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ベルトルト「ライナーを消す」
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- 1 : 2016/12/17(土) 12:28:15 :
- アニ「…え?」
ベルトルト「そこでアニに相談がある」
アニ「待ってよ。確かにアイツは…戦士としてブレが出てるところはあるけど」
アニ「なにも切り捨てなくたっていいだろ。…勝手な行動は私が許さないよ」
ベルトルト「あ、ちがくてね。そういうシリアスな感じじゃなくてね」
アニ「そうなの?」
ベルトルト「そうだよ。僕が親友を抹殺するわけないじゃないか」
アニ「いいや、やりかねない」
ベルトルト「アニは僕をどんな風に見てるの」
-
- 2 : 2016/12/17(土) 12:33:06 :
- アニ「じゃあ消すって何?」
ベルトルト「ライナーを訓練所内の恋愛市場から消したいんだ」
アニ「へえ」
ベルトルト「反応薄いね」
アニ「私そういうの興味ないし…」
ベルトルト「僕に協力する気は?」
アニ「ない」
ベルトルト「まあ話を聞いてよ」
アニ「ない」
ベルトルト「分かったから、お願い聞いて」
アニ「仕方ないな」
ベルトルト「ありがとう」
アニ「どういたしまして」
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- 3 : 2016/12/17(土) 12:51:37 :
- アニ「じゃ、話どうぞ」
ベルトルト「うん」
ベルトルト「まずアニも分かってると思うけど、ライナーはモテる」
アニ「そう?」
ベルトルト「あっ分かってなかった」
アニ「ちょっとライナーの魅力について説明欲しい」
ベルトルト「成績優秀、溢れ出る肉体美、男気、広い心…」
アニ「ふむふむ」
ベルトルト「なんかもう、モテる感じしかないじゃん?」
アニ「確かに」
ベルトルト「この狭い訓練所内で青い春を満喫しようと思ったら、ライナーを倒すしかない」
アニ「え、そうなる?」
ベルトルト「打倒ライナー」
アニ「あんたたち本当に親友なの」
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- 4 : 2016/12/17(土) 14:38:59 :
- ベルトルト「いくら親友でも譲れないものはあるんだよ」
アニ「じゃあ何で勝負つける?プロレス?腕相撲?」
ベルトルト「体力勝負じゃ勝てなさそうだから嫌」
ベルトルト「それに僕、平和主義者なんだ。そういうのはちょっと…」
アニ「…ライナーを倒すんだよね?」
ベルトルト「ううん消すんだ。訓練所内の恋愛市場から」
アニ「ごめん、あんたが何がしたいのかよく分からない」
ベルトルト「ずばり…ライナーをモテなくする」
アニ「卑劣」
ベルトルト「頭脳派なの!」
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- 5 : 2016/12/17(土) 16:31:43 :
- ベルトルト「とにかく今のままじゃいけないんだよ。実際、ライナーに対するクレームが僕に届いてるし」
アニ「クレーム」
ベルトルト「たとえば…『エレンを盗られた。エレンが構ってくれない。エレンエレンエレン』とか」
アニ「それミカサでしょ?」
ベルトルト「よく分かったね」
アニ「むしろ分からない方がどうかしてるよ」
アニ「というかライナーを恨むって筋違いじゃない?エレンと、ライナーのモテ様は関係なくない?」
ベルトルト「あるッッ!!」バンッ
アニ「うっさい」
ベルトルト「ごめん」
-
- 6 : 2016/12/17(土) 16:53:06 :
- ベルトルト「えっとね…エレンもまた、ライナーの魅力に引き寄せられたひとりなんだよ」ヒソヒソ
アニ「いや別に小声じゃなくていいから」
ベルトルト「なるほど」
ベルトルト「…エレンがさ、僕達に初めて話しかけてきた時…なんて言ったと思う?」
