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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

【性格入れ替えにつき】ダンガンロンパCP短編集【閲覧注意】

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  1. 1 : : 2017/06/12(月) 18:15:46
    こんにちは。このssを書く為に一時的に復帰した黒バラです。まず言えることは、【閲覧注意】です。以下の地雷の可能性のある要素があります↓

    ・性格入れ替え

    ・BL

    ・GL

    ・マイナーorシリーズ混合カプあり

    ・超展開注意

    ・一部の設定が変わってる



    これらのうち地雷がある又は読んでて不快になってきたらこのssから直ちに離れてルカさんのCPssで癒されましょう。荒らすのは時間の無駄なのでやめましょう。といっても執筆中はコメントができない仕様になります。荒らし以外でコメントしたい方は黒バラのグループ、【ダンガンロンパ(TSF又はカオス)】にお願いします




    それでは、温かい目で見てやってください!
  2. 2 : : 2017/06/12(月) 18:17:48





    Chapter1

    左右田←百田


    「迷子の二人のセプテット」





  3. 3 : : 2017/06/12(月) 18:23:06
    俺は百田解斗。希望ヶ峰学園に通う超高校級の宇宙飛行士。人と絡むのはあまり好きじゃない。睨みがキツかったり、無口だからか、生徒の多数からは不良だと思われてる。そんな俺にも…




    好きな奴ができた。







    左右田「ソニアさん!よければ一緒にお茶でもいかがですか!?」

    ソニア「お茶ですか!いいですよ!」








    左右田和一。超高校級のメカニック。派手な髪色と黄色いツナギ。しかしその反面、礼儀正しく、生真面目な面もある。しかしどこか人とはズレていて、どこから覚えてきたのか死語などを使う変人…







    そうだよ、俺はコイツが好きなんだ。悪いか?
  4. 4 : : 2017/06/12(月) 18:34:09
    俺が左右田を好きになった原因といえば、二ヶ月前の学年合同キャンプしかない。その時は俺とハルマキ、桑田に舞園に左右田でチームができていた。この時、初めて左右田と話した。アイツはよく笑うしみんなを笑わせていた。その時の俺は少し癒されていた程度だったんだが…キャンプの二日目の正午に俺が持病で吐血してしまったんだ。





    百田「ガハッ…!!」ビチャビチャ

    春川「百田!!大丈夫!??」

    桑田「そんな、百田!!」

    舞園「ど、どうしよう…!??」

    左右田「…」




    左右田「舞園。ケータイで学園長にこのことを連絡してくれねぇか」

    舞園「あっ、はい!」

    左右田「それと…罪木達がいる場所も聞いておいてくれ」

    舞園「えっ、どうしてですか?」

    左右田「罪木の所まで百田を運ぶんだ!」

    舞園「ええっ!??」

    桑田「そんな、無茶言うなよ!どうやって運ぶんだ!??」

    左右田「こんなこともあろうかと、オレのリュックの中に折りたたみ式担架を入れといた。それなら百田を運べるだろうよ」

    春川「本当だ、あるね」つ担架

    左右田「春川と桑田は担架を持って百田を運んでくれ。舞園は運んでる最中に障害物がないか見回しててくれ。オレは百田の容態を見る!!」

    こうして、舞園が学園長に連絡し、罪木達の居場所を確認した後、俺は左右田に見守られながら、担架で運ばれていった。

    左右田「頑張れよ、百田!ここで死んだら、オレや春川、舞園と桑田、それからたくさんのみんなが悲しむぞ!!」ギュッ

    百田「…」
  5. 5 : : 2017/06/12(月) 18:44:19
    そして俺は左右田達の迅速な対応、罪木の懸命な治療によって一命を取り留め、三時間で全快にまで回復した。あの時の対応、真剣な表情、そして心の底から心配してくれた、あの優しさ…俺はいつの間にか、アイツに恋をしていた。おかしな話だが、これは事実だし、俺の中で誇りになってるんだ。誰にも口出しはさせない。その恋心を二ヶ月間貯めに貯めて、ついに「告白したい」という形で爆発した。





    しかし、それは簡単なことではない。俺達は男同士。日本には同性愛に対して残酷な思考が渦巻いているから、このままでは俺と左右田はホモ認定されるだろう。俺は別に構わないのだが、左右田はソニアを追いかけている点から、普通の人間であることがわかる。左右田に辛い思いをさせるのは嫌だ。だけど…左右田と付き合いたい…。…そうだ、こっそり思いを伝えれば、告白せずとも思いは伝わるはず。赤松とかがよくやってるように、プレゼントをあげればいいんだ。しかし何をあげよう…手頃なクッキーでも作るか…。愛情を込めることができれば、思いは伝わるだろう。早速俺は、家庭科室でクッキーを焼いた。
  6. 6 : : 2017/06/12(月) 18:56:18
    俺はできあがったクッキーを袋に入れて、左右田を探しに行った。研究所に向かうと、やっぱり左右田が入間と共に発明品を作っていた。

