このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
苗木・日向・最原「絶望街(ゼツボーストリート)の亡霊!?」 江ノ島「そーゆーこと♪」
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- 1 : 2018/02/11(日) 21:58:56 :
- どうも、長続きしないことに定評のある筆者です。
今回は金曜ロードショーで某名探偵の劇場版アニメを観て思いついたアイデアを基にssを書いていきたいと思います。
短めに完結するつもりで行きますのでどうかお付き合いください。
※このssが展開される世界は『ダンガンロンパ3~The end of希望ヶ峰学園~希望編』後の時空となります。
V3のキャラも登場しますが、それについてはss内で説明します。
※質問・ご意見等ドシドシお書きください。
ss作成の励みになります。
それでは書いていきます!
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- 2 : 2018/02/11(日) 22:41:24 :
- ーー人類史上最大最悪の絶望的事件から数年。
世界各地で様々な事件が勃発したものの、苗木誠を中心とする未来機関のメンバーにより『希望ヶ峰学園の再建』が行われ、それを期に事態は少しずつ好転していった。
しかし、それはあくまで『少しずつ』であった。
未来機関や希望ヶ峰学園が持つ『希望』がどれだけ純粋で真っ直ぐなものであったとしても、それらは所詮、人間が造り出した組織。
絶望に染まった世界を一瞬で希望に塗り替えることなどできはしない。
さらに言えば、未来機関がどれだけ力を尽くしても『希望』を届けられない場所は必ず存在するのだ。
例えば、人類史上最大最悪の絶望的事件が起こる前から絶望に堕ちていたスラム街。
例えば、分単位で死人が出続ける戦争真っ只中の発展途上国。
例えば、戦火により人、ひいては生物が生活を諦めた廃ビル。
ーーーそして、今現在、その絶望に染まったまま時間が停止した郊外の廃ビルに幾つかの人影が足を踏み入れた。
行き場を失った浮浪者だろうか?
拠点を探す絶望の残党だろうか?
いや、違う。
それはこの廃れた環境には明らかにふさわしくない、
十神「全く...外から見たときから分かっていたがやはり酷い環境だ。なぜ未来機関はこんな荒れ果てた土地の視察を俺たちに命じたんだ?」
とても大きく、
霧切「それは私たちには預かり知らぬ所よ。ただ、確かにこの環境は人体にとって良いものだとは言えないわね。希望ヶ峰学園の事業も残っていることだし、手早く視察を済ませましょう。」
とても強い、
苗木「うん、未来機関からの通達によれば、たぶんこの廃ビルの地下が視察の終着地点だよね? もう少しで終着地点だから最後まで気を抜かずに行こう!」
『希望』であった。
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- 3 : 2018/02/12(月) 00:11:21 :
- 十神「あぁ、それは分かっているさ。だが、ほとほと未来機関の頭の悪さにはヘドが出る。要救助民もいないこんな僻地の視察に俺たちを派遣するなど...」ブツブツ
霧切「未来機関にも何か思惑があるんでしょうね。でも、それを私たちに一切伝えずに、ただ『視察に行け』とだけ通達を寄越すだなんて...考えてみれば少し妙ね。」
苗木「ま、まぁまぁ。もうすぐ視察は終わることだし、今さら文句を言ってもしょうがないよ! それに今のところ目立った異変は見つかってないしさ。そんなに危険な仕事じゃなかっただけありがたいじゃないか!」
霧切「それがむしろ奇妙なのよ。」
苗木「...え?奇妙って...何が?」
十神「ふんっ、分からないのか?
自惚れているつもりはないが、俺たちは未来機関の中ではそこそこ使える人材だ。希望ヶ峰学園の再建を任される程だからな。
そんな俺たちを『特に異変の無い』土地の調査などにわざわざ出向かせる理由がどこにある?」
苗木「あっ...」
十神「それに人選にも疑問が残る。これほど廃れた僻地の調査なら、それこそ廃れた塔和シティでしぶとく生き残った腐川辺りが適任だろう。それなのに腐川は選ばれず、ひ弱なおまえが選ばれている。これはどういうことだろうな?」
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- 4 : 2018/02/12(月) 00:55:51 :
- 苗木「えっ...ということはつまり...」
霧切「えぇ、この通達には何か裏があると見て間違いないでしょうね。でも...」
十神「その『裏』が見当たらない、ということだろう?」
霧切「そういうことね。私たちはここに至るまで驚くほど順調に視察を進められていて、その視察もそろそろ終わりを迎える。
未来機関が私たちに何かを期待してこの視察を通告したのだとしたら、それがいったい何なのか。
それがどうしても分からないのよ。」
苗木「か、考えすぎじゃないかな? 霧切さんが考えても分からないなら、きっと裏なんて無いんだよ!」
十神「ふっ、俺も通達を受けた当初は色々と勘ぐっていたが、今となっては苗木と同意見だな。考えても分からないなら、おそらく裏なんてない。ただ未来機関の上の連中が能無しなだけだ、と考える方が合理的だ。」
霧切「そう...それなら良いのだけれど...」
苗木「ほら、霧切さん!あれが地下の最深部の部屋に通じるドアだ! 早く済ませて希望ヶ峰学園の事業を再開しようよ!」
霧切「...フフッ、そうね。そうしましょうか。」
苗木はそう言っていそいそとそのドアを開けた。
『裏』なんて無い!そうに決まってる!
