このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
【安価あり】モノクマ「妄想実現サセルンデス!」
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- 1 : 2017/04/16(日) 08:13:04 :
- ・このスレには多少なりのエロが含まれます。
・愛の鍵イベントのネタを多く含みますのでネタバレ注意な上にそれらのイベントを終えていない人も注意したほうがいいです。
・時々安価を取りますが、キャラ指定くらいです。
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- 2 : 2017/04/16(日) 08:33:24 :
- モノクマ「うぷぷ、みんな集まったみたいだね。感心感心」
百田「全員って……全員じゃねえだろ。終一がいねえじゃねえか!」
赤松「あっ…本当だ。最原くんがいないよ!」
ゴン太「ええっ!? 大変だよ。モノクマの言うことを無視したらお仕置きされちゃうんじゃ…?」
キーボ「た、大変です! 急いで呼びに行かないと…!」
天海「いや、待ってくださいっす」
キーボ「な、なぜですか!?」
天海「この状況。最原くんが来ていない状況にも関わらず、モノクマは話を進めようとしたことから考えて、元から最原くんは呼んでいないんじゃないっすかね」
百田「なにぃ!? どういうことだモノクマ!」
モノクマ「うぷぷぷ。本当君たちは気が早いよね。若いゆえにだよね!」
王馬「いいから、さっさと要件を話しちゃいなよ。面白い事が起こるってオレの勘が言ってるから早くしてほしいんだよねー」
モノクマ「うぷぷ。じゃあ言っちゃうよ? 言っちゃいますよ?」
モノクマ「パカパカパカーン! 妄想実現サセルンデス!!」
東条「……何かしらそれは」
モノクマ「これはみんなの妄想を実現させる夢のような魔法のアイテムだよ!」
夢野「魔法じゃと…? モノクマよ、見たところそのアイテムに魔力があるように見えんぞ」
入間「俺様から見てもちょっとでかいただの懐中電灯にしか見えねーぞ。こんなんじゃ童貞がシコシコすんのにも使えねーぞ!」
モノクマ「…はぁいきなり使えない扱いされるとか…悲しいなぁ。これはみんなのために作ったっていうのに…」
ゴン太「みんなのため…?」
モノクマ「みんなさ…ここで過ごしているうちに最原クンとすごい仲良くなったよね? …それで少なからず『もしこんな関係だったら』っていう妄想をしたはずだよ」
百田「あん? んなことしてる奴がいるのかよ?」
その問い掛けに何人かの人物は気まずそうに顔を逸らした。
モノクマ「うぷぷ。気まずいねー。まぁそれは置いといて。このライトはそんな君たちの妄想の最原クンを一時的に実現するためのものなんだよ」
モノクマ「つまり、このライトを最原クンに浴びせたら妄想通りの性格の最原クンになるってことだよ!」
白銀「えっと…そのライトを使うと最原君の性格や過去設定が変わってこっちの妄想したことに付き合ってくれる…ってことでいいかな?」
モノクマ「そうそう! じゃあ、これを使うか使わないかは君たち次第だからね! ばいばーい!」
「…………」
星「んで、どうするよ。これ」
赤松「どうする…って言われても…」
真宮寺「個人的な興味は尽きないけどネ。それに他の人たちが最原君に大してどんな妄想をしたのか…そっちにも興味があるヨ」
アンジー「主は言いました。とりあえず使ってみて様子を見てみよう、と…」
百田「いいや! ダメだ! これを使う相手は終一なんだろ? 万が一変な影響とかあったらどうすんだ!」
王馬「それなら、入間ちゃんが解析するってことでいいんじゃないの? 機械関係なわけだし」
入間「ひゃっはー! この私にかかればキーボだろうが、変なライトだろうがバラバラにして丸裸にしてやるぜ!」
キーボ「やめてください! ボクをこんなライトと同列に並べないでください!」
こうして、ライトは入間へと預けられて解析されることになった。
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- 3 : 2017/04/16(日) 08:44:10 :
………
………
ガタガタっ…!
「あった…。使い方は……普通の懐中電灯とほぼ同じ…」
カチッ…!
ライトの使い方を確かめて、その人物は寄宿舎へと戻っていった。
~翌朝~
赤松「おはよう!」
東条「おはよう。今朝食の準備をするわね」
赤松「ありがとう、東条さん!」
平和な朝。いつもどおりな朝のはずだった…。
キーボ「た、大変です!」
赤松「キーボ君、どうしたの?」
キーボ「さ、最原クンの様子がおかしいんです! もしかしたら昨日のライトが使われたのかも…」
赤松「え!?」
~寄宿舎前~
そこには最原を中心にみんながいた。
最原と一緒に中心にいたのは>>4
※人物指定。最原、赤松、キーボ、東条以外でお願いします。
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- 4 : 2017/04/16(日) 08:58:30 :
- 真宮寺
期待です。
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- 5 : 2017/04/16(日) 09:18:49 :
- 縛られてまう
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- 6 : 2017/04/16(日) 11:02:17 :
- 最原と一緒に中心にいたのは真宮寺。
最原は百田に羽交い締めにされて身動きが取れないようにされていた。
最原「真宮寺君…もう僕は気持ちが抑えられないんだ…」
百田「終一! どうしちまったんだよ!」
最原「離してよ百田君! 僕は…僕は…真宮寺君と一緒になりたいんだ…!」
王馬「へぇ、あのライトの効果ってこんな感じになるんだねー。しかもこれって、たぶんだけど、真宮寺ちゃんの妄想が最原ちゃんに反映された形なんでしょ? こんなこと考えてたんだねー!」
真宮寺「……いや、確かに彼の僕に対する接し方から僕のことを大切な存在、加えて民俗学に興味を抱いてくれてるんだ、とは思っていたけどネ」
入間「かーっ! 一緒になりたい、ってお前ホモじゃねえか! ここにスーパー美少女がいるっつーのにホモだから手を出さなかったってか!」
キーボ「それはともかく、最原君のこの状況。あの機械を誰かが使った、ということですか?」
赤松「え…? だ、誰が…?」
ゴン太「ご、ゴン太は違うよ! あの後すぐに寝ちゃったんだ!」
夢野「う、ウチも違うぞ…! 昨日はすぐにマナが切れてしまったからの…」
茶柱「て、転子も違いますよ!」
春川「……ここで誰が違うとか言っても意味ないんじゃない? とりあえず、最原をどうにかしようよ」
星「そうだな…」
真宮寺「いや、ちょっと待ってもらえるかナ?」
星「なんだ?」
真宮寺「今回は僕だったわけだけど、みんなの妄想が反映されるんだよネ? なら、どれくらい反映されているものなのか、見ておいたほうがいいんじゃないかナ?」
王馬「へぇ、真宮寺ちゃんが実験体になってくれるっていうんだ?」
真宮寺「クックック、今なら最原君を独り占めできるんだヨ? これほど嬉しいことはないと思うけどネ…」
その言葉に何人かが反応したが、いずれも今追求するべきではないということで無視された。
真宮寺「さて、最原君。君は僕のことをどう思っているんだイ…?」
最原「最初はただの友達だった…ちょっとずつ民俗学への興味に移って…最後には真宮寺君自身に興味が移ったんだ…。そして…もう自分を抑えられなくなったんだ…!」
真宮寺「…ふむ、なるほどネ。じゃあ、ちょっと僕の部屋に行こうカ」
百田「連れて行かせるか! 何をする気だ!」
真宮寺「冗談だヨ。ただ分析してみたけれど……恐らく、僕が以前した妄想が反映された形だネ。たぶん、ほかの人、恋人とか兄弟とかそういう設定で妄想してた人たちはその設定が最原君に適用されるみたいだネ」
王馬「なるほどね。『妄想実現サセルンデス』、その名の通りということなんだね」
赤松「……というか、その機械って入間さんが解析を頼まれてたよね…? じゃあ、使ったのって…」
皆の視線が入間へと向く。
入間「え? え? な、なんでみんなこっちを見るのぉ…?」
王馬「昨日このライトを預けた入間ちゃんが最原ちゃんにライトを使った犯人じゃないのか、ってことだよ。さっすが頭の回転が遅い牝豚だね!」
入間「ひぅぅぅぅぅぅ!!」
入間「はぁ…はぁ…で、でもぉ…昨日は疲れてたからライトは研究教室に残して早くに寝ちゃったのぉ……」
赤松「え?」
東条「つまり、昨晩に入間さんが寝た後に入間さんの研究教室に忍び込んで、ライトを使った人がいる、ということね?」
王馬「いいや! 入間ちゃんが嘘を言ってるだけかもしれないよ!」
百田「お前がそれについて言及してんじゃねえよ。んで、嘘かもなんて言ってたら何も信じれねえだろ」
天海「そのとおりっすけど…結局どうするっすか? このライトと……最原君」
最原「真宮寺君…! 真宮寺君…!」
真宮寺「あぁ、最原君に求められる…こんなにも心地よいものなんだネ…!」
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- 7 : 2017/04/16(日) 11:02:21 :
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赤松「とりあえず、無害なものに上書きする、とか?」
東条「…無害の定義にもよるわね。この人の妄想の最原君なら安全、なんて誰にも言えないでしょうし」
王馬「もうめんどくさいし使っちゃおっか!」ポチッ
赤松「あ…!」
ライトを浴びせられた最原は、>>8の妄想の最原になった。
>>8の秒数参照します。16以降の場合は以下の表の秒数から+15していったキャラを対象とします。例えば、百田なら16、31、46の秒数の時に対象になります。赤松は15、30、45、60(00秒)が対象になります。
名前 初期値
百田 1
星 2
天海 3
ゴン太 4
王馬 5
真宮寺 6
キーボ 7
東条 8
夢野 9
春川 10
茶柱 11
白銀 12
アンジー 13
入間 14
赤松 15
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- 8 : 2017/04/16(日) 11:10:16 :
- 10で
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- 9 : 2017/04/16(日) 11:56:25 :
- 百田か、無難そう
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- 10 : 2017/04/16(日) 12:40:46 :
- いや、無難そうな
やつほど…
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- 11 : 2017/04/16(日) 13:32:03 :
- ロマンを求めてるしな...
