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アニ「2017年、冬」
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- 1 : 2017/01/01(日) 00:37:12 :
- アニ「…さっむい」
ライナー「暖房の温度上げるか?」ピッ
アニ「…」
ライナー「ん?」
アニ「」ゲシッゲシッ
ライナー「いてっ、痛えよ!それが人に対する態度か!」
アニ「いつの間にか無断で住居に侵入してた不審者に対する態度としては合ってると思う」
ライナー「それは無防備に裏口の鍵を閉めてなかった家が悪い」
アニ「!…」ガタッ…バタバタ
ライナー「ついでに台所の窓も開いてたぞー」
アニ「この野郎!」バタバタバタ…
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- 2 : 2017/01/01(日) 00:48:28 :
- ライナー「ふー…」ズズ
アニ「はあ、ふう…」テクテク
ライナー「お、帰ったか」
ライナー「戸締りご苦労さん。まあ、コタツにでも入れよ」ポンポン
アニ「…ここ私の家なんだけど?」
ライナー「入んないのか?」
アニ「入るに決まってるでしょ」ゴソゴソ
ライナー「ほら、お茶ついでやったから飲め」
アニ「…」ズズ
ライナー「急須で入れたお茶ってやっぱうまいよなあ」
アニ「…」
アニ「あんたさ…我が物顔でコタツに入って、お茶まで勝手に飲んでるけど」
ライナー「おかわりいるか?」
アニ「聞きなって」バンッ
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- 3 : 2017/01/01(日) 01:02:43 :
- アニ「いつ、ここに忍び込んだの?というか何でここにいるの?」
ライナー「聞いて驚け。俺達はお前の親父さんに頼まれて来たんだ」
アニ「ふざけなくていいから」
アニ「ん?…俺達?」
ライナー「俺、それからベルトルト」
アニ「…ひとり見当たらないのは気のせいかい」
ライナー「いいや気のせいじゃねえな。あいつまさか、俺の後に続いて来なかったのか?」
アニ「心なしか外から物音がするね」
ライナー「…俺は裏口見てくる。アニは玄関頼んだ」ガタッ
アニ「え、やだよ寒いし」
ライナー「家の前にデカイ雪だるまが立つことになるぞ」
アニ「…」
ライナー「ご近所の噂になっても知らねえぞ」
アニ「分かったよ…行けばいいんだろ、行けば」
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- 4 : 2017/01/01(日) 01:17:16 :
- アニ「さむ…あー、ベルトルト?そこにいるんだったら返事しなー」
アニ「…」
アニ「なんだ、ライナーの嘘か…一杯食わされた」チッ
ガタッ
アニ「!」
ガタガタガタガタッ
アニ「!!?」
ライナー「裏口の方にはいねえな。そっちはどうだ」スタスタ
ライナー「って、何固まってんだよ。あいつはいたのか?」
アニ「…ドアから物音はした」
ライナー「…ベルトルトだったか?」
アニ「分かんない…」
ライナー「分かんない」
アニ「ドアのガラス越しに影は見えたけど…あいつ、あんなにクマっぽかったっけ?」
ライナー「100%人間のはずだ。よく思い出せ」
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- 5 : 2017/01/01(日) 16:22:17 :
- アニ「んー」
アニ「クマじゃないかな」
ライナー「んなバカな」
ライナー「ベルトルトー、そこにいるのかー!」
ライナー「…なんもいねえじゃねえか」
ガタガタッ!バンバンッ
ライナー「!?」
アニ「あんたの知り合いにマタギいない?」
ライナー「いないなあ」
アニ「私の命もここまでか…」
ライナー「諦めるなよ、まだベルトルトだって可能性が残ってるだろ。2割くらい」
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- 6 : 2017/01/01(日) 23:32:22 :
- ライナー「もう、せーので開けようぜ」
アニ「8割クマなのに?本気?」
ライナー「俺こういうモヤモヤするやつ駄目なんだよ」ウズウズ
アニ「あんたのモヤモヤを取り除くためだけに差し出せる命なんて無いよ」
ライナー「そーれ開けるぞ」スッ
アニ「バカ!せめて武器とか…」
ライナー「じゃ武器くれ」
アニ「…」ゴソゴソ
アニ「」スッ
ライナー「…ほう、ミカンの皮そっくりな武器だ」
アニ「今手元にあるのがそれだけなの」
ライナー「さっきまでミカン食ってたんだな」
アニ「コタツと言えばミカンでしょ」
ライナー「そうだなドア開けるぞ」
アニ「ちょっと!」
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- 7 : 2017/01/01(日) 23:39:43 :
- ガチャッ…
ベルトルト「…あ」
ライナー「おっ」
アニ「あー…」
ベルトルト「や、やあアニ…」
アニ「どうも」
ライナー「2割の方だったな」コソッ
アニ「…スッキリした?」
ライナー「おかげでバッチリだぜ」
ベルトルト「? なんのこと…?」
ライナー「こっちの話だ」
ベルトルト「そ、そう…それより凍死しそそそそうなんだ。でででできれば早く中に入れれれてほしい」ガチガチ
アニ「え?何?なんて?」
ベルトルト「ととととうししし」バターン!
