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ペトラ「 ここにいます 」
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- 1 : 2013/10/02(水) 22:12:07 :
- 《本編》
兵長、ー
お気づきではないのでしょうか?
気づいているはず...ないですよね
でもー
私は...
ここにいます
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- 2 : 2013/10/02(水) 22:12:21 :
痛い
体中が痛い
女型に踏みつけられた
そうだ、私は死んだんだ
だけど...ここにいる
たぶんだけど、幽霊ってヤツかな?
小さい頃、本で読んだことがある
死んだ人間が...
「未練」
「後悔」
とかがあると...すぐにはあの世にはいけなくて...
この世に残る事が出来る
でも、周りには自分は見えてなくて
だけど、ここにいる
存在しないものがここにー
幽霊とか信じなかったけど、改めて自分がなるとは...
思っても見なかった
そして、自分が死ぬという事も...
考えてはいなかった
もちろん調査兵団に入る以上「死」は避けられない
同じく調査兵団の仲間の死は何度も経験した
毎回遺体を持って来れた訳じゃないし、生きているか、死んでいるかも分からない人もいる
でも、それは「仕方ない事」であった
というより、そうでもしなくちゃ壁外になんて行ってられない
「だれかが死ぬのは当たり前」という考えを持って外に出なくちゃ、
あんなに何人もの死を受け止める事が出来ない
もう「感情」は捨てなくちゃ行けない
壁外にいる時、それは自分を押し殺す時だ
心を捨てて、死んでいく仲間の横で馬を走らせた
しかし...
それが自分になるなんて
まだ信じられない
本当に死んじゃったのかなぁ
もうこの世に、ペトラ・ラルは存在しないのかなぁ
ここにいる私は...死んでしまった魂なのかなぁ
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- 3 : 2013/10/02(水) 22:12:35 :
リヴァイ「...はぁ」
目の前に兵長がいる
さっきからため息をついてばっかりだ
それに足を怪我している
女型と戦った時...のものだと思う
私たちが無力だったから、兵長にまで怪我をー
出来る事なら、謝りたい
謝りたいし、お礼も言いたい
話したい事もたくさんある
でも、兵長には私は見えていないのかなぁ
さっきから横にいるのに、見てくれる事は無い
気づいてほしい
ここにいることを
ここに存在している事を
ペトラ「兵長ー」
リヴァイ「・・・」
リヴァイ(今、名前を呼ばれたような...。チッ、気持ちわりぃな)
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- 4 : 2013/10/02(水) 22:12:54 :
やっぱり、私の事は見えてないようだし、声も聞こえないのか...
どうやっても気づいてもらえないのか...
そもそも、なんで私はここにいるんだ?
私の未練ってなに?
女型を倒せなかった事?
エレンを守るという任務を果たせなかった事?
お父さんより早く死んでしまった事?
考えればたくさん出てくる
でも、すべてしっくりこない
わたしの未練...
それは
たぶんー
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- 5 : 2013/10/02(水) 22:13:11 :
ガチャー
ハンジ「やぁ、リヴァイ」
リヴァイ「なんだお前か」
ハンジ「なんだって失礼な、ハンジさんは君の事が心配できてあげたのにぃー」
リヴァイ「誰も心配してくれなんて言ってねーよ」
ハンジ「でも、怪我だってしてるし...。それに...色々あったし」
リヴァイ「・・・」
ハンジ「リヴァイ、大丈夫なの?」
ハンジ(って...大丈夫な分けないか、あーもぉー私ったら...)
リヴァイ「怪我なら、だいぶ直ってきた」
ハンジ「ーそっか。でもさ...私が言ってるのはそういうことじゃ—」
リヴァイ「分かってる」
ハンジ「え?」
リヴァイ「お前の言いたい事ぐらい分かっていると言ってるんだ、クソメガネ」
ハンジ「・・・」
リヴァイ「・・・」
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- 6 : 2013/10/02(水) 22:13:22 :
あぁ
ハンジ分隊長
ハンジ分隊長にまで迷惑かけて...