と、強く思いながら。
しかし、苗木のその考えは目の前の光景によっていとも簡単に打ち砕かれた。
その部屋には、絶対にそこにいるがずがない2人の人物が立ち尽くしていたからだ。
苗木「...えっ?」
霧切「これは...?」
十神「...おっ、おい!どういうことだ!? なぜおまえらがこんな場所にいる!?」
その人物とはーーー
日向「...えっ!? い、いやいや、何を言ってるんだ!?」
狛枝「...?」
2人の77期生であった。
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- 5 : 2018/02/12(月) 13:57:04 :
- 十神「何をたじろいでいる!? なぜおまえらがこんな所にいるのかと訊いているんだ!」
日向「い、いや、だからなぜって言われても...それはこっちが訊きたいくらいで...お、おい狛枝!おまえも黙ってないで何とか言ってくれよ!」
狛枝「...あっ、あぁごめん。まさかこんな所でまた超高校級の御三方に会えるなんて...この喜びを何と表現すれば良いのやら...」
日向「いやいや!どう考えてもそんな事を言う雰囲気じゃないだろ!?」
十神「おい!話をはぐらかそうとするな!俺の質問に答えろ!!」
ガヤガヤ
苗木「えっと...これって...?」
霧切「...未来機関内での例の事件の後、海上での逃亡生活を続ける事を選んだ77期生。 そんな彼らがどうしてこんな廃ビルに? しかも2人だけなんて...」
突然の出来事に動揺を隠せない未来機関の面々。
そして、そんな3人の動揺を煽り立てるかのように3人が入ってきた背面のドアが再び音を立てて開いた...
夢野「んあー!本当にこのビルで合っておるのか!?」
春川「間違いないよ。どっかの探偵さんが地図を読み違えてない限りはね...」
最原「ま、間違えてないさ!ほら、現にこの部屋から誰かの話し声が聞こえて...あれ?」
苗木「...え?」
霧切「これは...どういうこと?」
十神「...なぜおまえらが?」
日向「おっ、おい狛枝!あいつらはもしかして!」
狛枝「『前回』のコロシアイの生き残り...だね。 はぁ...今日だけで超高校級の才能を持つ素晴らしい人物に6人も会えるなんて...僕は何てツイてるんだ!」
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- 6 : 2018/02/12(月) 15:18:42 :
- 霧切「...江ノ島盾子の意志を継ぐことを目的にコロシアイの続行を望む『絶望の有志』。江ノ島盾子を盲信する白銀つむぎを中心とする彼らによって僻地で結成されたのが、略称『TDR』、『チームダンガンロンパ』。」
狛枝「彼らは高額の資金や高水準の洗脳技術を結集させて、私的に『コロシアイ学園生活』を開催した...まぁ、色々な計算外のミスが起こったせいで、最後はあっけない結果に終わったらしいけどね。」
十神「あぁ、その通りだ。『ゴフェル計画』だ何だと色々筋書きを考えていたようだが、結局最後は『全てがフィクションだった』などという投げやりな形で終わらせたそうだな。 全く、俺たちの存在がフィクションなどと...そんな馬鹿馬鹿しい話、信じろという方が無理な相談だ。」
最原・春川・夢野「...」
苗木「そ...それで生き残った君たちを未来機関が保護して、今は未来機関が保有する施設で匿われてるはず...なんだけど...」
霧切「...どうしてあなたたちがこんな廃ビルに来たのかしら? 未来機関から何か指示でも受けたの?」
最原「は、はい!未来機関から『この廃ビルの地下に来い』という通達を受けてここに来たんですけど...」
春川「...ていうかあんたたちがその未来機関なんでしょ? 私たちに来た通達の存在を理解してないみたいな口ぶりだけど...いったいどういうこと?」
夢野「ま、まさか通達の誤送信とか、そういうわけではあるまいな!? ここまで来るのがどれだけ大変だったと思っておるんじゃ!?」
苗木「い...いや、未来機関もけっこう大きな組織だから、僕たちが全ての通達を把握してる訳じゃないし...」
夢野「じゃ、じゃが通達には『詳しい内容はその部屋にいる未来機関の者に聞くように』と書いてあったぞ! 本当に何も知らんのか!?」
苗木「...え?」
日向「えーと...俺たちにもそれと丸っきり同じ通達が来たわけなんだが...」
十神「な、何だと!?」
日向「いや、俺たちの船の通信機材にいきなり未来機関から通達が来てさ。『この廃ビルに来い』って...」
狛枝「詳細も最原くんの所に来た通達と同じみたいだね。それで僕らは目立たないように少数で動こうという話になって、僕と日向くんだけでこの部屋に来た、っていう所かな?」
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- 7 : 2018/02/12(月) 15:41:27 :
- 十神「...どういうことだ? 俺たちは何も聞かされていないぞ!?」
春川「全く...通達ミスなんて。未来機関って偉そうにしてる割には仕事が杜撰だね。」
十神「ふんっ、反論したい気持ちもあるが、全くそれには同感だな。 これだけの重要人物を集めておいて通達のミスなどと...」
苗木「じゅ、重要人物って...そんな大袈裟な...」
十神「大袈裟なものか。
俺・おまえ・霧切は希望ヶ峰学園の再建事業の大黒柱だぞ?
それに日向・狛枝は、絶望側にいながら俺たちと協力関係にある77期生の一角だ。言うまでもなく俺たちにとっての重要人物だろう?
