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アルミン「共鳴」※現パロ

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  1. 1 : : 2017/11/16(木) 02:57:34
    また思いついたままに書きたくなったので書きます。
    既存のものについては保留ということで。

    今回はアルアニのようなものを書きます。

    キャラ崩壊しない保証はないので注意
  2. 2 : : 2017/11/16(木) 03:25:11

    とても澄みきった音色。綺麗。

    一体誰が弾いているんだろう。無性に気になった。

    ----------------------------

    僕はアルミン・アルレルト。

    どこにでもいるような高校2年生。

    だけどついこの前1年生が終わったばかりで、まだ春休みだから2年生というのか微妙(笑)。


    特に部活に入ってもいない僕のただ一つの趣味といえば、5歳のころからずっと続けているヴァイオリン。

    むしろヴァイオリンを続けるために部活に入っていないと言ってもいいかもしれない。

    上手いのか?と聞かれたらあまり自信はないけど、まあ楽しいから続けている。


    ところで、最近向かいの家に誰か引っ越してきた。

    その時から、とても綺麗なヴァイオリンの音色が聞こえてくるようになった。

    とても純粋で綺麗な音色だと思ったよ。

    誰が弾いているのか気になったけれど、結局分からなかった。


    そして春休みも終わりを告げ、新年度の登校日がやってきた。
  3. 3 : : 2017/11/16(木) 03:42:50

    クラスを確認して教室に向かう。

    そのまま表に示された席に座る。

    隣の席は空席になっていた。転校生だろうか?


    先生「よーし今日から新学期だからこのクラスで担任をやらせてもらう。よろしくな」


    先生「早速だがうちのクラスに新しいメンバーを迎えることになった」


    ああ、やっぱりねー。クラスが少しザワつく。


    先生「じゃあ紹介するから皆静かになー、入っていいぞー」


    「アニ・レオンハートです。…よろしく」


    綺麗な子だな。そう思った。


    先生「席はアルレルトの隣だ」


    アニ「はい」スタスタ


    先生「皆仲良くしてやれよ!分からないことは教えてやるように!」


    アルミン「アルミン・アルレルトです!よろしくね、アニさん」


    アニ「…よろしく」


    ちょっと愛想ないなーと思ったけど、悪い人じゃなさそうで安心した。

    愛想ないのは慣れてないから仕方ないしね。


    その日は新しい学年の教科書だけ配って解散になったよ。
  4. 5 : : 2017/11/16(木) 04:04:34

    それから、僕とアニは挨拶を交わすようになった。

    アニもだいぶ慣れてくれたようで、最近はアニの方から話しかけてくれることも増えてきた。

    …時々男子から睨まれてる気がするけど気のせいだよね!


    アニは基本的に登校は遅く、朝来てからもあくびは多い。

    どうやら朝が弱いらしい。

    少しだけ可愛いとか本人には言えない。



    そんなある日のこと…


    アルミン「やばい!寝坊した!」


    僕は普段目覚ましをかけているのであまり寝坊はしないんだけど…。

    目覚まし時計の電池が切れてたみたいだ。テヘ。

    なんて言ってる場合ではない。

    全速力で食事、着替えを済ますとそのまま急いで家を出…


    あれ?


