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ベルトルト「美しく残酷な世界?」ミカサ「そう」

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  1. 1 : : 2013/12/29(日) 23:31:22
    ベルトルトとミカサの話です。

    決してベルトルトとミカサのカップリングなどではありませんのでご安心ください。

    ちょっとだけエレミカ、ベルアニの感じです。

    では、完成させているのでサクサク貼っていきたいと思います。

    では
  2. 2 : : 2013/12/29(日) 23:32:06
    普段あまり人と話さない僕と、何事にも動じず無口な彼女がこんな会話をするとは思っていなかった。

    なぜこんなに話してしまったのだろうか?その時はまだ分からなかったけど後になってわかる。

    僕は心のどこかで自分と同じものを彼女に感じていた、と。
  3. 3 : : 2013/12/29(日) 23:33:26
    数時間前 ウォールマリア トロスト区から少し離れた所にある森

    キース「本日、貴様らをここまで連れてきたのは伝令の訓練の為だ!!」

    キース「伝令はどこの兵団でも必要とされる役目だ。よって今日の訓練の結果は大きく成績に反映するから心して掛かれ!!」

    一同「はっ!!」

    キース「よし。では訓練について説明する。まずはこの森の反対側まで立体機動で移動してもらう、そこで用意してある自分の馬に乗って訓練所を目指せ。なお途中でのガス補給は認められないため残量に注意するように。立体機動中に切れてしまった場合は徒歩で移動だ。スタート位置についてはこちらの指示に従ってもらう。何か質問は?」

    アルミン「はい」スッ

    アルミン「森から訓練所までの経路が指示されていませんが自由ということでしょうか?」

    キース「そうだ。貴様らの足りない頭を使って最適な経路を自分で選択しろ。他に質問は?」

    一同「・・・」シーン

    キース「よろしい。では訓練開始は30分後とする。それまでに各人指示された位置に立体起動装置を装着して待機!!」

    一同「はっ」バッ
  4. 4 : : 2013/12/29(日) 23:34:54
    訓練開始後 森の反対側付近

    ベルトルト「(うーん、そろそろだと思うけどなぁ・・・ガスもそろそろ切れそうだし)パシュ パシュ

    高速で移動しながら出来る限り情報を得ようと視線を巡らす・・・左前方に木が少なく明るくなっているのを見つけた。

    ベルトルト「!あそこか・・・」ガシュ ビュン

    アンカーを端の木に刺して地面に降り立つと予想通り森を抜けて視界が開けていた。遠くに馬がいるのも確認できた。

    ベルトルト「(見たところ、僕より先に行ってるのは1~2人ってところかな。馬術は割と得意だから追いかけてもいいけど・・・あんまり急ぐのはなぁ・・・)」

    そんな事を考えながら鐙など騎乗に必要なものを装着させて出発する。先ほどガス残量を確認したところ殆ど空気しか入っていない音だった。だから、僕より後から来る人たちは途中でガス切れを起こして歩くはずだから追いつかれる事はまずないし・・・

    ベルトルト「よし、じゃあ乗るよ」ポンポン

    そんな風に話しかけてから馬に乗ることにしてる。別に寂しいからそうしてる訳じゃない。こうしてコミュニケーションを取っていると思うがままに動いてくれる、まぁ・・・

    ベルトルト「(まぁ、普段人と話してるよりは楽なのは否定しないけど・・・人と話すより馬と話す方が良いなんてなぁ)」パカラッ パカラッ

    数分ほど駆けると道が二つに分かれてた。片方は街に続く道、もう一方は草原方面に向かう道。

    ベルトルト「(ええと、一見草原の方が近そうだけど途中で目印が無いからとんでもない方向に進んじゃうときもあるんだよなぁ。慣れてたり事前に良く調べてある場所なら問題ないんだけど今回初めての所だし・・・街の方が無難か)」

    ベルトルト「(でも・・・人の多いところ通るからスピードは出せないし、人混みが苦手なんだよな。どうしようかな)」キョロキョロ

    ベルトルト「(・・・!・・あれは水車か・・・そういえばトロスト区の近くには川が流れてたなぁ・・・あの水路を辿って下流に向かえば川に出てトロスト区の近くまで出れるかもしれない。よし、経路は自由って言ってたし川沿いを進もう)」

    ベルトルト「じゃあ、あっちに進むからね」ポンポン

    馬「ヒヒーン♪」パカラッ パカラッ

    ベルトルト「よし。いい子だ」ポンポン

    ベルトルト「・・・・・・・」

    ベルトルト「(・・・やっぱりちょっと寂しいかも)」パカラッ パカラッ
  5. 5 : : 2013/12/29(日) 23:36:12
    大体一時間ぐらいたった後 川沿い
    馬にのって風を切りながら走る。楽しい。こんな風にただ手綱を握って馬を走らせるだけで何も考えなくていい。

    やらなきゃいけない事、それによって引き起こされる事。みんな考えなくていい。壁内も壁外もこうやって目で見る景色はそう変わらない。

    だけど、いつかはここも地獄になる。なんで、そうならなければいけないんだろう?たしかに、この壁の中にいる人たち全てに罪がある。

    でも、ほとんどの人はそのことを知らない。知ってるのは一部の人だけだ。みんな、ただ懸命に生きようとしてるのに、僕らと同じように生きようとしてるのに、世界はこんなにも美しいのになんで死ななければいけないんだ!!・・・・・・いつも、こんな事を考えていると決まって頭が痛くなって、吐き気も出てくる。僕も何処かおかしくなっているのかもしれない

    ・・・止めよう。考えても仕方ない。もう決まった事だ。いけない、こんな事考えてはいけないんだ。今やることに集中しよう。せっかく一人で馬を走らせてるんだから。
  6. 6 : : 2013/12/29(日) 23:37:03
    ベルトルト「・・・・・・・・・」

