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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

【超高校級の生徒達による超高校級のコロシアイ!ポロリもあるよ★】

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  1. 1 : : 2016/08/15(月) 11:15:27
    30名の生徒を囲むように、地面から何かが次々に出てきた。


    鉄の木にも見えるそれには、全てに救急車やパトカーに乗っているサイレンのようなものが付いている。


    デザインも高さも揃っていないが、それは共通していた。


    また、共通しているものはもう一つ。


    非日常への招待状とも呼べる物体。




    それは、銃。


    地面についてしまいそうな程の弾丸達を引き連れ、サイレンよりも高く、頂点に置かれた銃は生徒達を狙っているに違いない。


    戸惑う彼らを無視して、急に赤い光が登場した。


    光の主はサイレンであり、その光り方は一つの鉄の木のサイレンが光れば、その隣のサイレンが光るといった具合だ。


    その意味にすぐ気付くものもいれば、暫くしてやっと気付くものもいる。当然、最後まで気付かないものもいた。


    ぴたり、と光が移るのをやめた途端に、耳障りな音が響く。どこからか歓声も聞こえる。


    そして、そのサイレンが付いた鉄の木の銃からある一人に対して、一つの銃弾が放たれた。


    発射するまで、やや時間があったにも関わらず、その人物は避けることをしなかった。





    それは、銃弾が自らの身体を穿つ未来を選択したからである。






    だからだろうか。血を辺りに飛び散らせて死んだ彼の目元が、どこか笑っているように見えたのは。
  2. 2 : : 2016/08/15(月) 11:32:27

    どうしてこうなったのか。


    超高校級のアイドル、舞園さやかはそんな思いを込め、包丁を力強く握りしめた。


    緊張からか流れる汗のせいで、彼女の黒く輝く髪の毛は、頬にペッタリと張り付ている。


    そんな姿も様になるのは、流石としか言いようがない。


    舞園(……この包丁は、護身用……人を殺しちゃ、駄目。私はアイドルだから)


    心の中で、そっと呟く。人を殺したアイドルが人を笑顔に出来るわけないってよく言うじゃない。


    そう自分に言い聞かせることで、彼女は理性を踏み外さなかった。いくらこれが七日間の出来事だとしても、彼女は常に世間から忘れられる恐怖と戦っていた。


    逆に言えば、言い聞かせないと踏み外してしまうほどの、危ういバランスで今、アイドル舞園さやかは成り立っている。
  3. 3 : : 2016/08/15(月) 11:55:26

    舞園(でも、もし忘れ去られたりでもしたら……ここで死んじゃったら)


    しかし、例え忘れようとしても、恐怖というのは根強いものである。常に行われるトップ争い。週ごとに変わる曲の売り上げランキング。


    そんな厳しいバトルロワイヤルを、彼女と、彼女の仲間達は乗り越えているのだ。


    彼女の思考に、絶対はない。一週間ぽっちでファンが自分達から離れていくことだってあるかもしれない。


    舞園(……もし、近くに人が来たら)


    手に持った包丁で、その人を指すしかない。それがクラスメートでも、友達でも、どんな人でも。


    一度殺したら、きっと、きっと怖くないはずだから。


    恐怖を隠すような言い聞かせをやめ、彼女は恐怖を解消するために言い聞かせを始めた。


    息を整え、静かに獲物を待つ。周りは暗いが、夕方からずっとここ──牧場の牛舎で過ごしてたのだ。十分目は慣れた。


    その時。


    シャッ。


    牧場の芝生を踏む音がする。しかも、こちらへ近づいている。彼女にとっては、好都合だった。


    舞園(……もっと、こっちへ)


    どうやら牛を牛舎に入れようとこちらへ来たようだ。まだ、まださせない。入れ終わって、背中を向けた瞬間だ。


    ……モー……。


    舞園(……今だ!)


    くるり、と背中を向けた瞬間、彼女は隠れていた場所から飛び出した。


    舞園(振り向く前に!!)


    出口の近くにいることで、いつでも逃げ出せるようにしていた。飛び出せるように走る構えをしていた。気を張りつめていた。


    最初とは真逆の使い方で、彼女は最初の体制を利用し、相手へ向かい包丁を突き立てた。


    舞園「……あっ……」


    しかし、その瞬間に避け、振り向く相手。背格好は、自分よりはるかに高い相手だった。


    舞園さやかは、自らの終わりを悟り、目をギュッと瞑った。


    ─本当に、どうしてこうなったんだったっけ。

  4. 4 : : 2016/08/15(月) 12:05:26
    期待です!
  5. 5 : : 2016/08/15(月) 12:45:41
    期待させていただきます!
  6. 6 : : 2016/08/15(月) 19:13:10
    >>4 ありがとうございます!

