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アルミン「5年越しの恩返し」

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  1. 1 : : 2014/01/11(土) 23:51:23


    ご覧いただき有難うございます!

    ・アルミンが5年かけて恩返しをするお話です。誰にかは読んでのおたのしみ。

    ・1〜4巻の内容がベースになっています。ご注意ください。

    SS2作目なので未熟な点もあると思いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

    1作目…ナナバ「世界で一番好きなもの」
    http://www.ssnote.net/archives/7253

    では、よろしくお願いします(*´ω`*)

  2. 2 : : 2014/01/11(土) 23:57:40
    がんばって潜水艦さん!
  3. 3 : : 2014/01/11(土) 23:59:37
    >>2 さま

    わ!コメントありがとうございます(´;ω;`)

    これからちまちま書いていきますね!よろしくお願いします。
  4. 4 : : 2014/01/12(日) 00:03:10



    ー 845年 シガンシナ区 ー



    ハアッ…ハアッ…

    歩き慣れた道をひた走る。



    僕らの街に

    シガンシナ区に

    巨人が攻めてきた。


    この街は、もう終わりだ


    だけど

    僕の大切な友達だけは守りたい…!




    アルミン「ハンネスさん!」


    避難する人々を誘導している見覚えのある後ろ姿を見つけて、すぐさま駆け寄った。

    ハンネス「!!アルミン!ここにいたら危ない。早く船に…」

    アルミン「エレンとミカサがおばさんを助けに家へ向かったんだ!ハンネスさん、2人を助けて!」


    それを聞いたハンネスさんは、目をまん丸にした。


    ハンネス「なに!?エレンとミカサが…分かった。お前はこの道をまっすぐ行って船に乗れ!俺が必ず3人とも助けて連れて行くから、お前は先に行って待ってるんだ。わかったな?」

    アルミン「うん!ハンネスさん、ありがとう!」



    ハンネスさんはひとつ頷くと、エレンの家の方へ走って行った。

    それを見届けて、僕は反対方向へ走り出す。

  5. 5 : : 2014/01/12(日) 00:13:14




    …本当は、僕も2人と一緒におばさんを助けに行きたかった。

    けど、身体が震えて動かなかった。

    走っていく2人に、ついていくことが出来なかった。


    僕は…弱虫の臆病者だ。




    ぐっ、と唇を噛み締めて坂道を登る。

    この坂道を越えたら、船が待つ運河が見えるーーーー






    アルミン「!!…」


    坂を登り切ったところで、脚が止まった。

    見えたのは運河に止まる船

    ではなく








    こちらへやってくる巨人の姿だった。

  6. 6 : : 2014/01/12(日) 00:24:09
    調査兵団!?
  7. 7 : : 2014/01/12(日) 00:26:13



    もう、こんなところにも巨人が…

    逃げなくちゃ

    そう思っても、身体が動かない。



    巨人の目が、僕を捉える

    ズシン、ズシンという大きな足音がどんどん近づいてくる。




    脚が、震えた。

    もうおしまいだ


    そう思って、僕はぐっ、と目を閉じたーーー






    その瞬間

    アルミン「うわっ!」


    強い力で後ろに引っ張られ、身体が宙にふわりと浮く。




    ???「危ないじゃないか、早く逃げないと。」

    アルミン「え…?」

  8. 8 : : 2014/01/12(日) 00:27:15
    >>6 さま

    コメントありがとうございます。結構いい線いってますよ〜!笑
  9. 9 : : 2014/01/12(日) 00:38:43


    恐る恐る目を開けると


    小柄な女性に抱えられ、空を飛んでいた。


    彼女のショートカットの銀髪が揺れる。

    眼鏡の奥の瞳が、僕をちらっと見て言った。


    ???「びっくりしたかな…もう大丈夫、このまま船まで連れて行ってあげる。」

    アルミン「あ…」



    その人は、風を切るようにどんどん街を進んでいく。

    時々パシュウ、というワイヤーの音とガスをふかす音が聞こえるだけで、それ以降その人が喋ることはなかった。




    道を急ぐ人の数がだんだん多くなってくる。

    船は、もうすぐ近くのようだ。




  10. 10 : : 2014/01/12(日) 02:24:50
    リコとかか!?
  11. 11 : : 2014/01/12(日) 03:13:24
    期待期待です(o^^o)♪ワクワク
  12. 12 : : 2014/01/12(日) 10:48:40
    >>10 さま
    ご名答\('ω' )/!

