このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
嫌悪のち憎悪【ダンガンロンパV3】
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- 1 : 2018/03/21(水) 23:20:52 :
- 衝動に駆られました。リルンです。
お久しぶりです。え?新スレ立てるよりも他のスレを完結させろ?
仰る通りでございます。
モチベが上がったら考えてみます。(書くとは言っていない)
以下注意事項です。
・不定期更新
・とあるSSにインスピレーションを受けています。
・>>1はダンガンロンパ全シリーズ(1、2、Reload、絶女、V3)をプレイした事がありません。
・紅鮭時空です。
・拙い文章です。
・放置しても恨まないでね…?(弱気)
以上です。ではでは…
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- 2 : 2018/03/21(水) 23:59:13 :
- 最原「……モノクマ?用って?」ガチャ
モノクマ「あ、来てくれたんだね。でも何事も早く済ませようとする男は嫌われちゃうよ?しっかり段階を踏まなきゃ」
最原「話を逸らすなよ…」
モノクマ「まあいいや、ボクも用件だけ伝えられればそれでいいからさ!」
嫌悪という感情は、聖人君子でもない限り誰でも持ち合わせている感情だ。
嫌悪は人の心から拭い去る事は不可能に近いと思う。
モノクマ「手短に言うよ!君に一週間嫌悪と憎悪に塗れた生活を送ってもらいたいんだ!」バァン
最原「………は?」
モノクマ「ん?意図が伝わらなかったかな?だーかーらー!君に一週間、皆から嫌われて過ごして貰いたいんだよ!」バンバン
最原「…理由は?報酬は何か用意されてるの?」
モノクマ「む。一度に二つの質問は難しいなぁ。なら先に理由から教えちゃいましょうか!」
モノクマ「なんと最原クンは男女共に好感度第一位!つまりそれを反転させれば絶望が待っている!そういう事だよ!」キラキラ
モノクマ「報酬としてはねぇ…うーん、そうだなぁ…」ウーン
モノクマ「じゃあ、一週間耐え抜いたら全員卒業ってことで!」キラーン
最原「滅茶苦茶だ…。でも…」
最原(僕が犠牲になるだけで皆はここから出られる…。そう考えれば安い代償かもしれない…。人の感情を弄ぶのは重罪だけど…)
最原「モノクマ、その言葉は信用していいんだよな?」
モノクマ「勿論だよ!あ、でも安心してね!一週間経ったら元通りの好感度に戻すから!記憶も引き継いでね!」
最原「今……なんて?」
モノクマ「最原クンは探偵なんだからそれぐらい考えなさい!でも今回はクマに免じて説明してあげましょー!」
モノクマ「ここに二つのスイッチがあるでしょ?こっちが嫌われるスイッチで、こっちが元通りになるスイッチ」
モノクマ「で、この元通りのスイッチを押したら、なんと皆は最原クンを嫌っていた時の記憶を残したまま、今後の生活を送ってもらいます!」
最原「…そんな危険な誘いは、断らせてもらう」
モノクマ「そんな事言っちゃっていいのかな~?押さないともっと酷いことになっちゃうかもよ~?」
最原「何だよ、もっと酷いことって!」
モノクマ「うぷぷ!これ以上は企業秘密です!さあ!押すの?押さないの?どっちなんだい!?」
最原「さっきの言葉、忘れるなよ…」
モノクマ「その反応はつまりOKって事だね?じゃあ張り切って行ってみましょー!」ポチッ
最原「ごめんね…皆…」スタスタ
だからこそ、美しいんだ。
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- 3 : 2018/03/22(木) 00:18:42 :
- ---一日目 朝---
最原「一週間耐えるだけ…一週間耐える…だけ…」ブツブツ
最原(まだ皆の様子を見た訳でもないし、被害妄想ばっか繰り広げちゃ駄目だよな…)スタスタ
最原(先にお腹空いたから朝ご飯食べに…ん?あそこにいるのは…)
最原「天海君…?」
天海「ん?…げっ、朝からツイてないっすね…。何でこんなのと…」ブツブツ
最原「おはよう天海君。今から朝ご飯食べ行こうと思ってたんだけど…」
天海「は?何でいちいち俺に伝えるんすか?勝手に行けばいいじゃないっすか。ていうかとっとと消えてくれないっすか?目障りなんで」
最原「ーーっ!?」
最原(あの天海君が…!?……恨むよモノクマ)
最原「…ごめん。気を悪くしたなら謝るよ。じゃあ、僕行くね」スタスタ
天海「…何でそんな上からなんすか?」
最原「えっ?あっ、その、ごめんなさい…」
天海「……まあいいっす。君といる時間が無駄で無駄で仕方ないんで」スタスタ
最原(…温厚な天海君がこんなに変貌するなんて…)
最原(これはちょっと、不味いかもな…)スタスタ
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- 4 : 2018/03/22(木) 19:04:33 :
- ガチ期待していいですか?
ゆっくりでいいので頑張ってください!
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- 5 : 2018/03/22(木) 20:43:01 :
- >>4 ではガチ期待にガチで応えさせて頂きたいと思います∠( `✧ω✧)/
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- 6 : 2018/03/23(金) 00:22:48 :
- ---食堂---
最原(天海君は元々人に手をあげたりはしない人だ。だから天海君はあんな風に言葉と態度だけに留まっていた。)
最原(なら比較的好戦的な人は…ぐっ…)
最原(タイミングが良いのか悪いのか…茶柱さん)
最原「おはよう茶柱さん、夢野さん」
茶柱「夢野さんは小動物みたいでかわい――……チッ、何でここに来るんですか…」
夢野「んあ?あぁ…最悪じゃな」
茶柱「夢野さん?気分を害したなら別のとこ行きましょ!」チラッ
最原(…一瞬だが茶柱さんと目が合った。あれは、あの目は、ゴミを見る目だった)
夢野「んあー、そうじゃな。あんなのと一緒になんぞいられんわ」
最原「くっ…」
茶柱「ですよね!あ、でもちょっと待ってて下さい!」スタスタ
最原(…?茶柱さんがこっちに来――)ガシッ
茶柱「目障りなんですよ、男死の分際で」グイッ
バァンッ!!
刹那、僕の身体は弧を描き、床に叩きつけられた。
最原「ぐあっ!!?」バタッ
茶柱「転子だけでなく、夢野さんの気分まで台無しにしたんです。これで済んだだけでも有難いと思ってくださいね」スタスタ
最原「……ごめん」
最原(…予想はできてた。でも…)
最原「くっ…」ポロポロ
最原(それ以上に……辛いっ…)
仲間に厭がられるというのは、次第に当事者の心を蝕んでいき、やがて瓦礫のように崩れてしまう。
彼には、皆を助けたいという思いと、止めて欲しいという思いがあり、それらは相反している。そんな人間は
壊れやすい。
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- 7 : 2018/03/23(金) 08:48:12 :
- ん?嫌われスイッチ?
期待です
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- 8 : 2018/03/23(金) 23:42:16 :
- >>7 そうですよー。期待あざます!
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- 9 : 2018/03/24(土) 00:04:24 :
- 最原(そういえば…この匂い…)スンスン
最原(そうか、時間的にそろそろ皆集ま……まずい)
最原(東条さんには悪いけど何か簡単に食べれる物を)
東条「……あら、こんな所で何してるのかしら」
最原「っ!東条さん、おはよう。朝ご飯を食べに来たんだけど…ははっ、ちょっと強く背中打ち過ぎたかな…まだ結構痛いや」
東条「そう…。先に言っておくわ。あなたの分の朝食は用意していない、いや、用意するのを忘れてたわ。ごめんなさいね」フフッ
最原「…そっか。いいんだ、東条さん。僕なんかに作りたくは無かっただろうしね」
東条「そうよ。…というか早くここから出ていってくれるかしら?皆の朝食が不味くなるわ」
最原「あっ…うん、ごめんね。でも、ちょっとだけ厨房に行っちゃ――」
東条「何故あなたのようなゴミ同然の存在を厨房に通さなきゃならないのかしら。早く消えて頂戴。目障りだわ」
最原「…分かった。ごめん」スタスタ
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――――――
―――――
最原(食事が不可能に近いとなると、一週間耐え抜くのは厳しいな…)
最原(何か打開策…あるわけない…か)
最原(でも、東条さんがいない時を見計らって食べるのは出来るかも――っ!)ドサッ
真宮寺「…何処見て歩いてるのかな、君は」
最原「し、真宮寺君!?ごめんぶつかっちゃって!ちょっと考え事してて…」
真宮寺「君みたいなのが偉そうに考え事なんてネ…。周り見て歩きなヨ?でないと…」
真宮寺「どうなっても知らないヨ?」ゾワッ
最原「…ごめんね、僕の置かれた立場も考えずに。すぐ消えるよ」スタスタ
真宮寺「そうだネ…それが賢明な判断だヨ。僕も正直君の顔を見たくないからサ」
最原「…失礼するよ」スタスタ
最原「(真宮寺君はまだまともだったな…。やはり元々備わってる性格で変わるな…)
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- 10 : 2018/03/24(土) 00:15:23 :
- 先に安価取っておきます。キーボについてです。
「キーボはロボットだ!ロボットに心はない!よって感情操作は受けないから最原の味方だ!」
という方は1を
「ロボット差別は止めてください!ロボットにも心(CPU)はあります!だから僕は最原クンが嫌いです!」という方は2をお選びください。
安価は↓から
2票先取で決定です。来なかったら…僕の希望を反映します。
よろしくお願いします!|•'-'•)و✧
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- 11 : 2018/03/24(土) 00:25:48 :
- 1.最原君に希望を。
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- 12 : 2018/03/24(土) 01:38:51 :
- 1 やっぱお助けキャラいないのはマズい
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- 13 : 2018/03/24(土) 06:43:08 :
- つか、機械に効くのが想像出来ん。1で
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- 15 : 2018/03/25(日) 00:13:24 :
- キーボ「あっ!最原クンじゃないですか!おはようございます!」
最原「…?おはようキーボ君。何かあった?」
最原(キーボ君には効いていないのか…?)
