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ユミル「見てるぜ」

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  1. 1 : : 2016/08/10(水) 18:52:12
    好きなキャラを詰めました


    \作ってみました/
    http://www.ssnote.net/groups/2203/archives/1
    感想があればどうぞ
  2. 2 : : 2016/08/10(水) 18:52:50
    対人格闘訓練


    ベルトルト「今日も組む相手がいない…」

    ベルトルト「(どこかに余ってる人いないかな)」キョロキョロ

    教官「ベルトルト・フーバー!何をサボっている!」

    ベルトルト「えっ、いや…その」

    教官「そんなに個人活動がしたいなら、倉庫の整頓でもしていろ!」

    ベルトルト「は、はい!」


    ーーー
    ーーーーー
  3. 3 : : 2016/08/10(水) 18:53:22
    倉庫



    ベルトルト「怒られてしまった…」ハァ

    ベルトルト「(仕方ない…今はこの散らかった倉庫を片付けることだけを考えよう)」

    ベルトルト「って、随分埃っぽいな…扉は開け放しておくか…」ガラガラ


    ベルトルト「(うーん、それにしても薄暗い。前が見えな…うわっ!)」ガンッ

    ベルトルト「いたた、こんな所に棚が…ん?」

    ベルトルト「(額から何か垂れて……これは…血か)」スッ ヌルヌル

    ベルトルト「(…制服に着くと面倒だ。蒸発させて、ついでに傷もふさごう)」シュウウ

    「…おい」

    ベルトルト「ッ!?」

  4. 4 : : 2016/08/10(水) 18:53:47
    ユミル「お前…何してんだよ」スタスタ

    ベルトルト「!!」

    ベルトルト「(なんでユミルが?み、見られた?いや、現在進行形で見てる!ど、どうする?なにを喋ったらいい!?)」

    ユミル「なに黙って…おわっ!」ガタンッ! ドシン

    ユミル「ッいってぇ…なんだこの倉庫の散らかり具合は?尻餅ついちまったじゃねーか」

    ユミル「…なあ、見てないで手貸せよ。足ひねったんだ、動けねえ」

    ベルトルト「…う、うん」
  5. 5 : : 2016/08/10(水) 18:54:20
    ベルトルト「…」スタスタ

    ベルトルト「(……殺る、か…?)」

    ベルトルト「(口止めするには、それが最善だ)」ゴクリ

    ベルトルト「(…殺るしか、ないのか?)」ダラダラ

    ユミル「…なんだよその目は。そばまで来といて、突っ立ってんなよ」

    ユミル「つか、汗かきすぎじゃね?うわー汗まみれの手を握んなきゃなんねーのかよ。最悪…

    ベルトルト「」ガバッ

    ユミル「…」

    ベルトルト「…」ダラダラ

    ユミル「…」


    ユミル「…あ?」
  6. 6 : : 2016/08/10(水) 18:55:11
    クリスタ「キャーーー!!」

    ユミル「!?」

    ベルトルト「!?」

    クリスタ「倉庫で物音がしたからつい様子を見に行ってみたら、そこでベルトルトがユミルに覆いかぶさっていたなんてキャーー!!」

    ユミル「ちげっ、誤解だクリスタああああ!!」

    ベルトルト「!!??!?」


    アルミン「えっ!ベルトルトがユミルに!?」

    クリスタ「そう!ベルトルトは変に汗だくで、ユミルはそんなベルトルトをジッと見つめながら何かを待ち受けているかのように動かなかったわ!」」

    ミーナ「うわー生々しい!」

    ユミル「足ひねって動けなかったんだよ!!」
  7. 7 : : 2016/08/10(水) 18:55:40
    コニー「なんだなんだ、事故か!?」

    サシャ「それとも事件ですか!?」

    ジャン「あいつ、そういう趣味かよ…」

    ライナー「ベルトルト…?お前…」

    ベルトルト「!! ち、違う!」ガタッ


    ベルトルト「皆が思ってるようなことをしてたんじゃない!誤解なんだ、信じてくれ!!…あっ」ツルッ

    ユミル「ば、ばか!怪我人の前で転ぶんじゃーー



    ガタッ‼︎ ドシン!
  8. 8 : : 2016/08/10(水) 18:56:39
    ーーー
    ーーーーー

    医務室


    ユミル「…」

    ベルトルト「あ、あの」

    ユミル「…」ムスッ

    ベルトルト「包帯の巻き方…これでよかったかな」

    ユミル「…」

    ベルトルト「…い、痛くない?」

    ユミル「……痛くない、だあ?」

    ユミル「痛いか痛くないかときたら痛いに決まってんだろうがこのスットコドッコイ!!」パ-ン

    ベルトルト「ごごごめんなさい!」

    ユミル「足ひねって動けないところに、80キロが倒れこんできたんだぞ!足の指骨折だけで済んだのが奇跡なぐらいだ!」

    ベルトルト「ぼ、僕81キロだよ」

    ユミル「どうでもいいわんなもん!!」
  9. 9 : : 2016/08/10(水) 18:57:53
    ユミル「おまけになんだ、この包帯の巻き方はァ」

    ベルトルト「えっ…へ、変かな」

