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ユミル「ここにぁゃιぃキノコがあるだろ?」
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- 1 : 2017/01/16(月) 15:36:06 :
- ベルトルト「…え、僕に振ってる?」
ユミル「当たり前だろお前しかいないんだから。バカか?」
ベルトルト「期末考査の結果を鑑みるに、君より僕のが利口だと思うんだけど…」
ユミル「はっ!頭の良さが考査で測れるか」
ベルトルト「なぜなら?」
ユミル「ベルトルさんがカンニングしていたと教官に訴えてしまえば、私とベルトルさんの成績は逆転する」
ベルトルト「立派な不正行為じゃあないか…」ゴクリ
ユミル「そんなことよりここにぁゃιぃキノコがあるだろ?」スッ
ベルトルト「どこから取り出したんだ、もといどこから採ってきたんだ」
ユミル「ところでベルトルさん、腹は空いてないか」
ベルトルト「おっと嫌な予感しかしないぞ」
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- 2 : 2017/01/16(月) 15:50:41 :
- ユミル「ここにキノコがあるんだ。食ってけよ、なあ」
ベルトルト「怪しい、怪しすぎる。そもそもアヤシイと自称してる時点で信用さに欠ける」
ユミル「見た目がアレでも中身は温厚で情にあふれた心優しい女の子ってパターンもあるだろ!?」
ベルトルト「君はなんの話をしてるんだ」
ユミル「見た目で判断するのは良くないって話だ」
ベルトルト「忠告はありがたいけど僕、外見重視でもないし…料理だって見た目より味重視だし」
ユミル「いいやベルトルさんにはグッドルッキングに騙されて大金をつぎこむ人生が待ってる」
ベルトルト「待ってるの?このまま生きていてもそんな人生しか歩めないの?」
ユミル「そうだ」
ベルトルト「ここで命を断って来世に期待」スッ
ユミル「待て、そう早まるなよ」ガシッ
ベルトルト「…ユミル……」
ユミル「死ぬならこのキノコを食ってからにしてくれ」
ベルトルト「ぶっとばすぞ」
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- 3 : 2017/01/16(月) 15:55:10 :
- ユミル「腹減ってんだろ?ほら」
ベルトルト「夕方という微妙な時間帯に、胃は空腹を訴えているけれど…ここは理性に従ってNOと答えることにしよう。ごめんね僕の胃」
ベルトルト「というわけで減ってないよ」
ユミル「ほう」
ユミル「口でそうは言っても、身体の方はどうかな…?」
ベルトルト「何っ…?」
ベルトルト「」グウウ
ベルトルト「し、しまった…!」
ユミル「へへ…身体は正直みたいだなあ」ニヤリ
ベルトルト「くっ、生理現象には抗えない…っ!」ガクリ
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- 4 : 2017/01/16(月) 16:04:46 :
- ユミル「というわけで食えよ」
ベルトルト「仕方ないなあ」モキュモキュ
ユミル「感想は?」
ベルトルト「予想通り不味い」モッキュモッキュ
ユミル「そうか、毒はないんだな」
ベルトルト「え?」
ユミル「んじゃ次。このぁゃιぃキノコ」スッ
ベルトルト「ちょ、ちょっと待ってくれ。食用のキノコじゃないのか?」
ユミル「知らん。名前も知らないキノコだ」
ベルトルト「なんてこった…あまりにも堂々と差し出すもんだから、安全な食用キノコかと思った…」
ユミル「こんな毒々しい色合い、どう考えても普段私達が食べ慣れてる種類じゃねーだろ」
ベルトルト「せめて調理してから提供してくんない?生のキノコとか初めて食べたよ」
ユミル「私も生を食す奴初めて見たわ。いやーこの場でかぶりつくとは思わなかった」
ベルトルト「僕の意地汚さが露呈してしまった」
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- 5 : 2017/01/16(月) 16:16:00 :
- ベルトルト「というか次のキノコって何?どれだけ食べさす気?」
ユミル「一本~数百本」
ベルトルト「~がアバウト過ぎる」
ユミル「訓練所の飯だけじゃ満足できなくてよお、新たな食糧を調達するべく独自に研究してんだ」
ベルトルト「…それが…この、ぁゃιぃキノコ達?」
ユミル「そうだ。300種揃えた」
ベルトルト「なんてバカなことに労力を費やしてるんだ、君は…」
ユミル「要はお前にモルモットになってもらう」
ベルトルト「やだよ、モルモットなんてサイズじゃないし。もっとカッコイイのが良い」
ユミル「グリズリー」
ベルトルト「いいね」
ユミル「よし、実験体ゲット」
ベルトルト「今のは承諾の意味じゃない」
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- 6 : 2017/01/16(月) 16:24:08 :
- ベルトルト「食料を調達するのは勝手だけど、自分で試せよ!」
ユミル「毒見もされてないもん口にするなんて怖くてできるかよ。バカじゃねえの?」
ベルトルト「自分が可愛いとはこのこと」
ユミル「文句の多いモルモットだなあ……おっ」
アニ「ん?」
ユミル「これはこれはアニちゃん。いいところに」バッ!
