このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
嘘吐き【エレミカ】
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- 1 : 2018/04/10(火) 01:15:33 :
- 前作から大分時間が経ってしまいました…
今作は亀更新になるかもです。
注意事項を読んだ上でご覧ください。
注意事項
・エレミカ←(ジャン、リヴァイ、アルミン)要素を含みます。苦手な方はご遠慮ください。
・綺麗なエレミカは無く、キャラ崩壊が多々見られます。
・不快な気分になるようなこと、または迷惑行為などはご遠慮ください。
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- 2 : 2018/04/10(火) 01:45:28 :
俺は生まれた時からずっと、嘘をついている。
調査兵団に入団してから一ヶ月が経過し、皆は落ち着きを取り戻していた。
俺たち元104期訓練兵たちは新生リヴァイに配属され、今は平穏な日常を過ごしていた。
アルミン「しかし、エレンが自由に出入りできるようになって良かったよ」
エレン「ああ」
俺の巨人化の力は未だに健在だが、リヴァイ兵長が上へ取り入ってくれたため、今は大抵の自由が利く。
ミカサ「今回ばかりは兵長に感謝すべきだ」
アルミン「そうだね」
エレン「………」
アルミン「エレン?」
エレン「………」
ミカサ「そ、そんなに顔を見られると、困る」
エレン「…は?何勘違いしてんだ、とっとと行くぞ」
ミカサ「う、うん…」
アルミン「何もあんな言い方しなくてもいいのにね…」
ミカサ「エレン…」
三人が向かった先は食堂。
そこでは調査兵団が各々昼食を取っていた。
アルミン「この席に座ろうか」
ミカサ「エレンは私の隣」
エレン「そんなん別にどうだっていいだろ」
ミカサ「でもエレンは私がいないとすぐ…」
エレン「…ミカサ、お前まだそんなこと言ってんのか?」
ミカサ「…!ごめんなさい…」
アルミン(……?)
ジャン「前失礼するぞ」
エレン「ジャン、何で俺らの前で飯食う必要があるんだよ」
ジャン「たまたまここが空いてただけだ、勘違いすんじゃねぇよ死に急ぎ野郎が」
エレン「テメェ、この…」
ミカサ「二人とも、食事中は静かに」
ジャン「おう、すまねぇなミカサ」
ミカサ「ジャンはもっと落ち着きを持てる人のはずだから」
ジャン「そ、そうか?」
エレン「………」
最近、苛立ちを覚えることが多い。
その理由がこれだ。
ジャン
明らかにミカサに好意を寄せているにも関わらず、それを認めようとはしない。
しかしアプローチは欠かさず、ミカサも少なからずジャンに好感を持ってきている。
ジャン「それよりミカサ、この後大丈夫か?」
ミカサ「私は平気」
アルミン「え?この後って?」
ミカサ「この後、ジャンと街へ買い物に行く約束をしていたから」
アルミン「え!?今日は三人でどこか行こうと思ってたのに…」
ミカサ「ごめんなさい、ジャンが先約だったから…」
ジャン「というわけですまねぇな、お前らのミカサは借りてくぜ」
エレン「二人でか?」
ミカサ「え?」
エレン「二人で行くのか?」
ミカサ「う、うん…」
エレン「…そうか」
ミカサ「?」
用が済んだのか、ジャンはそのまま去って行く。
アルミン「しかし、まさかミカサが先約でもエレンよりジャンを選ぶなんて」
ミカサ「?先に約束した方が優先に決まってる」
アルミン「そうかなぁ…」
エレン「ミカサ」
そのままミカサの腕を引っ張っていく。
エレン「ちょっと来い」
ミカサ「エレン!?どこに…」
エレン「いいから」
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- 3 : 2018/04/10(火) 15:30:25 :
- 期待です
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- 4 : 2018/04/10(火) 18:32:56 :
- やばいなんか胸が締め付けられる感じします(ノ_<)
期待です╰(*´︶`*)╯
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- 6 : 2018/04/10(火) 23:46:31 :
私服姿で二人きり、ミカサとジャンが買い物をしている後ろ、二人組がバレないようにそれを尾けていく。
アルミン「まさかエレンが尾けていこうなんて言い出すなんてね」
エレン「別にいいだろ、それに俺たち二人だけで出掛けたらミカサが拗ねるだろ」
アルミン「今回に限ってそれは無いと思うけど…」
エレン「アルミンだって知ってるだろ、ミカサは俺のことになるとすぐ感情的になるんだ」
アルミン「まぁそうだけど…」
アルミン(最近のミカサはそういうことが少なくなってきている…)
今までのミカサは、僕やエレンとしか極力行動せず、他の人を避けてきた。
しかし、今やミカサは様々な人と積極的に関わろうとしているように見える。
あんなにも怒りを向けていたリヴァイ兵長にさえ、自分から訓練指導を求めるほどだ。
アルミン(本格的にエレン離れが始まってるのかも…)
アルミン「あ、それより…」
エレン「ん?」
アルミン「昼食の時にいきなりミカサを連れて食堂を出て行ったけど、何してたの?」
エレン「ああ……お前には関係ないことだよ」
アルミン「いいじゃないか、幼馴染なんだしさ」
エレン「……ちょっと、面白いものが見たくなってさ」
アルミン「面白いもの?」
エレン「ああ、いずれ見れるはずだ」
アルミン「え…」
そう言ってエレンは僅かに微笑んだ。
今まで見たこともない幼馴染の笑みに、なんとも言えない恐怖を感じた。
アルミン(もしかして、この尾行と何か関係が…)
その頃、ミカサとジャンは二人の尾行には気づかないまま、平然と買い物を続けていた。
ジャン「なぁ、ちょっとそこの店寄って行かないか?」
ミカサ「でも今日はマフラーを見に行くだけって…」
ジャン「この店の紅茶オススメなんだ、少しだけだからさ!」
ミカサ「……分かった」
そうして二人は店の中へと入っていく。
アルミン「あそこは兵長もお気に入りの茶葉を扱う店だ」
エレン「とりあえず出てくるまで待ってるか」
アルミン「え?追わなくていいの?」
エレン「狭い店だしな」
アルミン「確かに、あの中に入ったらすぐにバレるかも…」
アルミン(それにしてもやけに落ち着いてるな、やっぱり昼食の時に何かあったのかな…)
ジャンは事前にリヴァイ兵長に教えてもらった紅茶を店員に二つ注文し、ミカサのついている席にそれを持っていく。
ジャン「ここは茶葉だけじゃなくてこうして紅茶も飲めるんだ」
ミカサ「いい香り…」
ジャン「だろ?」
渡された紅茶を口に運ぶ。
ミカサ「…!美味しい」
ジャン「だろだろ?良かったらまた…」
ミカサ「これ、エレンにも教えてあげたいな」
ジャン「っ!」
ジャン(こんな時でもアイツのことばかりなんだな…)
ミカサ「ジャン?」
ジャン「…あ、ん?」
ミカサ「何か私に言った?」
ジャン「あー…そうそう、マフラーのことなんだけどさ」
ミカサ「うん」
ジャン「何で急にマフラーを見に行ってもいいって言ったんだ?」
ミカサ「!」
ジャン「この前までは絶対に嫌だって言って、服だけを見るって条件なら一緒に行ってくれるって言ってたのによ」
ミカサ「ほ、他のマフラーもどんなものがあるのか気になって、少しだけ…少しだけだけど」
ジャン「そうだったのか」
ミカサ「うん…」
ミカサ(ごめんなさい、ジャン…)
私には、エレンが必要だから。
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- 7 : 2018/04/11(水) 03:06:42 :
ジャン「それじゃあ行くか」
ミカサ「うん」
二人が店から出てきたのを確認し、先程のようにまた後をつける。
アルミン「行こう、エレン」
エレン「お前もなんかやる気満々だな」
アルミン「それはまぁ僕も幼馴染として、友達の恋愛事情には興味あるよ」
エレン「そうか」
アルミン(それに、エレンの言う面白いものが何かも気になるし…)
目的の店に着くまで、ジャンはミカサに話の話題を何度も振ろうとするも、一度も口から言葉が発されることはなかった。
ジャン(クソ……情けねぇ…)
ミカサ「………」
ジャン(そもそも今日のこの時間に意味があるのか…)
ミカサ「…ジャン?」
ジャン(ミカサはずっとエレンに執着してきた、今更俺が入る隙なんて…)
ミカサ「ジャン」
ジャン(いやでも結局二人は互いを家族としか認識していない!つまり恋愛対象には置いていない!最近ミカサも俺の誘いに付き合ってくれるようになってるし、これはチャンスなんじゃ…)
ミカサ「ジャン!」
ジャン「あ、はい!」
ミカサ「さっきから何かブツブツ言っているようだけど…」
ジャン「え!?いや、気にしないでくれ!」
ミカサ「?そう」
ジャン(聞こえてないよな…?)