    ベルトルト「(ふう。そろそろ休憩を入れた方が良いかな?こいつも疲れてるみたいだし・・・)」チラッ

    馬「ブルルッ・・・フシー、フシー」パカラッ パカラッ

    ベルトルト「(よし、一回休もう・・・!)」

    ベルトルト「あれは・・・壁?そんな、最低でも一時間半~二時間はかかると思ってたのに・・・」

    ベルトルト「とりあえずもう少し走ってみるよっ」ポンポン

    馬「!?・・・バルルッ」パカラッ パカラッ
  7. 7 : : 2013/12/29(日) 23:38:26
    十分後 訓練所 厩

    ベルトルト「・・・着いちゃった」

    ベルトルト「(おかしいなぁ・・・最低でも1時間半から二時間以上かかるはずなんだけど、どう考えても一時間ぐらいしか経ってない)」

    ベルトルト「(それに先に行った二人・・・おそらくミカサとジャンもいないし・・・)」

    パカラッ パカラッ

    ミカサ「!!・・・ベルトルト?」

    ベルトルト「!?やぁ、ミカサ・・・どうしたの?そんな驚いた顔して?」

    ミカサ「・・・いや、私より先に着いているのに驚いただけ」

    ベルトルト「あぁ、僕もよくわかんないんだけどなんだか先に着いちゃったんだよね。立体機動はミカサの方が先だったよね?」

    ミカサ「多分そう・・・私が準備を整えて出発するときにジャンが森から出てきたぐらいだったから・・・」

    ミカサ「それにしても随分無理をさせたのね。馬が可哀想・・・」

    ベルトルト「えっ?あぁそうだね。丁度休憩しようとしてた時に走らせちゃったから・・・よっと」スタッ

    ベルトルト「ごめんごめん。よく頑張ったね」ポンポン

    馬「フシュー、フシュー。バルルッ」ヒヒーン♪

    ミカサ「!?」
  8. 8 : : 2013/12/29(日) 23:38:59
    ミカサ「何をやってるの?」

    ベルトルト「えっ?ちょっと無理をさせちゃったからね・・・ミカサもやったりしないの?」

    ミカサ「ううん。やらないけど・・・やったほうがいいの?」

    ベルトルト「えーと、そうじゃない?多分・・・」

    ミカサ「じゃあ、やってみる。」スタッ

    ミカサ「よく頑張ったね」ポンポン

    ミカサの馬「!?・・・ヒ、ヒヒーン」ビクビク

    ベルトルト「(あ、馬の方が気を使ってる・・・これもコミュニケーションの一つかな)」ハハ

    ミカサ「これでいいの?」

    ベルトルト「ま、まぁいいんじゃないかな」

    ミカサ「そう、じゃあ。報告に行かなくちゃ」スタスタ

    ベルトルト「うん、そうだね・・・」スタスタ

    ベルトルト「(しかし、ミカサと馬の関係、人と馬というより獲物と捕食者みたいだな。言うことを聞かないと殺されるみたいな・・・僕と彼女の馬どっちが可哀想なんだろうね?)」

    ベルトルト「(あれ?何気に失礼な事考えてないかな僕・・・)」スタスタ
  9. 9 : : 2013/12/29(日) 23:39:47
    教官室

    メガネの教官「(あー暇だなー・・・訓練生の帰還を待ちながら溜まってた書類片付けてたけど飽きたなー)」

    メガネ「(こんな時は隣のキースをからかって遊ぶんだけど、今日はいないし・・・!)」

    メガネ「そうだ」

    メガネ「(どうせ疲れて帰ってくるんだろうしロクな確認しないで座るだろう・・・)」

    メガネ「(そこで椅子の脚に細工をして体重がかかったら折れるようにすれば・・・ふふふ)」

    メガネ「(あいつ、この前は私のチョーク入れの中の新品を全部殆ど捨てる直前のやつに変えてやがったからな・・・今日は仕返しだ)」

    メガネ「(その前には私が激甘にした紅茶を出した仕返しに塩を砂糖の代わりにしたコーヒーなんぞ渡しおって・・・意地で全部飲んだけど、その後食欲が無くなった・・・)」

    メガネ「(とにかく、今日は私の番だ!!幸い講義中で他の教官はいないし、訓練生はまだ戻ってこない。今がチャンスだ!!)」キョロキョロ

    メガネ「・・・ふふふ」ギーコギーコ

    ミカサ「・・・あの」

    メガネ「ひ、ひゃい!?ど、どうしたんだ君たちはっ?」

    ベルトルト「(いや、あんたがどうしたんだ)」
  10. 10 : : 2013/12/29(日) 23:41:09
    ミカサ「?ただいま戻って来たので報告に参りました」

    メガネ「そうか・・・ん?随分早いな、途中の記録を見せてくれ」

    メガネ「ふむ・・・アッカーマンは立体機動時のリードがそのまま記録に現れたか。恐るべき早さだ」

    ミカサ「はっ」バッ

    メガネ「それに比べるとフーバーは・・・なぜ街に向かう経路を選ばなかったのかな?」

    ベルトルト「(気分でとは言えない・・・)はっ。川沿いに進めばより最短距離で進めると考えましたので」

    メガネ「そうか!実はこの訓練の評価基準の一つに川沿いの道を選べるかどうかが含まれてるんだよ。毎年、一人か二人が川沿いの道を選ぶのだが・・・ふむ、ここまで上位の者が選ぶのは初めてだな。上位の者ほど先を急いで周りが見えなくなるからな。君はとても優秀なようだ」

