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救済の名の元に
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- 1 : 2017/01/11(水) 23:17:20 :
- ・・・ここは、どこだ・・・
オレは…
ここは現世と死後の世界の狭間って、所かな?
っ!!だ、誰だ!!?
少年のその言葉と共に謎の白い空間に足音が響き渡る、そしてその足音は徐々に近づいてくる
・・・私の名前はフェイ
フェイ「兄さんの、えっと、息子のエレン、だよね?」
っ!!なっ…あ、あんたって…!
目の前に現れたのはかつて父親であったグリシャ・イェーガーの妹のフェイだった
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- 2 : 2017/01/12(木) 00:11:07 :
- フェイ「あれ?エレンって名前であってるよね??あ、あれ?違った、かな?」
フェイはそう言い頬を人差し指で掻いてはエレンの元へ近寄った
エレン「っっな…なんで、父さんの妹が…!?」
エレンは驚きのあまり思考が停止した、目の前にいるのは確実に死んだ者で、しかも残酷な事に犬に食い殺された筈の人間だった
フェイ「!えっと、とりあえず落ち着いて聞いてもらえるかな?」
エレン「!!あ、あぁ・・・」
下から覗いてくるフェイにエレンは冷や汗を掻いたまま凝視し固まった
フェイ「・・・ふふっ」
エレン「!な、なんだ・・・?」
フェイ「・・・ううん、ただ、兄さんの面影が少しだけあるなって思って」
エレン「!」
クスクスとそう言い笑うフェイにエレンは驚きつつも見た
フェイ「・・・とりあえず、座ろ?」
エレン「!あ、あぁ・・・」
みまだ目の前にいる人物に驚きが隠せないのかエレンは目の前に座るフェイを見てはエレンも慌てて座った
フェイ「・・・ふぅ、それじゃあまずエレンが今聞きたい事聞いてあげるからなんでも聞いて?」
エレン「!!あ、あぁ・・・え、えっとそれじゃあ…」
突然見られた事に緊張しつつもエレンは口に出した
エレン「・・・さっき言ってた現世と死後の世界の狭間って、なんの事、なんだ・・・?」
フェイ「・・・そうだね、まず最初に簡単に説明しちゃうとね、今エレンは夢の中にいる様なものなの」
エレン「!?ゆ、夢の、中・・・!?」
フェイ「…うん、エレンは今現世の方では眠ってる状態なの」
エレン「っそ、それでなんでオレはこんな夢の中でこんな・・・っ」
フェイ「・・・これは…ううん、ここはね、私がエレンを呼んだんだ」
そう言ってはフェイは一歩踏み出しエレンの両手を握った
エレン「っ!!あ、あんたがオレを・・・?」
フェイ「・・・うん」
エレン「っな、なんの為にそんな事を・・・」
エレンはそう言い警戒した、目の前にいる妹は元はと言えば親父が無理やり連れ出した関係で殺された存在、つまりなにかしら恨みを持っていてもおかしくない、そうエレンは思った
フェイ「…理由は簡単、兄さんの息子さんとお話してみたかったから、かな」
エレン「!?オレ、と?」
予想外の返答にエレンは驚きつつそう言った
フェイ「うん、あっ、勿論それだけが理由じゃないんだよ??」
エレン「っは・・・?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エレン「・・・って事が今起こってる」
フェイ「…そっか、大変だったね・・・」
エレン「・・・・・・父さんの事、恨んでないのか?」
平然としていて、どこか何か遠くを、でも凄く近くを見ているその瞳を見てエレンは言った
フェイ「ん?あぁ…うん…兄さんの事恨んでないかって聞かれたら・・・ちょっとは恨んじゃうかもね」
エレン「・・・そうか」
フェイ「・・・うん、でも」
エレン「?」
突然立ち上がっては背後に回ったフェイにエレンは頭を動かし見た、そしてそんなエレンに構わずフェイは