    左右田「おう!百田じゃねぇか!ん?その袋はなんだ?」

    百田「……これ、左右田に」

    俺はクッキーを左右田に渡す。

    左右田「おぉ!ありが盗塁王!早速いただくぜ!」もぐもぐ

    左右田はクッキーを一気に3つも食べてくれた。そんなに笑顔で食べてくれると内心嬉しい。しかし、左右田の笑顔は突然青く変色する。

    左右田「は…ハハハ…ごめん、もうお腹いっぱいになっちまった…入間、すまねぇ、便所行ってくるぜ…」フラフラ

    入間「だ、大丈夫ですか?顔色がとても…行ってしまいましたね…」

    俺の作ったクッキー、何か変な点でもあったか?俺はクッキーを一つ食べてみた。

    百田「…まずい…砂糖と塩を間違えた上に何故か烏龍茶の茶葉が入ってる…今頃左右田は…」

    ……次の手、考えるか………。
  7. 7 : : 2017/06/12(月) 19:07:39
    クッキーがダメだとすると次は…やっぱり左右田が好きなメカか改造バイクしかねぇかな…しかし、俺は訓練生だから、NASAとかにメカは借りられない。不良でもないから改造バイクなんてものは持ってない。いったいどうすれば…。

    ブルルルルルン!!!!!

    百田「!」

    不良「ふぅ!!ここいらで食いもん買うかぁ!!」ストン

    俺の目の前に現れたのは、派手な改造バイク。まだ機械類に触れていない俺でもわかる。あの改造バイクはなかなかの性能だ。これなら左右田も喜んでくれるだろう。俺は気づけば不良の改造バイクに手を出していた。

    不良「おいコラァァァァ!!!!なにオレの愛車に手を出してんだおぉん!???」

    百田「うるせぇ、これが欲しいんだよ」

    不良「人のモン取ったらダメってママに教わらなかったのかよ!!!」ボゴッ!!

    百田「ぐっ…!」

    不良に殴られた。しかし左右田のためだ。あの改造バイクを手に入れないと。俺も不良に殴り掛かる。殴って蹴って、殴って蹴っての戦いは5分間続く。…しかし、不良の方が強かったようで、俺は地べたに倒れたまま動けなくなってしまった…体はもうボロボロだ。

    百田「う…ぐ……」

    不良「なんだよぉ!!オレのバイク欲しい割には大したことねぇじゃねぇか!!あばよ!!バイク泥棒さんよぉ!!」ぐおっ

    不良の拳が高く振り上げられる。俺は意識が薄れていく中、左右田のことを考えていた。今日、俺のせいで嫌な思いをさせてしまった…謝れなかったな…。








    バキッ!!!

    不良「がっ!???」
  8. 8 : : 2017/06/12(月) 19:19:07
    不良が右に転がっていく。誰かが不良に蹴りを御見舞したのだろう。いったい誰が…?


    春川「百田!!」

    そこにいたのはハルマキだった。なんでハルマキがこんな街中に…。

    不良「てめぇ!!関係ない奴はすっこんでらぁぁぁぁ!!!!」

    殴りかかってきた不良に、ハルマキは飛び蹴りを御見舞した。不良の鳩尾に深くハルマキの足が突き刺さる。

    不良「ぐ…ぐぅい…くそぉ!!覚えてやがれ!!!」ブロロロロロ…

    不良は改造バイクに乗って去っていった…。

    百田「…チッ……せっかくの……改造バイクが………」

    春川「百田!?せっかくの改造バイクって…どういうこと!??」

    あぁ…ハルマキが食いついてきた…。ハルマキの目は真剣でまっすぐな赤い瞳をしている。その目で問いただされると、こちらが悪いように感じるのだ。まぁ今回は俺が悪いけどな。

    百田「あのバイクが…欲しかったんだよ……」

    春川「なんで!??盗んでまで欲しかったの!??盗難はダメでしょ!??」

    百田「……」

    春川「理由を教えて!」

    百田「…?」

    春川「アンタが不良に喧嘩ふっかけてまであの改造バイクが欲しかった理由を教えてよ!返答次第じゃぶっ殺すけど、意味がある理由なら相談に乗るから」

    …ハルマキには隠し事はできねぇな。俺は正直に俺が左右田に恋していて、そのためにプレゼントをあげて思いを伝えたかったことを話した。
  9. 9 : : 2017/06/12(月) 19:29:37
    春川「…え?」

    百田「…やっぱり、男が男を好きになっておかしいかよ」

    春川「…ううん、違う。アンタが左右田先輩のことが好きなことが意外だっただけだよ。…そんなことより、ただプレゼントを渡すだけで、気持ちが伝わる訳ないでしょ!!」

    百田「…は?」

    春川「赤松だってね、プレゼントを渡す前に、その人と向き合ってるの!!その人と話して触れ合った後で友愛や恋の証のプレゼントを渡してるんだよ!!でもアンタはプレゼントだけで思いを伝えようとしてるじゃない!!そんなんじゃ、左右田先輩は気づかないよ!!」