    >>5 ただしテメーはバルスだ、ありがとうございます
  7. 8 : : 2016/08/15(月) 20:02:23

    「オマエラはここで七日間、互いに希望を潰しあうんだクマよ」


    「コロシアイってやつクマね……うぷぷ」


    「なんだよ、オマエラ……理解してないクマ?ボクに逆らえないってことに」




    「じゃあ、誰か……見せしめになってもらうしかないよね?」




    ボクが死ぬ前の一連の出来事が、そのスクリーンには映し出されていた。


    気づいたら居たこじんまりとした劇場。あの世のような、そうではないような不思議な空間だった。


    本当にここがあの世なのかな。


    ……別に、死んでないとかそういうことを言いたい訳では無い。


    身体を見ても触っても、どこにも傷なんかないけど、確かにボクは一度死んだ。


    ただ、聞いていたあの世みたいな感じじゃないから、気になっただけだ。
  8. 9 : : 2016/08/15(月) 20:15:14

    よくある地獄とか天国とか、常識の範囲内でしかあの世を知らないけれど、こんなあの世もあるのかもしれない。



    ぽすん、と隣の席に何か落ちてきた気がしてそっちへ顔を向ける。


    見れば、片方が白色、もう片方が黒色というキャラクターのクマのカバーが掛けられた、薄いタブレット端末があった。


    ……これ、ボク達を閉じ込めた……モノクマ、だっけ?悪趣味なデザインだな……。


    (……とりあえず、起動させないと)


    手当たり次第にボタンを押し、起動し始めた。そこに用意されていたメニューは、たったの三つだけ。


    一つはお買い物。これはスルー。


    二つ目は、【コロシアイのルール】。開くと、ボクが参加するはずだった、コロシアイのルールが出てくる。


    「これは見た方がいい……かな?」
  9. 10 : : 2016/08/27(土) 15:57:51

    1.コロシアイはこの島の中のみで行われます。リタイアはできません。


    「……まあ、あんな風に島の中なら脱出しようが無いよね……」


    でも、……朝日奈さんなんかは泳いで脱出するとも言いかねない筈だ。


    その為のリタイア防止、なのかもしれない。


    2.コロシアイは七日間行われます。


    3.残り人数が規定数以下になるまでコロシアイは続きます。【卒業試験】をクリアした場合も同様です。ただし、七日目が終了しても規定数より多く生き残っていた場合、生き残った全員を処刑します。


    「【卒業試験】……?なんだそれ……それに、処刑って……!」


    とりあえず、今は一旦すべてのルールを読んでみよう。


    4.深夜12時から、朝7時までを【休憩時間】とします。休憩時間中のコロシアイは禁止です。


    5.もし、一日の内のどこかでコロシアイが起きなければ、全員を失格とみなし、生き残った全員を処刑します。


    6.前日の死亡者は翌日の6時30分に、こちらで配布したタブレット端末に通知します。


    「タブレット……これと同じものかな?」


    そうつぶやけば、上からまたぽすん、と落ちてきた。手のひらサイズの手帳のような……


    「これ……電子生徒手帳?」


    いや、違う。電子生徒手帳に酷使しているが、敢えて似せたようにも見える。とりあえず、この物体がタブレット端末のようだ。


    7.時間経過により、島を通行不可能にする場合があります。


    8.ルールは随時追加されます。
  10. 11 : : 2016/08/27(土) 16:17:03

    ……ルールを下にスクロールしていくと、どうやらここで終わりのようだった。


    しかし、次のページというボタンを見つけそこを押してみる。


    【卒業試験のルール】


    「これがそうだね」


    さっきも見かけた【卒業試験】を知るために、ボクは下へ下へとスクロールした。


    1.卒業試験は何人でも受けることができます。


    2.受ける時には、中央の島にある砂浜へ来て、卒業試験を受けることを宣言してください。


    3.卒業試験で、このコロシアイの首謀者を見事当て、動機をあてることが出来たなら、卒業を認めます。ただし、その場合卒業試験を受けなかった人は処刑されます。


    「……は」


    コロシアイの首謀者と動機を当てる?どうやって?それに、もし分かったとしても残った人が殺されるんじゃ……。


    こんなの、不可能だ。


    なんだか眩暈がしてきて、【コロシアイのルール】を閉じる。これは……あれだ、フィクションなんだ。これはゲームの世界で、目が覚めたらきっと南国が広がっていて……。


    なんだか、聞いたことあるな。南国が舞台で、実はそれはプログラムで……って……そんなこと考えている場合じゃない。


    最後に残ったメニューはメール。アイコンの角に表示された数字から、そこには既に一通のメールがあるのを悟った。


    開くと、そこには【モノクマから】というタイトルのメールが、やっぱり一通あった。


    「ここに、キミにも死亡した人たちのまとめ、死亡者リストをお送りするクマ。あと、勝手にメニューも追加されるクマよ。序盤で情けなく見せしめとして散ってあの世に送られた




    苗木誠クンも、是非良いコロシアイ生活……もとい、コロシアイ鑑賞生活を!




    苗木「散々な言われよう……というか、べつに見たくないんだけどな。コロシアイなんて」


    ただ、序盤で情けなく散ったことは否定出来ない……かも知れない。あはは、と乾いた笑いが聞き手を求めて空気中へと、溶けてしまった。

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