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怪談話
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- 1 : 2017/07/17(月) 21:59:44 :
- 今回は初めてホラーに挑戦してみようと思います!
拙い文ですがよければ楽しんでいってください。
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- 2 : 2017/07/17(月) 22:01:44 :
- 「これは俺が体験した怖い話なんだが……」
ゴクリ、エレンが話し始めるとその場にいた何人かが唾を飲み込む音が聞こえた。
それは、夏の長期休暇の真っ最中、今日から……二週間ぐらい前か?コニーと肝試しをする、話をしてたんだよ。
「だから、幽霊なんているわけないだろ?コニー」
「いるって!俺は見たからな!買い出しの途中で!」
「どこでだよ……?」
「お……やっぱりエレンも、興味あるんじゃねぇかよ!」
そう言いながらコニーは俺の肩を、ぽんぽんと叩いた。
「なぁ、俺もあの日あの時何を見たのかわかんなくてモヤモヤしてんだ……行こうぜ?」
「はぁっ!?」
俺は別に霊なんて、信じてないし全く怖くなかったが……やっぱり、おふざけでそんな所に行くのもどうかと思うんだ
『ビビってたんだろ?』
俺が喋ってる途中で愉快そうに、ジャンが馬鹿にしてくる。
『別にそういうわけじゃねぇよ!』
『けっ!どうだか!』
『まぁまぁ、二人とも落ち着いて……せっかく仲良く怪談話してるんだからさ、ね?』
アルミンが、落ち着くように俺たちに促す。
『そうだな……続けるぞ』
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- 3 : 2017/07/17(月) 22:44:13 :
- ホラーいいですね^^*
期待!!
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- 4 : 2017/07/17(月) 22:54:19 :
- >>3ありがとうございます!余り、怖くならないかも知れませんが楽しんでいってください!m(_ _)m
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- 5 : 2017/07/17(月) 22:56:48 :
- 「俺は別に怖かねぇんだ……けどよ、ほら……時間がねぇだろ?」
「大丈夫だ、今年は長期休暇があるからな!」
コニーはドヤ顔でそう言い放った。
結局俺は、コニーの肝試しに付き合わされる事になった。
ガチャ……不気味な音をたて、大きな扉が開いていく。見た目とは裏腹にかなり簡単に開いた。
まるで俺達が来るのを歓迎してるかのように……
「あれ?この前来た時は、こんなに軽かったっけな?」
コニーは、不思議そうな顔でずかずかと中に踏み込んでいく。馬鹿とは恐ろしいものだ。
『てめぇも大概馬鹿じゃねぇかよ』
ジャンがボソッと呟く……俺は、今すぐにジャンに掴みかかりたい気持ちを抑え、話を続ける。
「おい、コニー!勝手に入ってっていいのか?」
「大丈夫だろ、俺はよく買い出しに行かされるけどここに人が入ってくとこ見たことないし……」
「お?おぉ、中は中々綺麗だな」
俺は気になって、中に入ってみた……
確かに、外の壁に比べて中は思ったより綺麗だ。
俺が完全に中に入ると……ガタンッ!!
「え、お、おい!?エレン扉閉めるなら言ってくれよ……びっくりしたじゃねぇか」
「いや……違う、俺じゃない!!」
そう、勝手にしまったんだ……俺は全くでも触れていない。
「え……?じゃあ、なんで閉まるんだよ?」
「知らねぇよ、風でも吹いてるんじゃねぇのか?」
そう言い、俺は空いている窓がないかあたりを見回したんだ……そしたら
いたんだよ、コニーの後ろに二メートルはある馬鹿でかい女が……
「おい!コニー!後ろになんかいるぞ!」
俺がそう言うとその女の霊?は消えちまったんだ。
「え……って何にもいねぇじゃねぇかよ」
「エレン……俺をビビらせようったってそうはいかねぇぞ、なんたって俺は〜〜」
この時、コニーが何かを言っていたが俺は聞いていなかった。
それ以降は、何も起こらずさっさと帰ってきた。
あれは一体なんだっんだろうな?