キーボ「それがですね…、皆さんの最原クンに対する反応が著しく変化していて…」
最原「…その事については、話すと長くなるかもしれない」
キーボ「知っているんですか?一体何が?」
―――――――――
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――――
――
キーボ「…なるほど。つまりこれはモノクマによるものだと、そういう理由なんですね」フムフム
最原「あぁ。でもキーボ君に効いていないとなると、考えられるのは…」
最原(ロボットだから干渉するための心が存在しないってことになるな…)
キーボ「む、今差別しましたね?」ムッ
最原「あぁいや、これは差別というよりは…何というか、ロボットで良かったなぁっていうので…」
キーボ「分かってますよ。少しからかってみただけです。つまり言いたいのは、細工をする心がボクに存在していないからってことですね?」
最原「あぁ、多分そういう事なんだと思う」
最原(取り敢えず友好的な人物がいたというのは大きな収穫だな)
キーボ「で、ボクはこれからどうしたらいいでしょうか?付き添った方がいいですか?」
最原「いや、あまり仲良くしている所を見られるとキーボ君にも被害が及ぶ可能性が高い。だから分かれて行動しようか」
最原「もし入間さんに『最原終一を嫌うプログラム』でも組み込まれたら大変でしょ?」
キーボ「それもそうですね。入間さんがそんなプログラムをボクにインストール出来るかは疑問ですが」
最原「…そうだ。キーボ君、僕が怪我を負ってたりしたら応急処置とかって…頼めるかな?」
キーボ「任せてください!最原クンの為なら張り切ってやりますよ!」フンス
最原「心強いや、キーボ君がいると。ありがとね、本当に。ありがとう…」
キーボ「そんなに重たい感謝は要らないですよ最原クン。友達でしょう?」
最原「キーボ君…」グスッ
百田「なあハルマキ、あそこにいるのって"最原"とキーボだよな?」スタスタ
春川「そうだよ。何で2人で仲良く話してんだろうね」スタスタ
最原「!!!」
最原(よりによって一番会いたくないペアが……来てしまった…)
キーボ「!!…では最原クン、これで失礼しますね」スタスタ
最原「…うん、気をつけてね」
最原(…百田君、春川さん、なるべく穏便に済ませてくれると助かるよ…信じてる….)
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- 16 : 2018/03/26(月) 00:27:38 :
- 百田「なぁ最原、キーボはテメェの仲間なのか?あぁ?」ガシッ
最原「ぐっ…。違うよ。あれはただすれ違った時に僕がぶつかっちゃって…」
百田「信用ならねぇな。じゃあ何でテメェとキーボは笑ってやがったんだ?」
最原「それは…、キーボ君優しいから、笑顔で注意を…」
百田「ケッ、取ってつけたような説明しやがって。これでキーボはテメェの仲間ってのが確定したな」
最原「ちがっ…。聞いてくれよ百田君!」
百田「あ?気安く俺の名前呼ぶんじゃねぇよ!!」ボゴッ
最原「ぐあっ!?……ごめん、でも聞いてくれないか?」
春川「ねぇ、都合良く話を進めようとしてるのかもしれないけどさ、アンタが置かれてる立場、理解してる?」ギロッ
最原「…勿論さ。だから言ってるんだ」
春川「…続けなよ」
最原「…うん。キーボ君は確かに僕を嫌っていないかもしれない。でもだからといって、彼を虐めるのは止めて欲しい。それだけだよ」
百田「ほぉ?じゃあつまり、テメェはキーボの分まで受ける覚悟があるってことで解釈していいんだな?」
最原「…キーボ君に手を出さないって約束してくれるなら」
百田「ああいいぜ。男に二言はねえからなぁ!」
春川「百田が良いなら私も呑んであげるよ、条件」
最原「ありがとう…。本当に助かるよ」
百田「テメェに感謝されて嬉しくねぇんだがな」ケッ
春川「いいよ百田、こいつは放っておいて食堂行くよ」グイッ
百田「ん?ああ、そうすっか」スタスタ
最原「……じゃあね」ボソッ
彼の呟きは、届くことは無かった。
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- 17 : 2018/03/27(火) 00:56:29 :
- 最原(さっきからずっと違和感を感じる…)
最原(好戦的であるはずの茶柱さんや百田君が一撃しか与えてこないということ…)
最原(モノクマが言っていた嫌悪と憎悪…、みんなからは嫌悪しか感じられなかった…)
最原(憎悪っていったら、もっと陰湿で凶暴な暴力が襲ってくるものだと考えていたんだけど…)
最原「……考えるだけ無駄か」ボソッ
入間「当たり前だろぉ!!テメェみたいなミジンコ並の脳じゃ考えることすらできねぇだろうなぁ!!」バッ
最原「っ!?入間、さん?」
最原(くっ…考え事してて周りに意識が向いてなかったか…)
入間「あ?俺様がいちゃ悪いかよ!キモイ原の分際で!」
最原(呼び名まで変わって…。まずいな、彼女の挑発的な態度を抑える手段が…今の僕にはない…)
入間「何とか言えよ!」グイッ
最原「うぐっ…ごめんね入間さん、僕が全部悪いんだよね」
入間「当たり前だ!!朝からテメェの顔なんざ見たく無かったぜ!」ケッ バッ
最原「わっ!?…ははっ、情けないなぁ…」ボソッ
入間「あ?よく聞こえねぇよ」
最原「いや、ちょっとした自虐さ。気にしないでくれ」
入間「ふーん。それより、とっとと消えてくんねぇ?」ギロッ
最原「!!…分かった。それじゃ…」スタスタ
入間「…へへっ、次は会いたくもねぇけど、会っちまったらあらゆる手を使ってボコしてやるからな」ニヤ
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- 18 : 2018/03/28(水) 00:15:33 :
- 最原「くっ…そんなこんなでもう昼だ…」スタスタ
最原(結局朝食にはありつけなかったなぁ…)スタスタ
最原(昼こそは何か食べれる物を…)スタスタ
王馬「ん?あれ、"最原"じゃん!」タッタッタッ
最原「…やあ王馬君、どうしたんだい?」
最原(……"最原"か…)
王馬「いや?何故か皆に嫌われちゃった可哀想な君を見つけたからさー」
王馬「うぇぇぇぇぇん!!!酷いよぉぉぉぉ!!!オレの大好きな大好きな最原が皆に嫌われちゃってるよぉぉぉぉ!!!」ビェェン
最原「…やめてくれ」
王馬「勿論嘘だよ!嘘に決まってんじゃん!」ケロッ
最原(今は嘘でさえ心に刺さる…)
最原「…そっか。僕これからお昼食べに行こうと思ってるから、ちょっと失礼するよ」
王馬「へぇ〜、ならオレが取ってきてあげるよ!これはホントだよ!嘘ついてないよ!」
最原(王馬君には悪いけど…今の君は信用するに値しない…)
最原「いや、いいよ。自分の食べるものくらい、自分で取ってくるよ」
王馬「ふ〜ん、ちぇ、つまんねーの。後で後悔しても知らないからね!ばいばーい!」タッタッタッ
最原「…じゃあね」
最原(行ってしまった…)
最原(正直僕も、昼も朝のように追い出されて終わりだと思ってる)
最原(でも、可能性を捨てない限りは不可能じゃない)
そう決心して、僕は食堂へ足を運んだ。
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- 19 : 2018/03/28(水) 23:59:08 :
- どうでもいいプライベートなことを一つ
ダンガンロンパのMMD良いですよね〜
特に砂の惑星とメーベルがオススメですね
他にも春川ちゃんの彗星ハネムーンだったり、赤松ちゃんのシャルルだったりと、鳥肌もんが多くて1ヶ月くらい毎日欠かすことなく見ては鳥肌立ててます( ˙꒳˙ )
僕は作る側の人間じゃないですが、是非見てみて下さいね〜
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- 20 : 2018/03/29(木) 00:27:43 :
- ---食堂---
僕が食堂に足を踏み入れ、周りを見渡すと
獄原「……あっ!最原君!最原君もお昼ご飯?」
ゴン太君がいた。
彼が人に暴力を振るう絵面は想像できないが、この状況じゃ有り得ない事もない。
こういう事を俗に疑心暗鬼と言うのだろう。
最原「あ、うん。僕がいちゃ不味くなっちゃうかもしれないけど…いいかな?」
獄原「いいよいいよ!でもね…なんか、最原君を見てると髪掻き毟りたくなったり、吐き気とは違ったムカムカした気分になったりするんだけど…」
最原「…なら、僕はいない方がいいね。ちょっと食べ物だけ貰って部屋に戻るよ」スタスタ
獄原「あ!ちょっと待って!ごめん最原君!紳士になりたいのに人を傷つけるような事を…」
最原「いいんだよゴン太君。僕は何も気にしてないよ。さっき君が言っていた事はみんなの共通認識と何ら変わりはないよ」
獄原「最原君が良くてもゴン太は気にするよ!さあさあ!ここに座って一緒に食べよう!」ポンポン
最原「…本当にいいの?」
獄原「うん!紳士は嘘をつかないんだよ!」
最原「…ありがとう。じゃあ、ご一緒させてもらうよ」
最原「あっ、その前に食べれる物、取ってくるね」スタスタ
獄原「うん!待ってるよ!」
さっきから気付いてはいたが、どうやら東条さんはここには居ないようだ。
だからやけに厨房は静かで、食堂の会話がよく聞こえる。
あぁ…何で…このタイミングで来ちゃうんだ…。
星「ん?今飯食ってんのは獄原一人か?」スタスタ
獄原「あ!星君!今最原君が食べ物取りに行ってるから待ってるんだ!」
星「……最原?チッ、最悪の状況に鉢合わせたな…」ボソッ
獄原「ん?星君どうかした?」キョトン
星「いや、何でもねぇ。俺もなんか食うもん持ってくるとするか」スタスタ
最原「…この状況…どうしようか…」
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- 21 : 2018/03/30(金) 01:48:21 :
- 最原(このままここに居たら星君が…)
待て。間違えるな。
最原(これじゃ僕が嫌ってるみたいじゃないか…)
最原(…なら僕は、自然体でいるだけ…)
星「ケッ、やっぱりここに居やがったか」カタッ
最原「…やあ星君。君も何か食べに?」
星「そんなとこだ。ところで最原…」
星「この後俺の研究教室に来い、強制だ」
最原「…!!…分かったよ。何か食べたらすぐ行くよ」
星「そうか…。まだ食べるもんがあるだけ感謝するんだな」
最原「……そうだね」
あれから僕と星君は、各自食べたい物を手に食堂に戻った。
ゴン太君はやはり紳士だった。話したくも顔を見たくもない僕にも優しかった。
でもね、ゴン太君。
そういう人間は、都合のいいように扱われちゃうんだよ。
---星の研究教室---
星「……来たか」
最原「待たせちゃったかな?ごめんね」
星「いやいいさ。呼んだのは俺だ」
最原「…で、何をするの―――」
ガゴンッ!!!
耳を掠めた物体は後ろの壁にめり込み、音なんてものは、遅かった。
星「…今のはほんの挨拶代わりだ」
最原「なっ!?星君、君は!」
星「分かってるさ。でも折角なら、俺に与えられた"才能"ってやつで」
星「お前を甚振りたかったんだよ」ヒュン
べご
最原「っ!?」
何故わざと外す?どんな意図があって?分からない。分からない分からない分からない分からない
星「どうやら人間ってのは、得体の知れない恐怖を目にすると思考が停止するらしいな」
最原「あがっ…ぅぅ…」
星「さっき甚振るって言ったが気が変わった。お前の怖がる姿を見るのが」
星「滑稽で仕方ねぇんだ」シュン
ごりゅ
最原「ひぃぃ…はぅ…」ガタガタ
的確に外してくる。人の急所目掛けて飛んできてるのに。これが超高校級のテニス選手たる所以なのか?