ダキッ
エレン「!!」
フェイ「こうやって兄さんの息子さんに出会えたから、いいかな?」
そう言っては微笑むフェイにエレンはわけがわからず唖然とした
フェイ「…本当はね、今日ここにエレンを呼んだ理由は伝えたい事があるから呼んだんだ」
エレン「!!伝えたい、事・・・?」
フェイ「・・・うん、エレンに伝えたい事があるの」
そう言っては頬に頬を付けた、その事にエレンはふとなにか懐かしいような、何かを感じた
フェイ「・・・さっきエレンは私に現世の事について色々とお話をしてくれたでしょ?」
エレン「っあ、あぁ・・・」
フェイ「・・・本当はね、最初から知ってたんだ…」
エレン「っえ・・・、それってどういう・・・」
フェイ「・・・ここから、ずっとエレンの様子、見てたから」
そう言い背後に回っていたフェイは前にそっと回っては優しくエレンを包み込んだ
フェイ「・・・よく、今まで頑張ったね、エレン」
エレン「!!」
普段絶対言われる事などない言葉、その為なのかエレンの心にはその言葉は心を揺らした
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- 3 : 2017/01/12(木) 00:34:47 :
- ッス、ッス…
エレン「!」
フェイ「・・・兄さん達もみんな酷いよね~」
頭を撫でられている事に気が付いたエレンは何か言おうとしたが言葉が出てこなかった、代わりに伝わってくるのはどこか安心できるような、心地いい暖かいなにかだった
エレン「・・・なにが、どう酷いんだ・・・?」
フェイ「ん?それは、自分の息子にこんな過酷な事背負わせたりしてる事だよ~」
エレン「・・・それは…」
フェイ「・・・ふふっ、すこし意地悪な事言っちゃったかな?」
エレン「!・・・いや…別に…」
突然顔を近づけてきた事に思わず動揺したエレンはそっぽ向きそう言った、そんなエレンに
フェイ「!ふふっ、照れてるのかな??」
エレン「!照れてなん、か…」
ニコニコと微笑み見てくるフェイにエレンは思わず驚きつつも両肩を掴み、離した
フェイ「…ふふっ、私はエレンの事大好きだよ??」
エレン「っは、はぁ?」
フェイ「!あっ、勿論自分の子供みたいな意味でだよ??」
エレン「・・・わかってるって」
そう言いながらクスクスと笑うフェイにエレンもつられて苦笑いしながら言った、そしてそれと同時にエレンはなんとなく心地が良い、そう感じていた
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- 6 : 2017/01/12(木) 19:24:05 :
- フェイ「・・・ねぇ、エレン」
エレン「!ん?」
フェイ「・・・エレンは…エレンはどう思ってるの?」
エレン「?なにがだ・・・?」
笑みから途端に真剣な表情になった事にエレンは察しエレンもそう返した
フェイ「・・・兄さんの事…、そして私達のこの人と人同士の争いに・・・」
エレン「・・・それは…」
フェイ「・・・エレンは悲しくならないの?」
エレン「!え?」
フェイ「…兄さんに、こんな争い、いざこざに巻き込まれて・・・エレンはどう思ったの…?どう、思ってるの…?」
そう言ってはフェイは優しくエレンを包み込むように抱きしめた
エレン「・・・・・・さぁ…わかんねえ・・・」
フェイ「・・・」
エレン「・・・今までずっと俺は外の世界に行きたいって思ってきた・・・そして母さんを殺した巨人共を駆逐してやるって、思ってきた…、でも・・・」
その殺してきた巨人は元々は俺達の仲間だった…
エレン「・・・色々とありすぎてよく、説明はできねぇけど…最初わかった時は・・・」
フェイ「・・・」
エレン「・・・なに、やってんだろうなって、思ったよ・・・」
エレンはそう言い俯いた、今のエレンは色々と積み重なったのが原因かあの頃、訓練兵の頃のような活気はなくなっていた
