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エレン「出航」 アニ「やったね」

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  1. 1 : : 2016/10/11(火) 18:05:53
     
    船は進む、海へ向かって、、
  2. 2 : : 2016/10/11(火) 18:15:38

    エレン「あぁ」

     アニ「やっと夢がかなったね」

    エレン「おう、これで海にいける」

     アニ「川の流れも緩やかだし、順調な船出だね」

    エレン「そして設計士は俺の親友だ」

     アニ「あいつは根性あるよ。よくがんばってくれた」

    エレン「しかも川を一日下れば水平線が広がっているという、簡単なルートだ。」
  3. 3 : : 2016/10/11(火) 18:25:30

     アニ「・・・やったじゃないか」

    エレン「ああ、一緒に海を見よう アニ」

     アニ「ふふ、ほら、ちゃんと前向いてな」

    エレン「ははっ、わりぃ、つい興奮しちまった」

     アニ「最初のカーブがあるんだから、集中しなきゃ」

    エレン「おう、望遠鏡で見張ってくれ」

     アニ「前方異常なーし」

    エレン「ヨーソロー、オモカジイッパーイ」

     ガラガラガラガコッ

  4. 4 : : 2016/10/11(火) 18:33:44

    エレン「舵が外れた!」

     アニ「沈没する!」

    エレン「ボートを下ろして、乗り込むぞ!」

     アニ「ラジャッ!」



    ~10分後~


    ドゴーーン

    エレン「ふう、あのまま乗ってたら俺たち海のもくずになってたな」
  5. 5 : : 2016/10/11(火) 18:40:40

     アニ「もずく?」

    エレン「いや、もくず。ホント好きな」

     アニ「うん。海に行けば・・とってくれるんでしょ?」

    エレン「・・・ああ、沈む夕日を見ながら最高のもずくを食わせてやるって、約束したからな」

     アニ「あんたについていってよかったよ。楽しみにしてる」

    エレン「へッ、まかせとけ」 
  6. 6 : : 2016/10/11(火) 18:46:25
     
     アニ「ねえ、魚たちが寄ってきてくれたよ」

    エレン「ああ、きれいだな。よし、オールをもって漕いでいくぞ」

     アニ「うん」

    エレン「よーい よーい よいやっさ」

     アニ「よいやっさ よいやっさ」

    エレン「よーい よーい よいやっ、うわッ!」

     アニ「いったッ!何!?」
  7. 7 : : 2016/10/11(火) 18:54:43

    エレン「バードクラッシュだ!オールが折れた!」

     アニ「くッ、こっちもだよ」

    エレン「なんてことだ、これじゃボートに乗ってても意味がない!」

     アニ「私達、もう終わりなんだね・・」

    エレン「このままだと岸壁にぶつかって大破しちまう!」

     アニ「見て、エレン、まだきれいな魚たちが、私達のボートに寄ってくれてる」

    エレン「お前たち、最後まで一緒にいてくれるのか。・・うれしいぜ」
  8. 8 : : 2016/10/11(火) 19:02:59

     アニ「次に生まれ変わったら、私は、きれいな魚になりたい」

    エレン「そのときは、俺も魚になって、今度こそお前と海に行くよ」

     アニ「ほんとうかい?」

    エレン「ああ。また一緒に・・来て、くれるか?」

     アニ「・・・うん、もちろんだよ。」

    エレン「ははッ、うれしいぜアニ」

     アニ「私も。」

    エレン「じゃあ、

     アニ「うん、



    エレアニ「来世で泳ごう」


    ボートは曲がることなく、岸壁に向かう

  9. 9 : : 2016/10/11(火) 19:11:23

    と、その時!!

    ズワズワズワッ

    エレン「うわッ!なんだ!ボートが押し上げられていく!」

     アニ「すごいパワー!ボートも耐えられない!」

    エレン「くッ、つかまれアニ!」

     アニ「うんッ!」

    エレン「壊れた瞬間に陸地に飛ぶんだ!行くぞ!せーのッ

    エレアニ「うわーーー!!」

  10. 10 : : 2016/10/11(火) 19:43:19




    ドサドサドサッ

    エレン「いってて、なんだったんだ今の・・はっアニ!大丈夫か!」

     アニ「背中を強く打ったけど、怪我はないよ・・」

    エレン「よかったぜ・・、ふう・・・俺達死んでないよな?」

     アニ「生きてるよ、死に急ぎが死んでないからね」

    エレン「ははっ、ん?おい、あれ」

     アニ「なに?・・・え、あれは、もずく?」

    エレンとアニが打ち上げられた岸壁に、まだ水がしたたっている少量のもずくが横たわっていた・・・

     アニ「なんでもずくが・・」

    エレン「・・・もしかして、海中のもずくが俺達を押し上げてくれたんじゃないのか?」

     アニ「そんな、まさか・・・」

    エレン「きっとお前のもずくを愛する気持ちが届いたんだ」

     アニ「私の・・気持ち・・・。エレン、こんな奇跡あるんだね」

    エレン「ああ、奇跡ってのは信じるものだけにあたえられるようなもんじゃない、奇跡がふさわしいものにあたえられるんだな」

     アニ「うん、きっと・・・そうだね」

    エレン「アニ、空が、きれいだな」

     アニ「・・・いーや、川も海も山も(そしてもずくも・・)、、全部がきれいさ」

    エレン「ッ、ああ、そうだな」(お前だって・・)

     アニ「エレン・・行こうか、海へ」

    エレン「ああ・・・歩きで出航さっ」


    そしてふたりは、再び海を目指す



    もずく「やったね」


  11. 11 : : 2016/10/11(火) 19:43:47


      おわり




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