星「あと10球打ち込んだら解放してやるよ」ビュン
ばき
最原「ふっ…くっ…」ガタガタ
めり どす
最原「ぉぁ……ゎ……」ガタガタ
めぎ ごりゅ がんっ
最原「や、やめっ…ぇ…」ガタガタガタガタ
どご むきゅ ぐむ ぐりゅ
最原「ぁぁ…ああああああ」ガタガタガタガタ
星「終わったぜ。帰りたきゃ帰れ」
みっともない姿だ。涙も鼻水も涎も尿も何もかも垂れ流しだ。
僕の精神は摩耗仕切った。
どんどんこわれてく ぼくのからだ
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- 22 : 2018/03/31(土) 01:10:44 :
- 人間は圧倒的な恐怖の前には為す術もなく屈するしかできない。
僕がいい例だ。無様で無知で無謀で無価値で無意味で無駄な僕が恐怖に勝てる筈もない。
行かなきゃ。ここに居たらまた壊れる。
最原「ふーっ…ふーっ…」ザッザッザッ
星「フッ、無様だな、最原」
言葉が出ない。声帯が云々とか舌が云々とかの物理的じゃなく、また比喩的なものでもない。精神的に潰された。
こんなんで一週間も耐えられるのか…?
最原「はー…はー…」スーハースーハー
最原(落ち着け最原終一。考えて行動しろ。まずは深呼吸だ)スーハースーハー
最原「…はぁ…」
最原(いつも通り振る舞わなきゃ…)
最原「…よし。行け…そう…?」ピクッ
夜長「あれー?終一じゃーん!こんな所で何してんのー?」
最原「ア、アンジーさん。君こそどうしたの?」
夜長「主は言いました…。ここに来れば終一に会えると…てことで来たんだよー!」
最原「そ、そうなんだね」
最原(アンジーさんの様子に特に変わりはない…つまり一番危険…)
夜長「それでねー、神様がこう言ってたんだー。この絵の具を溶かした水を終一にぶっかけろってねー!」バッシャーン
最原「!!?」ザバァッ
夜長「にゃははー!面白い!面白いよー終一ー!じゃあぐっばいなら〜!」タッタッタッ
最原(くっ…やるだけやって逃げていく…これじゃ学校での典型的な虐めと大差ないじゃないか…)
最原(…でも何で、もう片方の手に持ってた鏨は使わなかったんだ…?)
「会いたくなかったよ、最原君」
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- 23 : 2018/04/01(日) 16:01:14 :
- 申し訳ないです。
昨日は友人宅に外泊していたので書けなかったです。
今日は勿論書きますのでどうぞよろしくお願いします。
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- 24 : 2018/04/01(日) 19:25:42 :
- 期待してます!
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- 25 : 2018/04/02(月) 00:16:03 :
- >>24 頑張ります!
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- 26 : 2018/04/02(月) 00:39:31 :
- 最原(あぁ…僕も聞きたくなかったよ、君の声)
最原「…やあ赤松さん…そうだよね、僕なんかには会いたくなかったよね…」
僕の後ろから声をかけてきたのは、紛れもない、あの赤松さんだった。
出来れば彼女との接触は最低限、むしろ接触しないようにしたかった。彼女との関係が崩れ落ちるのが容易に想像出来たし、何よ崩したくなかった。
赤松「当たり前でしょ?誰も君の顔なんか見たくないに決まってるじゃん」
最原「…なかなかストレートに言ってくれるね…」ズキッ
赤松「は?これでも結構オブラートに包んでるんだよ?」
最原「…ははっ、冗談きついなぁ…」
赤松「冗談?そんなわけないでしょ」
最原「うん、分かってる。ちょっと現実から目を背けたかっただけだよ」
最原(それより何故赤松さんは声を…?)
赤松「さっきアンジーさんが君に何かちょっかい出してるのを見てさ、ちょっと言いたいことがあったから来たんだけど」
最原「…言いたいことって?」
赤松「言いたいことというか、忠告だよ」
赤松「これから私達、容赦しないから」ギロッ
最原「…え?」
赤松「じゃあ、それだけだから」スタスタ
最原「あっ、ちょっ、待って!」バッ
赤松「着いてこないで」ギロッ
最原「っ!?」ビクッ
最原(容赦しないって…つまり虐めがエスカレートするって事か…?)
最原(…早めに身の安全を確保できる場所を探した方がいいかもな…)
最原(自室は多分安易な考え過ぎてピッキングやらで安全とは言えない…)
最原(でもそれ以外の場所はないな…)
最原(自室よりも安全で生活できる所…)
最原(…!!キーボ君の部屋!)
最原(そうと決まれば早速交渉に―――)
最原(……いや、先に夜の食料も確保しておかないと…)
そう考えた彼は、食堂へ足を運んだ。
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- 27 : 2018/04/02(月) 01:32:38 :
- 閲覧数が1000超えてる!!?
いやぁありがとうございます(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷ ⌑ ᵒ̴̶̷⸝⸝⸝)
完結(できたら)させます!
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- 28 : 2018/04/02(月) 11:08:37 :
- ちょっと待てこれ以上エスカレートしたら最原死ぬわ。まさかこれがモノクマの…………
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- 29 : 2018/04/03(火) 00:27:37 :
- >>28 まだまだ!まだまだですよ!こんなんじゃ温い!もっとハードでドロッドロなの書いていきますよ!
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- 30 : 2018/04/03(火) 00:58:32 :
- ---食堂---
最原(見た感じ人の気配はしない…)スタスタ
最原(このままサッと取ってサッと帰ろう…)スタスタ
最原(取り敢えずお腹が膨れるものを…)ガサガサ
最原(というか、白銀さんに会ってないな…)
最原(まあ今の状態じゃ会わない方がいいんだろうけど…)
最原(……んっと、これだけ持ってけば大丈夫かな…?)ドサッ
最原(結構貯めておいてもいいし、もうちょっと持ってくか…)
最原(……待てよ?)
最原(何故東条さんに遭遇しない?)
最原(彼女は学園内を忙しなく動き回っている筈…仕事上…)
最原(それとも僕が見逃してるだけで、彼女は僕に気づいたらすぐに距離を置いているのかも…?)
最原(もしくは……何か大きな事に手を貸している…?)
最原(一度僕が彼らの立場になって考えてみよう。そこから見えてくるものもあるかもしれない)
最原(まず、嫌いな人と同じ空間で生活しなきゃならない場合、僕ならその人に直接手を出したりしない…)
最原(僕ならきっと、確実にその人が嫌がることをする筈だ…)
最原(確実に…嫌がること…)
最原(東条さんは仕事上、学園内の掃除やら皆の食事を作ったりしている…)
最原(……掃除…食事…料理…)
最原(これらに共通する事は……ゴミが出ること…)
最原「…まずいっ!」ダッ
最原(僕の部屋がゴミ捨て場になっている可能性が高い!早くしないと悪化する!!)ダッダッダッ
僕が寄宿舎に辿り着く道のりで、誰にも遭遇しなかったのは幸運だった。
でも現実は非情だ。目の前に広がる絶望は僕の弱った心に深く突き刺さる。
ペットボトル、空き箱、魚の骨、ティッシュ埃髪の毛魚の内臓ヘドロ虫の死骸生理用品食べかすゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミゴミ
見渡す限りの、ゴミ
最原「嘘……だろ…」ガクッ
とてもじゃないが、生活できるような環境ではなかった。
放置したら疫病でも発生しそうな、ゴミ溜め。
最原(……絶望するのはまだ早いだろ…)
最原(こうしちゃいられない…早くキーボ君の元にっ!)ダッダッダッ
駆け出す彼の姿は、絶望に染まりかけの希望そのものだった。
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- 31 : 2018/04/03(火) 16:26:39 :
- 終一が馬鹿なのか、周りがクズなのか、考えたモノクマが悪いのかがはっきりいってわからん。
皆、嫌い。
-
- 32 : 2018/04/03(火) 21:41:26 :
- 絶望だわ(´・ω・`)
-
- 34 : 2018/04/04(水) 00:18:26 :
- そのセリフだと最終的にハッピーエンドで終わるのかな?
-
- 35 : 2018/04/04(水) 00:31:10 :
- 最原「キーボ君!居るかい!?」ドンドン
ガチャッ
キーボ「さ、最原クン!どうしたんですか?そんなに焦って」オドオド
最原「あぁ良かった!突然で悪いんだけどさ、一週間泊めてもらえないかな?」
キーボ「い、一週間ですか?……今の状況を考えると、そうですね。いいですよ最原クン!」
最原「本当に!良か―――」
王馬「最原ちゃーん?ダメじゃん、自分の部屋で寝なきゃ」
最原「お、王馬君…いや、これには色々と理由があるんだよ!」
王馬「ふーん?理由ねぇ…」ニシシ
最原(遊ばれてるのか…?)
最原「えーっと…ぼ、僕はキーボ君との親睦を深めようと思って、まず手始めにお泊まり会的なものをと思って…」
最原(ひ、酷すぎる!苦し紛れとはいえ、もっといい言い訳あっただろ!!)
王馬「それにしては長くなーい?一週間なんてさ」
最原「そ、それもそうだね…。じゃあ三日くらい…じゃダメかな…?」
王馬「最原ちゃんはどうしても"キー坊の部屋"に泊まりたいんだね?何で"最原ちゃんの部屋"じゃダメなのかなー?」
最原「…僕の部屋はとても散らかってて、泊まるには適してないと思ったからだよ」
王馬「ふーん。まあそういうことにしてあげるよ。でもキー坊の迷惑ぐらい考えなよ?」
キーボ「え?」
王馬「ほら、キー坊だってこんなに迷惑そうにしてるじゃん。鉄屑に感情があるかは別としてさー」
キーボ「この状況でロボット差別は止めてください!少なくとも僕は迷惑と判断したことはありません!」
王馬「ホントかな?キー坊は嘘吐くの得意だもんねー!」
キーボ「僕は生まれて此方嘘を吐いた事なんてありませんよ!それと、王馬クンにだけは言われたくないです!」
最原「…どうして王馬君は、そんなにも僕を自分の部屋に帰したいの?」
王馬「ん?単純な理由じゃん。最原ちゃんに現実から目を背けてもらいたくないからさ」
最原(!?王馬君は僕の部屋の惨状を知っている?加担したのか?)
王馬「っはは!悩んでる!悩んでるねぇ最原ちゃん!」
王馬「ちょーっとカマかけたくらいで焦っちゃって、探偵の名が廃るね」
キーボ「王馬クン!それ以上最原クンを虐めるのは―――」
最原「キーボ君は部屋に戻っててくれ…。君を巻き込む訳にはいかない…」
キーボ「でも!」
最原「その心遣いが今の僕にとっては一番の治療薬だ。気持ちだけ受け取っておくよ。僕から頼んでおいてアレだけどね」
王馬「てことでキー坊は部屋に戻って戻って!こっからは最原ちゃんとの話し合いで決めるからさ!」
最原「いや、もういいんだ。自分の部屋に戻るとするよ」
王馬「おっ!賢いね〜最原ちゃん!それが最良の選択だよ!」
最原「…じゃあ」ダッダッダッ
キーボ「待って!!最原クン!!」
彼の声は届かなかった。
最原(クソッ!クソッ!!何でこうも上手くいかないんだ!!)ダッダッダッ
-
- 36 : 2018/04/04(水) 01:45:43 :
- >>34 2ルート書いてもいいかなぁって思ってます。HappyもBadも( *¯ㅿ¯*)
-
- 37 : 2018/04/04(水) 15:22:07 :
- どうしようどうあがいてもhappy endに繋がる未来が見えない。
罪悪感で今後の関係がギクシャクするかも
-
- 38 : 2018/04/04(水) 16:29:19 :
- なんかv3が出てから急激に増えたな嫌われスイッチ系、俺の知る限り完結だけだと三作あるぞ、二つはss速報、もう一つはピクシブ、なんだろう最原くんだと嫌われ感がめっちゃいいのかな?