本当に申し訳ないです
そうだ、わたしの未練...
それはー
きっと...
いや、絶対に、
リヴァイ兵長だー
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- 7 : 2013/10/02(水) 22:13:35 :
- ハンジ「なんかさぁ...この部屋、変な空気感じない?」
リヴァイ「気持ちわりぃこと言うな」
ハンジ「いや、本当に。廊下と空気が変わったというか...」
リヴァイ「何が言いたい?」
ハンジ「変なヤツって思われるかもしれないけど、この部屋、私たち以外にもいそうじゃない?」
リヴァイ「お前が変なヤツってことは誰でも知ってる」
ハンジ「何それー!!てか、絶対変だって。この部屋!」
リヴァイ「うるせぇ」
ハンジ「ひどいな、せっかく来てやったのにー」
リヴァイ「帰れ」
ハンジ「もういいよ、心配して損したよ。部屋で寂しく、孤独に調査報告書でもかくよ」
リヴァイ「勝手にしろ」
ハンジ「ふーんだ!行きますよー」
ガチャー
リヴァイ「おい、クソメガネ」
ハンジ「何?まだなにかー!?」
リヴァイ「...ありがとな」
ハンジ「・・・」
ハンジ「...うん。じゃ、行くね」
リヴァイ「あぁ」
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- 8 : 2013/10/02(水) 22:13:54 :
ハンジ分隊長...
言葉じゃ...この思いは表せません
ただー
ありがとうございました
本当に、本当にありがとうございました
そして、兵長ー
兵長...
気づいてください
お願いします
わたしはここにいるんです
ここに存在しています
たとえ見えなくてもー
ここにいます
あなたの隣にー
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- 9 : 2013/10/02(水) 22:14:07 :
その瞬間...
ペトラ「兵長...」
リヴァイ「...?」キョロキョロ
ペトラ「兵長!?ここです、ここにいるんです、お願いです、気づいてください...!」
リヴァイ「ペトラか...?」
ペトラ「兵長...」
リヴァイ「お前、ここにいるのか」
ペトラ「はいっ!います、ここに、兵長の隣に...」
リヴァイ「...そうか、お前か」
ペトラ「はい、いますよ...。ペトラです、ペトラ・ラルです」
リヴァイ「どうしてお前が...?」
ペトラ「それは...きっと兵長に...伝えたい事があったから...でしょうか?」
リヴァイ「俺にか?」
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- 10 : 2013/10/02(水) 22:14:25 :
ペトラ「はい...わたし、兵長の事...好きだったんです」
リヴァイ「・・・」
ペトラ「これを...伝えたかったんです」
リヴァイ「...そうか」
ペトラ「すいません、もちろん憧れの先輩でした。でも...憧れの先に言ってしまいました」
リヴァイ「・・・」
ペトラ「だから、兵長の近くでお供させていただくの...本当に楽しかったんです」
リヴァイ「・・・」
ペトラ「後悔も、悔いも、なにもありません。調査兵団に入れて...よかったです」
リヴァイ「そうか」
ペトラ「はい...。ほら、兵長、やっぱりわたしの私の未練は兵長でした。思いを伝えた後、どんどんと体が透けてくるんです」
リヴァイ「そうなのか?」
ペトラ「兵長には見えないんですか?」
リヴァイ「あぁ」
ペトラ「でも、それでよかったです」
リヴァイ「なんでだ?」
ペトラ「だって、わたしの最後の姿が幽霊なんて...お恥ずかしいですから」
リヴァイ「お前らしいな」
ペトラ「はい。でも、そろそろお別れですね」
リヴァイ「そうなのかー」
ペトラ「はい...でも、もしよければ、もう少しお近くにいてもよろしいですか?」
リヴァイ「別にかまわないが」
ペトラ「...ありがとうございます//」
リヴァイ「・・・」
ペトラ「あの...我ががまですが...その、寄りかかってもよろしいでしょうか?」
リヴァイ「勝手にしろ」
ペトラ「...失礼します」
その瞬間、リヴァイ兵長と目が合った
まるでわたしがそこにいるのが分かっているようだった
そして、服と服がこすれ合う音が微かに聞こえるとともに...
