このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
調査兵団「死の街」(進撃の巨人妄想小説「f5(仮)」より)
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- 1 : 2014/01/03(金) 18:57:52 :
- 上弦の太刀 -進撃の巨人 夢小説置き場-
http://ameblo.jp/idithidithidith/
こちらで執筆中の長編小説から、宣伝も兼ねて1話分だけSSとして載せます。
エルヴィンさん達の所属する組織が「調査兵団」ではなく「鷹」という名称だったり、「駐屯兵団」的な「狼」という組織が存在したり、巨人だけでなく、f5という人間の姿をした、巨人と同じ性質を持った敵が現れたりと、世界観が原作とは異なります。
オリキャラ多数。
エルヴィンさんは団長に、リヴァイさんは分隊長就任したばかりです。
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- 2 : 2014/01/03(金) 19:15:32 :
- 【設定の説明その1】
●xx83年
舞台は仮想xx世紀末の、巨大なムリマ山の北西側斜面にある深い谷に広がる国マーテル。
一般市民の居住区域アウラ南部にあるテータ地区の中でも特に大きな都市、メルムの中央にある、馬車の往来が多い大通りで事件が起こった。
代々続く肉屋の主、ファーガスが、大通りの中心にある広場で突如奇声を発したかと思うと、持っていたナイフで通行人を次々と刺したのだ。マーテルでは、たまにこのような猟奇的な事件が起こったが、ファーガスの事件はその後が特別だった。
ファーガスは、刺した人間の肉を食い始めたのだ。決死の覚悟で近づいた兵士数名により捕えられたファーガスは、憲兵団の管理下に入り、実験体として調べられることになった。
様々な実験の結果、ファーガスは再生能力と高い身体能力の他に、明るさや隔壁に関係なく人の気配を感知する能力を持つことがわかった。彼には感情はないと思われ、何に対しても表情に変化は無かった。加えて、彼は人以外の生物には興味を示さず、捕食どころか攻撃の対象にもしなかった。また、彼は活動を続けるために水も食べ物も睡眠も必要としなかった。もはや、ファーガスは、その外見を除けば、「人」とは全く別の生物となったと考えるべきだった。
同時に、ファーガスは「殺せる」存在であることもわかった。実験を行う中で、首の後ろ、うなじの部分を大きく損傷させた所、ファーガスは再生しなくなり、その体は蒸気となって、骨も残さず消滅した。夜になるとファーガスの動きは比較的鈍くなることもわかった。
研究者達は、ファーガスに起きたこの現象を「Fergus症候群」と名付けた。 この時が、後に言う「f5」の存在が初めて公式に確認された瞬間だった。
こうした現状から、政府は、f5問題の解決を軍最大の使命として設定した。憲兵団、駐屯兵団、調査兵団の3つの兵団は一度解体され、新たに「蛇=アダラ」「狼=ルプス」「鷹=ファルケ」の3つの兵団に再編成された。「蛇」は、憲兵団の流れを組み、憲兵団の精鋭だけを集めた、政府直轄の組織として王都カルディアの治安維持に務める。「狼」は、駐屯兵団の流れを組むが、精鋭達は皆「鷹」へ異動となり、残ったのは、駐屯兵団出身の立体機動装置の扱いが不得手で陸上戦を得意とする者達か、「蛇」を追い出された者達か、「鷹」に入ることを拒んだ者達だった。「狼」は、アウラの治安維持及びアウラ内に発生したf5への対処に務める。「鷹」は、調査兵団に所属していた兵士全員に加え、「狼」と「蛇」からの異動者を迎えることでその規模を拡大した。「鷹」は、f5に関する調査と、アウラ、ネムスに発生したf5の対処に務める。
これに伴い訓練兵団は「根」と名を改め、それまでは重きを置いていなかった立体機動術を全員必修とした。「根」の卒業生のうち、憲兵団を志願できるのは上位10名のみであり、それ以降の順位の者達は「鷹」への入団か「狼」への入団かを選択することとなった。死傷者の多い「鷹」は発足当初から深刻な人材不足問題を抱えることが予想された。
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- 3 : 2014/01/03(金) 19:18:48 :
- 【設定の説明その2】
●xx86年
アルム北東のエム地区にあるスラム街、ファッティに、突如轟音が鳴り響いた。周りの建物を薙ぎ倒しながら現れたのは、二階建ての建物とほぼ同じ大きさの、7メートル級の「巨人」だった。その姿は、いわば生殖器のない巨大な裸の男性であり、f5と同様に、表情は笑った顔のままで全く変化しないが、歯の数は異様に多くなっていた。