-
- 40 : 2018/04/05(木) 00:34:21 :
- 僕の部屋まで一直線に駆けてきた。
目の前に立つ彼女が僕の部屋で何をしているかは、容易に想像出来た。
"ゴミ捨て"だ。
東条「…あら?こんな所に何のようかしら、最原君」
最原「それはこっちのセリフさ。そこは僕の部屋だよ」
東条「…そうだったかしら?随分と汚いから、ゴミ捨て場と勘違いしていたわ」ウフフ
最原(…確信犯…)
最原「…ごめんね汚くて。"意図せぬ不法投棄"があったのかな、僕の部屋」
東条「フフッ、皮肉かしら?それと、そんな口聞いてちゃ、これから貴方の食事作ってあげないわよ?」
最原(!!?)
最原(これは欲に漬け込み逃げさせないようにする為の罠か?…いや、彼女を疑い過ぎるのも悪い…)
最原「ご、ごめん!気分を悪くしたなら謝るよ。僕に料理を振舞ってくれるってのは本当かい?」
東条「ええ、本当よ。だから」
東条「残さず、食べて頂戴ね?」ニヤリ
最原「あ、あぁ。ありがとう。助かるよ」
東条「まあ貴方に礼を言われたくはないのだけれど。それじゃ私は帰らせてもらうわ」ドサッ
最原「ちょっ、ちょっと待ってよ!せめてこのゴミくらいはちゃんとした場所に捨ててきてよ!」
東条「…仕方ないわね。それだけは持って行ってあげるわ」ガシッ
東条「じゃあ、明日朝、遅れないようにね?」
最原「う、うん。分かったよ」
臭い。臭い臭い臭い臭い臭い臭い。
鼻が曲がるなんて物じゃない。嗅覚が直接刺激されて細胞が死にそうだ。
強烈な臭いのせいで頭痛までしてきた。それと目に染みる。
寝るスペースなんてない。自分の部屋じゃないと思った。それ程この光景は腐ってる。
せめてゴミを退けて座ってでも寝れるように、スペースを確保しなくては…。
簡易的な鼻栓でも挿して寝よう。
この絶望的な現実から目を背けたかった。
今でも遅くないから、夢だ、嘘だって言ってくれ。
でもそれは叶わない願望。虚構なんかじゃない。この五感に伝わる刺激がそれを物語る。
段々と意識が遠のいて行く感覚を覚え、僕は意識を手放した。
-
- 41 : 2018/04/05(木) 14:51:21 :
- >>37
むしろ和解した途端不自然なまでに元の通りに関係が戻っているパターンが多いし
逆にそういう方が新鮮な気がする。
-
- 42 : 2018/04/05(木) 23:17:50 :
- >>41 まあ普通に考えれば険悪ムード全開ですよね。このスレ書き溜めとかは存在しないので、僕のフラッシュアイデアで展開が変わってきますので( ˙꒳˙ )
一応着地点は見えつつあります。
-
- 43 : 2018/04/05(木) 23:51:51 :
- モノクマ「やあ、モノクマだよ」
モノクマ「え?今何処にいるんだ、だって?」
モノクマ「まあ、あの例の隠し部屋だよ」
モノクマ「そして、何故このタイミングでボクが出てきたのかと言いますと…」
モノクマ「最原クンには伝えてない、とっても重要な事を暴露するためです!」
モノクマ「うぷぷ、今頃最原クンは絶望の中で眠りに就いたかな?」
モノクマ「で、重要な事ってのはねぇ…」
モノクマ「実はこのスイッチ、徐々に効果が増してく代物でね。今皆の最原クンに対する嫌悪度はこんな感じになってるよ」
【名前】《嫌悪度》『憎悪度』
【天海 蘭太郎】《50》『0』
【王馬 小吉】《50》『0』
【キーボ】《0》『0』
【獄原 ゴン太】《50》『0』
【真宮寺 是清】《50》『0』
【百田 解斗】《50》『0』
【星 竜馬】《50》『0』
【赤松 楓】《50》『0』
【入間 美兎】《50》『0』
【白銀 つむぎ】《50》『0』
【茶柱 転子】《50》『0』
【東条 斬美】《50》『0』
【春川 魔姫】《50》『0』
【夢野 秘密子】《50》『0』
【夜長 アンジー】《50》『0』
モノクマ「ざっとこんな感じだね!やっぱキーボクンはロボットだから効いてなかったかぁ…。」
モノクマ「それと、何で白銀さんもかかってるの?っていう質問があるかもしれないから先に言っておくね」
モノクマ「絶望は予測出来ないんだよ。例え首謀者という立場であってもね」ウププ
モノクマ「あぁ、あとね。モノクマーズについてだけど、あの子達は"基本的には"動くことは無いよ。ボクの命令だからね」
モノクマ「話を戻すけどね、キーボクンを除いた他14人の嫌悪度は《50》で憎悪度は『0』なんだ。この《50》っていう数字は、押したその日の固定数値なんだよね」
モノクマ「押した翌日から段々と嫌悪度が上昇していき…、やがて最大値の《100》に達するんだ」
モノクマ「そして憎悪度についてなんだけど、これは嫌悪度が《100》に達すると上昇し始めるんだ」
モノクマ「嫌っている時とは違う、憎悪に塗れた醜い虐めが見られるよ!」
モノクマ「嫌悪度は皆同時に同じ数値だけ上がっていくけど、憎悪度は人によって上昇幅が違うんだよね」
モノクマ「よく言うよね。大好きの反対は無関心で、大嫌いではないって。だから元の好感度と嫌悪度は関係ないんだ」
モノクマ「でも憎悪度はどうかな?愛の対義語は憎だから、憎悪度は元の好感度に左右されるんだよ」
モノクマ「だからね、ボクは楽しみなのさ。赤松さんや春川さん、百田クンがどうなるかがね」ウププ
モノクマ「じゃあ、ボクはこれで!ばいなら〜」
-
- 44 : 2018/04/06(金) 22:57:43 :
- 今日から学校始まったので、更新頻度が落ちる"かも"しれません。
もし放置気味だったら…>>1のTwitterに何か送って下されば多分帰ってきます(多分きっと恐らく)
-
- 45 : 2018/04/06(金) 23:27:36 :
- そんなこと言わず…もっと絶望をくれよ…はぁ…はぁ…(絶望フェチ)
-
- 46 : 2018/04/07(土) 00:02:09 :
- >>45 忌村さんに頼んで薬用意してもらいますねー( ᐛ )و
☆「最原君の傷付く姿見たい☆」っと…
-
- 47 : 2018/04/07(土) 00:39:17 :
- 2日目 START
キーボ君を除いた、皆の最原君に対する嫌悪度が《25》上昇しました。
憎悪度に変化はありません。
最原「…んっ…」グググッ
最原(何とか眠れた…)
最原「っと、朝ご飯が用意されてるんだっけ。急がなきゃ」バサッ
身支度を済ませ食堂へ向かう最原終一であった。
---食堂---
最原「みんな、おはよう」
そこには起きたばかりであろう、茶柱さんと夢野さん、天海君がいた。
茶柱「よくのうのうと転子達の前に来られますね…」ギリッ
夢野「まあよせ転子。あんなの居ないのと変わらん。気にしない方が良い」
茶柱「まぁ、夢野さんがそう言うなら…」
天海「というか、何で食堂何かに来たんすかね?」
最原「…朝食を、摂りにきたんだ」
天海「誰が君の分の朝食なんて用意すると―――」
東条「あら、ちゃんと来たのね」チラッ
最原「あ、東条さん…。約束、守ったよ」
東条「フフッ、正直言うと、私は貴方の分の朝食なんて作りたくないのだけどね」
最原「重々承知さ。ありがとう、作ってくれた…んだよね」
東条「まあ、私から言ったことだから。ちょっと待っていて頂戴。持ってくるわ」スタスタ
天海「…まさか東条さんが君なんかの為に…」
最原「…不快、だったかな」
天海「…当たり前っすけど、正直どうでもいいっす。君の事なんか」
最原「…そっか」
一度厨房に戻って行った東条さんが、僕の分の朝食を持って戻ってきた。
東条「どうぞ、召し上がれ」
何の変哲もない、洋食に分類される朝食が僕の前に広がった。
東条さん自身が焼いたのかは分からないが、丁度良い焼き加減のクロワッサン。
プレートに盛り付けられた形の整っているオムレツ。付け合せにはコーンやベーコン、青菜のソテーだろうか。とてもバターの良い香りがしてくる。
眠気覚ましの為だろうか、洋食の飲み物の代表格のコーヒーもある。
見た目だけでは完璧だ。
けれど昨日見せたあの表情…。何か企んでいるのは確定だろう。
まあ食べる前から懐疑の目を向けても失礼だ。取り敢えず食べよう。
オムレツを食べようとスプーンで一口大に切り分けた瞬間、僕の鼻腔には異臭が入り込んできた。
最原「臭っ!!」
具材は何だ?何故ここまで強い臭いがする?あの部屋程ではないが、とてもクセのある臭いだ。
東条「フフッ、その中身はラム肉よ」
最原「ラム肉?!羊って事だよね?」
最原(ラム肉はこんなにも臭うものだったか…?)
東条「そのラム肉はモンゴル産の物よ。モンゴルの方には失礼だけれど、モンゴルのラム肉は臭いが強烈な事で有名なのよ」
東条「日本で食べられているラム肉は草などに工夫をして、臭いを抑えているけれど、モンゴルはそうではない」
東条「そこに私が少し手を加えて臭いを引き立てたわ。その様子を見ると、相当強烈だったようね」フフフ
最原(くっ…臭いがこれだと味も心配だ…。嗅覚を刺激されると味覚もおかしくなる…)
最原(でも食べないとだ。それが僕と東条さんの約束…)カチャ
最原「…頂くよ」
東条「ええ、どうぞ」
僕は異臭を放つオムレツを、一思いに頬張った。
-
- 48 : 2018/04/07(土) 01:19:58 :
- 最原頑張れ!