    百田「…じゃあどうすりゃいいんだよ」

    春川「決まってるでしょ、素直に告白するのよ!!面と向かって、自分の言葉で!!」

    百田「…でも、誰かが見てて、噂として広まるのは嫌なんだよ。左右田を傷つけたくない」

    春川「それなら私が人払いするから、アンタは告白の場所と言葉を考えてよ!左右田先輩が振り向いてくれるような告白を!!」

    百田「…」



    生真面目で礼儀正しいが、天然が入った左右田。ソニアのことが本当に大好きで、アイツの中にはソニアしかないのだろう。



    それでも。俺はアイツのことが好きだ。




    百田「…わかった。やるよ。絶対に振り向かせてみせる」
  10. 10 : : 2017/06/12(月) 19:42:11
    俺は次の日、包帯でぐるぐる巻きになりながらも、左右田に告白するため、屋上に来ていた。プランはこうだ。左右田のロッカーに宛名のない手紙を置く。その内容は「あなたにどうしても伝えたいことがあるので屋上まで来てください。13時にお願いします」というものだ。そして屋上に来た左右田に俺の思いを伝える…というものだ。古いし怪しいが、アイツにはあれが響くだろう。もしかしたらソニアを追っかけてて手紙の存在を忘れる場合もありそうだが、その時は無理やりにでも屋上に連れていこう。俺がそう思っていた矢先。

    ガチャ…



    左右田「あれ?百田じゃねぇか!どうして屋上へ?」

    き、来た!

    百田「どうしてって…その手紙の意味がわかんねぇのかよ?」

    左右田「えっ…あっ!もしかして、この手紙書いたの、お前か!?…でもなんでオレを呼び出したんだ?」

    百田「… (その)…」

    左右田「?」^^*

    言えよ…言うんだ…俺の気持ち…溢れるほどあるんだろ…!!!









    百田「アンタのことが…好きだよ、左右田……アンタに恋してる」

    左右田「…え?」

    百田「二ヶ月前からずっとアンタのことが…気になってたんだ…アンタが、ソニアのことが好きなの、知ってる……けど、せめて、この気持ちだけは、伝えたくて……」

    左右田「百田………」
  11. 11 : : 2017/06/12(月) 19:51:42
    左右田「オレのこと…愛してくれるんだな…とても嬉しいよ。ソニアさんも他の人も、そこまでオレを愛してくれなかったから…泣くほど嬉しい。ありがとう…」ポロポロ

    百田「左右田…!」

    左右田「でもな、オレはソニアさんと恋仲になりてぇんだ。いつも国民やみんなのこと考えてて、常識人で、いつも賑やかなあの人が…オレが振り向かせたい相手なんだ。だから…お前の恋心には応えてやれない。友達のままで…なんてダメだろうな…お前の気持ちに応えてやれない奴が何言ってんだってことになるよな…」

    百田「……いや、友達でいいよ」

    左右田「え?」

    百田「別に成功するとか思ってなかったからな。どうせそう言うだろうと思ってたんだ。俺がただ、アンタにこの思いを伝えたかっただけだ」

    左右田「…ありがとう」

    百田「やるからには本当にやれよ。ソニアと付き合えなかったら殺すからな」

    左右田「そんなこと言われても!??」
  12. 12 : : 2017/06/12(月) 20:00:47
    〜春川の部屋〜

    百田「…」

    春川「お疲れ!どうだった?告白は!!」

    百田「…振られた」

    春川「…そっか」

    百田「…俺が告白した時、アイツ、泣いてくれたんだ。嬉しいって。ここまで愛してくれたのは俺が初めてだって。それでも…」ポロポロ

    百田「アイツは本当にソニアのことが好きなんだ。そうじゃなきゃ俺を振ったりしない。…そもそも俺が好きなのは、ソニアのことが好きな左右田なんだ。簡単に俺になびくような奴じゃねぇよ」ポロポロ

    春川「…百田。今日は寝よう。色々仕込んで疲れたでしょ。みんなには内容を隠して伝えておくから」

    百田「…あぁ……」

    春川「左右田先輩はアンタが告白してくれて、本当に幸せだと思うよ。左右田先輩もアンタ程じゃないけど、アンタのこと、愛してくれるだろうさ」

    百田「………」zzz

    春川「…もう寝ちゃったか。今日はゆっくり休みな。おやすみ、百田」ナデナデ
  13. 13 : : 2017/06/12(月) 20:01:49






    Chapter1

    「迷子の二人のセプテット」

    END



    NEXT STAGE…→→→→→
  14. 14 : : 2017/06/13(火) 17:39:39




    Chapter2

    百春

    「風が吹けば君は笑う」



  15. 15 : : 2017/06/13(火) 17:47:06
    数日前。百田は左右田に自らの思いを全て告白した。その思いは左右田の心を掴み、彼に幾つかの涙を流させる程だった。