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- 12 : 2017/04/16(日) 22:49:11 :
- ライトを浴びた最原は一瞬ビクンと体を震わせて、力を失う。
百田「お、おい、終一?」
最原「ん……? あれ…ここは…」
百田「お、おい。終一。大丈夫か?」
最原「…え? ちょ、は!?」
バッと最原が百田から距離を取る。
最原「な、なんで…どういう状況なんだ…」
百田「ど、どうしたんだ終一…?」
最原「気安く僕の名前を呼ぶな百田解斗!」
百田「………」
最原の拒絶の言葉に口をポカーンと開ける百田。
他の人間もどうしたらいいかわからないようだ。
最原「百田解斗。この状況は君の仕業か…? 僕のことを捕まえていたってことは、君に原因があるんだろ…?」
春川「…百田、アンタどんな妄想してたの?」
百田「い、いや…なんつーか…」
言いづらそうに口をもごもごする百田に春川が軽く叩く。
春川「さっさと言いなよ」
百田「…終一がオレのライバルっていう妄想だった…はずだ…何かの勝負事の…」
赤松「いつもの最原君とは全然違う…。なんか高圧的…?」
春川「百田のライバルだから、勝気な性格とかも反映されてるんじゃない…? 真宮寺の時も真宮寺が好きになってたみたいだし…」
百田「…オレ、こんな妄想してたか…?」
最原「さっきから何をごちゃごちゃと…。見せつけやがって……」
春川「……見せつける?」
最原「自覚がないのか! 百田と春川さんは恋人なんだろ?」
この言葉に一瞬時が止まった。
春川「…は、はぁ!?」
百田「何ィィィィ!?」
春川は顔を真っ赤に、百田は驚きの声を上げた。
最原「何を驚いてるんだ。恋人がいないっていう話になって、そこの春川さんを連れてきて恋人だって宣言したんじゃないか。くっ…今思い返しても腹立つ…!」
春川「……あ、アンタ…そんなことまで妄想して…」
百田「ま、待て! 終一がライバルだったら、っつーのは覚えがあるが、そっちには覚えがねえぞ!」
春川「………」
春川はむすっとして髪をいじり始める。
そこまで強く否定しなくても、とか、妄想じゃなくて現実でやりなよ、とかブツブツと言っているが、最原と百田には聞こえない。
百田「……悪い。オレがここにいると終一が落ち着けねえみてえだから、一旦離れるぜ…」
なぜかひどく落ち込んだ様子で百田は離れていった。
赤松「えっと…最原君?」
最原「ああ、赤松さん。久しぶり。ここがどこだか知ってる?」
赤松「…あれ、最原君、私のことわかるの?」
最原「わかるの…? っていうのはよくわからないけど、ここにいるみんなはエアレースで知り合ったりした人ばっかりだから名前と顔だけは知ってるよ。」
東条「…ちょっといいかしら。最原君。私は何者かしら?」
最原「えっと、東条斬美さん。全日本エアレース女子部門のクイーン…だよ」
東条「…なるほど。どうやら、誰かの妄想が反映された上に、私たちにも何かの役割が与えられるわけね。」
王馬「へぇ、じゃあ最原ちゃん。オレは?」
最原「うわっ…王馬君じゃないか…。君の操縦はトリッキーだけど危なくて苦手だよ…」
王馬「なるほどねー。にしし、面白いなぁ。他の人の妄想も見てみたいなぁ…」
茶柱「な、何を言ってるんですか! いくら最原さんが男死とは言えそんな最原さんを弄ぶような…!」
夢野「そ、そうじゃ。そんなことせずともどうやって戻すかを考えたほうが…」
王馬「でもさ……気にならない?」
その言葉に全員が黙る。
もし、妄想通りに最原が自分に接してくれたら…と思ってしまい、皆の動きが止まった。
王馬「まっ、使うか使わないかはみんなに任せるとして…使いたい人は使うタイミングとか考えた方がいいんじゃない?」
王馬はニヤニヤしながら、その場を去っていった。
最原「えっと…つまりどういう状況なの…?」
東条「とりあえず食堂に行きましょう。現状について話すわ」
天海「……俺たちはモノクマかモノクマーズを探すっす。ちょっと一刻も早く最原君を元に戻す方法を探すっすよ」
星「付き合うぜ。ったく、人を弄ぶようなことしやがって…」
ゴン太「ゴン太も行くよ! こんな時じゃないと役に立てないからね…」
東条「お願いするわ」
こうして最原と共に食堂に行く組みとモノクマたちを探す組みとで別れた。
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- 13 : 2017/04/16(日) 23:08:26 :
- ~状況説明後~
最原「……つまり…今の僕はただみんなが妄想した姿を焼き付けられた偽物…ってことかい?」
東条「そうよ」
最原「……ははは…笑えない冗談だよ…」
夢野「冗談だったらどんなによかったかの…」
最原「……でも…確かに記憶の整合性が取れない…。みんなのことは知ってるけど、情報として知ってるって感じで思い出とか出会いとか…そういう記憶はまるでない…」
赤松「モノクマが作ったものだし、その辺いい加減なのかも…」
最原「……偽物、か…」
最原にとって今の自分が最原終一なのだ。
それが偽物と言われてとてもいい気はしない。
アンジー「終一? 悲しいのー?」
最原「……いや。なんていうか、現実味がないっていうか…問題が大きすぎてどうすればいいかわからないって感じかな…」
アンジー「そっかー。うんうん…」
アンジーは最原に近づくと…最原の頭を胸に包み込むように抱きしめた。
最原「あ、アンジーさん!?」
アンジー「よしよし。今の終一は迷子の子供みたいなものだよねー。寂しいよねー。辛いよねー。でも、大丈夫。アンジーは終一の味方だからねー」
子供をあやすように最原の頭を撫でるアンジー。
最原「…………」
赤松「…もういいかな?」
最原「うわっ!?」
ジトーっと赤松…のみならず、他の皆から見られていることに気づいた最原がアンジーから離れる。
アンジー「いつでも甘えていいんだよー?」
最原「…え、えっと、またの機会に…」
赤松「…とりあえず、最原君も混乱してるだろうし、1人で整理する時間を作ったらどうかな?」
東条「そうね。そうした方がいいと思うわ」
~最原の部屋~
最原は自分の部屋に案内された。
自分の部屋と言っても、現在の自分には全く見覚えがないのだが…。
最原「…百田君とレースしたあの記憶も…百田君に勝った時のあの記憶も…全部嘘…」
そう言われてもなかなか受け付けられない。
それに現実味がない。
まだ、知らないあいだに拉致されてここに連れてこられた、というほうが現実味がある。
最原「…はぁ、これからどうしよう」
コンコン…
最原「…? 誰だろう…」
そう言って最原は、来訪者を迎えるために部屋を出た。
その後は視界を覆い尽くすほどの白い光を浴びて意識を失った。
………。
モノクマ「うぷぷ…次は…>>14だね…」
※秒数参照。>>7を参照。秒数参照する理由はキャラの偏りをなくすためです(一部の人が同じキャラを推し続ける、とかなりうるので)
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- 14 : 2017/04/16(日) 23:09:34 :
- 期待ん!
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- 15 : 2017/04/16(日) 23:14:36 :
- 逆にそれだと特定のキャラが中々出なくなるって事になりそうだけどある程度キャラが出たら名前安価になるのかな
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- 17 : 2017/04/18(火) 23:02:07 :
- ~翌日~
赤松「最原くーん。」
コンコンと最原の部屋をノックする赤松。
赤松(昨日も思いつめた様子だったし、一晩立って落ち着いたかな?)
ガチャ…
最原「ああ、赤松さん。おはよう。今日も可愛いね」
赤松「……ふぇ!?」
最原「ああ、ごめんね。思わず言っちゃって。ゴン太くんを見習って紳士的に褒めるってことをやってみたけど、どうだったかな?」
赤松「あ、いや、あの……も、もっといってほし…じゃなくて! どうしたの、最原くん!?」
最原「どうしたのって…? どういうこと?」
赤松「昨日と全然様子が違うじゃん! シリアスに思いつめてたじゃん!」
最原「何の話…?」
赤松(まさか……またライトが使われた…!?)