アニ「ちゃん?…んぐっ」モガッ
ベルトルト「あ、ああーっ!?」
アニ「…」モッキュモッキュ
ベルトルト「あ、あああーっ!??」
ユミル「味はどうだ?」
アニ「しいて言うならカビたパンの味」ゴクン
ユミル「チッ」
ベルトルト「は、吐き出せ!今すぐ「ペッ」しなさい!」ガシッ
アニ「…残念、もう飲んじゃった」ベー
ベルトルト「あああ…この、ユミル!彼女にどんなキノコを食わせたんだ!」
ユミル「だから知らねーよ」
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- 7 : 2017/01/16(月) 16:31:49 :
- アニ「さっきから何を騒いでるんだい」
ベルトルト「ア、アニ…君は焦らないのか?悪魔によくわからないものを食べさせられたんだぞ?」
ユミル「誰が悪魔だ」
ベルトルト「君以外いないだろ」
アニ「まあ…焦っても意味ないし。特に異変も感じられないから、別にいいかな」
ユミル「ほらー。ベルトルさんもこの冷静さを見習えよ」
ベルトルト「冷静というか…無関心が度を越してるだけだと僕は感じる」
ベルトルト「…あれ?」
ユミル「お?」
アニ「何?…私の顔に何かついてる?」
ユミル「顔っつーか、髪だな」
ベルトルト「ユミルちょっと来い」ガシッ
ユミル「ぎゃーす」ズルズル
ベルトルト「アニはしばらくここで待っててね。すぐ戻るから」
アニ「うん?」
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- 8 : 2017/01/16(月) 17:08:34 :
- ベルトルト「ユミル、あれはなんだ?」ヒソヒソ
ユミル「何って…キノコの効能だろうなあ」
ベルトルト「効能なわけあるか!金髪を黒髪に変えてしまうなんて…まるで呪いだ!」
ユミル「なかなか似合ってるよな」
ベルトルト「ああ。黒い髪に青い目が映えて…」
ベルトルト「ってバカ」
ユミル「良いノリツッコミだ」
ベルトルト「そんなことよりどうするんだよ一体!」
ユミル「まあ落ち着けって」
ユミル「いいか?よく聞け…毒をもって毒を制す、だ」
ベルトルト「…ほう」
ユミル「な、そういうことだ」
ベルトルト「いや何が?」
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- 9 : 2017/01/16(月) 23:51:01 :
- ユミル「鈍いなあうんこ」
ベルトルト「疑問を口にしただけで汚物呼ばわり?」
ユミル「ぁゃιぃキノコでやられたなら、ぁゃιぃキノコでやり返すまでだ」
ベルトルト「汚物は口もきけないと思うんだけど?」
ユミル「どんだけうんこ引きずってんだよ。私が悪かったからその件は水に流せ」
ベルトルト「うんこだけに?」
ユミル「うっせーよバカ」
アニ「…あのさ、私に用がないなら行くけど」
ベルトルト「あと1分だけ待って!!」
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- 10 : 2017/01/17(火) 00:00:15 :
- ユミル「だからな?黒髪にしちまうキノコがあるなら、逆に金髪バージョンのキノコも存在するんじゃねーかって話だ」
ベルトルト「な、なるほど」
ベルトルト「それでその金髪になるキノコはどちらに?」
ユミル「知るかよ」
ベルトルト「ユミルーッッ!!」
ユミル「私はぁゃιぃキノコを採ってきただけだ。どれにどの効果があるかまでは把握してねえよ」
ユミル「ま、アニを元に戻したいなら…そこに置いてあるキノコの山を片っ端から毒見して調べるこったな」