「鷹」第2分隊第4班が追われ、ファッティに逃げ込んだf5がそこに居た人々を食い、突然巨人化したのだった。
多くの命が散ったが、「鷹」の兵士の奮闘により、巨人は倒された。政府は議論の末、巨人の弱点もまたうなじであり、Fergus症候群の行き着く姿とは、巨人であるとの結論に達した。
●xx94年
巨人の体の密度が非常に小さいことを発見した『鷹』第2分隊第2班所属の兵士、ハンジ・ゾエを中心として、死体がf5化する可能性があるとする仮説が提唱される。しかし、その実例を確認した者は、未だ一人もいなかった。
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- 4 : 2014/01/03(金) 19:19:19 :
- 【死の街】
●xx96年
崩れかけた建物の瓦礫の間を、よろめきながら歩く男が一人いた。f5に関する調査を行うと同時に、f5を狩るエキスパートである「鷹」。彼がその一員であることを示す緑のマントはあちこち破れてボロボロになっている。しかし、その眼は光を喪っていない。
男は頭から浴びたように血に濡れており、蒸気を発しながら歩き続ける。巨人や、f5の血は、体外に出るとすぐに蒸発するのだ。
巨人が現れるまでは街の中心だった場所にたどり着くと、男は立ち止まり、増援要請の信煙弾を撃ち上げた。
もう、マントの蒸気は消えていた。しかし、男は依然として血まみれだった。
蒸発しない、仲間の血。
アウラ、マディーナ西部にあるヨー地区の町、ファクトゥムの中心広場には5体の遺体が横たわり、もはや遺体安置所と化していた。その遺体は、鋭い刃物による斬撃を体中に受けていた。
立体機動装置の動力であるガスボンベの残量を確認し、刃零れし血に濡れた刃を替え刃と交換する。男は眼を閉じ、耳を澄ませる。巨人の重い足音が近づいてくる以外は何も聞こえない。増援は間に合いそうにない。目の前の大物は、一人で狩るしかない。
長いため息の後、力の入らない自分の体に鞭打つように、手の甲を力一杯噛んで男は立ち上がり、ゆっくり自分に向かって歩いてくる巨人に向かって抜刀した。
男は、剣を下段に構え、半開きの口でニタニタと笑う8m級巨人を睨む。
巨人との距離が縮んでいく。
しかし男は剣を構えたまま動かない。周囲に高い建物がない環境での立体機動は、大抵の場合巨人の体そのものにアンカーを撃つことになる。その場合、動きが単調になりやすく、巨人に動きを読まれ、捕まるリスクが高くなる。男は、巨人との距離が自分にとって最も適切になるまで待っているのだ。
また一歩分だけ巨人との距離が縮まり、地面に倒れ伏す遺体の一つが巨人の足に踏み潰される。
男の眼光が増し、剣を握る力が強くなる。
男を捕まえようと巨人が中腰になり手を伸ばしたとき、男は鋭く地を蹴った。
アンカーを射出し、巨人の眼に撃ち込む。視力を奪う前に降り下ろされた巨人の手を、身を捻ってかわし、ガスを吹かしながら次のアンカーを巨人の体に撃ち込んでうなじに接近する。その勢いのままで男は体を回転させ、うなじの肉を大きく削ぎ落とす。
肉塊が、ぱっと赤い華を咲かせながら宙を舞い、落ちていく。
うなじを削いだ勢いで空を舞っていた男は、突如ガスを吹かし方向転換する。その眼の先には、自らが削いだ肉塊がある。
巨人が地面に倒れると同時に、男は蒸気を発して消えていく肉塊を素早く掴んで近くの屋根に飛び移る。
肉塊が高温なのも構わず、男は一心不乱にブチブチと肉を引き千切っていく。
そして、手が目当てのものに触れると、それを肉塊から引きずり出した。
「ちくしょう…!!!」
唇を噛み締め、蒸発を続ける肉塊を叩く。掴み出した「それ」も、蒸気とともに消えていく。
「ハンジの野郎の仮説……まさか俺が、一日で両方とも証明することになるとはな………」
「鷹」第3分隊分隊長を務める男の手の中には、蒸気を発し消えかけながらも微かに脈打つ「心臓」があった。
その時、十数頭の馬が駆けてくる音がした。先頭を切って走ってきたゴーグルをつけた女性兵士が叫ぶ。
「リヴァーーーーイ!!!無事かーー!?生きてるーーー!?」
噂をすれば、本人が来た。
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- 5 : 2014/01/03(金) 19:19:51 :
- 時は遡り、同日の朝早く。
30歳で「鷹」の団長に就任したエルヴィンは、アウラ、マディーナ北東のキー地区、アーラの町にある「鷹」本部に居た。団長の交代に伴い、「鷹」内部では異動ラッシュが起きていた。第1分隊分隊長には22歳のミケ、第2分隊分隊長には24歳で「狼」出身のデールン・ヴェルマンドワ、第3分隊分隊長には19歳のリヴァイが就任した。
