この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
この作品は執筆を終了しています。
壊された心の扉(現パロ)
-
- 1 : 2016/10/30(日) 20:10:09 :
-
駄文
駄作
キャラ崩壊
以前投降した「壊れた心」を改修したもののような感じです
前半は同じ部分もありますが、結末は変えました
前作
壊れた心:http://www.ssnote.net/archives/38468
壊れた心「救済編」:http://www.ssnote.net/archives/39082
護るために:http://www.ssnote.net/archives/40123
護るためにafter:http://www.ssnote.net/archives/41262
暖かい場所へ:http://www.ssnote.net/archives/47516
こちらもよろしければどうぞ
-
- 2 : 2016/10/30(日) 20:10:56 :
エレン「何で高校なんて行かないといけないんだろうな・・・はぁ、死にたい・・・」
そう言いつつも、身支度を整え、家の戸締りをし、1人自宅から出て行く
エレンの両親は健在だが、とある理由から1人で暮らしている
エレンは、この春、高校生になった
???「ようエレン」
エレン「リ、リヴァイさん!お、おはようございます」オドオド
リヴァイ「言いつけ通り、高校に行くみてぇだな」
エレン「別に行きたくなんてないんですが。約束ですから」
リヴァイ「死のうなんて考えんじゃねぇぞ」
エレン「・・・無理だと思います・・・でも、一応頑張ってみます」
リヴァイ「今はそれでいい。せっかく高校に行くんだ。高校生活を精々楽しむことだ」
エレン「・・・が、頑張ってみます」
リヴァイ「まあ、頑張って友達でも作れ」
エレン「・・・必要ありませんよ。そんなもの」
リヴァイ「・・・(まあ、急ぐことも無ぇな。時間はある。少しでも前に進めることができればな)」
-
- 3 : 2016/10/30(日) 20:11:14 :
- ローゼ高等学校
リヴァイ「クラス表の場所はわかるな?」
エレン「えっと、体育館の近くでしたよね?」
リヴァイ「ああ。俺はもう、行くからな」
エレン「は、はい。ありがとうございました」
エレンはリヴァイと別れ、クラス表を探していた
エレン「僕のクラスを確認しないと・・・クラス表は・・・あそこかな?」ダッ!
エレン「僕は・・・1組か・・・さてクラスに行くか・・・」テクテクテク
???「!あ!・・・エ、エレン!・・・行っちゃった・・・」
???「エレンがいたの?」
???「うん・・・でも・・・僕たちに気付かずに行っちゃった・・・」
???「そう・・・」シュン
???「僕達はエレンとは違うクラスだけど、後でエレンとの所に行ってみようよ?」
???「そうね・・・」
???「でも・・・大丈夫かな?僕たち・・・」グスッ
???「分からない・・・でも、謝らなければ何も変わらない。だから、誠心誠意謝るべきだと私は思う」シュン
???「そうだよね・・・許してもらえるとは到底思えないけど、何度でも謝らないとね・・・」
???「そう。私達にはそうする義務がある・・・昔のエレンならきっと許してくれただろう・・・でも今は」
???「うん。わからない・・・すっかり雰囲気も変わっちゃてるみたいだし、きっと僕たちのことを怨んでる」
???「あの時、もし私がエレンの事を信じてあげていれば・・・」
???「それは僕にも言えることだよ、ミカサ。それに過去は変えられない。だから僕たちはより良い未来を掴むために、エレンとまた笑いあえるような未来にするために頑張らなきゃいけない」
ミカサ「アルミンが言うことはいつも正しい。だから、エレンと絶対に仲直りしよう」
アルミン「ああ。絶対に成し遂げて見せる。僕達はエレンとは違うクラスだけど、後でエレンとの所に行ってみようよ?」
ミカサ「そうしよう。そうしなければ何も始まらない」
アルミン「・・・とりあえず僕たちは3組だ。クラスに行こ?」
ミカサ「うん」
-
- 4 : 2016/10/30(日) 20:12:31 :
- クラス
キース「私が運悪く貴様らの面倒を見ることになった学年主任で担任のキース・シャーディスだ!これから貴様等には自己紹介をしてもらう!窓際のお前からだ!」
エレン「(いきなり僕ですか・・・)ぼ、僕はエレン・イェーガー。そ、その、よ、よろしくお願いします・・・」オドオド
キース「・・・(あれがグリシャの息子か・・・昔と随分雰囲気が違うな・・・一体何があったのだ?)」
女子一同「(エレン君、かっこいい!・・・でもなんて悲しそうな目をしてるの?・・・私が癒してあげたい・・・)」キャー
男子一同「(あの野郎!爆ぜろ!)」
アニ「私はアニ・レオンハート。よろしく」
クリスタ「私はクリスタ・レンズ。よろしくね」ニコッ
エレン以外の男子「(天使だ!)」
ユミル「私はユミル!クリスタは私が守る!てめぇら、手ぇだすんじゃねえぞ!」ギロッ
エレン以外の男子「(こ、恐ぇぇぇぇ)」
ライナー「俺はライナー・ブラウンだ。よろしくな」
ジャン「俺はジャン・キルシュタイン。よろしく!」
以下省略
キース「さて、自己紹介も済んだところで、事前に連絡してあった通り、今から学力試験を始める!なお、先ずいないとは思うが、この試験で赤点を採った者は、もれなく補習授業が待っている!いいな!では始め!」
エレン「・・・」カキカキ
アニ「・・・(少し難しいね)」カキカキ
クリスタ「・・・(う~ん・・・難しい)」カキカキ
ユミル「・・・(やべぇ!全然わからん!)」カキカキ
ジャン「・・・(ふざけんじゃねぇよ!こんなのわかるわけねぇだろうが!)」カキカキ
ライナー「・・・(なかなか難しいな)」カキカキ
10分後
エレン「・・・(ハンジさんの小テストの方が難しかったな。あの人のは難解だったからな)」
アニ「・・・」カキカキ
クリスタ「・・・」カキカキ
ユミル「う~ん、分からん」カキカキ
キース「(イェーガーはもう終わったのか?全部回答が埋まっているといいがな。ほかの者はなかなか手こずっているようだな。まあかなり難しくしてあるからな)」
-
- 5 : 2016/10/30(日) 20:12:46 :
- テスト終了
アニ「ねぇあんた?」
エレン「・・・」
アニ「ねぇ?聞いてる?」
エレン「・・・」
アニ「・・・エレン君?」
エレン「!は、はい!」
アニ「何驚いてんのさ?さっきから話しかけてるのに」
エレン「ご、ごめんなさい・・・あの・・・その・・・話しかけられることに、その・・・慣れていないもので・・・ごめんなさい」シュン
アニ「・・・何か、悪かったね・・・」
エレン「ご、ごめんなさい。で、僕に何の御用ですか?」
アニ「あんた試験どうだった?」
エレン「そこまでは難しくは無かったと思いますけど?」
アニ「あんた、あれ簡単だったの?」
エレン「!?い、いえ・・・まあ・・・」
クリスタ「エレン君!あれが簡単だったの?」
ユミル「超難しかっただろが!あんなのわからん」
エレン「そうなんですか?僕にはそこまで難しい問題ではなかったので・・・」
ジャン「嘘ばっか言ってんじゃねぇ!あれが簡単な訳ねぇだろうが!」ガシッ!
エレン「ヒィ!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
クリスタ「ジャン君、やめなよ!そんなことしちゃダメだよ!」
エレン「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!・・・・」
ジャン「ちっ!・・・気にくわねぇ!」バッ
エレン「ごめんなさい・・・」
アニ「ねえ?何であんた敬語なわけ?タメ口でいいよ」
エレン「ご、ごめんなさい」シュン
アニ「はぁ~・・・(何かこいつにはあるね・・・)」
エレン「ぼ、僕もう行きますね・・・」テクテク
アニ「ちょっ!・・・行っちまったよ・・・」
ユミル「・・・何なんだ?あいつ?」
ジャン「ちっ!」
-
- 6 : 2016/10/30(日) 20:13:01 :
- 廊下
???「エレン!」
エレン「・・・」クルッ
エレンは呼ばれた方を向いた
そこにはかつてのエレンの知り合い、アルミンとミカサの2人いた
エレン「・・・(はぁ、面倒です。今更掌返しで謝られても・・・もうどうでもいいんですけど。興味ないですし・・・)」
2人を見た瞬間、エレンは興味を無くし、元の方向に向き直り、下駄箱を目指す
アルミン「エレン!ちょっと待って!」
ミカサ「エレン!お願い!待って!」
エレンは呼び止められているにもかかわらず、さっさと帰って行ってしまった
???「やっぱりダメだったね・・・」ショボン
???「・・・うん」ショボン
アニ「ねぇ、あんた等エレン君の知り合いかい?」
???「うん。そうだけど?」
アニ「私はアニ。よろしく」
アルミン「僕はアルミン。よろしく。でこっちが」
ミカサ「私はミカサ」
アニ「ねぇ、あいつと何かあったの?すごい勢いで帰っていったけど?」
アルミカ「・・・」
アルミン「何でもないよ・・・僕たちが悪いんだから」ボソ
最後の方はアニにも聞こえないくらいの声で呟いた
アニ「?よく聞こえなかったんだけど?」
アルミン「何でもない。もう行くね」ダッ
ミカサ「待ってアルミン」ダッ
ジャン「!ちょっとあんた」
ミカサ「?」
ジャン「とても綺麗な黒髪だ・・・」
ミカサ「・・・」ダッ!
ジャン「ちっ!あの根暗やろう!うらやましい!」
-
- 7 : 2016/10/30(日) 20:13:18 :
- それから数日後
昼休み
???「おい!エレン・イェーガーはいるか?」
アニ「?誰?」
???「俺は生徒会長のリヴァイ。エレンに用がある」
アニ「エレン君ならいないよ。鐘が鳴ったと同時にどっかいっちまったからね」
リヴァイ「そうか。邪魔したな」
アニ「エレン君に何か用なの?」
リヴァイ「まぁな。あいつが戻ってきたら、放課後、生徒会室に来るよう伝えておいてくれ」
アニ「わかったよ。伝えておくよ」
???「会長!速いです!」
リヴァイ「遅せぇぞ!ペトラ!何ぐずぐずしてやがる!」
ペトラ「うう~だって~エレンに会えると思ったら緊張しちゃって~」エヘヘ
アニ「あの~そちらは?」
ペトラ「私?私は生徒会会計のペトラ・ラルよ。2年生。よろしくね」
リヴァイ「ペトラ、てめぇがぐずぐずしている間に、エレンはどっかいっちまったぞ!どう責任を取るつもりだ?」
クラスの全員が
「(あの小さい人、さらっと人のせいにした!?)」
と心の中で思った
リヴァイ「おい!てめぇら。今、失礼なこと考えやがったな?」ギロ
「!」
リヴァイ「まあ、今回は見逃してやる。が、次は削ぐ。わかったな!?」
ペトラ「下級生ビビらせてどうするんですか!?まったく!エレンに嫌われますよ!?」
リヴァイ「そもそもあいつは俺になんか興味ない。そう言うお前こそ、相手にすらされてねぇじゃねぇか」
ペトラ「!そ、それは・・・」
リヴァイ「戻るぞ。邪魔したな。伝言、頼んだぞ」
そう言い残し、リヴァイはペトラを連れ教室から出ていった
クリスタ「恐かったねぇ~」
ユミル「大丈夫だ。いざとなったら私が守ってやるからな。私のクリスタ」
アニ「でも、エレン君って一体何者なんだろうね?生徒会の2人と知り合いだったみたいだし」
ユミル「どうせ根暗やろうが何かしたんだろ?」
クリスタ「もう!ユミル!ダメだよ?そんなこと言ったら。私達エレン君の事全然知らないんだから」プクー.