エレン「・・・・・・色々とありすぎて…俺自身がどう思ってるかなんて、もぅ・・・わかりもしねぇよ・・・」
フェイ「!!」
そう言い俯いていた顔を上げたエレンの表情は酷かった、瞳は酷く何かで汚れたような、どんよりとしていて濁っていて、あまりにも年に似合わない表情をしていた
エレン「・・・偶に思うんだ…」
フェイ「!え?」
エレン「・・・俺達壁内側がやってる事は、正しいのかってのが・・・わからなくなる時がある…」
フェイ「・・・」
エレン「・・・最近じゃ巨人化のせいなのか記憶も曖昧になってきてるしな…」
フェイ「!!・・・それ、本当なの…?」
エレン「・・・あぁ…小さい頃の事とか、稀にな…」
そう言ったエレンの表情はなにかに諦めているのか、または絶望しているのか、そんな表情をしている
エレン「…この世界は……本当…」
残酷だよな…
フェイ「・・・ねぇ、エレン」
エレン「・・・ん?」
フェイ「…エレンてさ、今、なんの為に生きてるの??」
エレン「・・・は?、なんの為にって、そりゃ…人類を守る為、だろ?」
フェイからの突然の質問にエレンは拍子抜けしたような表情になりそう言った
フェイ「・・・私さ、凄い幼く死んじゃったからすごい子供っぽい事しか言えないんだけど・・・」
エレン「?あぁ・・・?」
フェイ「・・・少しは、自分の為に生きて良いんじゃないかな??」
エレン「・・・?は、はぁ??」
フェイ「・・・だって、エレンの話を聞いてる限りだとエレンって余命、残りわずかしかないんでしょ…?」
エレン「!」
そう言われエレンの脳裏に思い浮かぶのは残りの余命8年、この数字だった
フェイ「・・・こんな事今のエレンには苦でしかないと思う・・・でも、子供で何も知らない私だからこそ言える事がある…!」
エレン「・・・」
フェイ「・・・エレン、今までずっと苦しい事ばかりあったんだから、少しは楽になろう?」
エレン「っ!!」
何かが心のトリガー、または何かに触れたのかそのフェイからの言葉はエレンの心に深く突き刺さった
ポタ、ポタポタ
エレン「っ!あっ…?な、なんだ…?」
手のひらにポタポタと水滴が垂れている事に気が付いたエレンは自分が泣いている事に気が付き動揺した、何故泣いているのか、と
フェイ「・・・あっちじゃ、弱音なんで一切吐いてられなかったよね?」
エレン「!・・・みんな生きようって頑張ってんだ、俺だけが弱音なんか吐けるわけねぇだろ…ッ」
フェイ「・・・今、ここには私しかいないよ?」
エレン「・・・」
フェイ「・・・我慢は体に毒、ってお母さんが言ってたよ??」
エレン「・・・知るかよ…」
フェイ「・・・確かに弱音なんか吐いてたらみんなに心配かけちゃうもんね・・・」
エレン「・・・」
フェイ「・・・だったら、夢の中ぐらい弱音吐いたって良いんじゃないかな??」
エレン「っ・・・」
何かが弱音を吐いてはいけない、そう体が反応しているのかエレンは何も言えないでいる、言ってはいけない、言っては何かが崩れてしまう、そんな気がした
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- 7 : 2017/01/12(木) 19:24:13 :
- フェイ「・・・大丈夫だよ、エレンが弱音吐いたって、誰も責めないから、ね?」
エレン「!!」
そのフェイの言葉と共にエレンの中は何かが崩れた気がした、誰も責めないから、この言葉がエレンのトリガーになった
エレン「っ・・・オレ、は…」
フェイ「・・・うん」
それからエレンは今まで心の中に閉じ込めていた思いを全て吐き散らした、涙声と共に白い空間全体に響きわたるぐらいに、叫ぶように、そしてそんなエレンをフェイは母親のような、優しい表情、手つきでエレンを撫でていた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エレン「スゥ…スゥ…」
フェイ「ふふっ、可愛い寝顔…兄さんとはあまり似て、ないかな?」