「鷹」のトップが総入れ替えとなったため、「鷹」の総会が数年ぶりに開かれることになった。普段はアウラ全域でバラバラに活動している「鷹」のメンバー全員が、この「鷹」本部の大会議室に集まるのは珍しいことだった。
「いやぁ~エルヴィン、すっかり偉くなっちゃってー♪」
「鷹」全員が敬礼をする中、デールンの後ろから小声で茶化す18歳のハンジも、第2分隊分隊長補佐になる。
「うるせぇクソ眼鏡……エルヴィンなりに考えてのことだろうが…てめぇに分隊長補佐はいくらなんでも早すぎたんじゃねぇのか…」
敬礼しながら、眉間に皺を寄せてリヴァイが毒を吐く。ハンジはにやにやしながら応じる。
「私達のf5研究が軍上層部のお偉いさんに認められたんだもん~兵士の優劣は討伐数だけじゃないんでしょー?」
反論できないリヴァイは、チッ、と舌打ちする。そんなリヴァイをまたからかう声がする。
「なんだなんだリヴァイ、朝から嫁さんと喧嘩か。羨ましいな…なあ、ミケ」
「全くだ…嫁さんの方が身長も口も上手だけどな」
「てめえら…」
睨みつけるリヴァイに、ミケとデールンも敬礼したまま小声で笑い合っている。
「お前らエルヴィンの話ちゃんと聞けよ…」「一応団長就任の挨拶なんだからよ…」
後ろから同期のナナバとゲルガーが突っ込む。
「だってー。私たちは昨日のリハでさ、一回ノーカットで聞いてるんだもんー」
「ナナバ、ゲルガー、お前らが俺たちに説教なんてするようになるとはなあ…」
「ナナバは第1分隊分隊長補佐、ゲルガーは第3分隊分隊長補佐。リヴァイ、お前の同期は優秀な奴が多いな」
「まぁな…否定はしない…」
素直に分隊長達に褒められ、分隊長補佐達は頬を赤く染める。
そうしているうちにエルヴィンの演説が終わり、簡単に各分隊長・分隊長補佐が挨拶をした後、総会は解散となった。
団員達が会議室を出ていくのを横目に見ながら、リヴァイは眉間に皺を寄せる。
自分がエルヴィンに救われ、心臓を捧げる、と誓った頃は、「鷹」は120人以上居た。エルヴィンやデールン、ミケ曰く、その前はもっと居たという。しかし、今、会議室を出ていく団員数は、多く見積もっても70人程度だった。
皆、食われたのだ。f5に、巨人に。
f5や、巨人との戦闘術が工夫され、また、若手の優秀な兵士が増えたことで、「鷹」は全体としては戦力を拡大していたが、その規模は縮小傾向にあった。ただでさえ戦死者が多く、危険な任務の多い「鷹」は、発足当初から「根」の卒業生の1割程度しか入団せず、慢性的な人材不足だった。そこに、10年前の巨人発生と、f5発生率の増加により、死傷者は増え続け、入団者は減り続けた。「鷹」のトップが総入れ替えとなったのも、それまでトップを務めていた者達が死亡や負傷、精神の不調により戦線を離脱したからだった。
簡単に言えば、「鷹」は存続の危機に直面していた。エルヴィン達、新幹部達は祝福の中就任したものの、その心中は決して晴れやかなものではなかった。
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- 6 : 2014/01/03(金) 19:21:24 :
- 「鷹」総会の解散後は、分隊ごとに集まり、簡単に挨拶をした後、各支部へと移動を開始した。「鷹」と「狼」は、それぞれが1つの本部と3つの支部をマディーナに有する。マディーナには16の地域があるため、1つの支部はマディーナだけで2つの地域を担当することになる。
このうち、「鷹」は、キー地区のアーラに本部を、ゲー地区のフリューゲル、ジェー地区のプテリュクス、シグマ地区のクルイローに支部を持つ。ひとまず今日は、アーラに近い支部に第1分隊、第3分隊が、アーラから最も遠い支部に第2分隊が向かうことになった。すなわち、アウラ南部ゲー地区のフリューゲル支部にリヴァイの第3分隊、アウラ北東部シグマ地区のクルイロー支部にミケの第1分隊、アウラ北西部ジェー地区のプテリュクス支部にデールンの第2分隊が向かう。
昼前、全ての分隊が担当支部に到着した。移動中も一切f5と遭遇せず、新分隊長就任初日は何事もなく終わるかに見えた。第1分隊、第2分隊が各々訓練に励んでいる頃、フリューゲル支部では剣ではなく箒と雑巾が活躍していたことは言うまでもないだろう。
15刻より少し前、休憩に入っていたデールンとハンジの所に、「狼」からの緊急伝達が入る。
「『狼』、第8分隊第2班所属、エンリケ・トラスタマラです!半刻ほど前、ヨー地区、ファクトゥムにf5及び巨人が大量発生しました!住民はほとんどが地下に避難、現在『狼』第6・7・8分隊が総力で対応中ですが、『鷹』第2分隊の援護を要請します!」
