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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

マルコ「俺と君の」サシャ「秘密の共闘戦線」(マルサシャ、チート逆行)Ⅴ

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  1. 1 : : 2017/02/24(金) 20:46:35
    どうも皆様サシャスキーです!(・∀・)
    この作品は↓の5番目にあたる話です

    マルサシャ共闘戦線シリーズ
    http://www.ssnote.net/series/3242

    今回でマルサシャシリーズはⅤですね、すでに原作の色んな所に変化が起きてきました
    さて、今回のストーリーで女型の巨人編は終わります
    そして、ほんの少しだけ原作から外れたお話となるでしょう…それでは今回の注意点です↓

    ◤◢WORNING!◤◢WORNING!◤◢

    学生故の亀更新、誤字脱字、駄文、原作ストーリーとキャラの崩壊や捏造、改変、cp要素

    …大丈夫だという神様はどうぞ!
  2. 2 : : 2017/02/24(金) 20:52:43
    キタ━━━━(゚∀゚)━━━━イ!!!!!
  3. 3 : : 2017/02/24(金) 20:54:02
    心の充電器さんコメありがとうございます!!
    頑張ります(・∀・)ノ
  4. 4 : : 2017/02/24(金) 20:54:36
    目の前にいるアニが意識を取り戻す

    アニ「…ここ、は」

    彼女はすごく強い、たとえ2対1でも俺らが勝つとは思えないほどに

    …だけど

    アニ「!…これは一体、どういう事なんだい?」

    それは彼女自身が五体満足であるのが必須条件だ
    だから、ミーナに頼んでアニをうなじから取り出す時に右足と左腕を切ってもらった

    ミーナ「ごめんね?それ…私が」

    気まずそうにミーナがいうとアニは信じられないような目でミーナを見た

    アニ「え…あんた、ミーナ?」

    ミーナ「あ、うん」

    変装していたから分からなかったんだろう、ミーナは自身のウィッグと仮面を外した
  5. 5 : : 2017/02/24(金) 21:00:31
    本当にミーナだった事に更に驚くアニにミーナはいたって静かな声で話しかけた

    ミーナ「…アニ」

    ミーナ「…ホント、さっきはごめんね?急に殴られて痛かったりしない?」

    アニ「…別に、巨人体の痛みは感じないよ」

    アニ「生身も、どうせ再生するしね」

    こうして話しているのを見るとまるでいつもの二人の会話みたいだと思った
    ただ、内容はいつもの…平和なそれとは違う

    アニ「それに、殴ったのはあんたじゃないだろ?…そこにいる奴じゃないかい?」

    マルコ「!驚いたな」

    アニ「変装してるっぽいけど…あんた、マルコだろ、分かるよ」
  6. 6 : : 2017/02/24(金) 21:29:30
    マルコ「あはは…久しぶり」

    アニ「…どうも、死んだっていう報告聞いた時は一体どんな手品を使ったのかと思ったよ」

    アニ「…それも、あんたが巨人になれるっていう前提があれば覆るけどね」

    マルコ「…そっか」

    ミーナ「…えっと、それで…アニ?」

    また気まずそうに話しかけたミーナ

    アニ「…なんだい?」

    それにいつものように応えるアニ

    …でも、いま彼女達二人の間にはどうしようもないほどの深い、深い溝があるようにも思えた

    ミーナ「…本当に、アニは巨人なんだよね?」

    ミーナ「女型の…巨人なんだよね?」

    アニ「…ああ、そうだよ」
  7. 7 : : 2017/02/24(金) 21:41:45
    ミーナ「っ…そっ、か…」

    アニのその発言に、普段の元気さに陰を落とすミーナ…それでも

    ミーナ「…」スゥ…ハーッ

    目を閉じ一つ深呼吸をする、そして

    ミーナ「…」スッ

    目を開けた彼女は、いつもの感じとも、それこそさっきのような陰鬱さも、感じさせない決意を固めた目をしていた

    ミーナ「…なら、アニもう一つだけ、聞いてもいいかな?」

    アニ「…言っておくけど、私は自分達の情報を漏らす気はないよ」

    アニ「私は…戦士だから」

    ミーナ「あはは、そんな堅苦しいものじゃないから安心してよ…ねぇ、アニ」

    ミーナ「訓練兵時代、楽しかった?」

    アニ「…は?」
  8. 8 : : 2017/02/24(金) 21:51:16
    ミーナ「ご飯の時、少なかったりした時とか少しでも互いが満足できるよう好きなもの交換したり」

    ミーナ「休日に、私が無理やり連れ回した感じに近かった気がするけど街に買い物行ったりさ」

    アニ「…」

    ミーナ「なんといっても訓練がキツかったよね!行軍訓練とかもう二度とごめんって感じ」あはは

    ミーナ「座学も、眠くてさぁ、特にお昼過ぎなんて皆が寝てて教官に怒られて…」

    ミーナ「寝ると言えばさ、冬とかは、夜がすごく寒くてよく女子でくっついて寝てたよね」

    ミーナ「まぁ、毛布自体薄っすいから、あんま変わんないって最初思ってたけど…」

    ミーナ「すごく…暖かかった、よね?」

    アニ「…」

    いつもの二人の会話のように、ミーナが話し、アニが聞く、そんな会話
    それでも、この会話は最悪彼女達が交わす最後の会話になるかもしれない
  9. 9 : : 2017/02/24(金) 21:53:10
    序盤に饒舌に話していたミーナも、少しずつ、少しずつ、下を向いていく…そして

    ミーナ「ねぇ、アニ…答えて」

    ミーナ「私は…あのたった3年間で」









































































    ミーナ「少しでも、ほんの少しでも!…あなたの、アニの友達としていられたかなぁ…」

    アニ「!」

    ミーナ「アニにとって…私は…っ、友達、だったかなぁ?」ポロポロ
  10. 10 : : 2017/02/24(金) 22:38:17
    手で顔を覆っても、指の間から零れていく涙を俺はなんとかする術はないし、俺が何かする資格はない
    マルコ「(…今のミーナに、何か言ってあげれるのは一人だけ…そう)」

    アニ「…」

    マルコ「(そのミーナの前で、無言で彼女を見ているアニだけだ)」

    アニ「…私、は」

    重々しく、口を開くアニ

    マルコ「(さて一体どんな言葉が出てくるのか)」
    …ここまで、俺はどこか落ち着かないでいる
    彼女達二人を他の巨人から警護しなくてはいけないというのに…なのに
    どうしても、心に何か引っかかるものがあってそれを飲み込めずにいるんだ

    マルコ「(…なんでだ)」

    どうしてこんなにも
    今すぐ彼女に、サシャに会いたいと思うんだ

    不安と焦燥感、それをなんとかしてくれる彼女は…まだ、ここに来てはくれそうにもなかった
  11. 11 : : 2017/02/24(金) 22:46:25
    アニside

    エレンを拐おうと、うなじに噛みつこうとした私が最後に見たのはエレンとは違う、黒髪の巨人
    そして、肩に乗ってた人物が完全にノックアウトされた私にブレードを持って飛んで来たくらいだった
    アニ「…ぅ」

    そして目を開けてみれば驚く事に

    ミーナ「…アニ」

    マルコ「…」

    目の前にいたのはミーナと、あの時以来死んだと言われていたマルコだった

    アニ「(さっき私を殴った巨人はマルコだったのか…でも、一体マルコはいつ巨人の力を?)」

    私は頭のフル回転させて、状況整理と今この状況をどう打開するかを考えていた…が

    ミーナ「ねぇ、アニ…答えて」
  12. 12 : : 2017/02/24(金) 23:07:34
    ミーナ「アニにとって…私は…っ、友達、だったかなぁ?」ポロポロ