    >>11 さま
    う、嬉しい!ありがとうございます。

    本日の23時くらいから続きを投下しますね。よろしくお願いします。

  13. 13 : : 2014/01/12(日) 15:03:37
    期待だぁぁ!!!!!!!!
  14. 14 : : 2014/01/12(日) 15:32:19
    リコさん、確かに子供には優しそう( ´ ▽ ` )ノ
    期待デーす( ´ ▽ ` )ノ
  15. 15 : : 2014/01/12(日) 21:31:44

    >>13 さま >>14 さま
    ありがとうございますー!ご期待に添えるよう頑張ります(´◡͐`)
  16. 16 : : 2014/01/12(日) 21:39:17



    イアン「おーいリコ!どうした!」

    呼びかけに、僕を抱えたまま銀髪の女性が反応する。

    リコ「イアン!この子を船に乗せてくれる?」

    イアン「わかった!こっちだ!」



    …リコさん、って言うんだ。




    イアンさんに連れられて、リコさんは船の近くに僕を降ろしてくれた。

    リコ「怪我はない?ご家族の方は、もう船に乗ってるの?」

    髪の毛の色と同じ、銀色の目が僕をのぞき込む。

    アルミン「は、はい。たぶん…」

    その眼差しに、なんだか心の奥がむずがゆくなった。


  17. 17 : : 2014/01/12(日) 23:05:24



    アルミン祖父「アルミン!アルミン!」

    アルミン「あ、おじいちゃん!」


    船の中からおじいちゃんが僕を呼ぶ。

    それを見たリコさんは、ほっとしたようにイアンさんに言った。


    リコ「イアン、あとは頼むね。」

    イアン「おう。」

    アルミン「あ、あのっ…」



    僕が声をかける間も無く、リコさんはまた飛んで行ってしまった。



    助けてもらったお礼、言えなかった…

    リコさんの背中の薔薇の紋章と、夕日に金色に染められた彼女の銀髪が、やけに印象に残った。

  18. 18 : : 2014/01/12(日) 23:48:27
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ー 847年 第104期訓練兵団結団式 ー



    キース「おい、貴様」

    アルミン「はっ!」



    教官の鋭い目つきに、敬礼をする手にも力が入る。

    キース「貴様は何者だ!?」

    アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」

    キース「バカみてぇな名前だな!!親がつけたのか!?」

    アルミン「祖父がつけてくれました!」


    キース「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」




    何しにここに来た、か。


    ウォール・マリア陥落のあと、無茶苦茶な奪還作戦を決行した王政を放っておけなかった、っていうのもあるけど…


    兵士になったら、リコさんに会ってちゃんとお礼が言えると思って来ました。

    …なんて言ったら、教官に何をされるかわからない。

  19. 19 : : 2014/01/13(月) 01:04:11


    アルミン「じ、人類の勝利の役に立つためです!!」

    キース「それは素晴らしいな!!貴様は巨人の餌にでもなってもらおう!!3列目、後ろを向け!」

    そう言うと、教官は僕の頭を引っ張って後ろへ向けた。

    アルミン「うわあっ」




    …2年前、避難したトロスト区でリコさんの姿をずっと探していたけど、見当たらなかった。

    だから兵士になったら、リコさんに会って、ちゃんとあの時助けてもらったお礼が出来るんじゃないかと思ってたけど…

    兵士になるって、想像以上に大変そうだなあ。



    首をさすりながら、そんなことを考えていた。
  20. 20 : : 2014/01/13(月) 01:51:47




    訓練は、僕の想像を遥かに越えて大変なことばかりだった。

    兵站訓練や座学、技巧術、立体起動や斬撃、対人格闘術まで、様々な科目をこなさなくてはならない。


    体力に自信のない僕は、座学と技巧術以外ではみんなの足を引っ張ってばかりだった。


    みんなの役に立ちたい

    みんなのように強くなりたい

    強くなって、みんなを守れるようになりたい


    いつしか、その思いは人一倍強くなっていた。

  21. 21 : : 2014/01/13(月) 15:39:22
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ー 850年 トロスト区 ー




