訓練をひたすらサボってたら異世界に召喚された
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- 1 : 2018/07/21(土) 13:00:32 :
- ピヨピヨ…
朝の6時半。本来なら俺は今朝食をミカサとアルミンの真ん中に座って食べているだろう。
だが俺は行かない。面倒だからだ。
そもそも俺が訓練兵になったのはミカサが勝手に強引に入らせたからだし、アルミンだってそうだ。正直な話、俺にはなんの取り柄もないから、せめて体だけは鍛えてほしいらしい。
エレン「初日からこんなんじゃ教官も呆れてくれるだろ。」
そんな淡い期待を旨に俺は瞼を閉じた。
「エレン!起きてよ!なんで訓練に来なかったのさ!」
…煩い。この甲高くて鬱陶しい声からしてアルミンだ。こいつは内弁慶で運動神経が悪いが、頭は良い。訓練兵の中で1番上位だ。
エレン「…るせーなぁ…もうちょっと……寝かせろ…」
目を閉じたまま眠たそうに返事を返す。
アルミン「駄目だよ。教官に呼び出されてるんだよエレンは。早く行かなきゃ」
そう言ってアルミンは俺の服を引っ張ってどうにかして布団から出させようとしてくる。ああもう鬱陶しい。
ズドッ!
思いっきりアルミンの腹に蹴りを入れてやった。余程綺麗に入ったのかアルミンは嗚咽をしながら床にうずくまる。
アルミン「う、うぅ…」
声が耳障りなので頭にも蹴りを入れてやることにした。いわゆる踵落としだ。
ゴンッ!!
アルミンは「ぐぇっ」という声を出して倒れた。やっぱり体は弱いな。何もしてない俺より弱いなんてどういうことなんだ。
アルミン「ぐ、う…ぁ……」
呻きながら立ち上がり、男子寮から出て行こうとする。そこで俺は思い付いた。
徹底的にコイツを痛め付けたら、もう近寄ってこなくなるんじゃないか、と。
思い立ったら即行動だ。俺はベッドから降りて、ドアに手を掛けようとしているアルミンの髪を掴み、思いっきり後ろに引いた。
ドタッ
アルミンが勢い余って倒れる。俺はアルミンの前に立ち馬乗りになってアルミンの顔面を殴った。
ゴッ!
鈍い音が響く。アルミンは泣いているが、俺は気にしない。アルミンをどんどん殴り続けた。
ゴッ。ゴキッ。バキッ。ドカッ。
どんどん俺の拳の振り下ろすスピードは速くなっていく。俺は楽しんでいた。アルミンの苦痛に歪むその表情がどんどん薄くなってゆくのを。
メキッ。バキッ。ドカッ。
最後に思い切りアルミンの顔面に拳を叩き込んでやろうと思ったその時、突然後頭部に衝撃が走る。
グラッ
俺は持たつきながらアルミンから離れて、後ろを見る。
そこには教官が居た。
キース「……状況は把握した。」
教官は周りを見渡すと、そう俺に一言告げる。
キース「貴様は、確かエレン・イェーガーだったな?」
エレン「……そうだけど」
教官は懐に手を突っ込み、黒光りする銃を出す。
キース「ご苦労。死ね」
俺に銃を向け、その言葉を発した瞬間。
視界が真っ暗になった。
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- 2 : 2018/07/21(土) 13:12:39 :
- キース「………」
目の前にある身体の持ち主、エレン・イェーガー訓練兵の頭を撃ち抜いた私は即刻にアルミン・アルレルト訓練兵を治療室に運んだ。顔が複雑骨折しているらしい。
私がイェーガー訓練兵の頭を速攻で撃ち抜いたのは訳がある。訳というか、ルールなのだが。
話を変えるとレベル3〜4の刑務所では囚人が何か違反をすると「NO WARNING(警告なしで射殺)」で発砲される。警告なしというのは、違反した時の警告というのが無いということ。ここは刑務所のルールとほとんどが同じなのだ。少し甘いくらいで。
本来なら警告なしで即発砲なのだが、イェーガー訓練兵は新入り、歳も若いので大目に見て、一言声を掛けて発泡した。
何故イェーガー訓練兵が仲間のアルレルト訓練兵を傷つけたのかは分からないが、きっと彼にも何か事情があったに違いない。
…そう思うしかないのだ。
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