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ユミル「ヒストリア…ヒストリア…」
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- 1 : 2017/08/16(水) 16:47:14 :
- ※一部ネタバレあり。
※原作未読、アニメ未視聴の方はご注意下さい。
※年を取る描写があるので一応注意です。
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- 2 : 2017/08/16(水) 16:47:47 :
- ヒストリア「…?」
ヒストリア「ユミル?…」
ユミル「ヒストリア…」
ヒストリア「ユミルの声がする…?」
ヒストリア「そんなわけない……幻聴?」
ヒストリア「私…疲れているのね…」
ユミル「幻聴じゃない」
ユミル「お前に会いに来たんだ」
ヒストリア「え…?」
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- 3 : 2017/08/16(水) 16:51:25 :
- ヒストリアはユミルの声がする方へと目をやる。
さっきまで何もなかったその場所には、ユミルが立っていた。
ヒストリアがその姿を確認すると同時にユミルは微笑む。
ヒストリア「嘘……だって…ユミル……」
ユミル「ああ」
ユミル「手紙…読んでくれたんだな」
ヒストリア「本当に…?」
ユミル「そうだ」
ユミル「私は…そうだな…幽霊といったところか?」
ヒストリア「そっかあ…」
ヒストリア「じゃあ私…もうお迎えが来ちゃったのかな?」
ユミル「いいや違う」
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- 4 : 2017/08/16(水) 16:52:05 :
- ユミル「お前は婆さんになるまで生きるんだ」
ヒストリア「ふふっ…そんなの…ユミルに悪いよ」
ユミル「ハッ気にすんな!」
ユミル「私はこれでも80歳近くまで生きてたんだ」
ヒストリア「へえー!すごいね」
ヒストリア「でも…お迎えじゃないなら何で?」
ユミル「ああ…それはな」
ユミル「…今日はいいんだよ」
ヒストリア「今日?」
ヒストリア「今日だけ…?」
ユミル「…」
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- 5 : 2017/08/16(水) 16:54:07 :
- ユミル「そうだ」
ユミル「今日だけだ」
ヒストリア「…!」
ユミル「けどな…『こっち』に来るのは今回だけじゃない」
ヒストリア「えっ?」
ユミル「来年もまた来るよ」
ヒストリア「ほ…んと…?」
ユミル「ああ…」
ユミル「ヒストリアの可愛い顔を拝みにな」
ヒストリア「ふふふっ嬉しい!」
ヒストリア「絶対よ?待ってるからね!」
ユミル「当たり前だ!」
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- 6 : 2017/08/16(水) 16:54:58 :
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ユミル「ヒストリア…ヒストリア…」
ヒストリア「ユミル!」
ヒストリア「本当に来てくれたんだね」
ヒストリア「会いたかったよ」
ユミル「私もだよヒストリア」
ヒストリア「それにしても…」
ヒストリア「何できゅうりの馬に乗って来たの?」
ユミル「これに乗らないとお前に会いに行けないんだよ」
ヒストリア「??…ふーん……?」
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- 7 : 2017/08/16(水) 16:56:53 :
- ―――――
――
ヒストリア「あれ…もう帰っちゃうの?」
ユミル「ああ」
ユミル「…また来年も来るって!」
ヒストリア「……うん…!」
ヒストリア「???」
ヒストリア「今度はナスの牛に乗って帰るの?」
ユミル「これに乗らないと来年もお前に会う事は出来ないんだよ」
ヒストリア「そうなんだ…?」
ヒストリア「でもきゅうりの馬はどうするの?」
ユミル「きゅうりの馬?」
ユミル「それならそこにあんだろ」
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- 9 : 2017/08/16(水) 16:57:35 :
- ユミルが指をさした方にはきゅうりの馬ではなく、ただのきゅうりしかなかった。
そもそも今ユミルが乗ろうとしているナスの牛も一体どこから連れてきたのか。
ヒストリア「えっ?えっ??」
ユミル「後で食っとけよ~」
ヒストリア「えっ????」
ヒストリア「あっ…」
状況が飲み込めないヒストリアは呆然とユミルが帰っていくのを見送るだけだった。
そして見送った後にきゅうりの馬だったものへ振り返ると、その隣にはナスが置いてあった。
さっきまでナスはそこになかった。
ユミルが乗って来たきゅうりの馬と、ユミルが乗って帰ったナスの牛。
ヒストリアは何となく分かったような分からないような、そんな気がした。
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- 11 : 2017/08/16(水) 17:00:17 :
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ユミル「ヒストリア…ヒストリア…」
