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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アニ「繰り返し」 アルアニ

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  1. 1 : : 2018/03/11(日) 11:26:58


    前回作の続きです。

    前回↓
    アニ「二人きりの夏祭り?」
    http://www.ssnote.net/archives/58132


    注意は前と一緒でお願いします。


    どうぞ
  2. 2 : : 2018/03/11(日) 11:57:10


    第三章


    想い。




    放課後


    クリスタ「私、先に帰るからね。頑張って!」


    アニ「…うん」



    正直言って、不安だ。


    私もわかってるつもり。

    エレンとミカサが言ってたように、酷い事はしない。

    何か理由があったんだって。

    …そう思いたい。




    クリスタ「本当に大丈夫?ついて行ってあげようか?」


    アニ「いや、いい」


    クリスタ「そっか、じゃあ頑張ってね。また明日」


    アニ「うん」




    クリスタが行った後、二年生の教室に向かった。


    皆玄関に向かっている廊下を私は逆方向に行く。

    何組か解らないから最初に一組を覗いてみる。

    すると、エレンとミカサの姿があった。



    アニ「エレン、ミカサ」




    小さく名前を呼ぶとミカサが気がついて、私の方に向かってきた。

    エレンはあとから気づいてミカサの後ろに付いてきた。



    ミカサ「アニ、どうしたの?」


    アニ「アルミン知らない?」


    エレン「アルミン…?」



    エレンとミカサは顔を見合わせた。

    何したんだろうと思ってると、話し始めた。




    エレン「アルミンは帰った」


    アニ「…え?」


    ミカサ「部活も行かないって…」


    エレン「理由教えてくれねぇんだよ」


    ミカサ「(多分アニが関係してるんだと思うけど…)」


    アニ「…解った。ありがとう」タッタッタッ





    ミカサ「…完全に恋してる」


    エレン「…ああ」











    アニside



    アルミン、どこ?


    走り続けた。

    アルミンの家も知らないのに。

    でもまだ遠くには行ってないはずだ。

    だから走る。




    完全に人が通らないところは引き返して、戻って、また進む。


    私の家からは近くないって言ってたから家の周辺は探さないで街を走る。

    普段は行かないところにも。
  3. 3 : : 2018/03/11(日) 14:56:46


    ちょっと狭い道路を走ってると、前に歩いてる人がいた。

    一瞬で解った。


    アルミン。




    距離は離れてるけど、走ればなんとか追いつくかと思った。

    アルミンが曲がり角を曲がったから、私もそこを目指す。


    夢中で周りの音が聞こえなかった。

    聞こえたのは私の切れる息と、走っている靴の音だけ。



    曲がり角に差し掛かった時、車が飛び出してきた。



    アニ「…え…?」





    ドンッ

  4. 4 : : 2018/03/11(日) 15:18:04


    アルミンside



    放課後のチャイムがなって、鞄に荷物を詰める。

    すると、いつも通りエレンとミカサが来た。



    エレン「なぁアルミン、さっきの授業解ったか?」


    アルミン「うん」


    エレン「俺全然わかんなくてよ、少しだけ寝てた」


    アルミン「もう、寝たら駄目でしょ」


    ミカサ「私も解ったのに」


    エレン「お前らは優秀なんだよ」


    ミカサ「そうかな?アルミンの方が頭いいよ」


    エレン「俺は……。はぁ…」




    授業…。

    今日、屋上に行ってないな。

    アニに会うのは気まずいし…。


    なんであんな事言ったんだろ。



    エレン「お前、今日も部活行くだろ?」


    アルミン「…ごめん、今日は行かない」


    ミカサ「珍しい、休むなんて。何かあったの?」


    アルミン「いや、そういう訳じゃないんだけど…。…とにかく、今日は行けないんだ。ごめん」タッタッタッ


    エレン「ちょっ、アルミン!?」



    走って玄関に向かう。

    いつもより遅かったから、もう屋上には居ないだろう。


    部活を休む理由なんて、特にない。

    けど、今日はアニに会わないようにしたい。

    でもそうするとアニに会えない。


    会いたい気持ちと会いたくない気持ちが交差している。



    …明日、屋上に行ってみよう。

    アニがいたら謝る。


    そして……。




    そう決心して、いつも三人で帰る道を今日は一人で歩いた。
  5. 5 : : 2018/03/11(日) 22:48:09


    曲がり角に沿って歩いたら車が来た。

    ここは少し狭いところだから気をつけて歩く。


    通り過ぎて少しした時、キキーというブレーキの音が聞こえたと思ったら、ドンッ! と何かがぶつかった鈍い音が聞こえた。


    びっくりして後ろを振り返る。

    一瞬何も無かったように見えたけど、運転席から人が降りて前に行った。


    そこからは赤黒い液体が流れていて、鞄が落ちていた。




    あの鞄、もしかして…。



    そう思って駆け寄る。




    アルミン「っ!」



    一瞬、呼吸が止まった。

    言葉が出なかった。


    だって、アニの身体から血が溢れていて倒れていたから。



    運転していた人は、救急車を呼んでいる。




    アルミン「…アニ……?」



    勿論、返事はない。


    なんで…。

    アニが…、

    倒れてるの…?



    目の前の光景を信じたくなかった。

    でも実際、僕の目で見てしまっている。



    なんでここに居たの?


    アニの家に行くには、寄り道しない限りここを通らないはず。




    もしかして、僕を追ってきたの…?

    だとしたら、何のために?



    ちゃんと頭が回らない。

    ちゃんと考えられない。




    そのうちに救急車と警察が来た。
  6. 6 : : 2018/03/12(月) 00:00:20


    何も考えられないままその場に立ちすくんでいた。

    やっと頭が追いついて、警察官にいろいろ聞かれたけど本当に事故ったあとしか見てなかったから、そう言う。


    話が終わって真っ先に駅まで走って病院行きの電車に乗る。

    その間にクリスタに伝えた。


    クリスタは、 私も病院に行く と返事をしてきた。




    電車の扉が開いてすぐ降り、走る。

    人とぶつかりそうになりながらも必死になる。






    病院には、もう既に救急車が止まっていて、中に運ばれた後だった。


    何分後かして、クリスタが来た。

    息が切れてる。

    走ったんだろう。



    クリスタ「はぁ、はぁ…、アルミン、どういう事?」


    アルミン「…詳しくは解らない。けど、僕の後ろにアニがいたらしい」


    クリスタ「……多分アニは、アルミンを探してたんだよ」



    やっぱり、そうだったんだ…。

    アニが理由も無しに、あそこにいるわけないんだ。




    アルミン「ごめん…、僕、気づかなかった」


    アルミン「今日、帰ってなかったらアニは無事だったのに…」


    クリスタ「…今更そんな事言っても、アルミンは悪くないよ」


    アルミン「いや、全部僕のせいだよ…」



    昨日、あんな事言わなければ…、いつも通りだったはず。

    全部、僕が引き起こしたんだ。




    クリスタ「ねぇアルミン」


    アルミン「…ん?」


    クリスタ「自分を責めすぎたら駄目だよ?」


    アルミン「解ってる。でも…」


    クリスタ「…なんで、昨日アニにあんな事したの?」


    アルミン「……!」


  7. 7 : : 2018/03/12(月) 00:13:24
    期待!
  8. 8 : : 2018/03/12(月) 00:36:12
    期待!
  9. 10 : : 2018/03/12(月) 05:58:04


    アルミン「違う!」


    クリスタ「…なにが、違うの?」


    アルミン「!」


    クリスタ「私だって、アルミンが理由もなく”遊び”だなんて言ったとは思えない」



    僕が叫んで何人か周りにいた人達が振り向いたけど、クリスタはそんなのお構いなしに話を続けた。


    確かに、クリスタの言う通りだ。

    あんなの、言い訳にもならないじゃないか。

    僕が、ちゃんと言っていれば…。




    アルミン「僕って、最低だよね…」


    アルミン「好きな子を傷づけて、事故まで起こして…」



    クリスタ「…うん、最低…」



    アルミン「っ!」


    クリスタ「でもね、アニは謝ろうとしてたんだよ?」


    アルミン「え…。僕に…?」


    クリスタ「そう。なんで嫌われたんだろうって、ずっと思ってたらしい」


    アルミン「そんな事…」



    嫌ってなんかない。


    僕は、アニが好きなのに…。

    好きなだけなのに…。


    初めて”好き”を知った。

    その相手が、アニなんだよ。



    ごめん、もう苦しませないから…、ずっと隣に居て…。




    クリスタ「アルミン」


    アルミン「…何?」


    クリスタ「アニが目を覚ましたら、ちゃんと自分の気持ち伝えないと駄目だよ?」


    アルミン「…!」


    アルミン「うん」
  10. 11 : : 2018/03/12(月) 06:40:42


    数時間後



    アニの手術が終わり、部屋に運ばれた。

    僕はクリスタと一緒に部屋に向かっている。


    ドアを開けて入ると、アニはベッドに横になっていた。

    頭と手には包帯を巻いていた。

    布団で見えてないけど、きっと他の所も怪我してるだろう。


    こんなアニの姿、見たくなんかなかった…。




    バンッ


    「アニ!」



    ドアを勢いよく開けて来たのは、綺麗な人…?