赤松「とにかく食堂に行こう!」
最原「うん。いいよ」
と、階段を降りようとするときに最原が…。
最原「さっ。転ぶと危ないから、手を繋いで降りよう」
赤松「え? いや…え!?」
その後、しばらく最原の手を握るか握らないかで時間を取られることになる。
~食堂~
赤松「みんな! 最原くんがまた…!」
百田「終一がどうしたって?」
最原「おはよう、みんな。いい天気だね」
百田「お? おお?」
天海「…なんていうか、爽やかっすね。どっちかというと、最原くんは暗い印象があるんすけど」
最原「あはは、ゴン太くんと特訓する前までの僕はそうかもしれない。でも、今の僕は紳士とはどんなものであるかを完全に身につけたんだ。もう以前までの僕じゃないよ」
ゴン太「ゴン太と最原君、いつそんな特訓をしたの…?」
白銀「いや、昨日のライトが最原君に使われた、ってことだと思うよ…?」
星「つまり、こいつはゴン太の妄想の最原、っつーことか」
夢野「んあー…なんか、眩いのう…」
最原「あ、夢野さん。口にソースが付いてるよ…」
最原がハンカチを取り出し、夢野の口元を拭いてあげる。
最原「はい。綺麗になった。…ふふ、子供みたいなところもあるけど、そこが夢野さんの魅力だよね」
夢野「むぅ…褒めておるのか?」
最原「もちろんさ。そういったところも含めて、夢野さんは魅力的な女性だよ」
夢野「ん、んあー……」
茶柱「キェェェェェ!! 何夢野さんを誑かしてくれてんですか!」
最原「ああ、ごめんね。紳士は女性を大切にして、そして、褒めるものだと思ってるから…夢野さんのこともつい本音を言ってしまったよ。茶柱さんはそれが嫌だって前から言ってたのに…」
茶柱「わかったならいいです! さっさとその手を離してください!」
最原の手は夢野の頬に添えられている。
最原「はい。これで離したよ。…ところで、さっきから妄想の、とか何の話かな?」
赤松「また、説明しないとなんだね…」
赤松はこれまでの顛末を最原に説明した。
最原「……そうなんだ…」
赤松「…そうなんだ、ってあっさりしてるね」
最原「紳士は取り乱さないものだよ。…にしても、僕の今の記憶や経験は偽物ってことなのか…。じゃあ、あの約束も無効かな?」
赤松「約束って?」
最原「ゴン太君の女の子の扱いに対する特訓をする、っていうことを僕が女の子役でやるって約束してたんだ」
ゴン太「え!? ゴン太、そんな約束してたの!? いつ!?」
白銀「してないと思うから安心していいよ…」
星「まっ、本人に自覚のない約束事の話をしても仕方のねえ話だ。最原も、気にしなくていいんじゃねえか?」
最原「……いや、例えゴン太君に覚えがなくても、約束したんだ。特訓に付き合うって。それに、ゴン太くんも紳士として女性の扱いを上手くなりたいと思っているんじゃないの?」
ゴン太「…うん。前からもっと女の子に対する扱いを上手になりたいとは思っていたよ」
最原「よし、じゃあ僕、これから女装してくるから、ゴン太くんも特訓の準備しててよ!」
赤松「……え!?」
白銀「待って最原君!」
誰もが白銀は最原を止める、そう思った。
白銀「女装するならいいコスがあるからそっちでお願い!」
百田「けしかけんなよ!」
最原「ありがとう、白銀さん!」
そう言って、最原は食堂を出て行った。
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- 18 : 2017/04/18(火) 23:23:19 :
- 天海「どうするんすか? つーか、状況に流されたっすけど、なんでまた変わっちゃったんすかね?」
アンジー「神様は言ってるよー。夜のうちに終一を襲った人がいるってー…」
入間「ハッ! 童貞が部屋でシコシコ悩んでるところを襲われたってか!」
百田「つーか、モノクマの仕業じゃねえのか? オレらの誰かがやったっつー証拠もねえし…」
モノクマ「心外だなぁ。僕が生徒たちの交流を邪魔したりしないよ!」
天海「出たっすね。そうは言っても信じられないっすよ」
モノクマ「うぷぷ、まぁ信じる信じないはキミたち次第だけど、僕から言えることは、最原君を変えてしまった人はキミたちのうちの誰かだよ」
それだけ言い残してモノクマは去っていった。
百田「けっ、意味深なことを言いやがって…」
天海「…とりあえず犯人探しはともかく…これからどうする…って話をしようかと思ったんすけど……王馬君はどこっすかね…?」
天海の言葉に皆が見渡すが、王馬の姿はそこにない。
真宮寺「…ひょっとして、最原君にライトを使っているのって…王馬君じゃないのかナ?」
茶柱「そ、それって、今着替えに行ってる最原さんにまたライトが使われちゃうってことじゃ…」
赤松「…私、様子を見に行ってくるよ!」
赤松は食堂を飛び出した。
王馬「へぇ…これが>>19の妄想ね」
>>19 秒数判定。ルールも>>7と同じですが、百田、真宮寺、ゴン太で被った場合は最安価。被った場合は通知します。
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- 19 : 2017/04/18(火) 23:26:47 :
- 次は誰かなー
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- 20 : 2017/04/18(火) 23:28:40 :
- >>18
多分百田君の台詞なんでしょうけど表記が王馬になってますよ
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- 22 : 2017/04/19(水) 23:42:24 :
- 王馬「へぇ…これが星ちゃんの妄想ね」
息を若干切らせながら王馬は呟いた。
昨日、偶然 最原の性格や記憶に影響を及ぼすこのライトを見つけ、使ってみたのだ。
使ってみてわかったのが、実はこのライトの側面には最原を除いた15人の名前が書かれている。
その事実を知らずに適当に使った結果、目の前の最原は…
最原「気合が足らないよ王馬君! もっと! もっと自分を追い込んで! 高めるんだ!」
熱血マネージャーになっていた。
王馬はそんな最原に中庭を走らされていた。
王馬「ぜぇ…ぜぇ…も、もう…無理……」
最原「諦めちゃダメだ! 星君みたいになるんだろ!?」
王馬「い、いつオレが…そんなこと…」
最原「常日頃からだよ! だから、僕も全力で付き合ってるんだ!」
王馬「……さ、さすがにきっついね、これ…」
王馬が息を切らしてヘロヘロになった頃…。
赤松「最原君。…王馬君!?」
赤松に発見された。
最原「やあ、赤松さん! 君も運動しにきたの?」
赤松「いや、そうじゃないけど…」
最原「そっか。まぁ、マネージャーだからそんなに運動は必要ないかもしれないけど、たまにみんなの練習に付き合うのも悪くないよ?」
赤松「…え? マネージャー?」
その言葉に赤松は悟る。
再びライトが使用されたのだと。
赤松(どうしよう…たぶん、ライトってあそこに置いてあるやつだよね…。今の最原君を変えて別の誰かにするか…このままにするか…)
>>23 変更するか、しないか。変更する場合は、人物指定。
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- 23 : 2017/04/19(水) 23:45:50 :
- しない
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- 24 : 2017/04/20(木) 23:49:33 :
- 赤松「いや、そんな簡単に最原君の中身を変えるようなことしちゃダメだよね…」
最原「よし、王馬君! 僕も一緒に走るから一緒に頑張ろう!」
王馬「………」
王馬は返事をする余裕もなかった。
~食堂~
百田「…んで、そいつは終一にぶっ倒れるまで走らされたってわけか」
赤松「そうみたい」
星「…最原まで倒れてるのはなんでだ?」
赤松「たぶんだけど、妄想の最原君は運動もできるマネージャーだけど、体のほうが探偵だから、ついて行けなかったんじゃないかな?」
星「なるほどな。理想と現実のギャップがあったわけか…」
東条「とりあえず、冷たい飲み物は用意したわ。二人とも落ち着いたら飲んでね」
最原「…あ、ありが…とう…。あ…星君…」
星「なんだ。最原」
最原「はは…ちゃんと…名前で呼んでくれるんだね。」
星「…どういうことだ?」
最原「前は…お節介なマネージャー…って言ってたじゃないか…」
星「………ふん。ただの気まぐれだ」
とりあえず星は状況に合わせることにした。
最原「……相…変わらずだね…。そんな…ところも…含めて…やっぱり心配…だよ」
星「……オマエに心配される価値なんてオレにはねえよ」
最原「……そんなこと…ないよ……僕は……」
気づけば最原は疲れから、眠ってしまっていた。
星「…全く。オレがいつかした想像なんだろうが、こんな形になるとはな…」
百田「星…」
星「……情けねえよなぁ。こんな偽物の言葉でも喜んじまってるなんてよ…」
赤松「星君…」
星「…ふん、らしくねぇな。…ちと一人にしてくれ」
そう言って星は食堂を出て行った。
百田「偽物の言葉なんかじゃねえ。例え、モノクマのせいだろうが、いまの終一にとってはそれが真実だ。星にかけた言葉だって、終一にとっては本当の言葉だったはずだ…」
春川「……そうだね。後で星に言ってやったらいいよ」
真宮寺「…それで…また最原君が変わっちゃったわけだケド……どうするのサ? 」
赤松「どうするって…」
茶柱「ところで、これがあの最原さんを変えてしまうライトですよね? なんでここにあるんですか?」
入間「あぁ? 俺様の研究教室にあるはずなのに、なんでここにあんだ!?」
天海「…話の流れ的に王馬君辺りが盗んだんだと思うんすけど…」
夢野「ウチでもすぐわかったぞ…」
入間「な、なんでそんな哀れんだ目で見るのぉ…?」
赤松「きっと入間さんが目を離した隙に誰かが盗み出したんだろうね…」
百田「誰か、とかじゃねー! 王馬に決まってんだろ!」
王馬「し、心外だなぁ…オレはたまたま拾っただけだっていうのに…」
息も絶え絶えに王馬がゆっくりと起き上がってくる。
百田「あぁ!? だが、テメーは実際にライトを持ってたじゃ…」
王馬「だから偶然ついさっき拾ったばっかりだよ…。拾った場所は、寄宿舎を出てすぐのところにあるベンチだけどね」
百田「ああ、オレたちが筋トレで使ってるあの屋根付きの場所か」
王馬「そうそう。だからオレが盗んだわけじゃないよ! 嘘じゃないよ!」
天海「……なんで余計な一言付け加えちゃったんすかね?」
赤松「犯人探しなんていいよ…。とにかく、最原君を元に戻さないと…」
アンジー「……ホントーにいいのー?」
赤松「アンジーさん…?」
アンジー「あのライトを使ったらー、理想の終一になるんでしょー? 一度くらい見てみたくないのー?」
赤松「それは…」
見てみたい。しかし、素直にそう言葉にはできない。
アンジー「主は言いました。己の欲望に素直になれ、と」
百田「終一はおもちゃじゃねえんだぞ! そんなポンポン終一の中身を変えるような真似、許されてたまるか!」
白銀「んー…地味に正論かも?」
ゴン太「ゴン太、難しいことはわからないけど、ゴン太と同じように紳士になってくれた最原君は…同じ目標を持ってくれたみたいで少し嬉しかったかな…」
百田「余計なこと言うな! とにかく、オレは許さねえ!」
その後も決着は付かず、百田が頭を冷やしてくるということで部屋を出て行ったことでお開きとなった。
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- 25 : 2017/04/26(水) 22:33:17 :
- ~夜~
最原はゴン太が部屋まで運び、東条が世話をしている。
最原の面倒を見るというのと、再び勝手にライトを使われないようにという見張りの意味もあった。
そんな中、赤松は自分の部屋でベッドの上に横たわって、これからどうするかを考えていた。
赤松「………」
赤松(私の妄想の最原君……)
妄想の中で最原は恋人だった。