ベルトルト「ああ、どんどん君の術中にはまっている気がするよ…」
ユミル「"はまっている気がする"じゃなくて、物の見事にはまってんだぜ」ケケ
ベルトルト「助言ありがとう。最悪の気分だ」
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- 11 : 2017/01/17(火) 00:08:38 :
- ベルトルト「」ムシャムシャムシャ
アニ「…帰っていい?」
ベルトルト「だめ」ムシャムシャ
ユミル「うまいキノコにゃ辿り着けたか?」
ベルトルト「今のところ、暫定1位は"腐った魚風味"」ゲプ
ユミル「げえ、もっと頑張ってくれよ」
ベルトルト「十分頑張ってるよ!」ムシャーーッ
ライナー「おい、何してんだよ…」
ベルトルト「ライナー!」
ライナー「…なあ、コイツは何してるんだ?」
アニ「さあ。けど推測するに、食べっぷりを見せつける性癖があるみたい」
ライナー「こんな人見ちゃいけません。行くぞ」グイッ
ベルトルト「違うんだ待ってくれ!」
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- 12 : 2017/01/17(火) 00:15:12 :
- ライナー「言い訳は見苦しいぞ?」
ベルトルト「言い訳なんて、そんな!」
ベルトルト「…」
ベルトルト「そうだライナー、キノコを食べよう」
ライナー「は?」
ベルトルト「遠慮しなくていいから。一杯あるから。ほら」ズイッ
ライナー「タンマ、目が逝ってね?コイツ」
ベルトルト「食べろよ…!」ギリッ
ライナー「こりゃ頭も逝ってんなあ」
ユミル「説明しよう」スッ
ライナー「おっ助かる」
ユミル「実はカクカクシカジカである」
ライナー「ふむふむ」
アニ「頭上で会話されるといまいち聞こえないんだけど」
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- 13 : 2017/01/17(火) 00:25:18 :
- ライナー「なるほどな…よく分かったぜ」
アニ「無視?」
ライナー「つまりユミル、お前が元凶じゃねえかバッキャロー!!」
ユミル「バレたかー」
ベルトルト「フーッ、フーッ…」
アニ「なんかベルトルトの様子やばくない?」
ユミル「そうか?普段と変わんねえよ」
ライナー「バカ言え。目は血走ってるわ、口から泡吹いてるわ、肌は褐色…これはいつものことだった」
ライナー「とにかく状態異常であることは明らかだ」
アニ「どんなカルマを背負ったらあんな目に遭うんだろうね」
ユミル「さあなー見当もつかねえな」
ライナー「他人事かよ」
ライナー「俺は問いたい…何故ベルトルトを生贄に選んだ」
ユミル「たまたま通りかかったところをモルモットにしたまでだからな、理由は無い」
ライナー「ひっでえ」
アニ「常に我関せずを貫いてるけど…今回ばかりはベルトルトに同情するよ」
ライナー「ていうかお前誰だ?」
アニ「は?」
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- 14 : 2017/01/17(火) 00:33:26 :
- ユミル「これが件のアニだ」コソッ
ライナー「なん…だと?」
ユミル「綺麗な髪してるだろ?」
ライナー「マジかよ…こいつはまいったな…」
アニ「…何?驚いた顔して」
ライナー「俺はてっきり近所の子どもが訓練所に迷い込んだのかと」
アニ「…」シュッ
ライナー「痛え!」バキィ!
アニ「面白いジョークだね…笑える」
ユミル「顔がまったく笑ってねえや!」ダッハッハッ!
