異なる運命のはじまり|アニ「使命の果て」【2】
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- 1 : 2018/01/07(日) 01:33:53 :
- アニ「使命の果て」 http://www.ssnote.net/archives/57223
の続きです。
勝手な解釈、妄想、願望だらけです。
本編が初ss、物語を書くのもウン年振りなので 温かい目で見ていただけると嬉しいです。
※ネタバレあり。
★アルアニ要素ありです。
★もし、”使命”が達成されていたら、というIFストーリーからはじまっています。
★なので原作のストーリーから離れていきます。
※キャラ崩壊も多少あると思います。
※アニが大好きなので、救いのない展開にしません。
※自分が思うこうなったらいいな、と思う願望の設定で書きます。
※つじつま合わせの勝手な解釈や設定変更があります。
コメント、お気に入り登録は励みになって嬉しいので、よかったらお願いします。
おつきあいよろしくお願いします。
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- 2 : 2018/01/07(日) 01:35:02 :
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???「アニ・・・」
はっきりと私の呼ぶ声が聞こえる・・・。
???「・・・アニ、起きなさい!!」
今度は身体を揺らしながら、その”聞き覚え”がある懐かしい声が再び聞こえる。
アニ「!!」
私は飛び起きた。
???「もう、本当にアニは朝が苦手だな。早く起きなさい」
アニ「えっ!・・・」
目の前にいたのは・・・
アニ「・・・お父さんっ」
・・・会いたかった、”父さん”だった。
訳がわからずしばし呆然とする。
アニ「お父さんっ・・・、会いたかった・・・」
私の瞳から自然に涙が溢れ出す。
アニ父「!アニ、どうしたんだい?」
父さんは驚きながらも、優しく私の頭をなでてくれる。
アニ「・・・。お父さん、お父さん・・・」
何が起こったのか、これは”夢”なのか、”死後の世界”なのか・・・。
私の頭は全く動いてくれないけど、とにかく目の前に父さんがいる・・・。
そのことがただただ嬉しくて涙を流し続ける。
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- 3 : 2018/01/07(日) 15:07:11 :
- アニ可愛いそしてホッコリする
期待続行中です
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- 4 : 2018/01/08(月) 01:35:26 :
- SAO 東方 進撃大好き男 さん、いつもありがとうございます!
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- 5 : 2018/01/08(月) 01:36:33 :
- アニ父「本当に今日はどうしたんだい、アニ・・・」
アニ「・・・、お父さんっ・・・」
アニ父「怖い夢でも見たのか?でも大丈夫だよ、父さんがいる・・・」
そう言って、また私の頭を撫でてくれる・・・。
これは本当に”幻”ではないのか、私は”死んだ”はずなのに・・・。
私は自分の身体を触ってみる。
確かにここに存在している、少なくても感触がある。
私は”生きている”のか?ここは?
どういこうことなんだろう・・・。
・・・そのいえば”あの時”なにか声のようなものが聞こえた気がする。
私は父さんの温もりを感じながら、ひたすら考えていると、
アニ父「落ち着いたか?」
父さんが優しく声をかけてくれる。
私はなんとか涙を止まったのを感じて、その言葉に頷く。
アニ父「よかった・・・。そしたら起きて朝ごはんを食べよう。もうできているよ。」
とにかく起きよう、それから色々考えよう、今は”幻”でも父さんがいることを喜ぼう、と思って寝ていたベッドから立ち上がろうとした時、
アニ父「早くしないと”アルミン君”たちが迎えにくるぞ。」
アニ「!!」
父さんの口から信じられない言葉が私に掛けられた。
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- 6 : 2018/01/09(火) 15:32:42 :
- 期待期待
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- 7 : 2018/01/10(水) 00:08:36 :
- おやおや一体どういう事だ?
か〜〜ら〜〜の〜〜期待☆
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- 8 : 2018/01/10(水) 23:24:25 :
- 期待です!