さらに最原・春川・夢野は前回のコロシアイの生き残り。絶望に打ち勝つ希望の象徴としてはこれ以上無い存在だ。
分かるだろ?今現在、ここには偶然にも世界の再建に必要な存在が集結しているということが...ん?」
霧切「世界の再建に必要な存在が...一ヶ所に集結している...?」
狛枝「それが全くの偶然...?」
最原「そんな重要な場面で未来機関が伝達ミス...?」
その瞬間、そこにいた全員の脳裏に1つの言葉が浮かんだ。
『あ り え な い』
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- 8 : 2018/02/12(月) 20:59:57 :
- 霧切「皆!いったんこのビルから出ましょう!!何だか嫌な予感がするわ!!」
霧切の一声に突き動かされるように、扉の近くにいた最原がドアノブに手をかけようとしたその時だった...
最原「えっ!?」
最原の視界が大きく揺らいだ。
いや、視界だけでない。
踏みしめている足場が揺らいだ。
いや、足場が揺らいだわけでもない。
最原の脚が、体全体がその力を失ったのだ。
そして、それは最原だけでなくその部屋にいる全員がそうであった。
全員が一斉にその場に崩れ落ちた。
それと同時に、全員の意識はほぼ一斉に暗く深い闇へと堕ちていった。
そしてその刹那、全員の脳裏にある感覚がよぎった。
『前にもこの感覚を味わったことがある...
いつだったろうか...
そうだ、これは...
コロシアイ学園生活にーーー』
そこで全員の意識は糸を切ったようにプツリと途切れた。
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- 9 : 2018/02/13(火) 12:14:02 :
- ーー数分後ーー
日向「...うぅ、ん? ここは...」
一番始めに目を覚ましたのは日向であった。
日向は頭の奥から湧き上がってくるような頭痛に顔をしかめながら、霧がかかったようにモヤモヤした頭の中を必死に整理し、現在の状況を思い出した。
日向「...っ!そ、そうだ!お、おい皆...良かった。全員いるな...」
日向は倒れ込んでいる皆の安否を確認しようと部屋を見渡した。
しかし、そんな日向の目に飛び込んできたのは、明らかに先程まではこの部屋に無かった、明らかに異質な物体だった。
日向「お、おいおい...何だよ、これ...」
それは、扉だった。
いや、ドアが付いていないことを考えると、それは門に近い存在なのだろうか?
白と黒で塗られたその門の中は霧のような白いガスで満たされており、先が見えないようになっていた。
さらに、その門の上には見覚えのあるモニターが...
日向「あのモニター...! くそ!やっぱりこれは... おい、皆!早く起きるんだ!!」
日向の大声によって意識が暗い海の底から引きずりあげられたのか、昏睡していた面々の目が次々に覚めていった。
春川「...ん、私たちはいったい...」
十神「この奇怪な状況...くっ!やはり罠だったか!」
狛枝「しかも、この演出を見るに...絶望側の罠と見た方が良いだろうねぇ」
夢野「そ、そんなっ!ウ、ウチらはまた絶望側の勢力に監禁されてしまったというのか!?」
最原「考えたくないけど...そう考えるのが一番自然だね」
霧切「...」
苗木「...!みっ、皆!あのモニターを見て!」
苗木の指差した方向にあったものは門の上に設置されたモニターであった。
つい先程まで電気のついていなかったそのモニターは、いつの間にか光を放っていた。
そこに映し出されていたのは...
モノクマ「ウプププププ...アッーハッハッハハッハ!!!!!」
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- 10 : 2018/02/14(水) 19:30:08 :
- こういうの待ってた
期待です
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- 11 : 2018/02/14(水) 23:31:22 :
- 苗木・日向・最原「モ、モノクマ!!」
夢野「うぅ...や、やはりそうなのか...」
モノクマ「ウププププ...オマエラ、お久しぶり!! 元気にしてた!?最近どう?絶望してる?」
春川「...」
モノクマ「僕?僕は見ての通り元気だよ!! ちょっと前までは子育てのストレスで禿げ上がったけどね! それと...」
十神「おい、戯れ言はよせ!」
モノクマ「...ん?何だい、十神くん。何か僕に聞きたいことでもあるってぇの?」
十神「ふん、当たり前だ... 単刀直入に聞こう。今度のおまえの目的は何だ!? そんなくだらないお喋りをするために俺たちを誘い込んだわけではないだろう?」
モノクマ「全く...君は相変わらずだねぇ、十神くん。そんな短気だからいつまでたっても人望が薄いんだよ?」
十神「ふん、何とでも言うがいいさ。それよりも早く質問に答えてもらおう。早くおまえを捻り潰して事業を再開させなければならないんだ」
モノクマ「ウププ...その減らず口も相変わらずだね。まぁ、他の皆も早く聞きたがってるみたいだし、発表しちゃおうかな?
