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悪夢(ホラー)
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- 1 : 2017/10/15(日) 23:15:12 :
- とりあえず主人公を決めましょう
104期の中でお願いします
>>2
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- 2 : 2017/10/15(日) 23:20:56 :
- ジャァァン!!
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- 3 : 2017/10/15(日) 23:24:14 :
- ────逃げろ。
暗い森の中をジャン・キルシュタインは走っていた。
────"あいつら"に捕まる前に。
地面を蹴る靴の音と荒い呼吸音が、やけに大きく響き渡る。
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- 4 : 2017/10/15(日) 23:29:49 :
- 鬱蒼とした森を突っ切ると、突如前方に光が現れた。
灯に見せられた蝶のごとく、彼の足も自然と明かりの方へと導かれていく。
夜の闇に浮かんでいたのは、古びた遊園地の様な所だった。
大きな入口のゲートは不気味なピエロの顔になっている。
ジャン・キルシュタインは一瞬立ち止まり、後方を確認した。
暗闇で何も見えない。
だが、何か金属を引きずるような恐ろしい足音が無数に聞こえてくる。
────どこかに隠れねぇと。
ジャンは辺りを見渡し、身を潜められそうな場所はないかと必死で目を凝らした。
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- 5 : 2017/10/15(日) 23:33:15 :
- そのとき、射的ゲームの小屋が視界に飛び込んできた。
慌ててその影に移動し、出来るだけ身を小さく丸めた。
乱れた呼吸を整えようとした。
今はこの胸の激しい鼓動も相手に聞かれてしまうのではないかと、気が気でない。
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- 6 : 2017/10/15(日) 23:34:46 :
- 期待です!
頑張ってください!
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- 7 : 2017/10/15(日) 23:37:08 :
- ここはどこなのか。
なぜ逃げているのか。
誰に追われているのか。
彼の脳裏に、次々と疑問が浮かんでは消えていく。
答えは何も見つからなかったが、ただ一つだけ実感している事があった。
────今逃げきれなければ憲兵団に入ることは愚か、訓練兵として卒業できない。
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- 8 : 2017/10/15(日) 23:40:33 :
- >>6
ありがとうございます^^*
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- 9 : 2017/10/15(日) 23:49:02 :
- そっと顔を上げた彼は、改めて周囲に目をやった。
ゲートが空いていたのだから、夜も開園しているのだろうか。
しかし、人っ子1人見当たらない。
施設の何もかもが古くさびついている。
かなり廃れた遊園地だ。
そばにあった気の棚には金魚鉢がずらりと並ぶ。
どの鉢の水も緑色に濁っていた。
死んだ金魚が汚水に浮かび上がっていた。
すぐ隣には、薄汚れた黄色のクマのぬいぐるみが置かれていた。
かなり大きいサイズだ。
きっと射的の大当たりの景品だろう。
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- 10 : 2017/10/16(月) 22:08:33 :
- ふと、少し前の記憶が蘇る。
同期の訓練兵と一緒に訓練に励んだ日々の記憶。
夜遅くまでくだらない話で盛り上がった記憶。
────はやく戻りたい。
しかし、それはすぐに消え失せた。
追手の足音が耳に届き、突然現実に引き戻された。
────クソ、かなり近づいてきやがった。
ここにいても見つかるのは時間の問題だ。
────どこか別のところに逃げねぇと。
立ち上がった彼は、何気なくクマのぬいぐるみをもう一度見た。
そして、視線を戻そうとしたその瞬間。
信じられない事が起きた。
クマの首がいきなりぐるりと回り、こちらを見たのだ。
薄ら笑いを浮かべるクマと目が合い、彼はゾッとして思わず声を上げてしまった。
────まずい。気づかれる!
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- 11 : 2017/10/16(月) 22:10:35 :
- ワークワークきたーいでーぃす
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- 12 : 2017/10/16(月) 22:53:38 :
- >>11
ありがとうございます^^*
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- 13 : 2017/10/17(火) 19:49:59 :
- 小屋の影から飛び出したジャンは、一目散に園内を駆け抜けていく。
振り向く余裕などなかった。
連中はすぐそこまで来ている。
────ちくしょう!捕まってたまるか!