    何となくアニに似ている。

    …もしかして、


    アルミン「アニの、お母さん…?」


    アニ母「…そうですけど…、貴方達は?」


    クリスタ「アニの友達です」


    アニ母「…友達?」



    友達と聞いて一瞬驚きを見せたけど、安心したように一息ついた。

    そして、ニコッと笑った。


    アニ母「良かった。心配しなくても」


    アニ母「あ、でも今は事故のことで心配よ?」


    そう言ってアニの方に目を向ける。




    アニ母「もしかしたら、もうアニから聞いてるかもしれないんだけど」


    僕達の方に目を戻して、話し出した。

    アニの事。



    アニ母「この子、小さい頃に一番の友達を失くしたの」


    アニ母「それから友達関係も上手くいかなかったみたいでね…」


    アニ母「私も離婚してアニをずっと一人にさせてた」



    アニに近寄って頭を撫でる。

    目が潤んでいた。

    泣き出しそうな顔。


    多分泣かないのは、僕達が居るから。



    アニ母「アニ、ごめんね…」




    その様子を二人で黙って見てた。
  11. 12 : : 2018/03/12(月) 11:16:30


    ーーーーーー
    ーーー


    アニのお母さんは仕事場に戻った。

    もっとアニのそばに居てあげたいけど、今は忙しい時期だから って。

    でもまたいつか来るらしい。


    クリスタも帰っていった。

    もう夜になってるんだし、当たり前か。



    医者からは、 安静にしてればいつか目が覚める と報告された。


    だからアニが目が覚めるまで、僕はいつまでも待ってるよ。






    椅子を少し引いて、アニに近づく。


    薄い色の金髪。

    長い睫毛。

    綺麗な形の鼻。

    潤ってる唇。


    …美人顔だな。



    もう、アニの全部が好き。

    愛おしいよ。





    無意識に顔を近づけて、また、


    キスをしていた。



    意味の無いキス。





    そっと顔を離して思う。


    僕、どれだけアニが好きなんだよって。

    でも。







    アルミン「アニ、好きだよ…」



    髪を撫でながら、小声で言った。



    いつも君に届かない言葉。

    今も聞いてないんだけどね…。









    今、アニの気持ちがわかったよ。

    大切な人を失うのがどれだけ怖いか。


    僕が思ってた以上に辛いんだね…。
  12. 13 : : 2018/03/12(月) 17:43:13


    アニside



    …真っ暗。

    何も見えない。

    気が付いてから結構時間が経ったのに、目が慣れない。


    下手に動いたら怖いしな…。





    アニ「!」


    前に薄い光が出てきた。


    …もしかして私、死ぬ…?

    そしたら、ミーナに会える。



    一瞬迷った。

    だって死んだらアルミンにもクリスタにも会えなくなる。

    でも…。


    決心して一歩を踏み出した。





    「まさかアニがそこまで私の事を思ってくれてたなんてね」



    後ろから聞こえた声に動きが止まる。

    その声は、私がよく知っている、懐かしい声。


    ゆっくり振り返った。


    すると、辺りがパッと明るくなり、視界が開いた。





    アニ「…ミーナ……」


    私の後ろには小さい頃のミーナがいた。

    ちょうど、死ぬ前ぐらいの…。



    ミーナ「アニ、大きくなったね」


    アニ「…うん」


    ミーナ「今までアニを見てきたけど、随分変わっちゃって…びっくりしたよ」


    アニ「……………」


    ミーナ「…アニ、どうするの?」


    アニ「……私は…、ミーナのところに行く」



    そう言ったけど、声が震えた。

    ミーナは笑顔を絶やさないまま。




    ミーナ「嬉しい…」


    アニ「…ミーナ」



    ミーナのところに行って、しゃがもうとした。

    けど、腕をトンッと押されて体制を崩し、床に手をついてしまった。




    アニ「ミーナ?」


    ミーナ「…アニが良くても、私が許さないよ」


    アニ「え?」


    ミーナ「アニはさっき、私を選んでくれたよね」


    アニ「当たり前だよ…。だって、私はミーナが一番大切なんだよ?」



    ミーナ「本当に、そう想ってる?」


    アニ「…え?」




    ミーナの顔からは、すっかり笑顔が消えていた。

    私が今まで見たことがない、冷めている顔。


    どうして、そんな顔を向けるの…?




