このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
今のお前は…
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- 1 : 2018/08/30(木) 14:05:29 :
- ※ネタバレ要素あるかもです
それは、エレンをライナー達から奪還し、エレンとヒストリアを安全な場所に隠すために山奥の小屋にいる時の事…
エレン「今のお前はなんつーか…自分を作ってなくていいよ」
ヒストリア「えっ…」
正直、嬉しかった
だって、訓練兵だった頃から気になっていたから…
でも、私は1度ユミルの味方として1度エレンを裏切ったの…自分がライナー達に着いていけばみんなは助かるから…
でも、どんな理由でも裏切っちゃったから…私がエレンに好かれる…エレンを好きになる権利なんてないよね…
エレン「いや、昔のお前はなんか自分を作ってるみたいで正直気持ち悪かった…でも、今のお前はそうじゃない…ただのバカ正直なやつだよ…」
ヒストリア「もう、あの頃の誰にでも優しいクリスタはいないの…私はユミルと約束して、これからは誰かのためじゃなくて…私のために生きることにしたの」
エレン「あぁ、いいんじゃねぇか?」
ヒストリア「…!」
エレン「誰だって自分のために生きてるぜ。誰かの為に死ぬなんてありえねぇよ…まぁ、ジャンならミカサの為に死にそうだがな…」ケラケラ
ヒストリア「なにそれ…」フフフ
エレン「…なんだよ、普通に笑えんじゃねぇか」
ヒストリア「えっ…」
エレン「そっちの方が前のお前の笑顔よりいいぜ」
ヒストリア「あ、ありがとう…」
ガチャ
ミカサ「エレン、薪割り終わった」ドサドサ
アルミン「ミカサ…巨人に掴まれたんだからもっと安静にしてないと!」
ミカサ「身体が訛ってしまう」
エレン「俺が言っても言うこと聞かねぇんだよ…」
ミカサ「エレンを守るためなら…ウンヌンカンヌン」
ヒストリア「…」
そうか…ミカサはエレンが好きで、当然エレンもミカサが好きで…まぁ、そうだよねそうだもんね
それに、私はエレンを好きになる権利なんてないし、何より早くユミルを助けなきゃ…
エレン「っていうか!早く掃除終わらせねぇと…リヴァイ兵長が来ちまう!あ、おいお前ら、靴の泥落として入ってきたか?」
ジャン「は?そんなのするわけねぇだろ」
コニー「エレン、お前はリヴァイ兵長にビビりすぎだ!」
エレン「あの人が掃除関係で怒るとこえぇんだよ!」
ガチャ
エレン「やっべ…!」
リヴァイ「…」
リヴァイ兵長はいきなり机の裏を指で擦り始めた
リヴァイ「全然掃除できてねぇじゃねぇか…時間は充分にあったはずだが…」
エレン「す、すいません!」
リヴァイ「まぁいい…掃除の事は後でしっかりと説教してやる…それよりもエレン、ハンジがお前を実験したくてウズウズしてやがる…早く行け」
エレン「は、はい!」
壁の穴を塞ぐという計画のための実験である。
ハンジ「さぁ、エレン!巨人化して硬質化してみて!」
エレン「は、はい!」ガリッ
エレンは自分の親指を噛んで巨人化した
ヒストリア「これが…エレンの巨人化…」
思えば1度もエレンの巨人を見た事がない気がする…
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- 2 : 2018/08/30(木) 17:30:50 :
- そう考えると私はエレンの事をあまり知らないのかもしれない
なんなら、リヴァイ兵長やハンジ分隊長の方がよっぽどエレンの事を知っているのかもしれない
そう思うと、悔しくて少し切なくなる…
エレン巨人「ウ”オ”ア”ア”ア”ア”ア”!!!!!」
リヴァイ「おいハンジ、奴の様子がおかしくねぇか?さっきと違って今回は10m級の巨人に加えてケツまで出してやがる」
ハンジ「そんなの分かってる…!」
リヴァイ「…?」
ハンジ「まずい…エレンの巨人に対してのコントロールが効かなくなってきている…」
リヴァイ「そろそろ終了…だな」
シュゥゥゥゥゥ
ミカサ「エレン!」
ブチッブチッシュウウウウ
ハンジ「うひょわぁぁぁぁ!顔がすごい事になってるぞぉ!?エレン!よ!…モブリット!この顔をスケッチしてくれ!」
ミカサ「分隊長!あなたに人の心はあるのですか!」
ハンジ「不味いね、エレンがより深く巨人と繋がろうとしてる…なかなか取れn」
ブチン!!