今回僕が皆を招待した目的は...」
最原「...」ゴクリ
モノクマ「皆とある『ゲーム』で遊ぶことでーーーーーす!!!!」
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- 12 : 2018/02/14(水) 23:51:33 :
- 日向「ゲ...ゲーム?」
モノクマ「そうそう!ゲームだよ!ゲーム!!オマエラみたいなティーンズが一番好きなモノだよね! 今回は、日頃どーでもいいような仕事でストレスを溜めてるオマエラのために、僕がサイコーにポップでクールな脳汁ほとばしるゲームを用意したのでーす!! どう楽しみでしょ!?ワクワクでしょ!?」
春川「ふん...楽しみなわけないじゃん」
モノクマ「何何?ノリが悪いよ、春川さん! あっ、そうか!!今までずっとボッチだったから友達とゲームで遊ぶ楽しさを知らないんだね!? しょうがないよ!そういう『設定』なんだもんね!? ウププププ!」
春川「別に...そういうんじゃないよ。どうせあんたみたいな悪趣味なクズ野郎が企画したゲームなんて、あんたに似て胸糞悪い悪趣味なゲームなんでしょ? 私たちの命を弄ぶような...さ」
モノクマ「ウププ...僕のことけっこう分かってるんだね、春川さん。でも別に僕は悪趣味なんてこれっぽっちも思ってないよ!! だってそうでしょ? オマエラ自身の命を使って遊ぶゲームなんて、どこぞのVRよりずっと現実味があってスリル満載でサイコーに楽しいに決まってるじゃなーい!!」
春川「それが悪趣味だっての...」
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- 13 : 2018/02/15(木) 00:12:53 :
- 狛枝「うんうん、それで?そのゲームの内容はどんなものなのかな? 僕は楽しみで仕方がないんだけど...」
日向「お、おい狛枝!おまえ何を言って...」
狛枝「まぁまぁ、日向くん。冷静に考えてごらんよ... モノクマがどんなゲームを企画してるのかは知らないけど、僕らは全員少なくとも1回以上はモノクマ、ひいては絶望に勝っているんだ。そう、ここにいるのは全員、絶望に真っ向から挑んで勝利したとてつもなく大きく強い希望ばかりなんだ!! そんな君たちにかかればモノクマがどんなゲームを提示してこようと負けることはない...僕はそう確信しているんだ。 だから僕は、このゲームを通して希望が絶望に勝つ瞬間を間近で見られると思うと楽しみで仕方がないんだよ!!!」
日向「お、おまえは本当にブレないな...」
十神「ふん...色々と気になる所はあるが、まぁ狛枝の言う通りだな。俺たちは『超高校級の絶望』江ノ島盾子を、ひいては白銀つむぎ率いる『TDR』をも完膚なきまでに叩き潰している。 貴様の正体がどんな奴かは知らんが、どうせ名もない『絶望の有志』だろう? そんな俺たちが貴様らのようなザコに負けるはずがないさ」
夢野「そ、そうじゃそうじゃ!ウチらはもう仲間同士で殺しあったりせんぞ!!」
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- 14 : 2018/02/15(木) 00:48:20 :
- モノクマ「...ふーん、そう。そういう態度をとるんだね...それじゃーしょうがない!これは最後まで隠しておくつもりだったけど...ゲームが盛り下がるのも嫌だから今ここで僕の『正体』を発表しちゃいまーす!!」
苗木「!?」
十神「ほぉ...ということはおまえは俺たちに関係がある人物なのか?」
モノクマ「まぁ、そうなるよね!きっとオマエラは驚くと思うよ~!!」
霧切「私たちが驚く人物...?未来機関の誰か?いや、それとも...」
モノクマ「ウププ...じゃあ発表しちゃいまーす!! 僕の正体は~~~」
モノクマがそう言った瞬間、モニターの電気が勢いよくプツンと途切れた。
夢野「お、おい、何じゃ!? おぬしの正体は何なんじゃ!? はよう答えんか!!」
春川「電源が...切れた?」
十神「おい、怖じ気づいたわけじゃあるまいな!? 教えるなら教えるでとっとと正体を現せ!!」
???「そうだそうだ~! 早く正体を現せ~!」
その透き通った声は突然部屋に響いた。
部屋の後方から聞こえたその女声。
先程モノクマは「僕の正体はオマエラに関係する人物」というようなことを言っていたが、確かにその声はその部屋にいる全員に聞き覚えがあるものであった。
そして、さらに言うならば...
その部屋にいる全員が『最も聞きたくなかった声』でもあった。
全員がほぼ同時にその声がした方向を振り向く。
そして、それと同時に全員の顔色が急変した。
その部屋の後方に立っていたのは...
「...なーんちゃって!!驚いた!?ねぇねぇ、驚いた!?」
日向「...は?」
十神「何故だ...何故、貴様が生身の姿で生きている!?」
霧切「これは...どういうこと?」
苗木「どうして...どうしておまえがここにいるんだ!! 江ノ島盾子!!」
江ノ島「ウププ...絶望は死にませーん!!希望を...愛していないからーーーー!!!」
超高校級の絶望 江ノ島盾子であった。
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- 15 : 2018/02/15(木) 12:18:18 :
- 十神「バカな...江ノ島盾子は確かにあの時死んだはずだ!! 生きているはずがない!!」
江ノ島「何言ってんの~?私様はこうしてピンピンしてるんですけど~」
霧切「...」
江ノ島「ウププ...やっぱり絶望はサイッコーね! 皆のそういう絶望した顔、私様は大、大、大好きよ!!」
春川「ふん...馬鹿馬鹿しい」
江ノ島「ん~?どうしたのかな?そこのツインテールの...春川ちゃんだっけ? そんなに冷めないでよね~! 私様がこうして表舞台に出てるのに盛り上がらないなんて~どうかしてるんじゃなーい?」
春川「どうかしてるのはあんたの方でしょ? 驚かせようとしてるとこ悪いんだけど、あんたみたいな奴は才囚学園で1回見たことあるんだよ」
夢野「そ、そうじゃ!ウチらは騙されんぞ!!どうせおぬしのそれもコスプレなんじゃろ!?」
江ノ島「は?コスプレ...? えー、ひっどーい!私様のお化粧は厚すぎてもはやコスプレレベルってこと~? 私様は元が良いからそんなに化粧厚くないのよ?ていうかギャルなんだからそれくらい認めてよね!」
春川「...まだしらを切るつもり?いい加減にしないと実力行使に...」
最原「ま、待って春川さん!無闇に戦うのは危険だよ! 1度話を聞いてからでも...」
江ノ島「そうそう!さっすが最原くん、話がわかるじゃない!春川ちゃんも無理に逆らわない方が身のためってもんよ?