    アニ「思ってるからミーナの方に行くんだよ」


    ミーナ「それだともう、お母さんにも友達にも会えなくなる」


    アニ「それでも、いい…」


    ミーナ「私を選ぶ?」


    アニ「…うん」



    もっと一緒に居たかった。

    だからミーナを選ぶんだよ。


    なのに、これが私の本音だとは思えない…。



    私は、どうしたいんだ…?
  13. 14 : : 2018/03/12(月) 18:11:41


    ミーナ「なら…アニはアルミンと、このままでいいの?」


    アニ「!」


    ミーナ「このまま死んじゃうの?」


    アニ「…えっと……」


    ミーナ「嫌でしょ?」


    アニ「……嫌…」


    ミーナ「だったら戻るべきだよ」


    アニ「でも…!」




    ミーナ「アニにとっての一番大切な人は、私じゃなくて…、アルミンなんでしょ?」



    アニ「っ!」




    ミーナの言葉ではっきりした。


    今の私は、アルミンが好き。


    どんな結果だって、アルミンの本当の気持ちを知りたい。

    だから後悔するかも…。



    いつの間にか、あいつに凄く惹かれてたんだ。





    ミーナ「昔なら違ったかもしれないけど、今はアルミンの方が大切なんだよね?」


    アニ「……………」


    ミーナ「アニ、私と一緒だとアニの未来を奪う事になっちゃう」


    ミーナ「だから私の最後のわがままを聞いて」




    ミーナ「生きて、幸せになって。…私の分も」



    アニ「……!」





    アニ「うん…!」



    頬に馴れない感触があると思ったら、涙が零れてた。

    次々と涙が溢れてきて、顔を手で覆う。


    すると、ふわっと身体が包み込まれて、少し顔を上げた。



    ミーナが、抱き締めてくれている。

    しかも、その姿は私と同じ、高校生ぐらいのミーナ。

    私が見られなかった姿。





    ミーナ「アニ、もう我慢しないで」



    その一言で、声を上げて泣いた。

    小さい子供みたいに。


    ミーナに腕を回した。

    身体は冷たかったけど、温かかった。



    やっと、ミーナに会えたんだ…。

  14. 15 : : 2018/03/12(月) 22:41:19


    私が泣き止んだ時、ミーナは腕を離して言った。



    ミーナ「アニはさ、アルミンとクリスタが居ると…、私の事を忘れるでしょ?」


    アニ「えっ?」


    ミーナ「笑わないけど、楽しそうだよ?」


    アニ「そんなふうに見えるの?」


    ミーナ「うん。…だからアニは、正直になって」


    アニ「正直…」


    ミーナ「そう、楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて…。…そんなふうになって欲しい」


    アニ「…わがまま?」


    ミーナ「うん」


    アニ「それじゃあ最後のわがままじゃなくなったね」



    そう言って、私は笑顔になる。

    ミーナも私を見て安心したように微笑む。




    ミーナ「そうだね」


    ミーナ「…ほら、そろそろ行かないと。アルミンが待ってるよ」


    アニ「……………」


    アニ「ねぇ、ミーナ」


    ミーナ「ん?」




    アニ「大好きだよ」ニコッ



    ミーナ「アニ…。私も!」




    二人で笑う。

    でも、もうミーナとはこんな事が出来ないんだ。

    そう思うと、ちょっと寂しくなる。



    ミーナ「アニ」


    アニ「何?」


    ミーナ「私の事は忘れて、存分に楽しんでね」


    アニ「…うん…!」


    ミーナ「走って」


    アニ「え…?」


    ミーナ「皆が待ってるよ。真っ直ぐ走って」


    アニ「…うん」



    振り返って走ろうと思ったけど、止めた。

    そして、笑顔で言う。




    アニ「さようなら。またね」


    ミーナ「…さようなら。ずっと、見守ってるからね…?」



    ミーナは寂しそうに笑った。

    その顔に泣きそうになったけど、振り返り、走った。


    ミーナの言う通り、真っ直ぐに。


    止まらないで。




    ミーナは 私の事を忘れて って言ってたけど、絶対忘れない。

    私の、一つの思い出だから…。

  15. 16 : : 2018/03/13(火) 21:05:32


    アニ「……………」


    真っ暗だ。

    でも、話し声は聞こえる。

    アルミンと、クリスタの声…?


    …いや、私が目を瞑ってるだけだ。




    ゆっくり目を開ける。

    白い天井がぼやっと見えた。






    クリスタ「…!アニっ!」


    アルミン「え?」


    アルミン「!」


    クリスタ「ちょっと待ってて!」タッタッタッ



    クリスタは走って部屋を出ていった。

    この部屋の構造からして、病院だろう。




    アニ「…アルミン、おはよ」


    アルミン「おはよう…」




    アルミン「アニ、お帰り」


    アニ「…!」


    アニ「ただいま…!」



    起き上がろうとしたけど、力が上手く入らない。

    代わりに頭痛がおきた。




    ガラガラ


    医者「目が覚めたみたいだね」


    アニ「…はい」


    医者「何処か異常は?」


    アニ「少し、頭が痛くて…。あと上手く力が入らないです」


    医者「あぁ、頭痛はすぐでもないけどそのうち治るよ」


    医者「力もだんだん回復してくるからね」



    …頭は結構痛いのに適当だな。

    まぁ治るんならいいんだけど。




    医者「一週間寝ていたからね、ちょっと運動すればいいよ」


    医者「友達と散歩でもしてきてもいいからね」


    アニ「はい…」


    医者「あ、明後日に退院できるよ。それまでは病院にいてね」


    アニ「…解りました」



    明後日か…。

    病院なんて滅多に行かないし。

    不満ではないんだけど。




    医者「じゃあ、私はこれで」


    そう言って部屋を出ていった。




    クリスタ「なーんか適当だね、あの人」


    アニ「うん」


    クリスタ「…あ、そろそろ帰らないと」



    クリスタはアルミンの方に視線を送った。

    そしたらアルミンが無言で頷いたけど、何のやり取りかは解らない。




    クリスタ「アニ、またね。明日も来るから」


    アニ「うん」


    クリスタ「じゃあね」



    ドアを開けて帰っていった。

    …二人。

    気まずい。

    アルミンの反対側に顔を向けようとしたけど、呼び止められた。


    目線を布団の上に置いていた手にやり、緩めていた手をキュッと握る。




    その手に、私よりも少し大きい手が重ねられた。


    パッとアルミンを見ると、私と目が合った。
  16. 17 : : 2018/03/13(火) 23:07:57


    アニ「…な、何…?」


    アルミン「アニ、目…、瞑って?」


    アニ「は?」


    アルミン「だから、目瞑って」


    アニ「なんで…」



    アルミン「キスする」




    アニ「はい!?」





    突然なんなの、こいつは!

    き、キスって…。

    …どうせ、また…。





    アルミン「アニ、僕は本気だから」




    アニ「っ!」



    アルミン「この前のも遊びなんかじゃない」


    アニ「…解ってる。あんたがそんな事しないことぐらい」


    アルミン「…ごめん」


    アニ「もう、いいよ」


    アルミン「良くなんかないよ。事故ったのだって、僕を追いかけてたからなんでしょ?」


    アニ「…そうだよ。けど、あんたは悪くない」


    アルミン「全部、僕が悪いんだよ。君に酷い事言って、傷つけて…」


    アルミン「本当に、ごめん…」



    アルミンに圧倒されて、何も言えなくなった。

    全部、アルミンが悪いわけじゃないのに…。


    こいつは責任感が強いからなぁ。




    アルミン「ねぇ、アニ…」


    アニ「ん…?」



    アルミン「好きだよ」




    アニ「っ!」



    アルミン「アニが好きすぎて、たまらないんだ」


    アニ「…な、に…、それ…//」



    そんな恥ずかしい事、普通に言わないでよ。

    もっと恥ずかしくなるじゃん…。


    そこがアルミンらしいけど。




    アルミン「アニが僕を嫌ってても、僕は君が好きなんだ」


    アニ「…嫌ってなんかいないよ。私も嫌われてると思ったし…」


    アルミン「僕だってアニを嫌ったりなんかしないよ」


    アニ「そっか…」



    アニ「…私も、アルミンが好き」




    アルミン「ねぇ、アニ…」


    アニ「…うん」



    頬に手を添えられた。

    それと同時に目を閉じる。



    唇に柔らかい感触を感じた。

    とっても、甘い。

    温かい。




    私、愛されてるんだな。


    そう思えた。



    前よりもずっと深いキス。

    意味のあるキス。




    生きてて良かった。


    初めて、そう思った。
  17. 18 : : 2018/03/14(水) 02:45:50
    少し見ない間にだいぶ進んでた
  18. 19 : : 2018/03/14(水) 02:46:49
    そして期待!
    愛してまっっっっス!
  19. 20 : : 2018/03/14(水) 02:56:07
    うわぁぁぁぁ何回読んでも泣ける
    ミーナぁぁぁぁぁぁぁ泣き
    (3連続投稿すいません!)
  20. 22 : : 2018/03/14(水) 20:10:48


    唇を離されて、アルミンがニコッと笑う。

    今さっきした事が恥ずかしくなってきて、長い前髪で顔を隠す。



    アニ「そんなに、私とキスしたかったの…?」


    俯きながら喋る。

    眼を見れないから。



    アルミン「うん。だってアニが好きなんだもん」


    アニ「…私も、だよ…」


    アルミン「誤解されたままだったら嫌だし…」


    アルミン「僕のせいなんだけどね…」


    アニ「でも、これが無かったら誤解なんて解けなかったかもね」


    アルミン「そうかも。けど事故は嫌だったな」


    アニ「…ごめん」


    アルミン「アニが謝らないで」


    アニ「いいんだよ。アルミンはただ聞いてるだけで」


    アニ「お詫びと言ってはなんだけど…」



    身体をゆっくり起こして、アルミンの手をクイッと引いた。

    距離を縮めて見つめる。

    アルミンも見つめ返して笑顔を向けてくれて…。



    私からキスをしてみたい。


    でも、




    アニ「…やっぱり辞めた」


    アルミン「えっ!?」


    アニ「恥ずい」


    アルミン「ええ?」



    アルミンの笑顔を見たらドキッとした。

    私の体温が高くなったから誤魔化す。


    そしたらこいつ、どんな顔してんだか。

    情けないなぁ…。




    アニ「ふふっ、アルミンあんた、面白いね」



    私が笑ったせいか、驚いてる。

    失礼だね。



    アニ「そういうとこも、好きだよ」


    アルミン「あ、ありがとう…。なら、僕からも言わせてもらうよ」


    アニ「ん?」




    アルミン「アニ、笑ったとこも可愛い」



    アニ「なっ!」




    アルミン「そういうところも全部、好きだよ」




    私が最初に言ったことなのに、返されると心臓がもたない。

    自分で言うのとこいつが言うのは、同じなのに全然違う。


    もう、ずるいよ…。



  21. 23 : : 2018/03/14(水) 22:22:03
    ニヤニヤしながらこのssを見てる自分は変態なのか…?