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- 9 : 2018/01/11(木) 23:08:02 :
- はとはとさん、SAO 東方 進撃大好き男 、ファントムさん、ありがとうございます。
週末くらいしか更新できませんが、これからもよろしくお願いいたします。
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- 10 : 2018/01/14(日) 01:00:36 :
- アニ「お父さんっ!、今なんて・・・!」
私は思わず声を荒げて父さんに聞き返す。
アニ父「うん?、今日は”アルミン君”たちと出かけるって言っていたじゃないか。」
アニ「!・・・」
私は絶句した。
父さんの言っていることが理解できない・・・。
なぜ、父さんの口から”アルミン”という名前が”当然”のように出てくるのか?
いや、それ以前に私はなぜ生きているのか、なぜ父さんが目の前にいるのか?
ここはどこなのか?
頭の中に疑問ばかり浮かんでくる・・・。
アニ父「どうしんだい、アニ。具合でも悪いのかい?」
父さんが心底不思議そうに私の顔を見つめながら問いかけてくる。
アニ「・・・。」
私は考えを全く整理できず、言葉を発することもできず黙り込んでしまう。
アニ父「・・・本当に具合が悪いなら寝ていなさい。アルミン君たちには父さんが謝っておくから。」
父さんが私の様子を見て心配そうに話しかけてくれた。
アニ「・・・。ううん、大丈夫・・・。」
私はなんとか首を横にふりながら、父の心配をとにかく否定した。
アニ父「・・・そうか。ならよかった。でも無理はしたらだめだぞ。」
アニ「うん・・・。」
まだ私は混乱していたが、父の言葉に今度は頷いた。
アニ父「まぁ、今日のこと楽しみにしていたんだから楽しんできなさい。」
父さんは少し安心したように、微笑みながら言った。
アニ父「さぁ、ご飯を食べて準備しなさい。」
そういって部屋から父さんが出て行く。
私は訳がわからないながらも、今度こそ立ち上がってその後ろをついて部屋から出た。
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- 11 : 2018/01/14(日) 19:48:15 :
- 私は父の後をついて歩きながら必死になって状況を整理する。
・・・私は生きている。少なくても意識はある。
父さんがいる。一緒に住んでいるらしい。
ここは家?
でも私の”記憶”の中にはない家だ。・・・”懐かしい”感じがするのは不思議だけど。
一番の疑問は、父さんが”アルミン”を知っているということ。
色々な疑問に答えは出ないまま、父さんと食卓についた。
父さんが目でそこに座りなさいと合図を送る。
私は静かに頷いて、椅子に腰かける。
机の上にはパンとサラダがのった皿があり、父さんがスープをよそってくれる。
アニ「ありがとう・・・。」
父さんが私の前にスープを置いてくれた。
私は父さんにお礼を言う。
混乱はしているけど、今この瞬間に”父さん”がいる、そのことは私の心を少し暖かくしてくれる。
アニ父「・・・早く食べて、アルミン君たちと出かける準備をしないとな。」
父さんが私を心配して、優しく声をかけてくれる。
アニ「うん・・・。」
アニ父「こんな狭い”壁の中”にいるんだ、仲間たちと遊ぶところも少ないけど楽しんでおいで。」
アニ「!!」
さっきから父さんの言葉には驚かされてばかりだ・・・。
ここは”壁の中”なんだ。
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- 12 : 2018/01/15(月) 14:54:57 :
- 続きが気になりますね~
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- 13 : 2018/01/20(土) 23:48:59 :
- 期待です!
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- 14 : 2018/01/21(日) 19:48:04 :
- まおまおエレアニさん、せれるさん、ありがとうございます。
更新遅くなっていますが、よろしくこれからもお願いします。
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- 15 : 2018/01/21(日) 20:44:04 :
- アニ父「・・・本当に今日は様子が変だけど大丈夫かい、アニ?」
驚いて声を失くしている私を心配してくれる父さん。
アニ「・・・ううん、大丈夫だよ。」
父さんにこれ以上心配かけないように、ぎこちない笑顔を作って言葉を返す。
アニ父「ならいいのだが・・・。とにかくご飯を食べて準備しないとな。」
アニ「うん、いただきます。」
私は食事をしながら頭の中の整理を続ける。
・・・ここは”壁の中”らしい。
”今”はいったい”いつ”なんだろう・・・?