    「アニ?」


    向かいの家から出てきた女の子はこちらを振り向くと、驚いた顔をする。


    「…アルミン?」


    数秒そのままフリーズしていたが、このままだと遅れる。

    なので何となく歩きだし、何となく一緒に登校する。


    アニ「あんたここに住んでたんだ」


    アルミン「アニこそまさか向かいに引っ越してきてたなんてね」


    アニ「まさかだね。今日は珍しいじゃないか、寝坊?」


    アルミン「まあ、ちょっとね」ハハ


    アニ「まあ、いつもの私のペースからしてギリギリ間に合うと思うよ」クス


    アルミン「そっか、助かるよ、アニって優しいんだね」


    アニ「えっ」


    あっ、普通に本音が…


    アルミン「ご、ごめん急に!忘れて!」


    アニ「いや、びっくりしただけだよ、嫌な気はしないね」


    アルミン「なら良かった〜…」


    アニ「面白いねあんた」クス


    そんなこんなで学校についたのだが…


    先生「アルレルト珍しいな、遅刻だ。レオンハートはついに遅刻だな」


    アルアニ「えっ」


    どうやら話してたせいで歩くのが少し遅くなっていたようだ…。

    そしてまた視線を感じるがおそらく気のせいだよね!
  5. 6 : : 2017/11/16(木) 04:38:01
    その日の帰り道、アニも特に部活に入っていないようだったので、何となく一緒に帰ることになった。流石に誘う勇気はなかったよ…。


    そこで僕は気になっていたある質問をぶつけた。


    アルミン「ねえ、アニって」


    アニ「ん?」


    アルミン「ヴァイオリン、弾いてたりする?」


    アニは、一瞬驚いたような顔になり、それから不思議そうな顔になり、何故か俯いた。


    アニ「聞こえてたのか…なんか恥ずかしい…」


    アルミン「ええ!あんなに綺麗に弾けてるのに!」


    アニ「褒められても妙に恥ずかしいからやめて?まあ悪い気はしないけどさ…」


    アニに、部活は入らないの?って聞いたら

    ヴァイオリンがあるから入らないらしい。僕と同じだ。


    アニ「でも、辞めようかなって迷ってる」


    アルミン「え!?ヴァイオリン?」


    アニ「うん、元々親が始めさせたんだよね。」


    アルミン「そうなんだ…」


    僕は自分から始めたからそこだけ違うね…。


    アニ「いや、楽しくなかったわけじゃないんだけど、最近目標という目標なくてさ。それでかわかんないけど全然伸びなくなっちゃって…」


    アルミン「そっか…」


    アニ「私はバッハの曲が一番好きなんだ。」


    アルミン「バッハ?」


    アニ「そう。…荘厳?っていうのかな。なんというか整ってる美しさがあるから。」


    バッハは教会で神様に捧げる曲を作っていたんだ。

    だから、その曲はどれも独特の美しさを持っている。

    ベートーヴェンのような荒々しさの中にある美しさではない、粛々とした雰囲気中にある美しさ。


    アニ「それでバッハの曲をよく弾くんだけど、バッハの曲難しいから…弾けないことも多くてね。」


    アルミン「バッハは…難しいよね…」


    僕もバッハを弾いたことはある。

    僕の印象では、バッハの曲は和音が多いわけではない。

    だから楽譜を見ただけでは難しそうに見えない。

    だが弾いてみるとまるで機械のような精密さが要求される、かなり難しい曲が多い。

    何故なら神様の前で弾く曲だから。

    規律を守り正しく弾いた時に本当の美しさが出るように作られているから、だと僕は思う。


    アニ「それでなんとなく挫折?しちゃって、目標もできないし上手くもならないというか…だからもう良いかなって」


    アルミン「そっか…」


    アニ「あ、もう家だね」


    アルミン「そうだね…それじゃ、バイバイ」


    アニ「うん、また明日」


    そう言ってその日は別れた。
  6. 7 : : 2017/11/16(木) 04:50:21

    その夜もあの音色は聞こえてきた。


    僕は何故か寝つけなかった。


    向かいの家から流れる音色を聞く度にある想いが強くなっていることに気づいたんだ。


    アルミン「アニ」


    アニ「ん?」


    その翌日アニに直接その想いをぶつける事にした。

    普段ならこういうのためらうんだけど、何故かすんなり行動できた。


    アルミン「今年の文化祭、有志発表の部で、僕と『バッハ ヴァイオリン協奏曲(コンチェルト) ニ短調』を弾いてほしい。」
  7. 8 : : 2017/11/16(木) 04:56:41
    アニ「えっ?」


