この作品は執筆を終了しています。
冬の月 (バンドリss)
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- 1 : 2017/09/28(木) 02:22:53 :
- こんにちは。
蒼電と言います。
今回はバンドリss
つまりスマホゲームアプリBanG Dream!ガールズバンドパーティー!の作品のssです。
その為ゲームプレイしてる前提で進みます
また先入観をここで持たせたくないのでプレイして間もない方は見ない方がいいかもしれません。
取り敢えず注意点を幾つか。
・ロゼリア、パスパレストーリーと七夕イベントを見てない人非推奨。
・暗い内容に付き人によっては嫌な思いをするかもしれません。
・若干の性格のずれがあるかもしれません。
以上を踏まえた上で残って下さる方は楽しんで?いただければ幸いです。
時系列はさよひながまだ中学生の頃のお話です。
前書きが長くなりましたがnoteにはまだ普及してないためこうして長くなるのは許してください笑笑
それではどうぞ!
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- 2 : 2017/09/28(木) 02:24:17 :
雪が振る放課後に私は誰もいない教室にいた。
放課後教室に待っていて。そうとある男子に言われて私は今、小説片手にその彼を待つ。
以前から読んでいたためそろそろ読み終えてしまう小説、帰ったら日菜に次のを借りよう。
残り数十行まで読み進めた時に彼は来た。
ガララ
「いやぁ、悪い悪い。待った?」
「いえ、別に。それより要件を」
間が悪いなと思いながら早く続きが読みたいので用件を聞く。
「あぁそうだね!」
「――俺達、付き合わない?」
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- 3 : 2017/09/28(木) 02:26:11 :
唐突。初めに抱いた感情はそれだった。次に私は理由に気付き彼を嫌う。
「お断りします」
「つれないなぁ、日菜ちゃんもそんな事言うんだもんなぁ」
一週間程前だったか、彼は一度日菜に振られていた。
「要件は以上ですか?」
早く帰りたい。その気持ちを前面に押し出しながら教室から出るが手を掴まれてこう言われた。
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- 4 : 2017/09/28(木) 02:26:36 :
「いいじゃん紗夜ちゃん日陰者なんだしさぁ」
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- 5 : 2017/09/28(木) 02:37:49 :
- 日陰者――結局のところ私は日菜の影でしかないという意味だろう。
日菜が輝く太陽なら、私は暗い夜なのだから。
私は日菜の劣化、少なくとも目の前の彼にはそう見えていてだからこそ妥協で私にこうして迫っているのだろう。
気持ち悪くて、痛い。どろどろしたものが体に蠢き、チクチクと心が刺される。
「俺、紗夜ちゃんもいいと思うんだよね。顔は似てるし」
彼が私を引っ張って黒板の前に押しやる。
本気で付き合う気が無いのか彼は私を苛立たせる。きっと私の事を彼は見ていない、見ているのは日菜だろう。
いつも私を取り巻くうっすらとした視線はきっとこれなんだろう。
苛立つ、気持ち悪い、痛い。これは誰のせい?
……お姉ちゃん!
一瞬脳裏をかすめたのは――
違う!違う違う違う!
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- 6 : 2017/09/28(木) 02:38:50 :
「私は――!」
否定を叫びたい気持ちをぶつけようとした瞬間、教室から人が入るのが見える。
彼越しに見えるその人影は
「お姉ちゃ、ん……?」
日菜だった。
「――!」
私の姿を見た日菜は掃除用具を勢いよく開けて箒を取り出す。
私に迫った彼はそれに気づくと私から離れて何か言おうとするが日菜の勢いは止まらない。
「あああああああああ!!!」
手に取った箒を振りかぶり上から叩きつける。
カン
床を叩いた乾いた音が響く。
間髪入れずに横に振り回す、振り回す、振り回す。
「離れろ!離れろ!お姉ちゃんから!離れろ!!」
怒気に溢れた叫び声が響く、箒が周囲に当たり散らす。
日菜のその時の顔は今まで見たことのない程に荒れていた。
「ひ、ひぃ!」
その男子は腰を抜かしながら教室から出て行った。
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- 7 : 2017/09/28(木) 02:39:50 :
振り回した箒が周囲の机を一通り荒らした教室で肩で息をする。
そして少し呼吸を整えた後、日菜は後ろに振り返り
「もう大丈夫だよ、お姉ちゃん」
笑顔を見せた。
「日菜……」
「一緒に帰ろう?」
差し出された手に触れるとその手は冷たく、震えていた。
私はその手を取り立ち上がるとそのまま引っ張って抱き寄せる。
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- 8 : 2017/09/28(木) 02:40:35 :
「お姉ちゃん!?いきなりどうしたの?」
「そんなに震えて……」
抱き寄せた日菜の体は強張って、小刻みに震えていた。
「私は大丈夫だよ!お姉ちゃんは怪我とかない?」
「馬鹿っ!」
「貴方という人は……!」
私たちは暫く抱き合った。日菜は隠しているのか無意識なのか終始表情は明るく、先程とは別人じゃないかと思わせる。
「お姉ちゃん」
数分、数十分――とにかく暫く日菜に抱き着いていると日菜がいつもの声で呼ぶ
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- 9 : 2017/09/28(木) 02:41:36 :
「……何?」
「私はお姉ちゃんの事大好きだよ」
きっとこの子は私の為にきっと無茶をするんじゃないか、あの日菜を見ると日菜のその告白は私にとっては恐怖すら感じてしまう。
もしかしたら日菜は私の為ならどんなものでも渡してしまうし、どんな事でもやろうとしてしまうだろう。
たとえそれが怖くても気持ち悪くても痛くても、私の為なら笑顔でそれをやるだろう。
そう思うと途端に私の心は暗い影が覆い、語りかけた。
この子がいなくなってもらえば私は――
「……そう」
やめて、貴方は私じゃない。
語りかける心の影を拒絶し、私は日菜に答える。決して応えずに。
それから日菜との会話は徐々になくなり、今では私から話す事はほとんどなくなった。
借りていた小説の続きを見ることはもうない。
冬の月は暗く光る。
中学二年の二月、私が花咲川女子学園に進路を変えた時期の出来事。
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- 10 : 2017/09/28(木) 02:55:30 :
- おしまいです。
短いですが見てくださった方ありがとうございます。
~少し長めのあとがき~
今回初めてバンドリssを書きました。
前書き長いのとあとがきが長いのも今回が初のジャンルでしたのが理由ですね。はじめの一歩はやはり作品外で話す事が多いです。
このお話は僕が見た夢を作品にしたもので初めは日菜ちゃんがメインになる予定だったのですが気が付けば紗夜さんがメインになりましたね…
紗夜日奈の関係は(さよひなに限らずだが)イベント毎に移り変わっているので人によって解釈が異なるのですよね
その為この作品は一つの解釈(二次創作全般にいえるが)ととらえて頂ければ幸いです。
今度は明るい話を書きたいですね、バンドリssはちょくちょくネタが浮かんでいるのでそれらを少しづつ文に起こしっていってるところなので遠くない内に新しいのが書きたいです。
台本形式でもやりたいですし…
改めて、見た下さった方ありがとうございます!
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- 11 : 2018/03/29(木) 15:56:06 :
- お疲れ様でした
やっぱり、さよひなは良いですね~
次のお話、楽しみにしてます
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- 12 : 2020/10/03(土) 09:10:48 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
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http://www.ssnote.net/archives/78042
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http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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