死に物狂いで避難場所を探した。
正面に見えたのは大きなテントだった。
急いでテントに入り込んだ。そこには沢山の木馬が置いてあった。
不気味だったが今はそんなことは関係ない。
息を殺し、テントの隙間から外の様子を伺う。
視線の先には
「戻れ、我々の元に。さあ、戻るのだ...」
そう繰り返しながら歩いてくる奇妙な黒装束の人間立ちがいた。
1人や2人ではなかった。まるで次々と暗闇から生み出されているかのように、どんどん増えていった。
────くそ!もう逃げ場がねぇ!
その時だった。
耳元ではっきりとこう聞こえた。
「やっと見つけた...コロシテヤル...」
全身から血の気が引いていくのがわかった。
恐る恐る後ろを振り返った。
そこには鬼のような形相をした黒装束の男が立っていた。
目は真っ赤でこちらを睨みつけていた。
恐怖で体が動かなかった。
────あ、あぁ...
これで終わりだ。そう確信した。
黒装束の男はゆっくりと腕を上げた。
その手には斧が握られていた。
そして、なんの躊躇もなくその男は斧を振り下ろした。
────ジャン!おいジャン!しっかりしろ!
エレン「ジャン!おい!大丈夫かよ!?」
同期のエレン・イェーガーの声で、ジャンはまぶたを開いた。
────俺、どうして...
エレン「よかった...」
ジャンはエレン・イェーガーから何が起こったのかを聞いた。
どうやらジャンは立体機動の訓練中に、アンカーを射出するタイミングを誤り、地面に落下してしまったらしい。
そこを訓練のペアだったエレン・イェーガーに助けられた、ということだった。
────よかった。あれは夢だったのか。
肩で呼吸をするジャンを落ち着かせようと、エレンは背中をそっと叩いた。
エレン「随分うなされてたけど、変な夢でも見たのか?」
エレンが優しく問いかける。
ジャン「あぁ...」
ジャンの力のない返事に、エレンは言葉を続けた。
エレン「そっか...」
エレン「とりあえず兵舎に戻るぞ。立てるか?」
そう言うとエレンはジャンに手を伸ばした。
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- 14 : 2017/10/19(木) 14:23:53 :
- 期待!
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- 15 : 2017/10/19(木) 22:26:46 :
- >>14
ありがとうございます^^*
金曜から再開します!!
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- 16 : 2017/10/19(木) 22:57:45 :
- 期待です
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- 17 : 2017/10/22(日) 07:30:10 :
- 期待でーーす
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- 19 : 2017/10/22(日) 18:38:29 :
- 諸事情で更新が遅れてたので今日は死ぬ気で頑張ります(`・ω・´)
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- 20 : 2017/10/22(日) 19:06:37 :
その時だった。
エレンの後ろで何かが動いたような気がした。
エレン「ほら、手を貸せって。みんなのとこ────」
次の瞬間、エレンは大きく目を剥いた。
ジャン「おい...どうかしたのか?」
エレン「くそっ...」
エレンの言葉は途中で途切れ、エレンの手は震えていた。
エレンの口からは真っ赤な血が吐き出された。
ジャン「おいエレン!」
ジャンは血しぶきを浴びた。
ジャンはエレンの背後に立つ恐ろしい影を捉える。
いや、影などではない。見たこともない恐ろしい生き物だ。
貧弱な体つきで、白い顔には目玉がなかった。
鼻もなく、小さな口が異様な形に歪んでいた。
エレンはこいつにやられたのだ。
そいつの持っていた鋭利な狂気がエレンの胸を貫いていた。
そしてジャンの目の前で、その化け物は力任せに腕を持ち上げた。
エレンの胴体がばっさりと切り裂かれる。
再び大量の血を浴び、ジャンの体は真っ赤に染まった。
────やべぇ、俺も殺される!