-
- 49 : 2018/04/07(土) 01:35:23 :
- てっきり生ゴミが出てくると思った…東条さん優しいなー。
でもその割には部屋をめっちゃくちゃゴミまみれにしたな。
-
- 50 : 2018/04/07(土) 09:30:17 :
- ゴン太は珍しいパターンとしても
天海真宮寺に入間王馬赤松と、星東条でえらく差が出てね。
-
- 51 : 2018/04/07(土) 19:08:52 :
- 滅私奉公とは…
-
- 53 : 2018/04/08(日) 00:27:58 :
- 最原「んんっ!?」
食べた事ない味。青々しい味。生臭い。
東条「フフッ、臭いに比例した味でしょう?」
最原(とてもじゃないが美味しいとは言えない…)
最原(出来る事ならこれをこのまま吐き出したいけど…)
東条「残さず食べるのよ?」
叶うはずもない。そういう約束だ。
最原(草でも食べてる、そんな気分だ。生臭さも今まで食べてきたラム肉の比じゃない)ゴクン
最原「…当たり前じゃないか、そういう約束だもんね」パクッ
東条「一つ言っておくと、そのラム肉の臭いは日本人の多くが嫌っている物よ。だから傍から見たら、今の貴方は正気の沙汰ではないわ」
東条「まあ、そんな事どうでもいいのだけど」
最原「僕はこれを食べ切るって約束したんだ。世間体なんか気にしないさ」
最原「…まあこの状況じゃ気にしても仕方がないんだけどね」
東条「…私もその臭い、耐え切れないから失礼するわ。全部食べ切るのを期待して待ってるわ」フフッ
最原「うん。作ってくれてありがとう、東条さん」
最原(正直、食べられる気はしない)
最原(だからと言って、残す事は許されない)
最原(食堂には他の人もいる。僕と東条さんの会話は嫌でも聞こえていた筈だ)
最原(つまり今の僕には監視の目が付けられている)
最原(食べ切ればそれで終了。食べ切ることが出来なければ…きっと侮蔑されるだろう)
最原(出来れば一週間経ったあと、効果が切れた時に嫌な記憶が最小限に抑えられるようにしたい)
最原(…僕の勝手な願望だ。でも何とかしなきゃだ)
最原(まずはこれを食べ切る事から始めよう。何か調味料を足して…と考えたけど、調味料を足すという行為は、作ってくれた人に対する侮辱だ)
最原(……一番有効なのは鼻を摘んで食べる事かな…古典的だけど)
最原「…頂きます」パクッ
-
- 54 : 2018/04/08(日) 01:09:14 :
- うーん、この様子だと嫌悪と憎悪の一週間だけでもかなり長引きそうだな。
-
- 55 : 2018/04/08(日) 21:48:47 :
- >>54 一つお尋ねします。逆に長引いては駄目なのでしょうか?僕は準備を徹底する事で、あとの展開により愉悦を感じられると思っているのですが。
こんな事でグチグチすみません。自分でも思っていた以上に器が小さいのかもしれません。けれど話の展開だけは自分で決めていきたいのです。
まあ3日目から安価取り始める予定ですが(ネタバレ)
-
- 56 : 2018/04/08(日) 22:28:27 :
- すみません、続きが見たいあまり急かすような発言をして不快な思いをさせてしまい本当に申し訳ございません。
以後発言には気をつけます。
-
- 57 : 2018/04/08(日) 23:02:23 :
- >>56 いやーごめんなさい!そんなに畏まらなくても全然大丈夫です!
この言葉には自分に対しての鞭打ちの意味もありますので!
よければ最後までお付き合い下さい…( *¯ㅿ¯*)
-
- 58 : 2018/04/08(日) 23:05:45 :
- ありがとうございます!喜んで最後までお供いたします!
-
- 59 : 2018/04/08(日) 23:19:14 :
- >>58 ありがたい…ありがたい…(/ω\)
-
- 60 : 2018/04/08(日) 23:32:25 :
- 食べ終わって気づいた。
人の味覚というのは、住む場所や環境、その国の文化や風習によって、それに適応したものに進化していくのだと。
初日でこれだ。明日からはどんな物を食べさせられるのだろう。
けれど、諦めはしない。
それが最善の策だと、信じてるから―――
最原「…ご馳走、さまでした…」
天海「ちぇっ、吐いたりしたらそれはそれで面白かったんすけどねー。残念っす」スタスタ
天海君は朝食を腹に収めると、すぐに席を立ち、食堂をあとにした。
茶柱「転子としては、吐かなくて本当に良かったです。夢野さんにそんな物見せられません。もし吐いていたら…考えれば分かりますね」スタスタ
夢野「んあー、なかなかお主の食べてる姿は滑稽じゃったぞ」スタスタ
茶柱さんと夢野さんも天海君の後を追うような形で、食堂を去っていった。
東条「食べ終わったなら片付けなきゃね。じゃあこれで失礼するわ」
最原「うん。助かったよ」
東条さんは僕の声に対して目を細め、あからさまに嫌な顔をした。彼女の感情的な顔は珍しい。こんな状況なのが悔やまれる。
最原「…さて、僕も行くか…」
最原(といっても、何処に行くか…)
最原(適当にふらつくのは危険だな…かといって行く宛もない…)
最原(キーボ君と話でもするかな…)
そう決断した僕は、彼らと同じように、食堂を出た。
-
- 61 : 2018/04/09(月) 23:52:43 :
- ---キーボの部屋---
最原(いるかな…?)
最原「おーいキーボ君!いるかーい?」
ガチャッ
キーボ「はい?あ、最原クンでしたか!…昨晩は大丈夫でしたか?」
最原「あ、うん。何とかなったよ」
キーボ「そうですか!それは良かったです…」ホッ
キーボ「それで、何か用でもありました?」
最原「あ、いや!特に用があるって訳じゃないんだけど…ただちょっと話したいなーって…」
キーボ「なかなか嬉しいこと言ってくれるじゃないですか!いいですよ!さあ入って入って!」
最原「お、お邪魔します」
最原「いやぁ…疲れた…」ゲッソリ
キーボ「昨晩、眠れたんですか?」
最原「うん、眠れたには眠れたんだけど…。無駄に精神を削られたって感じで…」
キーボ「大変でしたね…。今日からボクの部屋に泊まるようにしますか?」
最原「そうさせてもらおうかな…。今なら王馬君はいないしね」
最原(ん?あの花は…?)
最原「ねぇキーボ君、あの花って誰が持ってきたの?」
キーボ「あの花?あ、あれですか。あれは今朝白銀さんがプレゼントって言ってくれたんですよ」
キーボ「名前は…何でしたっけ…」
最原「あれは…ゲッケイジュだね。前に本で見た事があるよ」
最原(大人びた知識が欲しいって思って花言葉を調べてた時に見つけたのは黙っておこう…)
最原(…あっ、ゲッケイジュの花言葉って確か…)
最原「裏切り…」ボソッ
キーボ「ん?何か言いましたか?」
最原「ああいや、何でもないよ」
最原(白銀さんは気付いている?気付いているからこんな物を送り付けてきた?気付いていなきゃこんなマイナーな物、持ってこない筈だ)
最原(白銀さんが花言葉について何も知らないという可能性は低いだろう…あの白銀さんだ、きっと調べている)
最原(というか、キーボ君が皆にとって裏切り者だと判断する為には、僕との廊下での会話や、昨夜の僕と王馬君との会話を聞いていないと難しい筈…)
最原(…尾けていた?初めから?有り得なくはないな…)
最原(取り敢えず白銀さんは警戒人物として把握しておこう…)
-
- 62 : 2018/04/10(火) 21:44:45 :
- そういえば僕は今年受験生になるので、更新が不定期になるかもしれません。ご容赦下さい( ˙꒳˙ )
-
- 63 : 2018/04/11(水) 01:14:28 :
- 最原「キーボ君、やっぱり僕はここに泊まらない方がいいのかもしれない…」
キーボ「!?何故ですか!?」
最原「…さっき何でもないよって言ったけど、その花の花言葉ってね…」
最原「『裏切り』なんだよね…」
キーボ「裏…切り…?」
最原「つまり、白銀さんにキーボ君にスイッチの効果が出ていない事がバレてしまっているってことだ」
最原(百田君と春川さんが告げ口をしたとは考えにくいし…かといって王馬君もそんな事をするとは考えられない…)
最原(つまり彼女の単独行動…)
最原「裏切り者とバレてしまっている以上、行動が監視されている可能性は捨てきれない。今も何処かにカメラや盗聴器が隠されてあって、監視されているかもしれない」
キーボ「そ、そんな…」
最原「だから、止めた方がいいかなって」
キーボ「…まだ確定した訳じゃないですよね」
最原「うん、まあね。今から僕が白銀さんの所に出向いて問い詰めてもいいんだけどね」
キーボ「そうしましょう!….こんな会話してたら警戒されますよね…?」
最原「まあ、いいんじゃないかな?彼女も僕が会いに行くことは予想してただろうし」
キーボ「そうですか。じゃあ最原クン、お願いしますね。ボクはこの部屋に隠しカメラや盗聴器がないが調べてみます」
最原「うん、よろしく頼むよ」
-
- 64 : 2018/04/11(水) 23:45:54 :
- 最原(白銀さんは…自分の研究教室にいるかな…?)スタスタ
最原(…個人的な感想だけど、白銀さんは何か大きな事を隠している気がする…)スタスタ
最原(漠然としてるけど、そんな気がする…)スタスタ
最原(今はまだ考えるだけ無駄だけど、いつか分かるかな…)スタスタ
最原(おっ、着いた着いた)ピタッ
最原「白銀さ―――」
ばったり。彼女が出てくるタイミングと僕が顔を覗かせたタイミングが被った。
白銀「わわっ!?」
最原「わっ!?ごめん!」
誰だっていきなり人の顔が目の前に来たら、反射的に体を引いてしまう筈だ。
…彼女は大袈裟過ぎる気がする…。
最原「ごめんね!驚かせるつもりはなかったんだ!」
白銀「…はぁ…最悪…ほぼゼロ距離だったよ…」ボソボソ
最原「…白銀さん?」
白銀「いや、こっちの話。何?いきなり」
最原「単刀直入に聞くよ。君はキーボ君にゲッケイジュの花を渡した時に、何かプラスで付けたかい?」
白銀「いいや、付けてないよ。っていうか何で最原君がキーボ君に渡した花のことを知ってるのかな?」
最原「実際に会って聞いたんだ。白銀さんがプレゼントしてくれたってね」
最原「あの花はマイナーな物だよ。何か意味を込めて贈ったのかな?」
白銀「別に、意味なんかないよ。たまたま手に入ったから、日頃のお礼としてね」
最原「そっか、それならいいんだ。ごめんね、僕なんかに時間、割いてもらっちゃって」
白銀「…ホントだよ。無駄な時間だったね」
最原「…じゃあ僕はこれで」スタスタ
カチャ
-
- 65 : 2018/04/13(金) 01:11:19 :
- 最近23時から1時くらいまで仮眠をとってしまう事が多く、そのせいで余計に眠気が増して、今日は書けそうにないです。
ごめんなさいドゲザ
-
- 66 : 2018/04/14(土) 00:18:59 :
- 閲覧数2000超えありがとうございます(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷ ⌑ ᵒ̴̶̷⸝⸝⸝)
全然進んでませんが今後とも末永くよろしくお願いしますペコリ
この辺でお付き合いを前提に結婚を…
-
- 67 : 2018/04/14(土) 00:39:04 :
- 白銀(恐らく最原君は気付いてない…)
白銀(なんせ入間さんに作ってもらった『超小型盗聴器』だからね…簡単に気付かれちゃ困るよ…)
白銀(まあ多分最原君はキーボ君に盗聴器付けられているんじゃないかって予想してたんだろうけど、自分の心配した方が良いよね)
白銀(だって、この状況じゃ君が一番危険なんだよ?)