    期待!!
  22. 24 : : 2018/03/14(水) 22:38:59


    アニ「あんた、可愛いくせに変なところあるよね」


    アルミン「変なところ?」


    アニ「うん。なんでいっつも私をドキドキさせるの?」


    アルミン「何でだろうね」



    キョトンとしてるけど、それは嘘だとすぐわかった。

    口元が笑ってる。

    本当にずるいね、アルミンって。




    アニ「意地悪」


    アルミン「しょうがないよ、アニの反応面白いし」


    アニ「はあ?」


    アルミン「”可愛い”って言った方が良かったかな?」


    アニ「か、可愛いなんて要らないよ!」


    アルミン「そうなの?なら思うだけにするよ」


    アニ「思わなくてもいいのに…」


    アルミン「それは無理」


    アニ「無理?」


    アルミン「だって可愛いから」


    アニ「も、もういいよ…//」



    可愛いを連発されると恥ずかしくなる。

    相手がアルミンだからってのも理由になる思うけど。


    そういえば と話を続けてくる。



    アルミン「さっき、僕の事を”可愛い”って言った?」


    アニ「そうだけど、今更?」


    アルミン「可愛いって言ってたら思い出しちゃった」


    アニ「ふ〜ん」


    アルミン「僕、結構”可愛い”って言われるの多いんだよね」



    自慢かよ、こいつ。

    確かに可愛いんだけど。




    アルミン「ちょっと気にしてるんだよね」


    アニ「そうなの」


    アルミン「うん」


    アルミン「僕って可愛いのかな?」


    アニ「…可愛い」


    アルミン「…やっぱり、そう思う?」



    アルミンは苦笑いした。

    まぁ男の子でそう言われると、ちょっと悲しいよね。


    でも、私は可愛いだけじゃないと思う。




    アニ「アルミン」


    アルミン「ん?」



    アニ「あんたは、かっこいいよ」




    アルミン「かっこいい?」



    アニ「うん」






    アニ「アルミン、かっこいい」





    アルミンが目を見開いた。

    けどすぐに笑って、



    アルミン「なんだ、アニも僕をドキドキさせれるんじゃん」




    って。


    今のでドキドキしたのかな。

    慣れない言葉を不器用なりに伝えたから、私の心臓は煩いけど。
  23. 25 : : 2018/03/14(水) 22:41:56
    (·∀·)ニヤニヤ期待だよ〜ン
  24. 27 : : 2018/03/15(木) 17:21:07


    アニ「あんたって顔に出ないんだね」


    アルミン「そんな事ないんだけどな。いっつもミカサにバレちゃうし」


    アニ「そうなの?」


    アルミン「うん、本当に参っちゃうよ」



    困ったように笑う。


    ミカサはアルミンの幼馴染だから、知ってる事が多いんだろうな。

    勿論、アルミンの事を。


    ちょっと、本当にちょっとだけ、羨ましいという気持ちがある。



    …ミカサにも嫉妬してるんだな、私。




    アニ「あんたさ、いつも笑ってるよね…」


    アルミン「え?」


    アニ「辛い時でも、笑ってそう」



    アルミン「…今は、楽しいから」


    アルミン「アニとこうやって話してるだけでも、楽しい」



    アルミン「僕、意外と面に出るんだよね。だから、エレン達にも恥ずかしいところ見られた時もあるんだ」


    アルミン「でも、アニの前では、ね…」




    …自分を隠してんのかな。

    そんな事しなくてもいいのに。


    だって私は、全部を知りたいから。



    アニ「別に、いいよ」


    アルミン「なにが?」


    アニ「私の前で、我慢しなくても」


    アルミン「…そう言ってもらえると嬉しいよ」


    アルミン「でも僕自身が見られたくないな」



    私の頭を撫でながら言う。

    見たいのに って言ったらどうなるかな。

    また笑うかな。




    アニ「恥ずかしい事じゃないよ」


    アルミン「恥ずかしいの」


    アニ「大丈夫」


    アルミン「…じゃあ…」




    私の首に頭を置く。


    そして、

    ペロッと首筋を舐めた。




    アニ「ちょ、アルミン!」



    私、一応病人なんですけど。

    なんて事してくれるんだ、こいつは。



    アルミン「アニ、可愛い」


    アニ「煩い!可愛くなんかないってば」




    首から頭を離して言われた。


    ここ、病室だよ?

    少しは場所を考えてよ。

    いや、違う場所ならいいってわけじゃないんだけど。



    アルミン「僕の気持ち、わかった?」


    アニ「気持ち?」


    アルミン「人にそんな顔、見られたくないでしょ?」


    アニ「…別に、あんたならいいけど。…その、何見られても大丈夫だから…//」


    アルミン「…そんな事言わないでよ…」



    あれ、手首で口元隠した。

    恥ずかしがってんのかな。


    いいとこ見れた。


  25. 28 : : 2018/03/15(木) 21:53:56
    アルアニ可愛い♡♡
  26. 30 : : 2018/03/15(木) 23:04:39


    大したこと言ってないのに。

    ちょっと顔が赤くなってる。



    アニ「ふ、アルミンかわい」


    アルミン「嫌味?」


    アニ「褒め言葉」


    アルミン「そんな褒め言葉いらないよ」


    アニ「そう?」


    アルミン「そう。なんならアニをもっと可愛くしてあげよっか?」


    アニ「は?どうやって?」


    アルミン「耳貸して」


    アニ「ん?」



    アルミン「………」ボソッ




    アニ「ばっ!///」


    アルミン「なにしたの?」


    アニ「い、今あんた…!」



    囁かれた言葉に反応して、今度は私が赤くなった。

    急に何言い出すんだよ…。


    知らない振りしやがって。


    ってか、いきなりデレるんじゃないよ。



    アルミン「駄目?」


    アニ「私病人だよ?それにここ…」


    アルミン「いいじゃん」


    アニ「駄目だからね」



    さっきも思ったけど、ここ病院だから。


    私が居るところは、ちょうど一人の部屋だった。

    けど、いつ誰が来るのかわからないのに、こいつは…。




    アルミン「やっぱり?」


    アニ「当たり前だよ、ばか」


    アルミン「僕頭良いし」


    アニ「知らない。バカめ」


    アルミン「そんなにバカ言わないでよ、傷付くじゃん」


    アニ「撫でてあげよっか?」


    アルミン「やだ、僕が撫でるほうがいい」


    アニ「なら私を撫でて」


    アルミン「しょうがないなぁ」



    なんとなく乗ってあげた。

    アルミンは嬉しそうにして、私の頭を撫でてくる。


    でもアルミンに頭撫でてもらうと、落ち着くんだよな。



    そんなふうに思ってたら、抱き寄せられた。




    アニ「アルミン…?」


    アルミン「……………」


    アニ「…ねぇ……」


    アルミン「…今日、帰らなくてもいい?」


    アニ「…は?」


    アルミン「アニのそばに居たい」


    アニ「でも、親が…」



    外はもう陽が沈んで暗くなり始めてたけど、帰らせないわけにはいかないし…。

    親、いるだろうから心配されるかも。




    アルミン「僕はもうそんなに子供じゃない」


    アニ「…高校生ならまだ子供だよ」


    アルミン「でも親がいなくたって一人で出来る頃なんだ」



    私が叱ってるみたい。

    アルミンの方が一つ年上だけどね。



    …えっ?