気弱で、押しが弱くて、情けなくて…でも優しくて……時々格好良くなる男の子。
そんな男の子と………
その先を想像して赤松は顔を赤くした。
赤松「な、なんてこと想像してんだろ……まだ、そんな関係じゃないのに…」
赤松は手を頬に当てて、ペタペタと触る。
赤松(…うわ、今絶対顔赤いや…)
気分転換にシャワーを浴びることにした。
その後、その日の疲れからかベッドに倒れるとすぐに意識が遠くなっていった。
~???~
「ふーむ、膠着状態、って感じね。興味がないって人はいないみたいだけど、倫理観が邪魔して使えないって感じか……」
モニターを前にその人物はにやりと笑った。
「…なら、使わなきゃいけない状況にすればいっか」
-
- 26 : 2017/04/26(水) 23:00:22 :
- ~朝~
モノクマーズ「おはっくまー!」
モノスケ「オマエラ! 体育館に集合や!」
モノファニー「お父さんからお知らせがあるの!」
モノキッド「ヘルイェー! 早くこねぇとモノダムがサンドバックになんぜ!」
ブツン。
そんな放送によって皆体育館に集まってきたのだが……。
最原「ぅ……ぁ……」
最原が壇上の上で苦しんでいた。
百田「終一!? テメーら! 終一に何しやがった!」
モノクマ「ひどいなー。ボクたちは何もしてないよー。むしろ、キミたちが何もしなかったからこうなったんだよ?」
天海「何もしなかったから?」
モノクマ「この『妄想実現サセルンデス』はね、最原クンに一時的な人格を植え付ける代わりに脳に結構な負荷を掛けてるわけ。すると、どうなるかっていうと、なんと元の最原クンの記憶や人格と植えつけられた人格がせめぎ合って互いを消し合うんだよね」
ゴン太「……? 何を言ってるの?」
天海「つまり、虫で例えると、縄張り争いをしていて、喧嘩をしてしまって結局どっちも死んでしまう、って感じっすかね」
王馬「信じるなゴン太! 天海ちゃんの嘘だよ!」
百田「お前が言うな」
ゴン太「え?え? どっちなの?」
夢野「あとで説明してやるから黙っといたほうが良いぞ」
星「…つまり、てめぇはそんな危険なもんを作って、渡しやがったのか」
モノクマ「え? 作っただけで罪なの? じゃあ、包丁を作った人はみんな犯罪者だね。包丁が凶器なんてよくあるし」
赤松「どうでもいいよ! 最原君を救うにはどうしたらいいの!」
百田「そうだ! 早く言え!」
モノクマ「せっかちですなぁ…。心配しなくっても、まだ半日は持つよ。苦しみから救ってやりたいなら、もう一度『妄想実現サセルンデス』を使えばいいのさ」
春川「……それが原因でこうなってるのにまた使えって…何言ってんの?」
モノクマ「前の人格の上書きを行う機能…ここまで言えばわかるよね? …入間さん?」
入間「え!? え、っと…そ、そうだ!」
モノクマ「時間切れ! 即答してよね。こんなことにも答えられないなんて本当に超高校級なの?」
入間「うぐ…えぐ…そこまで言わなくてもぉ…」
夢野「本気で泣いておるぞ…」
モノクマ「説明がめんどくさいし、簡単に言うと、前の人格を上書きしてやれば、最原君が苦しむことはないよ。ま! このままでも苦しむことはなくなるけどね!」
真宮寺「……それって…」
アンジー「神様の元に行けるってことかなー?」
モノクマ「うぷぷぷ、まぁ自由に解釈しちゃってよ。じゃあ、あとは任せたからねー!」
そう言って、モノクマは去っていった。
天海「…ってことらしいっすけど、とりあえず使うって方向でいいっすか?」
東条「やむを得ないと思うわ。使わない場合を明言しなかったけれど、何か起きてからでは遅いわ」
他の皆も概ね同じ意見のようだった。
百田「じゃあ、赤松。頼んだぜ」
赤松「え? 私? …まぁいいけど…」
赤松は体育館の中心に置いてある『妄想実現サセルンデス』を手にとった。
赤松(……本当にこれでいいのかな、って思いはあるけど…仕方ないよね…)
最後まで迷いを持ちながら、赤松はスイッチを入れた。
ライトの設定は>>27
※人物指定。以前のような秒数判定はなく、お好きなキャラを指定してください。
-
- 27 : 2017/04/26(水) 23:02:43 :
- 夢野
-
- 28 : 2017/04/29(土) 00:28:39 :
- 最原「うっ…ぐっ……あれ?」
赤松「最原君、大丈夫?」
最原「えっと……はい。大丈夫です」
赤松「……です?」
最原「あ、ご主人様!」
夢野「んあ…? ウチか?」
最原「あなた以外に誰がいるのですか? ご主人様」
夢野「う、うむ? そ、そうか。最原がウチの……」
最原「最原だなんて…いつものように終一と呼んでください」
夢野「……はぅ!?」
天海「どうやら夢野さんの妄想みたいっすね」
星「……どういう妄想だあれは…」
ゴン太「ご主人様…って言ってるってことは、執事さんかな?」
東条「……奉仕する者として心得と技術、その2つが両方備わって初めてご主人様に仕えることが許されるのよ。果たして、最原君にそれがあるのか…」
百田「対抗心燃やしてんじゃねえよ…。にしても…」
最原「ご主人様。実は、儀式に向けたマナの準備を忘れてしまいました」
夢野「う、うむ? そ、そうか…」
最原「……? それだけ、ですか?」
夢野「そ、それだけ…とは?」
最原「いつものように罰をお与えください」
夢野「ば、罰!?」
最原「ええ。どんな罰でも受ける所存です」
夢野「ん、んあー……」
夢野は困ったようにキョロキョロしている。
最原「ちなみに今までは、『30分抱きつきの刑』や『眠るまでおんぶの刑』でしたね」
夢野「んあ!?」
茶柱「ちょ、許しませんよ! いくら妄想とは言え、夢野さんとそんなこと!」
最原「転子、またあなたですか」
茶柱「て、転子!? 呼び捨て!?」
最原「今更何を。あなたと私は同格なんですから、敬称なんて付けませんよ」
茶柱「キェェェェ! もう我慢の限界です! 命が惜しくないってことでいいですね!」
最原「ふふっ、ご主人様の真の使い魔はどちらか。ここで決めましょうか」
百田「……なんだあの終一。違和感がすげぇ」
春川「…夢野は最原を使い魔…下僕みたいな存在にしたいってことなの?」
赤松「いや、違うと思う…」
白銀「春川さんって地味に天然系女子…? たぶん、設定としては使い魔の最原君に夢野さんが惚れちゃってるんじゃないかな?」
王馬「なんていうか、二流のシナリオライターが書いた恋愛ドラマみたいだねー。まっ、あの最原ちゃんは見ていてつまらなくないけどね」
天海「……あの最原君の中で自分がどんな存在なのか気になるっすね」
真宮寺「それは確かにネ。定期的に最原君にライトを使わないといけないのなら、今のうちに交流をするのも手かもネ」
アンジー「アンジーも終一とたくさんおしゃべりしたいなー。したいなー。」
百田「………くそ…」
百田は悔しそうに呟いて、盛り上がるクラスメイトたちを背にして体育館を出て行った。
-
- 29 : 2017/04/30(日) 22:34:15 :
- 最原「……」キュー
茶柱「弱い! なんであんなに自信満々だったんですか!」
最原「いてて…おかしいな…今日は調子が悪いみたいだ…」
夢野「て、転子、もう良い。最原が言ったことをウチがやるわけじゃないしの…」
茶柱「…そうですよね。いくら妄想が実現したとは言え、何もありませんよね」
夢野「う、うむ。それで、ウチから一つ提案があるんじゃ」
赤松「夢野さんから提案? なんだか積極的…?」
夢野「き、気のせいじゃ…。それで、最原なのじゃが、ウチに任せてくれんか…?」
赤松「え?」
東条「どういうことかしら?」
夢野「今回はウチの妄想が反映された最原なんじゃろ…? ならその扱いはウチが一番よくわかると思うんじゃ…」
天海「確かに、他の人だと唐突に最原君から覚えのないこと言われても対応できないかもしれないっすね」
入間「へ! んなこと言って、自分の理想通りの最原にえろえろなことする気なんだろ!」
夢野「そ、そんなことするわけ無いじゃろ! じゃが、天海が言った理由の通りじゃ。ウチなら最原が何かしても対応できると思う…ぞ?」
キーボ「微妙に自信がなさそうですが……一理あると思います。」
真宮寺「それなら最初、僕も同じように提案すればよかったヨ」
星「……俺はどっちでもいいがな…」
赤松「………」
最原を夢野に任せる流れになり、反対する理由もないため、赤松は黙っていたが……不安は隠せなかった…。
赤松(何も起こらない……よね?)
-
- 30 : 2017/05/07(日) 23:01:27 :
- ~夢野の部屋~
夢野「さぁ、入るのじゃ」
最原「失礼します。それと、終一で良いですよ」
最原はキョロキョロと部屋の中を見渡す。
夢野「あ、あまり見るではない…!」
最原「はい」
夢野「そ、それで、最原よ」
最原「先ほども言いましたが、終一。でお願いします。」
夢野「う、うむ……しゅ、しゅ、しゅ……」
夢野は名前で呼ぼうと言葉にしようとするが、名前で呼ぶということが思った以上に抵抗があった。
抵抗というより、気恥ずかしさだが…。
夢野「終一……」
最原「はい」
やっと呼べたというのに、最原は一言であっさりとした返事であったために、夢野は少しイラっとした。
夢野(ウチがこんなにも恥ずかしい思いをしているのに、なぜこやつはこんなにもあっさりと…!)
夢野「ふん。終一よ。今日はウチの面倒を見てもらうぞ」
最原「はい。仰せのままに」
夢野「……えっと…」
最原「とりあえず、お茶でも入れましょう。こんなこともあろうかと、食堂から持ってまいりました」
夢野「……うむ。そうするが良い…。」
10分後…
夢野「お茶と言えば…」
最原「はい。お茶菓子もあります」
夢野「………」
更に10分後
夢野「んあー……そうじゃな…」
最原「はい。魔法に関する書物です」
夢野「………」
1時間後
夢野「んあー……」
最原「マッサージしましょうか?」
夢野「何なんじゃさっきから!」
たまらずに夢野は叫びだした。
最原「どうしたんですか?」
夢野「さっきからウチの行動を先読みしおって! ウチのことが好きなのか!」
最原「はい。そうですよ?」
夢野「はぅわ!?」
怒りなど吹き飛んで一気に心臓が高鳴る。
最原「何を今更。あなたのことを尊敬し、そして、好いていなければこのように従事したりしませんよ」
夢野「う……んあー……」
夢野(どう答えたら良いんじゃ…)
最原「とりあえず、体をほぐすためにもマッサージ、しましょう」
夢野「んあ!?」
最原は夢野をベッドの上にうつぶせで寝かせた。
夢野「さ、最原……?」
最原「じっとしていてください」
耳元で囁かれて夢野の背筋をゾクゾクとした感覚が襲う。
最原「じゃあ、行きますよ」
背中に当てられた手から力が加わる。
夢野「ん…あぁ…ぅ……」
気持ちよさから思わず声が出てしまう。
日頃からめんどいと口にする夢野だが、女を捨ててはいない。
最原にみっともない自分を見られたくないという思いから声を我慢しようとするが、返ってそれによって声が漏れてしまう。
夢野「さ、最原……」
最原「終一ですよ。ご主人様」
夢野「しゅ…終一ぃ……も、もう…」
最原「まだ背中だけですよ。次は腰、そして足です」
夢野「ん、んあー……」
拒否するかどうか、それを考えるのもメンドくさい、しかし、このままではかつてない羞恥にさらされてしまう、と葛藤している間に最原の手は腰へと手が伸びていった。
夢野「んあ!?」
最原「ご主人様。腰が少し固くなっていますよ」
手のひら、そして、親指に力を込めて、マッサージをしていく。
夢野「んあ…あぁ……」
最原「気持ちいいですか?」
夢野「…や、野暮なことを聞くでない…!」
最原「ふふ、続けますね」
続いて、最原の手は足へ伸びる。
夢野「ひゃう!?」
最原「くすぐったいでしょうが、我慢してくださいね」
夢野「んあああ……んああああ……」
最原「足が一番疲れが溜まっているようですね。重点的にさせてもらいます」
夢野(もうウチは知らん……)
その後、夢野の部屋から女の嬌声が聞こえてきたが、幸いにも誰かに聞かれることはなかった。
-
- 31 : 2017/05/07(日) 23:52:41 :
- 柔軟体操まではしてない…?
