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クリスタルの花・前
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- 1 : 2017/08/21(月) 20:43:21 :
- 初投稿です。書きため有りなので淡々と。
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- 2 : 2017/08/21(月) 20:44:24 :
- ジャン「いーんだよ、好きに言わせとけ」
エレン「でも、ジャンは何も悪くないだろ!」
ジャン「うるせーな。普段の行いが良くねぇのは自覚してるし、ある程度経てば騒がなくなるさ」
エレン「いいのかよ...!」
アニ「...」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ユミル「おーい、3人組!クリスタ知らねぇか?」
エレン「ん?いや、今日は見てないな。いなくなったのか?」
アルミン「昨日の晩サシャに座学教えてたみたいだけど...今朝は見てないよ」
ミカサ「私も知らない。ごめんなさい」
ユミル「んー...いつもは朝イチで見つかるんだけどな。何か胸さわぎがする...」
エレン「んじゃ、サシャに聞いてみればいいんじゃねぇか?今日クリスタに会う可能性が高いのはサシャだろ」
ユミル「そうだな、サンキュ」
訓練兵舎にて...
ユミル「サシャ?いるか?」
アニ「ん?ユミルか。サシャなら今朝飛び出していってから見てないけど」
ユミル「飛び出して...?ってか目的はクリスタ探しなんだよ。クリスタもいないのか?」
アニ「さぁ。朝にライナーとベルトルトと会ってから、あんたが3人目の訪問者だよ」
ユミル「クリスタに続きサシャまで...何かあったのか?」
ユミル「仕方ねぇな。後聞いてないのは...ライナーとベルトルト、コニーにジャン辺りか」
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- 3 : 2017/08/21(月) 20:45:11 :
- ユミル「コニー、サシャかクリスタ知らないか?」
コニー「いや、見てねぇな」
ライナー「サシャなら朝見たな。メシ食ってすぐ兵舎出ていった」
ベルトルト「多分あれはサシャだったね。食べてすぐあんなに走れるの彼女くらいだし」
ユミル「はぁ?サシャはともかくクリスタの情報なさすぎだろ...しょうがねぇ。ジャンに聞いて駄目なら外に探しに行くか」
ベルトルト「ジャンは教官の部屋に行くって言ってたよ。何しにかは知らないけど」
ユミル「おう、サンキュ」
ライナー「........」
コニー「........」
ベルトルト「........」
コニー「ベルトルトさ、ユミルのこと好きだよな」
ベルトルト「は、はっ!?何をいきなり!」
ライナー「顔と声のトーンの変わり具合見れば分かるって。あまりに小さな変化だけどな」
ベルトルト「ぐっ...」
コニー(声のトーンは分からなかったけど)
ライナー「しかし、クリスタが見つからんのか...気になるな。ちょっと探ってみるか」
ベルトルト「あー出た出た。ライナーのストーカー癖」
コニー「ライナーがクリスタ好きなのはバレバレなんだよなぁ」
ライナー「お前バカのくせにやけに鋭いな...まさか恋愛経験あんのか?」
コニー「ねぇよ」
ライナー「ねぇのかよ!」
ギャーギャー
アルミン「楽しそうだね、あそこ」
ミカサ「むさ苦しい...」
エレン(そういやジャン、教官に話しに行くって言ってたけどもう終わったのか?)
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- 4 : 2017/08/21(月) 20:46:18 :
- キース「...」バタン
ユミル「あ、教官!ジャン来てました?」
キース「あぁ。先ほど話を終えたところだ。キルシュタイン訓練兵ならさっき下に降りて行ったぞ」
ユミル「あちゃあ〜。トイレ行ってる間にすれ違いかよ...すいません失礼します!」
キース「...待て、キルシュタインに何か用か?」
ユミル「ジャンにってか...クリスタ探してるんです」
キース「成る程な...ならお前から伝えてくれ。レンズ訓練兵は不慮の事故で暫し治療期間に入る。一週間は会えないとな」
ユミル「え...?」
キース「あ、言っておくがキルシュタインはこの件とは無関係だ。それでも彼に用があるなら追うといい」スタスタ
ユミル「イヤ...だからジャン探してる訳じゃないって...」
ユミル(あの言い方...何だ?別にジャンとの繋がりなんて聞いてねぇし...何かを隠してんのか?)