ミカサ「もうそろそろ着く」
ジャン「なぁミカサ」
ミカサ「なに?」
ジャン「ミカサにとって俺は、どう言う存在だ?」
ミカサ「え…」
ジャン「思ってること言ってくれればいい!」
ミカサ「ジャンは……大切な仲間」
ジャン「仲間……エレンはどうだ?」
ミカサ「エレンは家族、前から言っていると思うけど…」
ジャン「恋愛対象にも見たことないのか?」
ミカサ「そんなこと……ない」
ジャン「そうだよな、エレンの奴もミカサをそんな風には見たことないだろうからな」
ジャンとの会話の中で、ミカサは悲しげに俯く。
それにジャンは気づかなかった。
ミカサ「早く店に入ろう」
ジャン「そうだな」
二人の入った店は主にマフラーを扱う店で、様々な色のマフラーが店内を彩っている。
ジャン「これすごいな…」
ミカサ「全部店主の手編み、らしい」
ジャン「これ全部か…」
ジャン(ん…?)
淡い蒼い色をしたマフラー。
それに目が止まる。
ジャン(これ、ミカサが着けたらきっと似合うだろうな…)
ジャン「ミカサ、このマフラーなんかどうだ?」
ミカサ「色は…とても素敵だと思う」
ジャン「なぁ、ちょっと着けてみろよ」
ミカサ「え、遠慮する…」
ジャン「少しもそのマフラー外しちゃダメなのか?」
ミカサ「そんなことはないけど…」
ジャン「いいだろ?ほら」
ジャンが持つマフラーをおずおずと受け取る。
エレンから貰ったマフラーをゆっくり、外していく。
ミカサ「………」
いつもはマフラーをしていて見えないミカサの首筋が露わになる。
ジャン(ん…?)
すっかり目が釘付けになったジャンは、その白い首筋にくっきりと浮かぶものに気づく。
ジャン「ミカサ、これ…」
ミカサ「………」
ジャン「これ……虫刺され、じゃないよな」
ジャンの指差す先にあるもの。
それは白い首筋に浮かぶ赤い印、まるで誰かに"口付け"をされたような跡。
ジャン「お前……これって、まさか…」
ミカサ「これは、証…」
ジャン「証…?」
ミカサ「私は、エレンのものだって」
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- 8 : 2018/04/11(水) 16:31:35 :
- わぉ!キスマーク
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- 9 : 2018/04/11(水) 20:59:30 :
- なんか名前について突っ込まれてた…!一体どこに問題があるんだ…!?←
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- 10 : 2018/04/11(水) 23:54:10 :
- とてもとても期待です!
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- 12 : 2018/04/12(木) 01:14:10 :
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その証を、ミカサは愛おしそうに触れる。
その手をジャンが払いのける。
ジャン「何言ってるんだ…?」
ミカサ「だからこれは…」
ジャン「お前はエレンと、家族なんだろ?」
ミカサ「だから何度もそう言っている」
ジャン「いいや、嘘なんだろ?」
ミカサ「え…」
ジャン「お前とエレン、本当は恋人なんだろ!?正直に言ってくれないとこっちも分からないんだよ!」
ミカサ「違う、私とエレンは家族…」
ジャン「もうそういうのはいいって言ってるだろ!」
ミカサの前ではいつも優しさを見せるジャンが怒りに震える姿を前に、さすがのミカサでもやや怯えていることがわかる。
遠目から見ていたアルミンは困惑した表情で、隣のエレンの肩を揺する。
アルミン「ねぇ、ジャンはどうしちゃったんだよ」
エレン「俺にはただ怒ってるように見えるぞ」
アルミン「だからなんで怒ってるのかって聞いているんだ!」
エレン「俺だってお前とずっと居たんだから分からねぇよ」
アルミン「そ、そうだよね……でもエレンは知っているように僕は思えるんだ」
エレン「は?」
アルミン「ミカサがマフラーを取った瞬間、ジャンは取り乱した」
アルミン「エレンは、ミカサに何をしたの?」
エレン「………」
昼食の時間、食堂裏にて。
ミカサ「エレン」
エレン「………」
ミカサ「どうして怒っているの?」
エレン「別に怒ってねーよ」
ミカサ「じゃあもしかして……妬いてるの?」
エレン「なんでそうなるんだよ」
ミカサ「だって…」
エレン「とにかくいいや、お前ジャンとどこに行くんだ?」
ミカサ「え?服を見に…」
エレン「違うだろ」
ミカサ「え…?」
エレン「ジャンが最初に言った約束は、別のことじゃないか?」
ミカサ「……マフラーを見に行こうと、でも断った!」
エレン「行けば?」
ミカサ「ど、どうして…?」
エレン「なんでお前がそんなにそのマフラーにこだわるか知らないけど、そのマフラーもうボロボロだろ?新しいのに変えた方がいいだろ」
ミカサ「ダメ!これはエレンとの家族の証…」
エレン「じゃあ新しいのやるからさ、マフラー外せよ」
ミカサ「え…」
エレン「いいから」
最初は躊躇ったが、やがてマフラーを外していく。
外したマフラーを惜しむようにエレンに渡す。
ミカサの首筋が露わになり、俺はすかさずその首にかぶりつく。
ミカサ「いたっ…」
そのまま、ミカサを吸い尽くしてしまう程強く口付けをする。
ミカサ「ん…」
エレン「……お前からそんな声、出るんだな」
ミカサ「え、エレン…?」
エレン「このマフラー、店着くまで外すなよ」
渡されたマフラーを再びミカサの首に巻く。
ミカサ「いいの…?」
エレン「ジャンに取れって言われたら、しっかりその首見せてやれ」
エレン「ミカサは、俺のものだってな」
ミカサ「!!」
エレン「お前は俺の、家族だからな」
ミカサ「!…うん」
嘘だ。
本当は誰よりも自分のことを知っている。
俺はミカサが好きだ、一人の女性として。
だけどミカサはそう思っていない。
家族として、俺のそばにいる。
少しでもその関係を崩してしまえばきっと、ミカサは俺のそばからいなくなってしまうから。
エレン「お前はそのマフラーが一番似合ってるよ」
エレン(だから今は、二度とジャンがミカサに近づかないようにしてやるよ…)
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- 13 : 2018/04/12(木) 20:06:59 :
- エレン…!それは正解だ!
期待でーす!