    ベルトルト「はっ!!光栄です(偶然だったけどこう言っとけば問題無いか・・・)」

  11. 11 : : 2013/12/29(日) 23:42:14
    ミカサ「それで、我々はこの後どうすればいいでしょうか?」

    メガネ「(普通は大体みんな到着時間が同じだから全員集まるまで待機してもらってるけど、この二人は異常に早いからな・・・!)」

    メガネ「そうだな、じゃあ悪いけど資料室の整理をやってくれないか?最近荒れてきてね・・・」

    ベルトルト「!?それは訓練兵にやらせて良い仕事なのでしょうか?(おいおい、雑用だろそれ)」

    メガネ「あぁ、普段はやらせちゃいけないんだが、最近忙しくて手を付ける暇がないから特別にだ(さっき暇だなどと言ってたのは忘れておこう)」

    ベルトルト「(絶対嘘でしょ。さっき部屋に入る前に暇そうにしてたの知ってんだぞ)」

    ミカサ「わかりました」

    ベルトルト「!?」ギョッ

    メガネ「そうか。じゃあ資料室の鍵を渡しておこう」ガチャガチャ スッ

    ミカサ「はい。ところでこれは訓練ではないですから何かしらの見返りはあるんですよね?」

    メガネ「い、いやそんなことは無いと言うか、そもそもこれは・・・」ゴニョゴニョ

    ミカサ「・・・」ジト

    メガネ「ヒッ、わ、わかった何か考えておこう。だから今日のところは手伝ってくれ」ビクビク

    ベルトルト「(わー、教官脅したよ。すごいな何も話さないで目力で脅すなんて・・・)」

    ミカサ「はい。ではよろしくお願いします」クル スタスタ

    メガネ「はぁ・・・」

    ベルトルト「(可哀想に・・・)」

    ミカサ「ベルトルト?何をしてるの?」

    ベルトルト「あぁ、今行くよ」タタッ
  12. 12 : : 2013/12/29(日) 23:42:53
    資料室

    ベルトルト「・・・・」

    ミカサ「・・・」

    ベルトルト「・・・はは、これはひどいね」

    ミカサ「そう・・・やっぱり面倒な仕事を任せられた」

    ベルトルト「あぁ、やっぱりミカサも気づいてたんだね。だからあんなことを?」

    ミカサ「ええ、あの人は明らかに雑用を任せようとしていた。だから、交換条件を付けた」

    ベルトルト「あはは。すごいな教官相手に、おかげで僕も何かしてもらえるみたいだから、ありがとね」

    ミカサ「別に感謝される程のことでは・・・じゃあ私はこっちの方やるから」ガサガサ

    ベルトルト「うん。じゃあ僕はこっちを」ガサガサ

    ベルトルト「・・・・・・」

    ベルトルト「(しかし、こうやってミカサと何かするのって初めてだな。彼女はエレンやアルミンの近くに居ることが多いから僕と関わることは無いし)」

    ベルトルト「(でも興味がない訳じゃない。むしろ、歴代最高と称される彼女には非常に興味がある)」

    ベルトルト「(勿論僕やライナー、そしてアニは訓練で本気を出してはいないけど、もし僕達が本気を出しても彼女には届かないんじゃないかな)」

    ベルトルト「(それぐらい彼女はずば抜けてる。この機会だから、少し彼女の事を知ってみるかな。いずれ・・・いずれ戦う事になった時に少しでも情報は多い方が良いし・・・)」
  13. 13 : : 2013/12/29(日) 23:49:58
    ベルトルト「・・・ねぇ、黙って作業するのもアレだから何か話さない?」

    ミカサ「別に・・・・・・構わないけど何を話すの?」

    ベルトルト「そうだね・・・じゃあ訓練の話は?立体機動のコツとか」

    ミカサ「良いけど、あなたも十分得意なのでは?」

    ベルトルト「まぁ、否定はしないけどそれでも今日みたいに君とは差が出てるし・・・何か秘策でもあるの?」

    ミカサ「・・・あまり考えてやってる事じゃないけどアンカーを打って間を置いてからガスを吹かしたほうが思った方向に動くことができる。それとガスも一瞬だけ強くしたほうが燃料持ちがいい」

    ベルトルト「あぁ、ジャンがよく言ってるやつだね。慣性を利用」

    ミカサ「そう。ジャンの言ってることは正しい。あと・・・移動するときはなるべく前傾姿勢の方がいい。大抵の人は頭よりも腰が前に出て少し仰け反るようになってるけどあれはいけない。周囲の確認が疎かになるし、足の使い方で体重をかけて方向変換するのにあの体勢では上手く体重がかからない」

    ベルトルト「そっか。でも、ガスを強く吹かすとどうしても仰け反っちゃうことがあるけどそれはどう?」

    ミカサ「一瞬なら構わない。特に戦闘時はどんな体勢であろうと自分の動きやすいやり方で素早く動かなければならない。でも、移動している間ならすぐに体勢を直すべき、そもそも、仰け反るほど強く吹かし続けるのが間違え。そこまで強くしなくても体重移動と巻き取りを合わせれば十分素早く動ける。大体ガスだけに頼っているとすぐ無くなるからムダを省くようにしないと立体機動は上達しない」

    ベルトルト「なる程。今度から気にしてみるか・・・」
  14. 14 : : 2013/12/29(日) 23:53:38
    ミカサ「あなたは、何かコツとかはないの?」

    ベルトルト「僕?そうだなぁ・・・あまり戦闘とは関係ないけどガスの長持ちについてだったら。意識するのは運動エネルギーなんだ、僕は大柄だから小柄な人より加速までに時間がかかる。だから減速するときは必ず高度を取るようにしてる。こう・・振り子の感じで今自分がいる場所ができるだけ最下点になるようにアンカーを斜め上方に打って、体が上方に動いたらまっすぐ前に進めるようにアンカーを打つ・・・まぁ理想は45°なんだけどそんなの確認出来ないからこればっかりは体で覚えるしかない。こうすれば、運動エネルギーが高さに変わっただけだから無駄がない。加速するときは今と逆のことをして再び速さを得る」

    ミカサ「なる程」

    ベルトルト「あ、あと斬撃についても今のと同じ原理なんだけど。上から斬りかかる時の方がより深く削げると思う。高い位置にいるときは速度が落ちてるから狙いも定めやすいし・・・」

    ミカサ「やっぱりあなたはとても優秀。普通はそこまで考えてやったりしない。大抵は感覚で理解しようとして終わり」
  15. 15 : : 2013/12/29(日) 23:56:01
    ベルトルト「そうでもないよ。僕は人より大きいから自分に合った方法を考えただけなんだ。だから、体重が軽い人には合わない。ミカサにも合わないだろうし・・・」

