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「さよなら愛しい人」

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  1. 1 : : 2016/11/03(木) 22:09:42













    ────運命はどう足掻いても覆せない










  2. 2 : : 2016/11/03(木) 22:21:30



















































    「さよなら愛しい人」












    そう…口から発せられた言葉は…











    あまりにも" 冷酷 "で













    あまりにも" 寂しそう "で












    あまりにも" 愛おしそう "で












    あまりにも" 悲しそう "で












    あまりにも…


















  3. 3 : : 2016/11/03(木) 22:21:42























    ──────────苦しそう…で…






















  4. 4 : : 2016/11/03(木) 22:22:07











  5. 5 : : 2016/11/04(金) 10:34:55




    『此処で臨時ニュースをお伝えします。』



    テレビは " 奴 " が押したリモコンによって
    動いた



    『過激派宗教団体《 DRIR(デリラ) 》と 《 CRUTO(クルート) 》がアフリカ大陸 カルメーンで紛争を続け巻き込まれた住人達の死傷者は合わせて23000人を超えました』




    聞こえるのはテレビの音 自分の息
    そして " 奴 " の息


    他は何も聞こえない。


    薄気味悪い。



    『そして今回の紛争で もう一つの過激派宗教団体 《 SAT(サテ) 》も参入するかもしれないとの情ほ……えっ? あぁ…はい』



    突然、ニュースキャスターは、戸惑いの表情を浮かべた。



    『失礼致しました。此処で緊急ニュースをお伝えします。 行方不明の16歳の女子高生が今回紛争が起きているカルメーンで見たという情報が寄せられたと警察が公表しました』







    『目撃者は一人の男性に連れて行かれていたと証言しており 男性の特徴は足に過激派宗教団体 《 DRIR(デリラ) 》の刺青を入れていたとの事です』




    この、情報に当てはまる者がいる…





    『 誘拐された女子高生は16歳。名前はあn





    そこでテレビは切れた




    「もうバレてんだ…?」




    " 奴 " は口を開いた

    そう…隣にいる " 奴 " が誘拐した犯人だ
























































































































































































































    ───────私は…アニ=レオンハートは…" 奴 "に誘拐された…







  6. 6 : : 2016/11/04(金) 13:02:41






    「少し手荒な真似をしてしまったね…申し訳ないとでも謝っておこうか…」



    そう" 奴 "は言った後
    俺はモブリット=バーナーと名乗った




    アニ「…何をする気?」






    モブリット「…単刀直入に言うと、君にはこの宗教 《 DRIR(デリラ) 》に入って欲しいんだ」







    アニ「…何で私なんかが誘拐されてまで入れさせようとするの…?」


  7. 7 : : 2016/11/04(金) 15:05:15







    モブリット「…上からの命令だ…俺は知らない」






    アニ「はっ…その上のお偉いさんに会ったらぶん殴ってやる」







    モブリット「…そんな事したら確実に殺される」







    アニ「…言っとくけど私はこんな過激派宗教入らない…!」






    モブリット「それは…俺が困る 君には俺の相方(パートナー)になってもらうから」





    アニ「…嫌だと言ったら?」






    モブリット「どうなるかは分かってるよね?」

  8. 8 : : 2016/11/05(土) 10:00:18



    アニ「…」






    モブリット「アニ…俺は君を傷つけたくない…」





    " 奴 "…モブリット=バーナーの冷たい手が私の頬を優しく触ってくる





    アニ「触らないで…!」






    モブリット「そう…アニは強い意志を持っているね…正直俺の相方(パートナー)になる相手だ あまり傷つけたくない でもね…アニの家族、友人ならいくらでも傷つけられる事を忘れないで?」