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- 14 : 2018/04/13(金) 16:49:24 :
- きっとミカサもエレンのこと好きでしょうね(ドヤ顔
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- 15 : 2018/04/13(金) 16:50:50 :
- 自分的にはエレミカよりジャンミカの方が好きだなーまぁ主さんがエレミカ派らしいのでお任せですけど
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- 16 : 2018/04/13(金) 17:41:13 :
- 15↑の人マジで
私はエレミカ派だなー
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- 18 : 2018/04/14(土) 00:14:52 :
アルミンが何度質問をしても、エレンは一向に口を開かなかった。
アルミン「なんで何も言ってくれないんだよ…」
エレン「…お前は頭がいいからな、もう分かってんだろ?」
アルミン「っ!」
エレン「何年一緒にいると思ってんだ」
アルミン「………君にとって、ミカサはどんな存在なんだい?」
エレン「……家族だ」
アルミン「君は嘘つきだね」
そう言い残し、アルミンは急いでミカサとジャンのところへ向かっていった。
エレン「どっちがだ」
ジャン「すまん……つい」
ジャンは既に冷静を取り戻し、二人の間には気まずい空気が漂う。
ミカサ「私の方こそごめんなさい…」
ジャン「ミカサは悪くねぇよ」
ミカサ「さっきのはその、つまり…」
ジャン「!…もうこうなったら黙る必要もないよな…」
ジャン「そうだ、俺はミカサが好きだ」
ミカサ「!」
ジャン「俺じゃ……ダメなのか?」
ミカサ「………」
ジャン「誰よりもお前のことを大切にする、あいつよりも……だから…」
ミカサ「…ごめんなさい」
ジャン「!!」
ミカサ「私は、誰のものにもなれないから」
ミカサ「エレンのものにも…」
ジャン「え……でもさっきはエレンのものだって…」
ミカサ「そう、けどそれは私ではない…」
ミカサ「エレンが望むなら私は何にだってなる、私はエレンのそばにいれるだけでいいから…」
ジャン「そういうことか…」
ジャン(ミカサとエレンは俺が思っていた以上に狂った関係らしい…)
アルミン「ミカサ、ジャン!」
ジャン「アルミン!?どうしてお前がここに…」
アルミン「実は二人のことを尾けてたんだ」
ジャン「はぁ!?」
アルミン「エレンもあの壁の向こうにいる」
ジャン「マジかよ…」
アルミン「それよりミカサ、今すぐ僕と一緒に来て!」
ミカサ「え…」
アルミン「とにかくエレンから見えない場所まで行くんだ!」
ミカサ「アルミン!?」
アルミンがミカサの手を引く。
アルミンの力ならすぐに振り解けるが、その真剣な表情からその考えはすぐに消えた。
ジャン「おいアルミン!」
アルミン「ごめんジャン!君たちの話は全て聞かせてもらった」
ジャン「な…!」
アルミン「だから分かって欲しい、ミカサは……エレンのそばにいてはいけないんだ!」
ジャン「お前…」
アルミン「行こう、ミカサ!」
ミカサ「う、うん…」
エレン(あいつ…!)
急いで二人を追いかけようと影から身を出すと、それをジャンに阻止される。
エレン「ジャン!何しやがる」
ジャン「まさかお前まで尾けてきてたとはな…」
エレン「今はそんな話してる場合じゃ…」
ジャン「なぁ、俺はずっとミカサはお前に依存し過ぎなんじゃないかって思っていたんだ」
エレン「は…?」
ジャン「でも、本当に依存してたのは…お前だったんだな」
エレン「………」
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- 19 : 2018/04/14(土) 21:05:37 :
- お久しぶりです!!
やっと見にこれたー!
いつもとは違う感じですねー!
アルミンがどーするのか...
期待です!!
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- 20 : 2018/04/14(土) 22:17:45 :
- これからどうエレミカになるのか期待ですな〜!
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- 21 : 2018/04/15(日) 00:01:39 :
- 期待!!
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- 23 : 2018/04/16(月) 01:14:46 :
ジャン「お前、随分と不機嫌そうな顔してんな」
エレン「これが普通だ」
ジャン「いや、不機嫌だ」
エレン「………」
ジャン「大方、自分の思い通りに行かなかったことが悔しいんだろ」
エレン「…まぁな」
ジャン「残念だったな、俺を舐めすぎだ」
エレン「ああ、後悔してる」
ジャン「まぁ安心したぜ、お前とミカサの間には結局何にもないんだろ?」
エレン「は…?」
ジャン「ミカサもお前のこと恋愛対象じゃないみたいだし、俺にもチャンスがあるってもんだ」
エレン「…お前にチャンスはねぇよ」
ジャン「たく…」
ジャン(強がりなこった…)
ミカサ「アルミン!」
ミカサに名前を呼ばれ、足を止める。
アルミン「ジャンが止めてくれたみたいだし、ここまでくれば安心だ」
ミカサ「アルミン答えて、なぜエレンから離れなくてはいけないの?」
アルミン「エレンを…助けるためだ」
ミカサ「エレンを助ける?」
アルミン「うん…」
アルミン(本当は嘘だ…)
これはミカサを助けるためだ。
ミカサがエレンを行動の原理としていることは誰が見ても分かる。
しかしその肝心のエレンは、ミカサを道具同然に扱っている。
さらにミカサはそれを自ら望んでしまっている。
エレンが彼女を変えてしまったせいで。
アルミン(だから次は僕がミカサを変える)
アルミン「とにかく君はエレンのそばにいてはいけないんだ」
ミカサ「どうして…分からない!」
アルミン「ミカサがいることで、エレンは自分自身で何もできなくなってしまう」
ミカサ「なぜ?」
アルミン「ミカサも分かるだろ?ミカサが何もかも支えてしまったらそれはエレン自身の力にはならない!」
ミカサ「エレンが強くなる必要はない、私が守る」
アルミン「いいや、今やエレンは人類の希望なんだ」
アルミン「ミカサも女型や鎧と戦って、自分だけの力ではどうにもならないことがあるってことを知っただろ?」
ミカサ「…!」
アルミン「これからはエレン自身の力が必要になるんだ」
ミカサ「………」
アルミン(よし…!)
幸い、ミカサは僕の言うことなら大抵聞いてくれる。
ミカサは僕を信頼している。
そして証明する、ミカサにエレンは必要無いんだって。
アルミン「だから行こうミカサ、僕と一緒に」
ミカサ「………」
アルミン「…ミカサ?」
ミカサ「それはエレンが望んだこと?」
アルミン「え…?」
ミカサ「エレンは私と離れることを望んでいるの?」
アルミン「…そうだ、エレンはもう君を必要としていない」
ミカサ「…嘘だ、エレンがそんなこと…」
アルミン「だからミカサはもう、エレンの言うことを聞く必要もない」
ミカサ「エレンがいなくなってしまったら、私はどうすれば…」
アルミン「大丈夫、僕がずっとそばにいるから」
ミカサに手を差し伸べる。
が、その手はミカサによって強く弾かれた。
ミカサに初めて反抗され戸惑う。
アルミン「ミカサ、何で…」
ミカサ「私は……アルミンを信じない」
アルミン「な…!どうして…」
ミカサ「私はアルミンを信じてきた、アルミンには正解を導く力があると思っていたから」
アルミン「だったら…」
ミカサ「それはエレンが教えてくれたから」
アルミン「!」
ミカサ「エレンが信じるものを私は信じる、今のエレンがアルミンを頼りにしないのなら、私も頼らない」
アルミン「………」
昔から嬉しかった。
ミカサに頼りにされることが。
誰よりもミカサが、僕のことを信じてくれることが。
アルミン(けどそれは全て……エレンがいたからだったのか…)
思えば僕とミカサが出会えたことも、一緒に遊ぶことができたのも、エレンがいたからだ。
アルミン(それなのに僕は…)
ミカサ「それにアルミン」
アルミン「?」
ミカサ「私はエレンがそれを望もうと、そばにいて支え続ける」
アルミン「エレンが、自立することができなくなってもいいの?」
ミカサ「それでも私は、エレンのそばにいたいから」
ミカサ(エレンが自立できなくたっていい)
私に頼ればいい。
どんなことも頼って、そして…
私がいなくてはダメだと思えばいい。
兵舎には既にエレンとジャンが戻っていた。
結局アルミンの行動に意味は無かった。
けど、改めて認識できた。
ミカサ(私がエレンのそばにいるためには、こうするしかないから…)
ミカサ「エレン、私を頼って」
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- 24 : 2018/04/16(月) 17:50:02 :
- 期待ですよ!