それに、仮にあなたが私様を殺せても...
あなたたちが一生この部屋から出れなくなるだけよ?」
春川「っ!? そんなハッタリ...」
霧切「...ハッタリじゃないのかもしれない」
春川「...は?」
江ノ島「へ~...霧切、やっぱりあんたが一番理解が早いのね」
十神「江ノ島の今の発言がハッタリじゃない...? おい、どういうことだ!説明してもらおうじゃないか!」
霧切「...目が覚めてから不可解な点がいくつかあるのよ」
日向「不可解な点?」
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- 16 : 2018/02/15(木) 18:28:07 :
- 霧切「まず見ての通り、私たちが今いるこの部屋は、私たちがさっき気を失う前までいた部屋じゃない。そこの見るからに怪しい門は元々の部屋には無かったし、私たちが入ってきたドアが無くなっているのもその証拠ね」
夢野「んあ...? なっ!?本当じゃ!ウチらが入ってきたドアが無くなっておる!!」
春川「今さら気づいたんだね...」
霧切「それともう1つ。皆、自分の服装を見て何か気づくことはないかしら?」
苗木「自分の服装...?」
日向「特に変わった所は無いように見えるけどな...」
最原「...汚れが落ちてる!?」
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- 17 : 2018/02/15(木) 19:19:16 :
- 霧切「フフッ、その通り。流石は探偵ね」
最原「僕らは全員、瓦礫が散乱する廃れたビル街を抜けてこの部屋にたどり着いた。だから、靴やズボンの裾なんかはそれ相応に汚れていなければおかしいんだ」
夢野「というか、実際あの時はかなり汚れておったぞ。ハルマキなんぞ頬に煤がついておったからのぉ」
春川「えっ!?」ゴシゴシ
最原「僕らがいた部屋が気を失っている間に別の部屋に変わっていた。
僕らの衣服や皮膚についていた汚れが、気を失っている間にきれいに無くなっていた。
さらに、目の前にいる江ノ島盾子がコスプレでないと考えるなら...ある1つの仮説が成り立つんだ。
その仮説っていうのは...」チラッ
霧切「フフッ、最後だけ私に言わせようって言うの? そんな気遣い、最原くんの癖に生意気ね。 まぁ、おそらくは『仮説』なんてものじゃなくてこれが『真実』なんでしょうけど...」
十神「おい、何を勿体ぶっている!その仮説とは何だ!言ってみろ!!」
霧切「...ここは『現実の世界』じゃない。
私たちの精神は既にコンピューターの『電脳世界』の中に閉じ込められていて...もう既に『ゲーム』は始まっている。
違うかしら?」
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- 19 : 2018/02/15(木) 23:34:39 :
- 夢野「なっ...!?」
狛枝「なるほど...そういうことか」
十神「お、おい霧切、それは本気で言っているのか!?」
霧切「えぇ、そのつもりだけれど...何か疑問点でもあったかしら?」
十神「当たり前だ!確かにその理論ならば今起きている現象の全てに説明がつく!
しかし、しかしだ!
未来機関のメインコンピューターにハッキングか何かを施して俺たちに偽の通達をよこし!
俺たち全員を一瞬のうちに特殊な技術で昏睡状態にした挙げ句、俺たちの精神をその『電脳世界』とやらに転送し!
未来機関の技術を結集して作成した『新世界プログラム』に勝るとも劣らない仮想空間でゲームを行うなど...
明らかにオーバーテクノロジーだ!
とてもそこら辺の絶望の残党ができることじゃない!
そんなことが出来るとすればそれこそ本物の江ノ島...」
そこまで言った十神の顔が急速に青ざめる。
江ノ島「ん~?どうしたのかな、十神白夜くん? 何か私様に聞きたいことでもあるのかしら?」
十神「お、おい貴様...霧切が今言った仮説は合っているのか?」
江ノ島「うーん、当たらずとも遠からずっていうか...話せば長くなるけど~まぁ結論から言えば~...大正解ってところかしら!」
十神「...そうか。ということは...」
十神は苦虫を噛み潰したような顔で俯いた。
夢野「な、何じゃ!?どういうことじゃ!?分かりやすく説明せい!」
春川「...私たちは今『電脳世界』、つまりゲームの世界に閉じ込められてる。 で、そんなことが出来る絶望勢力の人物と言えば江ノ島盾子本人くらい。 ということは...」
最原「今僕らの目の前にいる江ノ島はコスプレでもゲームのキャラでもない。
正真正銘本物の『超高校級の絶望』江ノ島盾子ということになるんだ!」
夢野「な、何じゃとぉぉぉぉ!?」
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- 20 : 2018/02/18(日) 00:18:24 :
- 江ノ島「いやいや、生きてるってだけでそんなに驚かないでくんない?私様にだって生きる権利はあるんですけど!」
狛枝「驚くな、って...そんなこと言われても困るなぁ。 なにせ僕は、電脳世界で生きてた江ノ島盾子は日向くんたちの手で葬り去られたって聞いてたものだからさ...」
日向「そ、そうだ!江ノ島盾子のアルターエゴはジャバウォック島の一件で俺たちが確かに機能を停止させたはずだぞ! こんな所で生きてるわけが...」
江ノ島「ふーん...そうなんだ。それはそれはお疲れさまでーす!!」
日向「なっ...?」
十神「おい、ふざけるのも大概にしろ!