    年上だっけ、アルミンって。

    そうな感じ、しない…。


    どうでもいいんだけどさ。



    …まぁ、答えは決まってる。





    アニ「あんたがそうしたいんなら、そうすれば?」


    アルミン「うん」

  27. 31 : : 2018/03/15(木) 23:21:37
    >>29ヾノ≧∀≦)イエイエ!
    読ませて頂いてるんで!
    期待です!
  28. 33 : : 2018/03/16(金) 20:50:55
    読み続けます!!
  29. 35 : : 2018/03/16(金) 21:18:38


    アニ「あ、ねぇアルミン、散歩行こう」


    アルミン「え、今から?」


    アニ「うん」


    アルミン「冷えるよ」


    アニ「大丈夫」


    アルミン「…なら行こっか」



    そう言って立ち上がる。

    私も布団から出て床に足をつけた。


    ちょっと立ちくらみが起きてベッドに座ったけど、すぐに治った。

    本当に大丈夫? と聞かれたけど、どうってことない。


    …ちょっと強がってるところもあるんだけどね。









    アニ「あんたさ」


    外を歩きながら話しかける。

    秋に入り始めた頃だけど、まだ生温い風が吹いている。



    アルミン「何?」


    アニ「…私の事、どう思ってるの?」


    アルミン「好きだよ?」


    アニ「そ、そうじゃなくて…」



    よく恥ずかしげもなく言えるな。

    私なら絶対無理。


    …じゃなくて、




    アルミン「どういうこと?」


    アニ「なんかしてみたい事とかないの」


    アルミン「アニに?」


    アニ「…まぁ」


    アルミン「んー…」



    少し考えてたけど、答えが返ってきた。

    いや、答えってわけじゃないけど。




    アルミン「どうしてそんな事聞くの?」


    アニ「なんとなく。私の、興味?」


    アルミン「そうなんだ」


    アルミン「強いて言うなら…」


    アニ「うん?」




    アルミン「アニをめちゃくちゃにしたい」


    アニ「はっ!?//」



    アルミン「なんてね」


    アニ「うっ…//」




    冗談だって言うふうに笑う。


    くそ、アルミンめ…。

    覚えてろ。
  30. 36 : : 2018/03/16(金) 21:20:36
    (·∀·)ニヤニヤ期待
  31. 37 : : 2018/03/16(金) 21:32:23


    アニ「あんたってそんな性格だった?」


    アルミン「さあね、どうだろう」


    アニ「直らない?」


    アルミン「嫌なの?」


    アニ「別に」


    アルミン「ちゃんと言わないと解んないなぁ」



    うっわ、ズルいこいつ。

    言わせようとしてるし。


    笑ってる。

    悪戯っぽい笑顔。


    …はぁ。




    アニ「嫌じゃない」


    アルミン「じゃあ好きじゃないってこと?」


    アニ「違う」


    アルミン「なら何?」


    アニ「…好きだよ」


    アルミン「急にツンデレくるね、さっきまでは普通に好きって言ってくれてたのに」


    アニ「あんたの言い方が悪いんだよ」


    アルミン「褒め言葉として受け取っておくよ」


    アニ「いや悪口だし」


    アルミン「あー、僕に悪口言ったぁ」


    アニ「ふ、何それ」




    やっぱりアルミンには適わないよ。

    流石だね。


    …今のは褒め言葉、ね。



  32. 38 : : 2018/03/17(土) 07:24:48


    近くにあったベンチに座る。


    私が寝てたのって一週間だっけ。

    ちょっとの間運動しないと体って怠けちゃうんだね。

    歩いてるだけでも少し疲れるよ。




    アニ「……………」



    こてんとアルミンの肩に寄り掛かる。

    ちょっと、眠くなってきたな…。




    アルミン「どうしたの?」


    アニ「…んーん、何でもない」


    アルミン「甘えたいの?」


    アニ「違う」



    違うって言っておきながら体制を戻さない。

    本当は甘えたいのかも。


    アルミンは笑って手を握ってくる。

    ん?って顔で見たら、急にキスされた。




    アニ「んん!?//」


    アルミン「…なにその顔」


    アニ「う、煩い!誰のせいだと思ってんの」


    アルミン「僕」


    アニ「そうだよ」


    アルミン「嬉し」


    アニ「嬉しがるとこじゃないって」


    アルミン「えー?」


    アニ「ったく…」



  33. 39 : : 2018/03/17(土) 14:43:18
    可愛い♡♡
    (·∀·)ニヤニヤ
    期待
  34. 40 : : 2018/03/17(土) 14:54:50
    つかのことをお伺いしますが
    お幾つですか?
    因みに自分はこの春から16になります(どうでもいい)
  35. 42 : : 2018/03/17(土) 19:29:55
    なぬ?!
    中学生か高校生ぐらいかと思ってた
    文章力凄いから!
  36. 43 : : 2018/03/17(土) 19:30:14
    そして卒業おめでとう
  37. 45 : : 2018/03/17(土) 22:23:26


    アニ「ん、キスって今ので…、3回目?」


    アルミン「4回目じゃない?」


    アニ「え、そうだっけ?」


    アルミン「うん、アニが寝てる時に1回」


    アニ「な、何してくれてんの、寝込み襲うなって」


    アルミン「しょうがないじゃん、アニが可愛いのが悪い」


    アニ「私が悪いの?なら可愛くなくなってあげよっか」


    アルミン「え、駄目」


    アニ「あんた、顔で決めてるの?」


    アルミン「そんなわけないよ、ちゃんとアニの中身も好きだよ」



    言い方…。


    でも良かった、軽い男じゃなくて。

    いや、こいつは意外とちゃんとしてるからな。




    アニ「キス、結構してるね…」


    アルミン「そう?」


    アニ「うん、私にとっては沢山だよ」



    アルミン「僕は全然足りてないんだけど」




    アニ「っ…///」



    アルミン「もっとしたいぐらいだよ」


    アニ「…んっ!」





    そんな甘い言葉をずっとかけられてたら、私だって我慢出来なくなる。


    だから無理やりキスをした。

    さっき出来なかった分。



    それでも受け入れてくれるから、私はアルミンが好き。

  38. 46 : : 2018/03/17(土) 23:29:02


    アルミン「急に来たからびっくりしたよ」


    アニ「私がどんだけ驚かされてんのか解った?」


    アルミン「うん。でも今のはアニがしたかったんじゃないの?」



    そう言ってアルミンは私の唇の真ん中に人差し指を当てた。

    私は目を逸らす。

    だって、アルミンの言う通りだから。




    アルミン「アニって本当、正直だよね」


    アニ「……………」



    喋れない代わりに顔を背ける。


    やっと開放された。

    けど、もっと触れていたいって気持ちもある。


    私、自分勝手だよね。




    アニ「……!」


    アルミン「離れないでよ…」


    アニ「ちょ…」



    後ろから抱き着いてきた。

    私の身体は冷たいから、アルミンの体温が伝わってくる。


    恥ずかしい…。




    アルミン「折角二人きりなのに…。もっと甘えてきてよ…」


    アニ「ま、待って…//」



    私の首に顔を埋めて、お腹に回してる手の力を強める。

    甘えてきてって、あんたが甘えてくるんじゃん…。



    もう、全部の仕草が可愛いんだよ、こいつは。

  39. 47 : : 2018/03/18(日) 00:58:15
    (・∀・)ニヤニヤ→( ´థ౪థ)ニヤニヤ
    になってる自分笑笑 アカン!
    期待っス!
  40. 49 : : 2018/03/18(日) 21:02:49
    期待です。中学生になるといろいろ大変ですけど頑張ってくださいね。後はまぁいじめがなければいいですが。あるっとあにさんのクラスはいじめはなかったですか?こんなこと言ってすみません。原作読んでますか?97話の変装アニ可愛いのと103話のアルミンがかっこよくなっています。よかったら調べてください。
  41. 50 : : 2018/03/18(日) 21:15:56
    >>49アニの変装って伊達メガネに帽子で2つで結ってるやつかな? 可愛いよね!!!♡♡♡
    アルミンは…ちょっと覚えてないな(アルミンファンすいません!!)見直して見よ!
  42. 51 : : 2018/03/18(日) 21:27:08
    アルアニLOVEさん そうです。可愛いですよね。
    アルミンは103話のどこかのページに載っています。
  43. 53 : : 2018/03/18(日) 22:25:50
    103話って25巻かな?
    見当たらない…アルミーン!
  44. 54 : : 2018/03/18(日) 22:47:31


