この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
おお、こわい、こわい。 SCP_Foundation
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- 1 : 2018/06/30(土) 20:37:17 :
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+SCP-2006聴取記録
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- 2 : 2018/06/30(土) 21:04:29 :
聞き手:エージェント████
対象:SCP-2006
……これで、9回目の聴取だ。
本当なら、私のような一般のエージェントがここに来る場合、1回で次のエージェントに変えられるはずだ。
…それも全て、このSCP-2006 おおこわいこわいが私を指定しているから。
私を呼ぶ彼は恐れられていた。
世界の何者よりも、その存在を恐怖されていたのだ。
……可哀想だとはあまり思わない。彼は恐れられて然りの存在だから。
「入りますよ。」
そう言って彼のいる部屋に入ってみると、彼は…いや、あれは部屋の片隅で蹲っていた。
今は…多分、ひとりでに動く扇風機だろうか?
この部屋に扇風機は無い。きっと、あれが彼なのだろう。
そんなことを思っていると、小さな扇風機が動きだし、コードが抜けても動き続ける扇風機に私は襲われる。
「きゃ、きゃあ!!
お願い、死にたくないの!だれか、だれか助けてー!」
そう言って驚いたように見せると、扇風機は止まり、ロボット・モンスターの姿に形を変える。
「はは、やぁ!僕だよ。どう?こわかった?
今回もなかなかこわかったと思うんだよね。今までで2、3番目くらいかな?」
……彼は満足げに話しているが、実のところ、最近彼の『怖い』のレベルは低下しつつあるのだ。
財団としては全く悪いことはないのだが、彼としてはそれをどう思っているのだろうか。
「あぁ…心臓が止まるかと思った。
やっぱり君はすごいよ、SCP-2006。」
彼を更に満足させるように、そう言う。
「へへ、そうでしょ?僕もそう思うんだ。」
…とても、単純だ。
こんな、子供のような存在に私たちは脅かされているのかと思うと、それもどうなのかという感情が浮かぶ。
「その…聞きたいことがあるの。いい?」
「もちろん!何でも聞くといいよ。」
「えっと……なんで、私なの?」
聞いていい質問なのかがわからず、少しおどおどとしながら質問する。
「僕が、君を脅かしたいから呼んでるんだよ?」
「…そっか、そうだよね。じゃないと私なんて呼ばないか…」
「がおー!」
SCP-2006は、再び私を驚かす。
それによろめいとみせると、彼はまた喜んだ様子になる。
「あんまり驚かされてばっかりだと、驚きすぎで死んじゃうよ。」
「それは困るよ、僕は今君を驚かすのが一番楽しいんだ!」
「…ふふ、じゃあ、私が死んじゃわない程度に驚かしてもらおうかな。」
「うん、いいよ。」
…彼が驚かすのをやめる、ということに快諾するのは、これが初めてだ。
これに、私は少し動揺してしまった。
何気ない一言で、今まで彼がとってきたスタンスを崩してしまったからだ。
それは、もしかするとそのまま世界終焉シナリオに繋がる可能性もある程のことだから。
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- 3 : 2018/06/30(土) 21:46:59 :
もう一度言う。
彼は、世界で最も恐ろしい存在だ。オブジェクトクラスは、最高のKeter。
どんなものにでも姿を変える力を持っている。
そう、どんなものにでも、だ。
彼の可能性に、限界はない。
そこを財団は恐れているのだ。
まるで知能の低いこの姿をしているが、もし彼がここから出てしまったら、彼は世界中で人々が恐れるものを知るだろう。
核に、戦争に、KeterのSCP…それに収まらず、宇宙を滅亡させる域にたどり着くかもしれない。
…生に執着はない。だけど、こんな異常な力を持ったものに殺されるとなると、私も死に恐怖を持つ。
「その…いいよ、SCP-2006。君は、私を驚かしたいんでしょう?
なら、好きなように驚かすといいじゃない。今までそうしてきたじゃない?」
「死んじゃったら、君を驚かせれないじゃない?」
「……そっか。
…その、私のことは、どう思ってるの?」
「最近だと、一番気に入ってるよ。じゃないと、君をここに呼ばないもの!」
気に入ってる…か。誰かにそう言われるのは久しぶりだ。
だけど、その相手がSCPだなんて、思ってもみなかったな。
……まぁ、でも…嫌ではない、気がする。
「少し、話さない?君のことや、外のことに興味があるんだ。
教えてくれない?」
「…ごめんね、外のことについては話せない。
前もそう、話したでしょ?…でも、私のことならいくらでも話してあげる。」
「えー…わかった。まぁ、それでもいいんだ。
君達は、歳を取るんだっけ?」
「うん、私は今、22歳よ。」
「22…それって、多いの?少ないの?」
「全体的に見ると少ない方なんじゃないかな。」
「そっかぁ…歳って、いくつまであるの?」
「決まってはいないけど、寿命、っていうので死んだらそれで終わり。
もう、歳は取らないんだよ。」
「へぇ〜、君は、死ぬのは怖い?」
……核心的なことを突く質問だ。
返答を間違えれば、これも世界終焉シナリオだ。
「…私は、怖くはないかな。」
「ふーん…じゃあ、誰かを殺す意味って別にないね。」
「うん、私もそう思うかな。」
…これは、かなりの収穫だと思う。
私程度にできることで言えば、もう一生分のことを終えたと言ってもいいはずだ。
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