    モブリット=バーナーはそう耳元で囁いてきた… 私の家族の…お父さんの写真を見せながら






    アニ「…流石過激派宗教 やり方が汚いね」




    モブリット「さて…返事は?」














    私は大きく息を吸ってから





















    アニ「……………OK…」




    そう小さく呟いた



    モブリット「…ひとまず俺はその言葉を信用しよう… ただし、裏切ったら " 許さない(ころす) "」




    そう言ったモブリット=バーナーの一言は警告だと言わんばかりの殺気に満ちていた





  9. 9 : : 2016/11/11(金) 18:58:28



    アニ「………取り敢えず、私を縛ってるこの紐解いてよ」







    モブリット「…まぁ、外しても大丈夫そうだね」








    そう言いモブリット=バーナーは折りたたみ式のナイフを取り出し紐を切って解いた









    アニ「で、私はどうすればいい?」









    モブリット「んー…戦闘的な訓練は明日からしようと思ったけど、今日でもいいかな」









    アニ「…気になったんだけど此処ってどこ?」





    やけに涼しい…というより寒気がする

    さっきテレビで言ってたカルメーンというのが
    本当なら…これより相当暑いはずなのに…



    モブリット「…地下空間だよ…でも今はそんな事どうでもいい 付いてきて」








    アニ「分かってるよ…」








  10. 10 : : 2016/11/11(金) 19:02:09






    -???-






    アニ「此処は…?」





    モブリット「訓練する前にアニの部屋を言っておかなきゃ行けないと思って…」





    アニ「へぇ…地下空間なのに案外広いね 快適そうだし」





    モブリット「一応バスタブとトイレは完備してる」





    アニ「ん、わかった」




    モブリット「じゃ、早速訓練所に行ってみようか」






  11. 11 : : 2016/11/23(水) 08:36:37

    -訓練所-




    アニ「……」




    モブリット「凄い武器の種類でしょ…」




    モブリット「まぁ…ほとんどは使う機会が少ないから埃被ってるけど…さ…」





    アニ「けど…?何なの?」




  12. 12 : : 2016/11/23(水) 15:16:08


    モブリット「いや、何でもない…まずは初歩的な自動挙銃かな」





    モブリット「グロック17を使おう…教えるからこっちに来い。勿論弾無しだ」





    アニ「グロック17…弾は…?」



    モブリット「そこの棚にあるけどまだアニは危な────
    アニ「その銃貸して貰うよ あと弾も」



    ふん…一々教えて貰わなくても




    モブリット「…ここで撃つ気?」



    アニ「…見て確認すれば」




  13. 13 : : 2016/11/23(水) 15:24:55


    出来るっての!



    パーン!!!!



    撃った弾は壁にのめり込み、室内の為か乾いた銃声が響いた




    モブリット「あー…手間が省けて良かった」




    アニ「へー…驚かないんだ…」




  14. 14 : : 2016/11/23(水) 15:47:27


    モブリット「…驚きってのは『予想が外れた』時に起こり得る感情なんだ」





    アニ「予想していた…って事?」





    モブリット「驚きっていう状態は心理学的にも生物学的にも良く解明されてないんだ。だから一途にとは言えないけど…予想外の出来事には何かしらの感情が出る 例えばサプライズされて嬉しい 隣の部屋から銃声と共に女性の悲鳴が聞こえて焦りながら警察に通報するとか 予想外の出来事は喜怒哀楽等 たくさんの感情が起こり得る。 でもその前にほぼ…と言っていい程出るのが驚きっていう異質な感情なんだど あ、異質な感情って呼ばれているのはさっきも言った通り心理学的にも生物学的にも良く解明されてないからで驚きとかによって人体に影響があると言う事ではないから あ、これも良く解明されてないから影響が無いとは断言出来ないんだけど それに驚きとショックは類似する感情なんだ ショックは類似するんだけど でもショックっていうのは予想外の出来事というのも含めて怒りがショックになったり 悲しいがショックにったり 焦りがショックになったり ショックっていうのは心が一時的に麻痺して脳が防衛反応を起こすものなんだ パニック状態に陥る事も防衛反応の1つだよ でも驚きは───…ってアニ?」







    アニ「あの…もうちょっと…簡潔に言ってくんない…?」






    モブリット「ご、ごめん…」

  15. 15 : : 2016/11/23(水) 16:09:46

    モブリット「んー…僕の説明で合ってるかわからないんだけど…」




    アニ「簡潔に教えてくれればいい」




    モブリット「じゃあ説明するよ…?付いてきて」





    アニ「…動かなきゃなんないの?」





    モブリット「俺の説明には液体と容器が必要でさ…」





    アニ「はぁ…めんどくさ」




    モブリット「なのに付いてきてくれるんだ…?」





    アニ「その口を閉じなきゃ付いて行かないよ?」





    モブリット「はいはい」


  16. 16 : : 2016/11/23(水) 17:41:45



    アニ「…此処はキッチン?」





    モブリット「僕と君だけのアジトだから…家庭的なものでも良いかなって」






    アニ「そういえば私此処に住むんだ…え…っとあんたが決めたの?元々無かったの?」







    モブリット「アニって他人をあんたって言いそうな性格だもんね…別にモブリットで良いよ?…まぁ此処は様子見に言った時大分汚れてたし…上から金は貰ってたから掃除してライフラインを整えた」