アニ「…ライナーの後ろに褐色の背後霊がついてる?」
ベルトルト「そういう残酷なボケいらないから。もう泣きそう」グス
アニ「ごめんごめん」ヨシヨシ
ベルトルト「…答え聞きたい?」
アニ「聞きたい聞きたい」
ベルトルト「エレンはさ…『あっ筋肉!!』って言ったあと、10分ぐらいライナーの胸板を撫でていたんだよ」
アニ「筋肉しか見えてないじゃん」
ベルトルト「僕もそう思う。触ってた筋肉と目が合った時、彼とてもびっくりしてたから」
アニ「まあ筋肉に目があればビビるよね」
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- 7 : 2016/12/17(土) 17:41:52 :
- ベルトルト「要約するとエレンはライナーの肉体美に惹かれた、と」
アニ「やな響きだ」
ベルトルト「で、ライナーをモテないようにする方法なんだけど」
アニ「ど?」
ベルトルト「えー、コホン!…女子が恋愛対象にしない男って、どういうのだと思う?」
アニ「金がない男」
ベルトルト「…嘘でしょ…?」
アニ「このご時世、金があればこの混乱に乗じて何でも融通効くんだから。当然」
ベルトルト「嘘と言って欲しかった」
アニ「お金大事」
ベルトルト「…ええとまあ、話を戻すと…二種類いるんだ。魅力がない人と、彼女がいる人」
ベルトルト「アニの意見は前者に入るね。多分」
アニ「なるほど」
アニ「でもさあ、世の中には相手がいても気にせずアタックする奴とかいるんじゃないの?」
ベルトルト「そういう細かい事はナシ」
アニ「分かった」
ベルトルト「物わかりが良くて助かる」
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- 8 : 2016/12/18(日) 21:38:03 :
- アニ「ということは、ライナーの魅力を下げればいいのか」
ベルトルト「それはさすがの僕でも心苦しくて出来ない」
アニ「その流れで行くと私が冷酷無慈悲みたいになるんだけど」
ベルトルト「だから、後者で攻めようと思う」
アニ「聞いて」
アニ「…ん?後者って?」
ベルトルト「ライナーに彼女を作ろうと思う」
アニ「…へえ」
ベルトルト「誰がいいかな?」
アニ「あえてツッコまなかったけど、やっぱりツッコミいれるべき?」
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- 9 : 2016/12/18(日) 22:20:44 :
- アニ「彼女って第三者が作らせるものなの?」
ベルトルト「そんなわけないじゃないか」
アニ「だよね」
ベルトルト「でも、第三者は恋のキューピッドになれるんだ」
アニ「あー…勝手に無理やりくっつけるっていう」
ベルトルト「なんて人聞きの悪い…」
アニ「すべてあんたの言葉だよ」
ベルトルト「僕はもうちょっとオブラートに包んだ」
アニ「中身変わらないしどっちでもいいじゃん」
ベルトルト「確かに…」
アニ「わりと素直なところがベルトルトの魅力だね」
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- 10 : 2016/12/19(月) 00:09:27 :
- ベルトルト「僕は本気でライナーに彼女を作らせたいんだ。だから彼女候補を決めよう」
アニ「本人の意思は無視?ライナーが『今は彼女どころじゃない』って断ったらどうするんだい」
ベルトルト「まあそれは何とかなる」
アニ「なるの…?」
ベルトルト「え、じゃあ何とかする…」
アニ「なんて強引」
ベルトルト「大丈夫。どんな女の子のハートも、ライナーの魅力でイチコロだ」
アニ「何が大丈夫なのか分からないよ私には」
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- 11 : 2016/12/19(月) 22:36:34 :
- アニ「えーと…じゃあライナーの中で一番好感度の高そうなクリスタとかどう」
ベルトルト「クリスタかあ…」