    ユミル「むしろどうやったらここへ行き着くのか聞きてえくらいだ」

    ベルトルト「えっと…こう…」グルグル シュッシュッ

    ユミル「手振りで伝わるかアホ。ジェスチャーゲームやってんじゃねーんだぞ」


    ユミル「まずな、怪我した箇所に巻いたまではいい。だが…」

    ユミル「なんで包帯全体にリボンの装飾あしらってんだよ!!」バンッ

    ベルトルト「そっそれは余った包帯とハサミで」

    ユミル「作り方は聞いてねーよ!」
  10. 10 : : 2016/08/10(水) 19:09:10
    ベルトルト「…君には悪いことをしたと思って、だから…」

    ユミル「はあ?それがどう悪趣味なリボンとつながるのか見ものだぜ」

    ベルトルト「ほっほら!女子はフリフリとか、リボンとか…好きだろ?それでせめてもの償いに」

    ユミル「リボンが好きそうに見えるか」

    ベルトルト「……ごめん」

    ユミル「見えるかって尋ねてんだよおらおら」グリグリ

    ベルトルト「ごっごめん!謝るから!」
  11. 11 : : 2016/08/10(水) 19:16:02
    ライナー「おい…被害者と言えど度が過ぎるぞ、ユミル」ガチャッ

    ユミル「出たな保護者」

    ベルトルト「ラ、ライナー」


    ユミル「いんだよ。教官だって完治するまでの1カ月はベルトルトを世話係に頼れつってたろ」

    ライナー「とはいってもなあ、こんな奴に仕えなきゃならんベルトルトが哀れだろ」

    ユミル「いや私のが哀れだ」スッ

    ライナー「…誰だ、そのふざけた包帯の巻き方をした奴は」

    ベルトルト「ぼ、僕…」

    ユミル「考案、実行も」

    ベルトルト「…僕です」

    ライナー「…」
  12. 12 : : 2016/08/10(水) 19:20:28
    ライナー「ユミル、お前可哀想だな」

    ユミル「だろお?」

    ベルトルト「ええっ!そんな、酷いよライナー!」

    ライナー「これについては何もフォローできん。すまん」

    ユミル「たっはっは!意外と物分かりの良い奴で助かったぜ!」

    ユミル「おいベルトルト!お前、良い親友を持ったな!ダハハハッ」

    ベルトルト「うう…」
  13. 13 : : 2016/08/10(水) 20:20:10
    ユミル「ダハハ…あ、クリスタに会いたい」

    ライナー「どうした突然」

    ユミル「むさ苦しい空間が嫌になったんだよ。あークリスタに癒されてえなー」

    ベルトルト「よ、呼んでくる」ガタッ

    ライナー「待て待て、座れ」ガッ

    ベルトルト「」ガタン

    ライナー「自らパシられにいくな。意思を持て」

    ユミル「まあ、その心意気は評価したいとこだが…うーん惜しい!落第点だな」

    ライナー「お前はどの立場から物を言ってんだ」

    ユミル「いいかい、ベルトルト。よくお聞き」

    ベルトルト「え、あ、うん」

    ライナー「惑わされるな、罠だぞ」

    ユミル「クリスタを連れてくるんじゃなくて、私を連れてくんだよなあ」グイグイ

    ライナー「ひほのほほおふへるな!(人の頬をつねるな!」
  14. 14 : : 2016/08/10(水) 20:31:02
    ベルトルト「…というと?」

    ユミル「だからあ、私はどちらにしろここから女子寮に帰んなきゃいけねーわけ。そんでクリスタも今きっと女子寮にいる」

    ユミル「いいな…お前がやる事は一つだ」

    ユミル「私を?女子寮まで?」

    ベルトルト「…運ぶ?」

    ユミル「よしよーし、上出来だ!」

    ライナー「アホか!それは同性に頼んでこい!」バッ

    ユミル「非力な女子にやらせてどーすんだよ。今こそお前らの無駄に暑苦しい筋肉の出番だろ」

    ユミル「なあ、ベル……お前の名前長いな。略すわ」

    ベルトルト「あっ、どうぞ」

    ユミル「なあ、ベルトルさん!その筋肉は何のためにある?」

    ベルトルト「えっ!…なんだろう」

    ユミル「そう、私を運ぶためだ!」

    ライナー「こいつ無茶苦茶すぎるぜ…」
  15. 15 : : 2016/08/10(水) 20:58:49
    ユミル「んだよ、文句の多い野郎だなあ」

    ユミル「はあ…わかったわかった。クリスタに運んでもらうとするよ」

    ライナー「…なに?」

    ユミル「ベルトルさん、悪いがそこらへんの女子捕まえて、私がクリスタを呼んでるって伝えてきてくれ」

    ベルトルト「あ、うん」ガタッ

    ライナー「待つんだベルトルト」ガッ

    ベルトルト「」ガタン

    ライナー「ユミル、明らかな人選ミスがあるぞ」

    ユミル「いいやぁ?あいにく私はこういう事頼める友達が少ないんでね」ニヤ

    ライナー「なっ…」

    ユミル「あいつのことだから、誰の助けも借りずひとりで私を運んでくれるんだろうなあ」

    ライナー「(確かにクリスタならやりかねないが、あの体格差でまともに運べるわけねえだろ…)」

    ライナー「汚ねえぞ、おい」

    ユミル「へへん、賢いって言ってくれ」
  16. 16 : : 2016/08/11(木) 00:00:56
    ベルトルト「…僕、やっぱりクリスタ呼んできた方がいい?」

