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お葉なみピクニック
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- 1 : 2018/04/24(火) 09:19:41 :
- こんにちは蒼電と言います。
バンドリガールズバンドパーティー(通称ガルパ)のssです。
……ガルパのss増えませんかね??
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- 2 : 2018/04/24(火) 09:22:26 :
- 「桜、散ってしまいましたね」
パスパレとしての活動やお互いの予定などで中々共通の休みが取れず、今日ようやく休みが取れた麻弥とイヴはイヴの希望で花見に来ていた。
早めに予定を立てて、お弁当を持ち寄って準備は万全だった。
しかし今年の桜は例年よりも開花が早く、花が葉に変わるのも早かった。さらに先日の強風で桜の花はほとんど散ってしまい淡い桃色の景色はもう見れなくなってしまっていた。
「ごめんなさいマヤさん、私がお願いしてお花見にしていただいたのにこんな……」
申し訳なさで頭を下げるイヴに麻弥は慌てながら止める。
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- 3 : 2018/04/24(火) 09:23:55 :
「そんな気にしないでください!自分も天気予報とか色々見なかったのも悪かったですし!」
「それは私もですしやっぱりお花見をしたいといった私が……」
肩を落として落ち込むイヴに麻弥はゆっくり諭す。
「落ち込まないでください、しょうがない事なんですから」
顔を上げるイヴに麻弥は綺麗に緑に染まった桜の木を示して続ける。
「それにジブン、葉桜って結構好きなんですよね。桜は凄く華やかだけどジブンにはなんだか合わなくて。けれど葉桜や新芽とかって少し地味かもしれないですけど爽やかな春らしさがあって、ジブンにはとても素敵に見えるんですよ」
イヴの前に進んで振り返る
「だからジブンは、イヴさんと今日こうして過ごせるのがとっても楽しいです!」
すっかり緑になった桜並木の景色と目の前の麻弥がよく合わさっていてイヴの心が揺れる。
「ま、マヤさん……」
顔を赤らめるイヴに麻弥もつられて赤くなる
「急に照れられるとこっちが恥ずかしくなるじゃないですか……」
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- 4 : 2018/04/24(火) 09:25:19 :
- 桜より赤い二人は少し間を空けてからイヴの方から提案が出る。
「あの、マヤさん。お弁当ですが河原で食べませんか?」
頬の熱を落ち着かせて答える。
「河原ですか?」
「川のそばなら対岸に桜並木が見れて見晴らしもいいですし、日が当たって草木も綺麗に見れると思うんです!」
元気に提案するイヴに麻弥も賛成して河原へ向かう。
今日の風は心地よく、強くないため河原でも荷物が飛ぶ心配をしなくて済みそうだし何よりイヴがこうして元気を取り戻してくれたことが麻弥にとって嬉しかった。
イヴとしてもそう言ってくれた麻弥のおかげで救われていた。
手を繋ごうとイヴが麻弥に寄せた手は結局空振りに終わり、隣を歩くまでとなる。
麻弥はその様子に薄々気づいていたが握る勇気がなく知らぬふりで風景を見るだけだった。
川に向かって数十分、河原に無事に着いた二人は適当な場所を見つけてレジャーシートを広げる。荷物を対角線に置いてから靴を脱いでシートの上に座る。
手首の腕時計が差す時間は正午過ぎ、頃合いだったのでそのままお弁当を広げる。
イヴのメインはおにぎりで麻弥のメインはサンドウィッチ。これは事前に二人で分け合う予定で決めていたものだった。
「いただきます」
二人で声をそろえてから食べ始める。
麻弥のサンドウィッチは卵とツナマヨ、サラダチキンがメインで野菜はスティックとして用意されていた。
イヴのおにぎりも鮭、昆布の他に塩むすびと焼きおにぎりのバリエーションとなっている
二人のそれぞれのサイズは少し小さめにしてあった。これは二人で決めたことで、いろんな味が楽しめるように一つ一つの大きさは小さめにしようと。
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- 5 : 2018/04/24(火) 09:26:55 :