ユミル「怒ったクリスタもかわいいな?結婚しよう?」ダキッ
アニ「・・・」
アルミン「ねえ?エレンはいるかい?」
アニ「・・・エレン君ならいないよ」
ミカサ「・・・そう」
アニ「あんた達も懲りないねぇ?いつも逃げられてるだろ?何の用なんだい?」
アルミカ「・・・」
アルミン「それは・・・君には関係ない事だよ・・・」
アニ「そう」
アルミン「ミカサ、また放課後に来ようよ」
-
- 8 : 2016/10/30(日) 20:13:59 :
- 放課後
エレン「・・・(そういえばリヴァイさんに呼ばれてたんだ。早く行かないと)」ガタッ テクテク
アルミン「!エ、エレン!ちょっと待って!話を聞いて!」
ミカサ「エレン!」
エレン「・・・(はあ、めんどう)」ダッ
ジャン「!あの野郎!」
アルミカ「エレン・・・」シュン
生徒会室
エレン「失礼します」
リヴァイ「よう、エレン。やっと来たな」
ペトラ「エレーン!会いたかったよ!」ダキッ
ペトラはエレンを見るや否や抱き付いた
???「やっほーエレン。調子はどうだい?」
エレン「・・・ハンジさんこんにちは。それでリヴァイさん、俺に用って?」
リヴァイ「お前、生徒会に入るつもりはねぇか?」
エレン「・・・バイトをしようと思っているんです」
リヴァイ「ほう?何故だ?」
エレン「出来るだけ、あの人達に頼りたくないので」
リヴァイ「・・・そうか」
ペトラ「えー!エレンも一緒に生徒会やろうよ」
ハンジ「どこか当てはあるのかい?」
エレン「はい。家の近くの洋菓子屋さんでアルバイトを募集していたので、申し込んでみようかと」
リヴァイ「・・・」
ハンジ「いいんじゃない?やってみなよ」
リヴァイ「そうだな。(もしかしたら、いい方に転ぶかもしれんしな)許可する」
ペトラ「えー!私はエレンと一緒に生徒会したいのに」
エレン「ありがとうございます」
ペトラ「ちょっと!無視しないでよぉ!」シクシク
-
- 9 : 2016/10/30(日) 20:14:31 :
- 翌日
放課後
エレン「・・・(大丈夫だろうか?)」ドキドキ
???「ん?お前、エレンだよな?何でこんな所にいるんだ?」
エレン「え?あ、え~と・・・どちら様で?」
???「お前・・・ユミルだよ!ユ・ミ・ル!覚えろ!クラスメイトだろうが」
エレン「は、はい。ごめんなさい・・・」シュン
ユミル「で、こんな所で何してるんだ?」
エレン「ええ~っと・・・ここのお店に面接に・・・」
ユミル「面接!?」
エレン「は、はい・・・」
ユミル「・・・マジか・・・そういや母さんがそんなこと言ってたような・・・」
エレン「母さん?」
ユミル「ふ~ん。まぁいいや。とりあえず入れ」
エレン「あ、はい・・・お邪魔します・・・」
ユミル「母さん!面接の子が来たぞ!」
ユミル母「ユミルお帰りなさい。この子がそう?」
エレン「は、はい。エレン・イェーガーと言います・・・よろしくお願いします」オドオド
ユミル母「ふふ。そんなに緊張しなくても大丈夫よ。それでエレン君はアルバイトは初めて?」
エレン「は、はい」
ユミル母「じゃあ、料理はできる?」
エレン「はい。一応それなりには・・・」
ユミル母「洋菓子は?」
エレン「ごめんなさい、無いです・・・教えてさえ頂ければできると思います」シュン
ユミル母「なら、ユミル」
ユミル「なんだ?」
ユミル母「この子にケーキの作り方教えてあげて」
ユミル「え?私が?」
ユミル母「何?嫌なの?」
ユミル「私そんなに上手くねぇぞ」
ユミル母「大丈夫よ。基本さえ教えてあげれば、それとも店番する?」
ユミル「・・・わかった・・・教えればいいんだろ」ハァー
ユミル母「それじゃ、よろしくね」
ユミル「ほらエレン行くぞ」
エレン「ご、ごめんなさい。そ、その・・・よろしくお願いします」
それから数時間後
エレン「どうでしょうか・・・」
ユミル「・・・何か悔しい・・・何で私より美味くできるんだ」ガクッ
ユミル母「これ本当に初めてなの?美味しいわ。よし!エレン君には全部やってもらうから」
エレン「ぜ、全部ですか?」
ユミル「全部って、朝早く来てケーキ作って、学校から帰ってきたら店頭に立たせんのか?」
ユミル母「そうよ」
ユミル「エレン」ポン
ユミルはエレンの方に手を置き
エレン「!は、はい」
ユミル「頑張れよ。悔しいが私の負けだ・・・だから後は頼んだ!」ダッ
なぜか逃走を謀る
ユミル母「待ちなさい!」ガシッ
しかし、それもむなしくあっさりと母親に捕まってしまった
ユミル「・・・」アセダラダラ
ユミル母「どこ行こうっていうの?」ニコ
ユミル「・・・ちょっと友達と約束してて・・・」アセダラダラ
ユミル母「だれ?クリスタちゃん?」ゴゴゴゴゴ
ユミル「・・・は、はい!」アセダラダラ
ユミル母「今度連れてきなさい。ケーキ食べさせてあげるからって」ゴゴゴゴゴ
ユミル「・・・い、いいのかよ?そんなことして(や、やべぇ。嫌な予感がマジになりそうだぜ)」
ユミル母「大丈夫よ。試作品の試食をしてもらうだけだから♪もちろんユミル、あなたも食べなさいよ」ゴゴゴゴゴ
ユミル「エ、エレンの奴はいいのかよ!」
ユミル母「エレン君はいいわ。彼と一緒に試作品作るんだから」
ユミル「(くっ!外れて欲しかったぜ。まあ、エレンが居れば大丈夫か・・・変な物食わされないよな?・・・多分・・・)分かった。機会があれば連れてくるよ・・・」
ユミル母「ダメよ。必ず来週中に連れてきなさい!いい!?」ゴゴゴゴゴ
ユミル「イ、イエッサー!」アセダラダラ
ユミル母「エレン君には悪いけど、新商品の案を考えてきて欲しいのよ。出来そう?」
エレン「・・・まぁ、とりあえず・・・お店にどんな商品が並べられているか分からないので、何とも言えませんが・・・できると思います」
ユミル母「そうだったわね。面接していきなりケーキ作らせたんだものね」
-
- 10 : 2016/10/30(日) 20:14:54 :
- 数か月後
学校
エレン「・・・」グテー
ユミル「・・・(エレンの奴、大丈夫か?結構疲れてるよな・・・毎日真面目に来てるけど、母さんももう少し手加減してやれよ・・・)」
アニ「・・・あんた・・・今日も疲れてるみたいだけど、どうしたの?」
エレン「・・・ご、ごめんなさい・・・ちょっと忙しくて・・・」グテー
アニ「何で謝るのさ?何をやってるかは知らないけど、程々にしときなよ。学生の本分にまで影響が出たら大変だろ?」
エレン「・・・そうですね・・・ごめんなさい・・・」シュン
アニ「分かればいいんだよ。ほらそろそろ先生来るよ。シャキッとしな!シャキッと」
エレン「は、はい・・・」
-
- 11 : 2016/10/30(日) 20:15:07 :
- お昼休み
アルミン「エレンいるかい?」
ミカサ「・・・」
アニ「いるけどそっとしときな。寝てるから」
ミカサ「・・・そう」シュン
アルミン「・・・放課後にまた来るよ・・・」
アニ「あんた等も懲りないね。あいつに何したか知らないけどさ、あんた等は仲直りしたいんだろ?」
アルミン「う、うん。許してもらえるなら」
アニ「ならさっさとしてくれると助かるね。私もいちいちこんなことしなくて済むしね」
アルミン「・・・うん。ごめん・・・」トボトボ
アニ「・・・(本当に何をしたんだろうね・・・あいつはいい奴なのにさ。あいつが逃げ回るって・・・よっぽどのことなんだろうね・・・)」
ユミル「・・・」
-
- 12 : 2016/10/30(日) 20:15:19 :
- 放課後
ユミル「ほらエレン!行くぞ」
エレン「は、はい。今いきます」
アニ「そういやあんた等、何時もどこに行くんだい?最近はクリスタも一緒みたいだし?」
ユミル「・・・(やべぇ・・・どう言い訳すっかな・・・)」アセアセ
アニ「まさかエレンを巻き込んでスイーツめぐり?」ジトー
エレン「い、いえ・・・その・・・」アワアワ
ユミル「・・・!ち、違う!こいつ頭いいだろ?だからクリスタと一緒に勉強教えてもらってんだよ。なっ!?」エレンチラ
エレン「・・・は、はい・・・そうなんです・・・」ドキドキ
アニ「へぇ~・・・なら私も行っていい?私も分からないとことかあるからさ」ジトー
エレン「ユミルさん、どうするんですか」ボソボソ
ユミル「知らねーよ!そもそもお前が誰にもばらしたくないとか言うからこんなことになってんだろうが!」ボソボソ
エレン「ご、ごめんなさい・・・」ボソボソ
ユミル「アニはいい奴だし、あいつになら言っても大丈夫だと思うぞ?あいつならいろいろ利、協力してくれそうだしな」ボソボソ
アニ「あんた等何こそこそやってんだい?」
エレン「・・・わかりました。では一緒にどうですか?」
ユミル「エ、エレン!いいんだな?」
エレン「アニさんは僕に何かと気に掛けてくれますから・・・これ以上心配かけたくないんですよ」
ユミル「そ、そうか・・・(っち!アニの奴!)」
アニ「何のことかよく分からないんだけど?私も行ってもいいんだね?」
エレン「は、はい・・・ただ」
アニ「ただ?」
エレン「このことは内密にお願いしたいんですが・・・」
アニ「・・・いいよ。乗った。(よしっ!エレンといられる♪)」
-
- 13 : 2016/10/30(日) 20:15:31 :
- ユミルの店
ユミル「ただいま」
エレクリアニ「お邪魔します」
ユミル母「エレン君、クリスタちゃんにユミルお帰り。その子は?」
ユミル「こいつはアニ。モルモット3号だ!」
アニ「何?そのモルモットって?私聞いてないんだけど」
ユミル母「!」キラン
モルモットと聞いてユミルの母親の目が怪しく光る
ユミル母「大丈夫よアニちゃん」ガシ
距離があったにもかかわらず、一瞬でアニの両肩を掴む
アニ「!」
ユミル母「ちょっと、甘いものをお腹の限界以上に食べてもらうだけだから。ねっ♪」ニコッゴゴゴゴゴ
アニ「ど、どういうことですか?」アセダラダラ
ユミル母「それは後でユミルにでも聞いといて。それじゃエレン君」
エレン「は、はい」
ユミル母「始めるわよ」
-
- 14 : 2016/10/30(日) 20:17:01 :
- ユミルの部屋
アニ「ユミル、どういうことなのさ?」ギロッ!
ユミル「ア、アニさん・・・」
ユミルが問われアニを見やるとそこには
アニ「とりあえず、座ろっか!?」ニコッ ゴゴゴゴゴ
悪鬼羅刹が微笑んでいた
ユミル「・・・は、はい」ブルブル
アニ「で?」ゴゴゴゴゴ
ユミル「えーと・・・実はですね・・・」
説明中
ユミル「ということなんです。はい」
アニ「じゃあ何?あいつに勉強を教えてもらってるんじゃなくて、ここの試作品の試食をほぼ毎日のようにしてたってわけ?」
ユミル「はい、その後、時間があれば勉強も教えてもらってますけど」ブルブル
アニ「クリスタ、あんたよく毎日食ってて飽きないね?私も好きだけど、流石に毎日はね・・・」
クリスタ「え?全然平気だよ!私3食スイーツでもいいくらいなんだから」ドヤッ
アニ「・・・そ、そう・・・ならいいんだけど・・・」ヒキッ
クリスタ「それに、試作でも美味しいよ?特にエレン君が来てからはハズレはなくなったしね」
アニ「ハズレ?」
クリスタ「うん。おばさんね、たまに訳の分からない物使って、試作品作ってたの。何でも、試してみなくちゃわからない。成功に失敗はつきものだ!とか言ってたっけな?いろいろなケーキがあったよね・・・あはははは」トオイメ
アニ「・・・でも、エレンが来てからそれがなくなったと」
クリスタ「そうなの。だからタダな上に、美味しいケーキが合法的に食べられるから、私幸せ」ウットリ
アニ「・・・あんた・・・それでよく太らないね・・・」
ユミル「というわけで、エレンはここで働いてる。何なら、今帰ってもいいが。どうする?」
アニ「・・・いや、エレンのケーキを食べさせてもらうよ」
ユミル「ならよろしく頼むぜ(くそ!アニは強敵だぞ・・・どうする)」
-
- 15 : 2016/10/30(日) 20:17:27 :
クリスタ「でも、エレン君ってすごいよね」
アニ「何がだい?」
クリスタ「だって、おばさんにケーキ作りで相当信頼されるんだよ?今までそんなこと無かったもん。それに」
アニ「それに?」
クリスタ「おばさん、エレン君にユミルのむk―――」
そこまで言いかけたクリスタの口をユミルが塞ぐ
ユミル「クリスタ!」ガバッ
クリスタ「んーんーんー」モガモガ
ユミル「それ以上言うな!恥ずかしいだろ!」カァァァァ!
アニ「何だい?気になるねぇ」
クリスタ「いいの?言わなくて」ヒソヒソ
ユミル「言わなくていい」ヒソヒソ
クリスタ「このままじゃ、アニにエレン君取られちゃうかもよ?」ヒソヒソ
ユミル「!だ、だが・・・それを言って、アニに積極的になられても困る・・・」ヒソヒソ
クリスタ「このことがばれた時点で、もう手遅れだと思うけど」ヒソヒソ
アニ「何だいあんた達?何こそこそと相談してるんだい?」
ユミル「な、なんでもねぇよ。なっ!クリスタ」アセアセ
クリスタ「う、うん・・・ごめんね」アセアセ
アニ「・・・」ジー
ユミル「ア、アニさん・・・視線が・・・痛いです・・・」アセアセ
アニ「・・・」ジー
クリスタ「うっ!アニ・・・止めて・・・ユミル~」ウルウル
アニ「・・・」ジー
ユミル「・・・あーもう!分かったよ!言やぁいいんだろ?言やぁ!」
アニ「で!?」
ユミル「母さんが、エレンに婿に来ないかって迫ってるんだよ!」カァァァァ!