    ライナー「だめだ」

    ベルトルト「えっ」

    ライナー「お前、ユミルを運びたいんだよな?運びたいってさっき言ってたよな?」

    ベルトルト「あ、いや、そんな事は…」

    ライナー「よし行ってこい!教官が許さなくとも俺が許す!」

    ベルトルト「!? ライナー、なんか君怖いぞ!」

  17. 17 : : 2016/08/11(木) 00:19:20
    ユミル「おーし、保護者の許可も出たことだし…」

    ユミル「さあベルトルさん、その筋力を存分に発揮してくれ」

    ベルトルト「う…うん」

    ベルトルト「…えっと(どう運べばいいんだろう)」

    ベルトルト「(とりあえず肩に担げばいいのかな…)」


    ベルトルト「よっ、と」グッ

    ユミル「ぎゃっ!」ドサ

    ベルトルト「これで女子寮まで運べばいいんだよね」

    ユミル「いいわけあるか!なんで私はケツ晒して運ばれなきゃなんねーんだよ!」

    ライナー「いや、それでいいぞベルトルト。すげえ良い…クク」

    ユミル「笑うな!」ジタバタ

    ベルトルト「わわっ!そ、そんなに暴れたら落ちちゃうぞ!」

    ユミル「こんな格好晒すくらいなら落ちて更に怪我負った方がマシだぜ!」

    ベルトルト「それは君の世話係期間がいたずらに延びるだけだからやめてくれ!」
  18. 18 : : 2016/08/11(木) 00:33:18
    ライナー「クックック…っはーあ、良いもん見せてもらった」

    ライナー「そろそろ勘弁してやれよ。一応相手は女子だしな」

    ベルトルト「え、なにが?」

    ライナー「なにって…まさかこのまま担いでくつもりか?」

    ベルトルト「?…だめ?」

    ユミル「だめだだめだ!ぜーったい許さん!」ジタバタ

    ベルトルト「あっ!も、もう!」

    ライナー「…ユミルはともかく、お前がそれでいいってんなら俺は反対しねえけど」

    ベルトルト「…けど?」

    ライナー「絵面的になあ…」

    ベルトルト「なんだよ、勿体ぶらずに早く言ってくれ」

    ライナー「…お前は今、顔の隣に女のケツがあるんだぞ」ボソッ

    ベルトルト「!?」
  19. 19 : : 2016/08/11(木) 00:52:12
    ライナー「しかもその状態をキープするのに、腰やらなんやら触らなきゃいけねえわけだろ?そうなると、多少ラッキースケベ的なオプションも付いてくるが…」

    ベルトルト「ユ、ユユユミル!下ろすよ!!」

    ユミル「は!?うぎゃっ!」ドシン

    ユミル「ッッ…!コソコソ喋ってると思ったら、急に下ろすとは何事だてんめえ!」

    ユミル「おかげでケツ強打したぞ!」ヒリヒリ

    ベルトルト「お、お尻……違う!僕はそんなつもりじゃない!」ブンブン

    ユミル「ああ…?」

    ライナー「女に飢えてるベルトルトはいなかったんだな、よかったよかった」

    ベルトルト「なっ…僕がそういう奴じゃないことは、君が一番よく知ってるだろ!」

    ライナー「だが今日の一件の疑いはまだ晴れてないぜ。あの、誰もいない倉庫でユミルを押し倒してたとかいう…

    ベルトルト「女子寮行ってきまーす!」ガッ、ドサ

    ユミル「のわっ!おい、変に抱き上げるな!!」



    ガチャッ バタン!
    タッタッタッ…


    ライナー「……ユミルか。厄介だな」
  20. 20 : : 2016/08/11(木) 03:41:29
    ーーー
    ーーーーー


    アニ「へえ…そう」

    ライナー「ああ。怪我の完治はおよそ1カ月らしいんだが」

    ベルトルト「ご、ごめん、遅れた…っ」ガチャッ

    アニ「やっと来た」

    ライナー「遅刻の理由は件のあれか
    ?」

    ベルトルト「うんまあ…彼女、人使いがすごく荒くて」

    ライナー「ほら、もう彼女呼びですって」コソッ

    アニ「俺の女アピールってやつ?」コソコソ

    ベルトルト「い、今のはただの三人称だよ!!」

    ライナー「きゃーこわーい」ナヨッ

    ベルトルト「一発殴っていい?」

    アニ「イラっとしたから私も」

    ライナー「すまん」
  21. 21 : : 2016/08/11(木) 13:40:31
    アニ「あんたが来るまでにライナーから話は聞いたよ。大変そうなのは分かったわ」

