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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

モブリ・エルリ「鬼を食らう悪魔」 ※「18」以降エロ注意、そこまではシリアス

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  1. 1 : : 2014/01/10(金) 22:25:42
    モブリからのエルリです。
    泪飴は甘ーいエルリも大好きなんですが、ゲスヴィンによるちょっとこわいエルリも好きなので、今回はそんな感じで行きます。笑
    少しずつ書き進めていけたらと思います。
  2. 2 : : 2014/01/10(金) 22:26:17
    雪が降った。ほとんど積もらなかったが、空気は凍てつくように冷たく、多くの人々が建物の中に閉じ籠った。
    単身での任務だったため、馬車ではなく、愛馬に跨がってウォール・シーナまで往復してきたリヴァイもまた、その寒波の影響をまともに受けた一人だった。
    マントを羽織り、調査兵団本部まで馬を駆り、全速力で戻ってきたが、あまりの寒さに、体の震えが止まらない。
    早く体を暖めたい。少しでも熱を逃がさないように、とフードを被る。冷たい風にはためいたマントの裾を押さえようとして、小脇に手に入れた書類が入った封筒が目に入る。
    暖炉に火をくべて、汗ばむくらい暖かい部屋で自分を、いや、この書類を待つ、金髪の男の姿が脳裏に浮かぶ。
    ああ、早く暖まりたい。
  3. 3 : : 2014/01/10(金) 22:26:41

    期待を込めて団長室に入ると、確かにそこは暖かかった。しかし、それはリヴァイが予想していた温度にはほど遠かった。
    締め切った部屋に、人間がずっと居たことを示す程度の温度。
    それでも、先程までに比べれば十分暖かい。
    埃を被った暖炉の側を通り過ぎ、この部屋の主…エルヴィン・スミスの前まで歩いていく。
    いつになく険しい表情を浮かべていたエルヴィンは、その表情をふっと崩し、微笑む。
    「おかえり、リヴァイ。書類は無事手に入れたようだな」
    「ああ、これだ」
    「……ふむ、間違いないようだ。この寒い中、ご苦労だったな…リヴァイ、お前はこの書類を読んだか?」
    「いや。お前が絶対に読むなと言うから、読まなかった…大体、封筒を見ればわかるだろ…封を開けてないんだからな…」
    「そうか……いや、とても重要な書類だから、念のためにな……寒かったろう、そこに紅茶が入っているから、飲みなさい。体が温まる薬草が入っている」
    そう言うなり、エルヴィンは書類を読みふけり始めた。
    見れば、暖炉の側の机の上に紅茶が置いてある。紅茶を飲め、と言って書類に没頭しているということは、読み終わるまで紅茶でも飲んで待っていろ、ということだろう。相変わらず、言葉の足りない男だ、と思いながら紅茶を口に含む。もしかすると、このまままた別の使いを頼まれるかもしれない。
    薬草が入っていると言っていたが、そんなに飲みにくくはない。少し冷めてしまっている紅茶を一気に流し込む。
    傍らの暖炉が目に入り、この寒い日に暖炉をつけないとは、やはり変わり者だ、と思う。今日こそ、暖炉を使うべき日だろうが。大体、体が温まる薬草の紅茶を出すくらいなら、部屋を暖めておけというのだ。内心、そんな悪態をつきながら、エルヴィンが読み終わるのを待つ。
    ソファにもたれ掛かりながら脚を組んでぼんやりとしていると、急に悪寒がした。何だ、体を暖めるんじゃなかったのか。風邪をひいたら大変だ。部屋の中だから、と脱いでいたマントを、音を立てないよう気をつけながら羽織る。エルヴィンはまだ顔を上げない。
    まだ掛かるのか、とため息をついて、脚を組み替えたとき、下腹部がきゅんと疼き始めた。呼吸に合わせるように、体内にくすぐったいような、圧迫されるような、不思議な感覚が起こる。何だか体が熱っぽい。じんわりと汗をかくのに、体の芯は冷えているような気がする。
    さっきの紅茶が、体に合わなかったのだろうか。いや、自身の免疫力の無さを人のせいにしてはいけない。風邪を引きかけているのだろう。
  4. 4 : : 2014/01/10(金) 22:26:57
    「リヴァイ、待たせたな」
    見れば、エルヴィンはもう書類を置き、手を組んでこちらを見ている。
    「…ああ、すまない。ぼうっとしていた」
    「そのようだな。風邪でも引いたか」
    「もしかしたら、そうかもしれねぇ…」
    「暖炉をつけようか」
    ああ、だから最初からつければいいだろう。そんなリヴァイの心の声は、エルヴィンには聞こえないだろうが、思わず口に出しそうになった。
    「ああ。だが、話が済んだら出ていくから、別につけなくてもいい…」
    そんなリヴァイの口から出た言葉は本心と逆だった。それは、暖炉に火を灯すため側に来たエルヴィンが、あまりに疲れているように見えたからだった。
    エルヴィンは無言で薪をくべると、背もたれのない丸い小椅子を暖炉の前に持ってきて座った。
    「何だ、長い話になるのか」
    「…ああ、そうだ。長丁場になる」
    参ったな。下腹部の疼きは増しているし、体の熱っぽさは悪化している。あまり長話をされて、ここで倒れたりしたら、エルヴィンに迷惑が掛かる。
    「それでだな、リヴァイ。話というのは、例の…」
    暖炉の火に照らされて、リヴァイの頬は赤く染まっている。何だか、体全体がだるい。エルヴィンの説明にも集中できない。
    「…非常に残念ではあるが、しかたがないことだ。わかるね、リヴァイ」
    そんなリヴァイの様子には気づかず、エルヴィンは話を続けているようだ。何とか声を絞り出す。
    「エル…ヴィン」
    「何だ」
    エルヴィンの蒼い目がこちらを射抜く。生理的な涙で潤んだリヴァイの目に映ったのは、エルヴィンの恐ろしいほど冷たい視線だった。
    その瞬間、リヴァイの中の本能にも近い勘が、危険を報せ始めた。
    さっきまで何とも思っていなかった様々な事柄に意識が向く。

    この団長室。エルヴィンしか居なかったのに、暖か過ぎた。
    それからこの部屋、死角が多すぎる。エルヴィンらしくない。よく見てみると、朝ここに呼ばれて来た時と、物の配置が変わっている。わざわざそうなるように家具を並び替えたというのか。
    あと、あの書類。渡してきた憲兵団の男、俺を見て笑ってやがった。あの時は、兵士長の俺が伝書鳩みたいな仕事をしているのを見て笑っているのかと思ったが、あれは、今から思えば理由知り顔だった。
    先程からの、エルヴィンの素っ気ない態度。俺はこれの意味するものを知っている。傍らで何度も見てきたからだ。彼が何かを切り捨てる時に見せる、この鋭い表情を。
    そしてあの紅茶だ。何もかもが怪しい。