アニ「!な、な、な!?エ、エレンは?」ドキドキ
ユミル「エレンはのらりくらりと躱してるよ」ショボン
アニ「・・・」ホッ
ユミル「私って、そんなに魅力が無いのかな・・・」ボソッ
アニ「え?」
ユミル「はっ!」
クリスタ「・・・」ニヤニヤ
アニ「ユミル、それって!」
ユミル「勘違いすんじゃねぇよ!私はそんなこと思ってないからな」カァァァァ
クリスタ「真っ赤な顔で言われてもねぇ?説得力ゼロだよ、ユ・ミ・ル」ニヤニヤ
ユミル「っく!」
アニ「・・・私も・・・」ボソ
ユミル「アニ?どうした?」
アニ「私も負けてられない!」
ユミル「・・・」
アニ「ユミルには負けないから!」
ユミル「へいへい・・・私だってチャンスはいくらでもあるんだよ。なんせあいつの職場は私の家なんだからな」ドヤッ
アニ「くっ!なら、私も毎日来るから!」
ユミル「・・・そりゃ、ダメだ。私にだっていろいろ都合があるしな」
アニ「なら客としてくるのなら文句ないよね」
ユミル「ちっ!」
クリスタ「・・・(面白いことになってきた)」ニヤニヤ
クリスタ「(ここで、私も参戦すれば・・・エレン君カッコいいし、優しいし・・・それにエレン君をゲットできれば毎日甘いものに困らない・・・)うふふふふ」イヤンイヤン
アニユミ「!(まさか・・・クリスタも・・・)」ドキドキ
-
- 16 : 2016/10/30(日) 20:17:50 :
それから数時間後
エレン「皆さん、出来ましたよ」
クリスタ「待ってました♪」
ユミル「今日のもまともそうだな」
ユミル母「失礼ね。まともなものしか作ったことないじゃない」ヤレヤレ
アニ「おいしそうね」
エレン「どうぞ」
アニユミクリ「いただきます」
アニユミクリ「・・・」パク
アニ「!・・・美味しい・・・これエレンが作ったの?」ニコッ
エレン「///そ、そうですけど・・・」カァァァァ
ユミル「さっすが私の婿だぜ!」ダキッ!
エレン「///ちょっ!ユミルさん!止めてくださいよ」カァァァァ!
アニ「む!」
ユミル母「やっとユミルもその気になったのね」ウルウル
ユミル母「母さん、うれしい!」パァァァァ!
エレン「///ユミルさん、離れてください。ちょっと!見てないで助けてくださいよ」ウルウル
アニ「エレンが嫌がってるじゃないか。止めてあげなよ」ムス
ユミル「いやだね!これが私の愛情表現だ!」ケラケラ
アニ「!なら私も」ダキッ
エレン「///ア、アニさん!?」カオマッカ
クリスタ「なかなか面白い展開になってまいりました」
ユミル母「どっちが勝つのかしら?」
エレン「お願いします!2人とも離れてください!」ウルウル
試食会が終了し、帰路へ
アニ「今日はご馳走様でした。また来ます」
クリスタ「おばさん。また来ますね」
ユミル母「いつでもいらっしゃい。待ってるわ。それじゃあ気を付けてね」
エレン「お疲れ様でした。僕もここで失礼させていただきます」
ユミル母「今日もご苦労様。今日は遅いから泊って行ってもいいのよ?」
エレン「・・・いえ。遠慮させていただきます。家近いですし、この2人も送っていかなければなりませんし・・・」オドオド
ユミル「そんなこと気にするな!な、何なら私の部屋で、い、一緒に寝てやってもいいんだぜ!?」カァァァァァ
エレン「!」カァァァァ
クリスタ「照れるくらいなら言わなきゃいいのに」
アニ「ほら、エレン行くよ!」
エレン「!は、はい。では失礼します」
ユミル「ちっ!また明日な!」フリフリ
-
- 17 : 2016/10/30(日) 20:18:28 :
- 翌日・学校
アニ「エレンおはよう」
エレン「アニさん、おはようございます」
アニ「昨日はありがとね」
エレン「いえ。こちらこそありがとうございました。また機会があれば、いつでも来てくださいね」
アニ「絶対いくよ」
ユミル「・・・」ムー
クリスタ「どうしたのユミル?焼きもち~?」ニコニコ
ユミル「そ、そんなんじゃねぇよ。ただ、ちょっとな」
クリスタ「あの2人仲良いよね。でも、何かエレン君とは距離を感じるんだよね?何でかな?」
ユミル「・・・あいつがさ・・・笑ったところって見たことあるか?」
クリスタ「・・・そういえば・・・無いかも・・・」
ユミル「それにあいつ、何時も敬語だろ?多分そのせいだ」
クリスタ「でもなんでだろうね?そうすると、意図的に距離を取ってるってことだよね?」
ユミル「わからねぇ。それがわからねぇから、私もこれ以上踏み込めないんだよ・・・あいつらに聞けりゃあ一発なんだがよ・・・」
クリスタ「あいつらって?」
ユミル「いつもエレンを訪ねてくる2人組だよ」
クリスタ「ああ!あの2人。でも、何でエレン君は避けてるんだろうね?」
ユミル「多分それが今のエレンにつながると思うんだけど・・・」
-
- 18 : 2016/10/30(日) 20:18:42 :
悩んでいたが担任のキースが教室に入って来たことで、悩むのを中断した
キース「貴様等!席に着け!今日はうれしい知らせだ!転校生が来たぞ!」
「男の子ですか?女の子ですか?」
キース「うむ。では、レイス。入ってこい!」
???「はい」
「わー。綺麗な女の子だ」
「すごい美人」
「やったー!女の子だ!」
クリスタ「う、うそ?」
ユミル「ま、まじでか?」
???「私はフリーダ・レイスです。シーナ女学院から来ました。どうぞよろしくお願いいたします」
キース「席はそうだな、イェーガーの隣が空いているな。イェーガー、手を上げろ」
エレン「は、はい」
フリーダ「!エ、エレン・・・お久しぶりです」
エレン「?誰です?」
フリーダ「私をお忘れですか?あなたの婚約者で幼馴染のフリーダです。小さい頃はよく一緒に遊んだじゃありませんか?」
エレン「え?小さい頃ですか?う~ん・・・!フ、フリーダ!?あの!?」
フリーダ「はい。あなたのフリーダです」
エレン「で、ですが、婚約者ってどういう事ですか?」
フリーダ「グリシャ小父様やカルラ小母様から何も聞いていらっしゃらないのですか?」
エレン「・・・もう、あの人達と僕は関係ないから・・・」
フリーダ「どういう事なんですか?」
キース「積もる話もあるのはわかるが、そろそろ席に着け!授業を始める!」
そうして授業が始まった
-
- 19 : 2016/10/30(日) 20:18:59 :
授業後
フリーダ「改めてお久しぶりですエレン」
エレン「う、うん。久しぶりだね」
フリーダ「エレン・・・変わりましたね」
エレン「・・・時は人を変えるものだよ」
フリーダ「眼を悪くしたのですか?」
エレン「事情があってね。これ(眼鏡)が無いと何も見えないんだ」
フリーダ「そうなのですか。それで、先ほどの話ですが、d」
そこまで言ってエレンを呼ぶ声に遮られる
アニユミ「エレン!婚約者ってどういう事!?」
エレン「!ひっ!」
フリーダ「止めなさ。2人とも。エレンが怯えてしまっているではありませんか」
ユミル「す、すまん」
アニ「悪かったね」
クリスタ「お姉ちゃん、久しぶり」
フリーダ「クリスタ。久しぶりね。ユミルも」
ユミル「は、はい」
フリーダ「それで、こちらは?」
アニ「私はアニ。よろしく」
フリーダ「よろしくね、アニちゃん」
アニ「それで、婚約者って言うのはどういう事?」
エレン「ぼ、僕は知りませんよ。どうやら、勝手にそうなっていたみたいですね」
フリーダ「私がお父様に頼んだの。そうしたらエレンのご両親とお話ししてくださったみたいで、それで晴れて婚約者に成れたの」ウットリ
エレン「でも、もう、無効なんじゃないですか?」
フリーダ「え?どうしてです?」
エレン「・・・僕は、あの人達に捨てられたんですよ・・・」
アニユミクリ「!」
フリーダ「!ど、どうして!?小父様と小母様が!?」
エレン「・・・だからもう、君とは婚約関係じゃないです。ごめんね?」
フリーダ「エレン、私は、それでも」
エレン「そろそろ授業の時間です。席に戻られた方がいいですよ?」
フリーダ「・・・(どういうことなのですか?だから、小父様と小母様は何も言わなかったのですか?だから、ただ“エレンを頼む”と言われたのですか?小父様、小母様、エレンと一体何があったと言うのですか?)」
-
- 20 : 2016/10/30(日) 20:19:27 :
昼休み
ミカサ「エレン、ちょっといい?」
アルミン「ちょっとでいいからさ。お願い話を聞いて」
エレン「僕はあなた達の話を聞く気はないです。興味も無いです。お帰り下さい」
ミカサ「エレン。お願い」
エレン「ごめんなさい」スタスタ
ミカサ「あ!・・・エレン」
アルミン「エレン・・・やっぱり・・・」
フリーダ「あの2人は?」
アニ「いつもエレンに謝りに来る2人さ。その度にエレンに無視され続けているんだけどね」
フリーダ「あの2人はエレンに一体何をしたんですか?」
アニ「さあ?私にはわからないね」
ユミル「私達が聞きたいくらいさ」
ジャン「おい!根暗やろう!」ガシッ!
ジャンが嫉妬からエレンを掴み
エレン「!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」オロオロ
ジャン「てめぇ!羨ましいんだよ!」バコッ
殴り飛ばした
エレン「うっ」
ドカ! ガタガタガタ!