エレン「ユミル...ちょっといいか?」
ユミル「うぉぁ!びっくりさせんなよ!」
エレン「悪い...ちょっとジャンの事でな」
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- 5 : 2017/08/21(月) 20:46:46 :
- エレン「さっきジャンが顔見せてさ。どうしたんだって聞いたんだけど、何もないの一点張りだったんだよ」
ユミル「...何もないようには見えんわな」
エレン「そんであいつ外行っちまったんだけど、すごい悲しそうな顔して。それで教官に事情聞けないかと思ったらさっきの話、盗み聞きしちまったんだ」
ユミル「なるほどな。んじゃ、エレンはジャン追ってみてくれないか?私はまず、クリスタの事を伝えないといけねぇ」
エレン「そうだな...」
ユミル「んじゃ、任せたぜ」
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- 6 : 2017/08/21(月) 20:47:21 :
- エレン「さて、行くか」ガチャガチャ
アニ「...何してんの?」
エレン「あ、悪い。うるさかったか?」ガチャガチャ
アニ「今もうるさいよ。何それ」
エレン「見つかってもいいように変装道具を一応な」
アニ「ストーカーでもするの?大変だね」
エレン「尾行と言ってくれ、尾行と。ジャンの居場所を突き止めるんだよ」
アニ「ジャン...?」
エレン「いろんな事情があってな」
アニ「待って、私も行く」
エレン「え、なんで」
アニ「昨日ジャンを見たんだけど様子が変でね...誰かと一緒に居たんだけど、そいつをいたぶってるように見えた」
エレン「いたぶるって...あいつがそんな事するかよ」
アニ「あんたがジャンの何を知ってるか知らないけど、私の中ではそういう事をする奴だから」
エレン「あー...まぁ、傍目からはな」
アニ「とにかく行くよ。場所の目星はついてるの?」
エレン「あぁ。花屋に行くって言ってた」
アニ「よし」
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- 7 : 2017/08/21(月) 20:47:56 :
- ジャン「...」
アニ「いたね」
エレン「花屋そんな少なくないけど、見つかるの早かったな」
アニ「変装もしてるんだし、もう少し近づいても大丈夫じゃない?」
ジャン「んじゃ、これ下さい」
店長「あいよ。またきてな」
エレン「なんだあれ...アニ、花とか詳しくないか?」
アニ「ん〜、セキチクに似てる気はするね」
エレン「せ、セキチク?よく分からないがそれなのか」
アニ「多分。花なら私よりクリスタが詳しいと思うけどね」
エレン「それより、なんで花なんか...クリスタの見舞いとか?」
アニ「私たちがクリスタに暫く会えないんだから、ジャン1人会えるってこともないでしょ。ただ、クリスタの事に関係してるってのはありそうだね」
エレン「一度帰るか。ジャンも兵舎に向かってるし」
アニ「...まだどこかに寄るかもしれない。距離取って後ろからつけようか」
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- 8 : 2017/08/21(月) 20:48:36 :
- ジャン「ふー」
マルコ「お帰り。その荷物どうしたの?」
ジャン「買い物だよ、買い物」
マルコ「ふーん、何を?」
ジャン「秘密だ秘密」スタスタ
マルコ「なんだ、つまんないの。あ、エレンとアニも今帰ったの?」
エレン「あぁ」
アニ(結局そのまま真っ直ぐ帰っただけだった...)