    そんな風に泣きながら私に聞いてくるミーナを見て〈この状況をどう打開するか〉そんな思考が消えた

    アニ「…」

    私が…彼女を、ミーナを友達と思ったか

    アニ「(…いや、何を悩んでいるのさ)」

    簡単な問いだろう?私は戦士、壁内人類の敵
    そもそもこいつらを殺す為に壁内に入り込んだんだ

    味方どころか、友達なんて…ありえないだろう

    そうだよ、友達なんて思った事なんて一度もない…そう答えればいい
  13. 13 : : 2017/02/24(金) 23:11:23
    ほら、早く言え

    早く、早く言え…この目の前のおバカな少女に分かるように形にして、言葉で、教えてやれ

    アニ「…私、は」

    あんたの事なんて、一度も友達と思った事なんて…


















































    〜〜〜

    ミーナ「アーニ!一緒に食べよう?」

    〜〜〜

    アニ「っ!」
  14. 14 : : 2017/02/24(金) 23:18:05
    アニ「ぁ、わ、私…は」

    ミーナ「アニ?」

    アニ「私、は…っ」

    …ああ、やっぱり、ダメだ
    口にする事なんて到底出来ない、私は意外と正直者なんだ

    アニ「ミーナの、あんたの…事…」

    友達と思った事なんて一度もない…なんて

    アニ「…っ、思ったよ!友達ってこんな感じなんだろうなとか!誰かと食べるご飯ってこんなに美味しんだな、とか!!」

    言えないよ、私は…弱い
    か弱い乙女なんだよ…
    寂しかったら、死んでしまうのさ

    アニ「ないわけないでしょ!?」

    アニ「3年間も!あんなに一緒にいて!!」

    アニ「一回も思わずにいられるほど!私が強いわけないじゃないか!」
  15. 15 : : 2017/02/24(金) 23:21:40
    ミーナ「アニ…」

    アニ「でも、ダメなんだ…ダメなんだよ」

    アニ「私は戦士なんだ、戦士で…なきゃ」

    ミーナ「…」

    心の奥底に仕舞っていたものを全て出した
    ミーナも、きっとこんな私を見た事ないだろう

    気まずい空気が私達二人の間に流れる
    それを破ったのは…

    マルコ「…いや、戦士のままだろうが兵士になろうがこのままじゃ何も変わらない」

    ずっと黙っていたマルコだった
  16. 16 : : 2017/02/24(金) 23:26:00
    アニ「え…」

    変わらない?何が?そんな言葉がぐるぐると頭の中で反芻される

    マルコ「…俺の巨人化の力は、誰かから継承されたものじゃない」

    アニ「?それはどういう…」

    私が聞くと、マルコは信じられないような話をするけど…と話し始めた

    マルコ「…まず言うと、ホントは俺はあの時、君らに殺されてたんだ」

    それはホントに信じられないもので、でも確かに本当だとするなら色んな辻褄があう…そんな話だった
  17. 17 : : 2017/02/24(金) 23:29:23
    期待です

    闇に生き、光に奉仕する
    我らはアサシンなり。
  18. 18 : : 2017/02/24(金) 23:32:28
    >>17エツィオ・アウディトーレさんコメントありがとうございます!!
    すみません、アサシンクリードにはそれほど詳しくないんです(´・ω・)
  19. 19 : : 2017/02/24(金) 23:42:40
    アニ「…嘘でしょ」

    サシャが?『前回』の世界での唯一の生き残り?それ以外…全員死んだ?

    私も、ベルトルトも、ライナーも?
    目の前のミーナも、マルコも?
    壁内の人間だけじゃなく、私達壁外人類も?

    …そんなのおかしいじゃないか

    アニ「なんで…そんなの」

    どっちの勝ちでもないじゃないか
    ただただ無意味に、私達は殺しあっているの?
    これから全員死ぬ為に、更に殺しあうの?

    アニ「私は…どうすればいいのさ」

    まるで、もう二度と帰れないと言われたような気持ちだ…元々帰れるか分からないのに

    今まで3年間、耐えて来たのに…
    目の前のミーナや他の人達と、距離を置いてなるべく親しくならないようにして…

    寂しくても、辛くても、耐えてきたのに…

    故郷に、父の元に帰る為だけに…ずっと
  20. 20 : : 2017/02/24(金) 23:50:54
    ミーナ「…」

    ミーナ「あの…マルコ」

    マルコ「…いいよ、サシャも多分、あの時そう伝えてたかったんだと思う」

    ミーナ「…ありがとう、ねぇ?アニ」

    アニ「なんだい?」

    ミーナ「アニがよければでいいの、私達と…一緒に戦ってくれないかな?」

    アニ「!」

    そう提案してきたミーナに私は驚愕した

    アニ「え…なん、で」

    さっき、確かに思いの丈を伝えきったが
    それでも、私は私達は許されない事をした
    ミーナの故郷のトロスト区も…私達が、滅茶苦茶にしたのに

    ミーナ「なんでって、言われても…」

    ミーナ「分かりきった事じゃない」ニコッ

    そう言って彼女はいつものニコニコした笑顔で元気よく言った
















































    ミーナ「私は、アニの友達なんでしょ?」

    ミーナ「友達と一緒にいたいなんて当たり前じゃない!」
  21. 21 : : 2017/02/25(土) 00:00:00
    アニ「…」

    ミーナ「いやぁ、よかったぁ…アニが私の事、ちゃんと友達って言ってくれて」

    ミーナ「今まで、結構不安だったんだよ?アニって嘘つかないけど、あまり口に出して言うタイプじゃないから」

    ミーナ「私の事をちゃんと友達として見てくれてるかっていうのは訓練兵時代からずっとずぅっと!気にしてたんだから!」

    アニ「…」

    ミーナ「アニ?」

    アニ「…グスッ」

    ミーナ「え?!ちょっとアニ!?」

    アニ「ぁ…なみ、だ?」

    自分でも最後に流したのはいつか思い出せないような涙に戸惑うが、ミーナはそれ以上だったようだ

    ミーナ「だ、大丈夫?」

    すごく心配そうに私を見るミーナ
    ああ…本当に

    アニ「あんたが…ミー、ナが…っ、友達で…よかった…」

    ミーナ「…アニ」ギュッ

    泣いてる私を抱きしめてくれるミーナ
    いつも急に抱きついてくる時のそれとは違って優しく、けど、いつもの時と同じようにあたたかみを感じるものだった

    ミーナ「うん、私も…アニが友達でよかった、すごく嬉しいよ」
  22. 22 : : 2017/02/25(土) 00:04:40
    安心して、いつの間にか再生が終わった腕で私もミーナを抱きついて、声を出して泣いた

    私は…戦士になり損ねた
    ライナーと、ベルトルト怒るかな?
    それとも悲しむかな?

    でも、今は今だけはそんな事抜きで戦士じゃなくなった事を…喜ばせてください

    アニsideEND
  23. 23 : : 2017/02/25(土) 17:39:44
    サシャ「(ああ…死にましたね)」

    そう思って目を閉じた

    マルコ達には申し訳ないけれど、リヴァイ兵長の斬撃を避けられる訳がない

    万が一死ななかったとしても捕らえられ、私達の目的は潰えることだろう

    自分の能力を過信したツケがこれだ、笑えない
    いやいっそ誰か笑って欲しい




































































    「あ、じゃあ遠慮なく」

    サシャ「は?」

    「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!うっわホントにドジ!!www」

    サシャ「いやいや、ちょっと待たんかい!?」
  24. 24 : : 2017/02/25(土) 17:47:15
    突如誰かの声に思いっきり笑われ思わず突っ込む

    「あ、いやごめんな?別に笑ってくれと頼まれんかったら笑わなかったんやけど」

    サシャ「あなた誰ですか?!」

    いや、そもそも私はさっきまでリヴァイ兵長にブレードを…一体何が?