-
- 32 : 2017/05/08(月) 22:11:39 :
- ~30分後~
夢野「ん……ぁ……」
最原「よっぽど疲れがたまっていたのですね。喜んでもらえたようで嬉しいです」
夢野「う、うるさいわい……」
最原「では、このまま眠りましょうか」
夢野「んあー……そうじゃな」
最原「さて……」
夢野「な、何を…しとるんじゃ!?」
気づけば最原は、ベッドに倒れる夢野の隣に横たわっていた。
最原「何って、いつもの添い寝ですよ」
夢野「い、いつも!?」
夢野(そんな妄想……したかもしれんが…!)
最原「さぁ、安心して眠ってください」
そう最原が言うと、夢野を抱き寄せた。
夢野「ん…んあ……」
夢野(こ、こんなの…眠れん……!)
~5分後~
夢野「…スー…スー…」
最原「いつもどおり、良い寝つきだ」
即落ち2コマである。
最原「…さて、僕は…」
ドクン…
最原「うっ……」
ぴりっとした頭痛を感じて、最原は頭を押さえる。
最原「……なんだ…?」
すぐに収まったため、最原は気にしないことにしたが、着々と次のタイムリミットは迫っていた。
-
- 33 : 2017/05/08(月) 22:17:36 :
- 一緒にベッドインしてる状態でドクンとか言うから謎の白い液体が漏れ出たのかと思ったじゃないか
-
- 34 : 2017/05/08(月) 22:29:54 :
- ~食堂~
百田「………」
東条「………」
赤松「………」
天海「………え、なんすかこれ?」
赤松「あ、天海君…」
天海「なんで3人も人がいてこんなに静かなんすか?」
東条「私は指示がないか控えていただけよ」
赤松「私は、何となく黙っちゃってたよ…」
百田「………」
天海「百田君?」
百田「あぁ…? なんだ、天海か…」
天海「なんだとはひどいっすね。考え事っすか?」
百田「…………」
天海「…ズバリ、最原君のことっすか?」
百田「……ったくよぉ。人の考えを読むんじゃねえよ」
赤松「百田君は…何を考えてたの?」
百田「当然、終一を元に戻す方法だ!」
赤松「……わかったの?」
百田「…いや…だが、そいつはそのうちなんとかする!」
天海「なんて頼りない発言っすか…」
百田「……それによぉ…。例のライトを使わないと終一がどうにかなっちまう、っていうのは聞いたが、それに乗じてライトを使う流れになったのが気に食わねえ。本来ならあんなもん使わねえほうがいいに決まってんだろ」
天海「まっ、人の人格に影響を及ぼすような代物なんて、どんな影響があるかわかんないっすし…確かに歓迎することじゃないっすよね」
百田「それに…あのライトで簡単に人格を消したりしてるけどよ、それってそれまでの終一を否定してるようなもんだ。……人間っていうのはそんな簡単に消したり作ったりしていいもんじゃねえだろ…」
赤松「……確かにね…」
自分の妄想通りの最原が現れたら…なんて考えた自分を赤松は恥じた。
4人で話している(と言っても東条は黙っていたが)と、バタバタと足音が聞こえてきた。
夢野「た、たいへんじゃ!」
百田「夢野!? どうした!」
夢野「しゅ、終一が…終一が……」
赤松「終一…? 最原君がどうかしたの?」
夢野「あ、頭を抑えてく、苦しそうで……」
東条「まさか…タイムリミット…?」
天海「…もうっすか。半日って言ってたわりに結構短いっすね」
赤松「………」
先ほどの百田の話が引っかかるが、今は最原を救うほうが先だと思いライトを片手に夢野に付いていった。
~夢野の部屋~
最原「うっ……ぐっ……」
赤松「最原君……」
百田「……クソ…」
天海「さっきの話もありますが、解決策も見つかってないっすし、使うしかないっすよ」
百田「わかってる!」
百田は苛立ちを隠さずに部屋から出て行った。
東条「…では、赤松さん。お願いできる?」
赤松「う、うん…」
赤松は最後まで迷いながら、それでも結局最原に向けてライトを使った。
ライトの設定は>>35だった。
※安価は人物名でお願いします。被っていても問題ないです。
>>33 書いてる間は違和感なかったんです。書いてる間は…。
ベッドで夢野と添い寝をする最原。
最原「…さて、僕は…」
ドクン…
最原「うっ……ふぅ……」
違和感ないっすねw
-
- 35 : 2017/05/08(月) 22:34:44 :
- アンジー
-
- 36 : 2017/05/09(火) 00:10:26 :
- >>34
???「男ッ死!!!(裁ち鋏を手に)」
-
- 37 : 2017/05/09(火) 22:37:01 :
- 最原「う……? あれ……?」
赤松「最原君、大丈夫?」
最原「あ…赤松先輩……」
赤松「先輩…?」
最原「あ、天海先輩に東条先輩も…どうしたんですか…?」
東条「……これは誰のものかしら…?」
天海「最原君と先輩後輩の関係になりたいって妄想した人がいるってことっすけど……さすがにこれじゃあわかんないっすね」
夢野「…終一…」
最原「あ、夢野先輩……って、どうしたんですか? 急に名前呼びだなんて」
夢野「………」
夢野は今にも泣きそうな悲しそうな顔をして、帽子を深くかぶった。
天海「……とりあえず、今の最原君の妄想の持ち主を探しに…」
天海が提案しようとしたとき、夢野の部屋に入ってくる者がいた。
キーボ「最原クン! 大丈夫ですか!」
茶柱「乙女の部屋にこんなにも男死が! ……いえ、それより今は最原さんでしたね…」
アンジー「にゃははー! また終一が変わっちゃったのかー?」
キーボ、茶柱、アンジーの3人がバタバタと現れると……
最原「キーボ! 茶柱先輩にアンジー先輩!」
茶柱「…せん…ぱい…?」
アンジー「およよ?」
キーボ「あの、なぜボクは呼び捨てなんでしょうか?」
最原「いや、キーボはキーボだから…」
キーボ「ううーん…これはロボット差別…ではない…?」
天海「さて、改めて誰の妄想なのかを確かめに…」
アンジー「にゃははー。その必要はないよー?」
赤松「え?」
アンジー「だって、これ、アンジーがお願いした通りの終一だもん」
赤松「じゃ、じゃあ、この後輩の最原君ってアンジーさんが!?」
天海「…なんというか、意外っすね」
アンジー「主は言いました。後輩なのをいいことにあれこれしてやれと…」
赤松「随分軽い神様だね…」
アンジー「んー? ということは今回はアンジーが終一のお世話をするってことでいいかなー?」
赤松「え…えっと…」
アンジー「秘密子がそうしたならアンジーもそうしていいよねー?」
有無を言わさない様子のアンジーにその場の誰もが反論できず、終始意味がわからないという顔をしている最原は、アンジーに連れられて、夢野の部屋を出て行った。
夢野「………」
戸惑う面々の中、夢野だけは悲しそうに二人の姿を見送った。
-
- 38 : 2017/05/09(火) 23:14:23 :
- これは辛いな...
-
- 39 : 2017/05/09(火) 23:50:09 :
- 本当の最原に戻ったとき、それは本当に最原なのだろうか
-
- 40 : 2017/05/10(水) 05:58:19 :
- キャラ崩壊(自己消滅)…うっ頭が。
-
- 41 : 2017/05/11(木) 22:27:01 :
- ~中庭~
最原「あ、アンジー先輩! ちょっとまって…」
アンジー「んー? なにかなー?」
最原「えっと、どういう状況なんですか?」
アンジー「んーっとねー、終一はなにも気にしなくていいよー?」
最原「いや、そういうわけには…」
アンジー「主は言いました。終一はアンジーと遊べばいいと…」
最原「いつも遊んでるような気が…」
アンジー「それともー…終一はアンジーと遊びたくないのかなー? かなー? そんなわけないよねー?」
Noとは絶対に言わせない何かを纏いながらアンジーは、最原に迫った。
最原「い、嫌ではないです…」
アンジー「にゃははー、だよねー。神様の言うとおりだよー」
最原(…まぁいいか)
最原もアンジーが楽しそうに笑う様子を見て、微笑んだ。
アンジー「じゃあねー……ほい!」
最原「うわっ!?」
アンジーは悩む振りをしながら、最原に近づいて、突然最原を押した。
突然のことに最原は踏ん張ることができずに、草むらに倒れ込んだ。
最原「あいたた…」
アンジー「とー!」
最原「え…? ぶっ!?」
痛がる最原の上にアンジーが飛びかかり、そのまま最原を押し倒した。
最原「ふぐ!? むぐ…!」
アンジー「にゃははー、くすぐったいよ終一ぃ」
最原「うぐっ、ぶは! はぁ…はぁ…死ぬかと…」
アンジー「…終一も男の子だねー」
最原はアンジーを退かすために闇雲に暴れたため、右手がアンジーの右胸に・・・
最原「…‥うわああ!?」
最原は悲鳴を上げながら、慌てて右手を…否、両手を挙げた。
アンジー「大丈夫だよー。心配しなくても神様も許してくれるよー?」
最原「そういう問題じゃないです!」
アンジー「終一ってばシャイなんだねー」
最原「いや、だから僕たちはまだ学生だし、そういうことはもっと大人になってから…」
アンジー「…今はダメなのー?」
最原「………」
アンジー「終一…」
最原「…え!?」
アンジーは最原の左手を自分の胸へと当てさせた。
アンジー「アンジーはいつでも準備万端だよー?」
最原「いや、だから…」
アンジー「…例え、嘘でも今この時は本物だよー?」
最原「……? えっと…?」
アンジー「難しい話だったねー。よしよし」
今度は最原の頭を包むように抱き込んだ。
最原「あ、あの!?」
アンジー「神様が見守ってくれてるからねー。なにも心配いらないよー」
アンジー「だから……アンジーと楽しいこと、しようよ?」
最原は、アンジーの吸い込まれそうになるほど大きな瞳に釘付けになっていた…。
-
- 42 : 2017/05/11(木) 22:45:05 :
- ・このスレには多少なりのエロが含まれます。
ほう
-
- 43 : 2017/05/11(木) 23:02:24 :
- 夢野さんには悪いが...いいぞー!!