    ベルトルト「あ、あはは…」

    アニ「ても自業自得だね」

    ベルトルト「!?」

    アニ「あんたが今日ユミルを襲わなきゃ、こんな事態に陥ることなかっただろ」

    ベルトルト「おそっ…!?ラ、ライナー!事実より飛躍してるぞ!」

    ライナー「ああん?俺はちゃんと説明したつもりだぜ」

    ベルトルト「ちゃんと説明した結果がこれか!?」

    ライナー「情報が足りねえんだよ」

    ベルトルト「足りない部分は?」

    ライナー「想像で補った」

    ベルトルト「こらー!!!」

    アニ「すでに色んな噂が出回ってるんだよ。双方合意の上だったとか、三角関係の末ドロドロの浮気現場だとか」

    ライナー「俺はユミルの浮気がバレて、ベルトルトが問い詰めてるシーンだったとも聞いたぜ」

    ベルトルト「…」

    アニ「とにかく…噂話に疎い私の耳にまで届くってことは、相当なゴシップネタってことさ」

    ベルトルト「え、みんな僕にそんな恋愛事情が隠されてると思ってるの?歩く壁とも言われてるのに?」

    ベルトルト「壁に恋愛なんてできる?」

    アニ「…ベルトルトっていじめられてるの?」

    ライナー「いやそんな事はない…と、思うが…」

    アニ「ちょっと思い当たるとこあるんだ」

    ライナー「まあ…噂なんて独り歩きしてなんぼだろ。要は面白けりゃいいんだよ」

    ベルトルト「そんな…」

    ベルトルト「自慢じゃないけど僕、フ、ファーストキスも済んでないんだよ!」

    アニ「だからそれは今日卒業…」

    ベルトルト「してない!!」
  22. 22 : : 2016/08/11(木) 13:57:46
    ライナー「興奮してるとこ悪いが、噂には共通した部分があってだな」スッ

    ベルトルト「あ、嫌な予感しかしない」

    アニ「なんで私の耳をふさぐの」

    ライナー「小さい子には聞かせたくないという俺の配慮だゲフッ」ヨロッ

    アニ「」ゲシゲシ

    ライナー「ちょっ、いてっ、蹴りすぎだって」

    ベルトルト「アニ!オーバーキル!オーバーキルだから!」スッ

    アニ「ふん」

    ライナー「いてて…俺今何してたっけ」

    ベルトルト「まさか…後遺症…!?」ゾワッ

    ライナー「いや思い出した。ギリ」

    ベルトルト「(ギリ…?)」

    ライナー「噂の共通点はな、すべて最後までいった設定なんだ。だからお前、104期男子の中で今レジェンドになりつつあるぞ」

    ベルトルト「!?」
  23. 23 : : 2016/08/11(木) 14:12:51
    ライナー「アニ、ちなみに最後までって何のことだが分かるか」

    アニ「プロポーズ」

    ベルトルト「!??」

    ライナー「そうだプロポーズだ。よく分かったな」

    アニ「バカにしないでよ」

    ベルトルト「(ライナー…君ってやつは…)」グスン

    アニ「…あんたなんで涙ぐんでるの」

    ベルトルト「や、ちょっとライナーの優しさに胸打たれて」

    アニ「はあ?」
  24. 24 : : 2016/08/11(木) 15:16:26
    ライナー「情報が錯綜してる今、当事者に真実を話してもらうことが一番だろう」

    ライナー「というわけで、頼んだ」

    ベルトルト「えっ」

    アニ「待ってました」パチパチ

    ライナー「ひゅーひゅー」 パチパチ

    ベルトルト「あれ、おかしいな。二人がこの状況を楽しんでいるように見えるぞ」

    ライナー「こんな祭り、そうそうねえからな」

    アニ「早くして」

    ベルトルト「うう…」


    ベルトルト「(まずいところを見られたので殺そうか迷ってました、なんて口が裂けても言えないよ…)」
  25. 25 : : 2016/08/11(木) 15:20:03
    ライナー「おいまだか?アニのカウントが終わる前に話し出さねえと、もれなく蹴りが飛んでくるぜ」