    体調不良とは関係なく、リヴァイの呼吸が浅く速くなる。

    「リヴァイ、お前を拘束する」
  5. 5 : : 2014/01/10(金) 22:37:21

    その言葉を合図に、2人は弾かれたように動き出した。
    リヴァイの拳を、エルヴィンは難なく受け流す。そのまま流れるように繰り出されたエルヴィンの拳を受け止めた時、脚に衝撃が走り、体が後ろに倒れるのを感じた。しまった。
    脚を払われ、バランスを崩したリヴァイのこめかみを、エルヴィンは力任せに殴った。リヴァイの体が吹き飛び、床に叩きつけられる。意識が刈られそうになるのを、必死で耐える。
    その瞬間、物陰から兵士が飛び出して来た。起き上がろうとしたところに、すかさず鳩尾への容赦ない蹴りが入る。息が詰まり、動きが停まったのを見て、兵士達はリヴァイの体を拘束した。
    両腕は頭の上で纏め上げられ、体重をかけて頭ごと固定された。腕が無理な方向に押され、関節が軋む。口には布を噛まされた。布から苦い味がするところを見ると、何かよからぬものが染み込まされているのだろう。胴、脚も3人がかりで押さえられてしまった。
    体調が悪いとはいえ、エルヴィンに易々と倒されてしまうとは。兵士長として情けない姿を部下に見られた、と思う。目だけを動かして兵士の制服を見て、思考が止まる。ユニコーンのエンブレム。憲兵団所属の兵士が、何故こんなところにいる?兵士の手が、リヴァイの首を飾っていたクラバットを引き抜いて、床に捨てた。リヴァイの首が露になる。
    無防備な姿になったリヴァイに、どこからか取り出した注射器を片手にエルヴィンが歩み寄る。
    「リヴァイ、躾の時間だ。…あの書類は、お前を憲兵団ではなく、私の管理下に置き尋問と懲罰を加えることを請求した『嘆願書』だ。自分の運の良さと、私の善意に感謝してもらいたい」
    リヴァイの首筋に注射針が刺さり、透明な液体がリヴァイの体に染み込んでいく。
  6. 6 : : 2014/01/10(金) 22:37:43
    さっきの紅茶に、猿轡に、注射とは、随分と薬漬けにしてくれたものだ。明らかに、そして急速に体から力が抜けていくのを感じながら、リヴァイは自嘲気味に笑った。
    運の良さ?善意?これのどこが。怒りが湧くが、自分の惨めさの方が勝ってしまう。
    何故こんな目に遭わされるのか、これから何をされるのかわからないが、エルヴィンが本気なのだけはわかる。
    兵士が革紐で手首、膝、足首を縛る。床に転がされた状態でリヴァイはエルヴィンを真っ直ぐ見据える。
    「とりあえず、今のは私の話をきちんと聞いていなかったことに対する罰だ。せっかく、お前の罪について説明してやったのに……何か言ったらどうだ?」
    無理を言ってくれる。紅茶に何かの薬を仕込んで、この猿轡をつけたのはお前達だろうが!ふざけるな。
    ギロリとエルヴィンを睨むが、この状態では何の威圧感もないのだろう。エルヴィンはおろか兵士達までもが、バカにしたような顔で見下ろしている。
    また、腹の奥がきゅんと疼く。こんな状況なのに、頭に靄がかかっているようにぼんやりとしてしまう。そういえば、自分は一体何を飲まされたのだろう。
    ふいに、エルヴィンはリヴァイの胸ぐらを掴んで上体を引き起こす。胸を横切って体を締め付ける、立体機動装置用のベルトが緩められる。
    そして、そのままリヴァイのシャツをボタンごと引き裂いて開く。胸を露出させられ、リヴァイの体が微かに震える。
    目を見開いて固まっているリヴァイを見て、エルヴィンが、久々に微笑みを見せる。
    「これから何をするか、わかるか?」
    リヴァイが小さく首を横に振る。とりあえず、まともな返事は返ってこないだろうな、と思いながら。
    「とりあえず、団長として尋問させて貰おうか……」
    エルヴィンは暖炉の前までリヴァイを引き摺っていく。暖炉に近い側の皮膚だけが暖炉の熱を直接受け、少し熱い。
    エルヴィンの手が暖炉の薪を動かすための火掻き棒を掴んだのを見て、リヴァイは息が止まる。
    まさか、こいつ。
  7. 7 : : 2014/01/10(金) 22:40:33
    リヴァイの嫌な予感は的中した。赤熱した棒の先を、軽くリヴァイの鎖骨の下辺りに当てた。皮膚を焦がされ、リヴァイは歯を食いしばってのたうち回る。すぐに棒は離されたが、その跡はしっかりと残った。
    エルヴィンは満足げに頷くと、リヴァイの猿轡を外した。口の中に溜まっていた唾液が、空気と入れ替わるように垂れる。しかし、さすがのリヴァイも、今はそんなことを気にしている場合ではない。はぁはぁと息を荒くしながら、エルヴィンを潤んだ目で見ている。
    「地下街を思い出したか?リヴァイ……お前にとってはこんなもの、キスマークのようなものだろう?」
    自分の部下を縛り上げ痛めつけて、この男は何事もないように微笑んでいる。
    「エル……ヴィン………何で…だ……こんな…」
    「それは、何についての質問かな?リヴァイ」
    わざとらしい。わかりきっていることを、あえて自分の口で言わせたいのだろう。この状況を言葉にするということは、自分の惨めさを噛み締めることに等しい。だが、何でもお前の思い通りになると思うな。ゴロツキ出身の意地をなめないで貰いたい。
    「もちろん…てめぇが、地下街のゴロツキ以下の汚え手で俺を嵌めて、アホな奇行種みてぇに突っ立って、俺を見下ろしてる理由に決まってんだろ…」
    リヴァイの精一杯の毒のこもった応酬に、エルヴィンの容赦ない平手打ちが飛ぶ。頬を打たれ、顔が横を向く。視線の先には、踏まれて汚れたクラバットが落ちていた。今の自分は、あんな風に見えるのだろうな、と思わず自虐的な思考が浮かぶ。
    「その口が、まず、生意気だな」
    エルヴィン。今まで何度も口にしてきたその言葉が、口の中で錆びていくのを感じた。悪態をつく俺を、宥めては楽しそうに会話していたお前はもう居ないのか。
    「言葉の通じない獣には、根気強く躾をしないといけないか?」
  8. 8 : : 2014/01/10(金) 22:41:36
    顎を乱暴に掴まれて、エルヴィンの顔を無理やり見上げる形になる。エルヴィンはそっとリヴァイの耳元に口を近づけ、囁いた。
    「リヴァイ、お前、誰かに言ったのか?」
    「…何を……だ…」
    「お前、見たんだろう?」
    「…だから……何を…」
    「壁外調査の前夜、私がある人物と話しているところを…」
    「……ああ……見たよ……だが、それが何なんだ?別に、調査兵団の団長が要人と話すことは珍しいことじゃないだろ……」
    「内容も聞いたはずだ」
    「…知らねえよ……」
    「ほぅ……聞いたかどうか聞いたのに、『知らない』か……これは怪しいな」
    「……痛っ………」
    エルヴィンは親指の爪で、リヴァイの火傷を押し始めた。
    「私はお前のことを信じていたのに…こんな、簡単にばれるごまかしは止めて欲しいものだな」
    「…く……くそが……」
    俺だって。盲目的、と言われてもいいくらい、お前を信じていたんだ。俺の信頼なんて、要らなかったのか…。
    「聞いたんだろう」
    「…」
    エルヴィンの手に力が籠る。爪が火傷に突き刺さり、傷口に血が滲み始めたのが分かる。
    「火掻き棒で抉られたいのか?」
    ここまでして必死に聞き出そうとするということは、あの夜の会話は本当だということなのだろう。
    「………嘘……だよな?…あれは…俺が聞き間違えただけなんだよな?……そうじゃなきゃ…悪い冗談か何かだよな……?」
    「…」
  9. 9 : : 2014/01/10(金) 22:43:41
    「どうして…兵団を裏切ったんだよ……馬鹿野郎が……俺達は…命懸けで戦ってきたのに…あんな薄気味悪い野郎とこそこそ取引しやがって……」
    「…誰かに話したのか」
    「話してない……当たり前だろ……あんなの、誰かに言っていたら、今頃兵団は大騒ぎだ…」
    「そうだろうな…もし、お前が、ただの兵士に話していたら…な」
    「…何が言いたい?」
    「ハンジやミケ……ああいう、頭の切れる人間なら話は別だと言っているんだよ」
    「…ああ…あいつらに相談しておけばよかったと…心の底から思うよ……今はな」
    「ふ……まあ、いいだろう」
    リヴァイの顎を掴んでいた手が、後頭部へと滑る。
    「さて、次に私はどうすると思う?リヴァイ兵士長」
    「…はっ……『獣』から『兵士長』に昇格か……そうだな……口封じに俺を殺すってところか…?」
    「ふぅん……ここで私に殺される覚悟は出来ているのか。随分と潔い…感心だな…」
    「巨人に喰われる覚悟ならもっと前から出来ていたんだけどな……人間に、しかもまさかお前に殺されるとは思わなかった」
    「私は、お前を殺したくない」
  10. 10 : : 2014/01/10(金) 22:45:04
    「……はぁ?」
    「お前は私の大切な部下だ。私のことを信用してくれていたのも分かった。何より、兵士としてお前は兵団内の誰よりも優秀だ。だから、これからもお前には兵士長として共に戦って欲しいと思っている」
    「…」
    「どうした?リヴァイ」
    「…お前…気が…狂ってんのか……?いや…もともと…変な奴だとは思っていたが………」
    「狂っている人間は、自分が狂っているとは思わないよ。そして、狂っていない人間なら、尚更自分は狂っていないと言い張るだろう。その質問では、お前の知りたいことはわからないよ、リヴァイ」
    エルヴィンが不思議そうな顔をする。演技じゃない。心の底から、そう思っているのだ。
    この男は……紅茶に毒を盛られても、騙し討ちをされても、皮膚を焼かれても、それでも心のどこかでエルヴィンを信じたい、という気持ちが残っていた俺との信頼関係を、自らの手で滅茶苦茶に壊しておいて、それでまたぬけぬけと「前と変わらぬ信頼関係」を求めてきた。

    本当に、狂っている。

    「エルヴィン……いいのかよ……俺が、お前を恨んで、この事を全て誰かに話すかもしれないとは思わないのか」
    エルヴィンは表情を全く変化させずに答える。
    「もちろん、誰にも言えないように…いや、言おうとすら思えないようにするさ」
    狂っているのかと思ったが、良くも悪くもまだ人間性は残っているらしい。安心した反面、エルヴィンの言葉に再び恐怖を覚えた。やはり、このまま終わりにする気はないのだ。
    エルヴィンは荷物を纏めると、兵士達に指示を出した。脚の革紐が外され、手首を捕まれ引き起こされる。体に全く力の入らないリヴァイは、兵士に全体重をかけてやっと立っていた。
    「リヴァイ、確かに躾には痛みが効くが、お前の心はそれでは堕とせないようだ。…ならば、試すべきは逆の発想だ。そう思わないか?」
    後半は、リヴァイに向けられた言葉ではなかった。憲兵団の兵士達は、にやりと笑った。
  11. 11 : : 2014/01/10(金) 22:46:34

    一旦切ります。
    ここから、エロ入ります。
    苦手な方は立体機動で退却してください!

    ご意見、ご感想もお待ちしております!笑
  12. 12 : : 2014/01/10(金) 23:22:09
    期待!
  13. 13 : : 2014/01/11(土) 11:21:55
    くそっ‼︎ガス切れで壁を昇れねぇ…このままじゃエロ描写の餌食になっちまうじゃねぇか(≧∇≦)
  14. 14 : : 2014/01/11(土) 19:30:32
    エルリモブリなっしぃいいいいい!!
    エレリ入んないの!!??
  15. 15 : : 2014/01/11(土) 20:54:19
    早くぅ!
    (○´∀`○)!(^^)!(*^▽^*)(≧▽≦)( ´艸`)(>_<)ゞ(≧∇≦*)(●^o^●)(#^_^#)(^-^)(>_<)( -_-)ジッ( -_-)ジッ( -_-)ジッ
  16. 16 : : 2014/01/11(土) 21:17:40
    期待(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァアアァ
  17. 17 : : 2014/01/12(日) 05:26:42
    沢山のコメントありがとうございました!!!
    遅くなってしまい大変申し訳ございません…
    泪飴、エロ大好きなんですが(←おい)書いたことなくて、意外に手こずってしまいました。
    期待にお応えできるかわかりませんが…ww
    一応、一区切り(?)付くところまで載せます。

    では、改めて、ここから先、エロ奇行種泪飴が支配する壁外R-18領域となります。
    ガス切れでエロ描写の餌食になりたくない方は、信煙弾で速やかに救助を求め、壁を登ってくださいまし!!笑

    投下します!!
  18. 18 : : 2014/01/12(日) 05:27:15
    「触るな………っつってんだろ…このクソ野郎共…」

    暗い地下牢で、リヴァイは膝立ちの体勢のまま、兵士達の手に蝕まれていた。
    全身に張り巡らされていた立体機動用のベルトは外されており、ブーツも履いていない。
    先程エルヴィンに引き裂かれたシャツを着ているだけの上半身は、しっとりと湿っている。

    「…さっさとこれを外せっ…悪趣味だぞ…」

    腕は頭上で鉄の手枷に繋がれ、脚には足枷を嵌められている。
    天井からぶら下がった鎖が手枷に繋がれており、リヴァイが動くたびに微かに金属音を響かせた。
    薬のせいで脱力しているため、自身の体重の一部が手首に集中して掛かり、痛い。
    だが、今のリヴァイにとって、それはどうでもよいことだった。

    リヴァイは、兵士に囲まれ、耳、首筋、胸をひたすら捏ねるように触られていた。
    唇を噛んで声を出さないよう必死で耐えているものの、股間には熱が溜まり始めている。
    ズボンには性器の形が浮き上がっているが、兵士達は敢えてリヴァイのそこに触れることはしない。

    意図的に焦らしているのだ。

    リヴァイはもともと、性に関しては淡白な方だった。命の危機に晒されることの多い職業柄、兵士の中に昂る者は多いらしいが、リヴァイにとっては性欲は排泄欲と同じで、必要最低限に解消されればよい、生理現象に対する欲求の1つでしかなかった。恐らく、それにはリヴァイの生い立ちと、潔癖性が関係しているのだろうが。
    地下街に居た頃、そういった場面に遭遇することはあったし、子孫を残す事ではなくただ双方、酷い場合は一方の快楽のために、同性同士でこうした行為が行われることがあるのも知っていた。だが、他人の性癖など自分には関係のないことだし、何より自分がそんな場面に当事者として関わることなどあり得ないと思っていた。