ベルトルト「とてつもなく眩しいカップルが誕生しそうだ」
アニ「二人ともカースト上位者って感じだしね」
ベルトルト「あの身長差に、周りはときめくこと間違いなし」
アニ「じゃ決まり」
ベルトルト「だめだ」
アニ「…なんで」
ベルトルト「わからない?身長差だよ」
アニ「さっきは褒めてたじゃん。それ」
ベルトルト「彼らと気心が知れた仲なら微笑ましい光景だよ、もちろん」
ベルトルト「だけどね…」
アニ「だけど?」
ベルトルト「ライナーは、いかつい」
アニ「まあ何人か殺ってそうな目してるね」
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- 12 : 2016/12/19(月) 22:40:07 :
- アニ「それとこれとで何の関係が?」
ベルトルト「クリスタはかわいらしい、純朴な、少女の見た目をしてるんだぞ?」
アニ「う、うん」
ベルトルト「もしあの二人が付き合いでもしたら…」
ベルトルト「知らない人からは、ライナーがロリコンみたいに見えてしまうじゃないか!!」バンッ
アニ「!!」
アニ「それはちょっと困る」
ベルトルト「でしょ?」
アニ「ロリコンと仲間だなんて思われたくないし…」
ベルトルト「じゃクリスタは除外ね」
アニ「おっけー」
-
- 13 : 2016/12/19(月) 22:50:37 :
- アニ「となると、彼女候補は必然的に高身長の女子に絞られるね」
ベルトルト「そうだね。ライナーをロリコンにさせないためにも選別がんばろう」
アニ「うん」
アニ「ここは成績順で…ミカサは?170㎝あるよアイツ」
ベルトルト「ミカサかあ…」
ベルトルト「とてつもない力を持った脳筋カップルが誕生しそうだ」
アニ「ミカサも、ライナーに劣らずムキムキだしね」
ベルトルト「あれ、隠れムキムキなの?彼女」
アニ「うん。隠すのが惜しいくらいにムキムキ」
ベルトルト「知らなかった…普段は服に隠れてて、まったくわからなかった」
ベルトルト「…本当にムキムキなの?」
アニ「こないだシックスパック触らせてもらったよ」
ベルトルト「マジ?」
アニ「マジ」
アニ「もう…ムキムキとかじゃなくて、ガリゴリ‼って感じだった」
ベルトルト「…鋼を体内に仕込んでるわけじゃないよね…?」
-
- 14 : 2016/12/19(月) 23:01:23 :
- アニ「あの二人なら筋トレのメニューとか、プロテインの話題で一晩中盛り上がれそうだし…」
ベルトルト「意外にも共通の話題に事欠かないかもね」
アニ「じゃ決まり」
ベルトルト「だめだ」
アニ「…なんで」
ベルトルト「アニ…君は肝心な事を忘れている」
ベルトルト「あの、完全無欠かにも見えるミカサの…唯一の弱点!」
ベルトルト「はい、三文字!」ズイッ
アニ「…えっ、クイズ?」
ベルトルト「時間押してるから、巻いて巻いて」
アニ「えーと…エレン」
ベルトルト「そう!エレン!!」ババンッ
アニ「あんた、どうしても机叩きたいの?」
-
- 15 : 2016/12/19(月) 23:07:36 :
- アニ「ミカサだって…エレンが絡まない場面ではまともだし、案外うまくいくかもよ」
ベルトルト「いいやアニ、甘いよ。フランツとハンナの世界のように甘いよ」
ベルトルト「もし仮にミカサとライナーが付き合ってごらん。そしたら…」
~~~~~~~~~~~~~~~
ライナー「よう、ミカサ。デート行こうぜ」
ミカサ「だめ。エレンをひとりに出来ない」
ライナー「」
ライナー「ミカサ、ここ空いてるか?座るぞ」
ミカサ「だめ。私の隣はエレンで埋まってる」
ライナー「」
ライナー「ミカサ…
ミカサ「エレンが気になるので後にしてほしい」
ライナー「…」
~~~~~~~~~~~~~~~
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- 16 : 2016/12/19(月) 23:31:14 :
- アニ「ストップ。もうお腹いっぱいだからパラレルワールド止めて」
ベルトルト「感想は?」