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- 25 : 2018/04/16(月) 22:54:18 :
- >>24
ありがとうございます!
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- 26 : 2018/04/16(月) 23:34:36 :
俺とミカサは恋人にはなれない。
例え俺が想いを伝えたとして、ミカサはそれに簡単に応じてしまうだろう。
そんなの、意味がない。
表面上の恋人など、今の家族という関係よりも遥かに薄っぺらいものに思える。
どうすればミカサは俺を見てくれるのだろうか。
ミカサ「エレン」
薄暗い部屋の中でミカサが俺を呼ぶ声が聞こえる。
既に就寝時間を過ぎ、本来ミカサは俺の部屋にいてはいけない。
ミカサは抜け出してきた。
俺が呼んだから。
今日、夜に俺の部屋で会いたいと。
エレン「早かったな」
ミカサ「できるだけ早くエレンと会いたかったから」
エレン(お前はすぐ、平然とそんなことを言う)
エレン「監視にバレなかったのか?」
ミカサ「監視している人なんてほとんどいない」
エレン「そんなまさか…」
ミカサ「今のエレンに監視なんて必要ない」
エレン「………」
俺は諦めている、ミカサの心を奪うことを。
ミカサは俺を、命を救ってくれた救世主としか考えていない。
だから、ミカサが恋人として隣にいたいのはきっと俺じゃない。
色んな出会いの中で、ミカサが様々な人に惹かれていくのが分かる。
エレン「ミカサ、いいのか?」
ミカサ「エレンが私に聞くなんて珍しい…」
エレン「俺は真面目に聞いているんだ」
ミカサ「……いいよ、エレンの望むものが私の望み」
エレン「そういうことを聞いてるんじゃない」
ミカサ「え…」
エレン「お前自身の意思で答えてくれ、ミカサはしたいか、したくないか?」
ミカサ「…したい」
エレン「俺でいいのか?」
ミカサ「エレンとがいい」
エレン「……分かった」
ここまでミカサの意思を確認することは初めてだった。
それ程、俺はミカサと身体を重ねることを恐れている。
交わってしまったらもう、家族には戻れないから。
エレン「…挿れるぞ」
ミカサ「うん…」
それでも俺は欲張りだから。
ミカサの心が誰かのものになってしまうのなら、いっそ身体を重ねてしまいたかった。
エレン「入っ…た」
ミカサ「エレンのが……私の中に…」
初めてだからか、痛みに涙を浮かべながらもミカサは俺と繋がっている部分から目を背けなかった。
ゆっくりと腰を動かしていく。
その瞬間、ミカサの身体がビクッと震える。
エレン「ミカサ…お前まさか、もうイったのか?」
ミカサ「だって……エレンと繋がったと思ったら、嬉しくて…」
エレン「……!」
今までに見たことないほどに嬉しそうな顔をするミカサに、俺の中の何かが外れた気がした。
エレン「そうかよ、でも俺はまだ満足できてねーぞ」
ミカサ「んん…!!」
先程よりも強く突き上げる。
優しさなどない、乱暴に、強く。
ミカサ「ああっ…ん!待っ…てエレン、イったばかりだから…!」
エレン「お前、俺の為ならなんでもするって言ったよな」
ミカサ「言った…けど、これ以上は…!」
エレン「やめるか?」
ミカサ「……!」
エレン「どうする?」
ミカサ「…やめないで、エレンをもっと…ちょうだい」
ミカサが俺を拒絶しない限り、俺がミカサを手放すことは決してない。
今日一日で分かった。
俺はミカサを、誰にも渡したくない。
ミカサ「エレン…嫉妬してるの?」
隣で眠るミカサが問いかけてくる。
前にも聞いたような質問。
だが、
エレン「ああ、嫉妬してる」
ミカサ「…!そ、そう…」
エレン「自分で聞いて驚くなよ」
ミカサ「だってエレンがそう言うとは思わなくて…」
エレン「今日一日お前らを見て思ったんだ、俺はミカサを誰にも渡したくないって」
ミカサ「エレン…」
エレン「だから、お前はこれからもずっと俺のそばにいろ」
だからまた、俺はミカサに呪いをかける。
嘘で塗り固められた、呪いで。
ミカサ「ずっとそばにいる…」
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- 27 : 2018/04/18(水) 01:22:30 :
- こういうの初めてですね!!
面白いです!!!
期待です!
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- 28 : 2018/04/18(水) 22:04:03 :
- 期待です!
頑張ってください!*\(^o^)/*
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- 30 : 2018/04/19(木) 00:18:13 :
目を覚ませば、そこにはミカサがいた。
まだ目を閉じているミカサの額にそっとキスをする。
それでも目を覚まさないことを確認し、ミカサには伝えられない、伝えてはいけない言葉を呟く。
エレン「ミカサ…好きだ」
寝ているとは言え、俺は口に出してしまいたいほど気持ちを我慢できないらしい。
エレン「恋人になって、結婚して、いつか子供を作って……本当の家族になりたい」
エレン「でも俺はお前にとって弟みたいなもんだから…」
エレン「姉でもなんでもいいから、そばにいてくれるだけでいい」
ミカサには聞こえていない、ただの自己満足。
想いを吐き出して、俺はミカサを起こさないように布団から出る。
エレンのキスで目を覚ました。
だがすぐには起きず、いきなり飛び起きてエレンを驚かせてやろうと思った。
しかしわすがな視界の中に、哀しげに私を見つめるエレンの姿を見て、タイミングを逃してしまった。
私があの時起きていれば、エレンの真意を知ることもなかったのに。
エレン「ミカサ…好きだ」
ミカサ(……!)
エレンから好きという言葉を初めて聞いた。
そしてそれが家族愛からの想いではないと知り、私は思わず涙が出てしまいそうなほど、
嬉しかった。
それがなぜかは自分でも分からなかった。
ミカサ(でも、なぜか嬉しい……家族だと言われた時よりも)
だが嬉しさと同時に、以前に告げられたあの人の言葉を思い出す。
二人で特訓をしていた時の、リヴァイ兵長の言葉を。
リヴァイ「俺の支えになれるのは、お前しかいない…」
確かに兵長はそう言った。
そして問われた、
「お前にとってエレンの存在とは何だ」と。
それに対し、私は「守るべき家族」だと答えた。
兵長はずっと私を欲していた、けど私がエレンを想っていることを考慮してそれをずっと抑え続けていた。
だから私の応えを聞いた兵長は想いを告げた。
ミカサ(今の私の気持ちを知ってしまえば、兵長はきっと…)
思考に浸っていたその時、部屋の扉が思い切り開かれる音がする。
リヴァイ「おいエレン、いつまで寝てやがる!」
ミカサ(兵長…!?)