    アルミン「急にごめんね、アニのヴァイオリン聞いてたらどうしても一緒に弾きたくなって…だめかな?」


    アニ「なるほどね…出来ると思う?私とアルミンで」


    アルミン「文化祭は10月。あと半年近くある。今から始めればきっといい演奏が出来るはず。」


    アニ「…良いよ、乗った。」


    アルミン「良いの!?」


    アニ「頼んだのはそっちでしょ…それに、やっと新しい目標が出来そうだし。頑張ってみるよ。」


    アルミン「ありがとう…!」


    アニ「でも」


    アルミン「でも?」


    アニ「やるからにはちゃんとやるからね、練習サボんないでよ」


    アルミン「もちろん!」
  8. 9 : : 2017/11/16(木) 05:18:43
    〜アルミンの曲解説〜

    僕が提案した『ヴァイオリン協奏曲 ニ短調』は「ヴァイオリン協奏曲」という名の通りヴァイオリン2つで構成される曲。

    2つのヴァイオリンが入れ替わるように表に出てくるのがとても美しい曲。

    もちろんバッハの独特の荘厳さも兼ね備えていて、二人で引くともなれば美しさの反面難しさも倍増。

    二人で息を合わせてひたすら正確に弾くことが大事なんだよね。
  9. 10 : : 2017/11/16(木) 05:32:00

    その日から早速練習を開始。

    このヴァイオリン協奏曲は第三楽章まである。

    すべて演奏する時間が本番あるかどうかはわからない。

    でも練習しておくのに越したことは無いし、正直アニと少しでも多く弾きたかったから、すべて練習することにした。

    アニも快諾してくれた。


    パートは、アニが第一ヴァイオリン、僕が第二ヴァイオリン。

    第一ヴァイオリンの方が高い音が多いので、綺麗に音が響くアニに弾いてもらうことにした。



    まずは譜読み。

    少し弾いてみて曲の大体の内容を把握する。こうしないと練習がスムーズにいかない。

    予習みたいなもの!

    譜読みができたら大体通して弾いてみる。

    そしていよいよ二人で合わせる。

    本番では楽譜は見ないつもりなので、練習を通して身体で曲を覚えていく。
  10. 11 : : 2017/11/16(木) 05:42:00
    家が近いので二人で合わせる時はどちらかの家に集まってする。



    アニ「弓の返し方を変えた方が綺麗な音が出るんじゃないかい?」


    アルミン「なるほど…アニはもうすこし左手の力リラックスさせた方が指がよく動くよ」



    アニは弓使い、つまり右手の使い方が上手い。
    だから安定して綺麗な音が出るんだ。


    一方僕は弦を押さえる指使い、つまり左手の動きが得意なので、両方を教え合うことにした。


    でも、いきなり変えられるものじゃない。


    お互い出来なくて悔しいことはたくさんある。

    そんな時、お互い家に帰って1人でその部分の練習をする。

    そんな時、向こうの家からも今日出来てなかった部分の練習が幾度となく繰り返されるのが聞こえてくる。

    お互い同じなんだなって少し明るくなれた。


    文化祭までに完璧な演奏ができるように、何度も練習を重ねた。
  11. 12 : : 2017/11/16(木) 05:45:42

    でもそんな練習漬けの日々にも息抜きは必要だよね!


    と思って、二人で、弦とか、弓に塗る松脂を買いに行った。…ついでにゲーセンで遊んだ。


    アニの私服が可愛かったのが印象的だったね!

    本人には言わないけど!

