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アルミン「虹の向こうへ」
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- 1 : 2014/01/15(水) 16:19:41 :
- いつだったかな。
聞いたことがあるんだ。
空に架かる虹は天界へと繋がってるって。
ぼんやりと空に架かる虹を見つめながら僕は思った。
虹を渡れたら…
その先にみんなはいますか?
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- 2 : 2014/01/15(水) 16:20:29 :
- すっごく短いですがお付き合いください。
僕の処女作です///
ごめん照れるとこがおかしかった
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- 3 : 2014/01/15(水) 16:21:07 :
- 素敵な書き出し。支援!
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- 4 : 2014/01/15(水) 16:21:23 :
- コンコン
誰かが扉を叩く。
…うるさいなぁ、放っておいてよ。
またいつものあの人だろうけど。
「入るね!」
やだよ、入らないでよ。
僕はめんどくさいんだ。
ガチャッ
「…今日も喋ってくれないの?」
そうだよ、僕は喋らない。
この世界なんて…大嫌いだ。
「ミカサやエレンが死んだ、ただそれだけのことだよ…」
それだけのこと?
僕は作戦参謀だったから中枢部分にいた。
…だから僕だけ助かった。
でも僕は喋らない。
わかってもらったって仕方ないから。
「…」ウーン
考え込むくらいなら帰ってよ。
「よし、今日はアルミンが喋るまで帰らないから!」
そんならしゃべるよ。
アルミン「…帰って。」
「!!…久しぶりに聞いたよ、アルミンの声」ニコッ
早く帰ってよ。
約束くらい守ってよ。
「…じゃあ帰るね」
「…またくるから!」
こないでよ。
僕は君に会いたくないんだ。
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- 5 : 2014/01/15(水) 16:21:59 :
- >>3ありがとうございます!
早速のコメント、とても嬉しく感じます> <
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- 6 : 2014/01/15(水) 16:23:22 :
- コンコン
ガチャッ
「アルミン!」
…君に遠慮って言葉はないのかなぁ?
「外をみて、いい天気だよ!
そうだ、この前海に行ったんだぁ。
広くてキレイだったよ!!
アルミン、行きたがってなかったっけ?」
…エレンがいないから。ミカサがいないから。
行ったって意味ないよ。
…二人と行くって約束したんだ。
海はもう悲しい思い出。
行きたくない。。
「あ、そうそうこんな本を見つけたんだ。」ガサガサ
「ほら、アルミン。
ここに置いていくね、本好きでしょ?」
好きだ…いや、好きだった。
もう僕は何もしたくない。
読みたくないし聞きたくない。
喋りたくない。
考えたくない。
…思い出したくない。
「…じゃあまたくるね。」
二度とくるな。
君がくる度に…また思い出してしまうんだ。
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- 7 : 2014/01/15(水) 16:25:07 :
- …何もすることがない。
あいつが頻繁に来るから、何もない時も思い出すようになってしまった。
…この記憶を、消す集中する何かがほしいなぁ。
あ、さっき置いて行った本だ。
なんて本だろう…。
《虹の向こうへ》
虹…?
あ、確か昔読んだことがある。
虹っていうのは雨が降ったあととかに光の反射によってできるもの。
壁内では滅多に見られないから王政により禁忌とされてた本。
今では誰でも見られるか。
巨人もいないし壁外にはいつだって出られるんだから。
…読んでみるか。
ペラッ
静まり返り何もない室内に紙をめくる音だけが響く。
何も考えず、文字をただひたすらに貪った。
ペラッ
ペラッ
心地よい。
本を読む楽しさ…それはその世界に入り込めるから。
この本は小説で男女の恋愛を描いたものだった。
病死した女にもう一度会うためにふと耳にいれた噂を実行する。
虹の橋を渡ると死んだ人に会えるということ。
彼は本当に虹を渡って再開する。…なんてファンタジー要素がある小説。
内心馬鹿馬鹿しい…なんて思ったりもしたけど。
僕だって行きたい。
会いたいよみんなに。
この主人公は羨ましい。
そしてほんの一瞬思ったんだ。
この世界に入り込みすぎたからかもしれない。
根拠もない。
ただの水でできた橋に渡れる
なんかないのに。
僕は思った。
虹を渡る、って。
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- 8 : 2014/01/15(水) 16:26:30 :
- ガチャッ
「アルミン!…アルミン?」
いつもベッドの上から動かないアルミンが窓の外に立っていた。
「今日は…土砂降りだね」
アルミン「…」
僕は君に用なんかない。
どっか行ってくれ。
虹を見つけたら…
僕はエレンたちの元へ逝くのだから。
「…あ、あの小説読んだ?