  19. 19 : : 2014/01/12(日) 05:28:37

    そんな思考も、胸を這い回る指が蕾を掠めたことで邪魔される。じんじんと体の内部に広がる気だるさに、リヴァイはいやいやをする子供のように首を小さく振る。

    「若造、気持ちいいんなら声出せよ」

    リヴァイの背後に回り、胸を刺激している兵士が囁く。

    「…るせぇ……この変態……痛っ…くぅっ…」

    リヴァイの悪態を痛みと快感が遮る。
    胸の蕾を、指で押し潰すように刺激され、体が小刻みに震える。
    自慰もほとんどしないリヴァイに、誰かに胸を触られる経験など当然あるはずもない。
    乳首を触られると、体がこんなに感じるとは知らなかった。

    下腹部を通って、下半身へと刺激が広がっていき、それが股間に溜まっていくような感覚。
    それは熱を帯びて、痺れるような疼きを与える。
    エルヴィンの部屋で体に生じた異変と同じ種類のもの。

    今になって、さすがに紅茶に入っていたものの正体には気づき始めた。
    恐らく、催淫剤のようなものだろう。
    地下街で、麻薬などと同じように売られていたのを見たことがある。

    あの野郎。俺が、こういうのに疎いのを分かっていて…。

    そういえば。
    エルヴィンは、リヴァイが地下牢に引き摺られていくのを見届けた後、どこかに向かったようだった。
    あいつには何もかも知られているのに、あいつのことは何も知らない。
    この兵士達だって、エルヴィンより年上に見える。
    どこで知り合ったのか、何故エルヴィンの指示に従うのか。
    それにしても、何故、「憲兵団」なのだろう。
    もちろん、部下である調査兵団の兵士にやられるよりはマシなのかもしれないが、憲兵団はめったにシーナから外には出てこないはずなのに。

    くそ、何もわからない。
  20. 20 : : 2014/01/12(日) 05:29:44

    悔しさと快感を一緒に噛み締めた唇が震えるが、必死に喘ぎ声を押し殺す。

    「ふん、こうして我慢強いのを見せられると、もっと虐めたくなるな…」

    前髪を掴まれ、正面に立つ男の顔を見上げるよう固定される。リヴァイは何とか涼しい顔を装い、睨み付ける。
    紅茶を飲む前はあれだけ寒がっていたリヴァイの体は淫熱を持ち、頬を赤く染めていた。
    白い肌を震わせ、暗い蒼の潤んだ、それでも鋭い瞳で見上げる姿は、兵士にとって堪らなく扇情的だったらしい。

    「よく見ると綺麗な顔してるな、お前」

    そう言うと、兵士は急に口づけをしてきた。
    貪るように唇を吸われ、息が出来ない。
    やめろ、汚いだろうが!
    そんな叫びも全て兵士の口の中に飲みこまれる。

    「そんな目で見たからだぜ、なぁ…それとも……本当に誘ったのか?」

    横にいる兵士に、耳をすっ、と撫でられる。

    「そうなんだろ、この淫乱め……」

    やっと唇を解放されたリヴァイは、耳に触れている兵士を睨む。

    「はっ…はぁっ……んなわけ…ねぇだろ…淫乱はどっちだ……このスケベ野郎……」

    「そんなに涎垂らしながら言われてもよ……『涎掛け』はエルヴィンの部屋に置いて来ちまったしなあ?」

    リヴァイの脳裏に、踏まれたクラバットが浮かぶ。自分の数少ない所持品の中でも、特に大切で愛着のあった宝物を踏まれて汚された上に、「涎掛け」と馬鹿にされ、怒りが込み上げる。

  21. 21 : : 2014/01/12(日) 05:31:13

    「…てめえらっ……いい加減にっ…くぁッ!!…はぁあっ!」

    話している最中に胸の蕾を抓られ、思わず声が出る。
    下卑な笑い声が冷たい地下室に反響する。

    「やっぱり、声が出るくらい気持ちいいんじゃねえか」

    「意外とイイ声だな」

    「な?言ったろ…こいつ素質あるぜ……」

    「ああ……もっと聞かせろよ」

    「それとも『涎掛け』の次は『おしゃぶり』が欲しいのか?じゃあ俺のでもしゃぶるか?あん?」

    酷い言われ様だ。
    だが、そんな扱いをされても仕方がないのかもしれない。
    今の自分は、口で何を言っても所詮こいつらの…いや、エルヴィンの玩具だ。
    だが。
    いや、だからこそ。
    ここで屈するわけにはいかない。

    「はっ…やって…みろよ……てめえらの…短くて細いのなんか、食い千切ってやる…」

    わざと両手首の手枷をがちゃがちゃと鳴らし、威嚇する。

    「ふん、お前ならやりかねねぇな」

    「ったく、エルヴィンもまたとんでもない子鬼を拾ってきたもんだ」

    「こんなに艶っぽい癖に、口を開けば色気も素っ気も可愛げもねえんだからな…」


  22. 22 : : 2014/01/12(日) 05:31:51
    「……おい、そろそろいいだろ……こっちまで焦らされてきた気分だ……」

    「まだだ……こいつが泣き叫ぶまで、手を出すなってあいつに言われてんだろ」

    「『出す』というか…『入れる』…だろ?…くくく…」

    憲兵達が何やら不穏な会話を始めた。
    泣き叫ぶ、だと……。
    こいつらが俺をよほど過小評価しているのでなければ、一体どうやってそこまで俺を追い詰めるつもりなんだ…?
    正直言って自分でも、何をされたら泣き叫ぶのかわからない。
    不安を胸の内に押し隠して尋ねる。

  23. 23 : : 2014/01/12(日) 05:32:28
    「エルヴィンの野郎は俺が泣き叫ぶ頃に戻ってくると言ったのか?」

    リーダー格の憲兵が、リヴァイの視線の高さまで腰を落とす。

    「エルヴィン?…はっ……あいつじゃねえよ。エルヴィンなら、今頃シーナだろ…」

    「シーナ…?何であいつが…」

    「さあな……んだよ、随分と余裕そうだな?」

    「ああ、甘いお前らのお蔭でな…」

    リヴァイの後ろに居た兵士がじれったそうに言う。

    「なあ、いいだろ……なあ!」

    リーダー格の兵士がため息をつく。

    「ああもうわかったよ……」

  24. 24 : : 2014/01/12(日) 05:33:10

    その言葉を合図に、兵士達は一斉にリヴァイを責め始めた。
    本格的に。

    2人が乳首を吸い、1人が首筋を舐める。
    自分よりずっと年上の兵士達の獣のような振る舞いに、リヴァイは鳥肌が立つのを抑えられない。
    しかしそれは、嫌悪感のせいだけでなく、圧倒的な快感の影響と言えた。

    「は、あっ、…く…」

    「…しぶといねぇ」

    「だから、もっと声出せっての」

    露になった乳首を、兵士達の熱くねっとりとした唾液を纏った舌が執拗に責め立ててくる。
    兵士の口の中で、乳首が押し潰されたり転がされたりする度、リヴァイの焦らされた身体は素直に反応した。

    「っ…ん……く……くぁ…は……ぁ…」

    「おい、恥ずかしがってんじゃねえぞ…」

    「っ………ふざ…けんな………ぁ……く…」

    まずい。刺激が、さっきまでとは比べものにならない。
    思考がまともに出来なくなりそうだ。
    唇を噛みしめた程度では吐息を押し殺すことが出来ない。
    ズボンの下が硬くなっていき、きつく感じる。
    身体の奥が焼けるような感覚に、背中が自然と反ってしまう。

  25. 25 : : 2014/01/12(日) 05:34:16

    「おい、若造…乳首が充血していやらしいことになってんぞ…」

    「く……うる…せぇ…ッは……はぁ…ッ」

    「あぁ、本当だ。赤くなってやがる…くくっ」

    「見てんじゃ……ねぇッ……はぁっ…」

    「分かったよ。じゃあこうしてやるよ」

    「ひぁあっ……クソッ…やめっ…くぁ…」

    ぢゅぢゅっ、と卑猥な音を立てて乳首が吸われる。
    リヴァイは鎖をがちゃがちゃと鳴らしながら大きく跳ねる。
    体がガクガクと震え、舌を突き出すようにして喘ぐ。
    兵士達は、そんなリヴァイを、乳首を吸いながら満足げに見上げていた。

    「やっと鳴き始めたなぁ……いいぞ…」

    熱い。
    何もかも蕩けてしまいそうだ。
    兵士達は、リヴァイの胸の肉を、乳首ごと揺らしてしまいそうな勢いで吸っている。

    「へぇ、自分でも腰振り始めたな……」

    「…本当だ……ふっ…ねだってんのか?」

    自分の腰がくねっている事を、指摘されて初めて知った。
    恥ずかしさと快感でリヴァイの頬は真っ赤だった。
    はぁはぁと苦しそうに息をしているリヴァイを見て、リーダー格の兵士から指示が飛ぶ。

  26. 26 : : 2014/01/12(日) 05:36:12

    「もう良い。下脱がせろ……」

    「っ……やっ………やめろ……!!」

    兵士の一人が、鼻息を荒くしながらリヴァイのズボンを掴む。
    チャックを降ろす音がした後、下半身がひやりと外気に晒され、震えた。
    わかってはいたが、あり得ない。
    こんな男達の手で、一度も股間に触れられもせずに。
    今、自分の身体に起こっている変化を正直に認めたくはなかった。
    リヴァイの陰茎の先端からは透明な液体がとろりとろりと滲み初めていた。

    「おいおい…一丁前に勃起してんじゃねえか…乳首、そんなによかったのか?」

    馬鹿にしたように笑いながら、兵士が冷えた大きな手で性器を強く握ってくる。
    既に先走りでぐしょぐしょに濡れたそれを直接掴まれ、リヴァイはビクッと跳ねた。
    そのまま手で扱かれ流れ込む快感に、体がピクピクと反応する。
    拒みたいのに身体は正直だ。
    ペニスが勝手に膨らんでいく。
    上下に乱暴に扱かれ、忽ち思考が眩んだ。

    「あっ……は…ああっ……ぐぁ…あ……はぁあっ……」

    「はははっ…何て面してんだ若造……そんなに気持ち良いのか…?」

    兵士は、恍惚としてリヴァイの喘ぎ声と表情を堪能しているようだった。
    ぐちゅぐちゅと扱く手を速めてくる。
    いよいよ激しい快感に苛まれ、呼吸も何もかもが辛く感じる。
    だらしなく開いた口から、唾液が幾筋か、顎を伝って落ちた。

    「涎垂らして……だらしねぇな………」

    「ぐ…っ!っ、ぅ……!」

  27. 27 : : 2014/01/12(日) 05:36:48

    兵士の手が、大きく淫らに腫れ上がっている乳首へと伸びる。
    ぷくりと膨らんだ突起の両方を指で潰し、摘ままれ、弾かれ、爪で引っ掛かれれば、その刺激はリヴァイの性器へと伝わる。

