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エレン「蝶だ」
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- 1 : 2014/01/04(土) 23:16:06 :
- ※少し捏造
※ちょっと暗い
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- 2 : 2014/01/04(土) 23:16:40 :
- エレン「蝶が飛んでる」
ミカサ「本当」
エレン「なんていう蝶だろう?色が綺麗だな」
ミカサ「綺麗」
アルミン「あれはアゲハチョウっていうらしいよ」
エレン「へえ、アゲハチョウか」
アルミン「図書室の図鑑でみたんだ」
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- 3 : 2014/01/04(土) 23:17:21 :
- エレン「いいよなあ、飛べるやつは」
ミカサ「どうして?」
エレン「壁を越えれるからさ。鳥も羨ましいぜ」
エレン「俺も飛べたらなあ」
ベルトルト「蝶は飛べてもせいぜい20mだよ」
エレン「うおっ、」
エレン「びっくりしたな、居たなら言えよ」
ベルトルト「ご、ごめん」
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- 4 : 2014/01/04(土) 23:18:11 :
- ライナー「ほー…まるで踊ってるみたいに飛ぶな」
エレン「ブフォwwwライナー、お前、くくwwなんかwwロマンチックな言い方だなwwははっ、似合わねえwwwwww」
ライナー「な、なんだよ」
エレン「はー、笑った、そうか、なんだ、壁の半分も飛べねえのか」
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- 5 : 2014/01/04(土) 23:18:58 :
- エレン「…ん?え?なんで飛ぶ高さ知ってんだ?ベルトルト」
ベルトルト「…故郷にも、よく蝶が居てね」
エレン「へえ、」
ベルトルト「…よく、捕まえたよ」
エレン「自然がいっぱいだったんだな」
ベルトルト「…うん」
ミカサ「エレン、そろそろ昼食」
アルミン「本当だ、行こっか」
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- 6 : 2014/01/04(土) 23:19:56 :
- ◾︎時間は経って宿舎
エレン「なあなあ、蝶って種類があるんだろ?ちょっと教えてくれよ!」
アルミン「僕からもお願い!蝶はあんまり見たことなくてさ!」
ベルトルト「いいけど……」
ベルトルト「蝶には、沢山、種類があるんだ」
ベルトルト「けど、僕の知ってるのにも限りがある」
ベルトルト「…知らない、種類の方が多いくらいさ」
ベルトルト「…僕は、モンシロチョウっていう蝶をよく、捕まえたな」
ベルトルト「白い、蝶々」
エレン「…そういや、お前よく捕まえたって言ってたけど、捕まえてどうしてたんだよ?」
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- 7 : 2014/01/04(土) 23:21:03 :
- ベルトルト「僕は…」
ベルトルト「……僕は蝶を標本にしてた」
ベルトルト「…綺麗な蝶を捕まえて、丁寧に羽根を伸ばして…ピンで留めるんだ」
アルミン「標本かあ、よく聞くね」
エレン「…殺しちまうのか?」
ベルトルト「そう…だね」
エレン「…そうか」
ベルトルト「…ただの自分勝手だよね」
エレン「あ、いや、悪いそんなつもりはなかったんだ」
ベルトルト「いや、いいよ、こっちこそごめんね」
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- 8 : 2014/01/04(土) 23:21:50 :
- ◼︎数日後
エレン「蝶って何種類くらい居るんだろうな」
アルミン「えーと……1万6000種だってさ」パラパラ
エレン「い、いちまんろくせん!?」
エレン「めちゃめちゃ多いな」
アルミン「うーん、この本もすごく古いからあんまり信憑性は無いけど…」
ミカサ「前見たアゲハチョウ」
エレン「ん?」
ミカサ「とても綺麗だった」
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- 9 : 2014/01/04(土) 23:22:30 :
- ミカサ「飛んでいる、生きている姿が」
ミカサ「綺麗だと思った」
エレン「ミカサ…」
エレン「お前熱ないよな?」
ミカサ「訓練兵になってから風邪をひいたことはない」
エレン「だよな」
アルミン「でも、生きてる姿が綺麗って表現はいいね」
エレン「そ…だな」
アルミン「…ベルトルトのこと?」
エレン「…なんか、もやっとしてな」
アルミン「エレンは優しいんだよ」
エレン「そうかぁ?」
ミカサ「エレンは優しい、すごく」
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- 10 : 2014/01/04(土) 23:23:20 :
◾︎時は経って
エレン「お前確か、蝶を標本にしてたよな」
ベルトルト「…また蝶の話かい?」
エレン「なんで標本なんかに?」