最原「戻ったよキーボ君!今聞いてきたけど、白銀さんは何もしていないみたいだ」
キーボ「…本当ですか?最原クンの仕事上、白銀さんは怪しいとか言うと思ってましたが」
最原「…僕も話し始めはそう思ってたさ…。でも、白銀さんが僕に向けていた感情は『バレると厄介だから早く帰ってほしい』じゃなくて、『顔も見たくないから早く帰ってほしい』って感じだった」
最原「仕事上忖度は欠かせないからね。他人の感情については敏感なんだ」
キーボ「…そうですか。でも白銀さんは模倣が得意です。感情の模倣なんて、彼女にとっては朝飯前じゃ…」
最原「…まあそうかもしれないね。でも僕は信じたいんだ」
キーボ「それじゃただの願望です。…もう少し警戒を強めては?」
最原「どうして?」
キーボ「この状況じゃ他人なんか信じられないも同然です。信じたから堕ちていく…そんなものだと思います」
キーボ「信じる事が正義だと思ってるなら、それは勘違いですよ。疑う事も必要で、答えになる時もあります」
キーボ「今回は疑う事が正解になってる筈です。片っ端から疑うようにしないと、後で痛い目を見るかもしれないですよ」
最原「…そうだね。その通りだ。…僕は認めたくなかったんだ。皆が僕の事を嫌っているという現実を」
最原「いい加減慣れなきゃだ。一週間の辛抱なんだ。それで全て終わる」
最原「僕は…絶望に負けたりなんかしない」
-
- 68 : 2018/04/15(日) 01:09:24 :
- グゥゥゥ
最原(カッコつけたこのタイミングでお腹鳴るか普通!?)
最原「…お腹空いたから、食堂行ってくるね」
キーボ「行ってらっしゃい!午後はどうします?」
最原「午後は…皆の様子を伺おうかな」
キーボ「そんな事して、怪我でもしたらどうするんですか?」
最原「今の内は大丈夫なんじゃないかな。直接危害を加えた人は今のとこいないからね」
最原(精神的には再起不能直前まで追い込まれたけどね)
キーボ「はぁ…まあそれならいいんですが…」
最原「こんな状況で誰も信じられないなら、お互いを信じようよ。正常な者同士なら、信じ合える筈だよ」
キーボ「そうですね。さっきは疑う事が正解とか言っちゃいましたけど…」
最原「…食堂、行ってくるね」
キーボ「気を付けて下さいね!」
偶然にも、食堂に着くまで誰にも遭遇しなかった。
…不可解だ。何故こんなにも会わない?一人二人歩いていても不思議じゃない。
まるで誰かに指示されているような―――
東条「…来たのね。良かったわ、作り損しなくて」
最原「あ、東条さん。勿論来るに決まってるじゃないか」
東条「確かに、貴方が約束を反故にするような人には見えないわ」
最原「…お世辞だとしても嬉しいよ」
東条「あら?本心なのにね」
最原「無理に優しく接しなくて構わないよ。受け入れたから、この状況」
東条「…そう。でも生憎と、私はこういう話し方しか出来ないのよ」
最原「…そっか。なら助かるよ。気が楽になる」
東条「フフッ、どうかしらね」
東条「少し待っていて、すぐ持ってくるわ」
最原「うん、ありがとう」
-
- 69 : 2018/04/16(月) 00:42:21 :
- 東条「お待ちどうさま。はい、どうぞ召し上がれ」カチャ
最原「ん、ありがとう。頂くよ」
最原(見た感じ何の変哲もない普通のハンバーグだ…。というか何で肉料理が多いんだ…)
最原(…ん?この"黒いの"は…?)
最原「東条さん、この黒いのは何?」
東条「それはちょっとした料理のアクセントよ。気にしないでいいわ」
最原「そっか。じゃあ、頂きます」パチン
最原(本当に気にしなくていいのかなぁ…)
最原「あー…む」パクッ
最原(普通のハンバーグじゃないか…?ん?でも何か酸っぱいような…)モグモグ
最原「東条さん、このハンバーグ、酸っぱい気がするんだけど…」
東条「当たり前でしょう。アクセントに"蟻"を入れたんだから」
最原「は?今なんて?」
東条「聞こえなかったかしら?もう一度言うわ。"蟻"を入れたのよ、そのハンバーグ」
最原「は?え?蟻?」
最原「…じゃあこの酸っぱいのは蟻酸!?」
東条「よく分かったわね。そうよ、蟻酸だわ。お口に合ったかしら?」
最原「うっぷ……合うわけないでしょ!何でこんな物を!」
東条「何でって…貴方が嫌いだから?」
最原「っ!?」
最原(そうだ…。考えれば分かることだ。何を焦ってる?蟻酸は大量に摂取しなければ害は無いはず…)
東条「それと、一つ言っておくわね。そのハンバーグに入れてあるのは30匹近い蟻よ。残さず食べてね?」
最原「さんっ…!?」
最原(東条さんが加工方法を変えていたら命の危険まであった…)
最原(蟻酸は濃度が濃い物だと劇物に分類されている筈だ…。その点でも、液体で持ち出してこなくて良かった…)
最原(というか、この学園には蟻はいない筈…と思ったけど、ゴン太君の研究教室なら…)
最原(くっ…何もかもが僕の敵だ…)
東条「大丈夫、死にはしないわ。きっとね」
最原「…信用できない…」
東条「メイドの知識を舐めないで欲しいわね。大丈夫よ、美味しそうじゃない」フフフ
最原「くっ…」
-
- 70 : 2018/04/16(月) 23:54:52 :
食べ終わった。
感想を述べようと思う。簡潔に言おう。食感は最悪だった。異物をブチブチと潰す、詳しく言えば、蟻の三つ連なった身体をすり潰すような感覚を覚えた。蟻の足は口の中にいつまでも残ってるような感じがする。
味は、見た目に釣られてとても不味く感じた。食事は五感で楽しむとはよく言ったものだ。まさにその通り、視覚が味覚に不快感を訴えていた。
酸味は効き過ぎ。ほんのり甘みも感じたが、あれは蟻の味だろう。吐き気が込み上げてくる。見た目がゲテモノなら味もそれ相応だ。
一つ言えることがある。料理に通じている人は、どうすれば料理が美味しくなるのかを知っている。裏を返せば、不味くなる方法も知っているという事だ。
東条さんにはそれが言える。これは彼女の武器だ。彼女の武器を使って、彼女のやり方で僕を苦しめに来ている。
東条さんは間違っていないと僕は思う。誰しも、嫌いな人間を苦しめたいという心理は持ち合わせている筈だ。つまりそういう事。
東条さんは自分の感情に正直なのかそうでないかは定かではないが、あれが彼女なりのやり方だ。
なら僕も、しっかり受け止めてあげるべきだろう。
それが独り善がりと知っていながらも、そうしたいのは僕の我儘だ。
無理に制御するのは最善の策とは言えない。後に爆発するだけだ。
なら彼女の自由にさせてあげるのが、嫌われる側の最善の行動じゃないのか?
そんな思いが頭をぐるぐると駆け巡った、食後の昼下がり。
-
- 71 : 2018/04/18(水) 00:29:59 :
- 最原(東条さんには何事もなく帰してもらった…)スタスタ
最原(さて…今から何処に行こうかな…)スタスタ
最原(ただほっつき歩いてるのも危険だしな…)スタスタ
最原(…あっ)
獄原「…あっ、最原君!今からゴン太、AVルームで虫さんのDVD見ようと思うんだけど、一緒にどうかな?」
最原「む、虫さんね…」
最原(正直見たくない。何があっても見たくない。嫌だ嫌だやだやだ)
獄原「…もしかして、虫さん嫌いなの?」ゴゴゴ
最原「あぁいや!そんな事はないんだ!その…ね」
獄原「じゃあ一緒に行こう!きっと楽しいよ!」
最原「…一つ聞いていいかな?」
獄原「ん?何かな?」
最原「どうして君は、そんなにも優しいんだ?」
獄原「…紳士は、人を差別したりしないんだ」
最原「…そっか。君は…本当の紳士だよ…」
獄原「…ありがとう!」
最原「一緒に行かせてもらうよ、AVルーム」
獄原「本当!?よし、じゃあ行こうか!」スタスタ
最原(殆どの理由が保身の為なんだけどね…)
最原(ゴン太君には流石に力とか色々負けるから…)
最原「…はぁ…」
-
- 72 : 2018/04/19(木) 00:14:59 :
- ちょっと体調悪めなので書けません。明日は書けるはず( ・ω・)
-
- 73 : 2018/04/19(木) 23:43:32 :
- 風邪引いちゃった(´+ω+`)
これから一週間くらい薬の副作用のせいで寝ちゃうかもしれません…
ご容赦くだせぇ(´・ ・`)
-
- 74 : 2018/04/20(金) 00:00:23 :
- ---AVルーム---
獄原「あ、これとか良さそう!これ見ようか!」
そう言って彼が見せてきたのは、虫の交尾を記録した物だった。
……良いイメージはない…
「皆さん、どうもこんにちは。今回は皆さん大好き、虫の生命の誕生までをお送りします」
「虫にはいくつかの種類が存在します。交尾してメスに食われるもの、食われないもの、直後に死に至るもの、脅し迫るもの。とても種類は豊富です」
「だからこそ虫は素晴らしい!そう思いませんか?それでは今から皆さんに、素晴らしき世界をお届けします―――」
長いナレーションを適当に流しながら、ただただ早く終わる事を祈っていた。
さっき食べた蟻のせいだろうか。虫に対する嫌悪感が底知れない。溢れ出る嫌悪感、止まらない身震い、訳の分からない悪寒。身体が拒んでいる。虫を。
獄原「さあ最原君!今からが見どころだよ!」
最原「…う、うん」
始まった。蟷螂の交尾だ。
「蟷螂の交尾の映像です。見てください、この生命の神秘!こうやって生命を繋いでいくんですね〜」
「おっと?ここで動きが見られました。メスが…おーっと!メスがオスを食べてしまいました!」
共食いだ。見たくもない。
「これは共食いですね。そうなんです。蟷螂は交尾後にメスがオスを食べてしまうんですね〜」
「オスが死を受け入れ繋いだ生命です。大事にしてもらいたいものですね」
吐き気がする。何故こんなもの見られるのだろう?