    「あ…!!く…ぅ、あ、はぁ、はぁ…っ!…やっ!!」

    「おいおい…いい乱れようだな……」

    「どこがそんなに気持ち良いんだ?言ってみろよ…」

    「っあ、あぁ、んんっ…く、あ…ッッ!や、やめ…ろ…!!く…あ…!!」

    「あーもう本当にしぶといなあ…我慢は良くねぇぞ?」

    リヴァイは繋がれた手足を必死にばたつかせ、ペニスを振り乱しながら身をくねらせる。
    その時、性器を扱き続ける兵士の指が、先端の窪みを抉った。
    敏感すぎるリヴァイの体には、雷に打たれたような激しい快感が走った。

    「はぁ…あああ…!!あっ…あっ……う…うあ……!!!ひっ…あああっ!!!!やめろ!!」

    リヴァイの叫びにも近い喘ぎに、兵士はリヴァイの弱点を見つけた気分だった。
    わざとゆっくりとリヴァイの陰茎を擦りあげた。
    滲んでいるカウパー液を塗り込むように上下に緩く手を動かせば、粘着質な音が響く。
    そして、その場所を集中的に責められれば、いとも容易く登っていく。

    「い、やっ……ああ……ひぃ…んああっ………!!!ひあっ!!!あぁッ………!!」

    兵士は、皮膚の薄い敏感な亀頭部分、ぱくぱくと開閉を繰り返している尿道口に、今度はしっかりと狙って、ぐりっ、と爪を立てた。
    次の瞬間、身体が大きく跳ね、リヴァイの性器は激しく精液を噴くこととなった。
    焦らされ続けた分、射精は長かった。
    リヴァイの目の前に居た兵士達は、その飛沫を浴びないよう横に避難した。

  28. 28 : : 2014/01/12(日) 05:47:48
    一旦切ります。
    ここからは、なんとエロシリアスというわけのわからん状況です。
    ハァハァすりゃいいのか、ほぅ…となればいいのか、って感じですが、お付き合い戴ければと思います。

    引き続き、ご意見、ご感想もお待ちしております!笑

    ※るーじゅん@1002 さんへ
    上でお返事し損なってしまいました…ごめんなさい!
    エレリ入れてみたいんですけど、泪飴、まだまだ勉強不足でして…。
    それと、これ以降の展開的に、エレン君との関わりを混ぜていくのが少し難しかったので、今回は断念しました><
    もし、機会があれば挑戦してみたいと思います♪
  29. 29 : : 2014/01/12(日) 10:27:46
    ふぉぉぉ//////兵長がぁぁぁ//////
  30. 30 : : 2014/01/12(日) 15:11:30
    >>28
    いーよ!いつまでも待ってる☆ミ
    モブリさいっこうぅううう!!(≧∇≦*)(≧∇≦*)
  31. 31 : : 2014/01/12(日) 15:47:41
    面白いです\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーッ!
  32. 32 : : 2014/01/12(日) 16:24:03
    コメありです!
    日が暮れて来たので再開します!笑
    またキリのいいところで切ります。
  33. 33 : : 2014/01/12(日) 16:24:28

    「あーあ…これまた随分と激しくイっちまったな…兵長さんよぉ…」

    「最後、よかったぞ?…なんだよあの顔…くくっ…」

    「純潔ぶってもやっぱ淫乱じゃねえか……」

    「天下の兵士長様の喘ぎと絶頂姿…かわいい部下達にも見せてやりたかったなあ?」

    リヴァイは、はぁはぁと肩で荒く息をつき、ぐったりと脱力し切っている。
    いよいよ、言い返す元気など残っていない。
    一気に疲労が押し寄せて来る。
    もう、どの薬のせいか、それとも行為のせいなのかわからないが、気を失いそうになる。
    今の状態では、何をされても、そもそも泣き叫ぶ元気がない、と素直に言いたいくらいだ。

    だったのに。

    何だ……?
    イッたばかりなのに、熱い。
    溜まっていた熱が抜けない。
    性器が、柔らかくなるどころか、硬くなっているような気がする。

    「…物足りねえんだろ?」

  34. 34 : : 2014/01/12(日) 16:25:21

    リーダー格の兵士が甘い声でリヴァイの心中を見透かした。
    リヴァイの勃った性器を優しく根元から撫で上げる。
    ビクビクと体が勝手に震える。

    「あぁ…んっ……くそ……なん…で………」

    「そういう薬なんだよ……穏やかに効くが、効果はなかなか暴力的だ……連続的に絶頂を引き起こす…男でも、女みてぇに何度もイッちまうってこった…しかも、繰り返せば繰り返すほど強度は増す」

    「はぁ……あ…く…ぁ……熱…い……はぁああ……」

    「触ってほしいんじゃねえのか?…くく、辛いんだろ?素直に言えよ」

    ああ、泣き叫ぶまで、ってこういうことか。
    これは、わからなくなってきたな。
    リヴァイも、だんだんと弱気になってきていた。

    「何だよ大人しくなっちまって……声出せって言ってんだろ」

    「ふっ…!!くぁあッ…」

    「触れば出すのかよ……触ってやるから、せめていい声で鳴けよ」

    「くぅ……うう……んはぁ…ッ!!」

    「そうそう、さっきの話の続きだがな……おい、聞いてんのか?」

    「ぐ…はぁ!…あっ……あ……や…ぁあ…」

    「…返事どころじゃねえか。まあ、いいや、聞けよ。てめぇの愛しい飼い主様と来たら、出掛ける間際に『なるべく痛くないようにしてやってくれ』とか言い出してよぉ…」

    霞みがかった視界が暗転しそうになる。

  35. 35 : : 2014/01/12(日) 16:26:33

    エルヴィン。
    本当にわからない奴だ。
    股間を激しく擦られ、体が揺さぶられている中、重い瞼を何とか支え、胸の傷跡に視線を落とす。

    水ぶくれになっている。が、ひどく膿んだりはしていない。

    この程度で済んでいるのは、この傷の原因であるエルヴィン本人が、あの後、傷口を迅速に冷たい清潔な井戸水で冷やしたからだ。
    もちろん、この寒い時に、冷たい井戸水に浸した布を鎖骨に押し付けられるというのも、歯を食いしばって耐える必要のある辛い責めではあった。
    お蔭で、リヴァイ自身はあまりよく覚えていない。
    冷たさに意識が飛びかけていたし、目を閉じていたからだ。
    だが、そんな中で垣間見えた、処置をしている時のエルヴィンの表情は、皮の手袋の中の大きな手は、不思議な安心感に包まれていた…ような気がする。

    いや、そんなことがあるわけない。
    何を考えているんだ。
    冷静になれ。
    今の、このクソみたいな状況の元凶は紛れもなくあいつだ。
    いつ何をしでかすかわからない憲兵4人にリヴァイを任せて、自分は呑気にシーナまで行っているのだ。

    自分も、重症だな。
    ここまで来て、やっぱりエルヴィンを信じてるのか。
    あいつのくれた仮初の信頼は、裏切りという現実よりも「本物」だった。

    じゃあ、また嘘でいいから。

    嘘でいいから助けてくれ。

    俺はまた、暗い地下に引き摺り堕とされちまったんだ。
    お前によく似た、誰かに。
    身に覚えのない、理不尽な鎖で。

  36. 36 : : 2014/01/12(日) 16:27:16

    どこかで冷静な自分がいる一方で、現実のリヴァイの目の前には、2度目の絶頂が迫っていた。
    全身をガクガクと痙攣させて喘ぐ。
    喉を震わせ、白い肌を赤く染め、手枷をガチャガチャと鳴らす。
    散々焦らされ、薬に支配された身体は、望まない快感でも悦び、リヴァイを絶頂へと追い立てていく。

    「んぁぁっ!!!…っ!…い…ひぃッ……はぁ、あっ!!」

    「そんなに好きか……」

    「はぁ、は…ぁっ……あ、あっ!やめ、っ……ぁあッ……ぁ……んぅ…っ!?…なっ……てめ……ぇ………」

    「なんだその目は?……イキたくねぇんだろうが…?」

    意地の悪い笑みを浮かべた目の前の兵士は、先ほどまで激しく擦りあげていた手をぴたりと止めた。
    硬くなった性器から外に出されるはずだったものは、陰茎の根元をきつく戒めた兵士の指先によって塞き止められてしまった。
    出口を失った精液が体内で熱くどくんどくんと暴れている。

    出したい。

    リヴァイにとっての性欲は排泄欲に近いものだ。だからこそ、無理やり「出させられる」ことも苦痛だが、「出せない」ことは最たる苦しみだった。
    不快感、不安を通り越して、自分はどうなってしまうのか、という恐怖の念が胸を締め付け始めた。

    苦しい。

    何とかしてこの不快感を解消しようとするが、出口が無いものはそこに留まるしかない。
    幾ら下腹部に力を込めようが、一度溜まった熱は抜けることが無い。

  37. 37 : : 2014/01/12(日) 16:28:18
    リヴァイの全身に脂汗が浮かぶ。

    その時、リーダー格の兵士が急に立ち上がり、他の3人をどこかに行かせた。
    3人は、リヴァイ達のいる牢を出て、地上階へと階段を上っていく。

    リヴァイと2人きりになったのを確認すると、兵士は香油のような液体の入った瓶を取り出し、リヴァイの背中側に回った。
    その指は、リヴァイの後孔に伸びる。

    ああ、ついにこの時が来てしまったか、と内心思う。
    リヴァイが、この世で最も嫌悪している行為が始まろうとしている。

  38. 38 : : 2014/01/12(日) 16:29:17
    すみません、一旦切ります!
    今晩中にモブリは完結させたい…!!
  39. 39 : : 2014/01/12(日) 18:13:39
    さいっこうぅううう!!(≧∇≦*)
    頑張れーっ!(^^)!!(^^)!!(^^)!
  40. 40 : : 2014/01/13(月) 09:13:22
    あれっ。
    まだ?
  41. 41 : : 2014/01/13(月) 09:50:09
    遅くなってしまいまして、申し訳ありません!
    昨晩急用が入りまして、載せることができませんでした><
    とりあえずキリのいいところまで。

    これからまた出かけるので、帰ってきたら続きを載せます!
  42. 42 : : 2014/01/13(月) 09:52:09
    「う…っぐ……!」

    兵士の指が、自身の小さな窄まりを撫で、潤滑油を塗り付けている。
    冷やりとした感覚が気持ち悪い。
    大体、そんなところを触るなど、正気の沙汰ではない、と思う。
    後孔と兵士の指が立てる水音を背中で聞き、汗でぐっしょりと濡れた体を震わせる。
    顔を捩じって兵士の顔を盗み見る。