-
- 44 : 2017/05/14(日) 00:54:33 :
- 最原「……」
アンジーとの距離があともう少しで零になる……というところで…
モノファニー「……」
最原「うわっ!? も、モノファニー先生…!?」
モノファニー「先生…いい響きだわぁ…!」
アンジー「何しに来たのかな…? アンジーと終一はこれから楽しいことするんだよ…?」
モノファニー「あ、そうよ! こんなところで不純異性交遊は許せないわー!」
最原「そ、そうだ! 僕たちは学生だし、こんな誰が通るかわからないところでなんて…!」
モノファニー「だから、やるならあっちのラブアパートでお願いするわー」
アンジー「だよねー。そのためにあるんだもんねー」
最原(聞き覚えのない単語だけど、絶対に状況は好転してないのはわかった…)
アンジー「じゃあ…終一。いこ?」
最原「えっと…僕は…」
アンジー「神様も言ってるよー? 『迷わず行けよ。行けばわかるさ』、ってー」
最原「その神様、プロレスラーか何かですか?」
アンジー「とにかく行ってみよー!」
最原「あぁ、ちょっと…!」
有無を言わさず、最原はアンジーに連れられてラブアパートへと向かった。
-
- 45 : 2017/05/14(日) 11:14:52 :
- 女子の妄想になるたびこれがあるとなると...最高や!!!
-
- 46 : 2017/05/15(月) 23:12:58 :
- ~食堂~
赤松「…」ソワソワ
東条「…」
赤松「………」ソワソワ
東条「………」
百田「…赤松は何百面相してんだ…?」
赤松「わっ…百田君…どうしたの?」
百田「いや、ちと気になることがあったからよ…。食堂なら誰かいるかと思ってよ」
赤松「気になること…?」
百田「東条もできれば意見が欲しい。そこにいねえで、こっちに来い」
東条「それが依頼なのね? わかったわ」
東条が席について、百田は真面目な顔で話し始めた。
百田「まず、今回のあの終一の人格や性格を変えちまうライトなんだが、なんでモノクマはあんなもんを寄越したのかってことだ」
赤松「……わからない。でも、何か意味はあるんだろうね…」
東条「確かモノクマは私たちと最原君との絆が深まった、という話をしていたわ。…最原君の性格や人格が変わることで、私たちに何かしらの影響を与えることを期待したと考えられるわね」
赤松「最原君が変わることで私たちに与える影響……」
百田「少なくともオレはこの状況にかなり苛立ちを覚えちまってるが…他の連中はどうだかな」
東条「私は肯定も否定もしないけれど…」
赤松「私は……何だかモヤモヤする…。何かしなきゃって思うんだけど、何をすればいいかわからなくって…」
百田「…まぁモノクマにも何か狙いがあるんだろうが……この3人だけで話しても結論は出せそうにねえな」
東条「そうね。…普段の最原君なら何か気づいたこともあったのでしょうけど…」
百田「……早く戻してやらねえとな…。んでよ、話してえのはそれだけじゃねえんだ」
百田「なんだかんだ有耶無耶になっちまってるが、最初にあのライトは入間に預けた。んで、その翌日、誰かがあのライトを使ったはずだ。…その誰かって、誰だ…って気になっちまったんだよ」
赤松「…確かに。状況に流されてたけど、最初に最原君にあのライトを使った人がいるんだよね」
東条「それこそ、みんなに聞き込みとか、調査をする必要があると思うわ」
百田「ああ。だな…。よーし、行くか! 赤松! 付いてこい!」
赤松「え? 私?」
百田「東条は全員のメシを作ったり、掃除したりって忙しいだろうからな。お前はヒマそうだしな」
東条「そうね。それ以外にも洗濯、備品のチェック、スケジュールの確認、やることはたくさんあるわね」
いつもながら完璧なメイドだ、と感心しながら、赤松は百田に向き直る。
赤松「…春川さんは? いつも助手だー、とかって言ってるじゃん」
百田「探してもいねえんだよな。全く、どこに行ってんだか…」
赤松「……はぁ。まぁ私も気になるから行くよ」
百田「おお、そうか! よーし、じゃあ行くぞ!」
こうして、赤松と百田は、クラスメイトたちへ情報を求めて、聞き込みを始めた。
※アンジーと最原の話を書こうとして、こうじゃない、と何度も書き直すことになったので、幕間として、赤松と百田の話を書きました。
>>42 >>43 >>45 ネタバレ。この作品は全年齢対象です
-
- 47 : 2017/05/16(火) 00:08:45 :
- ネタバレ。[この作品は全年齢対象です]
それは違うぞ! [このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます>
-
- 48 : 2017/05/16(火) 21:28:36 :
- ~ラブアパート~
最原「あの…ここって…」
ピンク色の内装。大きなベッド。その周りには回転する白馬…。
最原(話にしか聞いたことがないけど…ラブホテル…?)
アンジー「さっ、終一。何するー?」
最原「な、何って…」
アンジー「なんでもいいよー? アンジーに触りたいなら触っていいし、触って欲しいなら触ってあげるよー?」
最原「な、な、な…!?」
最原(何だよこれ…なんで急にこんなことに…!?)
最原「えっと、アンジー先輩…。僕たちは恋人とかそういう関係ではないですよね?」
アンジー「そだねー。でも、アンジーと終一は結ばれる運命なんだよー?」
最原「い、いつもの神様ってやつですか…? で、でも、例え運命なんてものがあるとして、僕たち二人の気持ちが…」
アンジー「んー…? 終一は何が心配なのかなー? アンジーの気持ち? 終一の気持ち?」
最原「いや…僕は…」
アンジー「アンジーは終一のこと好き好きだよー? 終一はアンジーのこと……嫌い……? そんなわけ…ないよねー?」
いつもどおりにこやかに言うアンジーだが、最原はその声と表情の裏側に不安が隠れていることがわかった。
最原「僕は……」
アンジー「あ、そうだー」
アンジーは唐突に最原の右手を自分の左胸に持ってきて、当てさせた。
他のメンバーと比べ、大きな胸はしていないが、柔らかさが最原の右手に伝わってくる。
最原「な、何を!?」
アンジー「…こうすればアンジーの好きを感じるかなってー」
いつもどおりニコニコと笑うアンジーだが、最原の右手からは鼓動の早くなった心臓の鼓動が感じられた。
最原「あ、アンジーせんぱ…」
アンジーの名前を呼ぼうとした最原。
しかし、気づけばアンジーの体の上に覆いかぶさっていた。
起き上がろうとするが、全く力が入らない。
声も出ず、何とか視線だけでアンジーを見ると、アンジーは嬉しそうに最原の肩に頬ずりをしている。
アンジーのネコのような仕草と顔を見ながら、最原の意識は暗闇に飲まれていった…。
※
>>47 >>論破<<
ジャ○プでもこのくらいやるだろうし、全年齢ってことで大丈夫だろうとか思っていた時期がありました…。たぶんR15くらいっすねこれ。
-
- 49 : 2017/05/16(火) 21:40:18 :
- ま、まあ・・・入間さんがいる時点でR15は避けられませんし・・・(白目)
-
- 50 : 2017/05/17(水) 22:12:03 :
- ~超高校級の発明家の研究教室~
入間「ここかぁ…? ここがいいのかぁ…? あ、あ…こんなところをグリグリされて…恥ずかしいのぉ…? いいよ…もっとしてあげる…」
赤松「………」
入間「あぁ…何だか私も気持ちよくなってきちゃった……」
百田「………」
入間「はぁ…はぁ…いいよぉ。最高だよぉ…」
部屋に突入する前、百田と赤松はアイコンタクトをした。
赤松(どっちが話かける?)
百田(赤松、お前行け)
赤松(絶対嫌だ)
百田(…終一の好きなモンを1つ教えてやる)
赤松(任せて!)
この間、わずか1秒!
赤松「入間さん…」
入間「んへぇ……あひゃ!? な、なんだバカ松じゃねえか! な、何しに来たんだよ!」
赤松「あひゃって………えっと、入間さんがいじってる最原君の人格や性格が変わるライトのことについて聞きたいことがあって…」
入間「あーん? 聞きたいことぉ? こいつがどこをいじれば感じるかって話かぁ?」
赤松「そんなわけないでしょ」
入間「な、なんだよぉ…ちょっとした冗談じゃねえか…」
赤松「話を戻すよ? それで、一番最初、そのライトは入間さんに預けたわけだけど、その時ライトはどうしたの?」
入間「ど、どうしたって…そこの机の上に置いたぜ…?」
赤松「それで、次の日の朝になったらなくなってた…ってことでいいんだよね?」
入間「あぁ…そうだよぉ…もういいだろぉ…?」
赤松「……情報になりそうなことはないかな…。うん。ありがとう、入間さん」
入間「へっ! このオレ様が時間を割いてやったんだからありがたく思えよ!」
赤松はその言葉を無視して、外に出ようとした。
入間「あぁ、そういや件のライトなんだが、仕組みとしちゃあ持ち手の部分にオレら全員分の名前があるってわかった。おそらくだが、この名前のやつの妄想が最原に適用されんじゃねえか?」
赤松「そういうことは早く言ってよ!」
入間「ひぃぃぃ…今言ったじゃねえか…」
赤松「これがあれば……」
と、ライトの人物名をいじりながら赤松は気づく。
赤松「あれ…これ、最原君の名前がある…?」
入間「あん? クサイ原のやつ、自分に対して妄想してやがったのか? どうせ、童貞らしく女にモテまくる自分とか妄想してたんだろうな!」
赤松(………何だろう、何か嫌な感じがする…)
ライトにある最原終一の文字を見て、赤松は不安を拭いきれなかった。
-
- 51 : 2017/05/18(木) 01:36:12 :
- 不穏ですね...