身を隠す場所もなく、中に入ってきた兵長とばっちりと目が合う。
リヴァイ「おい…なんでミカサがここにいる」
ミカサ「これは……その…」
リヴァイ「…理由は知らんがとっとと出ろ」
ミカサ「いえ…それが…」
毛布で必死に身体を隠す。
昨夜すぐに寝てしまった私は、何も身につけていないままだった。
リヴァイ「お前まさかエレンと…」
ミカサ「………」
リヴァイ「………出ろ」
ミカサ「え…」
リヴァイ「とっとと出ろと言ったはずだ」
ミカサ「しかし…!」
明らかにリヴァイの表情からは怒りが読み取れる。
近づいてくるリヴァイに、もうダメだと思ったその時、再び扉が開かれる音がする。
エレン「リヴァイ兵長!!」
リヴァイ「エレン…!」
エレン「皆に兵長が俺を探していると聞いて、用件は何でしょうか」
ミカサ(エレン…!)
リヴァイ「………まぁいい、エレンお前は準備が出来次第ハンジの実験に付き合ってやれ」
エレン「はい!」
リヴァイ「それとミカサ」
ミカサ「は、はい」
リヴァイ「お前はその間、俺と立体起動の訓練だ」
ミカサ「…分かりました」
それだけ言い、リヴァイは部屋を出て行った。
安心したのか、エレンは息を一気に吐き出す。
エレン「大丈夫か?」
ミカサ「う、うん…」
エレン「…見られたか?」
ミカサ「…!」
首を横に思い切り振る。
エレン「しかし俺らヤバイかもな、ミカサも訓練で何言われるか」
ミカサ「………」
エレン「どうしたミカサ」
ミカサ「…エレン、私…兵長に告白のようなものをされた」
エレン「…は?」
ミカサ「そばにいて…支えて欲しいと」
エレン「……ミカサはどうなんだ?」
あの時、兵長の問われた時は答えられなかった。
けど、今ならはっきりと言える。
ミカサ「私はエレンのそばにいる、そう言った」
エレン「…そうだよな」
先程まで、兵長の前で震えていた時とはまるで別人のように、エレンは笑みを浮かべる。
エレン「ミカサは俺の、だからな」
ミカサ「うん、私はエレンのもの…」
そう言い、ミカサ自身が首を晒し催促をする。
それに招かれるように、俺は首に齧り付く。
ただただ互いに依存していくだけ。
名前のある関係には、なれない。
-
- 31 : 2018/04/19(木) 07:37:25 :
- 期待です…T^T
-
- 32 : 2018/04/19(木) 07:37:52 :
- 私のssに来てくれてありがとうございました!
-
- 33 : 2018/04/20(金) 22:09:12 :
- >>31
ありがとうございます!
期待してます!頑張ってください!
-
- 34 : 2018/04/20(金) 22:21:05 :
- むふっ 期待♪
師匠、最近投票良いペースだね
頑張れ♭
-
- 35 : 2018/04/20(金) 23:43:26 :
- >>34
ありがとうございます!
投稿かな?笑
頑張ります!
-
- 36 : 2018/04/21(土) 00:26:29 :
- ありがとうございマァァスー!
とても嬉しいです!春風さんも*\(^o^)/*頑張ってください!
-
- 37 : 2018/04/21(土) 00:43:23 :
訓練所へ向かうと、そこには既にリヴァイの姿があった。
リヴァイ「来たか」
ミカサ「………」
訓練とは言っていたが、先程のことを聞かれるのは間違いない。
しかし、リヴァイの表情には明らかな余裕が見える。
リヴァイ「訓練とは言ったが、まずはさっきの状況を聞かせてもらう」
ミカサ「…兵長ならもうお察しでしょう」
リヴァイ「俺はお前に聞いている」
ミカサ「悪趣味、ですよ?」
リヴァイ「上司として部下の問題を把握しておくのは必要だ」
ミカサ(上司として…か)
リヴァイ「ミカサ、雰囲気が前に戻ったみてぇだな」
ミカサ「そうですか?」
リヴァイ「最近は懐いてるものだと思ったんだけどな、お前から指導を求めることもあったしな」
ミカサ「エレンを守るための力を身につけるためです」
リヴァイ「ならなぜあんなことをした」
リヴァイの表情が険しくなっていく。
兵長の言いたいこともきっと、アルミンと同じことなのだろう。
それでも、私は決めた。
分かったから、
私がエレンのそばにいたいのは、守るためだけではなく…
ミカサ「エレンのことを、愛しているからです」
リヴァイ「…それがお前の答えなのか?」
ミカサ「はい」
リヴァイ「そうか…」
ミカサ「あなたのことは尊敬しています、上司としても…師匠としても」
ミカサ「でも……ごめんなさい」
これで兵長も諦めがつくはずだと、そう思っていた。
だが次の瞬間、兵長に思い切り腕を掴まれ押し倒される。
ミカサ「兵長…!?」
リヴァイ「お前の一方的な都合で諦められるか」
ミカサ「!!」
リヴァイ「俺には…お前が必要なんだ」
ミカサ(兵長はここまで私を…!)
ミカサ「やめてください」
リヴァイ「お前は強いが、俺の方が強い…」
リヴァイの腕に更に力が入る。
たしかに単純な力で考えれば、私はこの人には勝てない。
けど…
ミカサ(エレン…!)
エレンのことを考えれば、私はなんでもできる。
この人に、勝つことも…!
リヴァイ「!!」
力を振り絞り、リヴァイの拘束を解く。
そのまま抜け出し、距離を置いたところで立ち止まる。
初めて兵長の力に勝てた。
この状況に、リヴァイは何かに納得したように落ち着きを取り戻した。
リヴァイ(ここまで……か)
リヴァイ「……やはり、俺じゃダメなのか」
ミカサ「………私の全ては、エレンのものだから、六年前から…ずっと」
やがてリヴァイは薄らと笑みを浮かべた。
リヴァイ「…そうだったな」
その時、反対側の訓練地から爆発音が轟く。
エレンが実験を行なっている場所だ。
ミカサ「エレン!!」
リヴァイ「この音、エレンに何かあったみたいだな」
リヴァイ「早く行くぞ!」
ミカサ「はい…!」
先行したリヴァイの後を追う。
こんな時も冷静でいられるこの人に、尊敬していたことは間違いない。
でも、隣にはいられない。
リヴァイ「ミカサ」
ミカサ「はい」
リヴァイ「お前の全てがエレンのものでも、そのほんの少しでもいい、俺にもお前の力を貸してほしい」
その言葉に、私は黙って頷いた。
兵舎
巨人化の疲労で倒れたエレンをここまで運び、それを私は看病していた。
エレン「ん…」
ミカサ「エレン!身体の調子はどう?」
エレン「ああ……まだ上手く力が入らねぇ…」
上体を起こすが、本当に力が入らないらしく、ふらつく。
ミカサ「無理しない方がいい」
エレン「なぁミカサ、今日リヴァイ兵長と何話した」
ミカサ「今はそんなこと…」
エレン「いいから」
ためらうが、もうエレンに逆らえない体にでもなってしまったのか、今日の話を一つずつ話し出す。
エレン「兵長に押し倒されただって…?」
ミカサ「で、でも…何もされなかったから!」
エレン「お前が抵抗してなかったら何されたか分かったもんじゃないだろ」
ミカサ「ちゃんと抵抗するから何もされることはない」
エレン「兵長が本気出したらお前だって勝てないだろ」
ミカサ「ううん、絶対に勝つ」
エレン「そうかよ…」
いつだって彼女は無防備だ。
こんな状況でさえ、俺は妬いているらしい。
ミカサ「エレン…?」
エレン「なら抵抗してみろよ…」
力ない身体で押し倒す、普段なら簡単に押し返される。
だがミカサはただされるがままにそれを受け入れる。
ミカサ「エレンには…抵抗できない」
エレン「なんだそれ…」
-
- 38 : 2018/04/21(土) 00:43:59 :
- >>36
ガンバリマス!!