    「ん?ああ、目ぇ開ければ分かるで?」

    サシャ「は、はあ…」

    そう言われ閉じた目をもう一度開く…すると

    サシャ「…え?」

    時間が…静止していた

    私の体だけじゃない、周りの人物達も、木も、風も…その動きを止めていた
  25. 25 : : 2017/02/25(土) 17:53:02
    目の前のリヴァイ兵長も動きを止めていて、彼の持つブレードは私の首元に添えられるように止まっていた

    サシャ「なん、ですか…これ」

    もしかして私はこれから死ぬ前の、いわゆる走馬灯を見ているのではないか
    そんな疑問を、先程から聞こえる声が否定する

    「いやいや、別に走馬灯ちゃうからな?」

    声の主は見えず、ただただ私に語りかける

    サシャ「(それにしても…)」

    この声の言葉遣い…いや、この声自体も…
    馴染み深く、ずっと聞いてきた声にとても似ている
    「あ、やっぱ分かるん?」

    「この声と喋り方、君の声と地元の喋り方真似させてもらっとるよ」
  26. 26 : : 2017/02/25(土) 18:35:32
    サシャ「私の声…ねぇ」

    サシャ「…貴方、何者なんですか?」

    姿の見えない相手に問う、なんとなく…答えは分かる気もするが

    「分かるやろ?」

    サシャ「まぁ、大体は…」

    こんな時間止めて、なんていうあり得ない現象を起こせるなんて…

    サシャ「…神様ですか?あなたが?」

    そう、この世界でクリスタに言いそびれた言葉で聞くと声はつとめて明るく言った

    「正解!」

    サシャ「…神様って、こんな軽い感じなんですか?正直…ひきました」

    「うわ…そう言わんとってよ、ショック受けるやん?」

    サシャ「…知りませんよ」

    「おろ?」
  27. 27 : : 2017/02/25(土) 18:43:15
    神だかなんだか知らないが、結局の所…

    サシャ「私は、神なんてクソ喰らえですから」

    「うわぁ…捻くれとんなぁ…」

    知るか、私がこうして逆行して世界を変えようとしている理由を作ったのはそれこそ神だろう

    こんなにも残酷な世界を創った神なんて…信仰にも値しない、それだけだ

    「んー、気持ちは分かるんやけどな?」

    「君らが生きてるこの世界を創った神ではないんよね、私」

    サシャ「え?」

    「私、最近神になったばかりやからな?神は神でも新米の神や」

    「まぁ、別にホントにそのまま《新米》の神やないよ?そこ間違えんといてな?」

    サシャ「神って…そんないるものなんですか?」
  28. 28 : : 2017/02/25(土) 18:48:44
    「そこにいる君の同期」

    サシャ「?ミカサの事ですか?」

    「彼女の故郷、東洋では八百万の神といって八百万の神がいるとされてるよ」

    サシャ「うわ…ありがたみ失せそうですね」

    「むしろ逆やけどね、どんな事にも神が宿ってるんだから大切にしなさいという…」

    サシャ「便利な解釈ですね…」

    「うん、さて…」

    「そろそろ本題移ろか?なあ、サシャ・ブラウス?」

    サシャ「…」
  29. 29 : : 2017/02/25(土) 21:08:44
    「君、そのままやと死ぬけど…どないする?」

    サシャ「どうすると、言われても…」

    そもそも身体が動かない今だから冷静に見れるが時が動けば確実に、リヴァイ兵長のブレードは私の首を捉えるだろう

    そして、私は死ぬ

    サシャ「…」

    一応、今ありとあらゆる方法を考えるが…どうやってもバッドエンドのゲームオーバーしか見えない

    「…じゃあ」

    サシャ「?」

    「…諦めるん?」

    サシャ「…いや」

    諦めたくない、諦められない
    だって、約束したから《この世界に一矢報いてやろう》って、彼と約束したから

    今ここで私が死ねば前に私が感じた、『前回』を知る人が自分以外いなくなる恐怖を彼に与えてしまうから
    私がいなくなったあと、何がなんでもこの世界を正そうと、責任感と重圧で、彼が壊れてしまうから

    …でも

    サシャ「どうしろって…いうんよ」
  30. 30 : : 2017/02/25(土) 21:15:00
    サシャ「諦めたくなんかない…」

    サシャ「こんな世界を、ぶっ壊したるって言ったんやから…こんな所で、終わりたくない」

    …それだけじゃない

    サシャ「………ない」ボソッ

    サシャ「まだ、ここで死にたくない…」

    私の命は…×××××××××××××に使うと決めた
    まだここで…終わらせられない

    「…ふぅん、そっか」

    サシャ「…」

    「…なんとか、出来んくも、ないよ?」

    サシャ「!」

    まさに、その声のその言葉は渡りに船と言わんばかりだった
  31. 31 : : 2017/02/25(土) 21:34:19
    サシャ「なら…」

    「ただし!…タダとは、思わん方がええよ」

    サシャ「…」

    「代償は必ずある、どんな事でも…それでもええんか?」

    サシャ「…フフ」

    「?」

    なんだ、それなら大丈夫だ

    サシャ「古よりいうやない?…タダより高いものはない」

    昔、本当に私が小さな頃に教えてもらった事…これを教えてくれたあの人は、もういないけれど

    サシャ「最初から、代償があるって分かるなら全然、平気や」ニッ

    私の中で、消える事なく残ってる

    「…クク、なぁんや気にしとらんのかいな」

    「さすが…やな」ボソッ

    サシャ「?なんか言ったと?」
  32. 32 : : 2017/02/25(土) 21:52:41
    私がそう聞くと声はなんでもないと答えた

    「それじゃ、助けてあげるけどさ」

    「これを何回もしとると…」

    「死ぬ以上に辛い目にあうからな?」

    サシャ「…分かった」

    私はこんな声が出せるのか、そう思わせるほどその声は冷たく、嘘ではない事が分かった

    …そういえば

    サシャ「何回も?これっきりと違うん?」

    「あんた危なっかしいんやもん、また同じ事になりかねんやろ?」

    「能力の強化とでも思っといて」

    サシャ「さいで…」

    サシャ「…もしかしてやけど、貴方が私達を『今回』の世界に連れてきた神やったりするん?」

    「…まぁ、ね」

    「そいじゃ、気張りや」

    そう声が遠ざかって行くのを感じると
    世界はまた動き出し、私は早速能力の強化がどんなものか試す事になった
  33. 33 : : 2017/02/25(土) 22:01:55
    現在公開可能な情報

    マルコの巨人について

    エレンの巨人より少し細身な16M級

    『前回』の影響により隻眼であり、右眼にあたる部位から常に蒸気が出ている。

    回復能力が異常な程に高く、腕一本程なら3分とかからず全快する。
    人間の状態でもその回復能力の影響を受けている為エレン達以上に再生するスピードが早い。

    隻眼故に視野が狭い。常に右側からの攻撃には警戒している為、死角と思って右側から攻撃する愚か者にはロクな運命は待ってないだろう。
  34. 34 : : 2017/02/27(月) 19:45:57
    ふわり…と、人類最強のブレードは空を切った

    リヴァイ班+ミカサ「!?」

    リヴァイ「…は?」

    しかし、私は避けれたのではない
    当たり前だが、避けれる距離ではなかった

    しかし、こうして私は思考している
    身体と頭が首で繋がっているなによりの証拠だ
    つまり…










































    ブレードは私の首を通過していったのだ
    まるで煙のように、幻のように、触れることの出来なくなった私の首を
  35. 35 : : 2017/02/27(月) 19:53:14
    リヴァイ「…どうなってやがる」

    流石の事態にリヴァイ兵長も目を見開く

    サシャ「…」

    ついでに、私もだ

    サシャ「(な、なんやこれ…?!)」

    精々、動きが素早くなる位のものを、ブレードを避けれるものを想像してたのに…予想以上にとんでもないものが出て来た

    …しかも

    サシャ「…」ブンッ

    リヴァイ「!」

    ガキィィイン!!

    サシャ「(こっちは触れられる、と)」

    …エグい、代償を考えてもエグ過ぎる
    相手は私に攻撃出来ないのに、こっちは攻撃出来るって…なに考えているんだあの神は
  36. 36 : : 2017/02/28(火) 07:47:09
    サシャ「…」

    …まぁ、せっかくこんな能力を得られて何とか死なないで済んだことだし

    サシャ「(…ここは)」

    リヴァイ「…」

    サシャ「(逃げるが勝ち!)」ピュー!!