-
- 52 : 2017/05/21(日) 00:07:03 :
- ~夜 食堂~
夜になって赤松は食堂にやってきた…が。
赤松「……どうしたの? みんな揃って……」
天海「あ、赤松さん…」
百田「それがよぉ…終一とアンジーがいねえんだ」
赤松「二人がいない…?」
百田「ああ。夜になってもやってこねぇってことでずっと待ってんだが……あいつら以外全員揃っても来る気配がねえな」
赤松「……何かあったのかな…?」
真宮寺「…僕としては時間的にそろそろなんじゃないかと思ってるんだよネ」
ゴン太「時間…?」
王馬「最原ちゃんが苦しみ出すタイムリミット…ってことでしょ」
夢野「………また、しゅ……最原が苦しんでおるのか…?」
茶柱「夢野さん…」
キーボ「…もしかしたら、最原君にタイムリミットが来てしまって、アンジーさんはその場から動くことができなくなっている…ということは考えられませんか?」
星「確かに最原が動けなくなれば、アンジー一人でどうこうするのは難しいだろうな」
王馬「くっ……どこかで面白いことが起きてるかもしれないのに…! オレは何をやってるんだ!」
百田「お前は黙ってろ!」
春川「……何やってんの」
百田「おお、ハルマキ!」
春川「ハルマキ言うな」
そんないつものやり取りをしてから春川にも事情を話す。
春川「最原と夜長…? あいつらなら見たよ」
赤松「え? どこで?」
春川「どこって中庭だけど…確か、カジノがある方に向かって歩いてたのを見た」
天海「…二人でカジノで遊んでる…ってことっすか?」
白銀「うーん、地味にそれはないかも。カジノ…というより景品コーナーには今日私がずっといたし…」
百田「あの辺でカジノ以外って…ああ、あのピンク色の建物…」
赤松「え…あそこって確か……」
幾人かの顔が羞恥で赤くなる。
入間「けっ、やることやってやがんだな。なんだよ、こねぇのは今の絶賛ハッスルしてるからか」
赤松「は、はっす……もう! 入間さん!」
入間「ひぃぃぃ…じ、事実じゃねえか…」
茶柱「まだそうと決まったわけではないです! アンジーさんが……き、キェェェェェェ!!」
再び騒がしくなったところに、ここにはいなかった東条がキッチンから戻ってくる。
東条「あら、いつもはバラバラなのに今日は大勢なのね」
赤松「東条さん。実は……」
春川と同じ説明と春川から得られた情報を東条に話した。
東条「アンジーさんなら食堂に一度来たわ」
キーボ「え…? どういうことなんですか?」
東条「今日のお昼くらいに、水と氷を取りに来てたわ」
王馬「水と氷……まるで、誰かの看病にでも使うみたいだねー?」
誰かの看病、と聞いて、その誰かをその場の全員が具体的に想像した。
天海「……とりあえず、心配っすし、様子を見に行ってみないっすか?」
天海のその声で皆が素早く移動を始める。
カジノの隣にあるピンク色の建物…ラブアパートへと…。
-
- 53 : 2017/05/21(日) 00:10:13 :
- wktk
-
- 54 : 2017/05/21(日) 02:13:33 :
- 夜に性格変換したら、一晩その最原といれるってことに...
-
- 55 : 2017/05/21(日) 12:49:14 :
- 狙うべきタイミングは夜時間前…?
-
- 56 : 2017/05/23(火) 22:50:21 :
- ~ラブアパート~
百田「……後はここだけだな」
全員でラブアパートに来たが、廊下はそこまで広くない。
調査するためには、複数人のグループに別れる必要があった。
百田、赤松、春川、天海の4人のグループは、上階から虱つぶしに部屋を開けては中を確認、ということをしていた。
最初は部屋を開けるたびに目に入るピンク色の空間に少なからず頬を染めていた一行だが、5部屋周る頃には慣れていた。
赤松「…じゃあ、開けるよ?」
赤松がドアノブに手をかけると……
ガチャガチャーーー
赤松「あれ…? 鍵がかかってる…」
百田「何ぃ? どういうこった?」
天海「単純に考えれば、中にいる人が鍵をかけたんだと思うっすよ」
春川「…ここにいるのって……アンジーか最原…?」
百田「おーい! 終一か、アンジー! いるなら返事しやがれ!」
ドンドンドン、と百田が扉を叩く。
側で叫ばれて、他の3人は不愉快そうに顔を歪めた。
『……その声は解斗だね?』
百田「そういうテメーはアンジーだな? なんで鍵かけてやがんだ!」
『…神様が言ったんだよー。このままここにいれば、終一と幸せになれるってー…』
赤松「終一…って最原君もそこに!?」
春川「…最原は、納得してそこにいるの?」
『…終一は、今アンジーと一緒になるための準備をしてるんだよー?』
百田「…くっそ、何言ってるかわかんねーぞ…」
天海「…アンジーさん。…最原君は…ひょっとしたら今、苦しんでいるんじゃないんすか? 例のライトの影響で…」
『…だから、終一はアンジーと一緒になるための準備をしてるんだよー』
赤松「よくわからないけど、ここを開けてよ! 最原君が手遅れになっちゃうかもしれない!」
『………』
天海「…開ける気はないみたいっすね」
百田「くっ…どうすれば…」
扉の前で立ち往生する4人のもとにバタバタと他のメンバーが集まってきた。
-
- 57 : 2017/05/24(水) 19:51:27 :
- ラブアパのドアに模擬刀の先制攻撃すればいいんじゃないかな
-
- 58 : 2017/05/24(水) 22:58:33 :
- ゴン太が殴ったら3秒ぐらいで終わる
-
- 59 : 2017/05/31(水) 23:26:36 :
- 茶柱「アンジーさん!」
星「…察するに、夜長はその中か」
百田「ああ。だが、意味がわからんことを言い続けて出てこねえんだ」
王馬「ふうん。まっ、こんな扉はあってないようなものだけどね」
百田「ああ? お前はどうにかできるってのか?」
王馬「うん。さっ、ゴン太、出番だよ!」
ゴン太「え?」
王馬「馬鹿だなー。お前の無駄にある力を使って、そこの扉を壊せって言ってんだよ」
ゴン太「ご、ごめん! そこまで察せられなくて…」
百田「ゴン太が謝る必要はねえよ」
赤松「な、何でもいいから早く…!」
夢野「……待つのじゃ」
赤松「夢野さん?」
夢野「…アンジーよ。聞いてくれ」
『………』
夢野「お主は……怖くなったんじゃろ? 自分を受け入れてくれる理想の最原を失うことが…」
『………』
夢野「ウチの場合は…怖がる間もなく、失ってしまったが……じゃが、それでわかったこともある…」
夢野「確かに今ある最原の姿はウチらの理想の姿じゃが、そもそもそういった最原を夢想するようになったのには元となる最原の人間性に皆惹かれたからじゃ…」
『………』
夢野「……理想的な最原を失ってしまう恐怖、ウチはよくわかる。……じゃが…やはり、今の最原は本物ではない…元の最原に戻すべきじゃ…。」
夢野「それにの……アンジーが怖いならウチが一緒にいてやる…ウチで足りないなら他の者も一緒にいてくれるはずじゃ……」
夢野「……ウチが言いたいことはこれだけじゃ。…ゴン太、始めて…」
ガチャーーー
アンジー「………」
夢野「アンジー……」
アンジー「神様が言ってるよー。秘密子の言うことを聞きなさい、辛いことも幸せなことも分け合っていけば、最終的に幸せになれるよー…って」
夢野「…うむ」
しばらく、二人の雰囲気に飲まれていた一堂だが、部屋の中から聞こえるうめき声に現状を理解する。
赤松「全員で入るとさすがに狭そうだね。先に到着していた4人で様子を見るのが良さそう…」
星「なら、オレたちは邪魔にならねえように待機してるか」
他に異論はなかったようで、赤松、天海、百田、春川で部屋に中へと入った。
最原「……ぅ……ぁぁ……」
最原は頭を抑えて、ベッドの上で苦しんでいた。
しかし、目はどこを見ているかわからず、体の力もほとんど抜けているようだ。
今にも死んでしまってもおかしくはない…ように見えた。
赤松「……」
百田「…くそっ…使うべきじゃねえってのはわかってんのに…」
天海「でも、仕方ないっすよ。現状、解決策が見つからないんすから…」
春川「………」
赤松「……使う…よ?」
百田「ああ。オレは他の連中に説明してくる」
赤松は百田が立ち去るのを確認してから、ライトのスイッチを入れた。
赤松(…あ、そういえば、ライトの名前の設定…)
設定は>>60になっていた。
※V3の登場人物の名前。モノクマ、モノクマーズを除く。
アンジーこんなんで説得されんの?という疑問は置いといて……
-
- 60 : 2017/05/31(水) 23:31:12 :
- 御手洗
-
- 61 : 2017/05/31(水) 23:31:54 :
- ハルマキ
-
- 62 : 2017/05/31(水) 23:32:56 :
- V3のって覗かれ野化?
