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ー下心ー

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  1. 1 : : 2018/06/15(金) 00:26:48
    どろどろ系です


    エレンが最低野郎です

    エレミカ、アルアニなのに

    エレアニもあります。



    どろどろ系ですので苦手な方はバクプリ
  2. 2 : : 2018/06/16(土) 23:40:14
    『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!』








    いつの間にかケータイに入っていたメッセージの送り主に驚いたのはほんの数分前。柄でもないのに、私は思わず固まってしまった。










    アニ

    俺とホテルに泊まってくんねぇか?












    送り主は私の元同僚のエレン・イェーガーだった。





    メッセージの続きはこうだ。









    実は、今度潜入操作をすることになってさ。
    潜入先がカップルでいくようなパーティーでミカサ(奥さん)を危ない目には会わせたくねぇし‥‥


    無理か?








    私の前の仕事は実は警察官だ。警察官としての地位も高い方だったんだけど、一年前、エレンが犯人に撃たれそうになって、とっさに庇ってしまって










    弾は私の足に当たった。それも数発。お陰様で私は二度と警察官として仕事ができないような体になった。




    もちろん、私はエレンが好きだから庇ったのだ。だからその事については恨んじゃいない。


    “その事については”



    だけど、私が警察官をやめた後、こいつは交通課のミカサって女と結婚した。



    別に、誰と結婚しようがあいつの勝手だ。誰かさんの足をダメにした直後に幸せになろうとしたことだって怒ってはいない。




    だけど、もう他の女の物になったくせに(もちろん下心なんてないだろうが)私とホテルに泊まるのは裏切り行為なんじゃないの?



    あぁ、まぁいいか。













    いいよ














    短すぎる返事をして、私はその後すぐ

    眠りについた。
  3. 3 : : 2018/06/17(日) 00:32:49
    当日、私は久々にエレンに会った。
    一年だけで彼の容姿は大分変わっていて長すぎる黒髪を後ろでまとめていた。髭まで生えていて、少々違和感を感じる。