    ベルトルト「ええっ!?」

    アニ「3、2…」

    ベルトルト「あっ、えっと」

    アニ「1…」

    ベルトルト「まっまずいところを見られたので口止めしようとしてました!!」

    ライナー「…」

    アニ「…」

    ベルトルト「…」


    アニ「…なるほど」

    ベルトルト「!?」
  26. 26 : : 2016/08/11(木) 15:25:57
    アニ「口づけで口止めを…」

    ライナー「ぶふっ」

    ベルトルト「こ、こんな時に頓知きかせないで!」

    ライナー「はっはっは!冴えてるなあ、アニ!」

    アニ「えっ違うの」

    ベルトルト「口止めといっても殺そうとしてただけだよ!あっ」

    ライナー「は?」
  27. 27 : : 2016/08/11(木) 15:37:30
    アニ「…心中?」

    ライナー「うわマジかよ…俺はてっきり純愛だと信じてたのに」

    アニ「賭けは私の勝ちだね。やっぱりこいつにはドロドロの恋愛劇がお似合いなのさ」

    ライナー「チッ…しくったなあ」

    ベルトルト「僕で賭け事始めないでくれる!?」


    ベルトルト「それに…僕は彼女のことを何とも思ってない!まともに喋ったのも、今日が初めてだ!」

    ライナー「今更そんな事言われてもなあ。何故、ああいう状況に陥ったのか謎が深まるだけだぜ」

    アニ「ちゃんと一から説明して」

    ベルトルト「そ、それは…」


    ベルトルト「……ユミルに聞いてくれ!!」ガチャッ バタン!

    アニ「あ、逃げた」

    ライナー「やれやれ…」
  28. 28 : : 2016/08/11(木) 15:48:44
    翌日



    ベルトルト「だからさ…多分ライナーが皆を代表して詳細を聞きにくるから、口裏を合わせようって」

    ユミル「はあ?なんでそんな事しなきゃなんねーんだ?かったりい」

    ベルトルト「僕の言葉はもう聞き入れて貰えないんだよ!」


    ライナー「よう」

    ベルトルト「あっ…ラ、ライナー」

    ライナー「揉めてるとこ悪いが、真実を聞きに来たぜ。気になって訓練が手につかないって訴えがいくつも俺に来てんだ」

    ユミル「それはそれは!ご苦労なこって」ヘッ


    ベルトルト「(…噂の中で、ユミルは一応被害者とされている)」

    ベルトルト「(被害者の言葉なら、どんな内容であれ受け入れてもらえるだろう。けど…)」

    ベルトルト「(問題は、"あの日見ていたか、いないのか" なんだよなあ…!)」ダラダラ

    ライナー「ベルトルト…お前具合悪いのか?」

    ユミル「うへっ!また汗まみれかよ、ばっちい!」
  29. 29 : : 2016/08/11(木) 16:01:32
    ユミル「まあ私は身に起きた事実を語るだけだからな。ベルトルさんは観念しろってこった」

    ベルトルト「…」ダラダラ

    ライナー「で、どうなんだ。昨日、何があった」

    ユミル「そう急かしなさんな。それをこれから喋るっての」


    ユミル「…昨日、私は対人格闘訓練をサボってたんだ」

    ユミル「ところがどっこい、教官に見つかってな。倉庫の整頓してろって命令されたのさ」

    ベルトルト「あ…ぼ、僕もそう。組む相手を探してたら、サボってると勘違いされて…」

    ライナー「ベルトルト、それからユミルの順で倉庫に向かったわけか」

    ユミル「みてえだな。私が着いた時には、既に中で巨人がたたずんでたし」
  30. 30 : : 2016/08/11(木) 16:16:19
    ユミル「で、まさか先客がいるとは思わなかったんで、格好から訓練兵らしき人影に"何してんだ"って声かけたんだよ」

    ライナー「人影って…ベルトルトとは気が付かなかったのか?」

    ベルトルト「!」

    ユミル「ああ…そうだ。少しして、サイズ的にベルトルさんじゃねえかとは思いついたけど」

    ユミル「初めのうちは分かんなかったよ。なんせ薄暗かったし、なあ?」

    ベルトルト「…うん」

    ライナー「ほーう」

    ユミル「そんで、顔を確認しに行ったらコケて無様に尻餅ついて、足ひねったのさ」


    ユミル「だから手を貸せってコイツに言ったんだ。そしたら恐る恐るって感じで出てきたな」

    ユミル「私の前まで来ると、何故か立ちぼうけでさあ。その時ベルトルさんの顔がはっきり見えたんだ」

    ユミル「で…急に私に顔近づけてきて、クリスタが叫んでオシマイ」

    ライナー「なるほどな…って、はあ?」

    ユミル「私は十分語ったぜ。あーもう喉がカラカラだ、ベルトルさん後で水持ってきてくれ」

    ベルトルト「う、うん」

  31. 31 : : 2016/08/11(木) 16:26:20
    ライナー「本当にこれだけか?」

    ユミル「これだけだ」

    ライナー「嘘…だろ…」

    ユミル「嘘っつわれても、他に何も出ねえよ!」

    ユミル「ベルトルさんが急に距離詰めてきたのだって、どうせ倉庫の物に蹴つまずいた拍子に…とかじゃねえの?」

    ベルトルト「そ、そうなんだ」コクコク


    ユミル「大体、噂が独り歩きし過ぎなんだよ。いくつかは三流小説の内容引っ張ってきたようなくっだらないモンだしな」

    ユミル「それで私はクリスタとの仲を引き裂かれて、今憎悪に燃えてんだよ…」

    ベルトルト「ひっ…」

    ライナー「…クリスタとうまくいってないのか?」

    ユミル「…いや、なんつーか…あいつ人の為になる事大好きだろ?」

    ユミル「それが何をとち狂ったか、「ユミルの恋路を応援する!」って言い出してさあ…」

    ライナー「ぶっ」

    ベルトルト「ぶふっ」

    ユミル「おい。ライナーはともかく、何でベルトルさんは笑っていられんだ?ええ?」

    ベルトルト「ご、ごめん…」
  32. 32 : : 2016/08/11(木) 16:42:19
    ユミル「んじゃ、ライナーはこの事実をしっかり皆に広めてくれよ」