泣きつかれたエレンを見てはフェイはそう言った
フェイ「・・・大丈夫…大丈夫…エレンを責める人なんて誰もいないから、ね…」
フェイはそう言いながら優しく何度も何度も撫でた、そしてゆっくりとエレンを地面に寝かせては立ち上がった、するとその背後は白い空間から段々と黒い何かが侵食し始めていた
フェイ「・・・これで少しはエレンも楽になれたかな…?」
子供のように無邪気に眠るエレンを見てはフェイはそう思った、エレンの顔色は先程までの酷い顔色はなく、どこかスッキリしたような、そんな表情をしていた
フェイ「…エレン…この世界は本当に残酷だと思う…でも…」
味方はいるから…
エレン「スゥ…スゥ…」
フェイ「…例え失敗しちゃったとしてもエレンは一人にさせないからね…、こっちで待ってるから…」
最後まで諦めないでね…頑張ってねエレン…
いってらっしゃい…エレン…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・
・・・・
・・・・・
・・・ん…?
パサッ…
エレン「・・・」
スタ、スタ
アルミン「!あっ、おはようエレン」
エレン「・・・・・・!あ、あぁ…おはようアルミン…」
アルミン「?あれ?」
エレン「?どうした?」
アルミン「う、ううん…ちょっと、エレン顔色良くなったねって」
エレン「え?」
スタ、スタ
エレン「!!ほんとだ・・・」
アルミン「なにか良い夢でも見たの?」
エレン「・・・わかんねぇ、なんの夢見てたっけかな・・・」
アルミン「忘れちゃったんだ…まぁ、いっか、最近エレン顔色悪そうだったからね、心配してたよ」
エレン「・・・そうか、悪いな」
アルミン「ううん大丈夫、それよりミカサ達待ってるから行こう」
エレン「・・・あぁ」
スタ、スタ
ミカサ「!エレン、おはよう」
エレン「ん、あぁ…」
アルミン「ねぇミカサ」
ミカサ「?ん?」
アルミン「エレン、なんか顔色良いと思わない?」
ミカサ「・・・ほんとだ、何か良い事でもあったの?」
エレン「・・・さぁ、アルミンが言うには夢か何かじゃねえかって言ってたけど」
ミカサ「夢・・・」
アルミン「まぁ本人は覚えてないようだけどね」
ミカサ「そう・・・、ん?エレン?」
見られている事に気が付いたミカサはエレンを見た
エレン「・・・思い、出した・・・」
アルミン「!どんな夢だったの?」
ミカサ「・・・」
エレン「・・・父さんの妹にあった」
アルミン「・・・え?」
ミカサ「・・・??」
エレン「・・・いや、なんでもねぇよ」
二人の反応にエレンは溜息付いては歩き出した
アルミン「!えっ、ちょ、え、エレン!?」
ミカサ「・・・詳しく聞かせてほしい」
エレン「・・・あぁ…」
エレンはそう言いアルミン、ミカサに歩きながら夢の中の内容を言った、本人は気づいていなかったのかその話をしている時、エレンは久々に生き生きとしていたらしい
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- 8 : 2017/01/12(木) 19:25:04 :
- う~ん、思いつきで作ってしまったせいで話がかなり適当になってしまいました、内容がかなり薄い・・・次からはこうならないように作りたいと思います!
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- 9 : 2017/01/12(木) 21:38:57 :
- いやー!感動しましたー!!
見てて楽しかったです!!
これこらも頑張ってください!!
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- 10 : 2017/01/14(土) 19:40:39 :
- とてもとても、暖かい作品でした。
お疲れ様でした!(*´ω`*)
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