ライナー「ぐっ…この足技は確かにアニのものだな…」
ベルトルト「あ、キノコ食べなきゃ」ガブガブ
ライナー「それはキノコじゃない。お前の親友だ」
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- 15 : 2017/01/17(火) 15:06:48 :
- ベルトルト「キノコじゃないのか」ペッ
ライナー「腕が痛え」ジンジン
ユミル「うわー歯型くっきり」
ベルトルト「ウー、ウー」
アニ「どうどう」ヨシヨシ
ユミル「ベルトルさんがベルトルさんじゃなくなってきてるなあ」
アニ「これ飼っていい?」
ユミル「だめだ。気持ち悪いから捨ててこい」
アニ「ケチ」
ライナー「こらこら、状態異常のベルトルトで遊ぶな」
ベルトルト「キノコ食べなきゃ」ガブ
ライナー「お前は俺とキノコを見間違えすぎだ」
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- 16 : 2017/01/17(火) 15:19:09 :
- ライナー「おいユミル、どうすりゃ治る」
ユミル「毒キノコがあるなら特効薬となるキノコもあるんじゃねえかなあ」鼻ホジ
ライナー「肝心のそいつはどこにあんだ」
ユミル「多分そこ」スッ
ライナー「多分」
アニ「あ、こんな所にうずたかく積み上げられたキノコの山が」
ライナー「…多くないか?」チラッ
ユミル「多ければ多いほどいいだろ」
ライナー「良くないなあ」
アニ「どれも毒々しいチョイスだね」ツンツン
ライナー「その山に近づくな。危ないから」グイッ
アニ「ああー」ズルズル
ライナー「…なあ、あの中のどれかなんだろ?」
ユミル「多分な」
ライナー「うーん」
ライナー「諦めるか」
アニ「随分とあっけない友情だね」
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- 17 : 2017/01/18(水) 11:23:45 :
- ライナー「冗談だっての。半分な」
ユミル「残り半分は本音かよ」
アニ「それより早く特効薬になりそうなキノコ探してきて」
ライナー「えー」
アニ「ベルトルトが欠けたら私達の計画の実行が難しくなるんだけど」ボソッ
ライナー「分かってら。けどよ、探すったってどうすんだ?」
ユミル「あん?んなの決まってるだろ?」
ベルトルト「ムシャーーッ!」
ユミル「そう!ベルトルさんの言う通り」
ライナー「待て今なんつった」
ベルトルト「ムシャムシャ」
ライナー「ベルトルト語やめろ」
アニ「色んなキノコを食して、どの種が薬となるか探し当てるしかないって」
ライナー「何で今のが聞き取れんだよこえーよ」
アニ「いいから食べて」
ライナー「はー…今キノコの気分じゃねえんだけどなあ」ムシャムシャ
ベルトルト「やっと君も食べる気になったんだね」ムシャムシャ
ライナー「普通に喋れんのかよ」
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- 18 : 2017/01/18(水) 19:11:01 :
- ライナー「喋れるなら喋れよ…」ムシャムシャ
ベルトルト「キノコおいしい」ムシャムシャ
アニ「待った。ベルトルトは食べなくていいんじゃないの」
ライナー「何故に」
ベルトルト「ムシャーーッ!」
ライナー「ベルトルト語やめろっつったよな?」
ベルトルト「ごめん」
アニ「…こいつがこれ以上イカレポンチになったら困るし」
ベルトルト「誰が海生軟体動物だ!」バンッ
ユミル「イカレポンチっつうのは間抜けもしくはラリってる奴のことだ。タコ」
ベルトルト「イカの次はタコか!?」
ライナー「今のは罵倒だ、落ち着け」
ベルトルト「貶されて落ち着けるか!」
アニ「正論だね」
ユミル「ベルトルさんが喋ると話ややこしくなるからお口チャックしてくんね?」
ライナー「そんな事言うな。確かに会話はあべこべだし、イライラが募ってぶっ飛ばしたくはなるが」
アニ「あんたがまず落ち着きなよ」
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- 19 : 2017/01/18(水) 19:20:11 :
- ベルトルト「みんな…ごめん。頭痛、めまい、吐き気、腹痛、幻覚、幻聴に襲われてるなうだから話があんまり頭に入ってこなくて…」
ベルトルト「でも気分は絶好調だから」
ユミル「絶不調だろ」
アニ「むしろなんで気分良くいられるの…」
ベルトルト「うーん…ついさっき口にしたキノコのおかげかな。今までの症状が和らいできたんだ」