-
- 75 : 2018/04/21(土) 00:40:22 :
- 延々と続くとさえ思えた時間も、終わりを告げた。字面だけだと感動のシーンか思われそうだが、否。断じて否。解放されたのだ。
あんなものをよくもまじまじと見ていられるものだ…。ゴン太君の気が知れない…。
あんなものを撮る側の人間も正気の沙汰じゃない。虫から学ぶことは多いかもしれないが、元の身体の構造やらの何から何まで違うのだ、人間とは。
脊椎の有無からして違うのに、共通点なんか探す必要性はないだろう。人間は脊椎動物、虫は無脊椎動物。それで終わりだ。
そして、あの蟻のせいも相まって、身体の拒絶反応はなかなかに酷なものだった。
震えは止まらないし、吐き気もする。他の症状は少し軽めで助かった。最悪狂いかねない。
一方ゴン太君は…。
獄原「とっても面白かったー!ね!最原君もそう思うよね?」
最原「…僕はちょっと…」
獄原「…てことは、最原君、虫さん嫌いなの?」ゴゴゴゴゴ
最原「…いや、嫌いじゃないよ。ただちょっとトラウマがフラッシュバックしただけ…」
獄原「トラウマって事は…つまり虫さんが嫌いってことだよね?」
最原「あ、いや…そういう訳じゃ…」
実際そういう訳でしかない。でも正直に言っちゃうと最悪死にかねないからね…。
-
- 76 : 2018/04/22(日) 00:21:45 :
- 部活の大会なので書けません(つ∀-)オヤスミー
-
- 77 : 2018/04/22(日) 02:33:20 :
- う〜ん、ゴン太のはまともな時でもやりそうだからなぁ。正直虫なご会よりは遥かにマシだと思う。てかどの嫌われssでもゴン太聖人過ぎる……
-
- 78 : 2018/04/23(月) 00:08:20 :
- >>77 ゴン太君は清廉潔白!純粋なのさ!
-
- 79 : 2018/04/23(月) 00:36:15 :
- あの後、何とかゴン太君を振り切って自室に戻った。
相変わらず僕の部屋はゴミだらけ。さっきとは違った吐き気が込み上げてくる。
次の瞬間―――
コンコンコン
最原「…誰?」
夜長「アンジーだよー。いいから出ておいでー終一ー」
アンジーさん…。前は絵の具の溶けた水をかけられたっけ…。
あんな小学生レベルの虐めみたいなものでも、相手が相手なら結構辛いんだなぁ…。
最原「アンジーさんか。今出るよ」
ガチャッ
夜長「お、出てきた出てきたー。じゃあちょっと着いてきてー」
最原「う、うん」
嫌な予感がする―――。
---アンジーの研究教室---
夜長「さて、今から終一にやってもらう事はねー」
何だろう。はっきり言って、これから起こる事も、ここに来た理由も検討がつかない。恐らく美術関係だろうとは思うが、嫌なものでなければ…。
夜長「デッサンのモデルだよー」
なんだ…。思わず身構えてしまった。楽そうで良かった。
夜長「あ、でもねー。書く絵に臨場感を持たせたいからねー」
臨場感?どんな絵?
夜長「ツイスターゲームってのをやって貰いたいんだよー。勿論特殊ルールでねー」
最原「特殊ルール?」
ツイスターゲーム。ルーレットを回して、出た色の円に指定された手足を置いていくという、体全体を使ったゲームだ。
何故これを起用したのかは分からないが、何か意図が…?
夜長「特殊ルールってのはねー、バランスを崩したら床に敷き詰められてる針にやられちゃうよーっていうものだよー」
…は?
-
- 80 : 2018/04/23(月) 00:41:22 :
- えげついけど結構好き
-
- 81 : 2018/04/23(月) 23:33:09 :
- 明日から3日間修学旅行の為更新はなしです。
次更新は木曜日か金曜日の予定です。
ではヾ('ω'⊂ )))Σ≡サラバ
-
- 82 : 2018/04/23(月) 23:33:50 :
- >>80 ありがとうございます!( *¯ㅿ¯*)
えげつないですかね?
-
- 83 : 2018/04/24(火) 02:43:54 :
- 頑張ってください!
-
- 84 : 2018/04/28(土) 01:23:39 :
- こんばんは…。昨日(木曜日)は爆睡でした…。今日も疲れが取れず眠いです…。じゃあ何でこんな時間に起きてんだって話ですね…。取り敢えず今日も無理そうです…。………。
>>83 有難きお言葉(∩´∀`)∩ワーイ
貴方のその一言が、私のモチベの糧となる!
-
- 85 : 2018/04/28(土) 15:39:37 :
- 楽しみに待ってます!
-
- 86 : 2018/04/29(日) 00:21:18 :
- >>85 おみくじで「待ち人 来る」とあったので…もしやあなた!?ありがとうございます!
-
- 87 : 2018/04/29(日) 00:33:32 :
- アンジーさん曰く、何となく面白そうだからとのことだった。
針に怯えてガタガタ震えてる僕の姿が滑稽、とでも言いたいのだろうか。
なかなかに狂った思考回路のように思える。常人じゃまず考えないだろう、あんなルール。
ツイスターゲームねぇ…前百田君達とやったっけな…。
…おっと、こんな時に感傷的になっちゃダメだ。取り敢えず速やかに終わらせよう。
最原「…大体は分かったよ。つまりはこういう事でしょ?色の付いた円の外側は全部針で埋めて、堪えられなくなってバランスを崩したら針が刺さって悶絶…って感じだよね」
夜長「おぉー、流石終一だねー。そんな感じだよー」
バランス力や筋力に自信はない。でもやるしかないんだ。
最原「ルーレットはアンジーさんが回すって事でいいね?」
夜長「うんうん、いいよー」
アンジーさんはイカサマなんてしない筈だ…。信じるしかない。
夜長「じゃあ始めよっかー!」
クルクルクルクル
カチッ
夜長「右手を緑についてねー」
デスゲームの火蓋が、切って落とされた。
-
- 88 : 2018/04/30(月) 20:07:29 :
- 申し訳ないです!昨日は練習試合で疲れて爆睡してました…。今日は書きますよ!
-
- 89 : 2018/05/01(火) 01:17:22 :
- ピタッ
右手 緑
最原(とりあえずは奥の方についておけばいいんじゃないか?)
夜長「へぇー終一は堅くいくんだねー」
最原(終一"は"ってどういう…?)
夜長「実はこの前、みんなとやってたんだよねーこれ」
夜長「勿論、針は無しでねー」
最原(成程、合点がいった。やはり針は僕だけの特殊ルールか)
最原「誰とやってたの?」
夜長「んーとねー。解斗と是清だったかなー」
最原「珍しい組み合わせだね。アンジーさんもやってたの?」
夜長「アンジーはずっとルーレット回して笑ってたよー。流石に解斗とか是清が上に落ちてきたら痛いしねー」
最原「はは…」
最原(百田君はあの性格だから、きっと最終的には体が上向きになるようなつき方をしたんだろう…)
最原(真宮寺君はきっと僕と同じタイプだな…)
最原「…で、どっちが勝ったの?」
夜長「確か解斗が先に崩れて終わっちゃったかなー」
最原「はは…やっぱり」
最原(百田君の戦術は確かに辛そうだからな…)
最原(つまり僕のやり方で合っている筈…)
夜長「あっ、そうだそうだー」
夜長「一つ言い忘れてたけど、このゲームはアンジーが10回ルーレットを回したら終わりだよー」
夜長「終一が崩れるまでってルールじゃ終一は損しかしないもんねー」
最原(崩れなくても得はしない筈だけど…)
夜長「アンジーも10回終わるまでに絵を描きあげられるように頑張るよー」
最原「…お互い頑張ろうね」
-
- 90 : 2018/05/02(水) 00:01:07 :
- 今週は寝不足やら疲れが溜まったりやらで不定期更新です…。面目ない…。
-
- 91 : 2018/05/03(木) 01:08:22 :
- 夜長「2回目いくよー終一ー!」
クルクルクルクル
カチッ
右足 赤
夜長「右足を赤だよー」
最原「赤か…」
よりによって…何故右足を左端の列の赤に…。
右手は右上端についてる…。つくなら左下端か…?
これが左足だったら全て上手くいく土台が作れたかもしれなかったのに…。
ピタッ
最原「っと…、これでいいかな?」
夜長「あー、やっぱりそこにつくんだねー。なんか変わり映えしないなぁー」
最原「そ、そうなんだね…」
つまり何回かやった内、このパターンになった回数が多かったって事になる。
芸がないとか、面白みに欠けるとか、そんなのは気にしない。自分の体が優先だ。
というか今の僕の体勢、意外と辛い。気を抜いたらす崩れてしまいそうだ。
夜長「どんどんいくよー。次回すねー」
クルクルクルクル
カチッ
左手 青
夜長「3回目は左手を青だよー」
先に左手か…。バランスを取るには先に左足が良かったけど…。
この場合は少しでも楽になるように上から2つ目位のところにつこうかな…。
最原「よっと…。オッケーかな?」
夜長「次のルーレット次第じゃ、一気に崩れるかもねー」
最原「そうかも…しれないね」
左足を黄色とかだったら崩れかねない。それだけは避けたい…。
夜長「さあ!運命の4回目、張り切っていきましょー!」
クルクルクルクル
カチッ
-
- 92 : 2018/05/04(金) 00:55:53 :
- 右手 赤
夜長「右手を赤だよー!」
最原「なっ!?」
今の流れは左足がくる雰囲気出てただろ!?何故よりによって右手!?
……切り替えよう。動揺してちゃダメだ。
取り敢えず、右腕が上になるようにクロスして、左上端赤につこうかな…。
最原「…くっ、これで…」
夜長「おー、そろそろ辛くなり始める頃かなー?」
最原「まだっ…大丈夫っ…」
こんな所でへばる訳にはいかない。体が穴だらけになるのは真っ平御免だ。
最原「次…いこうかっ…」
夜長「そんな急かさなくても回してあげるよー」
クルクルクルクル
カチッ
左足 青
夜長「5回目は左足を青だよー」
最原「…そうか…」
ここで左足を引いたか…。しかも青という足がクロスしなくてはならない位置…。
確実に行くなら下から2つ目か…?
最原「…はっ…よしっ…」
夜長「おー終一、色々クロスしててなかなか面白いよー!」
最原「早くっ…次に…」
夜長「んーどうしよっかなー?」
最原「頼むから…」
夜長「見てる方はすっごく面白いからねー。もっと見ていたいんだよー」
最原「長く見続けられるように絵を描いてるんじゃないのっ…」
夜長「……あっ、それもそうだねー」
今の間は何なんだ!?考えてなかったのか!?