-
- 39 : 2018/04/21(土) 07:20:10 :
- 投票、、、。ってのは置いといて
期待だよん
たまにはこーゆー感じのエレミカ
も良い!
-
- 40 : 2018/04/21(土) 09:09:02 :
- 期待です!
-
- 41 : 2018/04/21(土) 10:20:05 :
- 期待です!!!
いつもと全然違うからなんか不思議な感じです!!
-
- 43 : 2018/04/23(月) 01:35:42 :
エレン「アルミン」
アルミン「エレン…」
人気のない兵舎裏にアルミンを呼んだ。
この前のことを話すためだ。
アルミン「話って、ミカサのことだろ?」
エレン「そうだ」
アルミン「やっぱり…僕がミカサに近づかないようにでもするの?」
エレン「いや…俺が言わなくても、ミカサには近づかないだろ」
アルミン「…そうだね、僕はミカサに拒絶されたから…」
エレン「お前なら気付いていると思ってたんだけどな、俺のこと」
確かにアルミンには、俺がミカサをどう思っているかは話していない。
だがアルミンならと、俺は信用していた。
エレン「それなのに…」
アルミン「エレンこそ、僕をいいように信用するのはやめてよ!」
エレン「!!」
アルミン「本当はミカサが好きだって口に出したくないだけのくせに、僕なら分かるだろうって勝手に思い込んで…」
エレン「分かってたんだろ?分かっててああしたんだろ!」
アルミン「分からないよ!いつも家族だって言って……エレンだって分からなかったじゃないか」
エレン「ああ…分からなかったよ、お前はアニのことを想ってるもんだと思ってたからな」
アルミン「彼女はもう…いないだろ?」
アルミンの言い方からして、前まではアニを想っていたことがわかる。
だがアニは今、調査兵団の管理下により幽閉されている。
彼女と話すことはもうできないだろう。
エレン「でもアニがいなくなったからなんだ、それなら代わりにミカサでもいいっていうのか?」
アルミン「代わりだなんて思ってない!」
エレン「正直に言えよ」
アルミンの胸倉を掴み、そのまま押し倒す。
だがアルミンは抵抗しようとせず、哀しげな目でただ見つめてくる。
アルミン「君はいいよね、いつもミカサが隣にいてくれて…」
アルミン「エレンの方こそ正直になれ、そんなんだから僕やジャン、兵長にまでミカサを奪われそうになるんだ!」
エレン「っ!」
アルミン「ミカサがずっとそばにいてくれると思ったら大間違いだ」
エレン「ミカサは……俺から離れたりしない」
アルミン「いつも怯えているのに?」
エレン「!!」
アルミン「君が嘘を吐き続ける限り、いつかミカサは君の隣からいなくなる…」
エレン「そんなこと…」
アルミン「それはもしかしたら……明日かもしれないね」
エレン「あるわけが……ミカサは…ミカサは俺以外には…」
考えたことはいくらでもあった。
いつかミカサが愛する者を見つけ、家族である俺の元から去っていく時を。
もし昔、ミカサを救ったのが俺じゃなかったら。
ミカサが俺を、知らなかったら……
目が覚める。
目の前には兵舎の天井。
窓からは朝日の光が差し込んでいる。
エレン(……腹減った、朝飯食わないと…)
そう思い、食堂の方へと向かう。
目が覚めてから記憶にモヤがかかったようで、昨日までの出来事をよく思い出せないでいた。
食堂に着くと、そこでミカサの姿を見つける。
エレン「ミカサ」
声に気づくとミカサは振り返る。
だが、そのミカサには違和感を覚えた。
エレン「ミカサ……お前マフラーは?」
ミカサ「え…マフラー?」
エレン「ああ、いつもつけてる…」
ミカサ「さすがにこの時期はつけないけれど…」
ミカサは明らかに怪訝そうな顔をする。
エレン「何言ってんだお前」
エレン(いつものミカサと違う……何かが…)
ミカサ「そもそもあなた、誰?」
エレン「は…?」
何もかも、分からなくなった。
-
- 44 : 2018/04/23(月) 07:31:58 :
- ミカサに何が!?
アルミンか!?
期待!
-
- 45 : 2018/04/23(月) 23:29:16 :
- >>44
ありがとうございます!
何でしょう…
-
- 46 : 2018/04/24(火) 00:22:20 :
最初は驚きで頭がおかしくなりそうだった。
冗談でも、ミカサは俺にこんなことは言わない。
俺を知らないミカサ。
その事実に一度はショックを受けたが、それとは別の感情が俺の中に湧き上がってきた。
エレン(つまり今のミカサにとって、俺は家族でも何でもない…)
喜び。
俺がずっと求めてきたものが、今目の前にある。
エレン「ああ…すまない、いきなり変なこと言って…」
ミカサ「思い出した」
エレン「え?」
ミカサ「確か、私と同期で調査兵団に入った…」
エレン「そ、そうそう!」
エレン(そうなのか…)
ミカサの発言で、今の状況を把握する。
だが俺は気付いていなかった。
恐ろしいほどに自分が今の状況に順応していることを。
ミカサ「でもなんで私の名前を…」
エレン「ほら、お前って有名人じゃん」
ミカサ「そう…かな」
エレン「10年に一度の逸材だって…」
ミカサ「え?私…成績10位にも入らなかったのに…」
エレン「は…?」
ミカサ「逸材なんて言われるほどでは…」
エレン「あ、あれ…?」
ミカサ「………」
ミカサが明らかに疑いの眼差しで見つめてくる。
ミカサ「そろそろ行っていい?訓練が始まる」
エレン「ちょ…待ってくれ!」
去ろうとするミカサの腕を咄嗟に掴む。
ミカサ「いたっ…」
エレン「え…」
その腕は、前のミカサからは考えられないほどに細い。
少し力を入れれば潰れてしまいそうなほど。
ミカサ「は、放して…」
エレン「聞いてくれ、俺はお前が好きなんだ」
ミカサ「!!」
エレン「俺は……お前の隣にいたい」
ミカサ「いきなりそんなことを言われても…」
エレン「ミカサは俺のことを……どう思ってる?」
ミカサ「……分からない」
エレン「っ!」
ミカサ「ごめんなさい…」
走り去ろうとするミカサをさらに追い込み、覆いかぶさるように倒れこむ。
互いの顔の距離が、今にも触れそうなほど近くなる。
ミカサ「は、放して…!」
エレン「ダメだ、今放したら終わってしまうんだ!」
エレン(終わる…?何が…)
ミカサ「誰か…!」
ミカサが叫ぼうとするのを、自分の口で阻止する。
触れた唇は前と同じミカサのものだ。
だが、何も感じない。
エレン「…!」
気づくとミカサは泣いていた。
それを見た途端に全身の力が抜け、その隙にミカサは走り去っていった。
エレン「ミカサ…待て、待ってくれ」
エレン「ミカサ!」
目が覚める。
目の前には兵舎の天井。
窓からは朝日の光が差し込んでいる。
そして隣には、俺の手を握るミカサの姿があった。
ミカサ「エレン、大丈夫?うなされていたみたいだけど…」
エレン「うなされて…?」
エレン(そうか…)
昨日アルミンにあんなことを言われたせいだ。
あんな夢を見るなんて。
でも…
エレン「俺はミカサが喜ぶようなことを、何一つ知らない」
ミカサ「エレン…」
エレン「分からないんだ俺には…」
ミカサ「…そんなことないよ」
エレン「え…?」
ミカサ「私……この前、エレンに言われたことがとても嬉しかった」
エレン「この前…?」
ミカサ「エレンが…私のことを好きだって」
エレン「は…はぁ!?お前まさか……起きてたのか!?」
ミカサ「うん…」
エレン「マジかよ…てことは…」
ミカサ「その先も聞いた」
エレン「………」
ミカサ「エレン、私は…道具でもなんでもいいからエレンのそばにいられればいいとずっと思っていた…」
ミカサ「それ以上なんて望んではいけない、そう言い聞かせてきた」
ミカサ「でも……もういいよね?」
ミカサもそう思っていたことが、とてつもなく嬉しかった。
けどそれと同時に、思い出す。
今までのことを。
エレン「俺は……お前を幸せにできない、ミカサが望んでいることもできない、それでも…いいのか?」
ミカサ「いい、エレンといることが私の幸せ」
エレン「お前…俺の話聞いてたか?」
ミカサ「ちゃんと聞いている」
エレン「だったら…」
するとミカサは、ここぞとばかりにイタズラな笑みを浮かべた。
ミカサ「エレンは嘘つきだから」
エレン「……そうだったな」
俺はこれからも、嘘を貫き通さなければいけないらしい。
エレン(でもミカサと恋人になったことは公表しよ…)
-
- 47 : 2018/04/24(火) 07:35:09 :
- 公表するんかい!
