この作品は執筆を終了しています。
懺悔の間にて〜Which is the truth?〜
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- 1 : 2016/09/03(土) 06:33:05 :
- こんにちは!こんばんは!初めての方ははじめまして!刹那と申します!
今回は「懺悔の間にて」シリーズの最終話!誰の話か想像がつくとは思いますが名前はまだ伏せておきます(笑)
前回、前々回同様短編となります!
また執筆中のコメント返しは致しません!執筆終了後に返しますのでご了承ください!
http://www.ssnote.net/archives/46783←前作です!
それでは本作もよろしくお願いします!
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- 2 : 2016/09/03(土) 22:52:13 :
- 「ん...」
青年が目を開ける
仰向けの彼は一つ伸びをする
そして気づく
「ここは...どこだ...?」
際限なく広い空間
地面も空も白い空間に彼はいた
「白い...?部屋か...?」
体を起こして周りを見る
壁はなさそうだ
「気持ちいいな...」
彼はまた寝転がった
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- 3 : 2016/09/04(日) 21:49:35 :
- 「ちょっと!起きてよ!」
突然声がする
「えー」
青年はのっそりと体を起こす
「何をやっているんだよー」
年端もいかないあどけない声が空間いっぱいに広がる
「寝かせてよ...眠いんだ」
ボソッと彼は呟いた
「はぁ?いや眠いって...呑気だね」
「そういう事もあるさ...子供にはわからないよ」
「......冷静だね」
「まぁね...どのみちここじゃやることないし...」
呆れたようなため息を吐く音が空間いっぱいに広がる
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- 4 : 2016/09/04(日) 21:50:18 :
- 期待
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- 5 : 2016/09/06(火) 21:17:01 :
- 「よくそんなに落ち着いてられるね...」
声が言った
「なんで?」
青年が聞く
「あんな事をしでかしたのに...」
その言葉に青年はため息をつく
「まぁ確かにね...でももうどうすることも出来ないよ」
「だからってそんな――」
「じゃあどうすればいいの?泣いて謝ったって誰も許しちゃくれない...子供じゃないんだ」
声は黙った
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- 6 : 2016/09/08(木) 18:11:04 :
- 「そう...子供じゃないんだ...もう...」
青年は悲しそうに目を伏せる
「後悔してるの...?」
声が尋ねる
「色々と...ね」
青年は寝転ぶ
「後悔なんていくらでも出てくるよ...誰でも」
そう呟いて目をつぶった
何かを思い返しているのだろうか?
「でも...あなたはその後悔を...次に生かさなかった...」
声が言った
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- 7 : 2016/09/12(月) 19:13:27 :
- 「あんな事もう嫌だって...そう思ってたでしょ?」
あたりの景色が変わる
飛び散った岩
それに押しつぶされる人
潰れる屋根
真っ赤に燃える炎
空に響く咆哮
それらを...ただ見下ろしていた
「生かさなかった...ね...」
青年が呟く
「確かにそうだね...」
また景色が変わり今度は平原に出る
大きな手に包まれ周りでは何人もの人が騒ぎ立てている
「誰がッ!!人なんか殺したいと!!......思うんだ!!」
悲痛な声が響き渡る
「お願いだ...誰か僕らを見つけてくれ...」
「後悔なんてもう二度としないって...そう思ったのに...」
青年は手を顔の前に持ってきて強く握りしめた
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- 8 : 2016/09/19(月) 14:40:46 :
- 「それでも後悔してるのなら...やめればいいじゃないか」
声が言った
「そうはいかない...僕達はやらなきゃいけないんだ」
「なんでさ?」
青年は答えに詰まる
「それが......僕達に与えられた任務だから......」
「放棄すればいいんだよ」
「そんなの子供の論理だ!!」
思わず怒鳴りつける
「絶対に引けない状況が...!あるんだよ...」
「一人は実行不可...一人は錯乱...こんなんでやろうなんて正気なの?」
「それが...命令なら...」
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- 9 : 2016/09/19(月) 14:58:13 :
- 「相変わらず自分の意思がないんだね...」
呆れたように声が言った
「いつもそうだ...流されて流されて...君からは何もしようとしない...」
「僕は......」
「彼だって...そんな君のせいでああなったんじゃないの?」
「なんだと...?」
「君のそういう所が...彼をあそこまで追い詰めたんじゃないのかって言ってんの」
「...........」
言い返そうと思っても...青年は言い返せなかった
「ほらね......言い返せないでしょ?」
その言葉に青年は唇を噛んだ
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- 10 : 2016/09/19(月) 18:47:16 :
- 「だとしても...これからは...!」
「変わるの?」
声が呟く
「まぁ彼は''自分''を閉じ込めてるみたいだけど...君にはできるの?」
「は?どういうこと?閉じ込めているって...」
「本当の彼...自身の本能みたいなものを理性で殺すことだよ...自分を偽ってね」
理性で殺す...?偽る...?