面白い?」
アルミン「…」
「実は私はまだ読んでないんだぁ、新しく買った本で綺麗な表紙だったからまずアルミンに一番に読んでもらいたいと思って!」
…あ。
雨が急に止んだ。
アルミン「…っ!」ダッ
ドンッ
「きゃあ!」ドサッ
急いで外に出ようとしたら彼女にぶつかった。
…知らないよ。
僕は急いでるんだ。
ダッ
「ーっ⁈アルミン、どこに行くの⁈」
君にいう必要はないだろう?
僕はこの世界のすべてを捨てるんだ。
ようやく…逝ける。
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- 9 : 2014/01/15(水) 16:27:22 :
- ガチャッ
久しぶりに外の空気を吸った。
…眩しい。
でもそんなこと言ってられない。
早く、虹を…!
ハァッハァッ…
久しぶりに走ったからキツイ。
それでも僕は走る。
エレンたちに会うために。
ハッ
ハッ…
アルミン「虹だ…」
崖の向こう側に虹がかかってる。
早く、向こうへー…
崖の向こうに…行かなきゃ。
アルミン「…」ダッ
…あ。
虹に届かない。
下へ落ちて行く。
…このまま落ちても、きっとエレンの元「アルミン!!!!」
…ああ。
また君か。
アルミン「クリスタ…」
クリスタ「早く、私に掴まって!」
嫌だよ。
僕はこのままエレンの元へ…
クリスタ「あーもう!」ガシッ
クリスタは久しぶり使ったであろう立体起動を使いこなし
見事アルミンを抱え崖の上へと戻った。
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- 10 : 2014/01/15(水) 16:28:05 :
- …ああ。
また僕は…生きるのか。
クリスタ「アルミン」
クリスタ「…私の名前、久しぶりに呼んでくれたね」ニコッ
…え。
そこなの?
クリスタ「あ、今久しぶりに私の顔見てくれた。
そう言えば落ちる瞬間に、私の顔を見てくれたんだよね」ニコッ
…ああ。
その瞬間…
君が本当に女神に見えたよ。
ただ、今の僕には…僕の邪魔をする人にしか見えないや。
クリスタ「…ねぇアルミン。」
クリスタ「私があの本渡した理由わかる?」
アルミン「…」
クリスタ「アルミンに…昔のことを思い出してもらいたかったからだよ。」
クリスタ「ねぇ、アルミン。
あなたの夢は兵士になることだったの?」
僕の夢…?
それは自由になってこの世界を探検する…
でもそれはエレンがいたから。
ミカサがいたから。
アルミン「…やめて。」
クリスタ「ミカサが言ってた。
アルミンとエレンが一緒にこの世界を探検するのが夢だって。そうなんでしょ?」
クリスタ「なのに…なんで死のうとしてるの?」
そんなの…
夢が敗れたからだよ。
クリスタ「…」スゥッ
クリスタ「貴様は何者だぁ!!!」
アルミン「」ビクッ
クリスタ「貴様のことだ、金髪キノコ‼」
アルミン「…シガンシナ区出身、アルミン・アルレルト…」
クリスタ「声が小さい!」
なんだよ。
放っておいてよ。
でもなんだろう。
この恫喝が嫌に懐かしい。
アルミン「…シガンシナ区出身‼アルミン・アルレルトです!」
クリスタ「そうか、馬鹿みてぇな名前だな!
親がつけてくれたのか⁈」
アルミン「祖父です!」
…おじいちゃん。
口減らしのために殺されたおじいちゃん。
そうだ、僕が兵士に志願したのはこの状況を黙ってみていられなかったから…。
クリスタ「貴様の夢はなんだ‼」
巨人の餌になること?