    リヴァイ「!」

    リヴァイ班+ミカサ「!」

    ミカサ「…逃げた」

    ペトラ「追いかけないで、いいんですか?」

    エルド「いや、それ以上に…戻って報告すべきだろう?あんな奴」

    リヴァイ「エルドの言った通りだ、エレンを回収し、帰還するぞ」

    ミカサ「!エレン……あいつは…」

    ミカサ「一体、なんだったの…」
  37. 37 : : 2017/02/28(火) 08:01:07
    森の奥に逃げ、少し経った

    サシャ「ハァ…ハァ…な、なんとか撒けましたかね?…ふぅ」

    安心し、木に腰掛ける
    …そして

    ズキン!

    サシャ「グッ!?」

    私の首に凄まじい痛みが走る

    サシャ「あ、ぁああぁあぁぁああ!!?」

    〈首が切られたような〉痛み、普通は人が死ぬような痛みが襲い、意識を失いたくともまた痛みで覚醒するような地獄がぐるぐると巡る

    サシャ「ああぁあぁあああ!!…!」ガブッ

    慌てて自身の腕に噛み付く、声が響いてもし周りに他の兵士がいたら大変だ
    意外にもそういう事を考えられて助かった

    サシャ「フーッ…フーッ」グググッ
  38. 38 : : 2017/02/28(火) 08:07:20
    なるほど、これが代償なら、確かに、簡単な覚悟では乱用できそうにない

    普通、人は首を刎ねられたら痛みを感じる間も無く即死する
    それを捻じ曲げたら、刎ねられた痛みを感じるのは道理に適っている気がした

    …が

    サシャ「(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛イイタい痛イ痛いイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!!!)」

    流石に…想像以上だった…

    サシャ「(ヤバい…早く、マルコ達のとこ行かんと……)」

    彼らに…心配かけたくない…彼らは優しいから、心配してしまう…
    だけど、そもそも…私は…そんな……











































    マルコ「サシャ!!」バシュッ
  39. 39 : : 2017/02/28(火) 08:17:07
    サシャ「?!」

    マルコ「サシャ!大丈夫か!?」

    ミーナ「しっかりして!!どこか痛いの!?」

    サシャ「な…で…」ゼェ…ゼェ…

    なんで、私はマルコ達と正反対の方に逃げたのに

    マルコ「決まってるだろ!!あんな叫びが聞こえたら誰だって!!」

    ああ、聞こえてしまっていたのか…

    ミーナ「サシャどこが痛いの?!ねぇ!!」

    アニ「ミーナ落ち着きな、あんたが慌ててもサシャが良くなるわけじゃないだろ?」

    サシャ「…」ゼェ…ゼェ…

    ああ、アニ…ミーナと、ようやくちゃんとした友達になれたんですね

    …不思議だ、さっきまであんなにも正気を失いそうな痛みを感じていたのに

    サシャ「(少し、楽になった気がする…)」
  40. 40 : : 2017/02/28(火) 08:24:53
    マルコ「サシャ、何があったんだ!?」

    サシャ「おち、ついて…くださ…」ハァ…ハァ…

    うん、呼吸もさっきと比べれば全然楽になってる
    これなら少しくらいは喋れそうだ

    サシャ「…ちょ、っと…無茶しちゃい…まし、たけど、怪我はないです…から」

    そう、怪我はないのだ、本来怪我をするべきだった場所が痛いだけ…これ位、我慢すれば…

    マルコ「大丈夫なわけないだろ!!」

    サシャ「!」

    マルコ「…ごめん、怒鳴って」

    マルコ「前も…サシャが、無茶して死にかけたから…過敏になってるのかもしれない」

    サシャ「…」

    なんで謝るのだろう、それなら完全に私の責任じゃないか
    マルコに、どこにも非はないじゃないか

    サシャ「…ごめん、なさい」

    マルコ「…どこか痛いんじゃないか?痛いなら教えてくれ」

    マルコにそう優しく聞かれ、私は素直に首が痛いと告げた
  41. 41 : : 2017/02/28(火) 08:29:18
    マルコ「首?」

    ミーナ「でもなんで…」

    そう言いながら3人は私の首を見た瞬間

    マルコミーナアニ「?!」

    サシャ「?」

    急に驚愕した顔を浮かべた

    マルコ「なんだ…これ…」
  42. 42 : : 2017/02/28(火) 08:35:48
    なんだこれ、そういうしかない程サシャの首に現れたソレは理解出来ないものだった

    赤い、いや紅いアザ
    真一文字にサシャの首に細く真っ直ぐソレは浮かんでいた

    マルコ「…」

    何があればこんな風なアザが出るのか、ロープにしては細すぎるから首を絞められたわけではなさそうだが…

    マルコ「(そもそも、首を絞められたからと言いって、あんな悲痛な叫びはあげられない…)」

    もう少し、キチンと診るべきだろう…

    マルコ「…サシャ、悪いんだけど触って大丈夫?ちゃんと見ておかないと…」

    サシャ「?あの…よく分からないの、ですが」

    どうやらサシャは首に現れたアザの存在を知らないらしい、ミーナが説明すると少し目を開いて驚いた
  43. 43 : : 2017/02/28(火) 21:40:01
    サシャ「そう…ですか」

    では、お願いしますとサシャから許可をもらいゆっくりと、彼女の首筋に触れた

    サシャ「ッ…」

    マルコ「ご、ごめん…痛い?」

    そう聞くと首を横に振って大丈夫だと伝える彼女
    出来ることならあまり無理はさせたくない、早く診て終わらせなければ…

    マルコ「(…内出血によるアザとは違うな)」
  44. 44 : : 2017/02/28(火) 21:40:28
    内出血によるアザはそもそも青いし、そんな急に青アザとは出来ないものだ

    マルコ「(…ん?)」

    マルコ「ちょっとごめんね」スル…

    サシャ「…!」ビクッ

    違和感に気付いて、彼女の髪を少し退かして彼女のうなじを診る

    マルコ「(このアザ、首を一周してる?)」

    まるで…細い、細い紅い糸で作った首輪みたいなソレは、どう考えても、少なくとも俺の知ってるどの知識のアザにも該当しない

    マルコ「(普通に考えて首を絞められた際にここまで綺麗に輪っかにはならない筈だし、一体…)」

    サシャ「ぁ…あの…マル、コ」

    マルコ「え?…あ!!」バッ
  45. 45 : : 2017/02/28(火) 21:48:33
    触り方が雑だっただろうか、サシャが気まずそうに、小さく俺に呼びかけた

    マルコ「(もしかしたら、かなり痛かったかもしれない)」

    慌てて彼女から手を離した

    サシャ「ぁ…」

    マルコ「ご、ごめん!もしかして痛かった?」

    そう言って彼女の顔を覗き込もうとするが

    サシャ「い、いえ…その…」フイッ

    そう顔を逸らされた

    マルコ「(ぅ…やっぱ駄目だったか?)」

    ミーナ「…アニ」

    アニ「?」

    ミーナ「周りを警戒しておこう?撤退の合図が出たとはいえ…まだ近くにいるかもしれないし」

    アニ「う、うん分かった」

    ミーナ「それじゃマルコ、サシャお願いね」

    マルコ「え?ちょ、ミーナ…」

    急に、ミーナがアニを連れて行ってしまった

    マルコ「…なんなんだ?」

    サシャ「…あの」
  46. 46 : : 2017/02/28(火) 22:23:57
    彼が首を触っていいかと聞いてきた
    ミーナ曰く、紅いアザが出来てしまっているようだ、怪しまれない為にも、明日までには治って欲しい…