ライナー「ベルトルトォーーッ!!」
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- 8 : 2017/01/02(月) 10:17:16 :
- ベルトルト「う〜ん…」ムニャムニャ
ライナー「ん、目が覚めたか」
ベルトルト「…ここは……」
アニ「私の家」
ベルトルト「そうか…文明の力をとても感じる…」
ライナー「暖房フルパワーだからな」
ベルトルト「…」ハッ
ベルトルト「この枕…妙に生あたたかい…?」サスサス
アニ「膝枕だからね」
ベルトルト「!?」パチッ
ライナー「あんまりさすんなよ、くすぐってえ」
ベルトルト「君の膝かよ」
ライナー「文句あるか?」
ベルトルト「膝枕は女子だけに許された特権だろ?こんなガチムチの膝枕、枕なんて言わないよ。漬け物石だよ」
ライナー「好き勝手言ってくれるじゃねえかてめえ」
ベルトルト「まったく、誰なんだ…男の膝枕を男に提供しようだなんてとち狂った思考の持ち主は」
アニ「私」
ベルトルト「ライナーの太ももサイコー」
ライナー「気持ちわりいからおりろ」
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- 9 : 2017/01/02(月) 10:35:05 :
- ベルトルト「なんで僕に膝枕を…?」
アニ「丁度いい枕が無かったから」
ベルトルト「そ、そう…」
ライナー「膝枕してやったのは俺だからな」
ベルトルト「ライナーには感謝してない」
ライナー「あ?」
アニ「…ベルトルトさ、何で私達をおどかすような真似したの?」
ベルトルト「え」
ライナー「あーあれだ、玄関で野生のクマよろしく物音立ててたろ」
ベルトルト「…ライナーとここへ着いた時、呼び鈴鳴らそうとしたら壊れてたみたいでさ…」
アニ「そうだっけ?」
ライナー「ボタンがめり込むぐらいの回数押したんだが、聞こえなかったか?」
アニ「いや全然」
ライナー「ほらな」
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- 10 : 2017/01/02(月) 10:46:19 :
- ベルトルト「それでライナーが痺れを切らして、開いてる窓かドアから中に入ろうって言い出したんだ」
アニ「私のこと呼びなよ…」
ライナー「呼び鈴壊れてたしなあ、仕方ねえよな」
アニ「声があるでしょバカ」
ベルトルト「僕は止めたんだ。だけど裏口が開いてる!とか言って中に入っちゃって…」
アニ「はい住居侵入」
ライナー「はっはっは」
ベルトルト「でも外は寒いし、僕も続いて入ってしまおうか悩んでたところで…家からバタバタと足音がしてさ」
ライナー「アニだな」
ベルトルト「僕の退路を次々塞いでくんだもの。もう焦るよね」
アニ「戸締りのこと教えてくれたのはライナーだよ」
ベルトルト「間接的に僕を殺そうと…?」ゾワッ
ライナー「すまんお前のこと忘れてたんだ」
ベルトルト「ひどいよ」プンプン
ライナー「ミカンやるから許せ」スッ
ベルトルト「わーい許す」
アニ「それ私の」
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- 11 : 2017/01/02(月) 10:52:13 :
- ベルトルト「僕はやっぱり玄関から入ろうと考えたんだ。だけどあまりの寒さに、うまく喋れなくなってて」ベリッベリリ
ライナー「歯がカスタネットのごとくリズミカルに鳴ってたしな」
ベルトルト「2人に呼ばれてたのはわかったんだけど、仕方ないから物音で返事したんだ」ムグムグ
アニ「ミカンおいしい?」
ベルトルト「うん」モグモグ
アニ「それ私の」
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- 12 : 2017/01/02(月) 13:31:08 :
- ライナー「まあいいじゃねえか、ミカンの一つや二つ」ベリリッモグモグ
アニ「あんたも勝手に食べてんじゃないよ」パーンッ
ライナー「いてえ」ヒリヒリ
ベルトルト「僕達、雪見だいふくをお土産に持ってきたんだ。これでご勘弁を」スッ
アニ「…凍ってんじゃん、これ」
ベルトルト「あれえ?」
アニ「」パーンッ
ベルトルト「ひい」ヒリヒリ
ライナー「おそろいだな」ヒリヒリ
ベルトルト「あんまり嬉しくない」ヒリヒリ
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- 13 : 2017/01/03(火) 20:24:34 :
- ベルトルト「コタツに入れておけば解凍されるんじゃないかな?」スッ
ライナー「つめてっ!バカ、こっちやるなよ!」スッ
アニ「私もパス」スッ
ベルトルト「え、僕も」スッ
ライナー「こら言い出しっぺが責任持て」スッ
アニ「回す方向逆」スッ
ベルトルト「どうぞ」スッ
ライナー「いやどうぞじゃねーよ」
アニ「今、誰が持ってる?」
ベルトルト「僕は渡したよ」
ライナー「俺にも行ってないぞ」
アニ「…どうやら雪見だいふくのポジションが落ち着いたみたいだね」
ベルトルト「めでたしめでたし」
ライナー「で、誰が様子見てコタツから取り出すんだ?」
アニ「そういうのは後回しでいいんだよ」
ベルトルト「うんうん」
ライナー「良くないだろ」
ライナー「俺はデロデロに溶けた雪見だいふくなんて拝みたくないんだが」
アニ「じゃライナーね」
ライナー「ええ…」
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- 14 : 2017/01/04(水) 00:23:19 :
- ベルトルト「コタツぬくいね」ヌクヌク