    ミカサ「・・・・・・多分大丈夫」ボソ

    ベルトルト「えっ?」

    ミカサ「私は68kgあるからその方法は十分効果的・・・」

    ベルトルト「えっ!?そんなに?・・・じゃなくてごめん。あの・・体重の話なんてして」アセ

    ミカサ「別に・・・気にしない。私より大きいユミルやサシャ、果てはジャンよりも重いなんて気にしない・・・」ブツブツ

    ベルトルト「(あぁ、なんでみんなの体重を知ってるの。思いっきり気にしてるじゃないかっ)」

    ベルトルト「えと・・・話題を変えようか?」

    ミカサ「・・・うん」
  16. 16 : : 2013/12/29(日) 23:56:56
    ベルトルト「じ、じゃあ次は・・・」

    ミカサ「次は馬術の話が良い。あなたは得意そう話を聞きたい」

    ベルトルト「あぁそう見える?うーんとあんまり人に言えることはないけど、馬とよく話すのが大事じゃないのかな?」

    ミカサ「例えばさっきみたいな?」

    ベルトルト「そう。あんな風にしてれば結構こっちの思った通りに動いてくれるようになるし、ただ黙ってるより楽しいし・・・それに人と話すよりも気が楽だよ」

    ミカサ「・・・・」ジィー

    ベルトルト「あっ、いやこれは別に寂しくてとか、そういうわけじゃないからね。変に思わないでよ」

    ミカサ「?別に変だとは思ってない」

    ベルトルト「そっか」ホッ

    ベルトルト「僕は、馬術が得意というよりただ好きなんだ。手足が長いから体つきも向いてるし。それに馬に乗っていると色々考えなくて済むから・・・」

    ミカサ「・・・何か悩み事があるの?」

    ベルトルト「ん、そんなたいしたものじゃないけど・・・誰にだって一つや二つあるもんでしょ。君にはないの?」

    ミカサ「私?・・・特には無い」

    ベルトルト「そっか、じゃあ話を元に戻すけど。馬に乗ってるとね視線が高くなるから気分も変わるんだ。普段見えないものが見えるから普段考えない事も考えられる・・・だからかな、余計なことも考えちゃうけどね。君はそういう事もないの?」

    ミカサ「私はいつも訓練の事だけ考えてるから。そういうのも無い」
  17. 17 : : 2013/12/30(月) 00:01:36
    めちゃくちゃ期待&支援です!!!
  18. 18 : : 2013/12/30(月) 00:03:12
    ベルトルト「はは、本当に真面目だね。前々から思ってたけど聞いてもいいかな。なんでそう一生懸命なの?そんなに頑張らなくても君なら十分にやっていけるだろうに」

    ミカサ「質問の意味がよく分からない。訓練は全力でやらないと意味がない」

    ベルトルト「うーん。言葉にするのは難しいな・・・でもだからこそ君は強いのかな?」

    ミカサ「!私は自分を強いと思った事はない」

    ベルトルト「でも君は歴代最高の評価で主席でしょ」

    ミカサ「そんなものは関係ない。この世界は残酷だから・・・・気を抜いているとすぐにまた大事なものを失ってしまう気がする」

    彼女の言葉を聞いた瞬間、何かが僕の心の琴線に触れた気がした。ただ、それがなんなのかわからなくて僕らは話を続けた。

    ベルトルト「大切なものって?」

    ミカサ「私にとっては家族。だから、今はエレンと・・・もしかしたらアルミンも入るかもしれない」

    ベルトルト「あぁ、君たちはシガンシナにいた頃からずっと一緒だったんだよね」

    ミカサ「そう。私が家族を失ってからあの二人は私の家族になってくれた。アルミンは外の世界について教えてくれた。エレンは私にこのマフラーを巻いてくれた・・・家族を失った私に帰る場所をくれた。あの時の光景は一生忘れない、この世界は残酷だけどとても美しいって教えてくれたから」

    ベルトルト「美しく残酷な世界?」

    ミカサ「そう」

    ミカサ「だから、私は強くならなければいけない。この世界で生き続けるには戦わなければいけない。『闘え!!』これもエレンに教わったこと、抗い続けなければ何も守れない。もう二度と家族を失いたくない。だから、どんな訓練でも力を抜いたりはしない」

    そう言って彼女は自分のマフラーを握りながら微笑む。僕はそんな彼女を見ながらただ驚いていた。彼女の生き方そのものに。それと同時に、何かが僕の心の中で震えるのを感じた。これは一体・・・

    ミカサ「ところで、あなたも暫定3位のはず。あなたも何か特別な考えとかを持ってないの?」

    ベルトルト「えっ!?僕は別に・・・」

    突然の質問に思考が途切れる。適当な言葉で取り繕うとした時に、ふと思う。自分が思うまま話してみていいんじゃないのかなと。なんでそう思ったのかは分からないけど、とりあえずその考えに従ってみることにした。
  19. 19 : : 2013/12/30(月) 00:03:59
    ベルトルト「・・・いや、僕はこの世界が地獄に思える」

    ミカサ「地獄?」

    ベルトルト「あぁ、みんな自分が何者なのか知らずに生きてる。自分たちが何をしたのかを知らないくせに、くだらない事で争ったり憎しみあったりする。ものすごく勝手だ・・・最初はそう思ってた。だけど・・・だけどみんな生きるのに一生懸命なんだ。今を生きるのに必死で、僕はそれを見ると堪らなく美しいと思ってしまうんだ。ここで生きる人々を・・・」

    ミカサ「・・・美しいと思うのに地獄なの?」

    ベルトルト「うん。美しいから余計にね・・・変な話なんだけどミカサは迷ったりしない?自分の覚悟が鈍ったりとか・・・」

    ミカサ「別にそういう事はないけど」

    ベルトルト「そっか」

    ミカサ「でも、私が迷わないのは優先順位があるから・・・」

    ベルトルト「優先順位?」

    ミカサ「そう。あなたは色々悩んでいるようだけど私の優先順位で一番高いのがエレンと一緒にいること。これができてれば私は幸せ。だから私は悩まない。あなたの一番は何?」

    ベルトルト「!!僕は・・・」

    そんな質問をされて僕はすぐに自分の大切なものを思い浮かべることができた。

    ベルトルト「・・・僕も大切な守りたい人がいる」
  20. 20 : : 2013/12/30(月) 00:04:41
    二人の仲間だ。僕より小柄な彼女は守ってあげるなんて言うと、馬鹿にするなと怒って蹴ってきそうだ。それに、もう一人の彼は、『おぉお前が俺を守ってくれるのか?それは嬉しいなぁ』なんて兄貴風を吹かせながら豪快に笑い飛ばしそうだ。二人とも僕なんかよりずっと強いけど、それでも僕は彼らを守りたい。使命やここに住んでる人類が滅茶苦茶になっても僕は彼らと共にいたい。そんな風に思う。