アニ「ミカサはエレンと付き合った方がいいと思う」
ベルトルト「わかる」
アニ「なんかもうさ…見てらんなかったよ。拳に力入っちゃった」
ベルトルト「僕も怒りに震えるアニを見て足がすくんじゃった」
アニ「ライナーは少女漫画の主人公に向いてるね。あの健気さはイケる」
ベルトルト「誰にも需要なさそうなジャンル開拓しないで」
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- 17 : 2016/12/19(月) 23:34:01 :
- ベルトルト「ライナーはさ、真面目なんだ…恋人との距離の縮め方も王道そのもの。積極的にデートやら誘うけど、深追いするようなことはしない。相手が乗ってくるのを従順に待つんだ…」
アニ「ライナー…あんたって奴は…」
ベルトルト「一方ミカサは自分の物差しにエレンを置いて行動してる。それだけエレンが大事ってことだ」
アニ「それは普段の様子から伝わってくるね」
ベルトルト「いうなれば、エレンは彼女にとって酸素だ」
アニ「…そこまで?」
ベルトルト「恋人と酸素じゃもう、重要度が違うよね」
アニ「まあ…人は恋人がいなくても死なないけど、酸素は生きていく上で絶対必要だし」
アニ「ていうか比べるものじゃなくない?」
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- 18 : 2016/12/19(月) 23:40:26 :
- ベルトルト「アニ、今吸っている酸素が無くなるかもしれないという不安に襲われたら…どうする?」
アニ「考えたことないわ。ごめん」
ベルトルト「考えて」
アニ「ええ…」
アニ「…いてもたってもいられなくなる…かな」
ベルトルト「そう。人は酸素が無ければ死んでしまう。だから、気にせずにはいられない」
ベルトルト「ミカサは常にそういう不安と戦っているんだよ…!」
アニ「!!…」
アニ「あぶない、今納得しかけた」
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- 19 : 2016/12/19(月) 23:45:42 :
- アニ「でもなんだかそのハチャメチャ理論に筋が通っているような感じがする。私どうかしたかも」
ベルトルト「じゃあミカサが彼女候補としてだめな理由もわかった?」
アニ「ああ。ライナーの健気な誘いもそっちのけでエレンに集中しちゃうからだろ?それだと彼女とは呼べない」
ベルトルト「100点花丸」
アニ「いえーい」
ベルトルト「それじゃあ次の彼女候補考えようか」
アニ「おっけー」
-
- 20 : 2016/12/21(水) 21:16:26 :
- アニ「じゃちょっとワンサイズ下げて…サシャは?能天気で付き合いやすそうだよ」
ベルトルト「サシャかあ…」
ベルトルト「元気ハツラツ、とても明るいカップルが誕生しそうだ」
アニ「二人とも裏表ない性格してるしね」
ベルトルト「気前の良いライナーに、ちゃっかりしてるサシャ…ある意味最高の組み合わせとも言える」
アニ「じゃ決まり」
ベルトルト「だめだ」
アニ「…なんで」
ベルトルト「サシャはないよ、サシャは」
アニ「だからなんでよ」
ベルトルト「サシャの胃袋には無限の宇宙が広がってること、ご存知ない?」
アニ「知ってるけど…」
アニ「あいつも女子だよ。食欲以外に恋心だって持ち合わせてるさ…多分」
ベルトルト「違う違う、問題はそこじゃないんだ。なんたってライナーにかかればサシャのハートを盗むのは容易なことなんだから」
アニ「あんたの中のライナー、女たらしなの?」
-
- 21 : 2016/12/21(水) 22:16:05 :
- ベルトルト「問題は、底なしの食欲の方」
アニ「はあ?」
ベルトルト「ライナーなら大口開けて他人の飯をかっ食らう姿にも、寛大に好意を持ってくれるだろう。いっぱい食べる君が好き、とか言ってね」
アニ「いや、そこはさすがに注意するんじゃないの」
ベルトルト「そしてライナーは当然デート代を女の子に出させない」