ライナー「そうだな」ヌクヌク
アニ「…ぬくぬくしてるところ悪いけどさ、ここで大きな疑問が一つ残るよね」
ライナー「んー?」
ベルトルト「…!」ピコーン
ベルトルト「僕のスリーサイズ」
アニ「興味ない」ベシッ
ライナー「まずいな、コタツのぬくさにやられて思考が鈍ってら」
アニ「スイッチ切るか」
ベルトルト「あああ」ジタバタ
ライナー「いやあああ」ジタバタ
アニ「駄々こねない」
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- 15 : 2017/01/04(水) 01:10:35 :
- ベルトルト「真面目に、至極真面目に答えるから!」
アニ「……あの、何で2人はうちに来たの?」
ライナー「お前の親父さんに頼まれたんだって」
アニ「私のお父さんわりと厳しい人なんだけど。知らない?」
ライナー「ああ、だからだよ」
アニ「はあ…?」
ベルトルト「…あっ!ぼ、僕達別にこの隙を狙ってアニをどうこうしようとか考えてるわけじゃないからね!」
アニ「…へえ、いい度胸してるじゃん」チラッ
ライナー「ベルトルト…お前そういう魂胆だったのか」
ベルトルト「え!?」
アニ「自ら不純な発言するとはね」
ライナー「俺は味方だ。信じてくれ」
アニ「面倒だから二人まとめて殺る」ファイティングポーズ
ライナー「ベルトルトてめえ!」ギリッ
ベルトルト「フ、フォローのつもりだったんだ!ごめん!」
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- 16 : 2017/01/04(水) 01:19:37 :
- アニ「…ま、冗談だよ。あんたたちがチェリーボーイだってことは存じ上げてるし」スッ
ベルトルト「僕達が何も出来ないと踏んでるね…」ヒソヒソ
ライナー「反論したいところだが、全くもってその通りだ…」ヒソヒソ
アニ「それで、本当の理由は何?」
ベルトルト「えーと…アニのお父さん、訳あってしばらく帰ってこないんだよね?」
ライナー「そこで、見知った仲の俺達がボディガードとして雇われたのさ。女子ひとりに留守任せんのは不安だってな」
アニ「はあ、お父さんたら子ども扱いして…」ヤレヤレ
ライナー「そんな事言うな。本心は、めでたい時期に寂しい思いさせんのが不憫だと感じてるんだろう」
ベルトルト「こんな機会滅多にないし…三人で騒いだらきっと楽しいよ、ほら」
アニ「…わかったよ、乗った」
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- 17 : 2017/01/05(木) 16:38:16 :
- ベルトルト「じゃ何する?」
アニ「お腹空いた」
ライナー「お前飯食ってねえの?もう夜だぞ」
アニ「横になってたらいつの間にか寝過ごしてね」
ベルトルト「僕も空いた」
ライナー「…飯にするか。俺も小腹が空いた」
アニ「それじゃご飯持ってくるから待ってて」ヨッコイセ
ライナー「おう?」
ベルトルト「何が来るかな」ソワソワ
ライナー「さあな」
ベルトルト「おせちかな」ソワソワ
ライナー「豪勢だな」
ベルトルト「僕、おせちあんまり好きじゃない…」シュン
ライナー「なら好きなものを想像しろよ」
ベルトルト「みかんかな」ソワソワ
ライナー「さっき食ったろ」
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- 18 : 2017/01/05(木) 16:49:42 :
- アニ「お待たせ」ドンッ
ベルトルト「これは…」
ライナー「…弁当だな」
アニ「チーズハンバーグ弁当だよ。どう?豪華でしょ」
ベルトルト「アニの好物だもんね」
アニ「じゃ、誰かチンしてきて」
ライナー「いやなんでだよ。弁当を冷蔵庫から取り出した後、流れでレンジにかけりゃ良かったろ」
アニ「寒さに耐えられなかった」モゾモゾ
ライナー「コタツに潜り込みやがってコイツは…」
ベルトルト「ねえ、あの…このお弁当、2つしかないよね?」
ライナー「確かに」
アニ「だって2つしか無いんだもの。私が1つ貰って、あんた達は2人で1つね」
ベルトルト「足りない…ッ!絶対に足りない…ッッ!」
ライナー「食べ盛りにこの量はなあ」
アニ「それなら私が1つ貰って、ベルトルトとライナーは残りの弁当1つをかけて死闘を繰り広げる」
ライナー「そんな血なまぐさいシナリオに応える気は毛頭ない」
ベルトルト「ライナー…悪く思わないでくれ」ガタッ
ライナー「なんでお前はやる気満々なんだ」
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- 19 : 2017/01/05(木) 23:40:29 :
- ライナー「いいさ、弁当はベルトルトにやるよ」
ベルトルト「わーい」バクバク
アニ「それ…まだチンしてないよ」
ベルトルト「そうだった。しなきゃ」モゴモゴ
アニ「ついでに私のもお願い」
ベルトルト「了解」スタスタ
ライナー「俺も台所行くわ」ガタッ
ベルトルト「…僕ひとりで弁当を温めるくらい出来るんだけど?」
ライナー「お前のヘルパーに行くんじゃねえよ」
ベルトルト「何しに来るの?」
ライナー「まあちょっとな」
ライナー「なあアニ、冷蔵庫のもの使ってもいいか?」
アニ「…」
ライナー「…」
アニ「…」
ベルトルト「…」スッ
ベルトルト「…大変だ、寝落ちしてる」
ライナー「叩き起こせ」
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- 20 : 2017/01/05(木) 23:44:14 :
- ベルトルト「アニ、コタツで寝ると風邪引くよ」ユサユサ
アニ「んー」