エンリケの言葉にハンジの顔が一瞬強張り、それからすぐにきらきらと眼を輝かせた。自分よりも若い女性兵士の興奮した表情に、巨人の恐怖で体を震わせるエンリケは思わずぞっとする。
「デールン!f5と巨人の関係を明らかにするチャンスだよ!」
「そうだな、ハンジ。だが、今回は私が行こう。お前は支部に残り、ここを守ってくれ」
「えー!…とはいいつつ、現場指揮は得意じゃないから助かるけど…」
「安心しろ、ちゃんと土産に情報を持って帰ってくるさ……万が一何かあった場合は、迷わず他の支部を頼るんだぞ。ミケ達のいるシグマ地区クルイロー支部へは『狼』のカー地区ルーヴ支部、リヴァイ達のいるゲー地区のフリューゲル支部へは『狼』のイェー地区スリガラ支部を経由して伝達だ」
「わかってる……デールン、気をつけてね」
デールンは飲みかけの茶を一気に飲み干すと、第2分隊第1班、第2班を率いて支部長室を後にした。ハンジは、デールンのティーカップを片付けると、第3班所属の兵士、ラシャドとケヌウトを呼んだ。巨人が発生した場合は、例外なく「鷹」・「狼」の全支部に情報を伝達することになっている。
「ラシャドがルーヴ支部を経由したクルイロー支部への伝達、ケヌウトがスリガラ支部を経由したフリューゲル支部への伝達だ。15刻が半分過ぎるまでには経由支部には到着できるよう急いでくれ」
ラシャド達が出ていった後、ハンジは窓辺に立ち、馬に跨り出発するデールン達の一行を見送った。
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- 7 : 2014/01/03(金) 19:21:40 :
- 第2分隊第1班・第2班は、第2分隊きっての精鋭集団だ。デールンが班長を兼任する第1班は、アディユ、コーリスモス、フレユールの4人で編成されており、どのメンバーも兵歴の長いベテラン兵士である。第2班は班長のダル、プーペ、バンボラ、ボネカの4人で、班長のダルは、一度は「狼」に入ったものの、2年前に自ら「鷹」異動してきた変わり者である。しかし、その腕は確かで、どのメンバーも巨人を前にしても決して萎縮することない優秀な兵士達だった。
15刻が半分過ぎた頃、デールン達はエンリケに案内されファクトゥムに到着する。デールンとダル、エンリケの3人が立体機動で近くの時計塔に登り、周囲の様子を探った。
「これは…ひどいな…何て数だ……3m級2体、5m、8m級が1体ずつに、あれは…12mはあるんじゃないか…」
剣を物差し代わりにして、巨人の大きさを測り、デールンは冷や汗を流す。
「エンリケ、『狼』はどこにいるんだ…一人も見当たらないが…」
「わ、わかりません……『狼』は1分隊3班、1班3人編成ですから、30人近くいるはずなのですが……まさか、皆……」
下で話を聞いていた一同の表情が凍りつく。ダルが巨人に注意を払いながら口を開く。
「だとすれば、人数に対して巨人が多すぎます。幸い巨人はここから4刻の方向に集中しており、こちらに近づいてくる気配はありませんが…巨人だけではなく、f5もいることを考えれば尚更…」
「そうだな、一度撤退し、援軍を要請しよう。アディユ、このままプテリュクス支部に戻って、この旨をハンジに伝えてくれ。俺達は可能な限り巨人とf5の数を減らしながら撤退する」
「…了解しました…ご武運を!!」
アディユは馬で来た道を引き返す。馬で待機していた班員達も馬を繋ぎ、近くの建物の屋根に飛び乗り、剣を抜いて構える。アディユの行った方を見ると、アディユの背中が小さくなっていくのが見えた。
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- 8 : 2014/01/03(金) 19:21:52 :
- その時だった。
一番近くに居た5m級の巨人が、こちらに向かって急に走り出したのだ。デールンが巨人の接近を伝える。
「来たぞ!…エンリケ、コーリスモス、奴の眼を潰せ!」
エンリケ、コーリスモスは素早く地を蹴ると、巨人の動きを先読みした軌道を描き、眼に向かって斬撃を加える。
しかし、二人の攻撃は巨人には当たらなかった。
「何っ!!こいつ…俺達を無視していきやがった…!?」「これが…奇行種ってやつか!!」
本来、f5や巨人は、最も近くにいる人間を優先して攻撃する傾向があり、人の多いところに寄ってくる。エンリケ、コーリスモスは、そのことをよく知っており、巨人が自分達に向かってくることを前提とした攻撃を行ったのだ。
しかし、ごく稀に、そういった常識から外れた行動を取るf5や巨人がいる。これらは、常識に当てはまる行動しか取らない「通常種」に対し、「奇行種」と呼ばれていた。奇行種の行動は、通常種に比べ格段に予想が難しく、奇行種との戦闘はできれば避けたい、厄介なものであった。