私は”あの時”、死んではいないみたい。
・・・私は”アルミン”とどんな関係なんだろう。
”戦士”としての”使命”は・・・。
・・・とにかく、情報が少ない。
なんとかして情報を集めないと。
アニ父「アニ?本当に大丈夫かい?」
父さんの呼びかけに意識を目の前に戻すと、父さんが不思議そうな顔をしている。
アニ父「もうスープは入っていないぞ。」
手元に視線を向けると空になったスープ皿を私は必死になってすくっていた。
アニ「・・・ごめんなさい、大丈夫。ちょっと考えごとしていたから。」
私は慌てて父さんに釈明する。・・・ちょっと恥ずかしい。
アニ父「本当にアニはしっかりしてそうで、うっかりさんなんだな。」
父さんが笑う。
父さんの笑顔を見て、私も少し微笑んだ。
アニ父「さぁ、食事がすんだら準備を急ぎなさい。もう時間ないぞ。」
アニ「うん・・・。ごちそうさま。」
父さんが私の前の食器も片付けて、洗いはじめようとする。
アニ「私も手伝うよ。」
席を立って父さんに近づきながら言うと、
アニ父「いいよ、準備しなさい。もう”アルミン君たち”くる時間だぞ?」
アニ「・・・うん。」
父さんはどこか嬉しそうにそう言って、私を制した。
私は父さんの言葉に従って、自分の部屋(らしい)に戻って着替えることにする。
・・・今からアルミンと会う、らしい。
怖い・・・。
私は一体どんな顔をして会えばいいのだろうか。
アルミンとエレンたち”仲間”を死においやった”記憶”が蘇る。
アルミンは”覚えている”のだろうか・・・。
怖い。
・・・でも会いたい。
部屋に戻り、クローゼットの中の”見慣れない服”からちょっと小奇麗な服を選び袖を通していると、
アニ父「アニ!早くしなさい。”アルミン君”たちが迎えにきたよ!」
父さんの呼ぶ声が下から聞こえた。
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- 16 : 2018/01/25(木) 23:55:03 :
- 期待ですよ(^ω^)
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- 17 : 2018/02/04(日) 22:49:58 :
- 父さんの声を聞いた途端に唇が乾いていく。
アルミンがいる、会える。
でも本当にどんな顔をして会えばいいのかわからない。
アニ父「アニ!聞こえているか、早くしなさい!」
父さんが再び私を呼んだ。
アニ「うん・・・、今行く。」
なんとか父さんに返事をして、下に下りる準備をする。
心臓が今にも飛び出しそうなほど鼓動が早まっている。
とにかく心を落ちかそうと深呼吸をひとつして、意を決して部屋を出て階段を降りて父さんのいる1階に向かう。
アニ父「ほら、早くしなさい。アルミン君たちは外で待っているよ。」
父さんが私の姿を見て、どこか嬉しそうに私を急かす。
アニ「うん、わかった・・・。」
やっぱり唇が乾き、鼓動が早まる。
でも、アルミンに会わないと何もはじまらないし、わからない。
ううん、怖さ以上にやはり私はアルミンと会いたい。
例え許されなかったとしても顔を見たい。
声を聞きたい・・・。
もう一度深呼吸をして、アルミンたちが待つという扉に手をかける。
アニ父「今日はゆっくり楽しんでくるんだぞ。夕飯も食べてきていいから。」
相変わらず嬉しそうな父さんの声が私の背後から聞こえる。
アニ「・・・うん、ありがとう。行ってきます。」
父さんにいってきますのあいさつをして、私は扉を開いた。
眩しいくらいの太陽の光に一瞬目を細めた。
ゆっくりと、目を開き視界がはっきりすると、
いた、目の前にアルミンが・・・。
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- 18 : 2018/02/04(日) 23:33:00 :
- お!期待!