    傾き始めた日光が、壁の上を静かに照らす。



    アルミン「じゃあ、僕は囮部隊だから行くね。」

    エレン「ああ。アルミン…死ぬなよ。」

    アルミン「うん…エレンも。」







    僕たち104期訓練兵団が卒団したこの年、超大型巨人が再び現れ、トロスト区の壁を破壊。

    そこに突如巨人を殺す巨人が現れ、僕たちは彼のおかげでなんとかピンチを脱することができた。


    ーーーーーけど、その巨人の中から、巨人に食べられたはずのエレンが姿を現した。



    僕はミカサとともにエレンを介抱していたが、駐屯兵団の部隊に囲まれて、エレンを巨人と疑った隊長に榴弾を撃ち込まれた。


    その時。
    …信じられないけど、エレンが巨人になって、僕とミカサを榴弾から守ってくれたんだ。



    ーーーそして今。
    窮地を救ってくれた駐屯兵団のピクシス司令のもと、巨人化したエレンが大岩で壁の穴を塞ぐというトロスト区奪還作戦を実行しようとしている。







    パシュウウウウ

    岩の近くから緑の煙弾が上がる。


    作戦が始まったようだ。



    エレンとミカサは作戦の決行部隊、僕は反対の壁側に巨人を集める囮部隊に配属された。


    あのふたりなら、きっとやってくれる。

    立体起動装置のガスの補給をしながら、自分を奮い立たせる。

    それに…



    先ほど駐屯兵団の部隊に囲まれていたときのことを思い出す。


  22. 22 : : 2014/01/13(月) 20:15:43






    隊長『わたしは貴様らに、躊躇なく榴弾をぶち込めるのだ!!』



    リコ『…彼らの犯行的な態度は明らかです』

    リコ『有益な情報も引き出せそうにない…おっしゃる通り、兵と時間の無駄です。』


    隊長、と呼ばれた男の人の隣にいた、銀髪が印象的な女性。

    僕たちへの疑念で溢れた瞳が、眼鏡の奥で光る。


    …間違いない、リコさんだ!!



    こんなところで再会するとは。

    危機的状況にも関わらず、胸が踊るのを感じた。









    リコさんは作戦の決行部隊にいる。

    …駐屯兵団の精鋭である、彼女がついてるんだ。

    なにかあっても、きっと、大丈夫なはずーーー

  23. 23 : : 2014/01/13(月) 22:47:52



    パシュウウウウ

    !?



    アルミン「赤い煙弾…」

    補給の手を止め、しばし呆然とする。

    アルミン「失敗…したのか?」



    赤い煙弾は、作戦の実行に深刻な問題が発生したときに上がる。

    それが上がったということは…



    エレン、ミカサ、一体何がーーーーー




    マルコ「…アルミン!?」


    僕は持っていたガスボンベを置くと、反対側の壁へ走り出した。



    ーーー僕の大切な友達を

    ーーーーー命の恩人のリコさんを救いたい。


    いてもたってもいられなかった。


  24. 24 : : 2014/01/13(月) 23:07:20
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    アルミン「…エレン」

    アルミン「どうしてエレンは、外の世界に行きたいと思ったの?」



    岩のそばから動かない巨人化したエレンに呼びかける。

    ぴくり、と反応があった。



    エレン「…ウォオオオオオオオアアアアアアアア!!!!!」

    怪我をしていた、エレンの手と顔が修復されていく。


    …よかった、声が届いたみたいだ。




    近くの建物の屋根に飛び移ると、エレンは大岩を持ち上げ、運び出した。

    それを確認すると、後方で戦っているミカサのもとへと急ぐ。





    ミカサ「…アルミン!」

    僕の名前を呼んだミカサの目には、うっすらと涙が見えた。


    アルミン「エレンが勝ったんだ!今…自分の責任を果たそうとして…」

    アルミン「エレンを扉まで援護すれば、僕らの勝ちだ!!」



    すると、ミカサの班長であるイアンさんが、意を決したように口を開いた。

    その目には少しの恐怖が見えたが、迷いはなかった。


    イアン「…死守せよ!!我々の命と引き換えにしてでも、エレンを扉まで守れ!!」

    イアン「ミカサ!アルミン!お前たち2人はエレンの元へ向かえ!!これは命令だ、分かったか!?」


    ミカサ・アルミン「…了解!!」




    ミカサとエレンのもとへ向かう。


    …イアンさんはじめ駐屯兵団のみなさんは、巨人を引き付けるために立体起動の使えない地上に降りて、文字通り命をかけてエレンを守っている。


    壁の穴は、もうすぐそこだ。

    エレン、頑張ってくれ…!!!
  25. 25 : : 2014/01/14(火) 22:03:06



    ???「…ほら!こっちだよ!!!」

    アルミン「!?」




    聞き覚えのある声に、ばっ、と顔をむける。




    ーーーリコさんが、地上に降りていた。

    その前には、2体の巨人。

    ズシン、ズシンと、巨人たちはリコさんに近づいていく。

    リコ「…っく!」

    リコさんの近くには、アンカーを打ち込めそうな建物はない。



    リコさんが危ない…!!!

