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ベルトルト「君が教えてくれた世界」
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- 1 : 2014/01/03(金) 14:44:01 :
- いつものように電車にゆられている
僕は生まれかわった
巨人なんかいない世界に
でも僕はあの頃の記憶が残っているから
毎日泣いているんだ…
姿形が変わっていない僕は
この世界で生きている
唯一変わったのは名前かな
ベルトルト・フーバーなんてこの世にはいない
頭が痛い…
そう…僕は…
死んだんだ
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- 2 : 2014/01/03(金) 14:50:13 :
- どうせ生まれてくるなら
あの頃の記憶、消してくれればいいのに
アニとライナーも死んだのかな
もしかしてこの世界に
昔の仲間がいるんじゃないのかな
いや、僕には仲間なんていない…
誰かにあったとしても昔みたいに
「裏切り者」って言われ続けるんだろうな
人類が望んできた世界に生まれてきた
戦士なんてもうない
なのにどうしてこんなに胸が痛む
また…これだ…
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- 3 : 2014/01/03(金) 14:55:09 :
- 家に帰る
この世界にきてから驚きの連続だ
壁外…というべきなのかな
壁がないんだ
なのに巨人もいない…
昔僕は人類の敵
巨人だった…
腕を噛んで見る
血がでた…
昔ならすぐに治ったのに
もう戻らないんだ
僕は本当に
人間になってしまったんだね
あれ…僕…どうして死んだんだろう…
殺されたんだっけ
思い…出せない
頭が…痛い
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- 4 : 2014/01/03(金) 14:59:03 :
- この世界には学校というものがある
訓練時代を思い出す
この世界は地球というらしい
ぼくはどうしてか分からないけど
あの世界に帰りたい
ぼくは目が腫れるまで調べた
不思議だな…
無いんだ
壁に囲まれたところなんて
じゃああの頃は一体
なんのために戦ったんだ
なんのために人が死んだんだ
あのときの世界は
どこにあるっていうんだ
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- 5 : 2014/01/03(金) 15:04:43 :
- 僕は生まれたときから
昔の記憶があったんだ…
僕がまだ小さい頃
同じとしの子供に
今まで壁があったこと
すべて話した
当然のことだけど
信じてもらえなかった
本当は見えないだけで
どこかに壁があるんじゃないか
そう思って走り続けたこともあった
壁は無かった
そのかわりに
昔、エレンやアルミンが教えてくれた
「海」というものがあった
初めて見たその光景は
この世界にきて唯一
この世界にきてよかったと思えることだった
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- 6 : 2014/01/03(金) 15:11:51 :
- 今日も昨日と同じように
たくさん泣いた
死ぬほどないた
現実が受け入れられない
布団にはいる
ふかふかだ
訓練兵のときとは違う
ライナーたちに教えてあげたいな…
僕は毎日思うことがある
僕は長い夢を見てるじゃないかって
いつか覚めるんじゃないかって
寝たら明日には壁のあるあの世界に
帰ってるんじゃないかって
今日はもう疲れた
寝よう
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- 7 : 2014/01/03(金) 15:20:45 :
- 朝がくる
僕は汗ビッショリになって起きる
いつもと同じ夢を見た
訓練兵団を卒業して
僕は調査兵団にはいる
そして少しの時を過ごし
故郷に帰るチャンスがくる
僕とライナーは
巨人であるエレンを連れ去ろうとする
そしてその後
誰かに殺される…
夢はいつもここで終わる
だれに殺されたかは覚えていない
これは本当にあったことなのか
分からないけど
毎日この夢を見る
ただでさえ思い出したくないのに
どうして毎日この夢なんだろう
どうして…
僕は泣いてるの…
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- 8 : 2014/01/03(金) 15:26:15 :
- 僕はバイトをしながら暮らしている
兵士の時とはちがい給料が入ってこないから
昨日みたいに夕食を食べないことも多い
住む場所を作るだけでやっとだ
この世界は厳しい
まだ巨人がいて
壁の中に住んでいる時のほうが
楽しく暮らせたんじゃないのかな
そんなことを思っていると
バイトの先輩に怒られる
気持ちが悪い
毎日同じことの繰り返しだ
生きている心地がしない
僕は…この世界が嫌いだ
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- 9 : 2014/01/03(金) 15:31:42 :
- バイトが終わるのは夕方
疲れた
早く帰ってねよう
そう思って駅まで歩いてる時だった
「ベルトルト?」
聞き覚えのある声だ
声の主は大体わかった
でもその子がこの世界にいる訳がない
何かの間違いだ、そう思って振り返った