ミカサ「切りました!早く撤退しましょう!」
ハンジ「君も大概だけどねぇ…」
こうして、小2時間に及ぶエレンの硬質化の実験は失敗に終わった
2日後
エレン「うっ…」
アルミン「エレン、起きた?」
エレン「あぁ…」
ハンジ「目を覚ましてくれて良かったよ、危うくミカサに肉をそがれるところだったよ」ハハハ
エレン「すいません…硬質化…できなくて」
ミカサ「エレンは頑張った…そこまで自分を責めないd「あぁ、本当に残念だ」
ミカサ「!」
リヴァイ「てめぇが硬質化できねぇおかげで空気がトブみてぇに不味いな」
ミカサ「でも、エレンは全力を尽くしました…!」
リヴァイ「だからなんだ?それが何かに関係するのか?こいつは今穴を塞げねぇ」
ミカサ「だからって…エレンを責めても…」
リヴァイ「おい…俺は口が悪いだけで責めちゃいねぇよ…不足を確認して現状を嘆くのは大事な事だ」
リヴァイ「この壁の中がドブ臭ぇのは100年以上変わらねぇままだが、それを知ったのは数年前だ」
リヴァイ「なんせ、それをずっと吸ってたからな、これが普通だと思っていた。」
リヴァイ「だがな、壁の外に出て吸った空気は全く違った…そこで初めて自由を感じた。そこで俺は、俺が何を知らないのかを初めて知った」
ハンジ「つ、つまりリヴァイが言いたいのは、今回エレンが硬質化できないことや、連続で巨人化できること、その時間や大きさを知れた」
ハンジ「狼煙を上げた代償はこれからくるけど、知れたことの代償もこれからくる…!って事だよね?リヴァイ」
リヴァイ「…あぁ…助かる…」ジト-
小部屋
ヒストリア「…」
今、本当なら頑張って疲れ切ったエレンのそばにいるべきなのかもしれない…
もしこの部屋にいる事が兵長や分隊長の命令でも
ヒストリア「はぁ…」
ガチャ
ヒストリア「ん…?」
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- 3 : 2018/08/30(木) 23:28:13 :
- エレン「よっ、ヒストリア」
ヒストリア「あ、エレン…」
び、びっくりした…な、なんでエレンが?
エレン「俺とヒストリアは隠れてろって事でこの部屋で過ごすらしい」
ヒストリア「そ、そっか…あ、エレンお疲「ごめんなヒストリア…硬質化…全然できなくて」
ヒストリア「え…?」
エレン「ユミルを助けたいんだろ?」
ヒストリア「……」
助けたい…のかな?どうなんだろう…
ヒストリア「なんかね…最近は助けたいとか、そういうのじゃないの…」
エレン「…?」
ヒストリア「ユミルは私に「胸張って生きろよ!」とか「これからは私も自分のために生きるから、自分のために生きろよ…」って言ってくれた」
ヒストリア「これは…ユミルとの約束で…それに、ユミルとはいつか必ず会えるから…」
エレン「…」
ヒストリア「私がユミルと別れてから、私は自分のために生きるって誓って、みんなに本当の自分を伝えた…でも、みんなはこんな私を快く思ってないんでしょ?エレン…」
エレン「ん〜俺はわからん!だがな、ヒストリア…俺は以前のお前が嫌いだって言ったよな…」
ヒストリア「…」
エレン「そして、今は無理して表情作ったりしてないただのバカ正直な普通の女の子とも言った…」
ヒストリア「エレン…」
エレン「俺は、本当のお前を教えてくれてありがとうって思ってるぜ!」
ヒストリア「ありがとう…」ポロ
こんな私を受け入れてくれる人が…いるなんて思わなかった…
エレン「だ、大丈夫かヒストリア…」フキ
ヒストリア「うん…」グスッ
夕食
私は今日みんなに私の過去を打ち明けようと思った
ヒストリア「私は…」
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- 4 : 2018/09/01(土) 08:08:33 :
- 私はウォール・シーナ北部の小さな牧場で生まれました…
貴族家・レイス卿の領地内にある牧場です。
私は物心着いた時から牧場の手伝いをしていました…
母はいつも本を読んでいて、家事をしている姿は見たことがありません…
とても美しい人でした…
夜になると誰かが馬車で迎えに来て派手に着飾った母を乗せて街に行きました…母には家業とは別の収入があるようでした…
私にとっては、それがいつもの生活でした…
しかし、字の読み書きを覚え、母のマネごとで本を読み出した時…自分が孤独であることを知りました…
どの本にも、親は子供に関心を示し、話しかけたり抱いたり叱ったりするものとして書かれていたのです…
私にはそのどれも経験のないものでした…祖父と祖母とは家業を教わる際に会話をしますが、母とは会話をした事がありませんでした…
また、他の子供は近所を自由に歩いたり、同じ年頃の子供同士で遊んだりしている事に気付きました。