期待〜!
ミカサもエレンも嬉しそう!
-
- 48 : 2018/04/24(火) 23:16:35 :
- 描写が丁寧でとても見やすい!
きたいですよ!
良かったら僕の作品も見てください!
-
- 50 : 2018/04/25(水) 00:54:47 :
次の日の朝から、エレンの様子は見るからにおかしかった。
エレン「ミカサ、その……体調は平気か?」
ミカサ「?うん、万全」
エレン「そ、そうか……えーと、天気がいいな」
ミカサ「雨だけど…」
エレン「お、俺は雨も好きだからな!」
ミカサ「私は嫌い…けど、エレンが好きなら努力しよう」
エレン「そういうのはいい…」
ジャン「………」
ジャン(明らかにエレンの様子がおかしい、二人の間に一体何が…)
アルミン(結局そうなったのか、相変わらずエレンは嘘つきだ…)
リヴァイ「おいお前ら」
エレン・ミカサ「は、はい!」
リヴァイ「俺の目の前でそんなに見せつけて楽しいか?」
エレン「見せつけてって……何をですか?」
リヴァイ「ああ?」
エレン「す、すみません…」
リヴァイ「チッ…」
リヴァイ(自覚ないのか、前のエレンの策略もイラついたもんだが、天然な行動は心底イラつくな…)
ミカサ「………」
エレン「??」
ミカサ「エレン、無理に優しく接しようとしなくたっていい」
エレン「無理になんて…」
ミカサ「今まで通りに接してくれれば、私はそれでいい」
エレン「はぁ?それじゃあ何のために…」
ミカサ「まだ嘘をつくの?」
エレン「!!」
いつもとは明らかに違う、気迫に満ちた表情でミカサは俺を壁際まで追い込む。
壁ドン状態。
エレン(まさかミカサにやられるとは…)
ミカサ「エレン、正直になって」
エレン「だから嘘なんて…」
ミカサ「エレンが、人に優しく接することなんてできないんだから…」
エレン「はぁ!?」
ミカサ「ねぇエレン…」
ミカサが一気に顔の距離を詰める。
触れそうになる唇に、思わず視線がいく。
ミカサ「本当は私を、どうしたい?」
エレン「俺は…」
分かっている。
俺はミカサに優しく接する方法を知らない。
幸せにする方法も知らない。
けど、俺以外の奴がミカサに与えることのできないものがある。
エレン「俺はお前を……支配したい」
ミカサに口づけをし、自らの舌を絡ませる。
ミカサ「はぁ…ん…」
必死に合間で呼吸をするミカサの吐息が肌に当たるのを感じる。
やがてミカサは膝から脱力するように、床に座り込む。
ミカサ「はぁ…はぁ…」
エレン「はぁ…首席様がこの程度で膝をつくなんてだらしねぇな…」
ミカサ「こんなの無理…」
エレン「まだまだこれからだってのに」
ミカサ「分かってる……」
この上ないほど乱暴に、素っ気なく扱っているはずなのに、ミカサが笑顔を絶やすことはなかった。
エレン(俺がこいつを変えたのか…?)
ミカサ「エレン……来て」
先に出て行った二人を追うために兵舎を出た。
辺りを見渡しても見つからなかったが、人気のない兵舎裏から声がするのに気づく。
ジャン(エレンと…ミカサの声?)
恐る恐ると声のする方を覗いた。
ミカサ「はぁ、あぁ…んっ」
エレン「お前ばかり気持ち良くなりやがって、腰が落ちてるぞ」
ミカサ「ごめん、なさい…!」
遠目からでよく見えないが、エレンとミカサは明らかに繋がっていた。
しかもエレンが乱暴に扱い、ミカサは抗っているようにも見える。
ジャン(あいつ…!)
だが恨んでいるはずが、何やら高まるものを感じた。
ジャン(なんで俺、興奮してんだ……そんな場合じゃねぇだろ!)
ここから動き出すこともできず、ただ二人を見ていることしかできない。
だが、決意した。
ジャン(俺がミカサを…救う!)
やっとのことで落ち着きを取り戻した俺は、ミカサを優しく抱きしめる。
エレン「すまない、俺…」
ミカサ「大丈夫、もう慣れたから…」
エレン「けど…」
ミカサ「エレンが謝る必要はない、でも…」
エレン「?」
ミカサ「私の身体を変えてしまったのはエレン、だからエレンはずっと責任を取り続けて」
ミカサ「そしてエレンを変えてしまったのも私、だから私も責任を取り続ける……それだけ」
本当にそれだけなのか?
俺たちは一度だって、互いを本当に愛し合って繋がったことがない。
エレン(俺たちはもう、そんなことはできないのか?)
嬉しそうに微笑むミカサを見て、そう思った。
-
- 51 : 2018/04/25(水) 16:27:42 :
- ジャン!
止めちゃダメ…!
-
- 52 : 2018/04/25(水) 18:21:18 :
- いや…早くジャン、助けてやってくれ…
-
- 54 : 2018/04/27(金) 01:08:44 :
就寝時間前になり、部屋に戻ろうとしたところに声をかけられ、足を止める。
エレン「ジャン」
ジャン「エレン…」
エレン「ちょっと来いよ」
エレンに連れてこられたのは、朝の兵舎裏だった。
ジャン「なんだよ話って」
エレン「…お前、朝見てたろ」
ジャン「なんで知って…!まさか、朝のも俺への見せしめだったのか!?」
エレン「違う!お前はたまたま見つけただけだ」
ジャン「じゃあ何だ、見られたのがそんな嫌だったか?」
エレン「嫌…か、お前は朝のミカサが、俺を嫌っているように見えたか?」
ジャン「……正直、見えなかった」
エレン「そうだよな…」
ジャン「でもそれは、お前がそうするように言ってんじゃないか!?」
エレン「何も言ってねぇよ、俺だってあいつのことが…分からない」
ジャン(分からないだと…?)
エレンの表情から察するに、言っていることはどうやら本当のようだ。
なら、俺はミカサを何から救うんだ?
ミカサはエレンに求められることを唯一の幸せとしている。
俺のやろうとしていることは、ミカサのその幸せを奪うことになるんじゃないか?
ジャン(いや…違う!)