    ベルトルト「僕にとって何よりも大事な事は彼らと一緒に居ること」

    ミカサ「そう。じゃあ迷うことは無くなるはず」

    ベルトルト「そうだね。それを踏まえて最後にもう一つ質問があるんだけど・・・もし、エレンと居ることが世界中から恨まれるような結果になるとしても君はエレンと一緒にいる事を選ぶ?」

    ミカサ「もちろん」

    ベルトルト「はは、即答だね。うん、僕も同じだよ。僕も彼らと一緒にいる方を選ぶ」

    ベルトルト「(良かった・・・)」

    ミカサ「そう・・・でも私ならまずそんな状況にならないようにする事に全力を注ぐ」

    ベルトルト「あぁ、もちろんそれは大事だね。それにしても今日君と話せてよかった。なんだか楽になったよ」

    ミカサ「別に私は何もしてない。それにしてもあなたとここまで話すとは思はなかった」
  21. 21 : : 2013/12/30(月) 00:05:40
    ベルトルト「たしかに。僕は君があまり人と話さないから人との会話が苦手なんだと思ってたぐらいだよ」ハハハ

    ミカサ「私は別に話すのが苦手という訳ではない・・・ただ人より単語の数が少ないだけ。会話も立体機動と同じ、無駄は無いようにしてるから」 

    ベルトルト「ははっ、会話と立体機動を同じにするあたりが面白いね」クスクス 

    ミカサ「!!・・・あなたに笑われるのは心外・・・とても心外。大体あなたの方が人と話すのが苦手なのではないか?」ムッ

    ベルトルト「(わぉ、怒った・・・かな?普段クールだからすっごく意外だ。まぁ、ここはとりあえず・・・)」 

    ベルトルト「うーん。僕は話す回数が少ないだけで会話自体は普通にしてるよ?」 

    ミカサ「・・・じゃあ、さっきの馬の話は何?人と話すより馬の方が気が楽なんて・・・さ、さっきは変じゃないと言ったがあれは嘘。あなたを傷つけ無い為に言った。・・・そう、あれこそが人と話すことが苦手な証拠。違わない?」 

    ベルトルト「!!・・・だからそれは馬との意思疎通の為だって言ったでしょ」ムカ

    ミカサ「そう・・・では普段のあなたはどうなの?エレンとアルミンからよく話を聞くけどあなたの話題になったことが無い。きっと人との会話の輪に入れないんだろう」フン 

    ベルトルト「・・・勝手な想像しないでくれるかな。二人と話す事があまりないだけで他のみんなとは普通に話してるよ」ムカムカ 
  22. 22 : : 2013/12/30(月) 00:05:57
    ベルトルト「・・・僕もいろいろ言われたから言うけど、君のさっきの態度は何?教官を睨みつけるなんて・・・あの人怯えてたよ」

    ミカサ「あれはあの人が適当な事言っていると感じたから見つめただけ・・・決して睨んでなどいない」 

    ベルトルト「ほんと?僕にはそうには見えなかったけどね・・・大体女の子の顔して無かった、目が全部黒目になってたよ。何あれ?どうやってやるの?僕にも教えてほしいなぁ」 

    ミカサ「!!!・・・」カチン

    ミカサ「今のは本当に傷ついた・・・大体ああいう場面では男のあなたが何とかすべき。人を女の子どうこう言う前にあなた自身が男らしくない。挙句私に全部話させといて、すべてが終わった後に『ありがとう』だって?そんな事言う人に女の子がどうの言われたくない。そんな風になよなよしてるからろくに名前も覚えてもらえないに違いない」 

    ベルトルト「!!!・・・」カッチーン

    ベルトルト「僕が名前を憶えてもらってないだって?少なくとも間違われた事は一度もないよ。ち、ちょっとはややっこしいって自分でも思ってるけど、僕の名前が難しかったらアルミン・アルレルトだって十分覚えづらいじゃないか!」 

    ミカサ「・・・アルレルトという響きにはどこか博識さが感じられる。そしてアルミンは実際に頭がとても良い。キャラと名前が一致してる、なので覚えられる。それに比べてベルトルトはどう?なにも感じられない・・・」フフン 

    ベルトルト「・・・勝手な事ばかり言って、全部君の主観じゃないか」ムカムカムカ 

    ベルトルト「もう知らないっ」プイッ

    ミカサ「それはこっちの台詞」プイッ
  23. 23 : : 2013/12/30(月) 00:07:00
    10分後ぐらい後
    ベルトルト「(はぁ・・・せっかく楽しかったのになぁ)」ガサゴソ

    ベルトルト「(あれ?僕は楽しいと感じてたのか・・・ここに来てからあんまり感じたことなかったのに・・・)」

    ベルトルト「(それに軽くとは言え口喧嘩までするなんて。ライナーやアニとだって最後にいつやったか覚えてないよ)」

    ベルトルト「(なんだかせっかく仲良くなれたのに・・・そうか、僕は嬉しかったんだよな、僕と同じような判断をしてくれて。世界を敵に回しても自分の大切なものを守るっていう・・・なんだか僕らの考えが受け入れて貰えたような気がして・・・だからかな?柄にもなく軽口を叩いちゃって、あとはお互いに悪口がクリーンヒットしちゃったんだな・・・)」