    …やはり。
    他の兵士達とは違い、醒め切った顔をしている。
    それは、この一連の行為に、快楽を求める以上の何かがあることを示していた。

    「……っ…お前……」

    「何だ?」

    返事をしながら、兵士が人差し指を差し入れた。ずぶずぶと入っていく。
    胎内を侵される感覚に、リヴァイは思わず悲鳴を上げる。

    「ひぁっ……ぐ…ぅ…っ…」

    「………で?何だ…」

  43. 43 : : 2014/01/13(月) 09:52:30

    「…はぁ……っく……さっき…てめぇだけ…俺のこと…名前で呼んだろ……」

    「……それがどうかしたか…」

    「…お前のその独特な発音……聞き覚えがある」

    一瞬の沈黙の後、胎内にもう一本の指が差し込まれた。縁を押し広げ、奥へと入っていく。

    「うっ……」

    痛みは殆どない。
    だが、息が詰まるような異物感が堪らなく不快で、思わず眉をしかめる。

    「ふん、あんだけ激しくイッたばかりだったってのに、よく聞いてたな……相変わらず、こういうところは抜け目ねぇ奴だ……リヴァイ」


    リヴァイ。
    記憶の中で、自分の名を呼ぶ男。
    そうだ。俺はこいつと昔会っている。
    それこそ、エルヴィンやミケと出会う前だ。
    確か…


    「お前のせいで脚に怪我を負って、出世できなくなった惨めな兵士の顔なんか覚えていて貰えて光栄だよ……」

    兵士の指が、腸壁を掻き回す。擦られる度に潤滑油がじゅぶりと泡立つ。

  44. 44 : : 2014/01/13(月) 09:52:53

    そうだ。
    立体機動を使って、地下街でゴロツキをしていた頃、自分が負傷させてしまった男。
    内部の腐敗が進んだ憲兵団なら、どうせ脚を痛めた位では何の痛手にもならない、むしろ、仕事を減らして貰えて楽なんじゃないのか、と、その頃つるんでいた仲間が笑って言ったのを思い出す。

    「脚の怪我は大したことないぜ…けどな…憲兵が地下街のゴロツキ風情に怪我させられただなんて、赤っ恥なんだよ。それこそ今のお前の痴態と同じ位な……お蔭で、出世の道が絶たれたのさ…真面目に、地下街の犯罪者の取り締まりをしたばっかりにな…」

    時折ぐぐっと奥まで差し込んでは、括約筋をゆっくりと広げられ、腸液が染み出す。
    潤滑油と体液を絡めた指が、後孔の入り口付近で抜き差しを繰り返される。
    リヴァイは目を閉じる。

    何ということだろう。
    結局は、自分の業が招いた災いか。
    自由の翼を掲げようが、幾数多の巨人を倒そうが、所詮は、薄汚い地下のゴロツキだった頃の自分とは決別できていないままだったということだ。

    リヴァイの体内を這い回っていた指が、腹側のある一点を掠めた。
    リヴァイはびくりと肩を揺らす。

    「…何考えてたんだ?」

    「あっ、あ……っ、ぅあ……!」

    衝撃が全身に走り、リヴァイは身を捩って悶える。
    同時に、ペニスが再び硬度を増す。

    リヴァイの反応を見た兵士が、嘲笑を浮かべる。
    周りより少し硬くなったその場所を触ると、リヴァイの身体がビクビクと脈を打つのがわかる。
  45. 45 : : 2014/01/13(月) 09:53:10

    「尻の穴でもそんなに感じてんだな…?…本当に淫乱なのかもな、お前」

    「クソ……が…あっ…!!…!んな……はぁっ…わけ…ぁあッ…!!」

    兵士は鼻で笑うと、執拗にその部分を刺激する。
    一度は落ち着いた熱が戻って来たリヴァイは、また艶っぽい喘ぎ声を出す。

    「…気分はどうだ?……見た限り楽しそうだが」

    「ちがっ……んなわけっ、あぁっ、ひっ……ぁ!」

    腰が意思に反して跳ねてしまう。
    ずっと握っていたリヴァイの陰茎の根元から手を離し、兵士は、懐からあるものを取り出した。

    エルヴィンの部屋に置いてきた、と思っていた、クラバット。

    それを、リヴァイの陰茎の根元にきつく結んだ。
    とんでもない屈辱だが、今のリヴァイには何も言えなかった。

    「本当にすぐに死んじまう調査兵団には理解できねぇかな…『社会的に死ぬ』っていうことの意味はよ……」

    「はぁ…くぅ…ふぅ…はぁ……」

    「ま、安心しろよ……この、誰から見ても惨めで変態としか思えない姿のお前を、街中に捨ててやってもいいんだけどな……いや、いっそ壁外に捨ててきてやろうかと思うけどな…そうもいかねぇ……」

    欲の出口を塞いだまま、兵士の、リヴァイの中への責めの手は余計に激しくなる。
    しこりのようになった場所を執拗に擦っては、押し上げられる。
    内部で熱が沸き上がるような感覚に、脳味噌が湧いてしまうのではないかと思うくらい熱くぼうっとしてしまう。
  46. 46 : : 2014/01/13(月) 09:53:33

    「ふ…っ…ぁあ!……っ…あ…ぁあ…っ…!!!」

    「せめて、俺の目の前では『死んで』くれ…壊れてくれよ……そうでもしねえと気が晴れねえ…いいだろ…別に……泣き叫んでどうにかなるんだ……本当に、お前が羨ましいんだよ……わかるよなぁ…?」

    「くぅっ……ぁ…あ……っう…!!!」

    「何で声、まだ我慢してんだよ………ま…その強がりがどこまでもつか、見物だが……」

    リヴァイはただ震え、ただ喘いでいた。
    苦しいのか、気持ちが良いのか。
    吐き気を催すほど嫌悪していた行為をその身に受けながら、思考に蓋をした。

    わかってる。俺が悪い。他の誰も悪くない。
    恨まれて当然だ。
    むしろ、リヴァイの兵士としての体には一切傷をつけないよう注意を払った形で復讐しようとしているこの憲兵に、リヴァイは一種の敬意に近いものすら感じていた。

    俺を本当に恨んでいるなら、脚を折ればいい。腕を切り落とせばいい。
    それだけで、俺の兵士としての一生は終わる。
    そして、巨人と戦えない俺なんかに、存在価値はない。
    俺が奪ったものを、同じように俺から奪えばいい。
    だが、こいつは違う道を選んだ。

    エルヴィンは全て知っていたのだろうか。
    ここで、誰にも知られずに過去の清算をさせるのが目的だったのだろうか。

    ならばせめて。この身に全てを受け入れよう。
    それが過去の罪でも、この男の憎しみでも、エルヴィンの陰謀でも。

    …誰かの肉体の一部でも。

    射精を封じられた苦しみと激しい後孔への責めが、体力と精神の限界を超えたリヴァイの意識を黒く塗りつぶした。

  47. 47 : : 2014/01/13(月) 09:53:47

    気が付くと、まず床が目に入った。
    自分の真下に水溜りが出来ている。
    頭から水を掛けられて、無理やり起こされたらしい。
    やはり、どうせなら意識のある状態で処女を奪おうというのだろう。
    水を含んだ黒髪が額に張り付いている。
    意識がはっきりしてくるなり、腫れ上がり熱く脈打つ自身の肉棒と、ヒクヒクと動く後孔の感覚がリヴァイを苛む。

    「起きたな」

    リヴァイの覚醒を確認し、ズボンのチャックをカチャカチャと降ろす音が背後で聞こえる。

    「挿れるぞ……若造」

    背中に、兵士の熱い肉棒が当たっている。
    性器を硬くしていながら、どこまでも冷静な憲兵の態度がかえって不気味だ。
    これが、これから自分の体内に入って来るのだと思うと、体が恐怖に強張る。

    後孔に先端があてがわれる。

    「初めてか…?」

    リヴァイは沈黙で返事をする。体が震えているのを抑える気力も起きない。

    「力を抜け……」

    肩を揉むように撫でおろし、リヴァイの乱れた呼吸を整えさせる。
    どうせなら苦痛は少ない方がいい。
    大人しく従う。


    リヴァイは、覚悟を決め、目を閉じた。
  48. 48 : : 2014/01/13(月) 09:54:17
    一旦切ります!

    そろそろエルリ行きますね(汗)
  49. 49 : : 2014/01/14(火) 01:44:03

    兵士の亀頭が、窄まりに軽く埋まった。
    リヴァイは思わず息を止める。

    突如、耳を劈くような轟音が地下室に響いた。

    「ぐあっ!!!!!がっ!!!なっ………」

    悲鳴を上げたのは、兵士の方だった。
    どさりと、兵士の大きな体が崩れ落ちる音が、背後でした。
    生臭い、温かいものがリヴァイの背中を汚す。

    恐る恐る、閉じていた目を開けると、足元は血の海だった。

    視界の端の、兵士のぴくりとも動かない体が、その命が既に絶えたことを示している。

    全ての原因を作った男が、鉄格子越しに静かにこちらを見ている。
    手には、まだ蒸気の立っている銃がある。

    「…え………エル…ヴィンっ!!…てめぇっ…何で……自分がっ…今何したか…っ」

    「リヴァイ、落ち着きなさい。怪我はないね?」

    エルヴィンは、自分の行動が正当なものだ、というような態度を貫く。
    リヴァイの細い目が、限界まで見開かれる。

    「何を言って……こいつは……お前が……」

    そう言おうとして、鉄格子の向こうの、エルヴィンの後ろに誰かがいるのが見えた。

    「リ、リヴァイ……あのさ、私なるべく見ないようにしてるからさ、とにかく落ち着こう!いや、この状況で落ち着く方が無理だろうけど…」

    「は……ハンジ……!?」

    ミケの後ろに隠れながら、ハンジが俯いている。
  50. 50 : : 2014/01/14(火) 01:44:21
    そりゃそうだ。いくらハンジでも、女は女だ。
    というか、性別関係なく、この状況に驚かない方がおかしいだろう。
    急に、恥ずかしさが込み上げてくる。

    「…っ……そうしてろ……」

    エルヴィンが鉄格子の鍵を開け、顔を真っ赤にしているリヴァイの手枷を外す。羽織っていたマントを返り血を浴びたリヴァイに優しく掛ける。
    足枷も外し、熱のこもったリヴァイの下半身を服の中にしまう。
    自力で立てないリヴァイを、横抱きにする。
    ミケが遺体の上にマントを被せているのが見えた。
    ハンジが心配そうに駆け寄って来て、しゃがんで何かを拾った。

    「リヴァイ、クラバットならここにあるからね…大丈夫だよ」

    「それ……汚えぞ………」

    「…リヴァイのなら汚くないよ………リヴァイ、可哀想に…潔癖症なのにあんな……」

    「違う……俺が……悪いんだ………あの男は……」

    「リヴァイ、それ以上自分を責めるな」

    「エル…ヴィン……!!」

    ありったけの憎しみを込めて睨むが、相変わらず、本気でリヴァイを心配しているような表情のままだ。
    どうして、こんなことが出来る。
    そうだ、二人の前で全て言ってやろうか。

    いや…ダメだ。
    ただでさえ、自分の身に起きたことを知られてしまったのだ。
    これ以上巻き込むわけにはいかない。
    エルヴィンがこの2人に何をするかわからない。
    悔しい。この、空のような蒼い眼の男に、自分は一度として勝てたことが無いのだ。