マルコ「2人して珍しいね。デートかい?」
アニ「違う違う。只の買い物だよ」
マルコ「それデートなんじゃないの?」
エレン「ちげーっての。...マルコ、花とか詳しいか?」
マルコ「えぇ...花はあんまり知らないな。サシャが植物の図鑑を持ってたけど」
エレン「そうか、サンキュ」
アニ「私は他の人に聞いてみようかな。エレンはサシャの方をお願い」
エレン「よし、任せとけ」
マルコ「ねぇ、ひょっとしてジャンの買い物って花だったの?」
エレン「ん?ああ。セキチク?みたいなの買ってたみたいだけど、自信がなくて。同じの買ってきた」
マルコ「あぁ...うろ覚えだけど、多分カーネーションなんじゃないかな?花の贈り物って言ったらカーネーションだと思うけど」
エレン「あぁ。ってことはこの花、母親へのプレゼントってことか?」
マルコ「まぁ、自信はないけど。多分そうだと思う」
エレン「なーんだ。それなら取り越し苦労だな...ってあれ、アニのやつもういない」
マルコ「ま、一度サシャに聞いてみても遅くないと思うよ」
エレン「おう、ありがとな」
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- 9 : 2017/08/21(月) 20:49:11 :
- ライナー「んー、見たことはある花だ」
ベルトルト「見たことはある花だね」
コニー「誰にあげるんだ?この花」
アニ「あんたらに聞いた私が馬鹿だったよ。ねぇ、誰かに贈る花って言ったら、なんだと思う?」
ライナー「バラだろ」
ベルトルト「んー、ひまわり...とか?」
コニー「桜!!」
アニ「........」
アニ「誰に聞けばいいんだか...ミーナ!そうだミーナがいた」
ミーナ「ん?呼んだ?」
アニ「いいタイミングで背後にいたね。ねぇ、この花なんて花?」
ミーナ「んー?セキチク...じゃないのかな」
アニ「やっぱそうだよね...ちなみにこれどんな時に贈るもの?」
ミーナ「やだ、セキチクは人に贈るものじゃないよ。これはね...」
アニ「?」
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- 10 : 2017/08/21(月) 20:49:41 :
- エレン「夜になっちまった」
エレン「サシャ帰ってきてすぐ風呂だし、アニにも会えないし...何だってんだ?」
ジャン「なぁ、エレン」
エレン「ん?珍しいなジャン。どうした」
ジャン「今日の昼...俺のことつけてたろ?」
エレン「え...」
ジャン「バレバレなんだよ。あんな変装」
エレン「ご、ごめんな。朝からお前の態度がおかしくてよ」
ジャン「まぁ、それはすまねぇ。一緒にいたのはアニか。明日、2人にちょっと話がある」
エレン「...それは、クリスタの事か?」
ジャン「...明日、話す」
エレン「...母親のことか?」
ジャン「........」
ジャン(突然なんの話だ)
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- 11 : 2017/08/21(月) 20:50:21 :
- ジャン「...」
アニ「で、話ってなんだい?」
ジャン「まぁ、お前らも何となく分かってると思うけど...クリスタの事だ」
エレン「やっぱ、お前が関係してたのか」
ジャン「ああ。事の発端は、俺がクリスタに声かけたからなんだよ。馬小屋の掃除当番、サボった奴がいてさ。そいつの代わりにクリスタが掃除してたんだが...見てらんなくてな」
エレン「サボった奴って...ん?昨日の掃除当番っていやあ...」
アニ「...サシャか」
ジャン「よし、あいつは後でシメる。で、その帰りに木の上で降りられなくなってる猫を見つけてな。クリスタが助けようとしたんだが...」
アニ「まさか、クリスタに登らせたの?」
ジャン「アホか。逆だよ。木から落ちたのは俺なんだ。受け身取ってたから折れたりはしなかったけど、大分背中がはげちまってな。クリスタが医務院を呼びに言ったんだが...」
エレン「...だが?」
ジャン「あいつ、塗り薬を探しに遠くの山まで行っちまったみたいなんだよ。向こうの山にしか生えてない植物でな。そいつが切れてたみたいなんだ」
アニ「...今はそれ、塗ってあるの?」
ジャン「昨日の明け方にクリスタを山で見つけて、そこで植物を持ってきたんだよ。塗ったのは昨日の昼前だからまだ全然イテーけどな」
エレン「じゃあ...クリスタは山で事故に遭ったってことか...」
ジャン「あの花は見舞い品で合ってるよ。教官に言ったら渡してくれた」
アニ「...」
エレン「なんだ、そんな事なら隠すこともないだろ」
ジャン「馬鹿野郎、俺の不注意でクリスタに心配かけて、結果こうなっちまったんだ。言い訳なんてできねーよ」
エレン「んな事ないだろ...2人とも元気に復活すれば、何も問題ない」