アニ「まあ、うん。あいつのしそうなことだ」
ベルトルト「そこにはご飯代も含まれている…」
アニ「…うん?」
ベルトルト「ここでクイズね」
アニ「あ、うん」
ベルトルト「『ここは奢るから、好きなものをお食べ』…そう言われたならどうする?」
アニ「迷わずその店で一番高い物食ってやるね」
ベルトルト「ごめん、もう1回やり直そう」
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- 22 : 2016/12/21(水) 22:41:42 :
- ベルトルト「君が恋する乙女だとして、ゾッコンの彼から『ここは奢るから、好きなものをお食べ』と言われたならどうする?」
アニ「説明文が増えた」
ベルトルト「こちらの都合上致し方なかった」
ベルトルト「あ、恋する乙女ってところを強く意識して答えてね」
アニ「ふーむ」
ベルトルト「強くだよ」
アニ「わかったから」
アニ「んー…相手の懐事情を考慮して、値段が手頃な、且つ量が多くないものを選ぶかな」
ベルトルト「ピンポン!」
ベルトルト「そう、乙女なら遠慮するシチュエーションなんだ!」
アニ「へえ…私は乙女じゃなかったと」
ベルトルト「…」
アニ「最近お気に入りの技があるんだ。やる?」
ベルトルト「遠慮しとく!!」
-
- 23 : 2016/12/21(水) 23:56:29 :
- ベルトルト「しかし、サシャが『奢り』なんて言葉を聞いたなら…」
アニ「…会計が地獄だろうね」
ベルトルト「ああ、だからライナーと付き合わせるわけにはいかないんだ。彼が破産しちゃう」
アニ「なるほど」
アニ「やれやれサシャもだめか…」
ベルトルト「まあそう気を落とさないで。次いこう次」
アニ「おっけー」
-
- 24 : 2016/12/22(木) 00:06:12 :
- アニ「そうだね…あとはもうユミルくらいかな」
ベルトルト「ユミルか…」
ベルトルト「…」
ベルトルト「ユミルか…」
アニ「なに?だめなの?」
ベルトルト「いや…」
ベルトルト「……ユミルか…」
アニ「身長は高いし、常識的だし、人並みの食欲だし…今までの条件はクリアしてるよ」
ベルトルト「うーん乗り気になれない」
アニ「なんでよ」
ベルトルト「僕が彼女苦手だから」
アニ「だめ。我慢して」
ベルトルト「ええ…」
-
- 25 : 2016/12/22(木) 00:20:49 :
- アニ「ベルトルトが付き合う訳じゃないんだし、別にいいでしょ」
ベルトルト「いいや。親友の彼女ともなれば多少の付き合いが生じるじゃないか」
アニ「まあ挨拶ぐらいはね」
ベルトルト「でもユミルは…なんかだめだ」
ベルトルト「要するにこわい」
アニ「随分情けない理由」
ベルトルト「そもそもライナーとユミルがイチャイチャしてる様子を想像出来ない」
アニ「奇遇だね、同じこと思ってた」
アニ「でもライナーなら誰だってイチコロなんでしょ?」
ベルトルト「え、どうかな…」
アニ「ここに来てライナーに対する絶対的信用揺らがせないでよ…」
ベルトルト「ユミルにはほら、クリスタがいるし…」
アニ「だったらもうライナーが女になるっきゃないじゃん。クリスタに対抗するっきゃないじゃん」
ベルトルト「その結論に至る前に、もっと他に選択肢あるよね?」
-
- 26 : 2016/12/22(木) 09:41:02 :
- アニ「なんかもう、いつまで経っても堂々巡りで思考が鈍ってきた」
ベルトルト「ファイトファイト!」
アニ「…いっそのこと私が立候補してやろうかな、なんて」フッ
ベルトルト「だめだ」
アニ「……一応聞くけど、なんで?」
ベルトルト「だめなものはだめだ」
アニ「答えになってないよ」
ベルトルト「…君はライナーが好きなの?」
アニ「いや別に…」
ベルトルト「ならいいじゃないか」
アニ「…」
-
- 27 : 2016/12/22(木) 10:15:42 :
- アニ「…変だね」
ベルトルト「どうしたの?」
アニ「私がだめな理由は身長の条件を満たしてないから、とでも言えばよかったのに」
ベルトルト「…」