    でも1回本音が漏れかけちゃって焦ったよ
  12. 13 : : 2017/11/16(木) 05:56:04
    夏休みも、たくさん練習をした。


    流石にヴァイオリンばっかり弾いてたら夏休みの宿題がピンチになっていたので、一緒に宿題を進めたり、

    暑かったので練習の息抜きに美味しいアイス屋さんに行ったりもした。あ、男としてもちろん奢らせてもらったよ。

    女の子ってスイーツ好きなんだなって幸せそうなアニを見て思った夏だった。


    それでも練習してた時間が一番長かった、と思う。

    そんな今までの努力のおかげからか、文化祭のオーディションに残り、本番の一週間前には、結構納得のいく演奏ができるようになっていた。
  13. 14 : : 2017/11/16(木) 06:13:40
    本番では残念だけど時間の関係で第一楽章しか演奏できないらしい。


    ならば第一楽章でまだ上を目指そうと一週間練習に励み、ついに本番の日を迎えた。

    本番前の舞台裏。僕はずっと黙っているアニに話しかけた。


    アルミン「アニ?」


    アニ「…」


    アルミン「アニ?」


    アニ「ん?」


    アルミン「緊張してる?」


    アニ「まあそりゃね」


    アルミン「大丈夫だよ、あれだけ練習したんだからさ」


    アニ「そうだね…」


    アルミン「ほら、もうすぐ僕らの番だよ、松脂とかちゃんと塗った?」


    アニ「あんたは親か!大丈夫だよ!そこまで抜けてない!」


    アルミン「やっと元気になったね、大丈夫そう。頑張ろうね!」


    アニ「うん!」


    そして僕らの番。


    ステージに出る。


    幕が上がる。


    スタートは僕、第二ヴァイオリンから。


    アニに視線で合図を送る。


    アニは黙ってうなずいた。


    弓を構え一息つき、そのまま一気に滑り出す。


    8小節遅れてアニの第一ヴァイオリンが合わせて入る。


    そのまま二つのヴァイオリンは手を取り合ったまま踊り続ける。


    正確で、そして美しい旋律で。


    二つのメロディが絡み合い、共鳴する。


    一心同体の協奏曲(コンチェルト)


    2人が最後の音を弾き終えた時、会場はしばらくの静寂のあと、大勢の拍手に包まれた。
  14. 15 : : 2017/11/16(木) 06:17:27
    大成功を収めた演奏後の舞台裏。


    アルミン「ありがとう!本当にありがとう!」


    アニ「いいよ、こっちこそありがとう、またヴァイオリンが好きになれたよ」


    アルミン「あのさアニ!良かったr」


    アニ「来年も…でしょ?」


    アルミン「…!うん!」


    アニ「よろしくね」クス
  15. 16 : : 2017/11/16(木) 06:22:20
    これでとりあえず完結です。

    終わってみれば特にイチャイチャシーンはなかったですねw

    唐突に自分の趣味から広げるSS書きたくなったので書かせていただきました

    とはいえ三年ほど前までヴァイオリンを習っていた時の経験を頼りに書いたものなので、作曲家についての解釈が違っていたら申し訳ないです。

    余談ですが、このヴァイオリン協奏曲ニ短調第一楽章は僕がヴァイオリンを辞めた時に習っていた曲です。

    とても綺麗な曲で、聞くのは大好きだったんですけど、上手い人からすればそうでもないのかもしれませんが、とても難しい曲でした。

    別にそれでヴァイオリンが嫌になったとかではなくて単純に中学に入って部活との兼ね合いが難しくなって辞めました。

    今も趣味としてたまに弾いたりしています。


    今回は大切な趣味と大好きな曲を、アルミンとアニに代わりに表現してもらいました。

    見てくださった方ありがとうございました!
  16. 17 : : 2017/11/16(木) 16:53:02
    すごいよかったです!
  17. 18 : : 2017/11/16(木) 18:44:22
    >>17 ありがとうございます、嬉しいです!
  18. 19 : : 2017/11/17(金) 21:21:03


    素敵なssをありがとうございます(^^)

    私もまた音楽ss書いてみたくなりました
    とても刺激になりました
  19. 20 : : 2017/11/18(土) 16:21:19
    >>19 うわぁ進撃のMGSさん!!いつ見てもSSの発想が豊かでいっつも尊敬してます!ありがとうございます!

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著者情報
Rion114

ShauLa

@Rion114

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