?」
サブ「……」
サブ「いや、思い出せんな……。俺なにしてたっけ……かなりブラック企業だったから睡眠不足で意識もずっと曖昧だったもんな……」
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- 3 : 2019/04/12(金) 19:13:47 :
母親《サブ! あんた何してんだい! まだ寝ようとしてんのかい!!?》
サブ(うお、とりあえずやべえ、なんか返事しとかねえと)
サブ「あ、あー! 大丈夫、起きたから! すぐ顔洗いに行くよ!」
母親《はやくしな! 昼ご飯もさめちまうよ、ったく……》
サブ「……」
サブ「ふう……」
サブ(と、とにかく、転生だったとしても、これ以上あの人を待たせるのもいかんな。こいつの母親……なのか?)
サブ(服は……着てる。これが布の服ってやつだろうか)
サブ(身長と体格は……現世の俺とあんま変わらんみたいだ。ざっと見て170センチの55キロ)
サブ(性別は……)
サブ(ほっ、良かった、男だ)
母親《サブー!!》
サブ「ああっ、ごめんごめん、今行くから!」
サブ(とりあえず部屋の外に出てみるか)
サブ(……しかし、サブっていうのかこの子。もうちょいファンタジーみたいな名前はなかったモンかねぇ)
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- 4 : 2019/04/12(金) 19:20:14 :
~1階~
サブ「ふぅ」
サブ(顔を洗ったらさっぱりしたな。この世界にも『鏡』はあるみたいだ)
サブ(顔は――うーん。現世の俺よりはイケてるか。まぁだいぶ若返ってる訳だし)
母親「なにボーッとしてんだい、ほら、ご飯だよ!」
サブ「あ、うん、ありがとう」
サブ(食事しながら、色々とこの世界のことを聞いてみるか)
サブ(用意されてるのは……パンとスープ、サラダ)
サブ(スープはなんだこれ、味ついてんのか? うっすい汁に芋が入ってるだけ。正直まずそう……)
母親「早く食べちまいな! グズグズしてると日が暮れちまうよ!」
サブ「は、はい。いただきます」
母親「?? いただきます? なに言ってんだい、アンタ……」
サブ「えっ」
サブ(あ、もしかしてこの世界だと、食べる前の挨拶とかしないのかな)
サブ「あはは……はは、いたたたーって、ね?」
母親「……変な子だねぇ」
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