江ノ島盾子のアルターエゴの機能停止はあの時俺もこの目で確認している!
それなのになぜ!
江ノ島盾子のアルターエゴがこんな廃墟で生きているんだ!?」
江ノ島「...あのさ、逆に1つ質問していい?」
十神「...何だ?」
江ノ島「何でアルターエゴが1体しかないって考えてるの?」
苗木「...え?」
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- 21 : 2018/02/18(日) 15:21:26 :
- 江ノ島「大事な大事な私様の頭脳なんだもん!いくらバックアップをとっておいても損は無いでしょ?」
十神「アルターエゴのバックアップを量産するだと...? そ、そんなことは不可能だ!例えおまえの頭脳を持ってしてもそんな技術は...」
江ノ島「ウププ...残念でした!
私様の頭脳とカムクラの持つ『超高校級のプログラマー』の才能を合わせれば可能だったのよ!
あんたたちはジャバウォック島で1体倒した程度で浮かれてたみたいだけど...ホント滑稽としか言いようがなかったわ~!
だって私様の頭脳はここにいる私様を含めて世界中で息を潜めてるんだも~ん!!」
日向「そんな...俺はそんなことにまで加担してたっていうのか...?」
江ノ島「ウププ...そういうことね!ありがとうカムクラ!本当に感謝してるわ~!
...どう?みんな、絶望したかしら?
絶望したわよね?倒したと思った私様がまだ世界中で生きてるなんて知ったら、そりゃあ絶望するわよね?ウププププププププ!」
十神「...」
狛枝「...」
春川「...」
苗木・日向・最原「...そ」
江ノ島「ん?何か言った?」
苗木「それは違うよ!!」
日向「それは違うぞ!!」
最原「それは違うぞ!!」
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- 22 : 2018/02/19(月) 02:44:50 :
- 江ノ島「...は?何が違うっていうのよ?」
最原「確かにおまえが今もこうして生きているという事実は、世界にとっては大きな絶望かもしれない。
...でもそれは、誰の目にも明らかな至極分かりやすい絶望なんだ!」
日向「そんな明らかな絶望が目の前に現れたら世界はどうなると思う?」
江ノ島「そんなの決まってるでしょ!?
世界がもっともっと美しい絶望で染まるに決まってるじゃない!!」
日向「...そうかもしれないな。だが勢力を強めるのは絶望の残党だけじゃないぞ!未来機関を筆頭にした希望側もそれに応じて勢力を強めることになるんだ!」
江ノ島「...その理由は?」
苗木「まず率直に言うと、今までの未来機関には具体的な大目標が無かったんだ。『絶望を殲滅して世界を希望で染める』っていう抽象的な目標しかね。
さらに言うと、その目標を達成するために希望ヶ峰学園の再建とか希望ヶ峰学園の外部支局の建設とか色々な事業を行ってきたけれど、『希望の伝染』ばかりに終始していて『絶望の殲滅』にはなかなか手を出せずにいたんだ」
十神「ふん、認めたくないが実際その通りだな。世界中に無数に散らばっている絶望の残党を全員『新世界プログラム』に突っ込んで更正させることは実際問題不可能に近い。かと言って、間接的に絶望側のモチベーションを下げ勢力を衰えさせるような手段も無かったんだからな」
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- 23 : 2018/02/19(月) 03:15:12 :
- 苗木「でも今は違う!
超高校級の絶望である江ノ島盾子の打倒は必ず絶望の残党の活気、ひいてはその勢力を削ぐことに繋がる!
そう、おまえが生きているという事実は未来機関に『超高校級の絶望の打倒』という具体的な大目標を与えることになるんだ!」
霧切「フフッ...それだけ明らかな大目標ができたとあれば、未来機関を筆頭とする希望側の勢力はこれまでに無いほどの結束力を見せるでしょうね」
日向「あぁ、そして未来機関だけじゃない。海上での逃亡生活を続けるしかなかった俺たちにも新たな目標が生まれた!
77期生全員で世界中に散らばるおまえを殲滅してみせる!!」
最原「具体的な人生の目標を見失っていた僕たちにもやるべきことが見つかった!
才囚学園で1度使うことを決めた命だ!
僕たちの全身全霊をかけておまえを倒す!!」
十神「フッフッフッ...超高校級の絶望であるおまえが世界から絶望を無くすトリガーになり、希望を志す者どもに更なる希望を与えることになるとは皮肉なものだな」
狛枝「あぁ...何て素晴らしいんだ!
君たちの希望がこんなに大きく強いものになるなんて...
こうして見るとやっぱり絶望も悪いもんじゃないのかな?」
夢野「おい、危険な思想はやめぃ!!
ウチらに絶望などこれっぽっちも必要ないわい!!
ウチの魔法で世界中の絶望を叩き潰してくれるわ!!」
春川「...どうやらあたしも含めて皆絶望する気はないみたいだよ。
何か言いたいことはある、江ノ島?」
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- 24 : 2018/02/19(月) 07:23:00 :
- 江ノ島「全くバカの1つ覚えみたいに希望、希望って...