「兵士でありたいと望んだ彼は...戦士の彼に囚われている...僕と同じかな?」
声が自嘲気味に言った
「本当の......彼は......戦士であることを...拒んだ...?」
数々の彼の言葉が蘇る
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「別に...そりゃあ普通のことだろ...兵士なんだからよ...」
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「あ...あぁ......」
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「なんだそりゃ?」戦士って何のことだよ?」
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「そんな......嘘だ......」
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「あのわけのわかんねぇ状況下でよく動けたもんだよ...兵士としてそれなりの評価と待遇があってもいいと思うんだがな...」
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あれは...苦しい二重生活の副産物だって...
あそこから離れれば自然に治るって...
そう思ってたのに...
彼が兵士を望んだ...?
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- 11 : 2016/09/22(木) 14:51:39 :
- 「わかってるんでしょ?」
声が言った
「君も同じ...僕を閉じ込めて偽りを生きている」
戦士を生きることが偽り?
与えられた役目を果たすことが?
「だから君はダメなんだよ」
思考を読まれる
「与えられた役目じゃない...君がやりたいことをやるべきだろ?」
「僕の...やりたいこと...」
青年は空を見上げた
「戦士と兵士...君はどっちだ?」
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- 12 : 2016/09/22(木) 15:13:18 :
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「いいか...?君たちの役割は座標の奪還及び璧中人類の絶滅だ...悪魔の末裔に裁きの鉄槌をくだせ」
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「逃げろ!!」
「マ、マルセル!!」
「駄目だ!もう助からん!走れ!」
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「今日もきつかったな」
「そうだね」
「俺は天才だから疲れてねぇぞ!」
「はいはい、流石コニー」
「信じてねぇだろお前らー!」
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「なぁみんな...」
「どうしたの?」
「いつかさ...おっさんになるまで生き延びてみんなで酒でも飲みてぇな...」
「何言ってんだよ...死に急ぎ野郎らしくねぇぞ」
「茶化すなよジャン!」
「まぁでも...確かにそうだな...」
「珍しい!ジャンが同調するなんて!」
「茶化すなマルコ!!!」
ハハハハ!!
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- 13 : 2016/09/22(木) 15:16:48 :
- 期待
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- 14 : 2016/09/22(木) 15:28:44 :
- 「僕は......」
今までの思い出 ...そしてこれからの想い ...
それ全部が...
僕の真実なんだろう...
「両方だ...」
「は?」
「どっちも僕がやりたい事...どっちも僕がやらなくちゃいけない事...」
そう...どっちかじゃなくて...どっちも僕にとって''真実''なんだ...
「戦士として...僕は戦う......けど兵士としての責任は果たす...みんなの仲間として...」
「彼らを手にかけるの?君が?」
「そう...それが僕のやるべき事なんだよ...」
「そんなの...誰が決めたんだよ!」
青年は少し笑う
「君もやっぱり僕だね...誰かの指示がないとダメな人間...」
そしてもう一度空を見上げた
「そうだね...強いていえば...''僕が決めた''」
その顔はかつて''仲間''と過ごした時と同じ...
晴れやかな顔だった......
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- 15 : 2016/09/22(木) 15:41:50 :
「ん...」
目を覚ますと辺りはまだ暗かった
外で火が燃えているような音がする
僕は布団から抜け出し外へ出た
「ライナー...ジーク戦士長...」
2人が焚き火を囲んでいる
「おぅ...」
僕も一緒に座りコーヒーをもらった
それを飲みながらこれから起こるであろうことに思いを馳せる
いつくるかはわからない...でもいつかは来る...
その時僕は...
もう迷わない......
決めたから...
僕は...
戦士で...兵士の...
ベルトルト・フーバーだと...
fin
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- 16 : 2016/09/22(木) 15:51:45 :
- これにて「懺悔の間にて〜Which is the truth〜」を終了とします!
今回はベルトルト・フーバーの葛藤をテーマに書きました!
時系列ではマリアでの最後の決戦の直前です!
ミカサに「まるで別人みたい」と言わせた要因になりうる作品を目指して書いていましたが...いかがだったでしょうか?
ご満足のいく作品だったなら嬉しいです!
遅ればせながらコメント返し
>>4
ありがとうございました!期待にそう作品だったでしょうか?
>>13
ありがとうございました!励みにさせていただきました!
これで「懺悔の間にて」シリーズを終了とします!ありがとうございました!
もしよろしいければお気に入り登録してくださるとありがたいです!
それでは別の作品でまたお会いしましょう!
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