アニ「…ベルトルト、私達ってどういう目的でこうして頭を悩ませてるんだっけ」
ベルトルト「それはもちろん、青春の敵であるライナーを恋愛市場から除外するためだよ」
アニ「あんたは青春を謳歌したいの?」
ベルトルト「え?」
アニ「目立ちたくないっていうタイプだと思ってたんだけど」
ベルトルト「いや、まあ僕だって…キラキラした思い出作りしたいし…」
ベルトルト「それにクレームも来てるからね?言ったじゃないか」
アニ「ふーん。私からは何か別の目的がある様に見えるよ」
ベルトルト「ギクッ」
-
- 28 : 2016/12/22(木) 11:56:44 :
- ベルトルト「じ、じゃあこの際ユミルでいいから、ライナーとくっつける計画を練ろう」
アニ「この際って…」
ベルトルト「え、だめ?…じゃハンナは?」
ライナー「人の女に手ぇ出すなよ…」
ベルトルト「ア、アルミン」
アニ「あいつ男だろバカ」
ライナー「まったくだ」
ベルトルト「う、うう」
ベルトルト「…は?」
アニ「…」
ライナー「なんだよ、幽霊でも見るような目して。俺は生きてるぜ」
アニ「あんた…いつから…」
ライナー「ユミルと俺をくっつけよう、ってところから。たまたま通りかかってな」
ベルトルト「…君はここにいちゃいけない。成仏しろ」
ライナー「だから生きてるっての」
-
- 29 : 2016/12/22(木) 12:59:02 :
- ベルトルト「それじゃ今日はもう部屋に帰って大人しく寝ようか」スタスタ
アニ「賛成」スタタ
ライナー「待て待て」ガシッ
ライナー「俺がいない間に何話してたんだ?」
アニ「あんたには関係ない話」
ベルトルト「そうだそうだ」
ライナー「いや俺の名前が挙がってたろ」
ベルトルト「…」
ベルトルト「ごめん、本当のことを話すよ」
ライナー「お、おう」
ベルトルト「実は君のサプライズ誕生パーティーを計画しててね…」
ライナー「ほー」
アニ「…それでユミルにも協力してもらってるんだよ」
ライナー「そうか嬉しいぜ。俺の誕生日が半年以上先にあることを除けばな」
アニ「チッ、バレたか」
ライナー「当たり前だ」
-
- 30 : 2016/12/22(木) 13:18:54 :
- ライナー「まあいい。それよりベルトルト」
ベルトルト「え…な、なに?」
ライナー「どうしてそう身構える…」
ライナー「ただ、他の奴らと馴れ合うのもほどほどにしとけよって言いたかっただけだ」
ベルトルト「…そう」
ライナー「じゃあな、早く寝ろよ」スタスタ
アニ「…まあなんとか誤魔化せたね」
ベルトルト「…」
アニ「と思ったら戻ってきた」
ベルトルト「えっ」
-
- 31 : 2016/12/22(木) 13:25:16 :
- ベルトルト「ど、どうしたの?」
ライナー「念押しに来ただけだ」ハハ
ライナー「ベルトルト、例の件頼むぜ?」
ベルトルト「…」
ライナー「って、今その最中か。すまん、またな」ニヤ
ベルトルト「…」
アニ「…あいつ、さっきと雰囲気違くない?」
アニ「まあ今日のところはひとまず寮に帰るとするか。あんたの相談はまたいつか受け付けるよ」
ベルトルト「いや、だめだ」グイッ
アニ「は?」
-
- 32 : 2016/12/22(木) 14:01:24 :
- ベルトルト「アニ、そっちに行っちゃだめだよ」
アニ「…寮に帰りたいだけなんだけど」
ベルトルト「さっきの話を進めよう」
アニ「嫌だね。今日じゃなくてもいいじゃないか」
ベルトルト「今日じゃなきゃいけないんだ!」
アニ「…」
ベルトルト「あ、ごめん…本当のこと…話すから…」
ベルトルト「僕の言う事を聞いてほしい…」グッ
アニ「…わかったよ」
ベルトルト「…ありがとう」
ベルトルト「さっき戻ってきたライナーは…兵士の方だ」
アニ「え?」
ベルトルト「僕は彼を置いていこうと思っている」
アニ「ちょっと待ってよ…置いてくってまさか」
ベルトルト「…僕らの計画を実行するにあたって、ライナーは邪魔になると判断した」
アニ「…あいつはもう戦士じゃないの?」
ベルトルト「そうとも言えるし…そうでないとも言える」