「やばい、あっちにはアディユが…!!」
フレユールが呟く。すかさず、デールンが指示を出す。
「総員、奴を追って仕留めろ!」
8人全員が全速力で巨人を追う。
「くそ…」「こいつ速いっ…!!」「アディユ、逃げろ!」
背後に迫る巨人に気付いたアディユの顔が恐怖に歪む。背後の巨人に気を取られているせいで、無意識に馬を駆る速度が遅くなっていく。そこに、3人の青年が飛び出し、アディユに向かってくる。
「うわああああああああああああっ!!!!」
3体のf5に襲われ、落馬したアディユは5m級に掴まれる。ダルがうなじを削ぐが、一瞬遅く、アディユの体は巨人の歯で真っ二つになる。
「アディユ!!!…っ…ぐあああああ!!」「フレユール!!」
見れば、すぐ傍に3m級が来ていて、フレユールが捕まってしまっていた。アディユを追う5m級に集中しすぎて、横から迫ってくる巨人に気付かなかったのだ。
「くそっ!!」
バンボラとボネカが飛び出す。バンボラがフレユールを掴んだ3m級の手を斬り落とし、ボネカがフレユールを受け止める。
「うらぁあああ!!」
デールンが勢い良く回転しながら3m級のうなじを深く切り取る。倒した巨人の体の上に着地すると、すぐ横の路地から中年の男と若い女が飛び出してきた。デールンは落ち着いて2体のf5の首ごとうなじを斬る。コーリスモス、ボネカ、エンリケもアディユを襲ったf5をそれぞれ倒していた。体勢を立て直したフレユールとバンボラが屋根の上から報告する。
「もう一体の3m級、左方より接近中!」「ダル、プーペが対応!」
ダル、プーペは巨人に向かって飛び出す。プーペは鋭く下降すると、3m級の脚の腱を削いだ。バランスを崩した3m級のうなじに、ダルが突進し、血飛沫が上がる。それを確認したデールンが全員を集める。
「よし、これで残りは8m級と12m級だな……あと、一体何体のf5が隠れているのか……」
「おい、デールン!連中がまた予想外の動きをする前にさっさと撤退するぞ!」
ダルとプーペが戻ってきて、8人全員が揃った。かなり遠くに居たはずの8m級と12m級巨人は、さっきよりも近くに来ている。8人は、馬を繋いだ場所まで急いで戻った。
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- 9 : 2014/01/03(金) 19:22:08 :
- 「………遅い」
支部長室で、ハンジが独り言を呟く。デールン達が支部を出てから、もう1と半刻が経とうとしている。他の支部まで走ったラシャドとケヌウトですら先程帰還した。それなのに、デールン達からの伝達が一切ない。
「おかしい…考えたくないけど…これは何かあったと考えるべきか……」
考え込むハンジの脳裏に、デールンが言い残した言葉が思い起こされる。
「無駄足だったらごめんよ、リヴァイ…でも頼む、無駄足になってくれ…!!」
ハンジは、緊急時にのみ使用する早馬を利用し、第3分隊の出動要請を行った。
半刻後、リヴァイ率いる第3分隊、第1・2・3班がハンジ率いる第2分隊第3・4班と合流した。ヨー地区に入ろうとした時、遠くから、凄まじい勢いで馬を走らせる男がやってくるのに気づいた。
「リヴァイ、待って…あれは……エンリケ……!!」
「皆さん…皆さん……助けてください…急いで…お願いします…!!」
リヴァイ・ハンジの増援部隊は、エンリケの案内でファントゥムへ向かった。
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- 10 : 2014/01/03(金) 19:22:53 :
- 「全く、今日は何て日だ……ちくしょう……」
デールンは一人呟く。その目の前で、12m級巨人の口の中にコーリスモスの下半身が消えていく。噛み千切られて地面に落ちたコーリスモスの上半身は、先に地面に転がっていた、フレユールの首から下の部分の上に落ちて血を撒き散らした。
「フレユール…コーリスモス…」
ボネカが震えながら顔を覆う。デールンは刃を交換すると、ボネカの肩に手を置き、指示を出す。
「全員、ガスの残りも少ない…エンリケが助けを呼んで戻ってくるまでに、このデカブツだけは片付けるぞ…!!ダルとプーペが右、バンボラとボネカが左だ!」
4人が一斉に巨人に突進する。ダルとバンボラが巨人の両目を潰し、プーペとボネカが脚の腱を深く斬りつける。巨人の手がダルの体を掠めるが、ダルはガスを吹かして避ける。巨人はそのままよろめき、ゆっくりと傾いて倒れた。巨人の体は、周りの瓦礫を跳ね飛ばし、砂埃を巻き上げる。そこにデールンは飛び込み、巨人の体の上を走ってうなじの所までたどり着く。そして、渾身の力でうなじの肉を削ぎ取った。巨人の体から生気が失せ、蒸気が出始めた。