    とにかく、私は自身では見れない以上、マルコに任せた方がいいと思い、頼む事にした

    サシャ「では、お願いします…」

    マルコ「うん…」

    ソッ…と私の首に彼の指が触れる

    サシャ「ッ…」

    やはり、痛みはある
    それでもマルコが心配そうな顔をするので、大丈夫だと伝えた

    彼自身、かなり繊細な物に触れるように触れているのでこれ以上ワガママも言えない
    …それにしても

    サシャ「(さっきから…痛い、けど…)」
  47. 47 : : 2017/02/28(火) 22:36:23
    不思議と、彼が触れている部分は…なんだかあったかく、痛みがひいてるような気もする

    気のせいなのかもしれない、しかし

    マルコ「…」ソッ

    彼の指が、アザがあるのだろう場所をなぞるように触れる度、そこに痛み以上に温かみを感じる

    転んだ子供に、母親が「痛いの痛いの…」と定番のおまじないをかけると不思議と痛みを感じなくなる…それと通ずるものがあった

    マルコ「…?」

    マルコ「ちょっとごめんね」

    ふと、彼が私の後ろ髪を優しくずらし、うなじに触れた

    サシャ「!」ビクッ

    スルリと、指がうなじをなぞると背中にゾクゾクしたものが走った

    サシャ「(こ、これは…流石に…)」

    くすぐったいとか、それ以前の問題だミーナ達もいるというのに、もしこれ以上されて変な声が出たら…心が折れる

    マルコ「普通に考えても…一体」ブツブツ

    サシャ「ぁ…あの…マル、コ」

    羞恥心を感じ、少し上ずってしまったかもしれない声で私は彼にやんわりと制止させた
  48. 48 : : 2017/03/01(水) 19:05:46
    痛かった?ごめんね?と謝る彼が私の顔を覗き込んできた

    サシャ「い、いえ…その…」フイッ

    それに、どことなく恥ずかしさを覚えた私は無愛想にも顔を逸らしてしまう

    サシャ「(…本来、謝るのは私でしょうに)」

    自身の力を過信して油断して、余計な心配をかけたのだ、私に謝る義務はあっても彼にはない、全くもって一切ない

    むしろここまでしてくれてる事に、私は感謝するべきな程なのだ
    きっと、私一人だったなら出来ない事も、捨てなくてはいけない物も、もっと沢山あったんだろうから
  49. 50 : : 2017/03/04(土) 07:41:17
    そんな時、ミーナが急に周りを見て来ると言い出しアニと共にその場を離れた

    ミーナ「それじゃマルコ、サシャお願いね」

    マルコ「え?ちょ、ミーナ」

    ミーナ「…」チラッ

    サシャ「?」

    ふと、去り際にミーナと目が合う

    ミーナ「…」ニコッ

    サシャ「!」

    マルコ「…なんなんだ?」

    サシャ「…」

    どうやら彼女なりに気を使ったみたいだ

    サシャ「(でも、私は別にマルコとそんな気は無いのですが…)」

    それでもせっかくの気遣いを無駄にするのは良く無いだろうと私は彼に声をかけた

    サシャ「…あの」
  50. 51 : : 2017/03/05(日) 11:43:45
    心の充電器さんお気に入り登録ありがとうございます!
  51. 52 : : 2017/03/06(月) 21:41:32
    能力もクソ強いけど、代償がやばすぎるw

    期待
  52. 53 : : 2017/03/06(月) 21:58:19
    >>52
    名無しさんコメントありがとうございます!!
    ただのチートではつまらないですからw
  53. 54 : : 2017/03/07(火) 15:58:15
    マルコ「なんだい?」

    サシャ「あの…アニは」

    マルコ「…うん、大丈夫」

    マルコ「これからは戦線は4人だね、女の子ばっかりで、正直肩身が狭いや」あはは

    そう言って苦笑するマルコに少し余裕が出来た私もつられて笑う

    サシャ「そうですか?ある意味両手に華、ですよ?ジャンなら羨ましがるのでは?」

    マルコ「そうかなぁ」

    サシャ「ええ」ふふ

    サシャ「…」

    マルコ「…なにかあった?」

    サシャ「え?」

    マルコ「なんだか、悩んでる感じしたから…」

    サシャ「あ、いや…その」

    馬鹿か私は、また目の前にいる人に心配かけて…

    実際、確かに悩んでいる事は無いわけではない
    出来る事ならこの胸の内にある事を誰かに知って欲しくもある…が
  54. 55 : : 2017/03/07(火) 16:04:29
    サシャ「た、大したことじゃないですよ」

    マルコ「…言って?」

    サシャ「え」

    マルコ「大した事か、とか関係ないよ」

    マルコ「なにかあったんだったら、言って欲しいんだ…出来る事はしたいから」

    サシャ「マルコ…」

    サシャ「…ホントに、マルコはジャンが言った通りの優等生ですね」

    マルコ「え、いや…」

    サシャ「…ありがとな?」

    マルコ「!…どういたしまして」ニコ

    サシャ「でも、全部言ってたら時間が足りません」

    サシャ「話してる間にも、皆帰っちゃいます」

    なにせマルコはともかく私達は、壁外調査中…それも撤退命令が出てるのだ
    早く戻り、素知らぬ顔をせねば怪しまれる

    マルコ「あ、そっか…」
  55. 56 : : 2017/03/07(火) 16:08:23
    サシャ「…今夜」

    マルコ「?」

    サシャ「今夜、皆で話して、その後、ゆっくり話しませんか?」

    マルコ「…うん、分かった」

    サシャ「アニはマルコが保護して…というわけにはいきませんね」

    アニがいなければ、壁の中の巨人、私達の待機中の巨人襲撃にどんな変化があるか…

    サシャ「ふぅ、その事含めて今日は話すことがいっぱいですね」ん〜ッ

    伸びをしながら、自分がゆっくり寝れる日はしばらく来なそうだと思ったのだった
  56. 57 : : 2017/03/07(火) 18:53:32
    夜ー会合場所似て

    サシャ「…あ、アニ」

    アニ「…」

    サシャ「えっと…ようこそ、戦線へ?」

    アニ「なんで疑問系なのさ」フッ

    サシャ「あはは…どうぞ?身体怠いでしょうし、座ってください」

    アニ「ん…ありがと」

    サシャ「いえ…」

    マルコ「お待たせ」

    ミーナ「ごめん、ちょっとお風呂で寝てた…」

    サシャ「ハハッミーナらしいですね」

    ミーナ「笑わないでよぉ、もう」
  57. 58 : : 2017/03/07(火) 18:58:09
    サシャ「ごめんなさい、さて…」

    サシャ「今回の議題に入るとしましょうか」

    マルコミーナアニ「…」

    サシャ「えー、まず…アニが新しく戦線に加入しました」拍手

    ミーナ「わー!」パチパチ

    アニ「なにこのノリ…」

    マルコ「あはは」パチパチ

    サシャ「…で!そのアニは私の記憶が正しければこのままだとマズイです」

    サシャ「せっかく戦線に入ったのに、いきなり行動不可能になってしまいます」

    アニ「は?」

    サシャ「アニ、アルミンを生かした事は…貴方の首を絞める事となります」

    アニ「!」

    マルコ「まぁ、アルミンだからね…」

    ミーナ「それで、どうするの?」
  58. 59 : : 2017/03/07(火) 19:01:09
    サシャ「最初はさっさと身を隠してもらう作戦で行こうと思いましたが…」

    そして私は壁の中の巨人とウォールローゼ内の巨人襲撃について話した

    マルコ「なるほど、ね」

    ミーナ「アニがいないと色々狂っちゃうのか」

    サシャ「ええ…なので、ですね?」

    アニマルコミーナ「?」

    サシャ「…そのぉ〜」

    アニ「なんだい、歯切れ悪いね」

    サシャ「すみません、えっと今回」

    サシャ「ちょっと、いえかなり強引な作戦になりますけど…やります?」
  59. 60 : : 2017/03/07(火) 19:28:50
    マルコ「?強引な作戦?」