『けっ、そんなに怖くねぇじゃねぇか……大方、風に吹かれたカーテンが揺れて女に見えたとかそんな所だろ 』
『うん……僕もそう思うんだよね、だって幽霊が存在するわけなんて……』
『いーや、あれは間違いなく人だった!断言出来る!』
『てかよ、一緒にいたコニーは見てねぇんだろ?』
『あぁ、あそこの屋敷には人っ子一人いなかったぞ』
『……でも、俺は見たんだよ……』
エレンがボソッと呟いた
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- 6 : 2017/07/17(月) 23:35:14 :
- 『じゃあ、次は俺が話すぞ……いいか?』
そう言い、ライナーが口を開いた。
『お、ライナーか……こりゃ期待ができるな』
ジャンは、そう言いながらライナーの方に視線を移した。
『これは俺の故郷で体験した話なんだが……』
俺はいつも通りに、ベルトルトとほかの友達と遊んでたんだ。
「おい、ベルトルト……今日はもう帰ろうぜ」
「え、いいじゃないかもうちょっと遊んでようよ」
その時は俺もガキだった、だから、余り遅くなったら…ほら怖いだろ?
でも、ベルトルトと一緒にしばらくは遊んでたんだ。
「よし、次はかくれんぼしよう!」
誰が言い出したのか、こんな暗い時間にやるなんて、正直俺は嫌だった……けど、変なプライドが邪魔をしてなかなかかやめようと言えなかった。
「ジャンケーンポン!」
その時の事は忘れもしない、俺はグーを出し他の奴らはみんなパーだったんだ……今思えば、仕組まれてたのかもしれない。
『ライナーがいじめられてたのかよ……』
『あぁ、あの時はライナーがぼーっとしてることが多くてライナーを鬼にしようってみんなで決めたんだ』
『なっ!?そうだったのか……』
俺は、ベルトルトに腹が立ったがいまこいつを問い詰めたところで何も意味が無い……
『話を続けるぞ……?』
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- 7 : 2017/07/18(火) 05:33:50 :
- 「いーち、にーい、さーん、よーん、ごーお……」
たったの百秒だったが俺は十分にも一時間にも感じられるほど長い時間だった。
「ひゃーく!もういいかーい?」
あたりは静かだった……とても怖かった、もしかしたら、みんな俺を置いて帰ってしまったんじゃないだろうか?……なんて妄想をするほど怖くなった。
内心泣きそうだったが、必死に堪えた。
「おーい、何処にいるんだー!」
いや、半泣きだった。
その時、ガサッという音が俺の耳に飛び込んできた。
「よーし、そこだな!」
俺は内心ホッとしていた……はやく友達に会いたい、その一心だった。
草むらをかき分け、広い空き地に出たんだ
そこには誰もいなかった……
「……うぅぅ」
俺の恐怖は、限界に達していた。
「みんなどこだよぅ……もう負けたよ、出てきてよ!」
しばらくして、ガサッ……近くで物音が音が聞こえた、どうやらこっちに向かってきているらしかった。
心配したみんなが来てくれたのだろう……そう思っていた俺の心は完全に緩んでいた。
「殺す……」
「えっ?」
俺の耳にははっきりと聞こえた……殺す、と憎悪の籠ったその言葉は、幼い俺を震え上がらせるには十分だった。
「殺す……殺してやる……」
声の主はだんだん近づいてきている、幼い俺にもわかった、「危険」だと。
だが、俺の足は動かなかった。
もう声も出ないほどに怯えきっていた。
そしたら、後ろで聞こえたんだ。
「お ま え も こ ろ す」
悪いが、そっからの記憶はない……これが俺の体験した、怖い話だ。
『……ライナー、お前やっぱりすげぇよ』
エレンは感心したように、頷いた。
『で、でもよっ、どうせ作り話だろ?』
『これが、作り話だったらよかったんだがな……完全な実話だ』
『ふう、ライナーは中々怖い話だったね』
『おい、アルミン、ライナー【は】ってなんだ!』
「あ、いや別にそういうつもりじゃ……」
『お前の話はつまんなかったって事だろうが死に急ぎ野郎』
『なんだと!』
『おい、落ち着け……二人とも俺はなかなか怖かったぞ?エレンの話』
『そ、そうか?』
エレンは少し、照れるように笑った。
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- 8 : 2017/07/18(火) 11:08:37 :
- 『じゃあ、次は僕の番……でいいかな?』
『おう!楽しみにしてるぜ!』
『ありがとうね、エレン……じゃあ』
これは訓練兵になったばかりの出来事なんだけど……
まだ、入ったばかりの頃って疲れてるから、ベッドに入ったらすぐ寝ちゃうじゃない、でもその夜はなかなか寝付けなかったたんだよね。
でも、周りのみんなはもう寝ちゃってるから話相手もいないし、本を読むにしても消灯後にろうそくを灯すのは規則違反だからね。
その時……窓が開いたんだよ。もちろん鍵は閉まってたし、中からしか開けられないのにだよ?