ライナー「! そいつはどの種類だ?念願の特効薬となるキノコかもしれん」
ベルトルト「んー…青色の…」
ユミル「ここに青色のキノコなんてねえぞ」
ベルトルト「あれ?」
アニ「あんたもしかして視界が青色なの?」
ベルトルト「うん」
ライナー「今すぐ眼に関する症状を治すキノコを探せ!」
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- 20 : 2017/01/25(水) 11:36:16 :
- ベルトルト「そういえばみんな顔色悪いね」
アニ「青いからね」
ユミル「視界が青って…サラッととんでもねえこと言うなあ、ベルトルさん」
ベルトルト「痛みないし…無害じゃん?」
ライナー「有害だバカ」
アニ「…本当に青色なの?」
ベルトルト「うん。みんなブルーマンだよ」
アニ「なんか嫌」
ライナー「な」
アニ「ライナーとかぶるのが」
ライナー「!?」
ユミル「ほら、食うペース止まってるぞ」グリグリ
ベルトルト「頬にキノコ押し付けないで痛い」
ライナー「…ベルトルト、その薬になりそうなキノコって他に特徴ねえのか?」
ベルトルト「え…うーん」
ベルトルト「わりと美味しかった」
ユミル「早く探し当てて私に寄越せ!!」クワッ
アニ「目の色変えすぎ」
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- 21 : 2017/01/25(水) 11:50:40 :
- ベルトルト「食べる作業再開」ムシャムシャ
ライナー「ベルトルトの情報、まったくアテにならんな…」ムシャムシャ
ベルトルト「味覚がまだやられてなかっただけマシ」ムシャムシャ
ライナー「そうか…ん」ムシャッ
アニ「どうしたの?」
ライナー「…当たり引いちまったかもしれねえ」
ユミル「何?」
ライナー「急に体が軽くなったんだ…疲れが吹き飛んだというか」
ベルトルト「おいしかった?」
ライナー「おいしかった」
ベルトルト「ああ、じゃ当たりだね」
アニ「さっきベルトルトが食べて症状がやわらいだってやつ?」
ベルトルト「そうそう。あれおいしくて好き」
ライナー「今までマズいの食ってたから余計な」
ベルトルト「ね」
ユミル「待て、私に献上すべきだろ」
ライナー「ええ」
-
- 22 : 2017/01/25(水) 12:21:34 :
- ユミル「今度こそ特徴を教えろ。どんな色で、どんな形だ?」
ライナー「わからん」
ユミル「は?」
ライナー「無我夢中で食ってたからなあ…」
ユミル「理由になんねーよ。お前はそのキノコを手に取って口にしたんだろ?」イライラ
ライナー「うーむ」
ベルトルト「ライナーを責めるのはよせ!」バッ
ユミル「ああ?」
ベルトルト「彼の胃袋はバキュームなんだ!」
ユミル「解説頼む」
ベルトルト「掃除機が何を吸い込んだか覚えてると思うか!?」
ユミル「考えたこともねーよ」
ライナー「掃除機って例えひどくね?」
アニ「まあ、ライナーは一口で頬張って丸飲み派だもんね」
ライナー「あー無意識で口に突っ込んじまうとな、何食ったか記憶しないまま腹におさまっちまう」
サシャ「それ、食べ物に失礼だとは思わないんですか!?」バッ
アニ「突然わいてくるのやめて」
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- 23 : 2017/01/25(水) 18:05:56 :
- アニ「誰?呼んだの」
ベルトルト「ライナーじゃない?」
ユミル「ライナーだな」
ライナー「俺?」
アニ「まったく、ライナーはライナーなんだから」
ライナー「俺かよ…」
サシャ「失礼だと思いませんか!?ちょっと!!」
ベルトルト「もうちょっと声のボリューム落としてくれないかな…」
アニ「うるさい」
サシャ「ええ!?」
ユミル「よしよしお前にはこのキノコをやろう」スッ
サシャ「え、いらないです」プイッ
ユミル「は?」
ライナー「なっ…」
ベルトルト「食べることを…拒否しただと…?あのサシャが…」
サシャ「だってこれぁゃιぃじゃないですか」
ベルトルト「確かに」
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- 24 : 2017/02/01(水) 00:01:53 :
- サシャ「これとこのキノコはだめですね…あっこっちは美味しそうです!」ムシャァァ
サシャ「うーんおいしい」ムシャムシャ
ユミル「!!」
ライナー「まさか…」
アニ「…ねえ、サシャ。おいしくてどんな病も治せそうなキノコがどれか…わかる?」