「やった…ぞ……12m級を倒した…!」
ボネカが地上でガッツポーズをする。デールンは巨人の体から飛び降り、ボネカの傍に駆け寄る。ダルもすぐ傍に着地する。
「助かったよ、ダル…」「いや、お前こそ見事だったぞ、デールン」
お互いの肩を叩き合う。ダルは、コーリスモスとフレユールの遺体に視線を向ける。
「あいつらだって、立体機動のガスが切れさえしなければ……いや、それ以前に、馬さえあれば…くそ…」
「しかたがないさ…むしろ1頭だけでも残っていたことに驚いたよ…あとはエンリケを信じて待つのみだ……」
「デールンさん!ダルさん!バンボラとプーペが!」
ボネカの声に振り向くと、ボネカがバンボラを背負い、プーペがこめかみから血を流しながらやってきた。
「プーペは、先ほどの戦闘で飛んだ瓦礫が当たったようです。バンボラも、立体機動のワイヤーに瓦礫が当たって、壁に強く体を打って気絶しているようです…気絶で済んだのは、壁に当たったのが機動装置だったからなのでしょうが、たぶん、バンボラの装置は壊れていると思います…」
「そうか…プーペ、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です…何とか歩けます…」
デールンがバンボラを背負った。ダルが、マントの裾を破いてプーペの頭に巻き、止血しながらデールンを見る。
「これからどうする?今の俺達の状態じゃ、f5の1匹や2匹相手ならともかく、巨人との戦いはもう無理だ…」
「そうだな…エンリケが帰ってくるまで、あと四半刻くらいか…8m級はこっちに向かってきているようではあったが、まだだいぶ距離がある……さっき、巨人と戦っている時に、あっちの方に広場が見えた…あそこならf5にも早く気づけるだろう」
「わかった…では、急いで移動しよう…立てるか、プーペ」「…はい…」
5人は広場の方へと移動した。広場には、少し前まで人々のくつろぎの場だったベンチと溜池、花壇があった。バンボラとプーペをベンチに座らせると、デールン、ダル、ボネカは装備の確認を始めた。
「ダル、ボネカ、お前達、今装備はどんな状態だ…ちなみに俺の立体機動装置は、ガス切れだ…」
そう言うと、デールンは立体機動装置を外し、ベンチに置いた。
「俺は、ガスなら少しは残ってるが、刃がもうこれで最後だな…まあ、最悪短刀で戦うさ」
「わ、私、刃なら余裕があります。ダルさん、一本使って下さい…ガスは、私ももうありません…」
「ボネカ…すまない、恩に着る……よし、これで、f5なら対応できそうだな…」
「あの……」
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- 11 : 2014/01/03(金) 19:22:57 :
- ずっと黙っていたプーペがふいに口を開いた。
「ずっと疑問に思っていたのですが……今回、やけにf5が少なくなりませんか?それって、もしかして…避難民の所にf5が集中しているからなのではないでしょうか…」
全員、はっとした表情になる。
「確かに…さっきまで、急に巨人が襲ってきたり、繋いでおいたはずの馬が奇行種のせいで逃げちまったり、12m級が接近してきたり…考える余裕が無さ過ぎて気づかなかったが…人の気配を感知して寄ってくるf5が、たったの5体しか確認されていないのはおかしい…」
「なるほどな…俺達なんかよりもずっと大量の『人』がいる場所があるから、俺達の所には寄ってこなかったってことか…」
「待って…『狼』の人達って、避難民の所にいるんじゃありませんか?…戦闘を放棄したことは兵士として恥ずかしいことですが…それなら、今回の被害は意外に少ないのかもしれません!」
「おお…それなら、この状況にも希望が持てるな…本来の計画通り、『狼』の連中から装備の補給ができるかもしれん…」
一斉に皆の表情が明るくなる。しかし、その時、プーペはある事に気付く。
「人の気配を感知して寄ってくるのは、巨人も、ですよね…最初…巨人はどこにいましたっけ…」
「確か、あの時計塔から4刻の方向……じゃあ、そこに、避難所があるのか!」
「…それが、その後、一斉に巨人がこっちに寄ってきたんですよね…5m級は奇行種だったとしても……」
「……プーペ…あなたが言いたいこと、わかった気がするわ…」
「…俺もだ……つまり、巨人達はそれまで集中していた避難所に対して、急に関心を失った…それは…」
「…避難所から、『人がいなくなったから』、か…正確には、『生きている人』が、だが……」
「…巨人は、体が大きいから地下に掘られた避難所には入れなかっただろうが、f5なら中にいる人間が全滅するまで暴れるだろうな…」
「…もしそうだとしたら…避難所を襲撃したf5達は…」