  51. 51 : : 2014/01/14(火) 01:44:57

    団長室のソファに運ばれたリヴァイは、エルヴィンに渡された水をとりあえず一気に飲み干してから、湯に浸けた布で拭いた清潔な体に、新しいシャツを纏い、小刻みに震えていた。
    一連の出来事を思い出して、今になって恐怖や、恥ずかしさが襲ってきたのだ。

    「リヴァイ」

    「…遺体の処理も…地下牢の痕跡の隠蔽も……全部あいつらにやらせるのか……お前がやれよっ……そうじゃないなら…俺にやらせろ……あいつらを巻き込むな……」

    ハンジとミケは、リヴァイが団長室に着くと、そのままどこかへ行ったのだ。
    使命を帯びたような横顔に、手を伸ばしても、ここにいて、と優しく解かれてしまった。
    行くな、と呻いても、すぐに戻って来る、と額を撫でられてしまった。

    「こんなことになって、すまなかったね」

    「すまなかっただと…こんなこと…!?それは何を指して言ってる?謝るなら、俺を調査兵団に連れてきたところから謝れよ……これなら……憲兵団に引き渡されてても変わらなかった……壁の外を見れたことと、信頼してくれる仲間が出来たってこと以外は、悪いことばかりだ……」

    リヴァイは泣いていた。
    エルヴィンの手が頬を包んで、目尻から溢れる透明な筋を受け止める。

    「触るなっ……どっかいけ……お前なんか…お前なんか…」

    「リヴァイ」

    「聞きたくない……もう信じられねえ……何も……誰も……自分のことすら……」

    リヴァイの細い指が、目を覆う。
    子どものように震えるリヴァイの耳元に、エルヴィンは唇を寄せる。

    「リヴァイ…信じて欲しい、とは言っていない」

  52. 52 : : 2014/01/14(火) 01:45:27

    リヴァイはびくり、と肩を震わせる。怖くて、手を目から外せない。
    もし、エルヴィンがまた残酷な、冷徹な瞳を見せたら。

    手がもう2本あったら、耳も塞ぎたい。

    信じて欲しいんじゃない、奴隷のように俺に従いさえすればいいんだよ。
    さあ、泣くのは止めて、いい声で啼きなさい。

    そんな風に言われたら。
    しかし、エルヴィンが言った言葉は逆だった。

    「リヴァイ、お前のお蔭で、私は死ななかった」

    驚いて指が開き、エルヴィンの疲れ果てた目が見えてしまった。
    普段はきっちりと分けている金髪が乱れ、きちんと前髪が出来てしまっている。

    「危ないところだったんだ…お前も、私も、調査兵団もね」

    「何を……」

    「あの夜の会話…あれは仕組まれたものだった」

    「…」

    「私だぞ?リヴァイ……この私が…壁外調査の前日は必ずお前が私の部屋に話に来ることを…失念するわけないだろう?大体、お前が部屋に来た瞬間に、ああも都合よく重大な話に入るものか…お前が来るのを15分以上待っていたんだ。そして、お前が部屋の前に来ると同時に、台本通りの演技を始めたというわけだ…お前を巻き込むために」

    「…」

    「…壁外調査を行うための金。議会での発言力。そういったものを手に入れるためには、様々な駆け引きが必要だ。そのために、時として、ああした<行為>が求められることもある」

  53. 53 : : 2014/01/14(火) 01:45:45
    「……」

    「今までは、それも何とか避けていた。もし、どうしても誰かの肉体を使わなければならない時が来たら、私自身を差し出すつもりだった。『堅物』『冷静』『頭脳明晰』の私が乱れる姿……倒錯的な悦びを好む連中には美味い餌だと思ったんだが、少々大柄過ぎたかな」

    「エルヴィン…それ……」

    リヴァイが掠れた声で遮る。そんなことを言うエルヴィンを見たくないと思った。
    しかし、エルヴィンの言葉は止まらない。
    珍しく、エルヴィンがリヴァイの話を聞いていない。

    「…連中はお前を狙ってきた。現役の兵士に、ましてや兵士長のお前にそんなことをさせられるか…!!壁の中の人類を守るのでお前達は精一杯なんだ……そのお前達を守る『壁』が私だ。なのに……」

    リヴァイの頬に、また新しい筋が増える。
    お前が俺達を守る。

    じゃあ、誰がお前を守るんだ。

    「連中は、殺すしかないと思った。話し合いで解決できるとは思えなかった。そんな時だ、たまたま脚を引きずって歩く兵士と出会ったのは。憲兵だったが、性格が私とよく似ていた。そのせいか、それとなく親密になってね。酔わせたらお前のことをぺらぺらと喋り始めた。恨んでいる、あの小鳥を地面に叩き落したいと。だが、同時に、あの小鳥の小さな羽が無くなれば、人類は終わりだ、とも」

    やはり、あの男はリヴァイの兵士としての価値は認めていたのだ。

    「最初は、あの男を利用して連中から情報を引き出し、殺そうかと思っていた。あの男は、お前に償いをさせたがっている。そして、連中はお前の乱れる姿を見たがっている。これを利用しない手はない、そう思った」

    エルヴィンの手が、シャツ越しにリヴァイの胸の傷を撫でる。

  54. 54 : : 2014/01/14(火) 01:46:01
    「そうして計画実行日、すなわち今日を迎えた。お前がシーナに向かった後、私はあの男と共謀して連中を始末しようと思っていた。調査兵団の人間は一切巻き込みたくなかった…お前以外のな。残念だが、お前はもう当事者だったからな…。しかし、連中の使いとして団長室に現れたのはあの男だった」

    リヴァイの涙をエルヴィンの指が優しく拭う。

    「あの男は、最初から連中と繋がっていた。予想していなかったわけではなかったが、まさか、と思ったよ…一人で解決しようと思ったが故に、追い詰められてしまったんだ。情けない話だ。そのまま、私はここで殺され、お前は酷い目に遭い、調査兵団も息の根を止められるかと思ったが、連中はチャンスをやる、と言い出した。聞けば、お前にご執心の、肝心の黒幕が、今日は急用が入ってすぐに抜けられないという。だから、それまでにお前を『泣き叫ぶ』くらいに追い詰めておくように、そしてそれは私が行うようにと言われた。それを全うすれば、調査兵団への制裁は保留にする、と」

    リヴァイの涙が、エルヴィンの指を濡らす。

    「そんなこと…できるわけがない…だが、やらなければ…私は心を鬼にしたよ…悪魔を凌ぐには、仕方のないことだと言い聞かせた。少しでも、被害を小さくすることしか考えられなかった。その時の俺はな」

    ガチャリ、と音がして、ミケとハンジが入って来る。ハンジも、赤い目をしている。

    「幸か不幸か、予想外のことが起きた。お前のシャツ引き裂いて、いよいよ…という時、ドアをわずかに開けて2人がこちらを見ていた。目が合うと、すぐに扉は閉まったが、外にまだいるのが分かった。そこで、私は…2人を利用することで起死回生を狙った。わざとお前を尋問し、何が起きているかを2人に伝えようとした。知られたくない人物として2人の名前をあえて挙げ、お前を殺したくないと言うことで部屋に入ってこないようにした。辛かったよ。連中が、お前を巻き込むために使った手を、今度は私が2人を巻き込むために使ってしまったのだから…。そして…これが一番辛かったが……よくわかっていると思うが…お前を、お目付け役のあの4人に任せた」

    エルヴィンがリヴァイの小さな胸に、顔を埋める。
    おいおい、泣くなよ、とリヴァイは勝手に焦る。
  55. 55 : : 2014/01/14(火) 01:46:18
    「それまでの行為で、お前がだいぶ…その…艶っぽく…なっていたからな……あいつらも相当昂ぶっていたらしい、喜んで引き受けたよ。もちろん、全て私がやったことにする、という約束でね。お蔭で私は、扉の外の2人と話すことが出来、その足で、ここに向かってくる黒幕を始末出来た。急な話で当然困惑していたが、2人とも、信じ、協力してくれた……私を信じたというよりは、お前を助けたい一心だったと思うが…何せ、あの状態のお前を見てしまったわけだからな」

    ハンジが頬をぽりぽりと掻く。ミケも、苦笑いを浮かべる。
    リヴァイは、薬のせいとはいえ、そんなに自分は扇情的だったのか、と、また恥ずかしくなってくる。

    「あいつらは、ご主人様より先にお前に対して一線を越えるわけにはいかなかったからな…だが、興奮すれば暴走するかもしれない。私が無事にここに戻ってくるまでは、2人も迂闊に手を出せない。かなり急いだつもりだったが、危ない所だったな」

    危ない所だったな、じゃない。
    俺なんかよりも、お前の方がよっぽど危ないじゃないか。

    「『敵を騙すにはまず味方から』という古い諺…その通りだったが、あまりに辛かった。何をしたらお前に許してもらえるか、いや、そもそも許してもらおうなんて考えていることを許してもらうにはどうしたらいいか…」

    「エルヴィン、何だか複雑なことになってるよ……」

    「ああ……私も…少し疲れた……だがリヴァイ、お前に比べたら……結局は、お前のお蔭なんだ。お前が、あいつらに対して最後まで弱みを見せなかったから、時間が稼げた」

    「俺は……気に喰わなかっただけだ……」

    それに、正直最後は心が折れかけていた。
    エルヴィンの言う通り、本当に全員が危ない所だったのだ。

    「じゃあ、私達はもう…出ていくね」

    「今日は、ゆっくり休め、リヴァイ…エルヴィン」

    ハンジとミケが部屋を出ていく。

    2人きりになった部屋で、エルヴィンはリヴァイを静かに見つめる。

  56. 56 : : 2014/01/14(火) 01:46:43

    「平気か…?」

    「何がだ……」

    「その……見る限りでは、だが。…出したいものを、出せないようにされていたようだが」

    「…クソ野郎……人が我慢してるのを、わざわざ意識させやがって」

    エルヴィンの手が、リヴァイの股間に伸びる。

    「クソがっ……おい……どういう…はぁっ…つもりだ……っ…くぅ…」

    「なるほどな。確かに、お前は魅力的かもしれないな」

    エルヴィンは何事もなかったかのように、さっと手を離し、くるりと背を向けた。

    「寝ていなさい。抜きたいなら、そこの、床にある盆を使いなさい…私は隣の部屋で休んでいるから、何かあったらすぐ呼びなさい。この小さなベルを鳴らしてくれれば、すぐに来る…今度こそな」

    ソファの傍に、小さな呼び鈴を置いて離れていくエルヴィンの背を見て、リヴァイの呼吸はまた乱れ始めた。

    淫乱。

    今日一日で、何度も言われた言葉。
    これじゃ、本当にそうみたいだ。
    自分は、エルヴィンに何を期待した。
    馬鹿馬鹿しい。
    そう思っても、体の熱は激しさを増すばかりだった。