    ベルトルト「(謝ろ、僕の方から言い出した事だし。・・・なんかタイミングないかな?)」チラッチラッ

    ミカサ「・・・・」グググ

    ベルトルト「あっ、その縛り方だと・・・

    バサッバラバラ

    ミカサ「・・・」

    ベルトルト「・・・」

    ベルトルト「あの・・・僕がやろうか?」

    ミカサ「・・・・・・うん」
  24. 24 : : 2013/12/30(月) 00:07:49
    クルックルッ ギュッギュ

    ベルトルト「・・・よし」ブラーン

    ミカサ「・・・器用ね」

    ベルトルト「ん。まぁね・・・あんまり男らしくないけど得意だよこういうの」

    ミカサ「!!・・・あ、あの」

    ベルトルト「さっきはゴメン。僕が少し言いすぎた」

    ミカサ「・・・えっ?怒ってないの?」

    ベルトルト「僕が?全然。むしろ怒られてるのは僕のほうじゃない?」

    ベルトルト「僕がついつい楽しくなって失礼な事言っちゃったから・・・怒ってないの?」

    ミカサ「ええ、それほどには・・・私も言いすぎたから。その、名前の事とか・・・」

    ベルトルト「あぁ、あれか・・・いいよ自分でも少しややっこしいって思ってるし」

    ミカサ」「でも、あ、アルレルトの方が博識とか言ったから・・・ごめんなさい」

    ベルトルト「大丈夫だって、そういえば僕も女の子の顔してなかったとか余計な事言ったね。すみません」

    ミカサ「あれは仕方ない。小さい時にエレンにも言われた。エレンをいじめる人からエレンを守った時に・・・」

    ベルトルト「(あぁ、きっと相手はボコボコにされたんだろうな・・・)」

    ベルトルト「そうなの?ははは、じゃあお互い様って事で・・・」

    ミカサ「仲直り?」

    ベルトルト「そう・・・なんか照れくさいけどね、仲直りなんて言うのは。喧嘩自体することが無かったから」
  25. 25 : : 2013/12/30(月) 00:08:25
    ミカサ「たしかに・・・私もエレンと最後にいつやったか覚えてない」

    ベルトルト「ミカサもエレンと喧嘩したりするんだ?」

    ミカサ「エレンは見ていて危ない事がたくさんあるからそれで注意をするとよく喧嘩になった。・・・それでアルミンに仲裁をしてもらったこともある」

    ベルトルト「あぁ、アルミンはやっぱりそういう立ち回りなんだね」

    ミカサ「でも、エレンやアルミン以外で喧嘩したのはあなたが初めてかも・・・」

    ベルトルト「えっ?」

    ミカサ「シガンシナにいるときは三人で遊んでばっかりだった。だから・・・初めての喧嘩友達」

    ベルトルト「喧嘩友達?」

    ミカサ「そう。嫌だった?」

    ベルトルト「い、いや全然」ブンブン

    ミカサ「良かった。あなたと話すのは何かこう、楽しいから」

    ベルトルト「うーんと・・・それは光栄です。で合ってる?」

    ミカサ「まぁ、そうじゃない」フフ

    ベルトルト「まぁ、僕も楽しかったし・・・アルレルトの響きに博識さを感じるとかね」クスクス

    ミカサ「あれは、その場の勢いで何も考えずに言ってしまったことだから・・・」

    ベルトルト「あぁ、大丈夫だって。怒ってる訳じゃなくて純粋に面白かったと思って言ってるんだから」

    ミカサ「そう?じゃあ、良かった」ニコ

    ベルトルト「(わわ、こんな顔も出来るんだ。ちょっと可愛いとか思ってしまったよ・・・ジャンもこれにやられたのかな?)」ドキ

    ベルトルト「(でもこの調子で僕と話すの楽しいどうのをみんなに言われたら色々誤解を生みそうだな・・・ここは釘を刺しておかないと)」
  26. 26 : : 2013/12/30(月) 00:09:21
    ベルトルト「あ、あのっ

    ガチャ

    アニ「なんだ、ここの部屋かい」

    ベルトルト「アニ!?どうしたのこんなところに?」

    アニ「どうしたも、あんたらと同じだよ。ここの整理手伝えって言われたから。他にも連れてきてるよ」

    エレン「よぉ」

    ミカサ「エレン。もう着いたの?」

    エレン「おう。こないだ教えてもらったようにやったら、普段よりもよく動けた」

    アニ「でも、私よりは遅かったけどね」ボソッ

    ベルトルト「(ギリギリ聞こえないぐらいの声でそんなこと言って・・・意外に負けず嫌いだよなぁ・・・アニって)」

    ベルトルト「ってあれ?ジャンは?二人よりも前に居たはずだけど・・・まさか草原の道を選んじゃったのかな?」

    アニ「あぁ、街の道を選んでたけど途中で追い抜かしてやったよ。なんでも鐙が壊れて、裸馬に乗ろうと苦労してる横をね)」

    エレン「あぁ、俺が追いついた時には乗るの諦めてもう歩いてたな。あんまり可哀想だから俺の馬にのって、一緒に行くか?って聞いたら怒りやがって。本当にうるせぇから置いてきた」

    ベルトルト「(そりゃ、一番頼りたくない人に馬上からそんな事言われたら怒りたくもなるだろうよ)」

    アニ「それにしても、大体片付いてるじゃないか。あんた達どれくらい前からいたのさ?」

    ミカサ「多分、最低でも30分はやってると思う」

    ベルトルト「そうだね。それぐらいかな」

    アニ「へぇ、あんたもミカサと同じぐらいに着いたのかい。相変わらずなんでも上手くやる・・・」
  27. 27 : : 2013/12/30(月) 00:10:14
    ミカサ「アニ、今日はベルトルトが一番になった。私は二着」