しかし、私にとって子供達は石を投げてくる危ない生き物だったので、言われなくても私が牧場の敷地の外へ出ることはありませんでした。
ある日、私は好奇心から母に抱きついて見ることにしました…
母がどんな顔をするか、興味があったのです。
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ヒストリア「お母さん!」ボフッ
母「…!」ゾワッ
ヒストリア「ぶ…わっ!」ゴロッ
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結果は突き飛ばされただけでしたが、母が私に何かをした事が初めてなので、私にはそれが嬉しかった。
「こいつを殺す勇気が…私にあれば…」
それが母が私に発した、最初の言葉でした…
それ以来、母は家を出て別の場所で暮らし始めました。
ようやく私も理解できました
祖父からも祖母からもこの牧場で働く人、この土地で暮らす人、そのすべての人間から私が生きていることを快く思われていなかったのです…
なぜ、そんな事になったのか…聞ける相手はいません。この土地が私の世界そのものだったのです。
ただ、動物だけは私の友達でした…
一日の殆どが牧場での仕事でしたが、私が孤独を忘れる時間でもありました…
そして5年前の『あの日』…ウォール・マリアが陥落して数日が経った夜
私は初めて父と会いました
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ロッド「初めまして、ヒストリア…私はロッド・レイス…君の父親だ」
その男性はこの土地を治める領主の名前を名乗りました
数年ぶりに見る母の姿は、酷く怯えているようでした」
ロッド「ヒストリア…これから私と暮らすぞ…」
そう言うなり父は私を連れて外の馬車に向かいました
すると―――
母「キャァァァ!!!!」
母が悲鳴を上げた時、私達は多くの大人に囲まれていることに気付きました
「困りますなレイス卿、このような真似はご容赦いただきたい」グイ
「ウォール・マリアが破られたことで不安に襲われましたか…」
母「ひぃぃぃ!」
ヒストリア「お母さ「違う!」
母「私はこの子の母親ではありません!私とはなんの関係もありません!」
ヒストリア「…」
「ほう…それは本当ですかレイス卿?この女も…その子もあなたと関係がないと?」
ロッド「…」ジィ
ヒストリア「…?」
ロッド「あぁ…仕方ない…この2人は私となんの関係もない」
「やはりそうでしたか…」
母「…!?ひィ!?」ドサッ
母「何!?何を!?」
「お前は存在しなかった、屋敷に務めたことも無い、誰もお前のことなど知らない」
母「そんな…旦那様…!話が違うではありませんか!!」
ヒストリア「あ…お母…さん…」ゴッ
母「…お前さえ…お前さえ産まなけ――」ザシュッ
これが母の最後の言葉でした
「…」ガシッ
ヒストリア「…?」
ロッド「待て」
私も殺されそうになる直前で父はある提案をしました
ここよりずっと遠くの地で慎ましく生きるのであれば、見逃してやってはどうかと
ロッド「君の名前は…クリスタ・レンズだ」
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ヒストリア「そして2年開拓地で過ごし、12歳になって調査兵に入団して…」
ヒストリア「みんなと出会った…」
一同「…!」
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- 5 : 2018/09/01(土) 08:09:03 :
- 過去回想は原作と同じなので飛ばしてもらって構わないですw
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- 6 : 2018/09/02(日) 17:53:55 :
- リヴァイ「…」
何故こいつがこんな事をいきなり話し始めたのは知らねぇが…何故こいつが狙われているのか…ハッキリしやがった…
サシャコニー「そ、そんな事があったのか…(んですね…)」オヨヨ
エレン「おい、お前ら…別にヒストリアは同情を求めてるわけじゃねぇんだぞ…」
アルミン「は、はは…」
これで、夕食は解散となった
小部屋
エレン「俺達いつまでここにいさせられるんだろうな…」
ヒストリア「分からない…」
エレン「というかそもそもなんでヒストリアや俺は狙われてんだ…」
ヒストリア「分からない…」
エレン「っ!」ビリッ
ヒストリア「エレン!大丈夫!?」
エレン「あ、あぁ…少し頭痛がしただけだ」
今のは…誰だ!?ヒストリアに似てたが…違う…今のは…!?