    アルミン「何?」


    アニ「あの、ここ外だよ?それに寒くなってきたからもう戻ろう?」


    アルミン「外なんて気にしない、関係ないでしょ。それに、今温めてあげてるじゃん」


    アニ「そういう問題じゃないの」


    アニ「とにかく、私は戻るからね」



    言い切って、腕を離し立ち上がった。

    アルミンを置いてくわけにはいかないから、手を引っ張って歩き出す。

    そうしたら横に並んだアルミンが手を絡めてきた。


    なにかしてないと落ち着かないんだなぁと思う。

    私も自分勝手だなとも思った。



    私から散歩に行こうって言ったくせに、なにあの態度…。


    自分で自分を叱ってみる。

    でもやっぱ反省はしなかった。

    別に後悔もない。




    アルミン「ね、アニ」


    アニ「ん?」


    アルミン「部屋に戻ったら、襲っていい?」


    アニ「ばっ、駄目だって言ってんでしょ!?」


    アルミン「もう、本気にならないでよ」


    アニ「は、死ね」


    アルミン「そんな言葉は使っちゃ駄目だよ。しかも僕に向かって」


    アニ「なんで」


    アルミン「僕に死んでほしいの?」


    アニ「…嫌だし」


    アルミン「でしょ?なら言わない」


    アルミン「でもアニって本当可愛いよね。顔真っ赤」


    アニ「…煩い」



    なんなんだよ、こいつ…。

    さっき部屋にいた時もそうだったけど。


    アルミン『…襲う』ボソッ


    言われた時にはアルミンを蹴っ飛ばしたくなった。

    とんだ馬鹿だよ。


    …ってのは、照れ隠しかな。

    嬉しかったなんて言ったら、からかわれるんだろうね。




    アニ「てか、付き合ってもないのにそうなこと言う?」


    アルミン「普通に言うでしょ、好きなんだから」


    アニ「いや、あんたの普通は普通じゃないよ」


    アルミン「んー、なら…」


    アルミン「アニ、僕と付き合ってください」



    なんの迷いもなく言う。


    いや、嬉しいよ。

    嬉しいんだけど、でも…。




    アニ「あんた、普通ムードってのがあるでしょ」


    アルミン「そう?」


    アニ「そうだよ」



    はぁ、こいつは、なんというか…。

    …普通じゃない。

    何のための頭よって思うんだけど。


    呆れていたら、身体がふっと温かくなった。

    今、抱き締められている…。



    アニ「えっ?」


    アルミン「アニ、好きだよ」


    アニ「あ、うん…」


    アルミン「アニは僕の事好き?」


    アニ「う、ん…。さっきから言ってるじゃん」


    アルミン「じゃあ言って」


    アニ「…あ、アルミン」


    アルミン「何?」


    アニ「好き…っ!」



    言い終わるのと同時に唇が重なった。


    ムード作ってくれてるってのは解ってるんだけど、やっぱり恥ずかしいのは恥ずかしい。

    でも決して嫌なわけじゃない。

    逆に、嬉しいし…。




    アルミン「アニ、僕と付き合ってください」



    唇を離され、ニコッとして言う。

    私の前には手が指し伸ばされている。


    勿論、



    アニ「…はい」ニコ




    笑顔で言い、手を重ねて置く。


    答えは決まってる。

    当たり前だよ、好きなんだもん…。

  45. 55 : : 2018/03/19(月) 06:33:18
    ( ´థ౪థ)ニヤニヤ
    期待!
  46. 56 : : 2018/03/19(月) 06:50:56


    アルミン「ありがとう、アニ」


    アニ「うん…」



    そう言って頭を撫でてくる。

    そして、



    アルミン「どう、満足した?」


    アニ「…まだ」


    アルミン「ええ?」


    アニ「まだ、足りない…」


    アルミン「…しょうがないな」


    アルミン「じゃあアニは、何を求めてるの?」


    アニ「は?」


    アルミン「僕に何して欲しい?」



    出た。

    私が言ったことをそのまま返してくるやつ。


    ズルいよね、こんなの。

    なら私も…。



    アニ「私を、めちゃくちゃにして…」


    アルミン「え?」


    アニ「うっ…//」


    アニ「ご、ごめん…///」



    最後の方はもう声が小さくなっていった。


    駄目だ、アルミンみたいに言えない。

    恥ずかしすぎる。

    よくこんな事言えるよ、恥ずかしげもなく。


    私はもう真っ赤なのに…。


  47. 57 : : 2018/03/19(月) 11:00:35
    アニたんきゃわわ
    期待っス!
  48. 59 : : 2018/03/19(月) 13:07:29


    トンッ


    壁に押し付けられた。

    壁ドン…?

    肘を曲げてるから近い。

    身長は10cmぐらいしか違わないから、ちょっと動いたら…。


    どうしよう、目を見れない。

    心臓が飛び出ちゃうよ…。



    アルミン「アニ、今のって本当?」


    アニ「え、っと…」


    アルミン「否定しなかったっけ」


    アニ「…した」


    アルミン「気変わった?」


    アニ「変わってないから、放して」


    アルミン「…やだ」


    アニ「…っ!」


    アルミン「アニが言ったんだから、そうして欲しいってことでしょ?」


    アニ「違っ!」


    アルミン「嫌なの?」


    アニ「嫌って言ったら放してくれる?」


    アルミン「アニが嫌がってるなら」


    アニ「じゃあ、嫌…」


    アルミン「………。…いいよ、ただ条件付きで」


    アニ「条件?」


    アルミン「簡単な事だから大丈夫」


    アニ「何?」


    アルミン「僕以外の人の前でそんな顔しないこと」


    アニ「えっ?」


    アルミン「よし、戻ろう」


    アニ「ちょっと待って、どんな顔!?」


    アルミン「変な顔のこと」


    アニ「はあ!?」


    アルミン「嘘だよ、可愛い顔を見せちゃ駄目って事」


    アニ「か、可愛い顔ってなに」


    アルミン「そのまんまの意味だよ?」


    アニ「可愛い顔なんて作ろうとしても作れないから大丈夫」


    アルミン「僕なら出来るけど」


    アニ「いらない」



    そんなの、簡単な事だ。

    もともと可愛くなんてないんだし。
  49. 60 : : 2018/03/19(月) 13:16:18
    ( ´థ౪థ)ニヤニヤ期待
  50. 61 : : 2018/03/19(月) 19:05:58
    アルアニLOVEさん申し訳ありません。103の方は単行本ではなく、別冊マガジンになります。単行本だと26巻になります。ミカサのDVDが付きます。私もミカサ編楽しみです。26巻は8月になりますね。
  51. 62 : : 2018/03/19(月) 19:12:59


    病室



    アニ「…そういえば、文化祭っていつ?」


    アルミン「そろそろだよ」


    アニ「ふ〜ん、何やんの?」


    アルミン「えっと、僕のクラスでは…」


    アニ「ん?」


    アルミン「んっと、カフェ…?」


    アニ「カフェ?」


    アルミン「うん、殆ど女子が決めてたんだけどね…」


    アニ「へー、どんまい」


    アニ「あんたの役割は?」


    アルミン「さあ、そこはまだ」


    アニ「メイド服着れば?可愛いと思うよ」


    アルミン「嫌だよ」


    アニ「えー?ただのカフェバーだとつまんないじゃん」


    アルミン「それでいいんだよ」



    そんな話をしていた。

    一つの話題で結構盛り上がるんだよね。

    暇にならなくていいんだけどさ。


    でも、そろそろ…。




    アニ「ふぁ…」


    アルミン「眠い?」


    アニ「うん、ちょっと眠い」


    アルミン「なら寝ていいよ」


    アニ「あんたは?」


    アルミン「僕は、まだいい」


    アニ「そう」


    アルミン「うん、お休み」


    アニ「…お休み」



    布団に潜る。

    寝顔を見られるのが嫌だから。


    何分かして眠りについた。


  52. 63 : : 2018/03/19(月) 19:15:17
    間違えました。103話は別冊マガジン4月号に載っています。申し訳ありません。原作だと26巻 8月になります。後、3月22日アニの誕生日と3月30日はエレンの誕生日です。二人ともおめでとうございます。
  53. 64 : : 2018/03/19(月) 19:20:30
    なるなる(・А・` )
    わし単行本派なので楽しみにしてます!
    それと期待です!( ´థ౪థ)ニヤニヤ
  54. 66 : : 2018/03/19(月) 21:12:25