ジャンは立体機動装置で逃げようとしたものの、手が震えてうまくトリガーを引けなかった。
そうこうしているうちに、化け物がジャンに迫ってくる。
────くそっ!くそっ!くそっ!
ジャンはひたすらトリガーを引いた。
しかし、アンカーがなかなか射出されなかった。
────んだよ!こんな時に故障かよ!
化け物はすぐそこまで迫っていた。
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- 21 : 2017/10/22(日) 19:16:29 :
- ゆっくりと、ゆっくりと近づいてきた。
1歩踏み出すたびに、おぞましい粘着質の足音が鳴る。
────頼む!動いてくれ!
何度もアンカーを射出しようと試みるが、ダメだった。
────走るしかねぇのか...
しかしジャンは落下時に足に怪我をしてしまっため、走って逃げるのはとても危険な事だ。
────いや、戦えるじゃねぇか...
ジャンは剣を抜いた。
────飛べなくたって戦える
────ここで死ぬわけにはいかねぇんだ
────それにこいつはエレンの仇だ、俺がぶっ殺す
そう決断したその時だった。
ジャンははっとした。今さっきまで聞こえていた化け物の足音が止まったのだ。
まさか。
自分のすぐ目の前に殺気を感じ、恐る恐る顔を上げた。
視界に飛び込んできたのは、頭上に振り下ろされる化け物が刃物を握った腕だった。
────まじかよ
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- 22 : 2017/10/22(日) 19:48:18 :
唐突に夢から覚めたジャンは、勢いよく状態を起こした。
身体中は汗びっしょりで、荒い呼吸で肩が上下している。
ゆっくりと瞬きをしながら、部屋の中を見渡す。
────ここは...
ジャンは何も代わり映えのない男子部屋で目を覚ましたのだった。
それぞれのベッドで仲間達が眠っていた。
────どうかしたの?ジャン
誰かがジャンに声をかけた
ジャン「うおっ!?」
いきなり声を掛けられたジャンは、びっくりして変な声を上げてしまった。
アルミン「ははは、どうしたの?そんなに驚いて」
声の正体はアルミンだった。
ジャン「あぁ、アルミンか...」ハハ…
ジャンは力のない返事をした。
アルミン「息が荒いけど、どうかしたの?」
ジャン「ちょっとな...」
アルミン「怖い夢でも見たとか...?」
図星だった。
ジャンは少しづつ恥ずかしくなってきた。
アルミン「ははは、図星みたいだね」
アルミン「僕が貸したホラー小説を読んだから変な夢でも見ちゃったんでしょ?」ニヤ
アルミンはニヤリとした表情でジャンを見つめた。
ジャン「な、なわけねぇだろ!」
その通りだった。ジャンはこの前アルミンにホラー小説を借りていた。
そしてそれを読みながら眠りに就いてしまったため、あんな夢を見てしまったのだ。
ジャン「お、お前こそなんで起きてんだよ」
アルミン「ミステリー小説を読んでたら眠れなくなっちゃって」ヘヘッ
アルミン「ジャンも今度読んでみたら?面白いよ」
ジャン「いや、遠慮しとく」
────そうか、やっぱアレは夢だったのか
ジャンは横のベッドで眠っているエレンに目をやった。
────ありがとな、死に急ぎ野郎
アルミン「ところでジャン...」
ジャン「ん、何だ?」
アルミン「やっぱり怖い夢見たんだ」ニヤ
ジャン「う、うるせーな!」
アルミン「ごめんごめん」ハハハ
────ほんと、夢でよかったぜ
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- 23 : 2017/11/03(金) 20:20:11 :
- 凄く面白かったです!アルミンから借りた小説を読んで、怖い夢をみるジャン、可愛いですねw読んでいて凄く引き込まれてました!次の作品も楽しみにしてます!頑張ってください!
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- 24 : 2017/11/11(土) 21:55:49 :
- >>23
ありがとうございます!!
コメントしていただけるとは...!!
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- 25 : 2017/11/11(土) 21:56:30 :
- イット見てきたからそれっぽいのも書こうかな!笑
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