ライナー「揺するんじゃ生ぬるい。叩いた方が起きるぞ」
ベルトルト「アニに向かってそんな乱暴な真似、出来るわけないじゃないか」バンッ
ライナー「ベルトルト…」
ベルトルト「なにせ後が怖い」
ライナー「だよな」
アニ「あー…何?チーハンまだなの…」ムニャムニャ
ベルトルト「今レンジにかけてるからね。待ってね」
アニ「そう…できたら起こして」グー
ライナー「寝るな寝るな」ユサユサ
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- 21 : 2017/01/05(木) 23:50:30 :
- アニ「わかったよ…何の用?」
ライナー「アニ、冷蔵庫のもの使っていいか?」
アニ「んーいいよ」
ライナー「サンキュ」スタスタ
ベルトルト「何するの?」スタスタ
ライナー「何にすっかなあ」
ベルトルト「…?」
ライナー「…お、うどんあるじゃねえか」ガチャ
ライナー「それと卵と…野菜を少々」ゴソゴソ
ベルトルト「??」
ライナー「レンジ、温め終わったみたいだぜ」
ベルトルト「本当だ。あち、あちち」スッ
ライナー「アニと先に食ってていいからな。俺は気にするな」
ベルトルト「うん…?」
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- 22 : 2017/01/05(木) 23:59:47 :
- アニ「ライナーは?」ハフハフ
ベルトルト「何かしてる」ハフハフ
アニ「?…」
ベルトルト「おいしいね、これ」
アニ「まあね。なんせ、"スーパーウルトラスペシャルチーハン弁当"だからね」
ベルトルト「うわっ、頭悪そうな名前」
アニ「そこがネックなんだよ…」
ベルトルト「買い辛いったらないね」
アニ「ああ。本社にクレーム入れようか
迷ってる」
ライナー「待たせたな」スタスタ
アニ「待ってないけどおかえり」
ベルトルト「おかえり」
アニ「…うちの冷蔵庫にうどん弁当なんてあったっけ?」
ライナー「何故ご飯に弁当以外の選択肢が無いんだ」
ベルトルト「ということはつまり…?」
ライナー「メイドイン俺」コク
アニ「おいしそう」
ライナー「だろ」
アニ「ムカつく」
ライナー「!?」
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- 23 : 2017/01/06(金) 12:30:24 :
- ライナー「どういうことだってばよ」
アニ「おいしそうなもの作れることがムカつく」
ベルトルト「うーん理不尽の極み」
アニ「いい?料理は女子力」バンッ
ベルトルト「う、うん」
ライナー「ほう」
アニ「けどライナーに女子力なんていらないでしょ。せいぜい孤島でサバイバル能力磨いてるのがお似合いだよ」
ベルトルト「確かに」
ライナー「サバイバルしてもいいが、そこにコンビニが無きゃ嫌だ」
ベルトルト「うわー現代っ子」
アニ「サバイバルじゃないじゃん」
ライナー「俺、コンビニのホットスナック好きなんだよ」
アニ「デブ発言やめて。デブがうつる」
ベルトルト「アニの対応が酷すぎて僕が泣きそう」
ライナー「うるせえ、これは脂肪じゃなくて筋肉だ」
アニ「どれどれ」
ベルトルト「かたーい」サワサワ
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- 24 : 2017/01/06(金) 12:37:39 :
- ライナー「うどんうまい」ハフハフ
アニ「いい気になりやがって…」ジロッ
ベルトルト「アニの視線が怖いから早く食べきってくれる?」
ライナー「うどん如きでいい気になんねえよ。茹でるだけだぞ」
アニ「お米炊ける?」
ライナー「おう」
アニ「いい気になりやがって……」ギロッ
ベルトルト「そこは嘘でもNOと言うべきだった」
ライナー「いやなんでだよ。米だって炊飯器にセットするだけだろ」
アニ「…」
ベルトルト「地雷の上で飛び跳ねるのやめろよ!!」
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- 25 : 2017/01/06(金) 12:45:13 :
- ベルトルト「ア、アニ…僕のチーハン少しあげるから食べな」スッ
アニ「!」モグモグ
アニ「はひはふ、へふはふほ(ありがと、ベルトルト)」モゴモゴ
ベルトルト「好物に気を逸らす事に成功」
ライナー「そんなに腹減ってんのか。俺のうどんもやるよ」スッ
ベルトルト「どうしても地雷を踏みたいんだね、君は…」
アニ「…ありがと」ズゾゾ
ベルトルト「なっ…!素直にいただいてるだと…!?」
アニ「食欲には勝てなかった」ズゾゾ
ベルトルト「僕も欲しい」
ライナー「おう、いいぞ」
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- 26 : 2017/01/06(金) 13:06:50 :
- ベルトルト「優しい味」ズゾゾ
アニ「ね」
ベルトルト「おふくろの味って感じ」
アニ「ね」
ライナー「誰がおふくろだ」
ベルトルト「ライナーにこんな才能があったなんて…」
ライナー「この体格のせいかすぐ腹が減ってな。ガッツリしたものが食いたすぎて気が付いたら自炊してた」
ベルトルト「なにそれこわ」
ライナー「つっても、朝昼晩は出されるからな。自炊はおやつと夜食だけだ」
アニ「おやつのボリュームやばくない?」
ベルトルト「僕は1日の食事の回数に驚きを隠せないよ」
ライナー「ちなみに休日は1日6食」
アニ「なんかもう……牛じゃん」
ベルトルト「牛」
アニ「牧場にお帰り」
ライナー「俺の家はここから2軒隣だ」
ベルトルト「そんな所に牧場なんてあったっけ?」