    アニ「…んー…」



    柔らかい日差しで目が覚めた。

    周りにはアルミンがいなかった。

    …帰っちゃったのかな。


    時計は7時すぎを示している。

    ライン、してみよ。

    この時間だと流石に起きてるよね。



    アニ『おはよ』




    文字を打ったあとに、今までしたラインのやり取りを見た。

    って言っても、少ししかないんだけど。


    夏祭りの時以来だった。

    最近は会って話してるからかな。



    ピコン♪


    アルミン『おはよう』


    アニ『帰った?』


    アルミン『うん、ごめんね』


    アニ『いや、大丈夫だけど。もしかしてホームシック?』


    アルミン『それはないかな』


    アニ『そうなの』


    アルミン『うん』


    アルミン『学校終わったらまた行く』


    アニ『わかった』


    アルミン『じゃあ』


    アニ『うん、また』




    既読がついて、会話が途切れた。


    学校か。

    私も、授業受けてみよっかな…。

    クリスタも居るんだし。


    でも、少し怖い。

    クリスタが居たら、どうにかなるのかな。

    人に頼りすぎるのもあれだし…。


    後でクリスタに言ってみよ。

    どんな反応するかな。

    クリスタだけじゃない。

    他の人も。


  55. 67 : : 2018/03/19(月) 21:49:43


    夕方



    アニ「……………」


    暇。

    早く来ないかな。

    スマホやってても何故か暇だと思うようになった。

    やっぱり、話してる時が一番楽しい。


    そう思ってると、ドアの開く音がした。




    アニ「!」


    やっと来た。

    …って、えぇ!?


    なんで、



    アニ「お母、さん…!?」


    アニ母「アニ…、良かった」


    アニ「えっ?」


    アニ母「事故に巻き込まれたんだってね」


    アニ「え、あ、うん…」


    アニ「それより、なんでここにいんの」


    アニ母「口悪くなってるわね…」


    アニ「…仕事は?」


    アニ母「仕事所じゃないでしょ?一回来たんだから」


    アニ「は?いつ?」


    アニ母「一週間ぐらい前」


    アニ「そう」


    アニ母「びっくりしたんだからね?」


    アニ母「その時は急いできたものだから、仕事を放ったらかしにしたわ」


    アニ「…そこまでしなくても…」


    アニ母「そこまでするわよ、私の大切な子供なんだから」


    アニ「…そう」



    大切な、子供。


    いつも仕事仕事で私の事なんか相手にしてくれなかったのに。

    私を想ってくれてたんだ…。





    アニ母「それよりアニ、貴方今、恋してるでしょ」



    アニ「はっ?」


    アニ母「やっぱり。どおりで可愛くなったと思った」


    アニ母「相手は?」


    アニ「ちょっと、勝手に話進めないでよ」


    アニ母「本当の事でしょ?」


    アニ「嘘の事」


    アニ母「お母さんは騙せないわ」



    それ、クリスタにも言われた気がする。


    でもやっぱ、ちゃんとお母さんなんだなと思った。

    昔からお母さんにだけは嘘をつけなかったから。


    言おうかな。

    そう思った時、なんて最悪のタイミング。

    あいつが来た。



    アルミン「あ、こんにちは」


    アニ母「あら、こんにちは」


    アニ母「もしかしてこの子?アニが好きって言ってる子って」


    アルミン「えっ?」


    アニ「ああもう!」


    アニ母「まだ告白してなかったの?」


    アニ「お母さんに教えることなんて無い!」


    アニ母「実際は?」


    アルミン「え?まぁ…、付き合ってますよ」


    アニ「ちょっと、アルミン!余計な事…」


    アニ母「やっぱりね、アルミンっていうの?」


    アルミン「はい」



    もう、お母さんもアルミンも余計なことばっかり言いやがって…!

    後で罰与えてやる。

    お母さんに言う必要ないじゃん。


    はぁ…、からかわれる。

  56. 68 : : 2018/03/19(月) 22:05:10
    アルアニを愛しー
    アルアニに愛された我ー!(愛されてはないか笑)アニやっぱ可愛い♡♡
    期待です
  57. 70 : : 2018/03/19(月) 22:34:26


    アニ母「ねぇアルミン君」


    アルミン「なんですか?」


    アニ母「アニを頼んだわ」


    アニ「は?」


    アルミン「はい」


    アニ「え?」


    アニ母「あと…」



    アニ母「……………」コソッ




    アルミン「あ…」


    アルミン「…はい、任せてください」ニコッ


    アニ母「うん、安心した」


    アニ「ん?」


    アニ母「多分、なにも解らないと思うからよろしくね」


    アルミン「大丈夫です」



    なんの話してんの?


    全然解らない。

    話についていけない。




    アニ母「私は一回、アニの家に戻るわ」


    アニ「なんで?」


    アニ母「ほら、服取ってきてあげるから」


    アニ「ああ、そう。よろしく」


    アニ母「じゃあね。できるだけゆっくり来るから」


    アニ母「あ、でもアルミン君」


    アルミン「はい?」


    アニ母「ここは駄目よ?」コソッ


    アルミン「わ、解ってますよ!」


    アニ母「ふふ、じゃあまたね」ガラガラ




    アニ「…全く、あんた達…」


    アニ「…で?何話してたの?」


    アルミン「…さあ?」


    アニ「は?」


    アルミン「気になる?」


    アニ「そりゃあね」


    アルミン「なら後で教えてあげるよ」



    そう言うアルミンは笑ってた。

    なにを企んでるんだか。


    お母さんもお母さんだよ。

    変な事吹き込んでなきゃいいけど…。


  58. 71 : : 2018/03/19(月) 22:51:32
    アルアニぃ!




    やっぱりアルミンは可愛い。
  59. 72 : : 2018/03/19(月) 23:27:23
    アルアニに愛されたい!
    てかアニに愛されたい!!
    あぁー!自分の性別恨むぞ!
    男になりたい(人>ω・*)オネガイシマス♪
    アニに愛されたい♡♡
    期待っス!(自分の文章力のなさ笑笑)
  60. 75 : : 2018/03/20(火) 10:16:13