机と椅子を巻き込みエレンは倒れ伏した
フリーダ「エ、エレン!」ダッ
アニ「ジャン!あんた何やってるんだい!エレンが何したって言うんだい!?」
フリーダ「エレン、大丈夫ですか?」
ユミル「エレン!大丈夫か?」
エレン「・・・」ムク ポタポタ
エレンはおもむろに立ち上がるが、額からは血が出ていた
フリーダ「エレン!血が!」
ユミル「エ、エレン!血が出てるぞ!大丈夫か?(なんていう眼をしてるんだ・・・完全に輝きを失ってやがる・・・入学当初より酷いぞ・・・何か嫌な予感がする)」
エレン「・・・」
ジャン「けっ!いい気味だ!おらっ!」バコッ
ジャンは再度エレンを殴る
エレン「ぐっ」ドサッ
アニ「ジャン!いい加減にしな!これ以上エレンに何かしようってんなら、私が相手になるよ!」
ユミル「エ、エレン?・・・」
エレン「僕は大丈夫ですから」ヨロヨロ
フリーダ「エレン、無理はしないでください」ダキッ
アニ「とりあえず保健室に行こう?」
エレン「大丈夫ですよ、このくらい。慣れてますから」ハハ
フリーダ「エレン、もう大丈夫です。私が、私達がずっと側にいますから。だからもうそんな顔で笑わないで」ギューポロポロ
エレン「・・・フリーダ?」
ユミル「!(眼に輝きが戻った・・・良かった)」ホッ
アルミカ「!」グッ
アニ「エレン、フリーダ、ユミル、行くよ」
ユミル「ジャン!てめぇ!覚えてやがれ!この報いは必ず受けさせてやるからな!?」
ジャン「けっ!やれるもんならやってみろ?それともなんだ?エレンちゃんは女に守って貰わなきゃダメなのか?本当に男か?女なんじゃねぇのか?」アハハハハ
ライナー「ジャン!言い過ぎだし、やり過ぎだ!」
-
- 21 : 2016/10/30(日) 20:19:42 :
ガラガラガラ
と、そこへ大きな音を聞きつけたキースが足早に教室に入って来た
キース「今しがた大きな音が聞こえたが、誰か説明してもらおう、か?イェーガー!大丈夫か!?それとこの血は何だ!」
エレン「・・・」チポタポタ
キース「!誰かイェーガーを保健室まで連れて行ってくれ」
フリアニユミ「私が連れて行きます」
キース「わかった。3人に頼む。その間に、ここで何があったのか説明しろ!」
ライナー「実は―――」
説明中
ライナー「ということです」
キース「キルシュタイン。貴様はもう帰っていい!追って沙汰があるまで自宅謹慎だ!いいな?」ゴゴゴゴゴ
ジャン「は、はい(ふざけんなよ!?くそっ!くそっ!くそっ!何で俺がこんな目に遭わなきゃなんねぇんだよ!?全部あいつの所為だ!ぜってぇ復讐してやる!)」
-
- 22 : 2016/10/30(日) 20:20:05 :
保健室
エレンは治療を終え、椅子に座っていた
エレン「ありがとう。もう大丈夫ですから」
フリアニユミ「・・・」
ユミル「なあ?エレン。聞いてもいいか?」
エレン「何でしょうか?」
ユミル「あいつらは何をあんなに謝ろうとしてるんだ?何でお前はそんなにみんなと、いや私達にでさえ壁を作ってるんだ?」
エレン「!・・・そ、それは・・・」
アニ「エレン、無理はしなくていいから。話したくなかったら話さなくていい。でも、出来れば私は聞きたい」
フリーダ「エレン、私はどんなことがあろうと、たとえ世界が敵に回ったとしてもエレンの味方ですからね」
すると保健室のドアが開いた
リヴァイ「よう、エレン。ケガは大丈夫か?」
エレン「はい、何とか・・・」
ペトラ「エレーン!大丈夫!?大丈夫なの!?私心配したんだからね!」
エレン「ペトラさん・・・ありがとうございます」
ペトラ「!エ、エレンが、私にありがとうって・・・エレン!」ダキッ
ペトラは感激のあまりエレンに抱き付いた
エレン「ぺ、ペトラさん?」
ペトラ「・・・」ギュー
リヴァイ「エレン、話すのか?」
エレン「・・・この人たちなら・・・でも」
リヴァイ「こいつ等なら心配ねぇ。お前を裏切ることは無ぇ。俺が保証してやる」
フリーダ「エレン・・・無理はしないで」
エレン「・・・話、ます・・・」ブルブル
フリーダ「エレン、大丈夫。私がいるから」
そう言い、震えるエレンの手をギューと握り締めエレンを安心させる
エレン「フリーダ、やっぱり君は優しいね。ありがとう」
フリーダ「エレン・・・」
エレン「・・・事の始まりは、僕が中学2年の時でした」
-
- 23 : 2016/10/30(日) 20:20:17 :
―
―――
―――――
エレンはいつも通りアルミンとミカサと3人で登校していた
アルミン「エレン、君知っているかい?」
エレン「何をだよ?」
アルミン「転校生が来るんだって。どんな子だろう?」
エレン「男だといいな?一緒に遊べるしよ」
アルミン「僕は女の子がいいな~」
ミカサ「私はエレンさえいればそれでいい」
エレン「ミカサ、女の子だったらお前友達になってやれよな。女の子同士の付き合いだってあるだろ?俺にばかり構ってないでさ」
ミカサ「エレン以上に優先させることなんて何もない」
アルミン「ミカサは相変わらずだね・・・」
エレン「ミカサ、少しは見聞を広めるために友達は作るべきだと思うぞ?ただでさえミカサは友達が少ないって言うのに、少しは友達を作れよ」
ミカサ「で、でも」
エレン「いいな?作れよ?俺達はいつまでも一緒って訳にはいかないんだからな?」
ミカサ「そんなことない。私はいつまでもエレンと一緒」
アルミン「ミカサ、少しはエレンの言う事も聞いてあげて。エレンは君のことを心配して言ってるんだから。ね?」
ミカサ「・・・わかりたくないけど、わかった。エレンとアルミンがそこまで言うなら、友達作り、頑張ってみる」
-
- 24 : 2016/10/30(日) 20:20:36 :
学校
教室
「今日は転校生を紹介します。クロフォードさんどうぞ入って来てください」
クロフォードと呼ばれた少女が入って来た
アルミン「わーすごくかわいい・・・」
???「レイチェル・クロフォードです。お父様の仕事の都合でこちらに来ることになりました。どうぞよろしくお願いします」ニコッ
その笑顔に男子生徒のほとんどが心を奪われた
「席は・・・アッカーマンさんの隣が空いているな。アッカーマンさん、手を上げて」
ミカサ「はい」
レイチェル「アッカーマンさん、よろしくお願いしますね」
ミカサ「ミカサでいい。こちらこそよろしく」
エレン「・・・」
-
- 25 : 2016/10/30(日) 20:21:01 :
それから数か月
レイチェルは学校の人気者になっていた
そんなある日、エレンは屋上に呼び出されていた
エレン「何の用だろうな?はぁ、めんどくせぇ・・・」
レイチェル「エレン君、待たせちゃってごめんね」
エレン「いや、そんなに待ってねぇよ。それで?話って?」
レイチェル「あのね、私ね、エレン君の事がね、その、好きです!付き合ってください」
エレン「え?嫌だよ。俺、お前の事好きじゃないし」
レイチェル「な、何で?」
エレン「ん~何ていうか、その笑顔が気持ち悪い。本心から笑ってねぇだろ?それに俺には好きな奴がいるしな。悪いがそういう事だ。用がそれだけなら帰るぞ。じゃあな」
レイチェル「・・・くっ!待ちなさい!まだ用は済んでない!ここまでバカにされたのは初めてよ。どいつもこいつも私がちょっと好きだって囁けば、簡単に私のものになったのに、何であんたはならないのよ!?いいわ。私を振ったこと後悔させてあげる。今ならまだ間に合うわよ?どう?私のものにならない?」
エレン「だから言ってるだろ?俺はお前が嫌いだし、好きな奴もいるって。それに何でお前のものにならなきゃいけねぇんだよ。俺は物じゃねえ!」
レイチェル「そう、残念だわ。予言してあげるわ。あなたはいずれ私のものになりたいとあなたから言ってくることになるわ。その日を楽しみにしているわ」
そう言うとレイチェルは自身の制服を自分で引き裂き
エレン「ちょっ!?お前、何やってんだよ!?」
レイチェル「すぐにわかるわ・・・」スゥー
レイチェルは息を吸い
そして
レイチェル「キャー!!!!!!!誰か!助けて!!!!」
大きな声で叫んだ
エレン「はぁ?」
レイチェルが叫んだことによりたくさんの生徒が屋上にレイチェルを助けるためになだれ込んできた
入って来た皆がレイチェルに駆け寄り事情を聞く
レイチェル「エレン君が、告白してきて、それを断ったら、襲ってきて、私、恐かった、ううっ(これで、エレン君が私の物になるのも時間の問題ね。あなたが私の下に来るのを楽しみにしているわ)」
エレン「はぁ?何言ってんだよ、勝手に服破って、勝手に叫んだだけだろ?」
しかし、エレンの言葉は誰にも届いてはいない
レイチェルの嘘の証言を聞いた者全員がエレンに憎悪の目を向ける
その中には、大親友であるアルミンの姿もあった
その後は酷いものだった
エレンは一方的に暴力を振るわれ
いくら自分がやっていない、無実だと叫んでも誰にも届かなかった
-
- 26 : 2016/10/30(日) 20:21:18 :
決定的だったのは
アルミン「エレン、レイチェルさんに早く謝りなよ。彼女泣いていたんだぞ!?」
エレン「俺は何もやってない。やってないのに謝るつもりは無い!」
ミカサ「エレン!いい加減にして!あなたの見苦しい言い訳なんて聞きたくない!早く謝るべき!」
エレン「だから、俺はやってねぇって、言ってんだろうが!」
アルミン「・・・イェーガー君、君と僕が親友だったなんて、恥ずかしいよ。もう僕たちに近づかないで」
エレン「ア、アルミン?ミカサ?」
ミカサ「私の名前を気安く呼ぶな!」ドコォーン
エレンはミカサに思い切り殴られ、その場で気絶してしまった
最大の障壁であったミカサが、エレンを殴ったことにより、エレンへの虐めが加速していった
-
- 27 : 2016/10/30(日) 20:21:32 :
そしてそれは家でもだった
イェーガー家
カルラ「エレン、レイチェルちゃんに暴力振るったんですって?ちゃんと謝ったの?」
エレン「・・・俺はやってない。やってない事なんて謝れない」
カルラ「嘘をおっしゃい!ミカサちゃんから全部聞いたのよ!」
エレン「なっ!?(母さんは俺よりもミカサの事を信じるって言うのか?)」
グリシャ「エレン、どうしてクロフォードさんに暴力を振るったんだ?」
エレン「だから、俺はやってない!」
グリシャ「そんな言い訳はいい。わかっているのか?お前はクロフォード財団の1人娘に暴力を振るったんだぞ?どうしてやったんだ?言いなさい」
エレン「!・・・(何なんだよ!?俺の言うことは全部嘘だって言いたいのかよ!?俺は何もやってないのに、何でだよ!?何で誰も信じてくれないんだよ!)」
カルラ「反省もしない悪い子は家に入れてあげません。いい?ちゃんと謝ってきなさい!それまで、家には入れてあげないからね!わかった!?」
エレン「ちょっ!?少しは俺の話を」
グリシャ「エレン、ちゃんと謝って来るんだ」
カルラ「いいから、さっさと謝ってきなさい!」
エレン「・・・もういい!何で俺の話を聞いてくれないんだよ!?俺は絶対に謝らないからな!」
そう言って、エレンは部屋に戻り、それから家を出ていった
エレンはそれからというもの、学校に行けば暴力を受け心身ともにボロボロになった
夜は家に帰れず、自身の溜めていたお小遣いを切り崩し何とか空腹を満たしていた
その為、日に日に傷は増え、まともな食事もとれないため、痩せこけていった
-
- 28 : 2016/10/30(日) 20:21:48 :
- 数週間後
エレンは呼び出しを受け、再び学校の屋上を訪れた
エレン「それで?何の用だよ?俺を笑いにでも?」
レイチェル「エレン君?まだ私の物になる決心はつかないの?」
エレン「俺がお前のことを好きになることは絶対に無い。だから俺はお前の元に行く気はない」
レイチェル「そう。バカな人。さっさと私のものになれば、これ以上痛い目に合わずに済んだのにね。残念だわ」
そう言うとレイチェルは屋上から去っていった
それからさらにエレンへの虐めは酷くなっていった
そしてついに道端に倒れてしまった
エレンは薄れゆく意識の中
エレン「(やっと、死ねる、やっと・・・もう、辛いのは嫌だ)」ハハッ
しかし、幸なのか不幸なのか、そこに1人の青年が通りかかってしまった
???「おい!てめぇ!大丈夫か?」
エレン「・・・(誰だろう?誰でもいいや)」
???「ちっ!気を失いやがった。それにしても何でこいつの服はこんなにボロボロで汚ねぇんだ?」
エレンの袖口から痣が見え、恐る恐る、服をめくった
???「!何だ、この夥しいほどの痣は?一刻も早く病院に連れて行かねぇとな」
-
- 29 : 2016/10/30(日) 20:22:01 :
病院
エレンを助けた人物は医者と話していた
???「先生、あいつは?」
「一命は取り留めたよ。あと一歩遅かったらどうなっていたかわからなかったけどね」
???「そうか・・・」
「にしても、あの子に何があったんだい?全身打撲、骨折も何か所か、失明寸前、視力はもう元には戻らないだろうね。さらには栄養失調、あの子、虐待でも受けてたのかい?」