うっとうしい上にそう易々とやられてくれない、ホント害虫みたいな奴らよね、あんたらって」
霧切「それは褒め言葉と受け取っていいのかしら?」クスッ
江ノ島「フンッ...そういう嘗めた口を聞くのは私様にゲームで勝ってからにしてもらえるかしら? 言っとくけど私様がゲームに勝ったらあんたらを生かして帰すつもりはないからね?」ギロッ
十神「そんなことは承知の上だ。それで?そのゲームというのは何をやるんだ?
またコロシアイ学園生活でも始めようというのか?」
江ノ島「あぁ~もうあんなのやんないわよ。私様って飽きっぽいから同じゲームをもう一回やるなんてあまりに苦痛だし、そもそもそんなことしたってあんたらもう殺し合ったりしないでしょ?」
苗木「当たり前だ!僕らはもう仲間を傷つけるような真似はしない!!」
江ノ島「うんうん、まぁあんたらならそう言うと思ったわ。
そ・こ・で!
今までとは趣向をガラッと変えたゲームを用意してみました!!
その名も~~『絶望街(ゼツボーストリート)の亡霊』!!」
苗木・日向・最原「『絶望街の亡霊』!?」
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- 26 : 2018/02/19(月) 14:13:26 :
- 江ノ島「ルールはいたってシンプルよ!
あなたたちには今からそこのゲートを通ってあるエリアに行ってもらうわ!
そのエリアはだいたい遊園地1つ分くらいの大きさで、数百人の人で溢れかえっているの!
でも、そのたくさんの人の中に一人だけ!
『殺人鬼』の才能を持った人物が紛れていまーす!!」
十神「『殺人鬼』の才能だと...?」
江ノ島「あなたたちがタイムリミットまでにその『殺人鬼』の才能を持った人物を探しだし
て、そいつの息の根を止めればあんたらの勝ち!!
潔くあんたらを元の現実世界に帰してあげる!
タイムリミットを過ぎても『殺人鬼』の才能を持った人物を殺せなかったらあんたらの負け!!
あんたらには全員この電脳世界で死んでもらう!
どう?簡単なルールでしょ?」
日向「息の根を...止める!?」
夢野「ウ、ウチらにその殺人鬼を殺せと言うのか!?」
江ノ島「そういうこと~☆
ナイフで心臓を一突きにしても良し!
ロープで首を絞めて殺すも良し!
ビルの屋上から突き落として殺すも良し!
殺し方は問わないわ!あんたらの好きな方法でぶっ殺しちゃって~☆
ウププププ...あんたらはコロシアイ学園生活を通して『殺さないゲーム』には慣れてるみたいだからね~ 今回私様は『殺すゲーム』を用意したのよ!!」
春川「ふーん...生憎だけどそれは大きな誤算だね。
あたしは『殺さないこと』より『殺すこと』の方がよっぽど慣れてるもん」ギロッ
江ノ島「へー、自信満々なのねw でも、いくら殺すことに慣れててもその前にタイムリミットが来ちゃったら元も子もないから注意してね~」ニヤニヤ
狛枝「えーと...1つ質問いい?
その『タイムリミット』ってのはどれくらいの時間なのかな?
それなりに広いエリアで人探しをするみたいだし、せめて24時間はあるとありがたいんだけど...」
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- 27 : 2018/02/20(火) 01:06:19 :
- 江ノ島「あ~そうそう、タイムリミットなんだけど...別に私様からは特に指定しないわ」
最原「え...?」
狛枝「それはどういうことかな?」
江ノ島「まぁ、簡単に言っちゃえば...
あんたたちが全滅した瞬間がタイムリミットだと思ってくれて構わないわ!」
十神「ふん...なるほどな。
つまり、俺たちがその『殺人鬼』とやらに全員殺されてしまえばおまえの勝ち。
俺たち全員が殺される前に、俺たちの誰かがその『殺人鬼』を殺せば俺たちの勝ち。
そういうルールで良いのか?」
江ノ島「まぁ、ざっくり言えばそんな感じかしらね~☆
どう?ルールは理解できた?それじゃあゲームを始めても良いかな~?」
霧切「もう少し待ってちょうだい。まだそのゲームについて聞きたいことがあるんだけれど...質問いいかしら?」
江ノ島「あー...ゲームの都合上話せないこともいくつかあるけど、それに触れない限りはいくつでもOKよ」
霧切「そう。じゃあ遠慮なく質問させてもらうけど...
まず、そのエリアで私たちが死んだ場合って私たちの死体はどうなるのかしら?
その場に残ったままになるの?」
江ノ島「ううん。『○○の身体が致死量のダメージを負った』とコンピューターが判断した瞬間に、その人物は塵となってそのエリアから永久追放されるわ。
そして、ゲームから永久追放された人はゲームが終わるまでずーっと昏睡状態でいてもらいまーす!
あんたらの誰か一人が『殺人鬼』を殺してゲームに勝った場合は、ゲームで死んだ人も含めて、全員現実世界で目が覚めるから安心して死んでくれて構わないわ!
まぁ全員殺されてゲームオーバーになった場合はその時点であんたらの脳をクラッシュしちゃうから永久に目が覚めることはないんだけどね」
狛枝「脳をクラッシュか...ジャバウォックの時は日向くんがいたから何とかなったけど...」
日向「このゲームのルールだと死ぬときは俺も一緒だからな...今回ばかりは治してやれそうにないぞ」
霧切「そう...分かったわ。
それと...このゲームって私たちの身体に痛覚はあるのかしら?
さっき自分の頬をつねってみたら触覚は感じたけれど痛みは無かったのよ」
夢野「なぬっ!? ...本当じゃ、痛くないぞ!?」ツネッ
江ノ島「うーん、そこに気づいちゃったか...