    くぅ、はぁああ、と喘ぎ、ソファの上で身を捩る。
  57. 57 : : 2014/01/14(火) 01:47:00


    拘束のない責めほど、残酷なものはないだろう。
    戒めるのも自分だが、それに耐えるのも自分だ。


    リヴァイが、一人で悩ましい姿を見せている間、エルヴィンは隣の部屋の薄い扉越しにリヴァイの喘ぎ声を聞いていた。

    「『悪魔』になったと、言ったじゃないか、リヴァイ」

    そう呟くエルヴィンの懐には、小さな薬瓶が入っている。

    「古今東西、悪魔とは悪戯が好きなものだ。違うか?」

    リヴァイは気付いていないのだろう。
    さっきの水に入っていたもの。

    「悪魔の罠は単純で、同じものの繰り返しだ」

    リヴァイがソファをギシギシと軋ませている音がする。

    「だが、悪魔は口が上手い。そして人は言葉に縛られる」

    どさ、と床に落ちる音が聞こえた。

    「気づいたころにはもう遅い」

    リヴァイは床に落ちてみて初めて気づいた。盆などどこにもない。

    「さぁ、どうするかな…すまないね、リヴァイ……私は悪い奴だね」

    体を震わせながら、ソファの上にある呼び鈴に手を伸ばす。

    「だが、お前もお前だ。リヴァイ。お前はこんな悪魔まで惑わしてしまう美しい鬼だ」

  58. 58 : : 2014/01/14(火) 01:51:35
    鳴らそうとして、気が付く。ベルが、壊れている。

    「人の姿をしているから、なまじ性質が悪い」

    クソ、と呟く。エルヴィン、エルヴィンと必死に呼ぶ。

    「美味しそうなものがあったら、食べてしまうだろう、リヴァイ」

    リヴァイの呼び声が、艶っぽさを増しながら、近づいている。床を這って、こちらに来ているのだ。

    「ああ、何てかわいらしいんだろうな」

    力が入らないせいで、腕と足を懸命に使い、匍匐前進をする。
    が、床に股間を擦ることになる。

    「一番の悪魔は、お前かもしれないな」

    扉を懸命に叩く音がする。
    エルヴィンは、眠そうな顔を繕って、静かに扉を開ける。

    「…リヴァイ、どうした?」

    「は…ぁあ……エルヴィン……」

    「リヴァイ?どうした?」

    「くぅう……たす…けてくれ……」

    「どうしたんだ、リヴァイ」

    「……っ!!…はぁ、はぁ……」

    伝えたいのに、色々な気持ちが邪魔して言えない。
    それが、余計にリヴァイの興奮を高ぶらせてしまう。
    そろそろ、いいか。エルヴィンはリヴァイの体をしっかりと抱きかかえた。
  59. 59 : : 2014/01/14(火) 02:01:54
    リヴァイをベッドの上に投げ出す。
    手際よく全裸に剥いていく。

    「エル……」

    「助けてやろう、リヴァイ」

    「エルヴィン……」

    「出しなさい」

    「……でも……」

    「可哀想だが、私にはどうすることも出来ないよ」

    そう言いながら、リヴァイの頬を撫でる。
    ふりをして、肘で擦り立ったペニスを刺激する。

    「はぁっ…あ…ぐ…くぅ…は…エル…ヴィ…それ……やめ……」

    「何だい?」

    そう言って耳を寄せる。
    ふりをして、ループタイの余り紐でリヴァイの胸の飾りをシャツ越しに掠める。

    「うぅ……エルヴィン……いや…だ……やめ……てくれ……」

    「何を?こうして優しく労わることをか?」

    「そ…そう……だ…はぁ……やめて……」

    なら。

    「激しくしよう」

    「え?」

    本日2回目の、リヴァイのシャツが破られる音が響いた。
  60. 60 : : 2014/01/14(火) 02:04:38
    一旦切ります!!

    優ヴィン、と見せかけてからの、やっぱり悪魔ヴィンでした!!笑

    長い長いお話でしたが、いよいよクライマックス。

    どちらが「悪魔」なのでしょう?

    完成まで、しばし、お待ちを。
  61. 61 : : 2014/01/14(火) 16:13:32
    ふぉぉぉぉヤヴァイ!!!!
  62. 62 : : 2014/01/14(火) 20:30:24
    ぐふぉぉぉおおおおおおおお///////
  63. 63 : : 2014/01/15(水) 19:16:15
    まだですか?
  64. 64 : : 2014/01/16(木) 18:38:55
    書き上がりました!!!

    載せます!
  65. 65 : : 2014/01/16(木) 18:39:08

    「おいっ……エルヴィン…お前…っ…ああっ………」

    「胸で感じるのは覚えたんだな」

    「はぁ…はぅ……くぅ……やっ……はっ……はっ」

    「なかなか、いい声だ」

    「くっ……は……」

    エルヴィンが、リヴァイの胸の傷に唇を寄せる。

    「はぁ……はぁ………」

    「リヴァイ、次はどうして欲しい?」

    「…そりゃ……やめて…欲しいに……」

    「…そうか、ならやめよう」

    エルヴィンはぱっとリヴァイから離れ、ごろりと横になる。
    胸を大きくはだけ、荒く息をするリヴァイの、じわりと湿った額を撫でながら、おやすみ、と整った息のまま目を閉じる。

    リヴァイは、自分でやめてくれと言ってしまったことに後悔を覚えた。
    そもそも、エルヴィンに何を求めて、この部屋まで這ったのだったか。
    答えは明らかだった。
  66. 66 : : 2014/01/16(木) 18:39:20

    シーツを汗ばむ手で握り、膝をガクガクと震わせながら、呼吸を荒くする。
    涙を浮かべ、唇を噛みながら、そっと自身の性器に触れてみる。
    悲鳴を上げそうなほどの快感が全身を痺れさせる。

    だが、何か、違う。
    出せばいいわけではない。
    むしろ、何かが欲しい。
    何が欲しいのかもわからないまま、リヴァイはただただ悶える。

    喘ぐリヴァイを横目に、エルヴィンはもう一押しか、と微笑む。
    寝返りを打つような自然な動きをして、リヴァイの耳に顔を近づける。
    エルヴィンの唇からは、湿った温かい吐息が漏れる。
    それを敏感な耳殻に浴び、リヴァイの体がそれから逃れようとするように身動く。

    「リヴァイ……」

    話し掛けられなければ、唇で喘ぎを圧し殺せる。
    しかし、寝言のように、甘い声で名を呼ばれれば、答えずにはいられなかった。
    それが「団長」と「兵士長」だからか、「エルヴィン」と「リヴァイ」だからか、は、本人もわかっていなかった。

    「な……なんだっ……ふぁ、はぁ…くぅ……」

    「いや、ちゃんと側にいるのだな、と思ってな…『邪魔』をしてすまない」

    エルヴィンが悪戯っぽく微笑む。
    リヴァイは、目を潤ませながら、ついに言う。

  67. 67 : : 2014/01/16(木) 18:39:31

    「エルヴィン…」

    「何だ……」

    「やってくれ……」

    「…何を?」

    「言わ……はぁ……せんなっ……」

    「駄目だ。具体的に言いなさい…こういうことには、双方の同意と理解が必要だ」

    「この……堅っ…物……いいって…言ってん…だろ……」

    「何を…してもいいのか…」

    「ああ…もう……何でも…いいからっ……楽に…してくれ……」

    エルヴィンの舌が、唇を舐める。
    ああ、ついに、言った。
    悪魔の前で、決して言ってはいけない一言を。

  68. 68 : : 2014/01/16(木) 18:39:42

    「なっ……そ、そっちは……」

    「何だ、何をしてもいいんだろう?」

    「ひぃっ………」

    ずぶずぶと、エルヴィンの指がリヴァイの秘所へと潜っていく。
    さっきまでの香油の効果が残っており、特別抵抗のないままもう一本の指を入れることにも成功した。

    「だ、だめだ……エルヴィン………そっちはっ…!!あぁ……おかしく……なっ……なっちまう…から………」

    「おかしくなる?」

    「はぁ、はっ……何だか……凄く…体が…痺れるみたいに……感じる…。尻だぞ…男の……変…だ…ろ…」

    「リヴァイ、そんなことはないよ」

    「い…や……だって……」

    「誰でも同じ反応をするさ。私でもね。ここはそう感じるところなんだ………ところで、それは、もしかすると、ここなのかな?」

    エルヴィンの指が、体内の『膨らんだそこ』を触るのと同時に、リヴァイの体がビクビクと痙攣しながら跳ねる。

    「リヴァイ…かわいそうにな。ここで感じるのは決しておかしなことではないのに……先に嫌な思い出が出来てしまったな」

    「うぅっ……」

    リヴァイは、自分の手の甲をくわえて声を圧し殺している。

  69. 69 : : 2014/01/16(木) 18:39:53

    「リヴァイ、声を出していいんだぞ」

    「ふぅっ……はぁ…嫌だ……」

    「……恥ずかしいのか?」

    「……」

    「でも、私の所まで這ってでも来てくれたのは、私なら見られても構わないと、思ったからではないのか?」

    そうかも、しれない。

    「く、ふぅ……何で……こんなこと…するんだ……別に、前でいいっ……後ろは、嫌だ……」

    エルヴィンは微笑む。

    なんて純粋なんだ。

    後ろを解して、その急所を探すなど、明らかに「行為」の前戯ではないか。
    これは、本当に処女のようだ。
    エルヴィンの心の中を、強い征服欲が満たしていく。

  70. 70 : : 2014/01/16(木) 18:40:07

    この男の、「初めて」であり続けたい。

    初めて、自分が負けた男。
    初めて、自分が認めた男。
    初めて、自分に外の世界を見せた男。
    初めて、自分を認めてくれた男。
    初めて、自分を守ってくれた男。
    初めて、自分から従おうと思えた男。

    初めて、自分の体に火傷を負わせた男。

    滅茶滅茶な内容だ。
    なら、そこに、初めて「抱いた」男という肩書きが加わってもいいじゃないか。
    エルヴィンの心は、それを強く望んでやまない。
    幼い頃から、優秀にも関わらず、いや、優秀だからこそか、周りから「気持ち悪い」と言われ続けて来たエルヴィンを守ってきたのは、「特別」であることだったからだ。

    頼む、リヴァイ。
    お前は間違いなく、俺にとって「特別」なんだ。
    だから、お前にとって特別であることを確かめさせてくれ。

    そんなことを考えながら、リヴァイを責めていると、リヴァイが急に体を強張らせた。

    「くっ…んっ……はぁあ!!」

    背中を仰け反らせながらピクピクと震えた。
    「初めて」ドライでの絶頂を経験させられたリヴァイは、シーツを掴んだまま目を閉じて息をしている。
    薄く目が開いて、自分の股間を見て、驚いた顔を見せる。

  71. 71 : : 2014/01/16(木) 18:40:25

    「出て…ない」

    「前でするのと、感覚が違っただろう?こちらは、全身に響くような感覚だったはずだ…」

    「あ、……ああ…」

    「悪いものではないだろう?」

    「う……」

    顔を横に背ける。
    こういうところが、悪い男を引き寄せてしまうのかもしれない、とエルヴィンは思う。
    こんな顔で、こんな反応をされては、相手は昂るだけではないか。