    しかし、それでも百田は左右田の恋人にはなれなかった。






    あれ以来、百田は虚空を見上げることが多くなった。親友の最原が10回呼びかけてやっと気づく程にぼーっとしていた。食堂にいる時も…。



    百田「…」ボーッ

    キーボ「おいチェリー田!!オレ様、入間に新機能付けてもらったんだぜ!!いいだろ!!」

    百田「…」ボーッ

    キーボ「…?おい!!無視してんじゃねぇよ!!人間風情が!!」

    百田「…」ボーッ

    キーボ「ひぐぅぅ…ガン無視やめてよぉ…」

    ゴン太「うわ、無視されてやんの!ねぇ百田君、どこ見てるの?」

    百田「…」ボーッ

    ゴン太「…!??し、死んでる…!???」

    王馬「えっ!?百田ちゃん、死んでるの!??」

    赤松「いや、普通に生きてるよ…」

    わいのわいの

    春川「…」
  16. 16 : : 2017/06/13(火) 17:54:20
    その次の日の朝。百田の起床時間はあの出来事から少し遅めになっていた。起きるのも億劫そうに、のそのそと布団を出る。その瞬間。

    ガララッ!!!

    春川「百田!!旅行行くよ!!!」

    百田「…は?」

    春川「旅行だよ旅行!!一週間、世界を回るの!!」

    百田「…何馬鹿言ってんだよ。修学旅行じゃあるまいし…それに才能研究の時間が…」

    春川「授業の面は大丈夫。学園長先生が私と百田の今日から一週間分の外出許可を降ろしてくれたから!」

    百田「…(学園長もハルマキも何考えてんだ…?)」

    春川「それじゃあ行くよ!まずはアメリカ!!」グイグイ

    百田は為す術もなく春川に連れられ、アメリカへと旅立ったのだった…。
  17. 17 : : 2017/06/13(火) 18:07:15
    一日目
    アメリカ@ニューヨーク