    ライナー「まあ…努力する」スタスタ

    ベルトルト「(よかった…ユミルのおかげで助かった)」


    ベルトルト「(…でも、本当に見ていなかったとは信じがたい)」

    ベルトルト「(倉庫に現れた時から、ユミルは僕の顔をじっと見てた。眉をひそめて…)」

    ベルトルト「(…正体に気付きながらも、僕を庇った…ってことは無いよな。うん、無い)」


    ベルトルト「(…ということは弱味を握って、僕をどうにかするつもりじゃ)」チラッ

    ユミル「あ?なんだよ。水まだかよ」

    ベルトルト「い、今持ってくる」
  33. 33 : : 2016/08/11(木) 16:46:27
    ユミル「…お前さあ」

    ベルトルト「え」

    ユミル「何してたんだ?」

    ベルトルト「…!?」

    ユミル「ライナーに説明する時は深く語らなかったけど…」

    ユミル「倉庫にいたお前は、とても物を片付けてるようには見えなかったぜ」

    ベルトルト「え、あ…」

    ユミル「私の存在に気付いた途端、妙に慌てだしやがって」

    ユミル「おまけにその時の顔…」

    ベルトルト「(…顔!?)」

    ユミル「あれは

    ベルトルト「水持ってくるね!?」ダッ

    ユミル「…」
  34. 34 : : 2016/08/11(木) 16:52:06
    ベルトルト「(まずい、どうしよう。ユミルはやっぱり…)」

    ベルトルト「(いや!ただ、顔って言いかけただけじゃないか!まだ見ていない可能性のが高い!…多分)」


    ベルトルト「(…ユミルのところへ戻って、本題を問うか?)」

    ベルトルト「(うーん…それで運良く答えがNOだったとしても、何か勘付かれるかもしれない…)」

    ベルトルト「(なにより、気が進まない…)」

    ベルトルト「(だってユミル怖いし)」


    ベルトルト「…よし」



    ーーー
    ーーーーー
  35. 35 : : 2016/08/23(火) 12:23:39
    コニー「なあ聞いたか?ライナーの話」

    サシャ「真実がそうならガッカリですね…」

    ジャン「俺には火消しのように感じたけどな」

    マルコ「でもみんながどう憶測しようと、真実は真実だし…ここらへんが潮時じゃないかな」

    サシャ「それじゃつまらないです!もっと炎上させましょう!」バ-ン!

    マルコ「恥を知れよ!?」
  36. 36 : : 2016/08/23(火) 12:28:09
    コニー「でもベルトルトが"大人になった"っていう噂さ、妙に生々しくてリアルだよなー!」