夜長「じゃあ次行こうかなー」
クルクルクルクル
カチッ
-
- 93 : 2018/05/05(土) 00:18:40 :
- 明日結構大事な大会なので寝ます…。すまぬ…。
-
- 94 : 2018/05/06(日) 00:19:33 :
- 大会での直射日光で体力ごっそり取られました…。今日で忙しい日は終わりなので今日まで勘弁…。申し訳ないです…。
-
- 95 : 2018/05/07(月) 00:46:40 :
- 閲覧数3000ありがとうございます(∩´∀`)∩ワーイ
-
- 96 : 2018/05/07(月) 01:01:50 :
- 右足 黄色
夜長「右足を黄色だよー」
助かった…のか?取り敢えず足がクロスしなくなるのは助かる。首の皮一枚繋がったような気持ちだ。
まあ黄色の一番下でいいかな…。
最原「よいしょ…よしっ」
夜長「…なんかつまんなくなってきたなー」
最原「そ、そんなこと言ったって…」
君から言い始めた事だろ?と言おうと思ったが、言ってしまったら何か反感を買うような予感がしたので、大人しく口を閉じた。
夜長「何か面白いところ当たらないかなー」
最原「キツいところは勘弁して…」
夜長「んー、どうだろうねー?神のみぞ知るって感じだからねー」
最原「頼む…お願いです…」
夜長「じゃあ7回目いくよー」
クルクルクルクル
カチッ
左足 緑
夜長「あっ!左足を緑だってー!」
最原「なっ!?」
どうして僕はこうもくじ運が無いのだろう…。16分の1の中で一番嫌なものを引いた…。
緑…一番下でいいよな…。いや、ここは敢えて上の方に…。
上の方につけバランスも取れていいんじゃないか?上の方にしようか。
上の方といっても、真ん中位にしておこうか。左足を赤とか当たったら足が明らかに辛くなる。
最原「よい…しょっ、この辺かな…?」
夜長「へー、やっぱ終一は安全第一って感じだねー」
最原「…まあ、当たっても外れてもないと思うよ…」
-
- 97 : 2018/05/08(火) 01:17:46 :
- 意識が途切れ途切れです…(要:眠過ぎ)
生活リズム崩れすぎて迷惑かけてますね…。ごめんなさい。
-
- 98 : 2018/05/09(水) 01:48:56 :
- 僕はずっと、事が上手く運んでいると思っていた。
きっかけは突然だ。突然で無慈悲で冷酷で、どれを取っても救いようがない。
そう、今も同じ―――
ガチャッ
赤松「アンジーさん?何してるの?」ヒョコ
最原「あ、赤松さん!?」
ガタッ
最原「あっ!!!?」
ぷす
ぶすぷすぶすぷすぶすぷす
最原「ああああああああ!!!?」
夜長「あー楓ー、いい所に来たねー。今ちょっと面白いことやってたんだー」
赤松「プッ…楽しそうだね。混ぜてもらおうかな?」
夜長「全然いいよー!」
最原「ぐっ…ああああぁ…」
痛い
痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛痛痛痛痛痛痛痛
体に穴が空いた。無数の穴が、骨に到達しそうなまで深く。
きっかけは突然。当たり前じゃないか。変えられないから受け入れるしかない。
これも運命というやつかもしれない、そう言ってしまえたらどれ程楽か。
割り切れるならこんな苦労はしないだろ?割り切れないから人間は負けず嫌いで、強欲なんだ。
分かってはいる。どこか納得もしている。運命というものが実際には存在していて、それが僕らの人生の筋書きを担っているって。
でも僕らは駒じゃない。だから抗うし、変えようとする。
でもそんなのは届かない願望。
今の状況から考えてみろ。こうなるのが運命で定まってたんだよ。
ほら、変えられなかった。結局は運命なのさ。
絶望するね。
-
- 99 : 2018/05/10(木) 01:25:48 :
- 最原「ぐあああああ!!!」
ズシュッ
夜長「おー刺さるねー!いいよ終一!!」キャハハハ
赤松「フフッ…最原君の顔…」
最原「いっ…ああああああ!!」
何とか顔は避けた。咄嗟の判断も時には役に立つ。
でも肩も肘も膝も、針の餌食だ。
力が入らない…。
何故こんなのを承諾したのだろうか。あの時の僕をぶん殴りたい。
どうしてこうも僕はお人好しなんだ?この期に及んでカッコつけか?
こんな状況に置かれて、僕までおかしくなってどうする?僕が狂ったら終わりが終わってしまう。
取り敢えず体勢を変えよう。半身でも浮かせられれば、あとは何とかなる筈だ。
最原「ぐっ…ぐあっ…っふ!」
駄目だ。完全に力が入らない。
脱力感と虚無感が襲ってくる。
どうしろってんだ
こんなことになるなんて
だれもかんがえてなかった
痛みに抗う術は潰えた、とでも言うかのように、僕の体は言うことを聞かなくなってきた。
違う。必死に足掻くのがかっこ悪く思えてやらないだけだ。
カッコ良く死にたい?
ダサくても生きろよ。
-
- 100 : 2018/05/11(金) 23:55:12 :
- 申し訳ない…昨日は寝落ちしました…。
明日練習試合なので今日も早めに寝ます。
-
- 101 : 2018/05/12(土) 07:09:28 :
- 100スレおめでとうございます
-
- 102 : 2018/05/13(日) 01:29:37 :
- >>101 ありがとうございます!いつの間にって感じです( *¯ㅿ¯*)
まさかここまで続くとは思ってませんでしたw
-
- 103 : 2018/05/13(日) 01:43:27 :
- ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
あれから僕は、煩いからか飽きたからか、赤松さんとアンジーさんによって助けられ、研究教室の外に投げ出されていた。
時間の感覚がない。僕の体だけが時間に置いていかれているような、そんなもの。
あれからどれだけの時間が経ったかは分からないが、僕の体内時計は狂ってはなかった。
グゥゥゥ
最原「…お腹空いたなぁ…」
でもこんな無様な姿を晒すなんてことはしたくない。
キーボ君はいるかな?いたら手当を頼みたいな。
そんなことより
最原「歩けないな…」
色んな急所やツボに針が深く刺さったせいで、体に上手く力が入らない。
何とか立とうとするが、生まれたての子鹿のように足がガクガクしてしまう。
最原「どうしたものか…」
神は僕に味方した。
キーボ「あ、最原クン!……って、どうしたんですか!?そんなに傷を負って!!」
最原「キーボ君…良かった、来てくれたんだね…」
キーボ「ホントですよ!たまたま通りかからなかったらあなたどうするつもりだったんですか!?」
最原「それは…這ってでもキーボ君の部屋まで行ったかな…」
キーボ「こんな状況で冗談はやめてください!というか、どうしてそんな姿に?」
最原「あぁ、これは色々事情があってね…」
ーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーー
キーボ「…つまり、そんな理不尽なゲームに参加させられてたって事ですか?」
最原「まあ、自分でやるって言ったゲームだし、こうなったのも自己責任かな…」
キーボ「いやいやいやいや!こんなのやらせるって正気じゃないですよ!」
最原「そうだよね…」
キーボ「取り敢えず手当します!僕の部屋まで行きますよ!」
最原「うん、ありがとね」
キーボ「お礼なんていいですよ!あ、歩けます?」
最原「ちょっと難しいかな…」
キーボ「じゃあおぶって行きます。さあ!遠慮せずに!」
最原「頼むよ…」
-
- 104 : 2018/05/14(月) 00:57:57 :
- 何事もなく、キーボ君の部屋に着いた。
キーボ君はかなり焦ってもたついていたけれど、僕にとっては手当をしてもらえるだけで嬉しいから、どれだけ時間がかかろうと関係なかった。
そして何より、キーボ君から人間の温かさを感じた。
キーボ「…よし!これで大丈夫…じゃないですよね…」
最原「いやいや、凄く楽になったよ。まさか全身包帯ぐるぐる巻きになるとは思わなかったけどね…」アハハ
キーボ「これが一番いいかと思って…駄目ですかね?」
最原「いや、僕もこれが最良じゃないかなって思うよ。ありがとう」
キーボ「いえいえ、困った時はお互い様ってやつです!」
最原「ははっ、そうだね」
いくら楽になったとはいえ、痛いものは痛いのだ。
傷に包帯が擦れて痛む。尋常じゃないくらいに。
でもどうしようもないのだから仕方ない。運命を恨め。
キーボ「これから、どうするつもりですか?」
最原「取り敢えず、お腹が空いたから食堂に行ってみようかな」
キーボ「大丈夫ですか?そんな傷を負ってるのに…食事ならボクが持ってきますよ?」
最原「いや、それはやっちゃいけない」
キーボ「何故です?」
最原「君は食事を取らなくてもいい存在だ。でもどうして、食事なんか持って部屋に向かう姿を見られたりなんかしたら、周りはどんな反応をするだろう?」
キーボ「あっ…そうですね…そこまで考えが及びませんでした…」
最原「いやいやいや、何も咎めてる訳じゃないんだよ。そんな顔しないでくれ…」
キーボ「そうでしたか、なんかすみません…」
最原「謝らなくても…僕の言い方もちょっと見直すべき所があったしね」
キーボ「…で、最原クンは一人で大丈夫ですか?」
最原「うん、多分大丈夫だと思う。何回か食堂には行ってるからね」
キーボ「そうですか、じゃあ…無事に戻ってこれることを祈ってます…」
最原「そ、そんな戦争に行くみたいな雰囲気出さないでよ…」
-
- 105 : 2018/05/15(火) 00:33:32 :
- ビビッとくるインスピレーションが降りてこないので今日はパスします。✋( ¯•ω•¯ )
-
- 106 : 2018/05/16(水) 00:07:06 :
- 申し訳ないですが今日は課題が終わりそうにないので書けないです…。
-
- 107 : 2018/05/17(木) 00:43:11 :
- ---食堂---
最原「流石に夜は誰かいるだろ…?」
百田「それでよ、あの後最原の野郎が…っと、噂をすればってやつだな」
春川「…チッ」
王馬「あーあ、折角のディナーが台無しだなぁー!」
最原「…ごめん、悪気はなかったんだ」
王馬「普通このタイミングで来る?もうちょっと時間選んでくれよ!」
最原「ごめん。これしか言えないけど、ごめん」
百田「王馬、その辺にしとけ。こいつだって別に狙って来たわけじゃねぇんだ。許してやれ」
王馬「ちぇー、つまんないのー。これから面白くなりそうだったのにー」
春川「こいつなんか弄っても何も楽しくないでしょ」
王馬「…それもそうだね!じゃあオレはこの辺で失礼するよ!」
百田「俺らも行くか、ハルマキ」
春川「うん。それと、ハルマキはやめて」
百田「いいじゃねぇか!」
春川「良くない!」
会話が遠くなっていく。孤独を感じる。
こんな状況でも百田君は優しかった。周りと違った意見を持っていても、それを貫き通していた。
僕にはそんな真似できないだろう。
勇気も何もないからさ。
-
- 108 : 2018/05/19(土) 01:56:13 :
- すみません…昨日は寝落ちで、今日は今さっき起きました…。仮眠とるはずがこんなにも…。明日は練習試合なので無理そうです
-
- 109 : 2018/07/27(金) 14:01:31 :
- 続き待ってます!
-
- 110 : 2018/09/03(月) 18:33:42 :
- キーボだけまともで他はクソ、キーボと終一以外死んだら良い
-
- 111 : 2021/08/09(月) 05:46:24 :
- ⬆︎
その意見に、賛成だ
-
- 112 : 2022/04/04(月) 22:35:01 :
- ↑
私も賛成だ
-
- 113 : 2023/07/26(水) 02:10:08 :
- 続きを待機
-
- 114 : 2023/11/18(土) 08:28:40 :
- 続き来ないかんじですかね?
-
- 115 : 2023/11/20(月) 05:32:58 :
- ???「なんでやめちゃったんすかね?」
-
- 116 : 2024/08/09(金) 00:18:58 :
- クソォ…ずっと待ってます‼︎
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