    春川「ふぅ、暑い!6月はもうこんなに気温が高いのね…」

    百田「当たり前だが東京より広いな…それに、ビルや娯楽施設が多いな」

    春川「ここは誰もがヒーローになれる街だって!百田も行ったことあるでしょ?」

    百田「まぁな…で、なんで俺を旅行なんかに…」

    春川「あっ!自由の女神!」

    百田「…」

    春川「やっぱり実物見ると緊張するわね…願い事を言えば叶うかな?」

    百田「日本の七夕じゃねぇぞ…」

    春川「…」チラッ

    百田「?…なんだよ」

    春川「…よし、明日はフランス行くわよ!そうと決まればホテルに向かうわよ!!」

    百田「…予約してあんだろうな」

    春川「してるって!」
  18. 18 : : 2017/06/13(火) 18:16:29
    二日目
    フランス@パリ

    春川「凱旋門おっきいね!」

    百田「…まぁな……」

    春川「パリには観光施設がたくさんあるよね!エッフェル塔にルーブル美術館、ベルサイユ宮殿…この1日でどのくらい回れるかしら?」

    百田「…だからハルマキ……」

    春川「あっ!このマンガ、日本のフランス語版だ!!」

    百田「……」

    春川「うーん…読めない!百田!読んで!!」

    百田「しょうがねぇな…」





    春川「あー!たくさん回ったー!パリ以外にも少しだけ行けたし、もう満足!」

    百田「…別に、ただ見て回っただけだろ…次はどこ行くんだよ」

    春川「次はイタリアに行こうと思って」

    百田「ハァ…なんでこんなことになったんだか」
  19. 19 : : 2017/06/13(火) 18:26:13
    三日目
    イタリア@ローマ

    春川「今、コロッセオに来てるけど…なんだかかっこいい!闘技場としてしっかりしてる!!」

    百田「言うと思ったよ」

    春川「ローマはフランスのパリに負けず劣らず、観光施設がたくさんあるから、今日もヘトヘトになりそう!」

    百田「俺をヘトヘトにさせてまで旅行がしたいのかよ?」

    春川「違う」

    百田「!」

    春川の表情がガラリと変わった。最近見た、真剣でまっすぐな赤い瞳。その瞳からは逃れられない。

    春川「アンタ…学園で過ごしてる時よりいい顔してるけどね」

    百田「何の話だよ…」

    春川「でも、まだ足りない。明日は中国行こう」

    百田「あ、あぁ…」

    百田(足りないって何がだよ…)
  20. 20 : : 2017/06/13(火) 18:38:32
    四日目
    中国@北京

    春川「わぁ!やっぱり万里の長城って高い!綺麗!見ろ!人がまるで」

    百田「やめとけ。…中国もなんやかやで楽しいな…遺跡とか、城や動物園も日本とは違う文化がある」

    春川「おっ!初めて笑った!」

    百田「は?」

    春川「百田ってば、今日までしかめっ面ばかりだったから、笑ってくれたのが嬉しくて!!」

    百田「…別に俺の笑顔とか、お前に何の利益があるんだよ」

    春川「百田が元気になってくれればそれでいいの!!」

    百田「…」

    百田はそこで初めて春川の狙いに気がついた。いや、正確には、春川の狙いに一歩近づいた。まぁ春川が答えを言っているようなものだから仕方ないのだが。

    百田「お前、俺を元気づけるために…」

    春川「いやっ!!…な、なんのこと〜?」アセアセ

    百田「とぼけるなよ…傷心旅行ならそう言えばいいのによ」

    春川「傷心旅行なんかにさせないよ」

    百田「…は?」

    春川「この旅行は、立派な冒険譚にする!そのために、付き合ってよ、助手!」

    百田「…???」

    春川「次の日はオーストラリア行くわよ!」
  21. 21 : : 2017/06/13(火) 18:49:30
    五日目
    オーストラリア@シドニー

    春川「海だぁーーーーっ!!!!」

    百田「泳ぐのか?」

    春川「当たり前でしょ!!ほら、百田も!!」グイッ

    百田「わかってるよ」

    .。o○ ○o。.

    春川「…」

    春川魔姫は悩んでいた。大切で、なんでも話せて、大好きな百田。そんな彼に何を伝えるべきか。この一週間の間に、自分の気持ちが彼に伝わっているか。旅行してたくさん百田と触れ合うことで、彼は鬱状態から立ち直りつつある。そんな彼に与える言葉と気持ちは…。春川は、頭で考えることに慣れていない。なので、言葉を整理することは苦手な部類に入る。しかし。やらねば、きっと彼が真に立ち直ることはないのだろう。自分がこの行為をすることで、百田の精神が回復するとは毛頭思っていない。でも、それが例え自分のエゴでも。やるべきだ。春川はそう決意した。





    春川「私の勝ち〜!!」

    百田「お前の泳ぎ、どうなってんだよ…」

    春川「企業秘密!それより、明日は南アフリカ共和国行くわよ!!」

    百田「アフリカか…さすがに行ったことない」

    春川「なら尚更行かなきゃ!!」
  22. 22 : : 2017/06/13(火) 19:06:12
    六日目
    南アフリカ共和国@ケープタウン・ボ・カープ

    百田「…ここ、本当に南アフリカかよ…」

    春川「南アフリカ共和国は最近、先進国に近づいてきてるから!でも、あの建物の影からひょこっと、ライオンとかが現れるかもよ〜?」

    百田「おい、そんな冗談やめろ」

    春川「怒んないでよ!あ、現地の人が話しかけてきた!」

    南アフリカ人『あれ?君たち、カップルかい?』

    春川「ん?えーと…」

    百田「あぁ、英語で話せるか試してみるよ」

    百田「Can you speak English?」

    南アフリカ人「Yes,I can! You guys are just like lovers!」

    百田「なっ!??」

    春川「え?なんて言ってた?」

    百田「」むんず

    春川「えっ!??」

    ズルズルズル…

    南アフリカ人『おや?なんで彼はあんなに複雑そうな顔をしてるんだろう?何かマズイこと言ったかな?』





    百田「…」しょぼん

    春川「な、なんでしょげてるの…?」

    百田「…なんでもねぇよ。明日で旅行、最後だろ。どこ行くんだよ」

    春川「明日はジャバウォック島だけど…」

    百田「…そうか」ポロポロ

    春川「え!??な、泣かないでよ!!あの人に何か酷いこと言われたの!??」

    百田「アイツは普通のことを言っただけだ。そう、普通のことを…」ポロポロ

    春川「…」
  23. 23 : : 2017/06/13(火) 19:34:05
    最終日
    ジャバウォック島@チャンドラービーチ

    春川「ジャバウォック島の海はどんなかな〜?」チャポン

    百田「なぁ…ハルマキ」

    春川「どうしたの?百田!昨日から浮かない顔してないで、今のうちに吐き出しなさいって!」

    百田「…俺、やっぱり左右田のことが好きだ」

    春川「うん、知ってる。相談してくれたからね」

    百田「昨日、南アフリカ人の奴に、俺達が恋人みたいって言われた…きっと、普通は喜ぶべきなんだろうが…なぜだか悲しくなった。多分、左右田の中にはソニアしかないのと同じで、俺の中には左右田しかないのかもしれない」

    春川「…」

    百田「告白して、踏ん切りつけたつもりだが…それは違ったみてぇだな…隣に左右田がいて欲しいんだ…せっかく、ハルマキが俺と旅行してくれてるのによ。またこんな考えになっちまって…実現するはずはねぇのに…願っちゃ、いけねぇのによ…」ポロポロ