    三時間後



    アニ母「ただいま」


    アニ「…おかえり」


    アニ「本当にゆっくりだったね」


    アニ母「ヨーグルト食べる?」


    アニ「貰う」


    アニ母「ほら」


    アニ「どうも」


    アニ母「アルミン君もどうぞ」


    アルミン「いいんですか?ありがとうございます」


    アニ母「いえいえ」


    アニ「お母さんっていつまでこっちに居るの」


    アニ母「どうしようかしらね」


    アニ「ん?」


    アニ母「ずっと、居ようかな」


    アニ「は?」


    アニ母「仕事も一区切りしたし…」


    アニ母「アニは、どっちがいい?」


    アニ「…なにが」


    アニ母「お母さんが居るのと居ないのと」



    何その質問…。


    今までいなかったんだから、こっちにずっと居るってなると違和感あるんだよね。

    家の事も、全部私がやってたし。




    アニ「別に、どうでもいい」


    アニ母「ふふ、言うと思った」


    アニ母「今からお母さんと一緒になると変なのかな」


    アニ「まあね」


    アニ母「どっちにしろ、仕事は続けるつもりだったんだけどね」


    アニ「そ」


    アニ母「うん」


    アニ母「じゃあ私はそろそろ行こうかな」


    アニ「え?あ、うん。じゃあね」


    アニ母「うん、また」


    アニ母「アルミン君、アニをよろしくね」


    アルミン「はい」



    …アルミンに頼らなくても生きていけるっつーの。

    まあ、お母さんにはなかなか会えないから、ちょっと嬉しかったかも…。




    アニ「お母さん」


    アニ母「ん?」


    アニ「…気をつけてね」


    アニ母「!」


    アニ母「うん!アニみたいなヘマはしないから大丈夫よ」


    アニ「へ、ヘマ!?」


    アニ母「冗談。じゃあね」


    アニ「…うん」




    パタン


    お母さんが仕事に戻った。

    それからしばらく沈黙が続いた。


    あ、そうだ と思い、話を切り出す。




    アニ「アルミン」


    アルミン「ん?」



    アニ「私、授業に出ようと思う」



  61. 76 : : 2018/03/20(火) 11:45:16



    驚くかな。

    そう思ってたけど、違った。



    アルミン「…そっか」


    アニ「うん」


    アルミン「頑張ってね」


    アニ「大丈夫」



    アルミンは笑った。

    でも、寂しそうに見えた。気がする。


    だけどそんな顔は一瞬で、すぐに戻った。




    アルミン「でも、文化祭があるから授業は殆どないと思うよ」


    アニ「そうなの?」


    アルミン「うん。1ヶ月あるかないかぐらいだし」


    アニ「へぇー」


    アルミン「楽しいよ、文化祭」


    アルミン「大体、カフェとお化け屋敷に分かれてるんだけど」


    アニ「お化け屋敷かぁ」



    迫力あるのかな。

    高校だからそんな怖くはないと思うけど。




    アルミン「なに?お化け屋敷、怖いの?」


    アニ「違うから」


    アルミン「本当?」


    アニ「うん」




    「来たよ!」バンッ



    元気な声が病室に響いた。

    この声は…、やっぱり。



    アニ「クリスタ」


    クリスタ「やっほ」


    アニ「ん」


    クリスタ「もう、反応薄いなぁ」


    アニ「しょうがない」


    クリスタ「しょうがない事なの?」


    アニ「うん」


    アニ「クリスタのクラスはなにやるの?」


    クリスタ「ん?」


    アニ「文化祭」


    クリスタ「ああ、何やると思う?」


    アニ「知らないから聞いてんでしょ」


    クリスタ「まぁそうだよね」


    クリスタ「私のクラスは、劇なんだ」


    アニ「…劇?」


    クリスタ「そう、劇」


    アニ「なんの?」


    クリスタ「ロミジュリだって」


    アニ「…アルミン」


    アルミン「ん?」


    アニ「やっぱり私、文化祭が終わるまで授業受けない」


    アルミン「えっ」


    クリスタ「ええっ!?もしかしてアニ、授業受けようとしてた?」


    アニ「…まぁ」


    クリスタ「おいで!」


    アニ「だから…」


    クリスタ「劇は強制じゃないから大丈夫だよ」


    アニ「本当?」


    クリスタ「うん!」


    アニ「絶対?」


    クリスタ「絶対!」


    アニ「…なら、行く」


    クリスタ「良かった」



  62. 77 : : 2018/03/20(火) 12:50:44
    アニ可愛いすぎ!
    妹にもなって欲しいし姉貴にもなって欲しい
    よし、三姉妹として姉貴のアニちゃんと自分妹のアニちゃんになろう!笑
    アルミンは双子で!あぁ〜幸せだろうなぁ〜
    期待っス!
  63. 79 : : 2018/03/20(火) 22:57:48


    クリスタ「私も参加しないんだよね」


    アニ「え?クリスタがジュリエット役なんじゃないの?」


    クリスタ「なんで!?」


    アニ「だってそういうの引き受けそうじゃん」


    クリスタ「うん、そうなんだけど…」


    アニ「ん?」


    クリスタ「ちょっと…、トラウマ?」


    アニ「なんで?」


    クリスタ「まぁいろいろあって…」


    アニ「ふーん」


    クリスタ「だから、ね」


    アルミン「…あ、じゃあさ、僕のクラス手伝ってよ」


    クリスタ「なにやるの?」


    アルミン「カフェ」


    クリスタ「カフェ!?」


    アルミン「いい?」


    クリスタ「勿論!(どんな内容か知らないけど)」


    アルミン「ありがとう」


    クリスタ「でもどうして?人数足りないの?」


    アルミン「いや、まぁ…。そういうことかな」


    アルミン「殆ど僕達やらないからね」


    アニ「サボっちゃ駄目だよ」


    アルミン「アニに言われたくないー」


    アニ「私行くもん」


    アルミン「あ、かわい」


    アニ「うっさい」


    クリスタ「何、最近そんなやり取りしてんの?」


    アルミン「うん」


    クリスタ「もしかして?」


    アルミン「そう、そのもしかしてだよ」


    アニ「アルミンは黙って…」


    クリスタ「やっぱり!?」


    クリスタ「良かったねぇ、アニ」


    アニ「…別に」


    クリスタ「そんな事言わずにさぁ、嬉しいんでしょ?」


    アニ「…どうだろうね」


    クリスタ「そんなツンツンしてると、流石にアルミンも傷ついちゃうよ。ね?」


    アルミン「え?あ、うん」


    アニ「……………」




    まぁ、嬉しいよ。

    正直言ってね。


    クリスタが居るから素直になれないだけ…。



  64. 80 : : 2018/03/20(火) 23:02:12
    アニが可愛すぎて鼻から赤い絵の具が…
    (* ̄ii ̄)(* ̄ii ̄)(* ̄ii ̄)(* ̄ii ̄)(* ̄ii ̄)
    期待っス!
  65. 82 : : 2018/03/21(水) 00:06:11



    クリスタ「じゃあ手伝いはアルミン達の教室に行くね」


    アルミン「うん、助かるよ」


    クリスタ「アニも行くでしょ?」


    アニ「え、私も?」


    クリスタ「当り前じゃん」


    アニ「…行っていいの?」


    アルミン「アニにも来て欲しいから」


    アニ「そう…。なら行くよ」


    アルミン「ありがとう」


    アニ「うん」


    クリスタ「私との差が…」


    クリスタ「気を取り直して、頑張るぞー!」


    アニ「……………」


    アルミン「……?」


    クリスタ「…おー って言ってくれないの?」


    アニ「言わない」


    クリスタ「…ですよねー」


    クリスタ「あ、そろそろ帰るね。また明日」


    アニ「じゃあね」


    クリスタ「うん」










    アルミン「アニ」


    アニ「ん?」


    アルミン「クリスタに冷たいね」


    アニ「いいでしょ、別に。いじると面白いんだから」


    アルミン「そうなんだ」ニガワライ


    アニ「うん」


    アルミン「僕も帰ろっかな」


    アニ「え、もう?」


    アルミン「寂しいの?」


    アニ「そういうわけじゃないけど…」



    アニ「あの…、…ん」




    そう言って目を瞑る。

    …してくれるかな。


    けど、頭を撫でただけで、してくれなかった。



    アルミン「いきなりどうしたの?」


    アニ「えっ?」


    アルミン「何して欲しかったの?」


    アニ「…なんでもない」



    馬鹿だ。


    こんな事しても、意地悪してくるのは解ってた。

    …ちょっと期待してみただけ。




    アルミン「いいの?」


    アニ「…うん」


    アルミン「そっか。じゃあ明日」


    アニ「うん」




    アルミン「ねぇアニ」


    アニ「ん?」



    アルミン「また、今度ね」




    私の唇をふっと撫でてから、意味あり気に笑う。

    言い返せないでいると、一言だけ言って部屋を出ていった。


    その後アルミンの言葉をやっと理解し、顔に火が点った。



  66. 83 : : 2018/03/21(水) 00:07:22

    一応ここまで。

    文化祭のも作ろうと思うから、続きはそっちでよろしくです。


    じゃあまた。


    コメントしてくれた人、ありがとう!
  67. 84 : : 2018/03/21(水) 00:14:26
    ( ´థ౪థ)ニヤニヤ
    (´⌒ω⌒`)フヒヒ
    ニヤニヤが止まらん!
    アニが可愛いすぎるよ!!!(* ̄ii ̄)
    アニとけっk(殴
    スビバセンデジダ(ボロボロ)
    文化祭編も期待!
  68. 86 : : 2018/03/21(水) 07:55:35

    続きできた
    http://www.ssnote.net/archives/58303

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著者情報
02100330

祐陽

@02100330

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アニ「もう一度」 アルアニ&現パロ シリーズ

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