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輝く世界(2話 武器)

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  1. 1 : : 2016/11/06(日) 20:37:47
    ハロウィン特別編はおそらく来年書きます。多忙により書けませんでしたゴメンナサイ。

    これからもちょくちょく書き直しながらやっていきますのでよろしくお願いします。
  2. 3 : : 2016/11/11(金) 02:30:25
    森から出れば魔獣に襲われる。言いつけの通りだった。歩けば歩くほど魔獣が出てくる。その度に手持ちの武器で撃退する。

    だが、それはあくまで「撃退」であり「討伐」ではない。故に幾度となく同じ魔獣と対峙する事になる。

    (また…耐性がついてる…)

    魔獣達は非常に賢く、対峙する度に学習し、対策を練ってから再び現れる。

    この日合った魔獣は、彼の持つ「樫の角材」では対処できないくらい硬い装甲を持ち、さらには彼の振り方を完全に理解しているのか動き予測している。

    そして

    メリ…メリ…バキィッ!!

    と音と共に角材がへし折られる。

    これにより彼は素手、魔獣を退治できる武装(角材)を失う事となった。
  3. 4 : : 2016/11/21(月) 01:36:05
    ──目を逸らしたら殺られる…

    そんな考えが脳を支配する。

    彼はただ、相手の狼型魔獣を睨みつける事しかできない…

    だが、何かおかしい…魔獣は、去ることも襲うこともなくただただ彼を見ていた。

    その瞳は猛々しくも悲しい感情を宿し、何かを訴えかけているようだ

    (なんだろうあの目…今までの去っていく前にあんな目をしていたが…)

    相手の考えはわからない…だが、彼は何故魔獣の方へと歩んでいく…

    その足は自分の意思を介さない…まるで独立して動く知的生命体のようであった

  4. 5 : : 2016/11/28(月) 01:44:18
    ─────

    魔獣に釣られ、森の奥へと向かって行く…



    何故か魔獣が1頭も出ない、そんな森に彼は恐怖心を抱いていた…



    と、先方の魔獣が止まる。



    「クゥーン」



    そんな魔獣の情けない声と共に数多もの魔獣が取り囲む。



    ・・・家族なのだろうか…それとも親族なのだろうか…先方の魔獣と同じ型の魔獣が取り囲み、彼に興味を示さないかのように1点を見つめる




    (敵意はなさそうだな…)



    彼も魔獣の視線の先を見てみる…




    盛り上がった土、そしてその麓にある大きな牙、お墓だろうか…だがこの狼達の墓にしては大きすぎる…



    「彼は王、神をも喰い殺した我らが王。」



    先方していた顔に傷のある狼がいきなり話しかける。



    「彼はニンゲンの王が死ぬと同時に我らを残しこの世を去った…いつも狩りを先導し行ってくれ、子供たちに食物を優先させる素晴らしき王さったのにな…残念だ。」


    続け様に狼が言う。
  5. 6 : : 2016/11/28(月) 01:50:56
    彼は非常に驚いていた。

    それは狼に王と呼ばれる巨大種が存在することに対する驚きではない、狼が人間の言葉で喋ったという事実に対してだ。



    ふとこんな質問をする




    「君たちは何故人間の言語で喋れるの?」



    冷静な素振りを見せながら質問を投げかける。



    「そんな事は今はどうでも良い、そんな事より貴様に頼みがある。」




    …質問には答える気がないようだ



    「頼みって何かな?」


    「そこの牙を取り、我らをまとめ、導く王になれ。」



    …突然意味のわからない事を言われる
  6. 7 : : 2016/11/28(月) 02:01:56
    何故だろう、彼らに何かしたのだろうか…


    「まあ、返事は【はい】か【yes】か【OK】しか認めるつもりはないのだがな」



    しかも嫌とは言わせないつもりである、意味がわからない。



    「な、なんで僕なの!?君だって充分強いよ!?僕何度も殺されかけたよ!?君がなればいいじゃないか!?」



    パニックになりながらもほぼ直球で嫌と言う



    「馬鹿者!!我だって貴様の角材で何度も殺されかけたわ!!襲う度襲う度に我の項を角で全力殴打しおって!!その的確に弱点を狙うスキルを見込んで頼み込んでおるのだ!!」