ヒストリア「実験で疲れてる…?」
エレン「いや、大丈夫だ」
ヒストリア「あ、そうだエレン…改めて、お疲れ様…」ニコ
エレン「あ、ああ…サンキュー」ズキッ
エレン「…?」
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- 7 : 2018/09/05(水) 22:34:04 :
- ガチャ
リヴァイ「エレン、移動するぞ」
エレン「え、そんな突然…何故ですか…?」
リヴァイ「憲兵に場所がバレたかもしれねぇ…」
ヒストリア「えっ!」
リヴァイ「理由は分からねぇが…エルヴィンがこんな紙を寄越しやがった」ピラ
リヴァイ「あのバカを信じるやつは俺に着いてこい」
夜
コニー「危なかった…もし今夜あそこで寝てたらどうなってたんだ…!?」
ジャン「さぁな…だが、俺らに朝が来るとは限らなかったかもな」
リヴァイ「…」
それにしても、何故俺らの場所がバレた…?
実験で狼煙をあげちまった代償にしても早すぎる…
エレン「兵長…これからどこに向かうんですか…?」
リヴァイ「とりあえずもう1つの小屋に移動するぞ…周囲を警戒しとけ…」
一同「…はい…!」
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- 8 : 2018/09/05(水) 22:35:11 :
- 学校始まって書く時間とかネタが少ない…
ごめんなさい
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- 9 : 2018/09/13(木) 16:20:29 :
- それから歩くこと30分
サシャ「…足音がします!」バッ
リヴァイ「チッバレたか…!」
ザッ ザッ ザッ
ハンジ「待ってくれ、私だよ」
リヴァイ「ハンジ…モブリットも…」
ハンジ「ここからは私達も一緒に向かうよ」
リヴァイ「あぁ…」
ザッ ザッ ザッ
憲兵「馬鹿め…俺らがつけてるのも知らずに…」
1時間後
ガチャッ
サシャ「はぁ〜疲れましたぁ〜」ドサッ
コニー「あぁ…2時間くらい歩いてたもんなぁ」
リヴァイ「おい…さっさと片付けを済ませろ…」
サシャコニ「は、はい!!」
エレン「俺らはまた隠れてろってさ」
ヒストリア「そっか…」
エレン「…?どうした?」
ヒストリア「その…ごめんね、私の家の都合で…みんなに迷惑かけて…」
エレン「…」
ヒストリア「謝っただけじゃ足りないと思うし…もしエレン達に何かあったら…私…」
エレン「なぁヒストリア…どうして自分のせいだって言ってんだ?」
ヒストリア「え?」
エレン「狙われてるのはヒストリアだけじゃない…なんでか知らんが俺まで狙われてるんだ。多分それは俺の巨人化の…巨人を操った能力が関係していると思うんだ。」
ヒストリア「憲兵が…?」
エレン「あぁ…何でかは知らないけどな」
ガチャ
リヴァイ「お前ら、飯だ」
エレン「分かりました!」
ヒストリア「はい!」
俺らにとっての敵にも場所はバレていないと思うし、この付近は人気も少ない。
なのに…何故だろう…緊張感が解けない…
リヴァイ「お前ら…明日からは待機だ。エルヴィンが"あれ”を決行するまでな…」
一同「はい…!」
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