    「リヴァイ、少しは良くなったか?」

    「う……けど…まだ……エルヴィン…あの薬、いつまで効くんだ……」

    「さあな……明日までには落ち着くと思うが」

    「はぁ………はぁ………」

    「リヴァイ、まだ、今のは準備だ」

    「…何の……」

    「お前の、その疼きを解消するための」

    「じゃ……やって……くれ………」

    仰向けのリヴァイがエルヴィンの頬に手を伸ばす。
    エルヴィンは、内心驚く。
    これは、意味をわかって言っているのか?
    私がこれからすることを、わかっているのか?
    全く、この、言葉の足りない奴め。きちんと、言ってくれ。
  72. 72 : : 2014/01/16(木) 18:40:37

    リヴァイの胸の傷を優しく舐めてから、エルヴィンはリヴァイに頬を寄せた。
    ふいに、リヴァイが口を開く。

    「エルヴィン、いい匂いがする」

    「ミケみたいだな…」

    「お前の匂いなんか嗅いだことなかった」

    「それはそうだろう。私もお前の匂いを嗅いだことはないよ」

    「血と、死臭と、汗と、泥の匂いがするだろ」

    「石鹸の香りだよ」

    「嘘つけ…」

    「私にとってはそういうイメージなんだよ。何かを綺麗にするのがお前だ」

    「なら、エルヴィンは、風の匂いがする」

    「風?」

    「お前は……飛んでる。自由に。まさに翼があるみたいに…いつも風を切って進んで…でも、それは…どこかに行っちまいそうで……俺たちを吹き飛ばして…俺達はお前に置いてかれそうで……」

    「そんなに……私は…親しみにくいか?」

    「普段は……でも…今日のお前は違う。あんなに怖いお前も、あんなに弱いお前も、『初めて』見た。今日からは…お前は、他の誰よりも俺を前に進ませる『風』になってくれるんだと……そう思う」

  73. 73 : : 2014/01/16(木) 18:40:54

    一番欲しかった言葉が、思いがけず得られた。
    それなら。
    あとは、そのことを明らかにする、事実を作ればいい。

    「力を抜いて、私に全て任せてくれ。呼吸を整えて…」

    リヴァイは、身体中の筋肉から力を抜く。
    閃光のような速さで、岩をも割りそうな剛力でリヴァイが戦える所以は、この完璧なまでの肉体制御かもしれない。
    それ故に、過酷な憲兵達の責めにも耐え抜いてしまえたのかもしれない。
    そして同時に、自分の体が思い通りにならない感覚に、誰よりも強く恐怖や抵抗を感じてしまうのかもしれない。

    エルヴィンは、リヴァイの後孔から指を抜き、自身の肉体をその場所に埋める。

    物が入るようには出来ていない部位から体を貫かれ、内部を侵される鋭い痛みに、リヴァイが言葉にならない声を出しながら身を捩り、シーツを掴む。
    涙の滲む目をうっすらと開くと、エルヴィンの蒼い目がこちらを真っ直ぐ見据えている。
    シーツを掴んでいた手を、恐る恐るエルヴィンの胸に当てる。
    エルヴィンの心臓が激しく暴れているのを掌が教えてくれる。
    それに応えるように、エルヴィンはリヴァイの頭を優しく抱き止め、自分をリヴァイの中に全て収める。
    リヴァイの体をしっかりと支え、リヴァイのいいところを探す。
    腰の位置をずらしながら、中を少しずつ擦っていくと、リヴァイがうあ、と声を出して震える。

    そこか。

    呟くと、リヴァイがエルヴィンの体にすがりつく。そのまま律動を始めると、リヴァイとエルヴィンの呼吸が少しずつ重なっていく。

  74. 74 : : 2014/01/16(木) 18:41:48

    別々の生き方をして来た2人が、出会い、同じ「未来」を夢見た。
    人類の勝利という、夢を。
    いつも2人は一緒だった。
    いつも、高さの違う肩を並べて、戦った。

    でも、その瞳は互いを映すことはなかった。
    お互いに見つめ合うことはなかった。

    小さな鬼は、愛を欲していた。
    愛を知らなかったからだ。
    愛ではないものも、そうとは知らずに口にし、その毒に侵されることがあった。

    大きな悪魔は、愛を愛と思わなかった。
    愛を知らなかったからだ。
    自身の中に大きな強い愛があるのに、それを愛とは思わず、最も愛しているはずの者に毒を与えることがあった。

    悪魔は鬼に毒を吐く。愛を与えたいのに毒を吐く。
    鬼は、悪魔の吐いた毒を飲む。愛が欲しいのに毒を飲む。
    毒だとわかってからも毒を飲む。飲むことが愛だと思って毒を飲む。
    悪魔は愛を飲み干した鬼の愛に気づく。
    悪魔の中の鬼への愛は、悪魔自身を責める毒に変わる。
    鬼は、そんな悪魔を自身の中に飲み込んでいく。

    互いの愛を掴めない鬼と悪魔は、互いの愛を激しくぶつけ合い、共に果てた。

  75. 75 : : 2014/01/16(木) 18:45:42
    以上です!!
    最後、はぐらかすな!と言われそうですが……
    すいません、泪飴の趣味は、こんな感じのエンドです。

    リヴァイさんとエルヴィンさんの「絡み」を単純に描くんじゃなくて、2人の内面まで書けたらなあ、と思い、あえてグレーな表現を取りました。

    人生初のBLで、自信なかったんですが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

    他にも小説を書いておりますので、よかったら応援お願いします。
  76. 76 : : 2014/01/16(木) 19:57:19
    お疲れ様でした!!!!
    すごく面白かったですよ!
    駆逐依存症の方も楽しみにしています♪
  77. 77 : : 2014/01/16(木) 19:59:23
    初コメントさせて頂きます。
    BLというか
    (すいません、私は一度も読んだこのないので、世界観がわからないのですが。。)
    男性同士の官能小説という印象でした。
    強気のリヴァイが崩れていく描写がドキドキさせられました・・。
    これからも楽しみにしています!
  78. 78 : : 2014/01/16(木) 20:46:54
    >>76

    感想ありがとうございます!
    大変励みになります(*゚∀゚人゚∀゚*)

    駆逐依存、頑張ります…!!
    またまた大型になってしまいそうです笑
  79. 79 : : 2014/01/16(木) 20:50:46
    >>77

    コメントありがとうございます。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。

    そうなんです…すぐに心が折れちゃて甘えるリヴァイさんももちろん素敵なんですが、強気な態度をなかなか崩さないリヴァイさんが泪飴は好みだったりなんかします。笑

    大学生なもので、のんびりとした更新になるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします!
  80. 80 : : 2014/01/16(木) 23:26:07
    凄い良かったです!
    終始ドキドキさせられてました(≧∇≦)
    正に理想のエルリだった‼︎
    是非またこういうエルリ書いて下さい(//∇//)ノ
  81. 81 : : 2014/01/17(金) 20:44:58
    >>80
    ありがとうございます!!!
    そういって戴けるとうれしいです!!
    次のアイデアが浮かびつつあるので、また載せますね♪
  82. 82 : : 2014/01/17(金) 23:50:05
    とっても良かったです‼
    エルヴィン団長と兵長の組み合わせはやっぱいぃですね( ^ω^ )
    また、載せてくれると嬉しいですー
  83. 83 : : 2014/01/19(日) 23:25:20
    >>82

    コメントありがとうございます!!
    次のもゲスヴィンになっちゃいそうなんですが、それでも構わなければ、是非是非応援よろしくお願いします♪
  84. 84 : : 2014/07/14(月) 01:23:34
    モブー!
  85. 85 : : 2014/08/20(水) 00:28:33
    貴様は……腐女子か!?
  86. 86 : : 2014/08/20(水) 18:08:47
    お疲れ様です!!この小説マジシリアルすぎ!(o∀o)ちょっとしたエロは好きです!ほんっとエルヴィンが、悪魔だったですね!あぁ、怖い怖い…また書いてください!待ってます!エルヴィン、LOVE!!!!!!何かすいません。長文失礼しました…(îωî)
  87. 87 : : 2014/08/20(水) 22:57:05
    エルヴィンコッッッワ(ノ_<。)
    イヤー読んでてリヴァイ並みに疲れました。
    お疲れ様です
  88. 88 : : 2015/08/21(金) 00:52:34
    おつかれさま。・・・すごい知識だな
    最近はこれ毎日読んでるよ。頑張れ
  89. 89 : : 2015/08/21(金) 01:30:52
    王子様と迷い猫     エルリ

    ある日、部屋に戻ると猫の鳴き声がした。
    「・・・・・?」
    ソファの上に小さな猫。彼の瞳には
    きょとんとした顔の金髪碧眼の王子が
    映っていて。思わず黒猫を見つめた。
    誰かにそっくりな猫はじっと睨むように私を見上げている。
    「・・・××××」
    無意識に誰かの名前を呟けば、猫は
    まるで返事をするように鳴く。
    「にゃあ」
    少しハスキーで通る声。やっぱり・・・
    「やっぱり君か。」 「にゃっ」コクン
    “前世”で溺愛していた青年の面影がある。目付きは悪くブルーグレーの鋭い
    瞳を持つ。大理石より綺麗な肌。小さな唇もすらりとした首筋もピアニストのような繊細な指先もさらさらで柔らかな黒髪も全部全部覚えている。
    あまりにもそっくりすぎた。独特な
    瞳の色はそのまま持ってきたようだ。
  90. 90 : : 2015/08/21(金) 01:43:45
    美し過ぎる猫。野良にしては不自然な程清潔で、それすら彼と同じに思えた。首輪はない。もしかしたら転生したのかも知れない。それならまた、一緒に暮らせる。一応尋ねる。
    「君は、何処から来たんだい?」
    彼は。「にゃあっ、にゃ、」
    気付け!と言わんばかりに尻尾を振る。   わかった。いや、悟った。
    彼も転生したのだと。そしてもとの姿ではなく、猫として生まれて来てしまったと。猫を撫でる。
    「久しぶり。私の愛しいリヴィ」
    昔の愛称で呼んだ。顎の下を擽ると、心地良さげに目を細めた。
  91. 91 : : 2015/08/21(金) 01:45:31
    続きます、多分。
  92. 92 : : 2015/08/22(土) 15:42:21
    彼の正面にしゃがむ。手を伸ばして撫でる。ゴロゴロと幸せそうに喉を鳴らして擦り寄ってきた。その愛くるしい姿につい頬を緩めてしまった。膝に小さく柔らかな手をちょこんと載せてソファから腹へ乗り移って来る。それでも膝の上は何もないように軽い。まるで羽のようにふんわりした感触と柔らかな香りが眠気を誘う。クッションのように丸くなった猫はいつしか眠っていた。すうすうと洩れる寝息に癒されて私まで寝てしまった。

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