サシャ「え?…これですかね」ヒョイ
ユミル「おーしもらったー!」バッ
ライナー「バカ、ベルトルトが先だ」ヒョイ
ユミル「ああん!?」
ライナー「ほらよ、食ってみろ」
ベルトルト「…大丈夫なの?これ」
ライナー「わからん。だが、今のところサシャの勘に頼るしかなさそうだ」
ユミル「いらねえなら私にくれよ」
ライナー「お前は黙ってろ」
-
- 25 : 2017/02/01(水) 00:10:57 :
- アニ「まずかったらハズレなんでしょ。まずいと感じた瞬間吐き出せば平気なんじゃないの」
ベルトルト「うーんうまく吐けるかなあ」
サシャ「もしもの時はライナーがみぞおちを殴ってくれますから!万が一飲み込んでも安心ですよ!」
ユミル「それ、ガチで胃の中のものが逆流するやつや」
ベルトルト「まったく安心できない」
ライナー「任せろ、心を鬼にして思い切り殴ってやる」
ベルトルト「もっと安全な方法ないの?」
アニ「いいから、はい」グイッ
ベルトルト「ングウ」モグッ
-
- 26 : 2017/02/01(水) 00:19:02 :
- ベルトルト「…」モグモグ
ライナー「どうだ?」
ユミル「うまいか?」
ベルトルト「…うっ」ゴクン
アニ「ライナー、構えて」
ライナー「よーし」スッ
ベルトルト「うまい」
ユミル「え、マジ?」
ライナー「あっミスった」ブンッ
ベルトルト「うわっ、あぶなっ!?」サッ
ライナー「すまん。アニに構えてっつわれた後、99%殴る気でいたんでな…つい…」
アニ「私のせいにしないでよ」
サシャ「うっかりで死人が出るところでしたね…」
ベルトルト「あのままパンチ喰らってたら死ぬとこだったの?僕…」
ユミル「どうでもいいからそのうまいキノコよこせ」
-
- 27 : 2017/02/01(水) 00:26:42 :
- ベルトルト「もう食べちゃったよ」
サシャ「さっきとおんなじ種類のはこれですね」スッ
ユミル「今度こそもらったー!」バッ
ライナー「だめだ」ヒョイ
ユミル「てめえ、アホみたいにでけえ身長使って横取りすんじゃねえよ!」
ライナー「恨むなら神を恨むんだな。俺にこの身長を与えたのが悪い。俺は悪くない」
ライナー「ベルトルト、体調はどうだ」
ベルトルト「バッチリ」
ライナー「じゃあこれはアニのだな」
ユミル「いやなんでだよ」
ライナー「二番目に症状がひどいのはコイツだろ」
アニ「?」
サシャ「えっ、これアニなんですか?」
ベルトルト「うん」
サシャ「とてもじゃないですけど、信じられませんね…アニだというのなら、得意の足技を見せてください」
アニ「いいよ」スッ
ライナー「待て待て待て、俺を狙うな」
-
- 28 : 2017/02/01(水) 00:31:22 :
- ライナー「とりあえず食え」グイッ
アニ「んむっ」モグ
ユミル「どいつもこいつも私のキノコを食いやがって…」
ベルトルト「さっきは好き放題食わせてたじゃないか」
ユミル「うまいのは別だバーカ。ベルトルさんのバーカ」
ベルトルト「!?」
サシャ「ああっ!だんだんと見慣れたアニの姿に…!」
アニ「?」モグモグ
ライナー「よしよし」
ベルトルト「僕らを縛り付けるものはもう、何もないんだね…」グスン
ライナー「これが自由ってやつか…」
アニ「キノコおいしい」モグモグ
ユミル「…そうだな、ご苦労だった。お前らは回れ右して帰っていいぞ」
サシャ「いやー、ユミルが珍しく太っ腹でしたね!キノコをタダでごちそうしてくれるなんて!」スタスタ
ユミル「待て、芋女」ガシッ
サシャ「え?」
-
- 29 : 2017/02/01(水) 00:34:42 :
- ユミル「お前はこれからキノコの選別作業に入ってもらう」
サシャ「え、ええー!?」
ユミル「うまいのは私の分、まずいのはお前にやるぞ。どうだ、太っ腹だろ」ヘヘン
サシャ「え、え、ええー!?」
ライナー「暗くなってきたし、兵舎に戻るか」スタスタ
ベルトルト「うん」スタスタ
アニ「キノコおいしかった」スタスタ
ライナー「そうだな。他はゲロマズだったが」
ベルトルト「…しばらくキノコはいいかな」
ライナー「…ああ」
-
- 30 : 2017/02/01(水) 00:34:54 :
- 終。
-
- 31 : 2017/03/02(木) 00:16:35 :
- 新しいやつ更新しないの?
-
- 32 : 2017/03/23(木) 19:28:06 :
- 乙女ゲーのやつ、すごい気になってます!
更新お願いします!
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