そしたらね……そこから……
黒い手が一本伸びてきたんだよ……
今思えば、真っ暗だったから黒く見えただけなのかもしれないけどね?
『ちょ、ちょっと待てよ!』
ジャンが慌てて、アルミンに質問をした。
『今、アルミンが話してるのはこの部屋のことだよな?』
『え……そうだよ?』
『そうだよ……って』
ジャンは黙ってしまった……
『で、その黒い手はどうなったんだ?』
ライナーは、ごく当たり前のことを聞いてきた。
『うん、その黒い手は途中で止まって……引っ込んでいったんだけど……』
『けど……?』
『窓の……淵を見たらね、黒い手形が残っていたんだよ』
『え……嘘だろ』
そう言いながら、エレンは確認をしに窓の方に近寄って行った。
『う、嘘だろ!?なんだこれ!!』
『ちょっと見せてみろ!』
ジャンがエレンを押しのけて、窓に近づいて行った。
そこには、どす黒い手形が一つ、ついていた。
『あれ……?』
アルミンが不思議そうに手形を見ていた。
『ん、どうしたアルミン?なんか気づくことでもあるのか?』
ライナーが、アルミンに尋ねた。
『いや、これね……僕が見たのはその晩だけで今日この話をするまでなかったんだよね……黒い手の跡も少し場所が違うし……』
『なぁ、これは教官に報告した方がいいんじゃねぇか……?』
コニーが、心配そうにみんなに問いかけた。
『馬鹿、なんて言って報告するんだよ【幽霊がいたずらしてくるんです!】ってか?誰が信じんだよ』
『でも、呪い殺されたり……』
コニーは、まだ不安そうだ。
『うるせぇ!いいか、馬鹿コニー!この世に幽霊は存在しねぇんだ!』
ジャンは苛立たしげに怒鳴った。
『くそっ、気分悪ぃ、俺はもう寝るぞ!』
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- 9 : 2017/07/18(火) 17:40:48 :
- そう言い、ジャンは布団に潜った。
『(ふざけんな!幽霊なんか!いるわけねぇだろ!そんなもん……)』
『ふ ふ ふ』
『誰だ……?』
『……だ れ ?』
『ふざけんな!出てこい!どうせコニーだろ!』
ジャンは布団を押しのけて、起き上がった。
『え……なんで……?』
そこには、さっきまで起きていたはずのエレン、アルミン、ライナー、コニー、ベルトルトの姿は無かった。
ジャンは思い出したように隣を見ると……
ない……さっきまでスヤスヤと寝ていたマルコの姿が
『ふざけんな……ほんと……なんだよこれ……』
ジャンは、必死に考えた。
そうだ、全員で仲良く便所に行ったんじゃないか?そうだ、そうとしか考えられねぇ……
ジャンはそこまで考えて、あることに気がついた。
マルコはどうなんだ?隣で寝てたじゃないか、降りる時に少なからず物音は立つはずだ……
くそっ……考えれば考えるほど分かんなくなりやがる……
『ふ ふ ふ』
『誰だ!!』
『わ た し よ』
声は後ろから聞こえてくる……
クソッタレ!なんで俺がこんな目に……
ジャンは意を決して振り向いた。
『あ ぁ み ち ゃ っ た ね』
ウワァァァァ!!
あれ以来、この部屋で不思議なことが起こってない。……けど、俺があの日のあの夜見たものは一体何だったんだろうか?
全く思い出せない……恐怖……ただ、それだけを感じたのは覚えている。
『ねぇ、ジャンってば!』
ん、アルミンが呼んでる……
『なんだ?』
『来週の週末に、もう一回怪談話するんだけど、君もどう?』
ははっ、もうあんな思いはゴメンだ……
『いや、俺は……』
『やめとけって、アルミン……ジャン坊は怖くて参加出来ねぇよ……』
野郎……肩を小刻みに揺らしてやがる。笑いをこらえてるのが丸分かりだ。
『おい、アルミン……』
『う、うん』
『俺は……参加するぞ……』
『うん、わかった!』
『楽しみだね!』
そう言いながら笑いかけてくる、アルミンはどこか不気味だった。
はぁ、結局……俺も馬鹿だったな
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- 10 : 2017/07/18(火) 17:41:14 :
- 終わりです!また、なにか思いついたら書きますので、その時はよろしくお願いします!
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