ヒストリア「こんにちはユミル」
ヒストリア「もうこれで何年目かしら」
ユミル「お前はいつまで経っても綺麗だな」
ヒストリア「そんなことよりユミル――」
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ユミル「ヒストリア…ヒストリア…」
ヒストリア「…ユミル?」
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- 12 : 2017/08/16(水) 17:00:56 :
- ユミル「今年も綺麗なお前に会いに来た………?」
ユミル「どうしたヒストリア」
ヒストリア「ユミル…私……」
ヒストリア「…最近……目が霞んで…」
ユミル「…」
ユミル「そうか…」
ヒストリア「大丈夫…まだ視力はあるよ」
ヒストリア「老眼なだけ」
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- 13 : 2017/08/16(水) 17:03:43 :
- ヒストリア「ねえ…ユミル」
ヒストリア「私…ちゃんとお婆ちゃんになるまで生きたのよ」
ユミル「…ああ」
ヒストリア「褒めてくれる…?」
ユミル「ああ」
ユミル「ヒストリアはいい子だ」
ヒストリア「ふふ」
ヒストリア「もうお婆ちゃんだよ…」
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- 14 : 2017/08/16(水) 17:06:30 :
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ユミル「ヒストリア…ヒストリア…」
ヒストリア「…」
ユミル「ヒストリア?聞こえるか?」
ヒストリア「ユミル…?」
ヒストリア「もう少し…大きい声で喋ってちょうだい?」
ユミル「…」
ヒストリア「耳が遠くなってしまってね…」
ユミル「…そうか」
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- 15 : 2017/08/16(水) 17:07:14 :
- ―――――
――
ユミル「…」
ヒストリア「ユミル…ユミル!」
ユミル「ヒストリア!?」
ユミル「お前…どうしてっ…!」
ヒストリア「大丈夫」
ヒストリア「…老衰よ」
ユミル「そ…そうか……」
ユミル「…」
ユミル「今までよく頑張ったな…ヒストリア」
ヒストリア「…」
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- 16 : 2017/08/16(水) 17:08:27 :
- ヒストリア「それはユミルの方だよ」
ヒストリア「ごめんね…私だけお婆ちゃんになっちゃて…」
ユミル「何言ってんだ」
ユミル「お前はいつまで経っても綺麗だよヒストリア」
ユミル「それに言っただろ?私は80歳近くまで生きてた婆さんだってな」
ヒストリア「…」
ヒストリア「うん…そうだね」
ヒストリア「ねえユミル?」
ユミル「何だ?ヒストリア」
ヒストリア「…ふふふっ」
ヒストリア「これからはずーっと一緒にいられるね!」
おしまい
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- 18 : 2017/08/16(水) 18:58:56 :
- ユミルゥ…(/´△`\)
最高でした!
次回作も期待!(あんのかな?)
できればエレクリかベルユミがいいなー(すいません。勝手なこといって)
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- 19 : 2017/08/18(金) 15:34:24 :
- 仏教的世界観で草
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- 21 : 2017/11/13(月) 00:04:03 :
- これは最高のユミヒスやな…(涙)
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- 22 : 2017/11/13(月) 17:21:53 :
- >>21
コメントありがとうございます!
お褒めに与り恐縮です。
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- 23 : 2018/06/22(金) 01:56:31 :
- 最高w
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- 24 : 2018/06/22(金) 11:04:49 :
- >>23
コメントありがとうございます!
こんな10か月も前の作品にコメントをくださるなんて…嬉しい限りです。
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- 26 : 2018/07/03(火) 09:07:40 :
- >>25
こらこら。そういうのはSSでお話ししないようにしましょうね?
http://www.ssnote.net/groups/2484/archives/4#bottom
お話しするのでしたら、こちらのリンク先でお願いできますか?
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