    ミーナ「何するの?」

    サシャ「いや、まぁ実の所…さっき準備してきたというかなんというか…」

    アニ「だから、何をするんだい?」

    サシャ「…」

    サシャ「ーーーーーーー…」

    アニ「…」

    ミーナ「…」

    マルコ「…」

    マルコミーナアニ「!!?」

    ミーナ「ま、マジで?」

    マルコ「ちょ、それは…」

    アニ「あんたの手際もすごいけど、その方法を思いついたあんたの発想が一番すごいよ…」

    サシャ「はは…」

    ミーナ「はは、って」

    マルコ「…でも」

    マルコ「なんだかサシャらしいや」クスッ

    マルコ「そんな突飛な事思いつくの俺らじゃ無理だったよ」

    サシャ「えへへ」
  60. 61 : : 2017/03/07(火) 19:34:00
    サシャ「で、どうします?」

    アニ「どうしますって…」

    ミーナ「もう準備しちゃったんでしょ?」

    マルコ「やるっきゃない、よね…」

    サシャ「…それじゃ、覚悟決めてくれたようですし、次の議題といきましょう」

    アニ「?他にもあるのかい?」

    サシャ「ええ」

    そう言って私が自身の首のアザを撫でると大体察してくれたようで、皆はまた聞く姿勢に入った
  61. 62 : : 2017/03/07(火) 19:48:41
    サシャ「えー、かなり複雑な話?ですが…」

    そうして私は、新しく能力に追加があった事と、その代償について…そしてそれを与えた神についての事を話した

    ミーナ「…そんなことが」

    アニ「危なっかしいね、全く」

    マルコ「…心配したんだからね?」

    サシャ「すみません、もう自身を過信する事はしません」

    サシャ「そもそも代償がなかなかにキツイですから…この追加された能力自体は使う事自体少ないでしょう」
  62. 63 : : 2017/03/08(水) 11:58:25
    何度も使ってると死ぬより辛い目にあうと言っていた神の言葉は伝えず、そう言った

    そして、とりあえず、後は実践しかないという事でその日はお開きとなった

    …その後、ミーナとアニが帰った後

    サシャ「すみません、残ってもらって…」

    マルコ「いいよ、俺が聞きたくて残るってだけだからさ?」

    私とマルコは約束通り、残って話をすることになったのだった
  63. 64 : : 2017/03/09(木) 14:40:15
    サシャ「隣失礼しますね」

    マルコ「ん、どうぞ」

    マルコが横にずれ、私はそこに座った

    サシャ「…まぁ、マルコが聞きたいこと聞いてください、なるべく答えるので」

    マルコ「ありがとう、そっちも嫌なら無理して答えなくていいよ」

    サシャ「お気遣いありがとうございます」

    マルコ「…えっとさ、何かあったのかい?」

    サシャ「いきなり曖昧な質問ですねぇ」

    マルコ「ご、ごめん…」

    マルコ「その…さっきの話でリヴァイ兵長との交戦中に油断して…って言ってたけどさ」

    マルコ「サシャって油断するというか、そういう事あるんだなぁって」

    マルコ「なんか、冷静になれなくなるようなこと言われたんじゃないかな、って思ってさ…」

    サシャ「…」
  64. 65 : : 2017/03/09(木) 14:47:30
    ホントに、マルコは勘がいいと思う

    サシャ「…そうですね、何もなかったと言えば嘘になりますね」

    なんといえば良いのやら、何かと人の気持ちに気付くことが得意なんだ…彼は

    サシャ「…でも、正直話してもそれほど良い気分になるものではありませんよ?」

    マルコ「そ、それでもいいよ…サシャが話したくないなら話さなくていいってだけだよ」

    サシャ「…」

    この事を人に話すのはいつぶりか…いや、もしかすると誰にも話した事がないかもしれない

    …それでも

    マルコ「…」

    彼の目を見ると、不思議と最後までちゃんと話せそうな気がするのだ

    サシャ「…」ふぅ

    そうして…




























    サシャ「…私の母は正直、狩猟民族らしくない人だったと思います」

    私は重い口を開き、過去を語った

    〜〜
    〜〜〜〜
    〜〜〜〜〜〜〜
  65. 66 : : 2017/03/09(木) 14:54:16
    あの人は、狩猟民族らしくない
    自身の齢を片手で数えられる歳から私はずっと思っていた

    血を見るだけで立ちくらみ起こすし、お肉より野菜が好きだというタイプだったし、あと不器用だった
    サシャ「ちょっとお母さん!」

    「あ、サシャどうしたん?」

    サシャ「どうしたんちゃうよ!」

    そう言って包丁を持っている母に私はズカズカと近づいた…といっても、この頃私はまだ6歳程、大した覇気はなかっただろう

    「今包丁持っとるんやから危ないよ」

    サシャ「包丁持っとるお母さんが心配なんよ」

    不器用故に自身の指を切って、追い打ちに自身の血を見て立ちくらみを起こす母はいつ見ても不安でしかなかった
  66. 67 : : 2017/03/09(木) 15:00:10
    「えー、でも包丁ないとお料理出来んよ?」

    サシャ「私もお手伝いするから!お母さんはあまり刃物持たんでよ!」

    その頃から私は父からナイフの使い方や弓の作り方を教えてもらっていたから、正直母よりは刃物の扱いは難しいと思わなかった

    「ぅ、6歳の娘にそう言われると辛いわぁ」

    サシャ「なにふざけた事言っとるん、ほら貸して?どう切るか言ってくれればええから」

    「あはは、ありがとうな?えっとなぁ…」

    他の家庭だったらどんな感じかとかそんな事は気にならなかった、私にとってこれがいつも通り、父には狩りを教えてもらい、母のお手伝いをする
    それが日常なのだ
  67. 68 : : 2017/03/09(木) 15:11:13
    周りは関係ない、自分の世界で生きていくことさえ出来ればいい…そんな私の閉鎖的な考えはきっとこの時から構築されていったのだろう

    サシャ「お母さんってなんでそう血ぃ見るん苦手なの?別に怖くないよ?」

    ある日、素朴な疑問を私は母に聞いた

    「ん?…そうやな」

    「血が出るときはな?血を出した相手が必ず痛いんよ、血ぃ出して痛くないんは珍しいやろ?」

    サシャ「うん」

    「痛いのは見たくないんよ、お母さんは」

    サシャ「へぇ…」

    そう言われると分かるような、分からないような
    そんな答えだけど、それでいい
    どうせ子供の質問だ、それっぽく答えればいい
  68. 69 : : 2017/03/09(木) 15:19:39
    子供は自己完結することができる
    当時の私も例にもれず自己完結をしようとした
    けれど、母はさらに言葉を続けた

    「けどなサシャ?見えなくても痛いものはある」

    サシャ「見えないのに、痛いの?」

    「そうそう、見えないから…他の人はその人が痛いのに気付くことが出来ん」

    「サシャ、あんたは…そんな人の痛みにも気付けるような子になるんよ?」

    サシャ「はぁい!」

    人の心の傷にも気付けるようになれと言いたかったのか、はたまた目に見えるもの以外にも気を配れと言いたかったのか…

    恐らくどちらの意味も含んだ母の言葉

    その言葉は母にしてみると結構狩猟民族らしい事を言ったつもりなのだろうと今思い出すと少し頰が緩んでしまう
  69. 70 : : 2017/03/09(木) 15:29:29
    でも…そんな狩猟民族らしくない母でも、私にとってはたった一人の母なのだ

    優しく、時に厳しく、知ってる事は教え、自身も分からない事は一緒に考えてくれる

    母だった、私からすればこれ以上ない程素敵な母親だったんだ

    けれど…この時の私はまだ幼くて、それこそ自分の世界にしか目を向けてないから知らないでいた










































    この世界の、残酷さを
  70. 71 : : 2017/03/09(木) 15:34:04
    季節外れに熊が出た
    それも大きい、当時の私などその鋭い爪で引き裂く事なく丸呑み出来たのではと思う

    あんなの3m級の巨人といい勝負だ、なにも持ってなければ勝てるはずない

    …何故知っているか?そんなの決まってる



































    グルルルッ

    サシャ「ぁ…あ…」ガタガタ

    村に下りてきたそいつに、運悪く真っ先に遭遇したのが私だからだ
  71. 72 : : 2017/03/09(木) 15:41:22
    目を合わせてはいけないと知っていても、合ってしまったのだ仕方ない
    偶然気配を感じて目を向けた先にそいつがいたのだ、どうしようもないと思う

    逃げなくては、そう思いながらも竦む足…
    誰が助けて、そう思いながらも出せない声…
    死にたくない、そう思いながらも動かぬ身体…

    このままだと私は死ぬだろう、確実に…

    でも、動きたいのと動けるのとでは天と地程の違いがあるのだ…

    ガァア!!