    春川「…百田。ここで卑怯なことをする私を許して」

    百田「…?」

    ギュッ

    春川は、百田を優しく抱きしめた。綺麗な雛鳥を、優しく撫でるように。

    春川「私はアンタしかない。アンタのことが大好きだよ…」

    百田「ハル、マキ…?」

    春川「旅行に連れてったのも、傷ついてるアンタを見たくなかったから。アンタを癒して、告白して…無事に恋人になるのが、私のプランだった」

    百田「…じゃあ、なんで俺のこと応援してくれたんだよ…?」

    春川「左右田先輩のこと、好きだって知った時は、とても悲しかった…でも、それでアンタのこと邪魔して傷つけたくはなかったから。素直に応援したんだ。百田が振られた時、私は内心安心した。これでまだ私がアンタを生涯に渡って支えるチャンスがあるって知れたから…でも、アンタの悲しみと恋心はずっと深いんだね…







    だからって、退いてあげない、百田、私の恋人になってください!」

    百田「…え?」

    春川「アンタが傷ついているなら、私ができるところまで癒す、左右田先輩と同じくらいまでアンタを幸せにしてみせる!アンタが私をどう思ってるかは気にしない!私はアンタを…!」

    百田「…ハルマキ、それがどれだけ辛いことか、わかって言ってるのかよ…?」

    春川「それでもアンタを幸せにする!そのために、私は…!」

    百田「自分を犠牲にしてまで俺を愛するって言うのかよ!??俺は、お前のこと、そこまで好きじゃないんだぞ!!!」

    春川「百田が私のことが形が何であれ、好きならそれでいいんだ」

    百田「…!?」

    春川「だからお願い。恋人ってことにしてください」

    少しだけ悲しそうに笑う春川の願いに、百田は応えるしかなかった…。
  24. 24 : : 2017/06/13(火) 19:43:28
    旅行から帰還して、春川は全校生徒に自分と百田が付き合うことになったことを伝えた。ほとんどが祝福した。しかしその中に、二人の愛がチグハグだということに気づく人間はいなかった。真っ先に祝ってくれたのは左右田だった。彼は百田に言った。

    左右田「あの時、お前を傷つけちまったからな…これ、償いのつもりのメカだ!ゲラゲラポーと笑ってくれよな!幸せになってくれよ!」

    百田は、この時、春川が旅行最終日に言った言葉を頭の中で反芻していた。




    「アンタが傷ついているなら、私ができるところまで癒す、左右田先輩と同じくらいまでアンタを幸せにしてみせる!アンタが私をどう思ってるかは気にしない!私はアンタを…!」






    百田「…ああ、ありがとな」

    百田は約束を反芻し続ける。

    春川は現実と向き合いながら無償の愛を恋人に注ぐ。

    この関係は死ぬまで続くのだろう。春川の心の傷跡は、死ぬ時には無数に広がっているだろう。彼らは。普通の人間ならば、すぐに壊れてしまう関係を。その強靭な精神力と不釣り合いな愛で。繋ぎ続ける。
  25. 25 : : 2017/06/13(火) 19:44:35





    Chapter2

    「風が吹けば君は笑う」

    END

    NEXT STAGE…→→→→→





  26. 26 : : 2017/06/14(水) 18:08:30




    Chapter3

    ペコ豚


    「無問題詐欺バースデイ」




  27. 27 : : 2017/06/14(水) 18:31:08
    ※このssの豚足ちゃんは女性です。ふざけるなと思ったら黙ってブラウザバック




    ここは超高校級の剣道部、辺古山ペコの部屋。そこの主である辺古山は、手紙を書いていた。愛する人に愛を伝えるための恋文。その送り相手は名前も戸籍も自分の姿もない、超高校級の詐欺師。辺古山は恋をしている。同じ性別の名もない詐欺師に。彼女の笑顔は太陽のようで、見ているとこちらも心が暖まる。友達を大切にし、誰かが一人になるのをほっておけない彼女の優しさは一国のプリンセスのようで、その優しさを独占してしまいたくなる。そのようなことを恋文にしたためていた…。





    コンコンコン!!

    辺古山「!!!」

    ふと、扉を叩く音が。誰が来たのかはわかっている。辺古山は急いで自分のデスクに恋文をしまった。鍵をかけておくのを忘れない。そして、満を持して、扉を開けた。

    九頭龍「おう、ペコ。ちょっといいか?」

    辺古山「坊ちゃん!か、構いませんよ!例の件でしょう?」

    九頭龍は困っていた。最近、希望ヶ峰学園は食糧難にある。何故か野菜や肉などの食料が調理するまでに半分(希望ヶ峰学園に通う全校生徒はかなりの人数。つまり…)何者かによって食い荒らされてしまうのだ。この事件の解決に協力したのは九頭龍組だった。部下達が、「坊ちゃんを飢餓にする訳にはいかねぇ!!」ということで勝手に引き受けたのだ。しかし九頭龍もこの事件について、調べたいと思っていた。九頭龍組の情報網は下手すれば警察よりも広いだろう。それでも、未だに犯人の正体さえわからない。