    ジャン「噂によっちゃ、プレイまで事細かに説明してあるからな」

    サシャ「?…大人?」

    サシャ「ベルトルト、二十歳になったんですか?それはおめでとうございます」

    ジャン「ちげえよバカ」

    サシャ「じゃあなんなんですか」ムッ

    ジャン「そんなの、アレに決まってんだろ?」ニヤ

    コニー「そうそう!セッ

    マルコ「だから恥を知れよ!!?」



    ライナー「…熱が冷めた気配はないな」

    アニ「むしろ盛り上がってる感じ」
  37. 37 : : 2016/08/23(火) 12:29:09
    ライナー「ここまで事を大きくされるとは…」

    アニ「私も予想してなかったよ。笑い話じゃ済まなくなってきたね」

    ライナー「うーむ、何もなかったってことを強調したつもりだったんだが」

    アニ「そんなの、火に油を注ぐようなもんだよ。陰謀論なんかが好きな奴には、大好物のワードさ」

    ライナー「ジャンみたいな」

    アニ「そう、ジャンみたいな」

    ジャン「誰が陰謀論大好きな捻くれ者だって!?」

    アニ「そこまでは言ってない」

    ライナー「ばっ、馬鹿野郎!盗み聴きするな、あっちへ行け!」

    ジャン「呼んだのはそっちだろ!」

    ライナー「呼んでねえよ!」
  38. 38 : : 2016/08/23(火) 12:30:37
    ユミル「…どうやら向こうは白熱してるみてえだな」

    ベルトルト「あ、あはは」

    ユミル「あはは、じゃねえよこのスカポンタン!!」バ-ン

    ベルトルト「ひいっ!」

    ユミル「今、この訓練所で何が起きてるのか知らねえのか!」

    ベルトルト「え…えっと」

    ユミル「遅い!!」バ-ン

    ベルトルト「えっ、ええ!」


    ユミル「こんにちの訓練所ではライナーの報告を受けて "やっぱり噂は所詮噂だよね派" と、"絶対何かあるぞ派" の二大派閥に別れてんだぞ!」

    ベルトルト「名前が長い!」
  39. 39 : : 2016/08/23(火) 12:33:59
    ユミル「ちなみに、他の派閥には」

    ベルトルト「まだあるの?」

    ユミル「"真偽はともかくエロけりゃいいんだよ派" 、"昼ドラ大好き!もっとドロドロしろ派"」

    ベルトルト「淡々とそういう言葉口にしないでくれ」

    ユミル「"そんなのどうでもいいから巨人駆逐したい派"なんてのもある」

    ベルトルト「それエレンでしょ。僕、分かるよ」

    ミカサ「"とにかくエレンを愛でたい派"もある」ズイッ

    ユミル「…場所、移動しようぜ」

    ベルトルト「…うん。賛成」
  40. 40 : : 2016/08/23(火) 12:38:35
    ユミル「ここなら誰もいねえな」キョロキョロ

    ベルトルト「うん」

    ユミル「でだな…私達の今後についてだが」

    ベルトルト「うっ、うわああっ!?」

    ユミル「!!」


    ユミル「どうした、ミカサがついてきてたか!?」

    ベルトルト「ぼ、僕の頭にイモムシが乗ってる!!」

    ユミル「…」



    ベルトルト「…気がする!!」

    ユミル「気がする、ってなんだよオイ」ベシッ

    ベルトルト「いたっ」
  41. 41 : : 2016/08/23(火) 12:41:27
    ベルトルト「いやあの、ごめん…今頭に何かが落ちた感触がして、しかもそれが動いてるような気がしたから…」

    ユミル「だからって大声あげんなよ、ベルさんよお!」

    ベルトルト「(ベルさん…)」

    ユミル「頭の上に乗ってんのはただの葉っぱ…

    ユミル「…」

    ユミル「巨大なイモムシだな」

    ベルトルト「ひっ!?」
  42. 42 : : 2016/08/23(火) 12:52:01
    ベルトルト「取って!取って!!」ピョンピョン

    ユミル「変なダンス踊ってちゃ取ろうにも手が届かねえっての!」

    ベルトルト「はあ!?こんなのジッとせずにはいられないだろ!?」

    ユミル「私にキレんなよ!!」


    ユミル「まったく…仕方のないウドの大木野郎だぜ」ベシッ

    ベルトルト「いたいっ」

    ユミル「ほらよ、満足か」

    ベルトルト「…取れた?」

    ユミル「ああ、取れた取れた。ごっそりとな」

    ベルトルト「あ、ありがとう。表現がおかしいけど…」

    ベルトルト「…」

    ユミル「なんだよ?黙って」
  43. 43 : : 2016/08/23(火) 12:56:53
    ベルトルト「その手にあるのは…葉っぱだよね」

    ユミル「葉っぱだな」

    ベルトルト「僕を騙したのか?」

    ユミル「騙してねえよ。知らなかったか?私は葉っぱのことをイモムシって呼んでんだ」

    ベルトルト「騙してるじゃないか!!」

    ユミル「ダッハッハ!お前のダンス、キマッてたぜ!」

    ベルトルト「…」カアア

    ユミル「…あ?ベルトルさん、急に日焼けしたな。頬のあたりとか」

    ベルトルト「顔が紅潮してるんだよ!地黒の肌と赤が混ざって濃い茶色に見えるだけで!」

    ユミル「わかりにくいなあ…美白しろよ」

    ベルトルト「僕だってできるものならちょっとしてみたいよ…」
  44. 44 : : 2016/08/23(火) 14:33:55
    ユミル「してみたいのかよ」

    ベルトルト「うん、ちょっとしてみたい」

    ユミル「まあその方が存在感あるかもな」

    ベルトルト「でも地黒の僕が美白になったら、数少ない僕の特徴が失われそうだからちょっとでいい」

    ユミル「どこを?」

    ベルトルト「顔のみ…とか」

    ユミル「…いや、やるなら全身にしとけ。顔だけ浮かび上がってきもい」


    ユミル「でもベルトルさんの特徴って目立ってるよな」

    ベルトルト「えっ、そ、そうかな」

    ユミル「背は馬鹿みてーにでけえし、肌はうんこ色だし、目は闇を抱えてるみたいに黒い」

    ベルトルト「…君に嫌われてることはよく分かったよ」

    ユミル「察しがいいことで」
  45. 45 : : 2016/08/23(火) 14:51:47
    ベルトルト「け、けど…君も僕の肌色に近いじゃないか」

    ユミル「私がうんこだって言いたいのか!?」

    ベルトルト「いや…

    ユミル「うんこだって!!?」

    ベルトルト「汚物を大声で叫ばないでくれ!!」
  46. 46 : : 2016/08/23(火) 15:01:48
    ベルトルト「あの…なんでここに来たんだっけ」