ご明察。このゲームにおいてあんたらの身体には痛覚が無いと思ってくれて構わないわよ。
本当はちゃーんと現実世界と同じような痛みを与えて、あんたらに苦痛を味わせたかったんだけどねー...
それは私様の技術を持ってしても無理だったのよね」
夢野「何と!!そいつはラッキーじゃな!!
死んでも痛くないとはありがたいのぉ!」
江ノ島「...」クスッ
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- 28 : 2018/02/20(火) 21:00:13 :
- 霧切「いえ、そうとも限らないわ。
痛みがあるから、人間は傷つくのを恐れる。
痛みがあるから、人間は自分の身体を守ることに最大限の注意を払う。
つまり痛みというのは、いわば人間の身体が自己を守るために発信する信号なの。
だから、痛みが無いと人間の死に対する恐怖感は必ずと言って良いほど薄まるのよ。
『死ぬことは良くない』と頭で分かっていてもね。
全員が死んだらゲームオーバーのこのゲームにおいて、死への恐怖感が薄れることは明らかにマイナスに働く...江ノ島はそれを狙ってわざと痛覚を遮断したんじゃないかしら?」チラッ
江ノ島「...ふー、ホンット憎たらしいったらありゃしないわー!
そんな性格してるからあんたは誰にも好かれないのよ!」
霧切「...ご心配どうも。私からの質問は以上よ。それじゃあ、ゲームを始めてもらえるかしら?」
江ノ島「言われなくても始めるっつーの!!」
江ノ島がそう叫んだ瞬間、苗木たち8人の後方にあった門が光輝き始めた。
江ノ島「ほら、ゲートをゲームエリアに繋いだわよ! とっとと入った入った!!」
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- 29 : 2018/02/20(火) 23:05:38 :
- 日向「このゲートをくぐればいいのか?」
江ノ島「えぇ、そうすればゲームエリアに転送されるわ。
その瞬間からあなたたちはゲームプレイヤーになり、それと同時に殺人鬼の的に認定されるわ!
じゃ、私様も色々やることがあるからここら辺でドロンさせてもらうわね!
まぁせいぜい頑張ってちょうだい!
どうせ無駄に終わるでしょうけど...」ブツン
電子機器の電源が切れるようなブツンという音と同時に、江ノ島の姿が揺らめいてかき消えた。
苗木「お、おい!江ノ島!」
十神「ふん...まぁいいさ。あいつを引きずり出して制裁を加えるのはゲームをクリアした後でも遅くはないだろう。
まずは目の前のゲームをとっととクリアしてやろうじゃないか!」
そう言うと十神はスッとゲートの前に立ち、何のためらいもなくゲートの中に入っていった。
シュワンという淡い音を立てて十神の姿がかき消える。
苗木「あっ!十神くん...」
霧切「じゃあ私も続くわね。こんなところで考え込んでいてもしょうがないもの」シュワン
狛枝「それじゃあ僕も。まぁどんなゲームだろうと、君たちみたいな素晴らしい希望が負けるわけないと僕は確信しているけどね」シュワン
春川「ふん、私の才能が活きる場所がこんなフィクションのゲームだなんて...皮肉なもんだね。まぁ、最大限力を尽くすよ」シュワン
夢野「うーむ、殺人鬼なんぞがおる場所に自分から赴くのは正直気が進まんが...ここで立ち止まってても何も始まらんからのぉ」シュワン
最原「それじゃあ...僕らも行こうか!」
日向「あぁ、もう2度と江ノ島の思い通りになんかさせないぞ!」
苗木「そうだね...僕らの力を合わせればできないことなんてない!
精一杯頑張ろう!!」
シュワン×3
こうして8人はゲームエリアに転送された。
それぞれが自分の胸に『希望』を抱いて...
しかし、8人はまだ知らなかった。
このゲームの裏には大きなカラクリが隠されていることを...
このゲームに潜む『殺人鬼』の正体を...
このゲームが非情で残酷な『絶望のゲーム』であることを...
それまで白い光に包まれていた8人の視界が一斉に開ける。
ゲームエリアへの転送が完了し、ついにゲームが始まったのだ...
苗木「...ん?眩しい。これは日の光?」
狛枝「へぇ、エリアは屋外なんだね」
春川「ずいぶん騒がしい...ここはいったいどこ......え?」
8人は開かれた世界を見渡し、思わず息を飲んだ。
なぜなら、そこはそんな『絶望のゲーム』には明らかにふさわしくない場所だったからだ。
最原「こ、ここで殺人鬼を探すのか!?」
日向「江ノ島のやつ...『エリアの広さはだいたい遊園地1つ分』とか言ってたが、これは...」
苗木「本当に...遊園地じゃないか!!」
プロローグ『ようこそ、絶望パレードへ』END
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- 30 : 2018/02/21(水) 23:22:26 :
- 〈筆者からの勧告〉
ここまでで『絶望街の亡霊』のプロローグが終了となります。
と、同時にここで1度ssを閉じたいと思います。
ストーリーはあらかた完成しているのですが、まだ文章にするには時間がかかりそうなので...
また近々『絶望街の亡霊』1章~超高校級ハイランド~を投稿したいと思います。
まぁ、ここまで読んでくださった方がいるかどうか分かりませんが、少しでも『面白い!』と思ってくださった方は、是非とも続きをお楽しみに!
ではまたいつか!
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- 31 : 2018/02/22(木) 06:51:14 :
- 楽しみにしてます(小声)
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