    『‥‥‥‥‥‥久しぶり』






    『おう。元気してたか?』








    『お陰様でね』









    『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥』








    冗談のはずだったのだが、馬鹿真面目な彼は本気にしてしまったらしい。分かりやすいくらい表情が暗くなってしまった。







    『‥‥冗談だって。そんな暗い顔しないでよ』







    『お前の冗談は冗談に聞こえねぇんだよ』





    エレンはなんとも言えない顔をした。




    良いところも悪いところも全く変わっていない。そんなエレンを見て、少しだけ、ほんとに少しだけ、昔の恋心に小さな日が火がついた気がした。






    『ほら、行くぞ』








    そう言うと、エレンは私の手を握った。







    一瞬、全身の毛穴が栗立つような感覚になった。




    『‥‥‥‥‥‥‥‥』




    だが、その感覚は一瞬で消え失せた。




    ‥‥‥‥‥‥寒かったのかな‥‥‥‥



    私は、そのことは気にせずエレンの手にひかれてホテルの部屋まで行った。







    『はぁ‥‥!?‥‥‥‥あんたと私、同じ部屋なのかい?』





    『いや、だってカップルって体で来てんだから』



    『怪しまれたらアウトだろ?』



    そう言って、エレンはニカッと歯を見せて笑う。




    『‥‥‥‥で、ターゲットは?』


    ふてくされたような顔をしてエレンを見た。



    『ターゲット言うな』


    すかさずエレンが突っ込みを入れる。




    『‥‥舟窪俊道さん。31歳。奥さんの舟窪恵梨さんを殺害した疑いがある。証拠を集めるために今こうやっておってる』



    封筒の中から写真を私に見せた。




    『‥‥‥‥‥‥パットしない男だねぇ‥‥‥‥!』



    『‥‥‥‥‥‥奥さん、死因は?』



    『拳銃だ。‥‥たぶん。額がぶち抜かれていた』



    『そっか‥‥‥‥。‥‥‥‥え?多分ってなんだい?』



    『‥‥‥‥実は‥‥、弾が見つかってないんだ。見つかったのは少量の焦げた火薬くらいで‥‥』



    『‥‥‥‥‥‥もしかしたら、撃った後弾丸は海に捨てたかもね』




    『だな』





    その後、会話はすっかり途切れてしまったのでアニは、エレンの今の階級を聞くことにした。





    『‥‥今は、警視だ』




    『‥‥‥‥え。あ、そう。‥‥‥‥大分上がったじゃん。おめでとう』




    昔のエレンの階級は巡査長で、アニは持ち前の頭と体力でグングンと出世していって警部にまでなった。



    今のエレンの階級のひとつ下だ。





    『うん。俺ほんと嬉しいよ』




  4. 4 : : 2018/06/17(日) 01:05:53
    夜、一回のフロアでパーティーが始まった。


    アニとエレンはドレスを来て舟窪さんを追った。





    『お前、ほんとそのドレス似合ってるな』




    『‥‥‥‥元がいいからね』




    素っ気なく返事をし、目の前の犯人候補さんを追う。




    その時だった。






    『あっ!エレンさん!』



    全く知らない女性がエレンに近づいてきた。




    『え‥‥‥‥?』



    『え?‥‥‥‥あなた、この前私を通り魔から助けてくれたよね‥‥?』



    『あ、あのときは警察の人たちみんな忙しそうだったから‥‥覚えて______』





    女性の声のボリュームはそれほど大きくなかったが、近くにいた舟窪さんには聞こえてしまったようだ。


    警察というワードが聞こえた瞬間、舟窪さんは逃げるように走り出した。




    『まてっ!!!!』



    エレンがすかさず追い掛ける。




    私も走ろうとしたが、足が上手く動かない。やがて、足はもつれてみっともなく転けてしまった。




    『‥‥‥‥っぅ‥‥‥‥』



    胸の中は悔しさで一杯だった。








    少し立つと舟窪さんは戻ってきた。まだエレンから逃げているのだろうか。




    『‥‥‥‥!』



    不意に彼の衣服の膨らみに目がついた。左胸の懐が妙に分厚い。




    『っ!まさかっ』







    『まてぇぇえ!!!!』



    エレンはその事は知らずに、昔のように馬鹿みたいに追いかけ回していた。




    『待ちな!エレン!!そいつは』




    舟窪さんは回りの人の中でも一際小さいアニに目をやった。



    ‥‥!私を見てる‥‥

    もしかして‥‥‥‥‥‥‥‥




    『うっ!!』



    舟窪さんは私を人質にしたのだ。





    『くっ、来るなよ!!!来たらこいつを‥‥』



    そう言うと懐から拳銃を出した。



    『‥‥‥‥!』



    アニは今、自分が置かれている状況が非常にラッキーなことに気がついた。左手はアニに抱きつく形で右手には拳銃。







    だが、拳銃のセイフティは解除されていなかった。


    彼が持っている拳銃は両手じゃないとセイフティが解除できないのだ。





    『‥‥‥‥‥‥マヌケだね』