???「いや。たまたま通りかかったら、倒れていた。それだけだ。だから何も知らねぇ」
-
- 30 : 2016/10/30(日) 20:22:15 :
1週間後
病室
エレン「・・・うっ!」パチ
エレンはようやく目をさまし辺りを見渡す
エレン「・・・ここは、どこ?」
???「よう。目が覚めたか?」
エレン「!だ、誰ですか?」
???「俺はリヴァイだ。てめぇが路上で倒れているところをここまで運んで治療してもらったんだ。死ななかっただけ感謝しろ」
エレン「僕はエレンです・・・その、助けてくれたことには礼を言います。ありがとうございました。でも、どうして放って置いてくれなかったんですか?僕は死にたかったのに」
リヴァイ「てめぇの都合なんざ、知ったこっちゃねぇ。死にたきゃ勝手に死ね。ただ、俺の目の届くところで死なれると迷惑だ。だから、助けた。それだけのことだ」
エレン「・・・そう、ですか・・・」
リヴァイ「てめぇ、どうしてそんなに死にたいんだ?」
エレン「・・・どうせ言っても信じて貰えません。だから、言いません。だからもう、放って置いてください」
リヴァイ「・・・そうか、邪魔したな。また来る」
そう言うと、リヴァイは帰っていった
-
- 31 : 2016/10/30(日) 20:22:25 :
数日後
リヴァイは学校の一室で資料を見ていた
リヴァイ「・・・こいつは酷いな」
ハンジ「リヴァーイ!何見てるんだい!?」
リヴァイ「うるぜぞ!糞メガネ!」
ハンジ「あー、あの子の資料だね」
リヴァイ「どう思う?」
ハンジ「う~んそうだね・・・ここにはさ、状況証拠だけで、エレンが本当にやったっていう証拠はないよね。でも、みんなが信じてる。だから、それが例え嘘だとしても、本当のことになっちゃったんだね」
リヴァイ「確か、各学校には監視カメラがあったはずだな?」
ハンジ「警備上の問題からあるにはあるけど、なに?エレンの無実でも証明する気なの?」
リヴァイ「できればな。結果がどうであれ、俺はあいつに関わっちまったからな。知りてぇんだよ、真実を」
ハンジ「そう、なら私も協力してあげるよ。面白そうだしね」
リヴァイ「勝手にしろ」
ハンジ「まずは、ペトラにエレンの面倒を見てもらうことにしようか?」
リヴァイ「構わねぇが、あいつで大丈夫なのか?」
ハンジ「大丈夫大丈夫。ペトラなら心配ないって」
リヴァイ「そうか、なら俺達は、エレンの中学だな」
ハンジ「ナイル署長に頼んでさ、監視カメラ調べて貰ったら?」
リヴァイ「大事にするつもりか?」
ハンジ「えー!?だって、これはもう虐めで留めて良い問題じゃないよ?これはれっきとした犯罪だよ?暴行罪に傷害罪、さらに殺人未遂。まあ、調べればまだまだ出てくると思うけどさ、警察を動かすには十分すぎる理由だと思うけど?」
リヴァイ「それはエレンが訴え出た場合だ。俺達が何を言った所で、どうにもならねぇ」
ハンジ「問題ないさ。私が交渉するからさ」
リヴァイ「・・・何をするつもりか知らんが、程々にしとけよ」
ハンジ「大丈夫だって!リヴァイは心配性だな。ただ、交渉するだけだから」グヘヘヘヘ
リヴァイ「・・・(今の大丈夫は絶対大丈夫じゃねぇやつだ・・・まあ、ナイルには泣いてもらうしかねぇな)」
-
- 32 : 2016/10/30(日) 20:23:03 :
病院
エレン「・・・はぁ、死にたい」
コンコン
???「失礼しまーす」
エレン「・・・」チラッ フイッ
???「君がエレン君?私はペトラ・ラル。リヴァイさんに頼まれて、君の様子を見に来たの。これからしばらくここに来ることになると思うから、よろしくね」ニコッ
エレン「・・・僕の監視、ってことですか・・・大丈夫ですよ。退院するまでは死にませんから。だから帰ってください。僕は1人でいたいんです」
ペトラ「えー!せっかく来たのに~。もうちょっといたらダメ?」ウルウル
エレン「・・・(面倒だな・・・何か話す気も無くなってきちゃった・・・もうどうでもいいや)」
ペトラ「エ・レ・ン・君。答えてよ~」ウルウル
エレン「・・・」
ペトラ「ううー。もういいもん。しばらく居座ってやるんだから!」
エレン「・・・」ボー
ペトラ「エレン君、何を見てるのかな?」
エレン「・・・」ボー
ペトラ「空に何かあるの?」
エレン「・・・」ボー
ペトラ「・・・鳥を見てたの?鳥はいいわよね」
エレン「・・・」
ペトラ「翼があってさ、自由にこの世界を飛び回れるんだから。私も鳥みたいに自由に空が飛べたらな~」
エレン「・・・自由・・・」
ペトラ「そっ!自由(少し興味を示してくれた)。いつでもどこにでも好きなところに、誰にも縛られることなんか無く、自由に飛んで行けるの」
エレン「・・・」
ペトラ「何処までも、何処までも、高く、高く。どんなところにもいきたい所へ」
エレン「・・・」
ペトラ「エレン君も鳥みたいに自由に空を飛んでみたいと思わない?」
エレン「・・・死んで鳥に生まれ変わればいいと思いますよ?」
ペトラ「ダ~メ!死んだらそれこそ」
エレン「幽霊になれば飛んでいるんじゃないですか?」
ペトラ「・・・!なるほど、確かに・・・って!死ぬ関連以外で答えてよ!」
エレン「・・・はぁ、死にたい」
ペトラ「・・・ねえ?エレン君、私の話聞いてくれる?」
エレン「・・・」ボー
ペトラ「私もね、少し前まで死にたいって思ってたんだ」
エレン「・・・」
ペトラ「少し前まで私、虐めに合っていたの」
エレン「・・・!」
-
- 33 : 2016/10/30(日) 20:23:24 :
ペトラ「リヴァイさんって、チビで強面だけど、人気があって、意外とモテるんだよ?でね、私、リヴァイさんと以前から仲良くしてもらってて」
エレン「・・・」
ペトラ「それでね、リヴァイさんの事が好きな人たちから嫉妬されちゃってさ。教科書やノート隠されたり。水かけられたり、色々されたよ。その度にリヴァイさんとハンジさんが助けてくれてね。それで何とか虐められなくなったんだ」
エレン「・・・」
ペトラ「もし、あの2人が居なかったら、私、きっと、ここにはいなかったと思うな。それこそ、死んでたかもしれない。・・・でも、今も生きていられる。だから、2人には感謝しかないよ」
エレン「・・・」
ペトラ「だからね?エレン君も、リヴァイさんを信じて見てくれないかな?きっと何とかして来ると思うからさ」
エレン「・・・なら、僕を殺してください。僕はもう、人を信じることに疲れたんです・・・僕は友に、親友に、街に、家族に、世界に見捨てられたんです。僕にはもう、居場所は無いんですよ。だから、僕は早く楽になりたいんです」
ペトラ「(闇が深い・・・何でここまで・・・何がエレン君を追い込んだの?一体何が)」
エレン「それは逃げている、と言われてもいい。何を言われたって構いません。僕にはもう失うものは何もありません。僕は生きているのに疲れたんです。だから・・・」
ペトラ「エレン君、そんなこと言わないで」ダキッ
エレン「!」
ペトラ「居場所が無いなら、私があなたの居場所になってあげる、誰も信じられないって言うなら、私があなたを信じる。私はあなたを見捨てない。世界が何と言おうともあなたの隣にいて、あなたと共に歩んであげる。だから、だから!生きて!私があなたの全てを肯定してあげるから!」ギュー
エレン「・・・それでも、僕は死にたい・・・僕は、この世界には要らない子だから・・・」
ペトラ「そんなことない!この世に必要ない存在何て無い!私は今日あったばかりだけど、エレン君ともっと一緒にいたい!もっと一緒にお話ししたい!もっと一緒に、もっと一緒に」ポロポロ
エレン「・・・僕は、僕は、生きていても、いいのでしょうか?」
ペトラ「もちろん。生きていていけない事なんてないのよ。だから、もう死ぬだなんて言わないで」
エレン「・・・でも、僕は・・・1人は疲れたんです・・・だから、殺してください。出来ないなら、自殺しますから」
ペトラ「エレン君、ダメ!絶対にダメ!」
エレン「お願いですから、死なせてください」
ペトラ「だから、ダメだって言ってるの!私に時間を頂戴。エレン君を死にたくなくさせて見せるから」
エレン「・・・それがダメだったら、死んでもいいんですか?殺してくれるんですか?」
ペトラ「死なせないし、殺さない。だから、ね?」
エレン「死ねないなら、どうでもいいです・・・好きにしてください。僕は勝手に死にますから」
ペトラ「いい?絶対に死んだらダメだし、死なせないんだからね!?待っててね?」
そう言い残しペトラは病室を後にした
-
- 34 : 2016/10/30(日) 20:23:47 :
ペトラ「とは言ったものの・・・あー!一体どうすればいいのよー!!!!」
1人自分の言った事に頭を抱えていた
ハンジ「ペートーラ。何してるの?絶叫大会?」
ペトラ「ハンジさん?それにリヴァイさんも!」
リヴァイ「どうした?何があった?」
ペトラ「はい、実は」
ペトラは事の顛末を2人に話す
ハンジ「へー。ペトラも言うね。それで?何か案はあるのかい?」
ペトラ「あったなら、叫んでませんよ」///
リヴァイ「そうか・・・ハンジ、何か案はあるか?」
ハンジ「えー!?私?そーだね・・・うーん」
リヴァイ「・・・」
ペトラ「・・・」ドキドキ
ハンジ「もういっその事、エレンの恋人になっちゃえば?」
ペトラ「こ、恋人!?ですか!?え、えぇぇぇぇぇぇ!?」///
リヴァイ「で?どうなんだ?実際エレンに会ってみて」
ペトラ「そりゃぁ、カッコいいですし、なんとなくなんですけど、本当は優しい子なんだな?って思いましたし、良い子だとは思いましたけど、そ、それで、こ、恋人に成れだなんて言われても」///
ハンジ「(まんざらでもなさそうだね)」グヘヘヘ
リヴァイ「そうか。まあ、死にたいなら、俺の目の届かないところで死んでくれと言っておけ。俺は別にあいつが死のうと構わん」
ペトラ「リ、リヴァイさん?いくらリヴァイさんでも、その発言は許せません」
リヴァイ「許せねぇならどうする?俺は別にあいつに興味があるわけじゃねぇ。あんな腑抜けた目をしてやがる奴はむしろ嫌いなんでな」
ペトラ「ハンジさん!どうすればいいです!?エレンと恋人になって、どうすればいいですか!?」
ハンジ「ちょっ!?ペトラ?落ち着いて!」
ペトラ「ハンジさん!?」
ハンジ「リヴァイも見て無いで、助けてよ」
リヴァイ「俺は知らん」
ハンジ「ちょっ!?そもそも、リヴァイがペトラに火をつけたんじゃないか!?」
リヴァイ「俺は本当のことを言ったまでだ、俺を巻き込むんじゃねぇ!糞メガネが」
ペトラ「ハンジさん、お願いします。どうすれいいんですか!?」
ハンジ「わかった、わかったからね?落ち着いて!」
ペトラ「は、はい。すいません」
リヴァイ「ちっ!俺はもう行くぞ」
ハンジ「リーヴァーイ!逃がさないよ?」ガシッ
リヴァイ「!てめぇ!汚ねぇ手で俺に触るんじゃねぇ!」
ハンジ「そんなこと言っていいのかな~?あのこと、ばらしちゃうよ~?」グヘヘヘ
リヴァイ「ちっ!好きにしろ」
そして3人で今後どうするのか話し合った
-
- 35 : 2016/10/30(日) 20:24:02 :
それから2か月後
ペトラはいつものように病室を訪れていた
ペトラ「エレーン!来たよー!」
ペトラは扉を開け、エレンを目に捕えようとした
ペトラ「?エレン?どこ?・・・」キョロキョロ
部屋の中を見渡したがどこにも居らず
そこには
「あら、ペトラさん、今日はどうしたんですか?」
看護師さんがいただけだった
ペトラ「いつも通りエレンに会いに来たんですが・・・」
「え?知らないの?エレン君なら今朝早くに退院したわよ?本当はもっと入院してもらっていたかったけど、本人の意思で仕方なく」
ペトラ「本当ですか?どこに行くとか聞いてないですか?」
「いえ、何も聞いてないけど」
ペトラ「あ、ありがとうございました!失礼します!」ダッ
ペトラは急いで病室を去った
ペトラ「エレン、早まったことはしないで・・・」
-
- 36 : 2016/10/30(日) 20:24:16 :
ハンジ「ようやく出そろったね。いよいよ決行日だけど大丈夫?」
リヴァイ「問題ねぇ。警察も配置してある。逃げ出そうにも逃げ出せねぇさ」
ハンジ「そう。でもみんな馬鹿だよね。あんな嘘に簡単に引っかかるなんてさ。一体何年エレンの友達をしていたのか?って話だよね。まあ、彼の親はもっと最低だけどね」
リヴァイ「所詮は血が繋がっただけの赤の他人だった。それだけの事だろ?」
ハンジ「さあて、始めますか」グヘヘヘヘ
リヴァイ「ああ・・・」
-
- 37 : 2016/10/30(日) 20:24:35 :
エレンの通っている中学校
体育館
そこには、エレンを除く教師と生徒、保護者全員が集められていた
ナイル「さて、皆様。お忙しい中集まってもらいありがとうございます。今日集まってもらったのは、他でもありません。数か月前から行われている、虐めの件についてです」
そこでザワザワしだす
ナイル「さて、それでは全員にこれを見て貰おうと思います」