アニ「なにそれ…」
ベルトルト「ぐちゃぐちゃなんだよ。戦士か兵士かの境界線さえも既に曖昧なんだ…」
-
- 33 : 2016/12/23(金) 00:56:14 :
- アニ「…私、行ってくる」ダッ
ベルトルト「ど、どこに!」ガシッ
アニ「決まってるだろ…ライナーのとこ」
アニ「あいつの頬、いっぺん引っぱたいてやる」ギリッ
ベルトルト「だからそれがだめなんだよ…」
アニ「簡単に諦めるわけ?親友じゃなかったの?」
ベルトルト「…兵士のライナーは…アニ、君のことが好きなんだ…」
アニ「…は?」
ベルトルト「僕はライナーから…一つ頼まれていることがある」
ベルトルト「今夜君を兵舎裏に来させること」
アニ「…」
ベルトルト「…はは、ありきたりだよね…方法がさ…」
ベルトルト「でもアニまで置いてくわけにはいかない」
ベルトルト「だから…実は前から君に好意を抱いてる子がいた、とかなんとか言って…アニじゃない女子を連れて来てくっつけようかと…」
アニ「…無茶苦茶だね」
ベルトルト「大丈夫、ライナーの魅力に落ちない女子はいないよ」
アニ「またそんなこと言って…」
-
- 34 : 2016/12/23(金) 01:06:38 :
- ベルトルト「…」
アニ「…」
ベルトルト「…僕は、自分の思い出からライナーを消す」
アニ「…」
ベルトルト「ライナーもきっと、少しずつ僕らのことを忘れていくんだよ」
ベルトルト「彼は初めからいなかった。これでハッピーエンドだ」
ベルトルト「…アニはどう?」
ベルトルト「好きな方…選んでいいよ」
アニ「…」
アニ「私達が忘れる必要ある?」
ベルトルト「え…」
アニ「むしろ私達だけでも覚えておくべきだろ」
ベルトルト「…」
アニ「それとさ…涙目で言われても説得力ないから」
ベルトルト「…」
アニ「…じゃ、引っぱたきに行ってくる」ダッ
ベルトルト「…」
ベルトルト「…うん、これで良かった」グス
-
- 35 : 2016/12/23(金) 01:33:01 :
- 終。
-
- 36 : 2016/12/23(金) 01:35:24 :
- 思いつきでシリアスやるもんじゃないですね!めちゃくちゃになって申し訳ないです!
-
- 37 : 2016/12/23(金) 11:03:47 :
- 乙です。
シリアスでもやっぱり面白いですね。あかささんはどんなジャンル書いても面白いです。
毎度しつこくコメント連投しちゃってすみません
次回作も期待してます
-
- 38 : 2016/12/23(金) 13:06:15 :
- >>37
微妙な出来なのではと不安になっていたところを面白いと言っていただけて嬉しいです。いつもコメント励みになってます!それだけ気に入っていただけてる事が伝わってきて感激です*(^o^)/*また読んでくださいね
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- 39 : 2016/12/23(金) 20:46:44 :
- 今回はどんなオチになるかと思ったらまさかのシリアスでしたか!
次も期待です!
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- 40 : 2016/12/23(金) 22:14:11 :
- >>39
期待ありがとうございます(^-^)慣れない展開でしたが、楽しんでいただけたなら嬉しいです!シリアスはこれからも挑戦してみたいと思います
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- 41 : 2020/10/06(火) 15:27:13 :
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何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
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