ライナー「普通の一軒家だ」
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- 27 : 2017/01/06(金) 18:56:29 :
- アニ「他に何か作れないの?」
ライナー「そうだなあ」
アニ「マカロンとか」
ベルトルト「牛に女子力秘技中の秘技を求めるとは」
ライナー「菓子は作ったことねえわ」
ベルトルト「食後のデザート無理そうだね」
アニ「チッ」
ライナー「俺は便利屋じゃねえからな」
アニ「なんで作らないの」
ライナー「食べた気がしない。腹にたまらない」
アニ「デブ発言」
ベルトルト「あっ牛だあ〜」
ライナー「モー!!」
ベルトルト「ちょっと待って予告無しの全力鳴き真似は腹がよじれる」プルプル
アニ「不意打ちはずるい」プルプル
ライナー「どうだ、まいったか(ブモモッ、ゥンモーッ)」
ベルトルト「牛語翻訳いらないから!!」
アニ「死にそう」プルプル
-
- 28 : 2017/01/06(金) 22:54:19 :
- ベルトルト「アニ、大丈夫?」
アニ「死んだ」パタリ
ベルトルト「ア、アニーーッッ!!」ユサユサユサユサ
ライナー「コタツで寝たら死ぬぞーーッッ」ユサユサユサユサ
アニ「チッ」ムクリ
ベルトルト「本当に寝る気だったんだね」
アニ「お腹が満たされてから眠くて眠くて…」
ライナー「目覚ましついでにひとっ風呂浴びてこいよ。食器片付けといてやるから」
アニ「んー」テクテク
ベルトルト「いってらっしゃい」
ライナー「入浴中に寝るなよー」
ベルトルト「…」
ライナー「…」
ライナー「チャンスだな」
ベルトルト「!?」
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- 29 : 2017/01/06(金) 23:24:11 :
- ベルトルト「な……何を言ってるんだライナー」
ライナー「いやチャンスだなって」チラッ
ベルトルト「…!?」
ベルトルト「(風呂を…覗くつもりなのか!?)」
ベルトルト「あ……あぁ…そうだよ!ライナーは疲れてるんだ!」
ライナー「…」
ライナー「そうか…その通りだよな…何を…考えているんだ俺は…本当におかしくなっちまったのか?」
ベルトルト「本当まずいよ…犯罪だもん…」
ライナー「え、犯罪なの?」
ベルトルト「え、バカなの?」
ライナー「犯罪では無くね?」
ベルトルト「いや犯罪でしょ?」
ライナー「俺、よくやるぞ」
ベルトルト「警察ー!!」
ライナー「つか毎晩してる」
ベルトルト「110番ー!!」
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- 30 : 2017/01/06(金) 23:37:48 :
- ライナー「夜食はいいぞー」
ベルトルト「…夜食?」
ライナー「しかし女子に夜食として甘味提供すんのはなー、太るつって気にするよなー」
ベルトルト「…君、お菓子作ったことないって…」
ライナー「ああ、あれは嘘だ」
ベルトルト「ライナー!!」バンッ
ライナー「な…なんだよ」
ベルトルト「どうしてそんな嘘を」
ライナー「なんとなく」
ベルトルト「なんとなく」
ライナー「あとでアニが居ない隙に用意してやろうかなーって」
ベルトルト「くっ、君ってやつは…」
ライナー「だが正気に戻った。やめとくわ」
ベルトルト「ライナー…やるんだな!?今…!ここで!」
ライナー「え?」
ベルトルト「あぁ!!勝負は今!!ここで決める!!」
ライナー「!?」
-
- 31 : 2017/01/07(土) 12:41:09 :
- ベルトルト「というわけで作りました」
ライナー「主に俺が」
アニ「へえ」ホカホカ
ベルトルト「どうかな?感想は」
アニ「…紛うことなきホットケーキだね」
ライナー「苦労したんだぜー。分厚くふわっふわに、且つ8段重ね」
ベルトルト「そしてトッピングにバターの塊」
アニ「マンガに出てきそう」
ライナー「見た目だけにこだわった料理だからな」
ベルトルト「味は知りません!」
アニ「ホットケーキの味じゃないかな、ホットケーキだし」
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- 32 : 2017/01/07(土) 12:55:09 :
- アニ「でさ、このバカに量が多いホットケーキ…どう考えても食べきれないよね?」
ライナー「俺達も手伝うから頑張ろうぜ」
アニ「いや3人がかりでも無理だと思う」
ベルトルト「おいしいよ。早く食べなよ」モグモグ
アニ「ああ…うん…」ムグムグ
ライナー「たまんねえなー、体に悪そうなバターの感じが」モキュモキュ
ベルトルト「ライナーはなんやかんやでおいしく作れるからすごいと思った」モグモグ
アニ「小学生の絵日記みたいな感想だね」
アニ「でもどうせならもっと凝ったものが食べたかった。ホットケーキおいしいけど」ムグムグ
ライナー「残念、ここの台所には菓子に使えそうな材料が無かった」モキュモキュ
アニ「ごめん」
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- 33 : 2017/01/10(火) 22:19:42 :
- ベルトルト「お腹が満たされた」ゲプ
アニ「まさか完食するとはね」
ライナー「やったぜ」モッシャモッシャ
アニ「…ライナー、今度ご飯食べいかない?」
ベルトルト「えっ」
ライナー「ああ?別にいいけどよ」
ベルトルト「忙しいからだめだって」
アニ「なんだ」
ライナー「いや言ってねえ」
ベルトルト「アニとのご飯、僕は許可しない」
ライナー「俺に決定権は?」
アニ「まあベルトルトでもいいんだけど」