そうして映し出された映像は、エレンがレイチェルに暴力を振るったとされるシーンだった
リヴァイ「これで、全てが終わるな」
ハンジ「だといいね」
ナイル「流石の俺も、こんな事件は初めてだ」
そうして、全てが明るみになる
レイチェルの顔はみるみる青くなる
まさか、自分の悪事が白日の下に晒されるとは思いもよらなかったからである
レイチェル「・・・(う、嘘よ。何でこんなことに・・・どうすればいい?どうすれば・・・)こ、こんなの合成よ!私じゃない!?」
ナイル「悪いがこれは合成でも何でもない。確かに編集等はさせて貰ったが、監視画像そのままだ」
レイチェル「くっ!」
エレンの両親もまた、顔を真青にし、泣き崩れていた
カルラ「そ、そんな、私、私・・・」ポロポロ
グリシャ「・・・エレン、すまない、エレン・・・くっ、私が、私達親が、息子を信じてあげなければならなかったと言うのに、私達は、なんて過ちを・・・」
他の生徒たちは喚き始めた
「う、嘘だ!これは何かの間違いだ!?」
「お、俺は悪くない!」
「レイチェルに騙されたんだ!?」
などなど、自分たちが虐めをした事実を全てレイチェルの所為にしたのである
しかし、そんなことをリヴァイは許さなかった
リヴァイ「よう、糞共。てめぇら、どれだけめでたい頭をしてやがる?これはてめぇらが引き起こしたことだろうが!?それに、映像を見る限りじゃあ、あの女がてめぇらにエレンを虐めるよう指示を出している様子も無ぇ。てめぇらが、勝手にエレンが悪いと思い込んでやった結果だろう?違うか?」
ハンジ「まあ、そういう事だからさ。君達にはきちんと罪は償ってもらうよ?まっ、自業自得だと思って諦めて」
「そ、そんな・・・僕たちは・・・そんな・・・」
「なんて、ことをしてしまったんだ・・・」
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
こうして、エレンをいじめた生徒、特に暴力を振るった生徒は警察に捕まった
-
- 38 : 2016/10/30(日) 20:24:53 :
リヴァイ「よう。あんたらが、エレンの両親か?」
グリシャ「君は?」
リヴァイ「リヴァイだ。エレンを保護している」
カルラ「!エレンを!?」
グリシャ「お願いします。エレンに会わせてください」
リヴァイ「どの面下げてエレンに会うつもりだ?」
グリシャ「そ、それは」
リヴァイ「あんた等をエレンに会わせるつもりはねぇ」
カルラ「どうして?どうしてなの?」
リヴァイ「あいつは全てに絶望してやがる。放って置けば今にも死にそうなほどにな」
カルラ「そんな・・・」
グリシャ「そんなに追い込まれていたなんて・・・いや、追い込んだのは私達か・・・」
リヴァイ「俺が助けた時も、“なぜ助けたんだ?”と“なぜ放って置いてくれなかったのか?”と言われた」
カルラ「私が、私が・・・」
リヴァイ「今、あんた等に」
???「リヴァイさん!!!」
リヴァイ「!どうした?ペトラ?何かあったのか?」
ペトラ「エレンが、何処にもいないんです!」
リヴァイ「何!?どういうことだ!?」
ペトラ「それが、勝手に退院したみたいで、何処に行ったかわからないんです」
リヴァイ「なぜもっと早く知らせなかった!?」
ペトラ「しようとしましたよ!?でも、リヴァイさんもハンジさんも携帯の電源落してたみたいで、繋がらなかったんですよ!」
リヴァイ「ちっ!こんな時に・・・」
ハンジ「リーヴァーイ!早く来て!大変なんだ!?」
リヴァイ「次から次へと、今度は何だ!?」
ハンジ「?ペトラもいたんだね。ちょっと一緒に来て」
ペトラ「ちょっ!?ハンジさん!?」
そう言って2人は校庭に連れて行かれた
-
- 39 : 2016/10/30(日) 20:25:35 :
「君!危ないぞ!?大人しく降りてきなさい!」
警官が校舎の屋上に向かって呼びかけていた
ハンジ「あれ、エレンだよね?」
ペトラ「!エレン!どうしてここに?」
リヴァイ「ちっ!あいつ、ここで死ぬ気か?」
校舎屋上
エレン「・・・一杯集まって来たな。そろそろいいかな?でも、何か警察の人が多いような・・・僕に呼びかけている人も警察みたいだし・・・今更だよね?僕の事誰も助けてくれなかったのに、誰も僕の言う事聞いてくれなかったのに、自分たちは聞けって・・・本当に勝手だ・・・やっぱり世界は醜い、残酷だ・・・だから、僕は、飛び立つんだ。この世界から・・・」
校庭
ペトラ「エレーン!バカなことは止めて降りてきて!お願い!」
ペトラは必死に叫んでいた
他の者たちは、後悔と悲しみの色を滲ませた瞳にエレンを映し、何も言えなかった
自分たちがエレンにどれだけ酷い事をやっていたのか理解してしまったから
自分たちにはエレンを止めるどころか、心配する資格すらない
もう、友達ではないのだ
自分たちが裏切り、虐め、辱め、死ぬ寸前まで追い込んでしまったのだから
屋上
エレン「・・・リヴァイさん達がいる・・・まあ、関係ないけど・・・何か、見慣れない人がいっぱいいるな。張り切って飛び立たないとね」
そう言うと、エレンは屋上の淵から助走をつける為、中央辺りに引き返し
エレン「・・・バイバイ」
走り出す
この世界から飛び立つために走り出す
そして
ペトラ「エレーン!止めてー!!!!!」
リヴァイ「ちっ!急げ!それをさっさと広げねぇか!?」
「ま、待て!もう少し」
ハンジ「ちょっと!早くしてよ!エレンが死んじゃうじゃないか!?」
エレンは屋上から飛び降りた
ペトラ「いやぁぁぁぁぁぁ!エレン!ダメー!!!!!」
リヴァイ「よこせ!」
ハンジ「ダメだ!間に合わない!」
-
- 40 : 2016/10/30(日) 20:25:59 :
病院
病室にはエレンとそれを看病しているペトラがいた
エレン「・・・うっ・・・天井・・・俺は、生きているのか?・・・また、死ねなかった」
ペトラ「エ、エレン?目を覚ましたの?」
エレン「・・・何で、僕は生きているんです?」
ペトラ「エレーン!」ダキッ
エレン「!」
ペトラ「エレン、心配したんだからね。死んじゃうかもって思って、もう、嫌だよ。エレン。お願いエレン、もう、死のうなんてしないで」ギュー ポロポロ
エレン「ペトラさん・・・(ああ、この人はいつも俺のことを心配してくれる。でも、本当に信用していいのだろうか?何か裏にあるんじゃ?どうせまた、裏切られるんだろうな?だから、もう死にたいのに。何で死なせてくれないんだ!?)」
ペトラ「エレン・・・」ギュー ポロポロ
それから数分後
ペトラ「エレン、ごめんね?みっともないとこ見せちゃったね」
エレン「いえ。大丈夫です」
ペトラ「・・・エレンはさ、どうして今日、あそこで死のうと思ったの?」
エレン「・・・リヴァイさん達が話しているのを聞いてしまったので、それで、どうせなら、みんなの前で死のうと」
ペトラ「そう・・・」
エレン「でも、死ねなかった・・・なぜか生きてしまった・・・どうしてなんです?何で死なせてくれないんですか?」
ペトラ「死なせるわけないじゃない!エレンがそんなに傷ついているのを黙って見過ごせるわけないじゃない!リヴァイさん達は、ううん、私もだけど、エレンを助けたいの。エレンにまた笑ってほしいって思ってるの」
エレン「・・・」
ペトラ「リヴァイさんはああいう性格だから、表には出さないけど、本当はエレンに死んでほしくないと思ってるよ。じゃなかったら、エレンの無実を証明したりしないと思うし。ハンジさんだってそう。エレンが心配だから、リヴァイさんを手伝った。私だって、エレンを救いたいの。生きていてほしいの。エレンの事が好きだから」
エレン「・・・僕は、どうして生きているんですか?確かにあそこから飛び降りたはずです。それがなぜ?」
ペトラ「警察がね、大きな布を持ってきていたの。それを広げたの。大急ぎで。受け止めることには成功したけど。完全には受けきれなくって、布が破れちゃってね。衝撃はある程度吸収できていたから、軽いケガ程度で済んだの。でも、本当に良かった」ポロポロ
エレン「・・・僕はこれからどうすればいいんですか?」
ペトラ「え?」
エレン「死にたいのに、死ねない。でも、やりたい事も他にない・・・僕は一体どうすればいいんですか?」
ペトラ「せっかくある命なんだからさ。精一杯生きるべきだと私は思うよ」
エレン「・・・」
ペトラ「だってそうでしょ?生きたくても生きれない人はたくさんいる。それに、人生は意外と短い。だから、精一杯生きるべきなんだよ。その中で、やりたい事を見つければいいと思うよ」
エレン「・・・」
ペトラ「“自分は何のために生まれてきたのか?”それは人生の命題なんだよ。その答えを得るために、私は毎日一生懸命生きている。その答えは一生見つからないかもしれない。でも、それでいいの。生まれた意味なんて知ってしまったら、生きていく面白みがないでしょ?答えなんて知らなくていい。でも、答えを得るために精一杯生きる。人生を謳歌する。その先に自分の生まれた意味の答えがあると信じて生きていく。私はそう思うな」
エレン「厳しいな、ペトラさんは・・・生きていたくない者に、生きろ、か・・・少し、1人にしてもらえませんか?」
ペトラ「わかった。もう今日は遅いし、帰るね。また明日来るから。じゃあね」
エレンの願いどおり、ペトラは帰っていった
エレン「・・・死ぬために、生きる、か・・・何か矛盾してますね・・・僕はどうしたらいいのでしょうか?」
-
- 41 : 2016/10/30(日) 20:26:16 :
翌日
病院
エレンは未だに答えが出ないまま考えていた
エレン「・・・」
すると、ドアがノックされた
コンコン
ペトラ「エレン、入るよ」
エレン「・・・」
ペトラ「エレン、こんにちは」ニコッ
エレン「・・・こんにちは」
ペトラ「それで、どう?」
エレン「・・・昨日と変わりません。何をどうしていいやら、僕にはわからないんです。死ぬために生きる・・・矛盾した答えしか出ないんです」
ペトラ「そっか・・・今はそれでいいんじゃないかな?」
エレン「え?」
ペトラ「だって、結局はそういう事でしょ?皆いつかは死ぬ。それに向かって悔いのないように人生に答えを探しながら歩んでいく。それが普通だと私は思うな」
エレン「・・・」
ペトラ「だからさ、エレンも探そうよ?エレンがこの世界に、この時代に生まれてきた意味を。もちろん私も全力で応援するから。違うね、全力でエレンを支えるから、私と一緒に探そ?どうかな?」
エレン「・・・それでもやっぱり僕は、死にたい・・・誰も信用できない世界、1人でいることに、疲れたんですよ・・・あなただって例外じゃない。あなたにそんなつもりは無くても、僕はあなたが僕に優しくするのには何か裏があるんじゃないか?って疑ってしまうんです・・・」
ペトラ「そう、よね。まだ、知り合って、そんなに時間も経ってないからね。エレンの事を考えると、そんなにすぐには信用できないのもわかる。だから、少しずつでいい。人を、私を信じて見てくれないかな?私はエレンを絶対に裏切らない。私はエレンを否定しない」
エレン「!・・・僕は・・・」
ペトラ「大丈夫。大丈夫だよ。答えを急ぐ必要はないし、ゆっくり、本当にゆっくりでいいから。それで、エレンが少しでも前に進めたら、私はうれしいかな?」ニコッ
エレン「・・・それでも、僕は・・・」
-
- 42 : 2016/10/30(日) 20:26:32 :
その時、部屋のドアがノックされリヴァイとハンジの2人が入って来た
コンコン
リヴァイ「ようエレン。元気になったみてぇじゃねぇか?」
ハンジ「やっほー!エレン!ケガはもう良さそうだね。よかったよかった」
エレン「・・・は、はい」
リヴァイ「それはそうと、ペトラ!てめぇ!待ち合わせはどうした?なぜ、先にここにいる?」
ペトラ「!そ、それは、その・・・あはははは」
ハンジ「まあまあ、リヴァイも落ち着いて。ペトラは愛しのエレンの事で頭がいっぱいだったんだよ。仕方のない事さ」
ペトラ「ハ、ハンジさん!?」///
リヴァイ「ほう。それで?もう、お前達は付き合っているのか?」
エレン「?どこに付き合うんですか?」
ハンジ「あはははははっ!エレンはおもしろいねぇ!」
ペトラ「エ、エレン・・・」
リヴァイ「はぁ・・・先は長そうだな・・・」
エレン「?」
ハンジ「それはそうと、エレン。君、退院したらどうするつもりだい?」
エレン「・・・何も考えていません。そもそも死ぬつもりでしたから」
ハンジ「そっか。ならさ?もしよかったら何だけど、私達が通っていた、って言うか、今ペトラが通ってる中学に転入しないかい?」
エレン「・・・死ぬと言う選択肢は?」
ハンジ「そんなのあるわけないだろ?そんなこと、リヴァイがさせない。まあ、私もペトラもだけどね」
エレン「はぁ・・・お任せします・・・あそこに僕の居場所なんてありませんから」
ハンジ「よし!決まりだね。それから、高校にも行ってもらうからね!もちろん、私達と同じところにね!いいね!?」
エレン「は、はぁ・・・」