    地上に降りて巨人に捕まって、食べられた駐屯兵団の人たちのことを思い出して、血の気が引くのを感じた。



    リコさんは2体の巨人を引き連れて、僕たちと反対方向へ走り出す。





    ドクン

    自分の心臓の音が聞こえるような気がした。




    あの日、シガンシナ区で巨人と遭遇した時、恐怖で足が動かなかったこと

    仲間が次々に巨人に食べられていく中で、1人戦えずに呆然としていたこと

    エレンとミカサに守られてばかりで、自分は足手まといだと感じていたこと



    頭の中をぐるぐる回っているそんな出来事を振り払うかのように、僕はぐっ、と拳を握った。

  26. 26 : : 2014/01/14(火) 22:45:19



    アルミン「…ミカサ!エレンを頼む!!」

    ミカサ「アルミン!?」



    ミカサの返事もろくに聞かず、僕は走り出した。

    アンカーをエレンの腰の辺りに刺し、とりあえず1番近くの家の屋根に飛び移る。




    …僕は。


    もう足手まといでも

    無力な臆病者でもない!!!




    自分に言い聞かせると、一目散にリコさんのもとへと向かった。

  27. 27 : : 2014/01/15(水) 00:05:17



    …けど、どうする?

    リコさんのいる辺りには、身を隠したり、アンカーを刺せそうな建物はない。



    風をきって進みながら考えているうちに、少し開けた広場に出た。



    …目の前に、リコさんと2体の巨人。




    リコ「ハァ…くそッ…」

    リコ「けど…ここまで離せば、もういいだろう…」

    リコさんは逃げることを諦めようとしていた。




    どうしよう

    どうしたら、リコさんを助けられるーーー?






    そのとき

    広場に無数の巨人の死体が転がり、水蒸気を上げているのが目に入った。





    …これだ!!!




    僕はすぐ建物から飛び降り、広場へと走った。

  28. 28 : : 2014/01/15(水) 18:33:43



    ズシン、ズシンという足音が辺りに響き、巨人とリコさんの距離が縮まっていく。

    …もう10メートルと少しくらいだろうか。





    広場に着くと、1番近くにあった巨人の死体にアンカーを打ち込み、体を固定した。



    アルミン「頼む、成功してくれ…!!」



    祈るような気持ちでトリガーを引き、広場の向こう側にある巨人の死体へと、もう片方のアンカーを飛ばす。



    ーーーーー広場を跨ぐように、ワイヤーを張った。







    リコさんについてきた巨人たちが、ワイヤーに足をひっかける。


    アルミン(かかった!!!)




    次の瞬間

    巨人の巨体がぐらり、と揺れ、そのまま2体とも重なり合うようにして前に倒れた。


    アルミン「うわあっ!!!」


    ワイヤーを引っ張られた衝撃で、身体が投げ出されてしまう。





    アルミン「いてて…」


    腰を抑えて立ち上がると、倒れた2体の巨人のうなじを削いでいるリコさんの姿が目に入った。




    その視線が、僕の視線とぶつかる。


  29. 29 : : 2014/01/15(水) 21:21:45



    リコ「…」

    アルミン「あっ、あの…」

    リコ「どういうつもり?」

    アルミン「…え?」

    リコ「自分の任務を放棄して、ここで何をしているの?」

    アルミン「あっ、それは、えっと…」



    予想外のことを言われてしどろもどろになってしまった僕のところへ、リコさんが近づいてくる。



    リコ「まさかわたしを助けに来た、なんて言うんじゃないでしょうね?」

    アルミン「え…?」



    今まさにそう言おうとしていた僕は、とうとう固まってしまった。

    リコさんが僕を見つめたまま続ける。



    リコ「あなたはさっきわたしたちに言ったわね。自分は人類の復興のためなら、心臓を捧げると誓った兵士であると。」

    アルミン「は、はい。」

    リコ「それならその言葉通りに、人類の復興の希望であるエレンを最後まで守り抜きなさい。」

    リコ「わたしは人類の進歩のためなら、命をなげうつ覚悟はいつでもできている。わたしを助ける暇とリスクを背負う覚悟があるのなら、自分の任務をしっかり果たしてからにして。」