    サシャ「っ!!!」

    目が合いどれほど経ったかは知らないが、とうとうその熊は私に飛びかかった
  72. 73 : : 2017/03/09(木) 16:35:16
    ビチャッ…と私の顔や、手に生温かい液体がかかり、流れるのを感じた

    サシャ「(…あれ?)」

    痛くない?なんで?こうして私の頰には血が流れているはずなのに?
    もしかしてもう死んでいるのだろうか?そんな事を考えて私は飛びかかれる前に閉じた瞳を開いた

    サシャ「………え?」
































    サシャ「おかあ、さん?」

    「ッ!…大、丈夫?」
  73. 74 : : 2017/03/09(木) 16:43:24
    ニコリといつもの笑みをつくろうとする母は私を抱きしめながら言った

    あまりの事に思考が停止し、私はいつものように抱きしめ返し、母の横腹辺りに手を伸ばした

    サシャ「!?」

    私の手のひらに、紅い液体がつく、自身のものでなければ、それは母のものだとすぐに分かる

    事実、今そうして私が触れたことで母の顔に苦痛が滲んだのを勘のいい私はすぐに気付いた

    サシャ「お、お母さん!大丈夫!?血が…!」

    決して軽くないパニックになる私に母は努めていつものように言った

    「こぉら、まず、は…お母さんの質問に…ッ答えんかい」ふふ

    サシャ「大丈夫!私は大丈夫だから!!」

    「そ、っかぁ…それなら、よかっ…ゴフッ!」

    母が片手で口を押さえ咳をする
    でも手で押さえても、少なくないその紅い血は私の頰に落ち、また流れていく
  74. 75 : : 2017/03/09(木) 16:56:41
    サシャ「お母さん!?」

    「大丈夫…ほんの少し、ほんの少しだけ痛いだけやって、こんくらい…いつものドジで指を切っちゃうのと変わらんよ」

    嘘だ、いつもはこんなに痛がらない、こんなに苦しそうにしない、こんなに…紅くならない

    私がまた母に声をかけようとすると…

    ガルル!

    また、熊が母に爪を振り下ろした

    「ッ!?…ぅあ!」

    サシャ「お母さん!」

    母が私を抱きしめてくれらから、私は怖い熊の姿を見ずに済む
    母が私を庇ってくれているから、私は痛くない
    母が私を抱きしめて、庇うから…熊は母を狙うのだ

    サシャ「お母さん!もうええ!もうええから!!このままだとお母さん死んじゃう!!」

    「へ、いき…やって…な?」

    無理して笑って、私の頭を撫でる母
    やめて、まるで最後みたいに笑わないで、撫でないで、抱きしめないで?
  75. 76 : : 2017/03/09(木) 17:17:32
    その時、銃声が響いた
    熊が逃げていくのが、足音で分かった

    私達に駆け寄る父の悲壮な声が今でも耳から離れることはない

    村の人が担架を持ってきて母を乗せる

    周りの声なんて聞こえない、聞きたくない手遅れとか、もう助からないとか…そんな言葉聞きたくない

    ただ母に私はひっついてお母さんお母さんと叫んだ

    「…サ、シャ」

    担架で運ばれる寸前、母が私の名前を呼ぶ

    サシャ「お母さん!大丈夫だよ!きっと、きっと治るよ!!そうやろ!?」

    さっきまで母に死んでしまうと喚いておきながらもう既に母に助かるだろうと聞く私はなんと滑稽だったことだろうか
    私の頰に母が手を添える、私はその手を強く握る

    「…サシャ」

    サシャ「お母さん…!」

    強く握るその手からどんどんあたたかさが失われていくのが怖かった

    やめて、このあたたかさを奪うのは
    私から、たった一人の母を奪うのは

    ボロボロと大粒の涙を流して、母の血も一緒に流してぐちゃぐちゃな私の顔を母は困った顔をしながら言った








































    「ごめんね、サシャ」

    ズルリと力なく下に落ちた手をもう一度握りなおすひまなく母は運ばれていった

    私は…母を

    不器用で、血が苦手で、肉より野菜が好きで、狩猟民族らしくなくて…それでも優しくて、大好きで、大切で、かけがえのない母を、失った

    二度と、台所で私に包丁を預けてくれる人はいない
  76. 77 : : 2017/03/09(木) 17:21:10
    〜〜〜〜〜〜
    〜〜〜〜
    〜〜

    サシャ「…これが、私の幼少時代ですよ」ははは

    マルコ「…」

    苦笑交じりに話しを終えたサシャ、なにも言えなくなっている俺…空気はいいと言ったら大嘘になること間違いなしだ

    サシャ「…だから、あの時、リヴァイ兵長に」

    兵長に、母の話しをされるならまだ良かった
    母を、侮辱するかのようなあの言葉が…許せなかったのだと拳に力を入れて話すサシャ
  77. 78 : : 2017/03/09(木) 22:50:54
    サシャ「私には、母と父が、故郷が世界でした」

    サシャ「だから、その世界の一部を侮辱されるのが…死ぬほど嫌なんです」

    マルコ「サシャ…」

    こうして、共に戦おうと決めた少女の背中がこんなにも小さく見えたのは、きっと初めて…いや違う

    あの時だ、訓練兵時代に自分は訓練兵の誰よりも人を殺す覚悟が出来てると断言していたあの時が一番最初に彼女の背中が小さく見えた時だ

    サシャ「…それに、あの熊」

    マルコ「熊?」

    サシャ「あの熊は…腹が減って下りてきたのではなかったんです」

    マルコ「え…」

    サシャ「たまにいるんですよ、獲物を狩る感覚が好きなだけの獣が…ね?」

    マルコ「な!?」
  78. 79 : : 2017/03/10(金) 11:46:26
    彼女のその言葉に俺は目を見開いた

    サシャ「驚きでしょう?野生にもそういうのはいるんですよ」

    そうじゃない、それにも驚いてはいるけど、そうじゃなくて、つまり…サシャのお母さんは…

    サシャ「…そうですよ」

    口に出したわけでもないのに、俺の表情でなにが言いたいのかサシャには伝わってしまったようだ

    サシャ「…食べるわけでもなく殺される、これがどれ程生命をバカにした行為か…」

    サシャ「…だから、私は巨人が嫌いです」

    サシャ「マルコやエレン達は別ですが、無知性巨人は好きになれません」
  79. 80 : : 2017/03/10(金) 12:56:53
    サシャ「喰べておきながら、殺しておきながら吐き出して、なに一つとして命に報いようとしない…虫唾が走ります」

    ハッキリと、嫌悪感と怒りが滲んだ声でそう言うサシャ、けれど、その瞳にはそれ以上に哀しみが宿っていた

    サシャ「…分かっているんですよ、彼等もそうでもしないといけないこと位、分かっているはずなんですけど」

    サシャ「どうしても、認められないんです」

    マルコ「…」

    俺には…なにが出来るだろう?
    この目の前の少女に、なにが出来るだろう?
    彼女がいたから俺は今こうして生きてて
    彼女がいたからミーナとアニが本当の友達になって彼女がいたから『前回』よりも沢山の人が生きてる
  80. 81 : : 2017/03/10(金) 13:02:56
    彼女自身は、こんなにも普通なのに…

    気さくで、明るくて、元気で、食べる事が好きで、その時の笑顔は何よりも幸せそうで…
    どこか掴み所がない所もあるけれど、それもまた自由人な彼女らしくて…
    自分の故郷と、父と母、そして命を大事にする…