ライナー「ほう、何企んでやがる」
アニ「大食いチャレンジに挑戦させたい」
ベルトルト「ええ…?」
ライナー「他力本願そのものだな」
アニ「2人ともバカみたいにデカいからいけると思う」
ベルトルト「失敗したら恥ずかしい」
アニ「それが分かった瞬間他人のフリして席をたつから平気」
ライナー「俺達は平気じゃない」
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- 34 : 2017/01/10(火) 22:33:51 :
- アニ「そうだ、あんた達お風呂入ったら?」
ベルトルト「え、いいよ」
アニ「…きったな」
ベルトルト「きっ今日はもう入ったんだ!」
アニ「お風呂入った後、この寒い中外へ出たの…?」
ライナー「バカだよな」
アニ「まったくね」
ライナー「俺もそのバカだ」
アニ「バカじゃないの」
ベルトルト「次何する?」
アニ「お腹苦しいのによく動く元気あるね」
ベルトルト「そういえばそうだった。もう動けない」バタリ
ライナー「しゃあねえな、ベルトルト抜きで何かしようぜ」
アニ「うん」
ベルトルト「ちょっと!」ガタッ
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- 35 : 2017/01/12(木) 20:29:19 :
- ライナー「こういう特別な夜にする事と言ったら、アレしかないな」
アニ「うん?」
ライナー「ほら、アレだ」
アニ「…何?それ」
ライナー「だからアレだよアレ」
アニ「だからアレってなんなのさ」
ベルトルト「だめだよ、アニ」ガシッ
アニ「は?」
ベルトルト「こういう時のライナーはオチも考えず適当に喋ってるだけなんだ。騙されちゃいけない」ヒソヒソ
アニ「なるほど」
ライナー「バレた」
アニ「うーんじゃベルトルト考えてよ」
ベルトルト「えっ何故」
ライナー「そうだそうだー」
ベルトルト「ラ、ライナーまで…」
アニ「早くー」バンッバンッ
ライナー「おら急げ木偶の坊ー」バンッバンッ
ベルトルト「さらっと悪口混ぜるのやめて」
-
- 36 : 2017/01/12(木) 21:38:58 :
- ベルトルト「何するか…うーん」
ベルトルト「…なんでもいい?」
ライナー「ああいいぞ」
アニ「だめ」
ベルトルト「出来れば2人の意見を統一してから返事してほしい」
ライナー「少し時間くれ」
ベルトルト「分かった」
ライナー「別にいいだろ、なんでも」ヒソヒソ
アニ「嫌」ヒソヒソ
ベルトルト「終わった?まだ?」
ライナー「えー…協議の結果」
ベルトルト「…」ゴクリ
アニ「無事決裂」
ベルトルト「もっとがんばって!!」
ライナー「無理だな」
アニ「我慢ならなかった」
ベルトルト「嘘…仲悪すぎ…」
-
- 37 : 2017/01/12(木) 22:04:36 :
- ライナー「そんなことないぜ、なあ?」ムニムニ
アニ「大の仲良し」グリグリ
ベルトルト「ライナーはアニの頬をつねって、アニはライナーの頬を拳でグリグリしてる…」
ベルトルト「おかしい、とても仲が良さそうには見えない」
ライナー「疑り深いなお前は」ヤレヤレ
ライナー「アニ、言ってやれ」
アニ「たまに食べ物くれるから友人関係は続けたいと思ってる」ババーン
ベルトルト「あっ餌付けされてた」
ライナー「フフン」
ベルトルト「…僕、もらってない」
ライナー「ん?」
ベルトルト「餌」
アニ「私専用だから」
ベルトルト「え」
アニ「"ベルトルトには与えないでください"って説明に記載されてるから」
ライナー「らしいぞ」
ベルトルト「そうなんだ…」
-
- 38 : 2017/01/13(金) 17:26:46 :
- アニ「結局何するの」
ベルトルト「あ、それなんだけどね」
ベルトルト「二人とも…僕の夢に協力してほしい」
アニ「…は?」
ライナー「つまり何が言いたい」
ベルトルト「いいか、心して聞いてくれ」
アニ「聞いてるから早く」
ベルトルト「僕は……」
ベルトルト「ブリッジができないんだ…」
ライナー「…ほう」
アニ「そうなの?」
ベルトルト「うん」
ライナー「いや、コイツできるし」
ベルトルト「えっ」
-
- 39 : 2017/01/13(金) 17:37:44 :
- ベルトルト「そうなの?」
ライナー「そうだろ」
ベルトルト「嘘だ!ブリッジするのが僕の夢なんだぞ」
ライナー「ずいぶんスケールの小さい夢だな」
アニ「嘘つき」
ベルトルト「ほ、本当にできた試しがないんだよ。ライナーのは妄言だ」
ライナー「はあ?寝起きによくやってみせてたじゃねえか」
ベルトルト「…寝起き?」
ライナー「昼寝してると思ったら、突然ブリッジしてたろお前」
ベルトルト「そんなバカな…記憶にないよ」
ライナー「記念に写メだって撮ってある」スッ
アニ「確かにブリッジ以外の何物でもないね」フムフム
ベルトルト「肖像権の侵害」
-
- 40 : 2017/01/13(金) 17:39:42 :
- ライナー「ほらな、俺は真実しか口にしてねえ」
アニ「ということはベルトルトギルティ」
ベルトルト「ぼ、僕だって嘘なんかついてないよ!」
アニ「…」
アニ「あ、謎は解けた」ピコーン
ライナー「マジ?」
アニ「寝相じゃないの、それ」
ライナー「いやこれは寝相の域超えてるだろ」
ベルトルト「あー、寝相かも」
アニ「でしょ」
ライナー「マジかあ」
-
- 41 : 2017/01/13(金) 17:48:37 :
- ベルトルト「そうか…寝相だとできてるのか…」
アニ「今やってみれば?案外、簡単にやれるんじゃないの」
ベルトルト「なるほど」
ベルトルト「じゃベルトルトいきまーす!」スッ
ライナー「あっ待て!」
ベルトルト「」ビターン!