「…こっちに向かってくるだろうな」
「………」
全員が、再び黙り込んでしまった。俯いたボネカは、微かに涙を浮かべている。デールンもダルも、何と声を掛けたらいいかわからず、眼を伏せる。
その時、遠くで銃声が鳴り響いた。緑色の煙弾が撃ち上げられる。
「…おい…おい……エンリケ……あいつ…、やってくれた……位置確認の煙弾だ……増援だ…増援が来た!!」
デールンがすぐに同じ色の煙弾を撃ち上げる。直後、こちらに向かって弧を描くように進路決定の煙弾が撃たれた。
「この距離なら六半刻も経たないうちに到着するはずだ…しかし、エンリケ、随分と戻ってくるのが早いな…プテリュクス支部までしか行っていないにしても、あともう六半刻はかかりそうなものだが…」
「もしかしたら…ハンジが増援を予め要請しておいてくれたのかもしれないな…」
デールンは微笑む。だとしたら、増援を率いているのは恐らくリヴァイだろう。きっと、あの仏頂面のまま、平気か?と聞いてきて、悪態の一つや二つをつくのだろう…想像して、思わず吹き出しそうになる。路地の方に目を向けると、傷だらけの兵士が十数人、ふらふらとこちらにやって来るのが見えた。胸ポケットの紋章を見るに、どうやら「狼」のようだ。
「あいつら…無事だったのか…!!おい、こっちだ、ちょうど増援が来るところだ!」
「狼」の兵士達は、疲れ果てたような、虚ろな眼でデールンを見つめた。一番前を歩いていた兵士の薄く開いた唇から、血の混ざった唾液が一筋、伝って落ちた。
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- 12 : 2014/01/03(金) 19:23:13 :
- 「もうすぐファクトゥムの中心に入る……ハンジ、お前が撃て…緑だ」
「うん!………あ!応じた!あっちだ、リヴァイ!」
「……連中は無事らしいな……地図によればあそこはファクトゥムの中央広場付近か……見晴らしがいい場所の方がf5戦には有利なのを見越して移動したか……デールンらしい…」
「さすが私の分隊長だよ!ね、エンリケ!」
「全くです……デールンさんには何度も助けて戴いてしまいました……本当に、ご無事でよかった…」
「…安心するのはまだ早そうだぜ…全員見ろ!…時計塔の傍に8m級だ…奴も広場に向かってるらしい…このままじゃ巨人の方が先に広場に着いちまう…」
「皆、全速力で馬を駆るんだ!急げ!!」
「…あとは、f5の数がどの程度かによるな……いつ、路地からf5が飛び出してくるかわからん…全員気を緩め…っ!」
リヴァイがそう言いかけたまさにその瞬間、路地からf5が飛び出してきた。片手で馬を操りながら、一瞬で抜刀し、首を跳ねる。血飛沫の向こうに、凄まじい数のf5が向かってくるのが見えた。
ハンジは剣を抜くと、叫んだ。
「リヴァイ、ここは私達でなんとかするから…あなたは先に行って!!」
「…わかった…総員、立体機動に移れッ!!」
リヴァイの指示とともに、全員が馬から離れ、近くの建物に飛び移る。リヴァイは、剣を持ったまま、全速力で広場に向かう。
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- 13 : 2014/01/03(金) 19:23:32 :
- 「ダル…ボネカ……プーペ…バンボラ……」
左上腕を骨が見えそうなほど深く噛み千切られた状態で、デールンはまだ暴れ続けていた。霞む視界の端に、ダルが顔面を無くし、血の海に沈むのが見えた。ボネカは、既に内臓を2体のf5に食われている最中である。プーペとバンボラは、ほぼ無抵抗のまま、首を折られ四肢に噛みつかれ死んでいる。
目の前にいる4体のf5は、どれも「狼」の兵士の姿をしていた。
「死体のf5化」…。ハンジが、眼を輝かせて語っていたのをデールンは走馬灯のように思い出す。避難所に居たにせよ、そうでないにせよ、彼らは食われたのだろう。そして、f5化して、目の前にいる。
支部を出るとき、ハンジに「土産に情報を持ち帰る」と言ったのを思い出して、デールンは顔を歪めた。ハンジにこれを伝えられるかはわからないが、少なくとも情報は得た。今は、これを守り通すことが自分の最後にして最大の使命だ。
f5が、一斉に飛びかかってくる。横薙ぎに剣を振り、1匹の首を刎ね飛ばす。そのまま振り返り、もう1匹の首に剣を突き刺す。残りの2匹は、デールンの右脚と、脇腹に食いついた。
「ぐあああああああ!!」
痛みに悲鳴を上げながら、デールンはf5の首に刺さった剣を捩り、途中で折った。そして、脇腹に食いついているf5のうなじに突き立て、横に引いた。脚に噛みついていたf5が、ばっと離れる。