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- 19 : 2018/02/12(月) 10:47:21 :
- アルミン「アニ、おはよう。」
懐かしい、私が見たかった顔に微笑みを浮かべてアルミンが声をかけてくれる。
アニ「――――っ」
その笑顔を見た瞬間に私の瞳から涙が溢れ出す。言葉が出ない。
様々な感情が頭の中を駆け巡る。
エレン「おい、アニどうしたんだ!」
ミカサ「アニ、どうかしたの?」
私の様子に驚いて、アルミンの後ろにいた二人、エレンとミカサが心配そうに顔を覗き込んできた。
アルミン「アニ、大丈夫かい。」
目の前にいるアルミンも心配してくれている。
アニ「・・・、大丈夫。ちょっと眩しくて。」
私はとっさに見え透い嘘をついて誤魔化そうとする。
アルミン「なら、いいんだけど。具合悪かったりしない?」
アニ「うん、本当に大丈夫。ありがとう…。」
アルミンは私の言葉を信じたわけではないだろうが、それ以上は涙については触れてはこなかった。
エレン「アニが大丈夫なら、さっさと行こうぜ。」
ミカサ「うん、そうしよう。」
エレンとミカサもアルミンが追及しないので、それ以上私の涙を話題にすることはなかった。
これからの外出に向けて楽しそうな声色に変わった。
アルミン「そうだね、今日はアニが楽しみにしていた買い物にいくんだから。」
アルミンも再び私に笑顔を向けながら、”以前”と同じ優しい声色で声をかけてきた。
エレン「といっても”シガンシナ”の街だからたいしたことねえけどな。」
エレンも笑いながら私のほうを向いた。
アニ「うん・・・。」
私はそのアルミンの笑顔と言葉に、嬉しさと”罪悪感”を感じながらも返事をして、アルミンとエレン、ミカサの顔を見る。
そこには確かに3人が生きていた。
息をしている、笑顔を向けてくれる、声をかけてくれる。
戦士の私たちが、私が奪ってしまったものがそこにあった・・・。
エレン「やっぱり元気ねえぞ、大丈夫かアニ?」
ミカサ「うん、やっぱり心配。」
私が再び黙って考え込んでしまったのを見て、エレンとミカサが心配してくれる。
アニ「ううん、大丈夫。ごめんなさい・・・。」
そんな二人に私は、何に、どんなことに向けてか分からない、ずっと言いたかった謝罪の言葉を口にした。
アルミン「まぁ、とにかく出発しようよ。」
アルミンは私の様子を見て心配しながらも、歩きだした。
それを見てエレンとミカサも歩き出す。
アルミンとエレン、ミカサの後を少し離れて私は歩く。
まだわからないことが多いけど、私は今の状況を整理しようとする。
ここはアルミンやエレン、ミカサたちの故郷のシガンシナ区らしい。
まだ、【壁】は破られていないみたいだ。訓練兵団にも入っていない。
ということは、戦士の私たちが壁を壊す前なのか。
そしてアルミンたちは”以前”のことは覚えていないみたいだ。
私とアルミンたちは幼馴染のような感じなのかな。
少なくても仲は良さそうだ。
必死になって考えて歩いていると、
アニ「あっ!」
私は何かに躓いてしまったようだ。転んで手と膝をついてしまった。
アルミン「アニ!大丈夫?」
少し前を歩いていたアルミンが慌てた様子で駆け寄ってきれくれた。
アルミン「もう、今日は本当にアニらしくないね。気をつけてよ。」
やっぱり、アルミンは優しい。
微笑みを浮かべ言葉をかけながら、私に手を差し出してくれる。
アニ「ありがとう・・・。」
私もできる限りの笑顔を浮かべてアルミンの手をとって立ち上がろうとする。
アニ「えっ!」
アルミンの手を取った時だった。
私の中から何かがアルミンに向けて流れ込んでいく、そんな感覚におそわれた。
私の手からアルミンの手に白い光のようなものが流れ込んでいく、そんな風に私には見えた。
アルミンも何かを感じたように、驚いている。
ほんの数秒のことだったけど、私には数時間に感じた。
アルミンの表情が変わった。
それは驚きと、悲しみに溢れているように私には見えた。
アルミン「アニ・・・。」
アルミンが少し震える声で私の名前を呼んだ。
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- 20 : 2018/02/22(木) 00:09:49 :
- 続きを期待!!