アニ「うわ…」
ベルトルト「ッッ…!!」ゴロゴロ
ライナー「せめて布団とか敷かないと危ないだろって言う前に惨事が起きてた」
アニ「あまりの痛みに床を転げてるね」
ライナー「つか、立った状態から後ろに倒れてブリッジする方法を迷わず選ぶなんてとんだチャレンジャーだな」
アニ「チャレンジャーというより…深く考えず行動した、に一票」
ライナー「あ、俺も」
ベルトルト「二人とも…ッもうちょっと…心配してほしい…ッッ」ゴロゴロ
-
- 42 : 2017/01/13(金) 17:57:12 :
- ベルトルト「なんやかんやあって回復」
アニ「まだやる気?」
ベルトルト「うん。夢だし」ガタッ
ライナー「何故立ったし」
ベルトルト「え?」
ライナー「俺なら寝転がった状態からブリッジする方法を選ぶけどな」
ベルトルト「それもそうか」ゴロン
アニ「ライナーがベルトルトの腰を持って支えれば、少しはやりやすいんじゃない?」
ライナー「こうだな」ガシッ
ベルトルト「はい、そのまま持ち上げる」
ライナー「…こうか?」グイーン
アニ「…え?」
ベルトルト「ブリッジできた」ババーン
ライナー「そうなのか?」
アニ「…それはブリッジじゃなくて、吊り上げられてるっていう表現のが近いと思う」
ライナー「ああ、確かにクレーンゲームのクレーンになった気分だ」
-
- 43 : 2017/01/13(金) 18:03:39 :
- ベルトルト「ええ、違うの?」
アニ「だってそれ、ライナーに持ち上げられて四肢を投げ出してるだけじゃん」
ライナー「結構疲れる」プルプル
アニ「そうじゃなくて、自分の手足で自分を支えるんだよ」
ベルトルト「こうか」スッ
アニ「そう。で、踏ん張る」
ベルトルト「フンッ」
アニ「ライナーは手を離す」
ライナー「ほい」パッ
ベルトルト「あ、おもっ!無理」ドサッ
ライナー「自分の体重も支えらんねえでどうすんだよ…」
ベルトルト「本当に重かったんだよ!僕、最近正月太りしたし」
ライナー「ダイエットしろ」
アニ「まあ、0.1秒くらいはできてたと思うよ。ブリッジ」
ベルトルト「やった、夢が叶った」
ライナー「夢のハードル低いな」
-
- 44 : 2017/01/13(金) 18:22:46 :
- ベルトルト「満足した」
ライナー「そうか良かったな」
ベルトルト「もう思い残すことはない…」
アニ「そんなに?」
ベルトルト「…」
ベルトルト「あっ、あったー!!」ズザーッ
アニ「!?」
ライナー「!?」
ライナー「唐突にコタツの中へヘッドスライディングかますとは…気でも狂ったか」
ベルトルト「」ジタバタ
アニ「なんか気持ち悪いから足掴んで引っ張りだして」
ライナー「よしきた」グイッ
ベルトルト「…」ズルズル
アニ「え、何?その絶望した顔は」
ライナー「お前…その手に持ってるのはまさか…」
ベルトルト「…雪見だいふく」コク
ライナー「!!」
アニ「うわあ…」
ライナー「なんてこった…ドロドロに溶けてやがる…」
ベルトルト「食べる?」
ライナー「いやいい」
-
- 45 : 2017/01/13(金) 23:39:56 :
- ベルトルト「完璧に存在を忘れてたね、どうしよう」
ライナー「冷蔵庫にぶちこむしかねえな」
ベルトルト「あいあいさー」スタタ
アニ「ライナー…ちゃんと見張っておいてって言ったじゃないか」
ライナー「俺のせい」
アニ「まったくもう」
ベルトルト「まあ文字通り置き土産としてアニに献上するってことでいいじゃない」ピャッ
アニ「仕方ないね、それで手打ちにしてやるよ」
ライナー「よく噛んで食べるんだぞ」
アニ「…その忠告はおかしくない?」
ライナー「昔あれで喉詰まらせたことあったろ、お前」
アニ「…?」
-
- 46 : 2017/01/13(金) 23:41:49 :
- ベルトルト「ライナー、それはちょっと…話が昔すぎるんじゃないかな」
アニ「そうなの?」
ベルトルト「確か僕らが5歳ぐらいの頃の思い出だよ」
アニ「へえ、二人ともよく覚えてるね。なんとなく気味悪いから距離置きたい」スッ
ベルトルト「ええっ」
ライナー「当時の俺達にとっては大事件だったし、記憶に残るのも無理ないだろ」
ベルトルト「うん。あれはもう死んだなって思った」
アニ「ちょっと、殺さないでよ」
-
- 47 : 2017/01/14(土) 00:26:58 :
- ライナー「食い意地どころか命まで張るんじゃねーぞ」コツン
アニ「いたっ…昔の話でしょ、それ」サスサス
ベルトルト「でも早食いは体に良くないし…」
アニ「早食いじゃないから。それはライナーに言って」
ベルトルト「えっ」
アニ「こいつ、犬みたいに食べるの速いんだよ」
ライナー「てへ」
ベルトルト「君は犬なの牛なのどっちなの」
ライナー「しいて言えば人だな」
アニ「よく噛んで食べなよ」
ベルトルト「デジャヴ」
ライナー「安心しろ、雪見だいふくぐらいなら丸飲みできる」
アニ「雪見だいふくは飲むもんじゃないよバカ」
-
- 48 : 2017/01/14(土) 00:29:31 :
- ベルトルト「そのうちカレーは飲み物とか言いそう」
ライナー「それはさすがにねえな」
ベルトルト「なんだ」
ライナー「だがカレーは…シメにライスが食いたくなる」
アニ「ルーとライス、別々に食べてんの?」
ライナー「いいや、カレーライスを食べた後はライスが食べたくなるって話だ」
アニ「理解できない」
ベルトルト「ちょっとわかる」
アニ「…本気?」
ベルトルト「ルーと混ざったカレー味のライスを食べてると、なにもかかってない純粋なライスが欲しくなるよね」
アニ「狂気の沙汰だった」
-
- 49 : 2017/01/14(土) 00:41:02 :
- アニ「もうこの話題はやめよう」
ベルトルト「えー、ちょうど盛り上がってきたところだったのに」
ライナー「そうだそうだ」
アニ「私はカレー談義なんて興味ないし」