    そう言うと私は男の左腕からスルッと抜け、金的をかました。





    『撃つ前は、セイフティが解除されてるかどうか確認するのが常識だろ』



    決め台詞をカッコよく言った。まぁ、当の本人は気絶しているが。




    アニは昔の癖でリロードしそうになってしまった。その時、見つけたのだ。



    血にまみれた使用済みの弾丸を。





    『!、エレン見つけたよ!証拠』





    『まじか!!!』





    その後、ルミノール反応はやっぱり出て、ついていた血は奥さんのものと一致した。




    こうして舟窪さんの奥さんを殺した事件は幕を閉じた。
  5. 5 : : 2018/06/17(日) 01:30:00
    『じゃあ、私帰るよ』





    私は、早々と支度をしてエレンに声をかけた。





    『え?何でだよ。あと2日あんだぞ?泊まってけよ』





    『これ以上、あんたといると私‥‥おかしなことしちゃいそうだから』






    『‥‥‥‥アニ、‥‥』




    エレンは走って、アニに抱きついた。




    『‥‥‥‥‥‥っっ、いいんだぞ。‥‥しても』






    『でも、あんた‥‥‥‥家族もいるのに‥‥‥‥ほんとにっ‥‥いいの??』




    涙を透き通った頬に流しながら、アニはそう言った。




    『‥‥‥‥‥‥どうせ一夜で終わる、ただの夢だ。いいだろ?』





    『っっ‥‥‥‥わ、たし‥‥‥‥シャワー浴びてくる。』




    『あぁ』







    ___________





    『僕の拳銃って‥‥処分ですか‥‥?』


    舟窪が恐る恐る聞いた。



    『当たり前だろ。』




    『‥‥‥‥はぁ』




    『ってオイ。拳銃どこ行った??』




    『は?俺は弾しかもらってな‥‥』




    『嘘つけ!!どっか落ちてるだろ!!車探してこい!!』




    『はっ、はい!!』






    _____________






    アニがシャワーをすませた後、バスローブを着て、エレンのベッドに座った。



    『ねぇ、‥‥あんたさ、‥‥出世‥‥したいと思う?』



    『‥‥ん、まぁな。給料も増えるしそしたら‥‥っ』



    『いいよ‥‥‥‥。どうせ奥さんが妊娠したかなんかで欲求不満だっただけでしょ』




    『‥‥‥‥‥‥あんたなら、出世できるよ』




    エレンが照れを隠すように笑った。




    『‥ふ‥‥‥‥エレン、おめでとう』




    『へ?』






    『二階級特進だよ』











    純白に、黒々とした赤が広がっていき、エレンはついに息を吸うことをやめてしまった。







    『エレン、まさか私に下心を持つなんて‥‥思わなかったよ』




    『一体‥‥いつから‥‥‥‥‥‥』





    『いや、でもそれなら私も一緒か‥‥』





    『心の下のその下で‥‥いつも思ってた』





    『なんで、かばっちゃったんだろって』





    『あんたのせいで私はこんな目に会ったのに、なんであんたは幸せになるのって』




    『裏切られたって』





    『‥‥‥‥‥‥まぁ、脱け殻に話しかけても意味ないよね』
































    『Good night,corps』





            (おやすみ、死体)














    そして、アニは冷たくなった屍の額に口付けを落とした。



    真っ赤に染まった彼女の唇は淫靡で妖艶だった。
  6. 6 : : 2018/06/17(日) 01:34:22
    それから五年。










    『僕と結婚してくれないか‥‥‥‥アニ』




    アニは仕事場の同僚兼、恋人のアルミンにプロポーズされた。





    『いいよ。‥‥‥‥だけど』















































    『私を裏切ったら地の果てまで追い詰めて‥‥‥‥痛い目にあわせるからね』




    『‥‥‥‥アニ、君はあまり昔のことを話したがらないけど‥‥‥‥よかったら』




    アニはアルミンの唇に指を押し付けた。





    『‥‥‥‥‥‥‥‥A secret makes a woman woman』








    そう言って、アニは冷たく笑った。



    だが、アルミンにはただの美しい女性のカッコいい言葉にしか聞こえなかったようだ。







    アルミンはいつか、この言葉の意味を知る日が来るのだろうか。


    今はただ、その機会が来ないことを祈るしかない。
  7. 7 : : 2018/06/17(日) 01:36:06
    おわり!

    ただの自己満です!



    ぐっないこーぷすは
    グッドアイデアだと思いました(笑)

    はい、ただただカッコいいアニちゃんをかきたかっただけですスマソン

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著者情報
M3KJcb2NwcCWn51

美紗

@M3KJcb2NwcCWn51

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