-
- 64 : 2017/06/01(木) 01:13:23 :
- 二番目くらいに元の人格近そうな最原君の予感…
-
- 65 : 2017/06/01(木) 04:43:29 :
- ラブアパなら孤児院で一緒に育った幼馴染だな
-
- 66 : 2017/06/03(土) 01:16:59 :
- 赤松「設定は……春川さんだ…!」
春川「…私が何?」
最原「うっ……ん……あれ…?」
百田「終一…! 大丈夫か?」
最原「う…ん…。僕…どうしてたんだっけ…」
天海「頭が痛いとか…そういうのはないっすか?」
最原「うん…。ぼーっとはするけど……ありがとう、蘭太郎」
天海「……え?」
百田「終一?」
最原「解斗…? どうしたの? 鳩がガトリングガン喰らったみたいな顔して」
赤松「そこまでされたら死んじゃうよ…」
最原「ああ、楓と…魔姫もいたんだね」
赤松「…か、かかかか…」
春川「……なんで、名前で呼ぶの?」
最原「なんでって…いつもどおりだけど…」
キョトンとする最原を放って、4人は一度集合した。
百田「どういうことだありゃあ」
赤松「ライトでまた人格が変わった結果なんだけど……設定が…」
赤松がライトの設定を見せると…春川が信じられない、というように目を見開いた。
春川「……え? 私の妄想の結果があれだっての?」
赤松「う、うん…」
春川「ありえないし…」
天海「えっと…ちょっと待ってくださいっす。最原君。ここにいる人と最原君ってどんな関係っすかね?」
最原「どんな関係って……一緒の孤児院で育った幼馴染じゃないか」
春川「………」
心当たりがあったのか、春川の顔が一気に紅潮する。
天海「…どうやらビンゴみたいっすね」
百田「へぇ、幼馴染なぁ。だから、こんなに気安いんだな」
赤松「……名前呼び…やった…」
天海「とりあえず、春川さんの…想像だということはわかったんで、一旦扱いはお任せするっすよ」
春川「…………えっと、最原…」
最原「最原って…どうしたのさ。いつもどおり、終一って呼んでよ」
春川「ぐっ……しゅ、終一…。とりあえず、ここを出ようか」
最原「……今更だけど、ここどこ…?」
最原は不思議そうに周りを見渡すが、春川に連れられてラブアパートを出て行った。
-
- 67 : 2017/06/04(日) 04:38:10 :
- おこぼれもらえて嬉しそうな楓ちゃんかわいい
-
- 68 : 2017/06/07(水) 23:03:24 :
- ~食堂~
全員が食堂に集まっていた。
事の中心である最原は…
最原「…うん。美味しい。斬美のお茶は相変わらず美味しいね」
東条「……最原君。これからもどうか斬美と呼んでね」
最原「…? うん。というか、なんでみんな苗字で呼ぶの?」
赤松「さい…しゅ、終一…君!」
最原「なぁに? 楓」
赤松「え、えへへ……」
春川「……全員が幼馴染、ね。…同じ孤児院で…」
春川はもし目の前にいるクラスメイトたちが同じ孤児院出身であったなら、と想像して、すぐに打ち消した。
王馬「ふーん、名前で呼んでくる最原ちゃんなんて新鮮だねー」
最原「僕からしたら苗字で呼んでくる小吉のほうが新鮮だよ」
真宮寺「…それで、これからどうするのサ?」
百田「決まってる! 何とか終一をもとに戻す方法を探す…つーか、モノクマに白状させるしかねえ!」
星「……実際問題、どうやってだ?」
百田「……そりゃあ……」
モノクマ「あれれー、何かお困り?」
天海「出たっすね。どうせ会話も聞いてたんすよね?」
モノクマ「まぁね。ボクってば犬の属性を食うくらいには耳がいいからね」
百田「なら、終一を元に戻しやがれ! つーか、今回の騒動は何のために起こしてやがる!」
モノクマ「うぷぷ…そうだねぇ、動機になるかの実験ってところかな?」
ゴン太「…動機? って何?」
入間「はぁ…はぁ…動悸が激しいぃ…! の動悸か?」
王馬「何か物事を起こすための理由、ってことでしょ? ホント、虫馬鹿と変態は頭悪いよねー?」
入間「ちょ、ちょっとしたボケだっつーの!」
ゴン太「ありがとう! 褒め言葉だよ!」
天海「あそこは置いといて、まぁモノクマにとって何か意味があるのはわかったっすけど、それで最原君を元に戻す気はあるんすか?」
モノクマ「あるよ。ただし、条件が付くけどね」
百田「条件だと…!?」
モノクマ「そんな難しいものじゃないよ。ライトの設定を最原終一にして使うか、このまま放置するか、そのどちらかだよ」
百田「…はぁ?」
東条「しばらく経てば彼は苦しみ出すけれど、それでも放置しろというの?」
モノクマ「どう解釈するかはオマエラに任せるよ。うぷぷ。ボクとしてはもう目的は達しているからどっちでもいいんだよねー」
夢野「ど、どういう意味じゃ…?」
モノクマ「全部を説明する気はないよ。じゃあ、後はオマエラで相談して決めてねー」
そう言い残してモノクマは去っていった。
天海「……で、どうするっすか?」
真宮寺「モノクマの言葉を信じるなら、使用か放置、そのどちらかだネ」
茶柱「…正直、信用して大丈夫なんですか…?」
王馬「全く信用できないね!」
百田「オメーが言うな!」
赤松「……とりあえず、みんなはどう思ってるか整理してみようよ」
赤松(私の意見は…>>69)
【選択肢安価】
1.放置する
2.設定を最原終一にしてライトを使う
※このスレのモチベ的にこれを最後の安価にします。
-
- 69 : 2017/06/07(水) 23:05:40 :
- 2.設定を最原終一にしてライトを使う
-
- 70 : 2017/06/07(水) 23:40:18 :
- ありゃ、こっちも楽しみだったけど仕方ないね
完結しないより全然いい
-
- 71 : 2017/06/09(金) 13:11:00 :
- 本スレとかのラブアパ考察で、赤松さんの理想の相手≒最原くんっていうのがあったから赤松さん設定をきっかけに元にもどっていくのかと思ってた
赤松さん設定最原くん見たかった
-
- 72 : 2017/06/11(日) 22:52:13 :
- 赤松(私の意見は……設定を最原クンのものにしてライトを使う…)
赤松(何が正しいなんてわからない…けど、放置したら最原君が苦しんじゃう……そんなの見てられないよ…)
赤松「私は…使ったほうがいいと思う…。放置して苦しむ最原君なんて……見てられないよ…」
天海「…確かに苦しんでる姿を見続けるっていうのはできそうにないっすね」
星「見続ける必要はねえんじゃねえのか? …まぁ最原がずっと苦しんでいる、なんて考えながら平穏に過ごすなんて無理だろうがな」
春川「…そうだね」
夢野「……」
アンジー「………」
春川が夢野とアンジーを見ながら同意し、他の者も反対意見を出さなかった。
否、どうすれば正解などわからないため、反対意見を出せなかっただけだった。
王馬「…あーあ、面白かったのにもう終わりなんだねー」
王馬の言葉に俯いたのは、ライトで妄想が実現した人物たち。
特に、夢野やアンジーは自分を信頼して接してくる最原を思い出して…そして、その最原が二度と現れないということを思い知って、胸が締め付けられるような痛みを感じていた。
百田「やめろ。……元々、モノクマが変なことをしなけりゃ、こんなことになってねえんだ。…これで元通りだ」
赤松(元通り……本当にそうなのかな)
赤松は自分の妄想が実現したわけじゃない。
だから、夢野たちのように理想の最原を失う気持ちなど、想像することしかできない。
そして、そんな一度得たものを失った彼らにとって、最原がどのようになったとしても、元通りというわけにはいかない。
赤松は、そんな心境を抱え込むことになった彼らのことが心配だった。
東条「…話はまとまったようだし、さっそく取り掛かりましょう」
真宮寺「と言っても、最原君にライトを浴びせるだけだけどネ」
天海「……じゃあ…誰がやるかっすけど…」
赤松「私がやる…」
春川「…赤松、大丈夫なの?」
赤松「大丈夫。……実際に実現した人たちはやるには辛いだろうし…今までも私が結構やってきたし…」
天海「……そうっすね。よろしくお願いします」
赤松はライトを東条から受け取り、ライトの設定を切り替えた。
赤松「…最原君…」
最原「……僕にはみんなが何の話をしていたかわからないし、この状況も全く飲み込めてない…。でも、これだけはわかるよ」
最原「ごめんね、みんな」
赤松「…え?」
百田「何言ってんだ、終一…」
最原「状況はわからないけれど、みんなが…そんな辛い顔をすることになった原因は僕なんだって、それだけはわかる。だから…ごめんね」
百田「謝んな! オメーが謝る必要は絶対にねえ! 絶対にだ!」
最原「ありがとう、解斗。…魔姫」
春川「……何?」
最原「よくわかっていないけど、これで最後みたいだから、一つ言っておくよ。気持ちは言わないと伝わらない。表に出したくない、人に知られたくないという思いは特にね。寡黙でクールなことは君の美点だと思う。だから、その美点を生かしつつ、……頑張ってね」
春川「……何言ってるのかわかんないし」
最原「頑張ってねって言いたいだけだよ。他の人にも言いたいけど……時間はないんでしょ?」
赤松「…うん」
最原「そんな辛そうな顔をしないで、楓。僕を元に戻す、っていうのはよくわからないけど……きっとこれは必要なことなんでしょ? みんながそんな辛そうな思いをしてまで僕にしてくれることなんだ。だから……お願いするよ」
最原は笑顔のまま、目を閉じる。
赤松はいつの間にか涙を流しながら、ライトを構えた。
ライトを持つ手を震わせ……まるで拳銃で弾丸を打つかのように、ライトのスイッチを押した。
-
- 73 : 2017/06/11(日) 23:09:44 :
…………。
「ねぇ、大丈夫?」
「最原君!」
「……ん…?」
僕はその声を聞いて目を覚ました。
「おお、終一、目ぇ覚ましたか!」
「倒れた時はどうなるかと思ったっすけど、これで一安心っすね」
次々と周りから様々な声が聞こえてくる。
その声たちはみんな僕のことを心配しているようだ。
「あの……」
「最原君! 大丈夫? どこか、変なところとかない?」
「……えっと…」
目の前には、可愛らしい女の子がいる。
「最原君……?」
「…あの…あなたたちは……誰ですか?」
「……え?」
-
- 74 : 2017/06/11(日) 23:30:33 :
- モノクマ「うぷぷ、実験は上手くいったし……これを動機にするのも面白いかもね」
モニターを見ながら、モノクマは怪しく笑う。
白銀「ただいまー。はぁ、地味にすっごい騒ぎになっちゃったよ」
モノクマ「お疲れさま。大変だったねー、うぷぷ」
白銀「はぁ、本当…最原君ってば人気者だから、記憶喪失なんかになっちゃうなんてね……私も忘れられたことは地味にショックだったけど…」
モノクマ「忘れたというよりは、ただ初期設定に戻っただけなんだけどね。妄想実現サセルンデスは、思い出しライトのただの応用だし。」
白銀「だよね…。あ、ちなみに、放置してたらどうなったの?」
モノクマ「うぷぷ、そうしてたらライトの設定がそのまま残って、みんなの幼馴染最原君が定着してたねー。そうしたほうが幸せだったかもね?」
白銀「そうなんだ…。うーん、幼馴染が探偵…うん、売れそう!」
白銀は呑気にそんなことを言いながらダンガンロンパの次回作のことを考え始めた。
モノクマ「うぷぷ…面白い動機はいつでも必要だからね。もうちょっとだけ実験に付き合ってもらうよ」
モノクマは再び妖しく笑った。
モノクマ「妄想実現サセルンデス!」 終
-
- 75 : 2017/06/11(日) 23:35:03 :
- ~あとがき的な~
なんとも後味悪く終わりましたね…。
最初は妄想の人物が実現して、わーわー騒ぐ姿を書こうとしてたんですが、「妄想した最原を焼き付ける装置」を登場させて、それを何度も使うということは、焼き付けた最原の人格の否定、つまり、一人の人間を殺しているのと同じ、と途中から考えてしまったので、このSSは途中からバッドエンド確定でした。
みんなと仲良くなった最原君のデータはなく、初期設定のものしかない。だから、最原を元に戻すなら、初期設定に戻した後、同じ道のりをたどるしか彼らには手はないわけです。そんな簡単に人の人格を操作しようとしたツケ、というエンドです。
では、以上でこのSSはおわりです。感想等ありましたらよろしくです。
-
- 76 : 2017/06/12(月) 00:00:24 :
- お疲れ様です。まさかこんな風に終わるとは読み始めた頃は思っていなかったですが色々と考えさせらました。V3で思い出しライトの真相を聞いた最原くんが元に戻ることすら出来ないのかと泣き始めた時の衝撃を思い出しました。とても引き込まれるお話でした
-
- 77 : 2017/06/12(月) 02:45:16 :
- ロッカーに入れられた時に戻っちゃったのか
面白かったよ
-
- 78 : 2018/05/09(水) 12:41:26 :
- カムクラを退けた日向君ならどうにかなったんかな。
- 著者情報
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