アニ「そうだね。今の話なら、あんたに落ち度はないよ。...今の話が本当ならね」
エレン「...え?」
ジャン「...疑ってんのかよ」
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- 12 : 2017/08/21(月) 20:50:47 :
- アニ「当然だろ?あんなコソコソした態度で、普段のあんたを見てたら到底信じられる訳ない」
ジャン「...」
アニ「例えエレンがあんたを庇っても、何人がエレンの言うことを信じると思う?」
エレン「...!」
アニ「あんたはクリスタを見捨てた。その罪悪感で怪我したクリスタを背負って、自分が助け出したように兵舎に帰った。大方そんなとこだろ?」
ジャン「あのなぁ。どう想像するも勝手だが、俺がそんなくだらないマネするかよ」
アニ「だから、普段のイメージで見たらそういう人間にしか見れないんだよ。...このことはみんなに報告するよ。みんながどう取るか分からないけど」
エレン「お前...」
ジャン「いいよ。好きに報告すればいいさ。どのみち俺は、俺のせいだと思ってる」
アニ「...アンタのそういう、自分を悲劇のヒロインみたいに魅せてるみたいな発言。嫌いだから。じゃあね」
エレン「........」
ジャン「........お前も行けよ」
エレン「...あぁ」
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- 13 : 2017/08/21(月) 20:51:19 :
- ユミル「...オイ、ジャン。アニに聞いたぜ?お前のせいでクリスタが傷負ってんのか?」
ジャン「...嫌な言い方だな。ある意味おれのせいっちゃあ俺のせいだ」
ライナー「なんだ?その誤魔化し方。やましいことがねぇんなら話せるだろ」
ジャン「今話したところで信じねーだろお前ら。後でクリスタに全部聞いてくれ」
ユミル「どうだかな?クリスタは山で気ィ失ってたんだろ?その間お前が何してようがあいつには証言できねぇだろ」
ジャン「クリスタに証言できないんなら俺にしかできねーだろ。分かったら黙っとけ」
ベルトルト「...!何だよその態度!僕らは君を心配して...!」
コニー「よせよ。1人にしとこう」
ユミル「...チッ」
エレン「........」
ジャン「...エレン、今日はサンキューな」
エレン「え、あ、おう」
アニ「...」
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- 14 : 2017/08/21(月) 20:51:48 :
ミーナ『いい?アニ。この花を贈るってのはね...』
アニ「........」
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- 15 : 2017/08/21(月) 20:52:12 :
マルコ『多分この花じゃない?贈り物なら定番だよ』
エレン「........」
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- 16 : 2017/08/21(月) 20:52:37 :
???「いいですか、ジャン。この花はいい花ですよ〜?それに頑張れば食べれなくも...」
ジャン「........」
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- 17 : 2017/08/21(月) 20:53:09 :
- 夜
エレン「ふぅ。もう寝るか...ん?」
ガサガサ...
エレン「何だ...外?」
???「...こうして、カチャカチャっと...」
エレン「...何してんだ、サシャ」
サシャ「げっ!え、エレン!」
エレン「まーた食料庫かよ。そろそろ教官にお前だけ別棟に隔離されるぞ」
サシャ「そ、それは嫌ですね。今日はやめておきましょう」
エレン「ったく。あ、そういえばなんだけどさ。こーんな形した、こんな色の花。知らねぇか?」
サシャ「花ですか...あ、ひょっとしたアレですかね?ジャンに選んであげたやつですが」
エレン「そ、それ!」
エレン「それ、なんて名前なんだ?」
〜続く〜
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- 18 : 2017/08/21(月) 20:55:35 :
- 短いね(^_^;)
後編早めに出したいと思ってます
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- 19 : 2017/10/24(火) 01:27:47 :
- しらたけ
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