    アニ「ふーん…一応《相方(パートナー)》として今は強制的に協力させられてるって事を忘れないでよ?それに気になってたけど軽々しくアニって呼ぶのやめて…情を移されたら困る」





    モブリット「…言ってなかったね…君はやる事が終わったら一人で永遠に眠る…でも今反抗したら君は早く眠りに入ってしまうよ?…大切な人と一緒にね」






    アニ「……」







    モブリット「命は永く大切にしなきゃ駄目だよ…?…それに信頼ってのは種類がある。君と築く信頼は仕事上だけの関係だ」






    アニ「随分と言ってくれるね…情を移されたら困るってのは冗談だよ…だからさっさとさっきの説明を簡潔に言いな」






    モブリット「…そうだね…」



    そういいモブリット=バーナーは棚からカップを取り出し水を入れた





    モブリット「さっき説明で言ってた例を使って言うね」






    モブリット「この容器は心 そしてこの水は感情を表す んー今の水の感情は悲しいにしようかな…?」






    アニ「……悲しいに意味は?」






    モブリット「あははっ…特にないよ さっき例であげたサプライズを使うね 悲しい感情を抱いてる人にサプライズをしたら感情は嬉しいに変わるとしよう」





    アニ「変わったら?」





    モブリット「つまり この水の悲しいって感情は捨てられ嬉しいという感情を注ぎ込まれる」




    今の水を捨て、新しい水を注ぐ



    モブリット「だけどちょっと前に悲しい感情を持つ水を捨てて容器が空っぽになったでしょ?」




    アニ「感情がないって事?」





    モブリット「うーん…そう捉える事も出来るけどこれは驚愕…驚きを表しているんだ」





    アニ「……」




    モブリット「驚きは感情と感情をつなぎ役なんだ。驚きの時に心はどんな感情になるか見て、聞いて選ぶんだ」





    アニ「つなぎ役…さっき驚かなかったのは感情が変わって無かったから?」




    モブリット「んーと 感情っていうのは喜怒哀驚が基盤だって最近の大学はいっているんだけど…」




    アニ「喜怒哀驚?喜怒哀楽じゃなくて…?」




    モブリット「そ…さっき僕の感情は喜怒哀驚のうちどれかの感情が半分でもう一つ違うのが半分でって感じの感情だった えーと感情がハーフって事 これはクォーターという事もあり得る」





    アニ「……えっと感情が完璧に変わらなかったって事?」





    モブリット「そうだよ…アニは頭がいいね」




    アニ「………あんたの説明が上手いから…」






    モブリット「……前は博士の助手やってたから…さ…いつの間にか博士に植え込まれてたのかもね」






    アニ「あと………いや…何でもない」







    モブリット「…仕事上の信頼関係でも隠し事は無しだ」







    アニ「いや…これは私情というか…まぁ言ってもいいかな…」







    モブリット「なに…?」






    アニ「なんか…説明してる時の…あんた…いや…」







    「モブリットは楽しそうだった…」








    モブリット「!…そっ…か…あはは…自分でもそんな感情は顔に出ないと思ったけど出てた?」






    アニ「…うん…楽しそうで…それに綺麗だった…」











    私は部屋を出た…







    モブリット「…あーあ…あんな風に笑うとかずるすぎ…」







  17. 17 : : 2016/12/03(土) 15:35:08




    アニ「...」




    きっと第三者から見れば
    私は自分の部屋(仮)で不可解な行動をしているだろう



    私はベッドの下や部屋中の収納 機械類電気類の中
    部屋の隅々までありとあらゆる物を調べ上げた


    掛かった時間は、約8分ぐらい


    アニ「…監視カメラ、盗聴器はなしっと…」



    あったら、たまったもんじゃない




  18. 18 : : 2016/12/04(日) 18:12:30




    キィーッ………



    アニ「……モブリット?」





    モブリット「この扉建てつけ悪いなぁ…」




    へぇ………




    アニ「良い度胸だね? 乙女の部屋にノックも無しで入ってくるとか…」






    モブリット「16歳の身体なんかに興味はないから安心して?」





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著者情報
Marutyan

ゆいあい

@Marutyan

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