    アルミン「…はい」



    僕はすっかりうなだれて、もうリコさんの目を見ることが出来なかった。

  30. 30 : : 2014/01/15(水) 22:53:22



    リコ「…とはいえ」

    リコ「あなたが来てくれていなかったら、わたしはここで命を落としていた。感謝するよ。」



    そういうと、リコさんは僕の頭にポン、と手を置いた。




    アルミン「あ、あの…」

    リコ「さあ、とりあえず建物の上にのぼろう。」

    アルミン「は、はい!」





    前を走るリコさんの背中を見つめる。

    5年前のあの日に見たのと同じ、薔薇の紋章が揺れている。




    僕たちは、1番近くの建物の屋上に登って、辺りを見回した。


    リコ「この辺りには、もう巨人はいないみたいだね。」

    アルミン「そうですね…」



    夕方の日の光が、リコさんの銀髪を金色に輝かせる。




    アルミン「…あの!」

    リコ「ん?」


    彼女の銀色の瞳も、中に金色の光を宿していた。


    アルミン「…リコさんは、覚えてないかも知れないですけど…」




    5年前シガンシナ区で、リコさんが僕を巨人の前から救ってくれて、船に乗せてくれたこと。

    そのときのお礼が言えなくて、ずっと後悔していたこと。

    今の自分があるのは、リコさんのおかげであるということ。



    5年間言いたくて、5年間言えなかったことを

    ぜんぶリコさんに伝えた。



    その間リコさんは僕のことを

    何も言わずにじっ、と見つめていた。


  31. 31 : : 2014/01/15(水) 23:07:27



    リコ「そう…あのときの。」


    僕が話し終わると、リコさんはぽつりと呟いた。

    リコ「…立派な兵士になって、恩返しをしてくれたんだね。」





    そう言うとリコさんは、初めて僕に笑顔を見せてくれた。



    ーー5年前と同じ、心のむずがゆさを感じた。





    リコ「アルミン、所属兵科はどこにするの?」

    アルミン「あ…えっと、ちょ、調査兵団…です。」



    僕の答えを聞いたリコさんは、そっか、と薄く笑った。



    リコ「…じゃあ、気が変わったらいつでも待ってるからね。」

    アルミン「…!はい!」

    リコ「さ、エレンの援護に戻ろう!」




    リコさんが向かいの建物にアンカーを打つ。






    …ひとつだけ、リコさんに伝えられなかったことがある。


    けど、それは

    僕がもっともっと強くなって、

    リコさんを守れるようになったら言おう。




    彼女に遅れないようにトリガーを引いて、僕も空中に飛び出した。



    ー fin ー


  32. 32 : : 2014/01/15(水) 23:09:23



    最後までご覧いただき、ありがとうございました。
    以上で本編完結です。

    リコさんツン可愛いな〜〜というわたしのエゴから書き始めた作品でしたが、多くの人に読んでいただき、またコメントや期待も寄せていただけて、とても嬉しく思っています。

    次回はアニをメインに据えた作品を投下します。そちらもご覧いただけたら嬉しいです。


    重ねてのお礼となりますが、本当にありがとうございました。
    これからも、よろしくお願いします。

  33. 33 : : 2014/01/15(水) 23:46:28
    アルミンの純粋な心に胸を打たれました!
    次回作も期待してます!頑張って下さいね
  34. 34 : : 2014/01/15(水) 23:57:27
    >>33 さま

    コメントありがとうございます。
    この上ないお褒めの言葉をいただき、大変恐縮しております…!
    次回作も楽しんでいただけるように頑張りますね!
  35. 35 : : 2014/06/15(日) 11:56:28
    リコカッコいい!アルミン可愛い!
  36. 36 : : 2014/06/15(日) 23:12:40
    >>35 さま

    こんばんは!コメントありがとうございました(o'ω')ノ
    このお話はただリコさんをかっこよく書きたかっただけだったので(笑)、そうおっしゃっていただけてガッツポーズです。
    アルミンも可愛らしく読んでいただけたようで嬉しく思います。また宜しくお願いいたします!
  37. 37 : : 2015/02/22(日) 11:05:18
    リコがカッコいい!
  38. 38 : : 2020/10/06(火) 09:19:58
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=12
  39. 39 : : 2020/10/26(月) 13:59:24
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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