驚いた
そこにいたのは僕の同期の
クリスタだった
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- 10 : 2014/01/03(金) 15:34:13 :
- ベルトルト「クリスタ⁉どうしてここに…」
クリスタは僕にしがみついていた
泣いていた
なんでだろう
僕まで涙がでてるのは
僕はクリスタの手を引きながら
公園にむかった
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- 11 : 2014/01/03(金) 15:39:22 :
- ベンチに座るとクリスタは話しかけてきた
クリスタ「さみしかった」
それは僕も同じだ
ベルトルト「クリスタも昔の記憶があるんだね。久々にその名前で呼ばれたからびっくりしたよ」
クリスタ「私だって」
クリスタが笑うつられて僕も笑う
笑ったのは何年ぶりだろう
でも僕は決心した
聞かなくてはいけないことがあるから
ベルトルト「クリスタ、僕は死んだの?」
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- 12 : 2014/01/03(金) 15:43:26 :
- クリスタがびっくりした顔でこっちを見てる
そして口を開く
クリスタ「ベルトルトは巨人だったでしょ?」
僕がうなずくと続けて言う
クリスタ「ベルトルトとライナーはエレンを連れ去ろうとしたの、そしてその後…ミカサに切り殺された。」
夢と同じだ
でも一つだけわかったことがある
僕はミカサに殺されたんだ…
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- 13 : 2014/01/03(金) 15:47:49 :
- 僕は自然と喋っていた
ベルトルト「ライナーは…ライナーも殺されたの?」
クリスタは申し訳なさそうに
クリスタ「ライナーは…ミカサに殺されたの」
ライナーも殺されたんだ…
故郷に…帰れなかったね…
僕は言う
ベルトルト「クリスタも…死んだの?」
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- 14 : 2014/01/03(金) 15:51:19 :
- クリスタ「うん…巨人にね…」
ベルトルト「ごめん…変なこと聞いて」
クリスタも…死んだんだ…
その後も僕はクリスタといろいろな話をした
とても…楽しかった
二人とも一人暮らしのため
一緒に暮らすことになった
今日から家族だ…
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- 15 : 2014/01/03(金) 15:53:39 :
- クリスタと暮らし始めてたくさんの月日が流れた
僕たちは結婚した
本当の家族になった
僕はもう一人じゃない
僕には家族がいる
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- 16 : 2014/01/03(金) 15:53:52 :
- 泣けます…
続きも期待
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- 17 : 2014/01/03(金) 15:56:46 :
- それから月日がたち僕の誕生日になった
クリスタにはとっておきの誕生日プレゼントがあるからついてきてといわれた
ようやく目隠しをとってもらった
クリスタ「前を見て」
クリスタはとても嬉しそうに言う
僕は前を向いた
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- 18 : 2014/01/03(金) 16:03:18 :
- 驚いた
前にいたのは
昔、ともに戦ってきた仲間の姿があったからだ
「会いたかったぜ‼」
「あの時は…ごめんなさい」
「久しぶりだなベルトルさん」
「生まれ変わってもでけーんだな」
「やめなよ!」
聞き覚えのある声が聞こえる
僕はただただ呆然としていた
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- 19 : 2014/01/03(金) 16:06:18 :
- 「ベルトルト…あの時は守ってやれなくてごめんな」
「あんたはいつになってもかわんないね」
小さい頃からの仲間の声が聞こえる
僕は泣いていた
ベルトルト「みんな…僕を嫌ってないの?」
すぐに返事が帰ってきた
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- 20 : 2014/01/03(金) 16:08:49 :
- 「当たり前ですよ」
「嫌いなわけないじゃないか」
僕は考えすぎていたみたいだ
こんなに身近にこんなに自慢できるほどの仲間がいたのに
僕は…この世界が好きだ
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- 21 : 2014/01/03(金) 16:09:45 :
- 終わりです‼
読んでくれた皆さん、
ありがとうございました‼
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- 22 : 2014/01/03(金) 16:17:13 :
- 良作でとても泣けました。
次回作あれば、期待してます。
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