    エレン「えっ、本当かそれ。すげぇなベルトルト!!どうやったんだよ?」バシバシ

    アニ「信じられないね・・・何か汚い手でも使ったんじゃないの?」

    ベルトルト「ちょ、痛いってエレン!力一杯叩かないで。それとアニ、僕は何もしてないからね、ただのまぐれだから」

    ミカサ「そんな事は無い。ベルトルトはとても優秀。私が負けても不思議はない」

    アニ「なんだい、やけにベルトルトを持ち上げるね」

    ミカサ「別に事実を言ったまで」フフン

    エレン「それにしても、負けたにしちゃ随分楽しそうだな。なんかあったのか?」

    ベルトルト「(へぇー、よく見てるんだなミカサのこと)」

    ミカサ「それは・・・負けたのは悔しかったけど他にもっと楽しいことがあったから・・・」

    エレン「楽しいこと?」

    ミカサ「そう。今日はベルトルトとたくさん話した。そしてとても楽しかった」

    アニ・エレン「!?」

    アニ「た、楽しかったって、こいつと?」

    ミカサ「そう。とても・・・とても楽しかった。それに勉強にもなったからこれからもどんどん話したいと思う」ニコニコ

    アニ「・・・・そう」

    ベルトルト「(あー、言っちゃった)」ガックリ
  28. 28 : : 2013/12/30(月) 00:10:42
    ミカサ「そうだ、それに喧嘩もした」

    エレン「喧嘩?お前とベルトルトがか?」

    ミカサ「そう。疑ってるならベルトルトにも聞いてみるといい」

    エレン「・・・」チラッ

    ベルトルト「(うーんと・・・とりあえず笑っとく?)」ニコ

    エレン「チッ・・・」プイッ

    ベルトルト「(えっ!?なんで僕舌打ちされたの?)」ガーン

    アニ「・・・・・」

    ミカサ「すぐに仲直りしたから心配しなくても大丈夫」

    ミカサ「でも、エレンやアルミン以外で初めて喧嘩したから・・・そう、エレンもきっと私やアルミンと同じようにベルトルトと仲良くできると思う」

    エレン「・・・俺が?」

    ミカサ「ええ、それにベルトルトは優秀だから、話して楽しいだけじゃなくて勉強にもなる。きっとエレンの成績も上がるはず」ニコニコ

    エレン「!!へぇーそうかよ」イラ

    ベルトルト「(あっ、エレンの顔色が変わった。これってミカサ脈アリっていうか両思いなんじゃ・・・ってそんなこと考えてる場合じゃなくてっ)」

    ベルトルト「(もうどんどん顔が険しくなって僕の方見てるよ。何?胸ぐらを掴まれたら『服が破けちゃうだろう』って叫べばいいの?それが正解?アニ助けてよ)」アタフタ
    チラ

    アニ「・・・・・・」フフ

    ベルトルト「(あっ、笑った顔可愛い・・・じゃなくてっなんで笑われたの僕)」ガーンガーン

    ミカサ「?四人揃ったんだから早く作業すれば終わるはず」

    アニ「・・・・・・そうだね」
  29. 29 : : 2013/12/30(月) 00:13:35
    アニ「・・・」ゴソゴソ

    ミカサ「・・・・」グッグッ

    ベルトルト「・・・・」ガサガサ

    エレン「・・・・」ガタガタ イライラ

    ベルトルト「(えっ?四人になってから空気が悪くなってすごいやりづらいんだけど・・・)」

    ベルトルト「(というかエレン、今更そんなに動揺するなら普段からもっと態度に出してよ。みんな君は巨人にしか興味が無いって思ってたんだから。あと、ちらちらこっちを見ないで、視線が痛い・・・・・・)」

    ベルトルト「(もうやだ、一回部屋を出よう。それで戻ってくるまで誤解が解けるような説明を考えよう)」キョロキョロ

    アニ「!!」

    アニ「そういえば、私たちが来る前にどんな話をしてたの?とても楽しかったみたいだけど」

    ベルトルト「(ちょっと、なんでそう地雷になりそうなこと言い出すの?)」
  30. 30 : : 2013/12/30(月) 00:14:13
    ミカサ「そう・・・まずは立体機動のコツについて話した。ベルトルトの話は理論づけられていてとても面白かった。なので、エレンも絶対聴くべき」

    エレン「・・・あぁ、そうかよ」イラ

    ベルトルト「・・・・・・・・」

    アニ「他には?」

    ミカサ「次に立体機動と体重の話になった。これも、勉強になる話ではあるけどエレンには聞かれたくない。だから、エレンは聞かなくていい」

    エレン「・・・・そうかよ」イライラ

    ベルトルト「・・・・・」

    ミカサ「そのあとは、ベルトルトが得意な馬術について話した。でも、ベルトルトとエレンでは体格が違いすぎるので、この話を聞いても無駄になるかもしれない」

    エレン「・・・・・・」イライライラ

    ベルトルト「・・・・・」

    アニ「それで?」

    ベルトルト「(もう止めようよ。エレンがジャンみたいな顔つきになってるからさ)」アセアセ

    ミカサ「そのあとは・・・とても大切な話をした。だけどここで簡単に話すことでは無い・・・第一エレンはもう知ってる話だから言わなくてもわかる」

    エレン「!!・・・・・・」イライライラ イラァ

    ベルトルト「(あっ)」

    エレン「・・・わっかんねぇよ!!お前が、そこの腰巾着野郎と何を話したかなんて!!」

    ミカサ「!エレン。何に怒ってるのかは分からないけどそんなことを言ってはダメ。ベルトルトに失礼」

    ミカサ「そんなことをやっているとエレンに友達がいなくなってしまう。早く謝らないと・・・」

    エレン「うるせぇよ!!お前は俺の保護者でもなんでもねぇだろ!!俺に構わず楽しくお喋りでもしてろ!!」ガタッ

    ガチャ バタン!!
  31. 31 : : 2013/12/30(月) 00:14:56
    ミカサ「・・・エレン」シュン

    ベルトルト「(あーあ、やっちゃった)」

    ベルトルト「・・・あのね。追いかけたほうがいいと思うよ、ミカサ」

    ミカサ「で、でも。悪いのはエレンの方だし・・・あなたに失礼なこと言ったから・・・」

    ベルトルト「大丈夫だよ。僕は怒ってないから、それよりエレンを追いかけたら?」

    ミカサ「でも、片付けが終わってない・・・」

    ベルトルト「もう大体終わってるじゃないか。君にとって一番大事なものはなんだっけ?」

    ミカサ「!!・・・ありがとう。行ってくる」タタッ

    ガチャ バタン
  32. 32 : : 2013/12/30(月) 00:16:02
    ベルトルト「・・・エレンもさ、嫉妬とかするんだね」

    アニ「ね」

    アニ「・・・・ふふ」

    ベルトルト「くっ、あっははははは」

    アニ「ふっ、くくくく」プルプル

    ベルトルト「あのエレンがね、ふふっ」

    アニ「あ、あんたは知らないかもしれないけどあいつ対人格闘が終わったあと必ずミカサの所に行くんだからね。怪我してないか確認に」フフ

    ベルトルト「何それ?毎回?すごいなぁ」フフ

    アニ「あぁ、ほんとにね」フフ

    ベルトルト「もしかしてわざと地雷になるようなことミカサに聞いたでしょ」

    アニ「さぁ、なんのことだか」

    ベルトルト「いーや、絶対そうだね。おかげですごい睨まれたんだから僕」

    アニ「いいだろ別に。あんただってエレンに自慢してたんだから自業自得だよ」

    ベルトルト「えっ、僕全然してないよ自慢なんか・・・」

    アニ「へぇ、あんな風に笑っておいてかい」

    ベルトルト「(ん?・・・あの時の事か、でもあれはエレンを・・・)で、でもっ、あれはそんな意味じゃないって」

    アニ「・・・本当?」

    ベルトルト「ほんとだよ!!(僕が本当に大事に想ってるのは・・・」
  33. 33 : : 2013/12/30(月) 00:16:25
    アニ「そうだ、ミカサとした大切な話って何?教えてくれたら本当って事にしてあげる」