「マヤさんのサンドウィッチとっても美味しいですね、野菜スティックもディップがすごい合っていて美味しいです」
「イヴさんのおにぎりも美味しいですよ。この塩結びなんか塩加減が絶妙ですし紅茶も香りがとってもいいです」
お互いにそれぞれ褒め合う。お互いに尊重する性格故、この掛け合いはよくある。紅茶はイヴが家から淹れてきた自前のもので後の食後用だったがお昼ごはんにもよく合う。
川と草木が映える新緑の風景もおかずにして、ピクニックに近い花見を楽しむ。風は気温より少し涼しめで心地よく、気温は春先に比べれば少し暖かく快適だった。
快晴の空の下、柔らかい日差しに包まれながら春らしい気候で食べる食事は日ごろの疲れを癒すには絶好のものだった。
「ごちそうさまでした」
食べ終わった後は二人で近況を話した。
パスパレで何度もあっているが学校が違ったり、お互いに他の面でもまた色々と活動していたりもするので話す事は多い。
ゆっくりと落ち着いて会話する時間を最近は無かったため沈黙という沈黙はなくまったりした時間が流れる。
「あ、マヤさん」
暫く話して話題が変わる時、そろそろ小腹がすきませんかとイヴはタッパーを出す。
タッパーの中身はジンジャークッキー、イヴの好物だ。
これもまた二人で決めたことでお互いの好物を持ち寄ることにしていた。
麻弥はお昼に出た野菜スティック、イヴは今出したジンジャークッキーである。
「美味しそうですね!食べましょう」
以前にも麻弥はイヴのジンジャークッキーを食べた事がありその
時とても美味しかった為に麻弥の声は期待が見える。
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- 6 : 2018/04/24(火) 09:28:00 :
「はい、今開けますね!」
イヴの方は勿論彼女の好物の為、そして麻弥の楽しそうな声の為嬉しいものだった。
タッパーの蓋を開けて食べ始める。生姜の風味と蜂蜜の甘さが美味しく紅茶にもよく合う。用意した紅茶はジンジャークッキーに合うようにつぐみと考えた特性のブレンドものだった。
話も弾み、二人の時間はゆっくり流れる。河原にはちらほらだが
同じようにレジャーシートを広げている人たちがいたりして親子連れが遊んでいたりもした。
その光景を眺めたりしながらタッパーのクッキーは減っていく。
クッキーが全部なくなってもう暫くたった頃、示し合わせたように片づけを始めた。
レジャーシートを閉じる時に端と端を持って畳む。ふと手が触れてそれが嬉しくて恥ずかしくて照れ笑いで顔を合わせる。
片づけを終えて帰宅する為駅へ。
今日の事を振り返ったりして少しだけ寄り道して行きと違う道へ。もう少しだけゆっくりしませんかと麻弥の提案にイヴが乗った結果だった。
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- 7 : 2018/04/24(火) 09:29:13 :
「あ──。」
寄り道した先、細い小道を抜けた所に見つけたのはまだ花がほとんど散ってなく綺麗に残っていた桜の木だった。
「ここは建物に囲まれて風も強く通らないですし日も当たらないから開花が少しゆっくりだったんでしょうね」
遠回りしたら思わぬ幸運に出会う。イヴは桜を見れたことが嬉しくてはしゃぎながら言う。
「マヤさん、一緒に写真撮りましょう!」
夕暮れ、少し赤い桃色の花を背景にパシャリ。寄せ合った肩を少しだけ意識して一枚撮る。
「この写真送りますね」
イヴは麻弥に撮った写真を送信する
「ありがとうございます。お、綺麗に撮れてますね」
届いた写真を確認して綺麗に写っていることに感想を伝える。
イヴは以前彩から自撮りについて聞いていた為その結果が発揮されたものと言える。
「来年もまたお花見したいですね」
「もちろんです!是非とも行きましょう」
結局、夜まで桜をみた二人は予定よりも遅い帰宅となった。
駅の方は電灯が幾つも点いて照らす道を歩く。
今度は手をつないで。
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- 8 : 2018/04/24(火) 09:30:49 :
- ありがとうございました!
チラッとまた立ち寄って読んでいただけたら幸いです。
……バンドリのssが増えますように。
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