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- 21 : 2018/02/27(火) 00:34:24 :
- >20
ありがとうございます。
更新スピードが遅くて申し訳ありません。
ぼちぼちになりますが、更新していきますのでよろしくお願いします。
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- 22 : 2018/03/18(日) 21:38:00 :
- 放置気味で申し訳ありません。
少し更新します。
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- 23 : 2018/03/18(日) 21:38:17 :
- その表情と声色で、私は悟った。
アルミンは思い出したのだと。
そう、”以前”のことを。
アニ「ア、アルミン・・・」
私は何とか目の前にいるアルミンに向けて言葉を捻りだすようにその名を呼んだ。
アルミン「・・・・・・」
アルミンは何も言葉を発せずに私を見つめている。
エレン「アニ、大丈夫か?」
ミカサ「アルミン、どうかした?」
膝をついたまま止まっている私と、黙ってしまったアルミンを心配してエレンとミカサが駆け寄ってきた。
アニ「わ、私はだい、」
アルミン「・・・アニが怪我してしまったみたいだから、一度アニの家に戻って手当てしてくるよ。だからエレンとミカサは先に行っておいて。」
私は大丈夫、と言いかけた私の言葉を遮るようにアルミンがエレンとミカサに答える。
やっぱりアルミンは思い出したんだ・・・。
私たちの過去を。
エレン「本当かよ、大丈夫なのか?」
ミカサ「なら、私たちも一緒に戻ろう。」
アルミンの口から出た怪我という言葉を聞いて、エレンとミカサも心配そうな表情を浮かべてくれる。
「いや、僕一人で大丈夫だよ。二人は先に行ってお昼ごはんのいいお店でも見つけておいてよ。」
アルミンは優しくも、どこか有無を言わさない口調で二人の申し出を断る。
アニ「・・・」
私は色々なことが頭の中を駆け巡っていたが、アルミンの言葉に同調するように静かに頷いてみせた。
エレン「アルミンがいうなら・・・。」
ミカサ「わかった。」
エレンとミカサの二人もアルミンのいうことなら、という感じで同意した。
アルミン「じゃあ、よろしくね。後で追いかけていくから。」
そのアルミンの言葉にエレンとミカサが頷いて、私たちから離れていく。
私はただ黙って二人の後ろ姿を見送った。
私はゆっくりと、そして唇が乾くのを感じながらアルミンの方に向き直る。
アルミン「アニ・・・」
アルミンもゆっくりと私の方に、なんとも言えない悲しみの色を浮かべた顔を向けて私の名前を呼んだ。
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- 24 : 2018/03/18(日) 22:12:54 :
- アニ「アルミン・・・」
私はアルミンの名前を呼んだ。
罪悪感とある種の恐怖感に苛まれながら。
アルミン「アニ・・・」
アルミンも、もう一度私の名前を呼んだ。
アニ「わ、私、」
アルミン「アニの家の裏で少しゆっくり話そうか・・・」
私は必死で言葉を発しようとしたが、アルミンがそれを遮り、ゆっくりと歩き出した。
アニ「・・・・・・」
私はアルミンの後ろを静かについて歩く。
アルミンも黙ったままだ。
会いたかったアルミン・・・。
謝りたかったアルミン・・・。
そのアルミンが目の前にいるのに。
私は恐怖と焦りで何も言葉にすることができず、ただアルミンの後をついていくことしかできない。
沈黙の時間が無限に続くかと思われたけれど、私とアルミンは私の家裏の木陰についた。
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- 25 : 2018/04/22(日) 23:48:49 :
- 更新が遅くなってしまって申し訳ないです。
マイペースですが更新します。
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- 26 : 2018/04/22(日) 23:48:58 :
- アルミン「アニ・・・。」
木陰についた私たち、先に言葉を発したのはアルミンだった。
歩いているときは前を向いて、私の方を見ていなかったアルミンがゆっくりと振り返り、私の目を見ながら。
その表情は険しく硬い。
そう、だよね。
私はアルミンを裏切り、騙した。
そして、結果的に命を奪った。
そんな私が目の前にいるんだ。
憎くて、憎くてたまらないはずだよ。