    もちろん項ばかり当たったのも角で殴打する事になっていたのも全て偶然である。ていうか彼は殴打の際に目を瞑り、状況を見ていなかったので偶然以外に何も無いのである。



    「いや!!それ偶然だよ!!僕ずっと怖くて目を瞑ってたよ!!」



    彼は事実を突き付け反論する、だがそんな事を無視して狼は巨大牙の元へ強引に彼を連れていく。
  7. 8 : : 2016/11/29(火) 01:43:55
    「貴様が王になれば我々は他の国との面倒事の対応をしなくて済むのだ!!!早くこっちに来い!!」



    …本音ダダ漏れである。



    「僕だって何も知らないのに狼の群れのリーダーなんて無理だよ!!」



    そういう反論をするが、狼共はグイグイと引っ張っていく。無論、人間の力ではどうしようもないほどの強い力である。



    そして、



    ───彼の身体が牙に触れる。



    するとどういう事だろうか、眩い光と共に一人の大男が牙の上に浮いている。




    そして、下にあった牙は【犬歯】ではなくなり【槍】のようになっていた。
  8. 9 : : 2016/12/01(木) 01:33:45
    大男はドスの効いた声で話しかける。



    「お主が次なる王か?」



    この【王】は【人間】の王なのだろうか、それとも【狼】の王なのだろうか、彼には皆目検討もつかない



    しばらく黙り込んだ後、彼は【槍】へと歩み出す。



    だが、今回はさっきの様に勝手に進んでいるわけではない。1歩1歩、慎重に近づく




    「お主が次なる王か?よかろう、されば目を見せてくれぬか…貴様の覚悟が本物か、見極める必要があるのじゃ」
  9. 10 : : 2016/12/02(金) 00:34:50
    気だるそうに欠伸をしながら男は言う。



    「ふざけるな!!誰が群れのリーダーなんかに…」



    そう言うと、男はそれに被せるように言ってきた



    「旅の途中なんじゃろ?唯一の用心棒が折れたお前に何ができるというのじゃ」



    たまにはまともな事を言うようだ。


    彼はこの言葉に反論する事ができなかった…それはそうだ、魔物の蔓延る大地で護身する術もなく歩くと言うのは、危険行為だと充分に理解していたからだ。



    「僕は…僕は…」



    論破されて泣きそうになりながらも何か言おうとする、子供か。



    「ああもう焦れったい!!はよ妾を手にすると言わんか!!お主の大事な人も助けを求めておるんじゃろう!?」



    女言葉になっている…それ以上に驚きなのが心を読まれたという事だ



    「はよせんか!!頭上から大量の牛乳落とすぞ!!」


    …どうやら頭の温度が沸点スレスレのようだ、
  10. 11 : : 2016/12/02(金) 00:39:30
    「僕は…貴方を…受け入れます…」


    情けない声で言うがそれで納得したのか


    「おう、お主はもう、妾の主君じゃよ?」


    また女言葉…オカマか…?


    「威厳を出すためとはいえ、普段と違う口振りをするのは疲れるのう…」


    女だ、女である…男かと思っていた相手が女である。よく考えたら筋肉がほとんど目立たない…顔が男っぽいから見間違えたのだろうか…
  11. 12 : : 2016/12/03(土) 23:32:14
    ハッキリ言って全く意味がわからない、狼が襲ってきたと思えば王の遺品の主になれ、だとか情けない返事で決意を感じれたのか…


    「お主も知らぬ、心の奥底を読んだのじゃよ」



    素の声だろうか、やや低くも女とわかる声で話しかけてくる。



    「お主はますたぁだからのぉ、妾が折れる前に折れるでないぞ」



    ますたぁとやらを失ったらどうなるのだろうか…だが冷静に考えるとおかしな点がある。




    何故、狼が我々と同じ言葉を話すのだろうか…



    「自己紹介がまだじゃったのぉ、妾は、フェンリルと申す。前のますたぁが付けてくださった名じゃ、ますたぁと同じ名前じゃぞ?羨ましいじゃろ?」




    前のマスター…羨ましくはないが気になる…この墓の主だろうか…そんな事よりこの槍のマスターとなってしまった以上、この槍をどう運べば良いか考えなくては…






    ああ…街への道程はもっと長くなりそうだ…
  12. 13 : : 2016/12/03(土) 23:35:52
    何故か閲覧数が50件あるのは目の錯覚だと思い、次へ行きます。


    第3話「冒険の街と人形師」



    次回も期待しないでください。期待してしまう方は気長にお待ちください。

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hubuki

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