    ベルトルト「えっ?う、うん・・・」

    ベルトルト「(えぇー変なことになっちゃったな・・・あれを話すの?なんか恥ずかしいよ)」チラッ

    アニ「(早く話せー)」ジィ

    ベルトルト「(うぅ、すっごい見てる・・・)あ、あのね」

    アニ「うん」

    ベルトルト「ごめん無理(守りたいとか本人に言えないよ、やっぱり)」

    アニ「!?言えないの?」

    ベルトルト「・・・うん」

    アニ「!!・・・へぇ」イラ

    ベルトルト「でも、僕は別にミカ・・・

    アニ「いいよ。ほら早くやるよ」ガサガサ

    ベルトルト「う、うん」
  34. 34 : : 2013/12/30(月) 00:17:02
    ベルトルト「・・・・・」ガサゴソ

    アニ「・・・・・」クルクルギュッギュ イライラ

    ベルトルト「(なんでまた空気が悪くなってるの?さっきみたいに・・・ん?)

    ベルトルト「(さっきと同じって・・・もしかして)」チラッ

    アニ「・・・・」ガタガタ イライラ

    ベルトルト「(エレンと同じだ。えっ?えっ?何これ?僕すごい嬉しいんだけど・・・ど、どうしたらいいのこれ?)」ソワソワ

    ベルトルト「(と、とりあえずなんか話さないと・・・)ねぇアニ?」ドキドキ

    アニ「・・・・何」

    ベルトルト「あのっ、もしかしたらなんだけど・・・アニもエレンと同じ?」ドキドキ

    アニ「は、はぁ?なんだって?」ドキッ

    ベルトルト「だ、だからアニもエレンと同じように・・・その・・・嫉妬とか・・・」

    アニ「!!馬っ鹿じゃないの!ちょっとミカサと仲良くなったからって、じ、自意識過剰になってんじゃないよっ」カアァ

    ベルトルト「そんな!確かにミカサを可愛いと思ったけど・・・別にそんな・・・」

    アニ「!!」ゲシッ

    ベルトルト「いたぁ!!なんで蹴るのっ?」

    アニ「うるさい!!あんたが余計な事してるからだっ。早く作業に戻りな」

    ベルトルト「(えぇーでも、さっきから棚に同じものを入れたり出したりしてアニの全然作業が進んで無いのに・・)」ジィー

    アニ「何見てんの?早くやりなよ。また蹴られたいわけ?」スッ 

    ベルトルト「!!うわっ。そういう訳じゃないから。蹴る構えするのはやめて」ビクッ 

    アニ「・・・ふん」 

    ベルトルト「(危ないよなんでこんなに怒ってるの?)」 
  35. 35 : : 2013/12/30(月) 00:17:20
    そんな事思いながら自分より低い位置にある頭に目を向ける 怒っているのか動揺しているのか耳が真っ赤だった。からかいたいのは山々だけどその小さな背中で『話しかけんな』の雰囲気を出していて中々声をかけられない 

    アニ「よし。こっちの棚は終わったから先に戻ってるから」スタスタ

    ベルトルト「えっ、あ、うん・・・」

    ガチャ バタン

    ベルトルト「あぁ・・・行っちゃった」

    ベルトルト「せっかく二人っきりで話せる機会だったのに・・・世界は残酷か・・・」ハァ

    ベルトルト「(あっ、こんな時はどうすれば良いんだっけ・・・そうだ戦わないと勝てない!!)」キリッ

    ベルトルト「(・・・何と戦うんだろ?・・・とりあえず早く終わらせてアニの後追っかけて話しかけよう)」

    ベルトルト「(ミカサにだってそう言ったし、僕も誤解を解かなきゃ)」

    ベルトルト「よーし」グッ
  36. 36 : : 2013/12/30(月) 00:18:27
    普段話したことの無い彼女と話して僕は楽しくて嬉しかった

    でもそれは別に恋愛感情とかじゃない

    まぁ、勘違いした人はいたけど・・・

    とにかく、彼女と話せて良かった

    僕と同じように世界よりも大切な事がある人と話せて

    僕は彼女ほど強くはないけれど

    アニとライナーと僕の三人で故郷に帰るっていう思いは誰にも・・・誰にも負けないと思う

    だからこの地獄みたいな世界でもう少しだけ頑張ってみよう


  37. 37 : : 2013/12/30(月) 00:30:57
    これでこの話は終わりです。単行本12巻の特典『イルゼの手紙』のEDを見て思いついた話です。

    ただ、途中で色々迷った事もあり全体的にまとまりがないかもしれません。ベルトルトとミカサの話でこの題材は二番・三番煎じだったかもしれません。

    年内、といっても今日と明日だけですがもう一本新しい話を作りたいと考えております。そっちは今回みたいに色々詰め込むのは止めようと考えています。

    もし、この話を読んで頂けたのなら、新しい方も読んで頂けると幸いです。とりあえず、今はこのあたりで失礼させていただきます。

    では、読んでくださりありがとうございました。
  38. 38 : : 2013/12/30(月) 01:02:27
    良かったよ~でも、誤解はどうなったんだ?
  39. 39 : : 2013/12/30(月) 03:05:46
    良かったです!!
  40. 40 : : 2013/12/30(月) 09:41:23
    良かったです(*'▽'*)

    次も期待してます♪
  41. 41 : : 2013/12/30(月) 10:43:32
    レスありがとうございます。

    やっぱり誤解を解くのも気になりますか・・・では、後日談的なものを書きますかね。いつになるかわかりませんけど・・・

    まぁ、今書いてる方が終わったら書いてみたいと思います。色々投げっぱなしになってしまったので。
  42. 42 : : 2013/12/30(月) 11:29:36
    すげぇ、超面白かったです!!
    後日談期待してます!!

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