ライナー「辛いもん苦手だもんな、アニ」
アニ「は?お寿司サビ無しじゃなくてもいけるから」
ベルトルト「キムチは?」
アニ「あれ食べ物じゃないよね」
ベルトルト「やだなあ、おいしいのに」
アニ「ベルトルトは辛いものに対して見境なさすぎ」
ライナー「ああ。こないだ店で激辛メニュー食って腹壊したあとの発言がすっげえクレイジーだった」
アニ「へえ、詳しく」
ライナー「“おいしかった、また食べたいね!"と、奴は笑顔で言った」
アニ「お腹壊したのに…?」
ベルトルト「へへ//」
-
- 50 : 2017/01/14(土) 18:30:12 :
- ベルトルト「ライナーは何が好きなの」
ライナー「俺か?俺は…」
ライナー「犬派だな」
ベルトルト「全く関係の無い話題過ぎて僕こわい」
アニ「ちょっとサイコパス入ってるよね」
ベルトルト「ね」
ライナー「失礼な。俺は便所のトイレットペーパーに三角折りを施すくらい優しい人間だぜ?」
ベルトルト「用足す度にそれやってるの?」
アニ「こわ」
ライナー「いや、3回に1回くらい」
ベルトルト「中途半端な優しさやめろよ」
アニ「これが半端なクソ野郎たる由縁か」
ライナー「断じて違う」
-
- 51 : 2017/01/14(土) 18:37:17 :
- ベルトルト「僕、辛党」
アニ「私はやや甘党」
ベルトルト「ライナーは?」
ライナー「塩がいい」
ベルトルト「僕、ライナーと会話できる自信無くなってきた」
アニ「がんばって」
ライナー「まあ聞け。世の中には甘党、辛党なんてものが存在するが…」
ライナー「俺はそれより塩気のあるものが好きだ」
ベルトルト「じゃあ辛党じゃない?」
アニ「私もしょっぱいの好き。辛いのは嫌い」
ベルトルト「まずい、矛盾が生じてしまう」
ライナー「ここは早急に塩党を作るべきだと俺は思う」
ベルトルト「やだよ三つ巴とか面倒くさい」
アニ「甘党と辛党の二大政党、みたいなとこあるよね」
ライナー「三角関係と表現すれば多少素敵な響きに聞こえるんじゃないか」
ベルトルト「言い方の問題?」
-
- 52 : 2017/01/14(土) 18:53:41 :
- アニ「ぐう…」
ライナー「アニが寝かけてる」
ベルトルト「え、このタイミングで?」
ライナー「コタツは魔物だからな…」
ベルトルト「あとで布団に寝かせてあげなきゃね」
ライナー「ああ」
ベルトルト「……楽しかったなあ。ご飯食べてだらだらしただけだけど」
ライナー「この年になってから3人で誰かの家に集まるってこと減ったしな」
ベルトルト「こんな夜遅くまで一緒にいるなんて滅多にないよね、もう」
ライナー「だなー」
ベルトルト「…今日、泊まる?」
ライナー「それはやばいだろお?」
ベルトルト「だよね…」
ライナー「運悪く親父さんと鉢合わせちまったら、今までの嘘がバレる」
ベルトルト「そうなったら生きてここを出られない…」
ライナー「俺はまだ生きていたい」
ベルトルト「僕も」
-
- 53 : 2017/01/14(土) 19:16:10 :
- ライナー「それに女子がいるところで一晩過ごすのは世間体的にもまずい」
ベルトルト「でも、わざわざ暗くなってから訪ねた必要ある?近所だからと油断して薄着で行ったら危うく死にかけたんだけど」
ライナー「田舎の情報網舐めるなよ。俺が犬のフン踏んだって噂が隣町まで届いてたからな」
ベルトルト「嘘でしょ…?」
ライナー「さ、帰るか」
ベルトルト「僕達の痕跡を大分残してしまったけど、大丈夫かな」
ライナー「まあなんとかなるだろ」
ベルトルト「みかんとか、消えた2つの弁当とか、うどんとか、その他諸々の食材とか」
ライナー「…アニの食い意地が張ってたっつうことでなんとかなるだろ」
ベルトルト「なるのか?」
ライナー「さあ帰ろうぜ」
ベルトルト「あ、逃げた」
-
- 54 : 2017/01/14(土) 19:22:31 :
- ーーーーーーー
ーーーー
アニ「うーん…」モゾモゾ
アニ「……ん?」パチッ
アニ「あれ…朝?」
アニ「(…いや、時計の針は12時を指してるね…)」ジッ
アニ「しっかり布団敷いて寝てたなんて…いつの間に」
アニ「…」
アニ「(…あいつらがいない)」
アニ「(昨日のことは…夢だったのかな…)」ボーッ
-
- 55 : 2017/01/14(土) 19:26:28 :
-
アニ「あ…お父さん、帰ってきたんだ。おかえり」
アニ「留守番?そんなの楽勝だったよ。だって昨日は…」
アニ「…ううん、何でもない」フッ
-
- 56 : 2017/01/14(土) 19:26:36 :
- 終。
-
- 57 : 2017/01/14(土) 22:18:11 :
- すごく面白かったです
次作期待してます!
-
- 58 : 2017/01/14(土) 23:28:08 :
- >>57
ありがとうございます!面白かったという感想はやっぱり嬉しいものですね。これからもそう言っていただけるよう頑張ります(`・ω・´)
-
- 59 : 2017/01/16(月) 17:47:31 :
- 乙です
新年早々良い同郷を拝ませていただきまた(*´▽`*)
-
- 60 : 2017/01/16(月) 20:00:38 :
- >>59
自分も新年早々"良い同郷"という素敵なフレーズに出会えました笑
ありがとうございます!
-
- 61 : 2017/01/24(火) 23:59:31 :
- 面白かったです
ほのぼのしてて癒されました
-
- 62 : 2017/01/25(水) 11:39:10 :
- >>61
ほのぼのを目指していたので、やったぜ!という気持ちで一杯です。あと、癒されたという言葉に癒されました(○´ー`○)ありがとうございます!
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