    辺古山「犯人はいったい何者なのでしょう?おそらく、食い荒らされた食料の量から、複数犯でしょうが…」

    九頭龍「犯人はなかなか慎重かつ頭のキレる奴だ。ペコ、食堂をきっちり見張っててくれ…」

    辺古山「わかりました!任せてください!」
  28. 28 : : 2017/06/14(水) 18:41:02
    九頭龍「じゃあ、頼んだぜ」バタン

    辺古山「………はぁ……よし、バレてはないようだな…」

    辺古山は言い出せないでいた。豚神が好きだ。その気持ちを主である九頭龍に言えずにいた。九頭龍は辺古山が敬愛する御主人であり、共に育ってきた幼なじみだ。そんな九頭龍に、豚神が好きなことを伝えて、九頭龍に恥をかけないだろうか…。自分は九頭龍組の道具。道具が色恋沙汰に手を出して、九頭龍の顔に泥を塗りかねないと思うと、ゾッとする。尊敬する主人に不快な思いはさせたくない。しかし…豚神は意外と男女構わずモテる方だ。その原因を自分が振りまいているとは知らずに。いつどこで誰が豚神に告白して、豚神がどこの馬の骨とも知らない奴と交際すると思うと、いても経ってもいられなかった。辺古山はこちらの方を何とかしたかったのだが…。

    辺古山「…言えるわけないよな…坊ちゃんにも、十神にも」

    辺古山は深いため息をついた。
  29. 29 : : 2017/06/14(水) 18:50:07
    ガラッ!

    日向「どうしたんだよ辺古山?」

    辺古山「!???」ガタッ

    突如現れた日向に動揺しかない辺古山は勢いよく立ち、臨戦態勢に入っていた。

    狛枝「日向クン、勝手に入っちゃ…!?辺古山さん!!木刀をしまって!!!」

    辺古山「あ……すまない………」スッ

    愛刀、黒龍丸を定位置に戻した辺古山は、一般的な質問をした。

    辺古山「何しに来た」

    日向「超高校級の相談窓口としての活動を狛枝も誘ってしているんだが、辺古山の部屋が開いていてな。何か悩みでもあるのか?」

    辺古山「いや…」

    辺古山は遠慮気味に顔を背けるが、狛枝は続ける。

    狛枝「辺古山さん、何か重大な悩みがあるなら言った方がいいよ。日向クン、頭はおかしいけど、悩んでる人の相談には乗ってくれるから」

    日向「頭おかしいか?」

    辺古山「……かなり真剣に悩んでるんだ…笑ったり言いふらしたりしたら斬るからな」

    日向「わかってる。話してくれよ。俺にできることならなんでもするから!」

    辺古山「実は…」

    辺古山は、豚神に対する恋心、それを九頭龍に言い出せないもどかしさを二人に伝えた。
  30. 30 : : 2017/06/14(水) 19:04:38
    日向「なぁ、それを九頭龍に言う必要があるのか?告白して交際することになってから言ってもいいだろ」

    辺古山「あるだろ!!!一番お世話になってる主なんだぞ!!それに道具が勝手に行動する訳にもいかんだろ!!!」

    狛枝「それに、九頭龍クンが辺古山さんのお願いを断るはずがないと思うんだけど…例えそれが恋愛相談だとしても」

    辺古山「だって…言ったら坊ちゃんの顔に泥を塗りかねないじゃないか……」

    日向「うーん、こういうのは実際に言った方が早い!おーい!九頭龍ー!!」

    辺古山「だー!!!言いふらすなと言ったばかりだろうがぁぁぁぁぁ!!!!」

    九頭龍「なんだ?」

    日向「辺古山がお前にお知らせだと」

    九頭龍「何のだ?」

    辺古山「え、えーと、その……怒らないで聞いてくれますか…?」

    九頭龍「なんだよ、言ってみろ」

    辺古山「…私……好きな人ができたんです」

    九頭龍「えっ」

    辺古山「と、十神なんですけど…」

    九頭龍「は」

    辺古山「同性だし、十神は戸籍を持ってませんけど、それでも私は、太陽のようなアイツが好きなんです…!許してとは言いません…!それだけ、伝えたかったんです……」

    九頭龍「…ペコ」

    辺古山「はっ!!」

    九頭龍「お前が、愛する人ができたんだな…心の底から嬉しいし、祝福するよ」

    辺古山「え…責めないのですか?」

    九頭龍「なんでお前の恋愛に口出しとか責めたりとかする意味がある?大事な幼なじみの恋に応援しない訳はねぇだろ」

    辺古山「…」ポロポロ

    九頭龍「それを十神にも伝えてやれ。頑張ってくれよ」

    辺古山「は…はい!!」タタッ

    日向「よかった!お前ならそう言ってくれると思ったぞ!」

    狛枝「…あれ?九頭龍クン?」

    九頭龍「…ペコ、お前に告白できなかった弱虫なオレを許してくれ…」グスッ

    日向「…九頭龍…そっか、辺古山のことが……」

    九頭龍「ペコ……どうか、どうか幸せになってくれよ……」
  31. 31 : : 2017/06/14(水) 19:19:08
    辺古山「十神!今どこにいるんだ!??」