リヴァイ「それで?家には帰るつもりはあるのか?」
エレン「・・・僕に、家なんてありませんよ・・・いずれにしろ、僕は今無一文なので、どうにもできませんが・・・野宿ですかね?」
リヴァイ「なら、住む所に関しては俺に任せろ。悪いようにはしない」
エレン「はい。お任せします」
―――――
―――
―
-
- 43 : 2016/10/30(日) 20:27:13 :
エレン「ということが、ありました」
フリーダ「エレン!」ダキッ
エレン「!フ、フリーダ?」
フリーダ「エレン・・・良く頑張りましたね・・・」ギュー
エレン「!」
フリーダ「エレンは1人で、よく頑張った。失ったものは多いかもしれない、でも、生きている。それだけで私はうれしい。また、エレンに、こうして、会えたのだから・・・良かった、本当に良かった」ギュー ポロポロ
エレン「・・・フリーダ・・・ごめんね」
フリーダ「何でエレンが謝るのですか!?」
エレン「・・・俺みたいな世界に見捨てられた人間を、気遣ってくれて、ごめん」
フリーダ「!エレン、あなた」
エレン「俺みたいな要らない人間、早くいなくなった方がいいよね?だから、さ、もう、終わりにしないか?君もそろそろ、俺なんかじゃなく、他にもっといい人を見つけるべきなんだよ。だから、ね?さよならだ」
リヴァイ「おい、エレン!」
フリーダ「エレン、ごめんなさい。私が、私が、もっとあなたの近くにいられたら、こんなことにはならなかったのに。エレン、あなたが一番つらい時に、あなたの近くにいられなかった・・・ごめんなさい・・・」ポロポロ
エレン「フリーダ・・・君が気にすることじゃないよ。君は何も悪くないじゃないか?だから、謝らないで」
フリーダ「エレン・・・これからは、私がずっと傍でエレンを支えますから」
エレン「だから、フリーダは俺みたいな何もない、要らない人間と一緒にいない方がいいんだよ。その方が幸せになれる。俺といても君は不幸になるだけだ」
フリーダ「そんなことない!エレンは要らない人間なんかじゃない!少なくとも私は必要としています!それに、エレンはいっぱい持っているではありませんか!?リヴァイさんや、ペトラさん、ユミルにアニちゃんだって。それに、私も、他にもエレンの事を思っている人が、この学校には何人もいるはずです。それに、エレンのその、優しい心までは失っていないじゃないですか。エレンは私のことを想って、そう言ってくれているんでしょ?でも、不幸かどうかは、私が決めることであって、エレンに決めて欲しくない!それに、エレンといれない事の方が私にとっては不幸な事なんです!だから」ポロポロ
エレン「・・・フリーダ・・・ごめん、それでもやっぱり僕は・・・」
ペトラ「エレン、やっぱり・・・」
エレン「はい、ダメ、なんですよ。きっとこれからもずっと・・・」
ペトラ「・・・心の扉の鍵は壊れたままなんだね・・・」
リヴァイ「ちっ!」
エレン「フリーダ、確かに、周りには人はたくさんいる。でも、それだけなんですよ。僕には誰もが同じに見えてしまう。だから、僕はいつも一人なんです。もう、1人でいることには疲れたから、だから・・・」
フリーダ「・・・(エレンの心が、ここまで壊れているなんて・・・何で?何でなの?何であの心優しいエレンが、いつも私に勇気をくれたエレンが、いつも太陽のように眩しかったエレンが、こんな、こんな・・・)」
アニ「何、勝手に話を進めてるんだい?エレンが何と言おうと私は一緒にいるからね。別に信じてくれなくてもいいよ。私が勝手にあんたを信用しているだけだから」
ユミル「私だって、エレンと共にいるからな。いつでも甘えろ。私は大歓迎だからな?」///
ペトラ「私だって、初めから言ってるように、いつでも、いつまでもエレンを支え続けるからね?」
フリーダ「・・・(そうよね。エレンがどうしたいかじゃない。私がどうしたいかなんだ)エレン、私も、私の意思であなたの傍にいます。絶対に離れてなんてあげませんから。何があろうと、私はエレンの婚約者ですからね!」
エレン「!・・・」ポロポロ
フリアニユミペト「!エ、エレン!?」
エレン「あ、あれ?何で?何で、僕、涙が、勝手に」
リヴァイ「エレン。いい彼女達を持ったな?大切にしろよ?」
エレン「え?え?」
フリーダ「私はエレンの婚約者ですよ?間違えて貰っては困ります」
ユミル「いくらフリーダさんと言えど、エレンは譲れねぇな。そもそも、エレンが認識し
てない以上、それは白紙なんじゃねぇのか?それにエレンは私の婿だからな!?」
アニ「何言ってるんだい?エレンはどっちのものでもないよ。エレンは私と付き合うんだからね」
ペトラ「後から出てきて、エレンの恋人気取りとか、どういう了見よ?私はエレンと2年前から恋人なんですからね」
女4人がエレンを巡り火花を散らす
-
- 44 : 2016/10/30(日) 20:27:31 :
一方男は
リヴァイ「・・・(恐ろしいものがあるな)」
エレン「・・・(こ、恐い)」
その時フリーダが何か思い出したのか
フリーダ「リヴァイさん。そのレイチェル・クロフォードはその後、どうなりましたか?」
リヴァイ「・・・財団は倒産。家族は散り散りに。レイチェルは過去にも同じようなことを何度もやっていたみたいでな?少年院にいれられたはずだ」
フリーダ「そうですか(私ならもっと徹底的に潰したのに!生きていることを後悔させるくらいには)」
そして、終業の鐘が響いた
リヴァイ「もう、そんな時間か・・・6限目もさぼっちまったな」
エレン「・・・あ、あの、みなさん?」
フリーダ「エレン、どうなさいましたか?」
エレン「もう、学校も終わりましたし帰らないと」
フリーダ「どうですね。では、一緒に帰りましょう」
ユミル「エレン、今日はどうすんだ?休んでもいいが?」
エレン「いえ、行きます。もう、大丈夫ですから」
ユミル「そうか、わかった。でも、無理はするなよ?」
フリーダ「どういう事ですか?」
ユミル「エレンは家の洋菓子屋でバイトしてるんだよ」
フリーダ「!そうなんですか?では、エレンがケーキ等を作っているのですか?」
エレン「え、まあ、僕が作ったのも店頭には並んでいますけど」
フリーダ「本当ですか?」
エレン「はい」
アニ「エレンの作ったの食べたことあるけど、すごくおいしかったよ」
ペトラ「えー!ずるい!私、食べたことないのに!洋菓子屋でバイトをしているのは知っていたけどケーキを作っているなんて、エレン、何で教えてくれなかったのよ?」
フリーダ「エレン、一緒に行きましょ?」ニコッ
エレン「は、はい・・・」
そうして、リヴァイを除く5人とクリスタが後から合流し、6人でユミルの家に行くことになった
-
- 45 : 2016/10/30(日) 20:28:32 :
ユミルの家
ユミル「母さん、ただいま」
エレン「こんにちは」
クリスタ「おばさん。今日も来ました」
アニ「お邪魔します」
フリーダ「お邪魔します。エレン、ここで働いているのですね」
ペトラ「お邪魔しまーす。ここがエレンの職場か」
ユミル母「あら、みんな、お帰りなさい。クリスタちゃんもアニちゃんもゆっくりしていってね。それで?その子達は?」
フリーダ「私は、フリーダ・レイスと申します。エレンの婚約者です。よろしくお願いします」
ペトラ「ペトラ・ラルです。エレンの恋人です」
ユミル母「フリーダちゃんにペトラちゃんね。エレン君もなかなか隅に置けないわね。こんな可愛い子達にも想われているなんて。でも、エレン君はユミルの婿になってもらいますけどね。これは決定事項です。いいわね?ユミル!」
ユミル「か、母さん!恥ずかしいだろ!」///
ユミル母「エレン君も、良いわね?」
エレン「い、いえ、ですが・・・無理です」
ユミル母「エレン君、もっと自信を持ちなさい。あなたは家の後継者なんだから」
エレン「え?いえ、僕はそんな、後継者だなんて、アルバイトですし、それに僕は・・・」
ユミル母「私はエレン君の事、信頼してるから、何の心配もしてないわ。エレン君の気持ち次第よ。まあ、本当にお婿さんになってくれたら言うことは無いけどね」
エレン「・・・すみません・・・」
ユミル母「お話はここでお終い。さ、仕事するわよ」
エレン「は、はい」
ユミル母「他の皆はユミルの部屋で待っててね?」
ユミル以外「はーい」
ユミル「マ、マジか・・・今日もかよ・・・」トオイメ
フリーダ「ユミル?どうしたのですか?」
クリスタ「ふふ。今日も試食が沢山食べられる」ウキウキ
アニ「エレンのケーキが食べられるってことさ」
フリーダ「本当ですか?それはうれしいです」
アニ「ただし」
ペトラ「ただし?」
アニ「・・・尋常じゃない量なんだけどね・・・」
フリペト「え?」
フリーダ「尋常じゃない量って?」
アニ「私は、おばさんに初めに言われたことを数日後に体感したんだけどね。本当に胃袋の限界に挑戦しているのかと思ったよ・・・」トオイメ
フリーダ「大食い選手権か何かを?」
アニ「本当、あれは大食い選手権さ。大量の試作ケーキが次から次へと運ばれてきて、それをひたすら食べ続けるんだ。終わりがわからないから、かなりつらいね」トオイメ
フリーダ「でも、クリスタはうれしそうですが?」
ユミル「あいつは平気なんだよ。ケーキ好きだからな。いくらでも入るんだと。一体あの体のどこに入るのやら」
クリスタ「いくらでも入っちゃうよ。だって、美味しいんだもん」ウットリ
アニ「まあ、今日は人数も多いし、いつもよりかは楽かな・・・エレンのじゃなきゃ、来ないけどね」トオイメ
ユミル「本当、母さんもいい加減にして欲しいぜ。よくもあれだけ、次から次へとアイディアが出るもんだ・・・今日は一体何ホール食べる羽目になるのやら・・・」トオイメ
ペトラ「(エレンのケーキ、どんなのだろう?美味しいかな?美味しいよね?)」ウフフ
フリーダ「・・・(アニちゃんとユミルは現実逃避してるわね。クリスタは期待に胸を膨らませて、ペトラさもエレンのケーキに期待しすぎて、話すら聞いていませんし)」
ユミル「まあ、とりあえず、エレンが来るまで宿題でもしてようぜ」
フリーダ「そうですね」
そうして、宿題をやり始めた
それはエレンがケーキを持ってくるまで続けられた
-
- 46 : 2016/10/30(日) 20:28:57 :
エレン「どうぞ」
エレンはケーキを均等に切り分け配る
クリスタ「今日のもおいしそうだね」キラキラ
ユミル「流石、私の婿だな」
アニ「いつもながら、エレンが作るケーキは美味しそうだね」
フリーダ「すごい・・・」
ペトラ「綺麗・・・」
フリーダ「これ、エレンが作ったのですか?」
エレン「え、ええ、まあ・・・」
フリーダ「何か、食べるのがもったいないくらい、綺麗なケーキですね・・・」
エレン「あ、ありがとうございます」
ユミル母「ほら、見て無いで早く食べて頂戴。まだまだケーキはあるんですからね」
そうしてみな、食べ始める
ペトラ「・・・美味しい・・・何これ?すごく美味しい。美味しいよエレン」
フリーダ「・・・すごい・・・1流のパティシエでも、ここまでのは中々ないと思いますよ?エレン、すごい才能ですね。とても美味しいです」
エレン「あ、ありがとうございます」
ユミル母「じゃあ、エレン君。他のケーキも取りに行くわよ」
エレン「は、はい」
それから数時間後
フリーダ「・・・もう、食べられません」
ペトラ「ふー。お腹いっぱいだよ。しばらくケーキはいいかな」
クリスタ「今日も美味しかった」キラキラ
アニ「・・・美味しかったけど、流石にきついね・・・」
ユミル「エレンといられるのはうれしいが・・・よくもこんな毎日いろんな試作品が出来るよな?一体どうなってんだよ・・・そろそろケーキ、食い飽きた・・・」ハァ
ユミル母「何?何か文句でもあるの?」ニコッ
ユミル「い、いえ。良くこれだけアイディアが続くなと感心していただけであります」アセダラダラ
エレン「店長、流石にこれ以上はもう僕もアイディアが」
ユミル母「そう?う~ん仕方ないわね。後は改良していきましょうか?」
エレン「その方がいいと思います。ある程度、形にもなってきましたし」
ユミル母「なら、そうしましょう。じゃあ、今日はもう、上がっていいわよ。お疲れ様」
エレン「はい。今日もありがとうございました」
ペトラ「エレン、もう少し待って。お腹いっぱいで、すぐに動くのは無理かも」
フリーダ「私もちょっとお腹を休めたいです」
さらに数十分後
エレン「それでは今日も御疲れ様でした。また明日来ます。おやすみなさい」
フリーダ「お邪魔しました。また、機会があれば食べに来ます。美味しいケーキ、ありがとうございました」
ペトラ「また絶対に来ます。今日はありがとうございました」
ユミル母「待ってるわよ。じゃあ、気を付けて帰るのよ」
クリスタ「ユミル、おばさん、また明日」
ユミル「じゃあな。エレンも、また明日な」
エレン「は、はい。では、失礼します」
-
- 47 : 2016/10/30(日) 20:30:01 :
エレンはクリスタとアニ、ペトラを送り、今、フリーダを送るため歩いていた
フリーダ「ねえ、エレン」