今更、謝ったとしても・・・。
もう一度“笑顔”を見たい、なんてあの時、“うなじ”を自分で切ったときに願った私は甘いんだ。
アルミン「アニは”覚えて”いるんだよね?」
呼びかけられても、何も口にすることができないでいた私にアルミンが探るように言った。
アニ「・・・、うん。」
その問いかけに私は短く、アルミンの顔を見れずに俯いて答えた。
アルミン「そう、やっぱりね。」
私の肯定に返ってきたアルミンの言葉には抑揚がなかった。
私の身体が恐怖で震えはじめた。
怖い、言葉を発するのが。
怖い、アルミンの顔を見るのが。
・・・怖い、アルミンに憎悪を向けられるのが。
それが仕方のないこと、当たり前のことだったとしても。
氷の女、と呼ばれていた私に笑顔を向けてくれたアルミン。
そんな私を受け入れて、話しを聞いてくれたアルミン。
私が愛したアルミン。
私を愛してくれたアルミン。
・・・最後まで私を守ろうとしてくれたアルミン。
そして、私が裏切ってしまったアルミン。
そのアルミンが目の前にいる。
やっぱりアルミンの顔を見ることができない・・・。
アルミンの私を見る目が憎悪に染まっているのを見たら・・・。
私の心が耐えられない。
私が最後に見たアルミンは・・・。
疲れて悲しんでいたけど、私に
「大丈夫だよ。」
と、笑顔を向けてくれた。
でも、私は大丈夫ではないと感じていた。
いや、わかっていたのだ。
私がアルミンに伝えた話しは【デタラメ】だと。
どうして私はあの時、アルミンに感じたことを伝えなかったのだろう。
どうして私はあの時、笑顔で私の元から”話しあい”にいくアルミンを止めなかったのだろう。
私が“戦士”だったから?
あの後何度も自問し、答えがでなかったことが再び頭を駆け巡る。
時間が止まったような感覚を打ち破ったのは、やはりアルミンの声だった。
アルミン「アニは・・・。どうするんだい?」
アルミン「いや、どうしたいの?」
さっきの抑揚のない声色と違い、少し暖かい感じがした声だった
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- 27 : 2018/04/23(月) 20:16:45 :
- 久々に!
期待!
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- 28 : 2018/05/06(日) 23:35:45 :
- >>27
Serleさん、ありがとうございます。
ゆっくり、ひっそり更新していきます。
-
- 29 : 2018/05/06(日) 23:37:39 :
- アニ「私は・・・」
アルミンの顔を何とか見ながら私は言葉を発しようとした。
でも、何を言ったらいいかわからない。
私はいったいどうしたいのだろうか。
・・・もう二度とあんなこと、あんな思いをしたくはない。
仲間に嘘をつくこと、裏切ることの苦しさ。
人の命を奪ったときの悲しみと罪悪感。
そして、仲間や大切な人を失ったときの絶望感。
もう、私は嫌だ。
あんな思いをするのは。
私のことを大切に想い優しく接してくれた仲間を、大切な”アルミン”を・・・
私の言葉を、静かに、強い光を宿しているけど暖かい目で見つめながら待っているアルミンに視線を向けた。
私は自分の思いをはっきりと言葉にする。
アニ「私はもう間違いを繰り返さない。」
アルミンが息を呑むのがわかった。
私はアルミンの瞳を見つめながら言葉を続ける。
アニ「私は、もう”使命”に縛られない。」
アニ「私は、私は・・・、」
だめだ、ちゃんと言葉にしないと。
色々な感情が溢れ出して、涙も溢れ出してしまう。
アルミンはそんな私をじっと暖かい目で見てくれている。
-
- 30 : 2018/05/07(月) 01:23:25 :
- アニ「私は・・・、もうみんなを裏切らない。」
なんとか言葉を続けたけれど、嗚咽が止まらない。
アニ「私は・・・、みんなを守りたい。」
必死に言葉を続ける。
”使命”を達成した後、ずっと胸に秘めていた想い。
あの、”最後”の、自分でうなじを切ったときに願ったこと・・・。
それを言葉にするんだ、アルミンに伝えるんだ。
赦してもらないかもしれない。
でも、私はアルミンに伝えたい、伝えないといけないんだ。
止まらない涙を無視して私は言葉を絞り出す。
アニ「私は・・・、私はみんなに謝りたい・・・。」
そして、私は意を決して最後の想いを言葉にしてアルミンに伝える。
アニ「私はアルミンと一緒に生きていきたい・・・。」
その言葉を口にした瞬間、私はその場に膝をついて、声をあげて泣いた。
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