アルミン「エレン…?」
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- 1 : 2016/11/22(火) 22:53:40 :
- ※ 不定期です。遅いです。飽きたら途中で終わる可能性大です。正直、単なるマスターベーションです。特に落ちとか考えてないです。
「エレン…?」
エレンは今、目の前で白目を向いてグッタリとしている…
隣でミカサが必死に呼び掛けていものの、エレンからの返事は無い。
何が起こったのかって?いや…それが…
実は、訓練中に事故を起こしてしまったみたいなんだ。と、言うのも立体起動装置の適正をはかる為に、両側の腰にロープを繋いでぶら下がる訓練をしたんだ。
どうやら、その時に頭を打って気絶してしまったみたいなんだ。まわりの人達は笑っていたが、全然笑い事ではない。
その後、僕とミカサはエレンをベッドに寝かせて、目が覚めるのを待っていた。
エレンと僕は昔からの仲だった。
僕はよくいじめられていたんだ。いつも一人で本を読んでいると、いじめっ子が僕の所に来て本を川に捨てたり、ビリビリに破いたり…
でも、ただ一人
エレンだけは違った。エレンは僕のためにいじめっ子達と戦ってくれた。最初は目付きの悪い顔していてあまり良い印象を持たなかった。でも、エレンとはなぜか気が合ったのだ。
類は友を呼ぶと言うべきだろうか。僕とエレンは似ている所があった。それは、共に異端児であるということ。
エレン曰くの、「いずれ人類は壁の外に出るべきだ」も僕の影響だと思う。
僕達はある日、約束をしたんだ。
「いずれこの壁の外に行って、炎の水や氷の大地、砂の雪原を一緒に見る」と
つまり、何が言いたいかというと、僕達には絶対に忘れられない、いや、忘れてはいけない約束。絶対に守る約束。
僕は約束には二種類あると思うんだ。それは、破るための約束か、守るための約束か。
当然、後者だ。僕達はいつか、必ず…
「アルミン、エレンが起きた」
ミカサは冷静に、しかしどこか焦った顔で僕に言ってきた。
「エレン…大丈夫かい?」
僕は心配そうにエレンを見ていた。すると、何か嫌な予感がした。
「ここは…どこ…ですか?俺は…誰ですか?」
その瞬間、僕とミカサは言葉を失った。
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- 2 : 2016/11/23(水) 23:20:52 :
エレンは忘れてしまっていた。記憶を。記憶と言っても、言語とか、全ての記憶を失った訳ではない。
自分が誰であるか。自分が何であるか。そして、僕達の事…
簡単に言えば、生活に必要な事、生きていく上で必要な事は忘れていなかった。しかし、あっても無くても変わらない、つまり、覚えていなくても生きていける範囲の事は全て忘れてしまったということだ。
しかし、一つ、エレンの何かがおかしい。確かにエレンは頭を打って記憶を失っている。
でも、「何でここはデンキが通っていないのですか?」と聞いてきた時、僕の頭の中は『?』がうかんだ。
きっと僕だけじゃない。まわりの皆も『?』を頭に浮かべていた。
『デンキ』とは、いったい何なのだろうか?昔から伝わる書物の事なのかな?と思った。
いや…たしかに伝記は『デンキ』であり、目を『通す』物ではあるが、それ自体を何かに通す物ではない。
エレンが頭を打ってからそういう意味のわからない単語をよく独り言で言うようになったのだ。
僕はかなりエレンに気を使った。
元々僕とエレンは気を使う仲ではない。しかし、エレンが別人となってしまった今、気を使う仲になってしまったのだ。
「アルミン君」
エレンが呼んできた。エレンは頭を打ってから僕の事を『君』をつけてよんでくるのだ。
「なんだい?」
「なんか…気を使わせちゃってごめんね…俺…何も覚えてなくて…」
「そ、そんなことないよ!大丈夫!」
僕はエレンに『大丈夫』と言ったが、正直全然大丈夫ではなかったと思う。
僕は、エレンに何かできることがあるのだろうか?
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