エレン「はい、何でしょう?」
フリーダ「・・・今日は楽しかったです。ケーキもおいしかったですし。ありがとう」
エレン「そうですか。なら、良かったです」
フリーダ「それでね、エレン・・・エレンは今、幸せですか?」
エレン「・・・わかりません」
フリーダ「え?」
エレン「わからないんですよ・・・こんな日常が続けばいいなとは思いつつも、絶対に続かないと思っている自分がいる。さらにはすぐにでも死にたい衝動に駆られてしまう・・・それに、わからないんですよ。うれしいとか、楽しいとか、プラスの感情が・・・」
フリーダ「エレン・・・(保健室で話している時にも思いましたが、エレンはプラスの感情を失ってしまったみたいですね・・・)」
エレン「だから、僕にはわからないんです」
フリーダ「・・・エレンは、ケーキ作っている時、どう思って作っているのですか?」
エレン「そうですね・・・どうやったら美味しくなるか、そればかり考えている気がします」
フリーダ「ケーキ作りが楽しいのですね」フフ
エレン「楽しい、ですか?」
フリーダ「何も思わず作っているのであれば、美味しくしようなどと思いませんでしょ?もっと機械的なはずです。その他の感情についても同じです。それに毎日同じことを繰り返すのは苦ですよ?でも、毎日作っている。だからきっと楽しいのですよ。ケーキを作ることが」
エレン「楽しい、か・・・そっか・・・僕にもまだあったんだ、そう言う感情が」
フリーダ「失ったものはこれから取り戻していけばいいんです。時間は掛かるかもしれません。ですが、必ず取り戻せるはずです」
エレン「フリーダ、ありがとうございます」ニッ
フリーダ「!(ぎこちないですが、今日初めてエレンが笑ってくれました。これからです。これからもっとエレンが笑っていられるように、私がしっかりしなければいけませんね)」
-
- 48 : 2016/10/30(日) 20:30:18 :
エレン「それで、フリーダの家はどの辺りなのですか?」
フリーダ「・・・エレン、お願いがあるのですが聞いてもらえますか?」
エレン「いいですよ。何ですか?」
フリーダ「実は、エレンの家に居候させて欲しいのですけど、ダメですか?」
エレン「僕の家に、ですか?部屋は余っているので構いませんが、どうしてです?」
フリーダ「これ以上エレンを1人に、いえ、私がいつもエレンの傍にいたいと思ったのです。どうでしょうか?」
エレン「・・・ご両親の同意は得られているのですか?」
フリーダ「それは問題ありません。そもそもエレンと一緒に住むつもりで、こちらに出てきたのですから」
エレン「荷物は?」
フリーダ「それは明日、送ってもらいます」
エレン「・・・あとは僕の決断次第、ってことですか?」
フリーダ「はい」
エレン「う~ん・・・」
フリーダ「・・・」ドキドキ
エレン「・・・年頃の男女2人が一つ屋根の下で暮らすと言うのはやはりどうでしょうか?」
フリーダ「エレンとなら何の問題もありません。そもそも婚約者同士なのですから、将来結婚した時の為の予行演習だと思えばいいのです」
エレン「・・・そもそも、僕たちは婚約者同士ではないですが?」
フリーダ「それはすでに決定事項です。今更変えられませんし、変えません」
エレン「・・・でも、僕はもう、イェーガー家の人間ではないです。だから、解消されると思うのですが?」
フリーダ「エレンが、イェーガー家とかそうじゃないとかどうでもいいです。私はエレンだから、エレンと婚約関係を結んだんです。あなたには伝わっていなかったかもしれませんが、私は今でも婚約者だと思っています」
エレン「・・・」
フリーダ「・・・エレンは、その、迷惑、ですか?」
エレン「・・・そんなことないよ。フリーダは、昔から変わってないね。君といるとね、ホッとするんだ。教室で殴られたとき、もし君がいなかったら、僕はきっと死のうとしたと思います。アニさんでもユミルさんでもない、君だから、僕は何とか思い留まれたんです。そんな僕が、君のことを迷惑に思うはずがありません」
フリーダ「エレン・・・」ポロポロ
エレン「!フ、フリーダ!?」オロオロ
フリーダ「エレン!」ダキッ
フリーダは泣きながらエレンに抱き付いた
フリーダ「エレン、エレン、エレン」ギュー ポロポロ
エレン「フリーダ!?」
フリーダ「エレン、私は、私は不安だったんです。エレンに拒絶されるんじゃないかって、迷惑って言われるんじゃないかって」ギュー
エレン「・・・」
フリーダ「私はエレンと共にいるためにここに来たのに、エレンの話を聞いて、エレンの傍にずっといようと思ったけど、不安で・・・良かった・・・良かった」ギュー
エレン「フリーダ・・・」
フリーダ「・・・エレン、これからも、私は、あなたとずっと、一緒にいてもいいですか?」
エレン「・・・フリーダさえ、嫌じゃなきゃ、僕は一緒にいたい」
フリーダ「嫌な訳無いじゃないですか。私はエレンとずっと一緒にいたい。ううん、ずっと一緒にいる」ギュー
フリーダはエレンを抱く力をさらに強めた
エレン「フリーダ、これからはずっと一緒です」ギュー
エレンもフリーダを抱き返す
その後2人は離れ、エレンの家に入っていった
そして、その流れで自然とフリーダがエレンと同棲することが決まったのである
-
- 49 : 2016/10/30(日) 20:30:35 :
翌日
エレンの家
エレンは朝食の準備をしていた
エレン「今日から2人分、か・・・何か、うれしいな」
フリーダ「エレン、おはようございます」
エレン「フリーダ、おはよう」
フリーダ「私も手伝います」
エレン「うん。お願い」
そして2人ならんで朝食作りが始まった
フリーダ「こうして2人ならんで何かをしているなんて、夫婦みたいですね」
エレン「ま、まだ早いよ、フリーダ」
フリーダ「まだってことは、いつかは私と結婚してくれるってことですね?」
エレン「!そ、それは・・・まだわからないけど・・・」///
照れながらエレンは言い
フリーダ「ふふっ。今はそれでいいです(でも、いずれは実現させてみせます。私の為にも、エレンの為にも。その日が楽しみです)」ニコニコ
エレン「でも、フリーダとならいいかな?」ボソ
フリーダにも聞こえない声量で口にした
フリーダ「?エレン、何か言いました?」
エレン「何でもないよ」
フリーダ「それならいいですけど、それよりもエレン、何かいい事でもありましたか?」
エレン「え?どうして?」
フリーダ「エレンの顔、何か嬉しそうだったから」
エレン「今日からフリーダがいてくれるから、かな?」
フリーダ「!エ、エレン」///
エレン「この家に住むようになってからは1人だったから、誰かといられることが嬉しいのかもしれないね」
フリーダ「私も嬉しいです。これからずっとエレンといられるのだから」///
エレン「さあ、ご飯もできたし、早く食べて学校に行こう?」
フリーダ「はい、そうですね」ニコニコ
そうして2人は朝食を取り、登校した
2人そろって登校したことにより騒ぎになったことは言うまでもない
-
- 50 : 2016/10/30(日) 20:30:53 :
教室
フリーダ「エレン、朝から大変でしたね」
エレン「どうして、あんな騒ぎになったんだろう?」
???「そりゃあんた、昨日転校してきた美人の転校生と学年一の秀才が一緒に登校してくれば、そりゃあ騒ぎにもなるでしょ?」
エレン「アニさん、おはようございます」
アニ「おはよう、エレン。ついでにフリーダも」ムス
アニは明らかに不機嫌そうに挨拶する
フリーダ「アニさん、おはようございます。でも、一緒に来たのは仕方のない事ですよ?」
???「その理由私も聞きたいな?」
???「何々?もしかして、エレン君とお姉ちゃんが付き合っちゃったの?」
フリーダ「クリスタにユミル。まあ、もう夫婦と言っても過言ではないですね」
アニユミクリ「!」
アニ「ど、どういう事さ!?」
ユミル「きっちり説明しやがれ!?」
エレン「ちょっ!フリーダ?誤解されるような言い方は止めて欲しいです」
フリーダ「まあ、夫婦と言うのは言い過ぎですが」
クリスタ「で、どうしてなの?」
エレン「そ、それは」
フリーダ「それは、昨日、エレンの許可を貰って、エレンの家に住むことになったのです」
アニユミ「!」
クリスタ「本当!?」
エレン「は、はい。事実です」
フリーダ「ですので、一緒に登校してきたのです」
ユミル「何で一緒に住むことになったんだよ!?」
フリーダ「私がお願いしたのです。私の下宿先が遠くでしたし、何より」
アニ「何より?」ジロ
フリーダ「エレンを何時如何なる時も1人にしたくありませんでしたので」ニコニコ
アニユミ「くっ!」
クリスタ「へ~でも、良くエレン君が許可したね?」
フリーダ「説得しました。でも、最後は快く受けてくれました」
クリスタ「やっぱり、婚約者だから?」
フリーダ「まあ、そういう事です」///
ここまで沈黙を保っていた2人が口を開いた
アニ「婚約者だか何だか知らないけどね。あんたがエレンと一緒に住むって言うなら、私だってそうしたっていいよね?エレン?」
エレン「え?え?で、でも」
ユミル「な、ならさ、エレンは私の所に来て、アニとフリーダさんにエレンの家に住んでもらえばいいんじゃねぇか?エレンは私の婿だしな。母さんだって認めてくれると思うしさ。どうだ?」
エレン「い、いや、でも」
フリーダ「止めなさい2人とも、エレンが困っているじゃないですか」
アニ「いいかい?エレン。フリーダに何かされたら、すぐに私に言うんだよ?いつでもすぐに駆けつけるから」
ユミル「いつでも私の家に避難してきていいからな?」
エレン「う、うん。ありがとう。2人とも」
アニ「絶対にエレンは渡さないから!」
ユミル「誰にも負ける気はねぇ!私はエレンと一緒に家を盛り上げるんだ!邪魔はさせねぇ!」
フリーダ「婚約者たる私が、エレンが取られそうになっているのを、指をくわえて見ているだけとお思いですか?エレンは私の夫になる男です。絶対に誰にも奪わせません!」
アニユミフリ「むむむむ・・・」バチバチバチ
3人が視線で火花を散らしていた
エレンは思う
エレン「(皆となら、僕が失った感情を取り戻せることができるかも。でも、それ以上に、いつまでもこんな日常が続けばいいな)」
ペトラ「エレーン!一体どういう事よ!?」
Fin.
-
- 53 : 2017/05/30(火) 00:16:45 :
- 乙です
一人がいじめを始めたから自分もやる、しかしそれが間違いだったと気づいたときに自分は関係ないと主張するやつなんてほんとクズだよな。
一人が始めたことでも集団でやれば、それはもう関係している。保身に走って、最終的にそれを咎められて後悔する…はは残酷だな
本当、いじめをするやつは全員タヒねばいいのに(過去にいじめられて精神病んでた人)
-
- 54 : 2017/06/23(金) 17:09:32 :
- ジャンはどうなったんだーーー!
-
- 55 : 2017/09/01(金) 22:31:28 :
- 泣けてきました。
とてもおもしろかったです。
できれば、次はエレクリかエレペトで書いてください。
-
- 56 : 2017/09/30(土) 17:30:59 :
- 私も虐められたことはあるけどそれで自殺仕掛けたこともあるけどエレンのはひどすぎるレイチュル殺すミカサアルミンなどのエレンを虐めたやつ全員殺す(#^ω^)あいつ等あそこまでやっておいて家族と今更ごめんで許すわけ無いだろ(過去に虐められ自殺仕掛けた人の意見)私も虐められたことは
あるし今でもいじめは続いてるしあげくのはてに私が悪いと言われて怒られたし(#^ω^)ふざけんなこっちは怒りを押さえて耐えてきたのにこっちが悪いとかふざけんなーー!!
-
- 57 : 2017/11/22(水) 19:02:04 :
- エレンの彼女は1人でいいです。名前はフリーダです。
-
- 58 : 2018/08/05(日) 16:26:20 :
- 続きが読みたい…てか虐められた事あったけど、6人くらいに暴力されたけど、返り討ちにしてあげた(^∀^)そしたら虐められなくなった(⌒ώ⌒)楽しかったよw
-
- 59 : 2018/08/19(日) 13:08:57 :
- 期待です
泣いてしまいました
アルミンとミカサは永遠に苦しめばいいと思います。
-
- 60 : 2019/02/12(火) 00:30:46 :
- 俺「>>54俺はなあのあと退学になったぜ」
-
- 61 : 2019/08/13(火) 15:57:00 :
- 54さんライナーは新しくできたシガンシナ区立大動物園ゴリラ棟所属になりました。ライナーからの手紙を読みますサヨナライナー俺は動物園で頑張っている。
-
- 62 : 2020/02/23(日) 00:00:32 :
- エルヴィンスミス被告が今日の夜十時半頃病死しているのが見つかりました
- 著者情報
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場