    極々、普通な女の子なのに…

    サシャ「マルコ?」

    少し心配そうに俺の顔を覗き込むサシャ、どうやら表情に出ていたらしい…

    マルコ「ごめん、ぼーっとしてた」

    サシャ「大丈夫ですか?もう夜遅いですし、今日はもうお開きにします?」

    ああ、そうしようか…そんな言葉を言おうとした
    でも、それ以上に

    マルコ「…サシャ、最近ちゃんと寝てる?」

    なんとなく、彼女の顔色が悪い気がしてその言葉が先に口から出た
  81. 82 : : 2017/03/10(金) 13:21:31
    サシャ「えっ…」

    マルコ「あ、いや…!」

    マルコ「なんだか、顔色も良くない気がするし…それに、目の隈が…」

    顔色は能力の代償で分かる気もするが…目の隈はどうやっても寝不足じゃないと出来ないものだ

    サシャ「えっと…」

    マルコ「…そういえば、今回の壁外調査で渡された仮面とか、マント…」

    サシャ「!」ビクッ

    マルコ「…トロスト区戦でも持ってたし、それに他の班にサシャがいない事を誰もなにも言ってなかったような?」

    サシャ「あ、あー…えっとぉ…」

    マルコ「もしかしてサシャ、最近夜に色々裏工作してて、寝れてない?」

    サシャ「…すみません」シュン…
  82. 83 : : 2017/03/10(金) 13:28:35
    なんて事だ、サシャは俺たちが知ってる以外のところでも色々してたらしい

    マルコ「(さっきの準備の話だけでもかなり驚いたけど、これは流石に…)」

    マルコ「寝不足は良くないよ?」

    サシャ「分かってはいるんですけどねぇ…寝ていられないですよ」

    サシャ「私は能力のおかげで裏工作するのに長けてますからね、皆さんが寝てる時に色々するのが一番いいんですよ」

    マルコ「だからって…壁外調査の時ももそうだけどサシャ、無理は良くないと思う…」

    サシャ「あはは…」
  83. 84 : : 2017/03/10(金) 14:49:13
    マルコ「この後も、何かするの?」

    サシャ「ええまぁ、少し…」

    マルコ「いつまでに終わらせられればいいの?」

    サシャ「え?そうですね…とりあえず、日の出までには…」

    マルコ「それ自体、どれくらい時間がかかるんだい?2時間とか?」

    サシャ「ええ、まぁ…」

    サシャが言った時間と今の時間を照らし合わせる

    マルコ「(これなら…)」

    マルコ「じゃあ、今寝た方がいいよ」

    サシャ「へ?」

    マルコ「眠るのにも色々あってさ、同じ時間寝てても、寝てる時間帯で結構違うんだ」

    サシャ「は、はぁ…」

    マルコ「今から2時間色々してそれから寝るんだったら次の日疲れが取れないと思うよ」

    マルコ「今から寝て、2時間仕事する方がいい」

    サシャ「そうですか?」

    マルコ「うん」
  84. 85 : : 2017/03/10(金) 14:52:04
    サシャ「うぅん、でも今から寝るのは…起きれる自信がありませんし」

    マルコ「…あのさ」

    サシャ「どうしました?」

    マルコ「…その」









































    マルコ「今ここに…ちょうど良いことに、起こしてくれる人がいるよ?」

    サシャ「え?」
  85. 86 : : 2017/03/10(金) 14:57:58
    マルコ「時間になったらサシャを起こせばいいんだよね?」

    サシャ「いやいや、え?」

    マルコ「起きれないんだろう?なら俺が起こすよ」

    サシャ「し、しかし…その、マルコに迷惑が」

    マルコ「平気、これでもサシャと一緒に『今回』の世界で頑張ってきたんだ」

    マルコ「少しくらい、頼ってくれても問題ないよ」

    サシャ「…」

    隣に座るサシャが顔をうつむかせる、流石に嫌だったろうか?

    マルコ「(そりゃそうか、それならミーナにでも頼むだろう…)」

    マルコ「えっとごめん、忘れてくr…」

    サシャ「…」











































    ポスン、と肩に重みとフワリとした女性特有の香りがした
  86. 87 : : 2017/03/10(金) 15:04:24
    マルコ「…」

    マルコ「!!?///」

    マルコ「え!?サ、サシャ?」

    サシャ「頼って…いいんですよね?」

    マルコ「…」

    サシャ「寝てる間にどっか行っちゃうとか…なしですよ?」

    マルコ「う、うん…」

    サシャ「それじゃ、すみません…」

    マルコ「ま、待って!」

    サシャ「?」

    マルコ「すみませんとか、ごめんなさいよりは…ありがとうって言って欲しい、かな?」

    サシャ「…」クスッ

    サシャ「ありがとうございます、マルコ」

    サシャ「少し、肩…お借りします」

    マルコ「…うん、おやすみ」

    サシャ「おやすみ、なさい…」

    力が抜け、肩にかかる重みがほんの少し増えた気がした…女の子にこういうのは失礼かもしれないけど

    マルコ「…前もサシャ、俺が抱えた時に寝ちゃったんだよな」
  87. 88 : : 2017/03/10(金) 15:10:31
    マルコ「(あの時から、色々頑張ってきたんだろうな)」

    さっきまで、サシャに何が出来るか考えていたけれど、とりあえずは…

    マルコ「(今はこうして、肩を貸すことが俺に出来ること、かな?)」

    マルコ「いつもお疲れ様、サシャ」フフ

    彼女を起こさないよう、小声でそう言った

    一瞬でもこの世界の残酷さを忘れられる程、今夜の月は綺麗に輝いている気がした

    マルコ「…」

    そういえば、月には魔力があるという言い伝えがあった気がする

    …なら、これは月の魔力のせいにしよう






















































    マルコ「…サシャ、いい夢を」

    そう小声で呟いて俺は彼女の髪にキスを落とした
  88. 89 : : 2017/03/10(金) 15:19:06
    はい、今回はここまでです!(・∀・)

    最近亀更新でホントに申し訳ありません!!
    リアルで色々あるとか、スランプとかそんな言い訳にしか聞こえないでしょうが本当にすみません!!

    さて、今回はミーナとアニがちゃんと友達になって、少しマルコとサシャの距離が縮まり、サシャの能力が強化されましたね!

    一言で言えば戦線の強化話になりましたね!

    次回はそろそろ壁内メインの話になります!!

    サシャ達を逆行させた神は一体?アニを助けるサシャが考えた大胆な作戦とは?それら全てが次回に分かるかと言うと…秘密です!(おい)

    それでは、ここまで読んでくれた読者の皆様、ありがとうございました!m(_ _)m
  89. 90 : : 2017/03/10(金) 18:25:39
    お疲れ様でした!\( •̀ω•́ )/

    次回に期待です!
  90. 91 : : 2017/03/10(金) 18:25:57
    >>90
    修正

    次回【にも】
  91. 92 : : 2017/03/10(金) 18:39:35
    >>90>>91心の充電器さんコメントありがとうございます!!(・∀・)

    も、この一文字だけでかなり嬉しくなりますね!
  92. 93 : : 2017/03/16(木) 16:53:01
    空山さんお気に入り登録ありがとうございます!!(^^)頑張ります
  93. 94 : : 2017/03/16(木) 22:58:09
    ぴおさんお気に入り登録ありがとうございます!!頑張ります(^^)
  94. 95 : : 2017/03/29(水) 08:59:08
    レオンハート&アルレルト調査兵さんお気に入り登録ありがとうございます!!
  95. 96 : : 2017/04/13(木) 12:17:57
    続編です!(・∀・)

    http://www.ssnote.net/archives/52300
  96. 97 : : 2017/06/25(日) 23:19:16
    カエサル古参兵さんお気に入り登録ありがとうございます!!
  97. 98 : : 2020/12/16(水) 10:46:24
    サシャのお母さんかサシャ自身…か?

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7MSsthnm

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