デールンはもはや立つことも出来なくなり、上体を辛うじて起こした姿勢のまま、剣を構えていた。f5が再び飛びかかって来るのを見て、眼を閉じる。顔に、生暖かい液体がかかる。
デールンが眼を開けると、第2分隊第1班・第2班が待ち続けた男が目の前に居た。
「遅れてすまなかった…デールン……」
「いや…最高のタイミングだったよ…リヴァイ……」
リヴァイはデールンを抱えると、近くの建物の屋根に飛び移った。
「リヴァイ、お前も見ただろう…『死体のf5化』だ…『狼』の連中がf5に食われ、今度はそいつらがf5化したんだ……これから、f5に食われた死体は、うなじを削いで…あとは体の主要な腱を削いでおく必要があるんじゃないかと俺は思う……このことをお前に伝えるのが、俺の第2分隊分隊長としての最初にして最大で、最期の仕事だったんだ…」
「………しっかりと、この耳で聞いた…必ず、ハンジ達に伝える……お前はここにいろ、ハンジ達を連れてくる」
「待て、リヴァイ…」
立ち去ろうとしたリヴァイを、デールンが制止する。
「何だ、デールン…」
「だから、言っただろう…『死体はf5化する』…俺も、俺の部下達もだ…」
「お前はまだ生きてるだろうが…」
「もう長くない…お前が帰ってきたとき、もし俺がf5化してたらどうするつもりだ…」
「…お前は、俺がハンジ達を連れて帰ってくるまで死なないことを考えてろ…」
「冷静になれ、リヴァイ…お前はもう分隊長だろう!」
「俺にお前のうなじを削がせるつもりか…お前こそそれでも分隊長かよ…!!」
「すまない、リヴァイ…そうだな…ひどいことを言ったな…すまない……リヴァイ、巨人との距離はどれくらいだ…」
リヴァイは立ち上がり、巨人の位置を確認する。
「………ハンジ達のいる方にも関心が出始めたのか、まっすぐこっちには向かってないようだ……まだ暫くは平気だろう……」
「そうか……なぁリヴァイ、お前…ハンジを頼んだぞ……」
「あ?…デールンてめぇまだ……っ!!!おい!!デールン!!!」
デールンは自ら、手に持っていた剣で自分のうなじを貫いていた。デールンの体から溢れる血が、リヴァイの体をも赤く染めていく。
「くそっ…くそっ……!!馬鹿野郎がっ……!!」
デールンの遺体を寝かせ、眼を閉じさせると、リヴァイは短刀を抜いた。
「くそ…ちくしょう………ちくしょう………っ…」
デールンのうなじの肉を切り取り、体の主要な筋肉、腱を削いでいく。
リヴァイは、他の班員の遺体も同じようにすると、デールンの遺体と共に広場に並べた。
仲間の血を浴び、血塗れで立ち尽くすリヴァイに、8m級が向かってくる。
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- 14 : 2014/01/03(金) 19:23:43 :
- 陽が傾き始めた18刻には、全てのf5、巨人が倒された。しかし、結局、ファクトゥムの町の生存者はゼロだった。第2分隊第1班・第2班の遺体は持ち帰られ、ハンジ達の手で手厚く葬られた。
今回の事件で「鷹」は第2分隊の主力を失い、戦力が著しく低下した。また、団員数も大きく減ったことから、エルヴィンは、団員数がある程度増えるまでの間、分隊の数を3分隊から2分隊に減らすことを決定した。
これにより、第1分隊分隊長はミケが続投し、第2分隊分隊長にリヴァイが就任した。第1分隊分隊長補佐にはナナバとゲルガー、第2分隊分隊長補佐にはハンジが就いた。
こうして、エルヴィン達による新体制は、巨人とf5に関する新事実を掴むという功績と同時に、多大な犠牲者を出す、大波乱の中始まったのだった。
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- 15 : 2014/01/03(金) 19:24:56 :
- 以上です。
初投稿なので、やり方がよくわからず一気に載せてしまいました。
読みにくかったらごめんなさい。
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- 16 : 2014/01/04(土) 12:23:23 :
- よかった!
全部読ませてもらいますね!
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- 17 : 2014/01/04(土) 12:31:26 :
- わー!ありがとうございます!!
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- 18 : 2014/02/16(日) 10:12:42 :
- ストーリーが、、、すごい!
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