ジャン「エレン、お前…ミカサのことをどう思っているんだ!?」
エレン「どう…って」
ジャン「またお前は、嘘をつくのか?」
エレン「…いや、俺はミカサを愛している」
ジャン「だったら…!」
エレン「俺だってミカサをあんな風に、したくない…」
ジャン「はぁ?だったらなんで」
エレン「まだ分からないか?一見俺がミカサを支配しているように見えるけどな、それは逆だ」
ジャン「逆…だと?」
エレン「俺が…ミカサに依存しているんだ、だから俺はミカサが求めるものに従う…それだけだ」
ジャン(アルミンが言っていたことと同じだ…)
ジャン「ミカサがそうしろとでも言ってるってのか?」
エレン「…見れば分かるんじゃないか?」
ジャン「………」
ミカサ「こんなところで何をしているの?」
ジャン「ミカサ…!」
エレン「お前こそ、何してる」
ミカサ「夜風に当たりに来たらエレンの声がしたから…」
エレン「そうかよ…」
ミカサ「それより教官たちが見回りを始めている、早く戻ったほうがいい」
エレン「分かったよ…」
エレンが部屋へ向かい、それを追おうとすると、突然肩を掴まれる。
ミカサ「ジャン、エレンと何を話していたの?」
ジャン「何って……お前のことだ」
ミカサ「私の…?」
ジャン「お前、エレンと一緒にいて苦しくないのか?」
ミカサ「エレンと一緒にいて苦しくなることなんかない」
ジャン「普通の付き合いをしたいとは思わないのか!?」
ミカサ「普通の?私たちは普通じゃないの?」
ジャン「ああ、少なくとも俺には普通に見えないな」
ミカサ「………」
ジャン「お前らは愛を履き違えてる、それはただの依存だ」
ジャン「もっと普通に恋して、人を愛したいとは思わないのか?」
ミカサ「私はエレンを愛している!」
ジャン「!!」
ミカサ「……ジャンに私たちのことを口出しする権利はない」
ジャン「…確かにそうだ、だがお前は普通に生きていくべきなんだ!」
ジャン「だから……俺が教えてやる」
ミカサ「………それはまた、告白?」
ジャン「なんでこういう時は鋭いんだよ!けど違う…」
ジャン「お前の言葉を聞いて、俺の中でも少し諦めがついた」
ミカサ「少し…」
ジャン「少しくらいいいだろ!?」
ミカサ「じゃあ教えるって?」
ジャン「俺がお前らに、本当の恋愛ってものを教えてやるよ」
-
- 55 : 2018/04/27(金) 12:34:41 :
- ジャン保護者やwww
期待です!
-
- 56 : 2018/04/27(金) 23:49:03 :
- >>55
ありがとうございます!
確かにそうですね笑
更新は明日にします
-
- 57 : 2018/04/28(土) 23:52:30 :
今日のミカサは様子がおかしい。
なぜそう思うのか分からないが、とにかくおかしい。
エレン「なぁミカサ」
ミカサ「なに?エレン」
ミカサとは思えないほどの華やかな笑顔で振り向いてくる。
エレン(笑顔が眩しすぎて直視できねぇ…)
エレン「お前、何かあったか?」
ミカサ「何かって?」
エレン「いや、それが分からないから聞いているんだが…」
ミカサ「何かおかしい?」
エレン「全てにおいておかしいぞ、さっきから何だその笑顔は!」
ミカサ「エレンを見つめていると、自然と頬が緩んでしまって…」
エレン「そういう奴だったか…?」
悪い気分はしない。
ただ、何があったのか。
エレン(さっきからジャンがこっちを見ている……いつものことだけど)
エレン「ジャンか?」
ミカサ「!」
エレン「お前またジャンと二人で…!」
ミカサ「違うのエレン、ジャンは私たちを心配して…」
エレン「クソ…!」
席を立ち、そのままジャンの方へと歩み寄る。
エレン「ジャン」
ジャン「なんだよ、そんな怖い顔すんなって…」
エレン「お前、ミカサに何吹き込んだ」
ジャン「吹き込んじゃいねぇよ、ちょっとしたアドバイスをしただけだ」
エレン「アドバイス…?」
ジャン「なぁ、今日のミカサ…正直どう思う?」
エレン「どう…って?」
ジャン「前と比べてどうだって聞いてんだよ」
エレン「…………可愛い」
ジャン「だろ!お前もなんか変わったな」
エレン「うるせぇ!」
ジャン「とにかくミカサに聞いてみりゃいいんじゃないか?」
エレン「…なんでお前がそんなことするんだよ」
ジャン「もうお前らが嘘ばっかついて周りに迷惑ばっかかけんのもウンザリなんだよ」
エレン「そりゃ悪かったな」
ジャン(本当はミカサのあの笑顔を見たかっただけなのかもしれない、ただ…)
あんな笑顔は、エレンにしか見せないから。
エレン「…てことで、ジャンがミカサに聞けってさ」
ミカサ「え…」
エレン「何言われたんだ?」
ミカサ「……………って」
エレン「ん?」
ミカサ「エレンの顔を見るたびに、エレンを好きだという気持ちを思い出せって」
エレン「………それだけか?」
ミカサ「それだけ」
エレン「はぁ!?てことはなんだ、お前はいつも俺を好きだと思ってなかったのか!?」
ミカサ「そういうことではなくて!今までのこと全てを思い出すって…」
エレン「今まで…?」
ミカサ「エレンと出会った時から、今日まで一緒にいた時間まで…全て」
ミカサ「そしたら、私はこんなにもエレンが好きだったんだって…今恋人としていられるのがどれほど幸せかって…」
ミカサ「そう考えたら、自然と…」
エレン(そうか…)
ミカサはおかしくなったわけでもなく、変わってしまったわけでもない。
これがきっと、ミカサなんだ。
エレン(まさか、ミカサから今までの俺たちを変えるとはな…)
ミカサ「だからエレン、私は…あなたが好き」
ずっと求めていたものが、今目の前にある。
だがこれは他を犠牲にして得たものではなく、他の力あってこそ手に入れられたものだ。
エレン(俺たちは何か、根本から間違っていたのかもしれないな…)
嘘吐きが正直になれば、世界はほんの少しだけ優しくなった。
今の俺の、最も正直な言葉を…
君に伝える。
エレン「俺もミカサが好きだ」
fin
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- 58 : 2018/04/28(土) 23:55:32 :
- ここまで見てくださった方々、ありがとうございます!
今回は大分勢いで書いたものだったので、不安定なままスタートし、終了してしまいました…
次回はしっかり内容を練り、挑戦していきたいです!
それではまた…
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- 59 : 2018/04/29(日) 07:02:03 :
- やっと見にこれたー!!
遅くなってすみません...
いつもとは違う感じで良かったです!!!
次の作品にも期待してます!!
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- 60 : 2018/04/29(日) 07:36:19 :
- ついに終わった。
師匠ー!後日談的な作品をお願いします
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
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- 61 : 2018/04/29(日) 08:41:10 :
- おつかれジャンッ☆
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- 64 : 2018/04/29(日) 18:00:25 :
- なるほど、エレミカはこうやって書けば良いのかφ(..)メモメモ
とても面白かったですし、参考になりました!
これからもお願いします!
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- 66 : 2018/04/30(月) 00:18:00 :
- >>64
ありがとうございます!
お力添えになれて光栄です!
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- 67 : 2018/05/04(金) 22:41:43 :
- 面白かったです!
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- 68 : 2018/05/06(日) 03:32:10 :
- >>67
ありがとうございます!
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- 69 : 2018/05/18(金) 11:15:06 :
- 神作・・・!!
すごく良かったです!
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- 70 : 2018/05/21(月) 07:28:27 :
- >>69
ありがとうございます!
とても嬉しいです!
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- 71 : 2018/05/29(火) 18:06:27 :
- これは最高に面白かった 天才 最高 ありがとうーーーー
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- 72 : 2018/05/31(木) 00:00:32 :
- >>71
そう言っていただけてとても嬉しいです!
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