ベルトルト「……なんでだろうね」
ベルトルト「……小さい時のことだから、覚えていないよ」
エレン「……」
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- 11 : 2014/01/04(土) 23:23:57 :
- エレン「…蝶は、本当に20mしか飛べねえのか?」
ベルトルト「…自分の餌が無い所まで、飛ぶ必要性がないんだよ」
ベルトルト「…だから飛ばない」
エレン「…そっか」
エレン「じゃあ、蝶も俺たちと一緒なんだな」
エレン「一生、壁から出ることは出来ねえのか」
ベルトルト「…そうなるね」
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- 12 : 2014/01/04(土) 23:24:26 :
- エレン「外にはもしかすると、蝶も、俺たちも知らない花があるんだろうな」
エレン「花だけじゃない、種類…仲間も」
ベルトルト「いる、かもしれないね」
エレン「それを知らずに、蝶も俺たちも死んでいく」
ベルトルト「……」
エレン「悲しいと思わねえか ?」
ベルトルト「どう、だろう…ね」
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- 13 : 2014/01/04(土) 23:24:55 :
エレン「巨人さえ、巨人さえいなけりゃ」
エレン「よかったんだ」
ベルトルト「……」
ベルトルト「それを、君が言うのかい」
エレン「は…」
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- 14 : 2014/01/04(土) 23:25:24 :
- ベルトルト「言うのかい」
エレン「…やめろ」
ベルトルト「その話を始めたのは君だ」
エレン「そもそも、お前が…」
ベルトルト「そうだね」
エレン「やめろ」
エレン「やめろよ」
エレン「お前さえ、お前さえ」
ベルトルト「居なけりゃよかった?」
エレン「………」
ベルトルト「仮に僕がいなくても、他の人がやったさ」
ベルトルト「無意味だよ」
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- 15 : 2014/01/04(土) 23:26:09 :
- ベルトルト「僕もそろそろライナーのところに行かなくちゃ」
ベルトルト「ライナーは何も出来ない僕が居ないと、ダメになっちゃうから」
エレン「まだ何も聞いてねえだろ」
ベルトルト「……あのねエレン、この世には世論っていうのがあってね」
ベルトルト「世論からすれば僕は大量殺人鬼だし、実際そうだ」
ベルトルト「君が僕の正体を知ったときどうだった?」
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- 16 : 2014/01/04(土) 23:26:53 :
- ベルトルト「憎かった?」
ベルトルト「出会わなければ良かったと思った?」
ベルトルト「死ねばいいと思った?」
ベルトルト「許せなかった?」
ベルトルト「それとも」
ベルトルト「殺したいと思った?」
ベルトルト「全部だよね」
ベルトルト「だって僕は君の大切な人を殺したものね」
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- 17 : 2014/01/04(土) 23:27:21 :
- ベルトルト「そんな人達がたくさん居る」
ベルトルト「お上の方もそう簡単に世論には勝てないんだよ」
ベルトルト「それに話すべきことは話したし」
エレン「俺聞いてねえぞ」
ベルトルト「言ってないし」
エレン「お前っ」
ベルトルト「じゃあ、これで」
エレン「待て!」
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- 18 : 2014/01/04(土) 23:28:26 :
- ベルトルト「そうそう、エレン」
ベルトルト「蝶はもしかしたら、壁を越えることができるかもしれないね」
ベルトルト「蝶は軽いから、上昇する風に乗って、ふわりと上がることが、できるかもしれないね」
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- 19 : 2014/01/04(土) 23:28:50 :
- ベルトルト「でも、羽根をピンで留められた蝶は」
ベルトルト「二度と飛ぶことも出来ないけどね」
おわり
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- 20 : 2014/01/04(土) 23:30:34 :
- くぅ疲これ完
くっそ短い上に
腹黒トルトを目指したが斜め上に。
やはり僕は短編が向いてるのかもしれない
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- 21 : 2014/01/05(日) 17:01:17 :
- 面白かった
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- 22 : 2014/01/05(日) 18:18:17 :
- なんかすげぇぇえ
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