    辺古山は行先もわからずただ豚神に告白するために走っていた。しかし検討はついている。食堂だ。彼女は今頃お腹を空かせて泣いているに違いない。食堂荒らしめ。本当に恨むぞ。大好きな太陽を雨模様にした犯人にはキツイ罰を受けてもらう他ない。そうこうしている内に食堂についた。そこには…







    食堂の食料を貪る豚神がいた。







    ……何やら予想とかなり違う光景が広がっているが、そんなの関係ない。食堂にいるのは豚神一人。今がチャンスだ!!

    辺古山「十神!!!」

    豚神「む、むぐ!??」ごふっ

    辺古山「あぁ、大丈夫か、十神!??」

    豚神「ん…もう!!びっくりしたよ!!」

    ぷりぷり怒っている豚神も可愛らしい。…と思ってる場合じゃない。

    辺古山「すまないな…お前に話があって」

    豚神「え?ボクに…?な、何の話なんだよっ!??」

    何故か辺古山に怒り続ける豚神。辺古山は心当たりが全くなかった。…もしかしたら自覚がないだけかもしれないが。

    辺古山「十神。真剣に聞いてくれ。私はお前のことが好きだ。結婚を前提に付き合ってほしい」

    豚神「…へ?」

    辺古山「…お前は戸籍がないから、結婚は…難しいのはわかってる。それでも、私はお前を愛し、お前を養いたい。返事を…いつでもいいからよこしてくれ」

    豚神「…」フルフル

    辺古山(やはり…ダメか…?)









    豚神「うわぁぁぁぁぁん!!!!」ダバーッ

    辺古山「え…な、なんで泣くんだ!??」
  32. 32 : : 2017/06/14(水) 19:42:00
    豚神「ぺ、辺古山さんには…き、嫌われてるかと思ってたぁ…グスッ…辺古山さん、最近、うぅっ、ボクと遊んでくれないからぁ…」エグエグ

    辺古山「遊んでくれない…?…あっ!!」

    そういえば、辺古山はその恋心を自覚した4月から、豚神を自らの照れから避けていた。身体的にも精神的にも、0距離で密接するのはくすぐったかったのだ。

    豚神「それに、この前…ボクがしつこく誘ったら、マジギレしたし…」

    それも照れ隠しだ。ようやく思い出した。あの時は豚神の胸が体に触れすぎて、体が高潮して耐えられなくなったのだ。照れ隠しで豚神を傷つけてしまった愚かさに辺古山は後悔した。

    豚神「そのショックで、いつものご飯じゃ足りなくなって…グス…食堂の食べ物をたくさん食べちゃうんだ…」

    ここで明かされた衝撃の真実。食堂荒らしは豚神だったのだ。辺古山に嫌われているという誤解でショックを受けた豚神は、暴食に走った。全ては辺古山の身勝手から事件は始まったのだ。

    辺古山「十神…すまなかった…!お前を誤解させて…こんな暴食に走らせて…私は馬鹿だな…告白する資格もない…お前をたくさん傷つけたこと、本当に申し訳なかった…」

    豚神「ん…ボクとたくさん遊んでくれる…?」

    辺古山「それで、償うことができるなら…!」

    豚神「ボクと、付き合ってくれる!?」

    辺古山「は…!?」

    辺古山は告白された。世界で一番好きな、詐欺師の女の子に。先に告白したのは自分だが、これは…。

    辺古山「十神…お前、私のこと、好き…なのか?」

    豚神「うん…一緒に遊んでいる内に、君を目で追うようになってた…一匹狼だけど、心を許した人にはとても優しい君が好きで…君と色んなことがやりたくて…家庭を、築きたくなって…」

    もじもじと、照れながら言葉を紡ぐ豚神。辺古山の目からは涙が流れていた。両思いだとは思ってなかった。それに自分は愛する人を傷つけてしまっている。嫌われていてもおかしくないのに。

    辺古山「付き合う、付き合いたい…!行ける所まで、行きたい…!」

    豚神「…嬉しい…!それじゃ、早速ぐるぐるごっこしよう!」

    豚神の満面の笑みに、辺古山の心は浄化されていた。この子を、幸せにしてみせる。例え障害が多けれど、二人で乗り越える。それは償いであり、将来、夫婦になれる可能性がある者達として当然の事である。
  33. 33 : : 2017/06/14(水) 19:42:51




    Chapter3

    「無問題詐欺バースデイ」

    END

    NEXT STAGE…→→→→→




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kurobara

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