兵長の唇はわたしの唇と繋がった
そして、兵長の流した涙が...
わたしの頬をゆっくりと流れていったー
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- 11 : 2013/10/02(水) 22:14:38 :
《続編》
ペトラ「...兵長....//」
リヴァイ「まだ...消えないのか?」
ペトラ「早く消えた方が良いですか...?」
リヴァイ「いや...そうは言ってない。だが...こんなことをした後だ」
ペトラ「///」
リヴァイ「だが...俺もお前にまた会えて良かった」
ペトラ「あの...できれば兵長の...お気持ちをお聞かせくださいませんか?」
リヴァイ「俺の気持ちか...?」
リヴァイ「そんなの...」
リヴァイ「決まってんだろ」
ペトラ「・・・//」
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- 12 : 2013/10/02(水) 22:14:51 :
あぁ...
顔真っ赤だろうな...//
どうしよう...
ペトラ「それは...その、そういう意味で受け取ってよろしかったんですよね?」
リヴァイ「それくらい自分で考えろ」
きゃぁー
これって...世間でいう両思いっていうヤツ...//
しかも、兵長と...
あぁ...
でも、私は...
もうこの世にはいないんだよね
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- 13 : 2013/10/02(水) 22:15:08 :
ペトラ「もっとこの世界で生きていたかったです」
リヴァイ「・・・?」
ペトラ「後悔がまた一つ、できちゃいました//」
リヴァイ「どういうことだ?」
ペトラ「わたしの後悔はあなたですよ、兵長」
ペトラ「せっかく、このままおさらばできると思ったんですけど...」
ペトラ「こんな幸せな気持ちになれたのに、あの世になんてそう簡単には行けませんよ」
ペトラ「死ぬのって...怖いですね」
リヴァイ「俺は...お前の自由の翼にある意思を受け継いだ...!」
ペトラ「あぁ...でも、兵長。ディターにあげてましたよね?」
リヴァイ「・・・あぁ」
ペトラ「しかも、嘘つきましたよね。あたしの翼なのに...//」
リヴァイ「すまなかった」
ペトラ「いえ、わたしが生きてたとしても、わたしはそうしました」
ペトラ「彼の為に...彼のこれからの為には必要な事でしたから」
ペトラ「そして...兵長。そろそろ本当にお別れですね」
リヴァイ「・・・そうか」
ペトラ「お別れのキスはいりませんよww」
リヴァイ「・・・」
ペトラ「・・・あれ、笑えませんでしたか?」ハハハ
リヴァイ「・・・」
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- 14 : 2013/10/02(水) 22:15:24 :
ペトラ「兵長...今まで本当にありがとうございました」
リヴァイ「ペトラ...」
ペトラ「そして、これからもエレンのこと、お願いします」
ペトラ「調査兵団のご活躍を心から祈っております」
ペトラ「あと....」
ペトラ「リヴァイ兵長の幸せを祈っています」
リヴァイ「ペトラ...!!」
ペトラ「兵長...」
ペトラ「さようなら、兵長....」
兵長...
今まで本当に...
ありがとうございました
そして...
またいつか、お会いしましょう
人類の勝利を信じています
そして、これからも
大好きですよ
終わり
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- 15 : 2013/10/02(水) 22:28:41 :
- 乙!
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- 16 : 2013/10/03(木) 18:13:06 :
- 自分が今書いてるのと似ているんだが
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- 17 : 2013/10/03(木) 18:14:43 :
- どうやったらそう上手に話をできる
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- 18 : 2013/10/03(木) 20:08:33 :
- 全然上手じゃないですよー
また、希望がありましたら...どうぞ
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- 19 : 2013/11/21(木) 20:33:02 :
- すごいです!すっごい泣ける!!!!
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- 20 : 2013/12/15(日) 22:40:53 :
- 泣けるぅ…
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