巨人を駆逐すること?
それが終わったら僕は終わりなの?
…違う。
アルミン「…僕は人間性を巨人の餌にしました。
そしてようやく巨人も駆逐しました。
でも僕の夢は終わらない。
エレンと一緒に探検する…それは一生変わらないんだ。」
クリスタ「…エレンじゃないとダメなの?」
アルミン「…」
クリスタ「…っ!あんたまで死に急がないでよ!
あんたの夢は終わってないんでしょ⁈
あんたの夢はエレンと一緒にいることがメインなの⁈違うでしょ!
アルミンは、外の世界を探検する。
それが一番の夢でしょ‼」
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- 11 : 2014/01/15(水) 16:29:16 :
- ああ、そうだ。
僕の夢は…
終わってなんかいないんだ。
この世界が存在する限り。
僕が動けば…叶う夢。
僕が手を伸ばさなかっただけなんだ…。
クリスタ「ねぇアルミン。
アルミンは…生きてるじゃない。」ニコッ
僕は生きてる。
僕が生き続ける限り夢は破れない。
アルミン「クリスタ。」
クリスタ「何?」ニコッ
アルミン「僕と一緒に…探検にでかけないか?」
クリスタ「…喜んで」ニコッ
僕は生きてるから。
だから探検するんだ。
僕がこの世に生まれたのは。
僕が兵士になったのは。
この世界を探検するためだ。
僕が生きるには…この世界を探検するんだ。
クリスタ「…?何、アルミン」
クリスタ、ありがとう。
君のおかげで…また僕は生きることができそうだよ。
アルミン「クリスタ。」
アルミン「…ありがとう。」
END
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- 12 : 2014/01/15(水) 16:52:52 :
- おつです(´◡͐`)
短くて読みやすくて、ストーリーもほっこりしました。
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- 13 : 2014/01/15(水) 16:54:44 :
- いい!!すごくよかったです!
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- 15 : 2014/01/15(水) 18:48:39 :
- 乙!(・∀・)/
透明な世界観がとても素敵でした。
…どうでもいいけど処女作って響き、エロいよね!!ぐへへ〜
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- 16 : 2014/01/15(水) 18:50:11 :
- >>15 めたんさんだ涙
ありがとうございます!
間違えてジャンクリと伝えてしまったな〜笑
男が処女作って言ってるのみるとよく吹くんですよね…笑
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- 17 : 2014/01/15(水) 20:16:45 :
- きれいなアルクリ久しぶりに見たよ。
面白かったです。
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- 18 : 2014/01/15(水) 20:31:04 :
- >>17 きれいなアルクリ…!
ありがとうございます^ ^
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- 19 : 2014/01/15(水) 22:05:08 :
- 泣けてくる…………良い作品
こうゆうの作る人好き
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- 20 : 2014/01/15(水) 23:46:40 :
- 乙です……さすが…
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- 21 : 2014/01/15(水) 23:49:46 :
- >>19 大好きとは有難い!
僕の目標はキレイなSS(僕のSSとは真逆だけどね)なので嬉しいです!
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- 22 : 2014/01/15(水) 23:50:12 :
- >>20 さすがとは…!
ゆうありがとね!
いつもいつも…涙
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- 23 : 2014/01/16(木) 00:06:16 :
- 良い話でした!お疲れ様です!
次、期待ですw
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- 24 : 2014/01/16(木) 16:55:39 :
- >>23 ありがとろふ!
STARまで涙
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- 25 : 2014/01/22(水) 09:43:34 :
- すごくいい内容でした
次も頑張ってください(^O^)/
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- 26 : 2014/01/23(木) 23:35:04 :
- >>25
ありがとうございます!
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- 27 : 2014/01/28(火) 11:50:55 :
- めちゃくちゃ好き!これ!
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- 28 : 2014/01/29(水) 19:24:55 :
- >>27 わぁぁぁ嬉しい!
なんて嬉しいお言葉、感謝です!
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- 29 : 2014/04/09(水) 15:49:56 :
- いいです
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- 30 : 2017/12/05(火) 23:27:10 :
- いいね、すごい綺麗
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