    ユミル「私達の今後について話し合うためだ」

    ベルトルト「うん」

    ベルトルト「…脱線、しまくってるね」

    ユミル「ああ?元はと言えばお前のせいだろ?」

    ベルトルト「ご、ごめん」

    ユミル「私だって、ウドの大木なんか放ってクリスタを愛でてえよ」

    ベルトルト「愛でてきたら…いいんじゃないかな」

    ユミル「それが出来たら苦労しねえ」

    ベルトルト「そっか…」

    ユミル「…」


    ユミル「ベルトルさんのせいで距離取られてんだろうが!!!ざっけんな!!」バ-ン

    ベルトルト「情緒不安定だね!?」
  47. 47 : : 2016/08/23(火) 16:07:00
    ユミル「いいか、私達は窮地に立たされてる」

    ベルトルト「う、うん」

    ユミル「影響力の大きいライナーをもってしても、未だあることないこと喋ってる輩が多くいるんだ」

    ユミル「この事件のほとぼりが冷めるまで、かなりの時間を要することは明らか…」

    ユミル「あ、クリスタにべったりしたい」

    ベルトルト「冷静に分析してる途中で欲望に負けないでくれよ」

    ユミル「だってベルトルさん、クリスタにまったく似てねえんだもん〜」

    ベルトルト「…だから?」

    ユミル「想像でカバーできる範疇を超えてるぜ」

    ベルトルト「クリスタと対極の存在であることは自負してるけど…僕をクリスタに見たてるなよ」

    ユミル「やっぱ無理があるよなあ」

    ベルトルト「うん」

    ユミル「だよなあ…」
  48. 48 : : 2016/08/23(火) 16:31:27
    ユミル「はー、世話係を変えるしかねえか」

    ベルトルト「えっ」

    ユミル「クリスタひとりじゃ頼りねえし…サシャも世話係に任命すっかな〜」

    ベルトルト「…だめだ」

    ユミル「…なにが」

    ベルトルト「世話係は僕だよ」

    ユミル「それを今から解放してやるつってんだろ。教官には私から言っとくよ」

    ユミル「これでお前は晴れて自由の身だ、よかったな」

    ベルトルト「よ、よくない」

    ユミル「はあ?」

    ベルトルト「ほら、責務は…全うしないと」

    ユミル「意外と堅物だな、めんどくせえ…ベルトルさんだって喜んでやってたわけじゃねえだろ?」

    ベルトルト「当たり前だろ!!我儘だし、注文多いしよく怒鳴るし!」

    ユミル「そこ力説するなよ!!」
  49. 49 : : 2016/08/23(火) 16:41:07
    ベルトルト「とにかく僕は…この役職を下りる気はないよ」

    ユミル「思いっきり矛盾してんじゃねーか…」

    クリスタ「ベルトルト…」グスッ

    ユミル「は?…クリスタ!?」

    ベルトルト「えっ」

    クリスタ「憎まれ口を叩きながらも、ユミルを献身的に支えようとするなんて…それだけ想いが強いんだね」グスン

    ベルトルト「あっ、えっ」

    クリスタ「ああ、もう!二人に嫉妬しちゃうな…でも感動したよ」

    ユミル「嫌な予感しかしねえぞオイ」

    クリスタ「私、二人のこと応援してるから!」ダッ

    ベルトルト「ど、どうも」

    ユミル「言葉の意味をよく考えてから返事しろよベルトルさん!!」
  50. 50 : : 2016/08/23(火) 18:02:19
    ユミル「ああああ待ってくれクリスターーー!!」

    ベルトルト「…見えなくなっちゃった」

    ユミル「くそっ!あいつあんなに足速かったか!?」

    ベルトルト「うーん、怪我によって君の走る速度が落ちただけじゃないかな」

    ユミル「なるほどな!」

    ユミル「ってなんでベルトルさんは私を背負って追いかけねえんだよ」ベシッ

    ベルトルト「うっ」

    ベルトルト「い、いや…先日運んで以来、君が運搬禁止令出すから…」

    ユミル「それはそれ!これはこれ、だ!」

    ベルトルト「えっ…じゃあ運べばいいの?」スッ

    ユミル「このオタンコナス!」ベシッ

    ベルトルト「!?」
  51. 51 : : 2016/08/23(火) 18:08:08
    ユミル「その構えにゃ覚えがある…。ベルトルさん、いつぞや女子寮に向かった時と同じ運び方しようとしてるだろ?」

    ユミル「あの、肩に担いでは急に下ろした後の」

    ベルトルト「…うん」

    ユミル「アホか!それが嫌で私は禁止令を出したんだ!ケツ晒すのは勘弁ならねえけど、それも勘弁ならねえ!」

    ベルトルト「で、でもあれが一番安全だよ。肩に担ぐより安定してるし…健全だし」ゴニョゴニョ

    ユミル「っはー…」

    ユミル「何が悲しくてこんな奴にお姫様抱っこされなきゃなんねーんだか」

    ベルトルト「…え?」

    ユミル「あ?」

    ユミル「…ベルトルさん、日焼けしてるぞ」

    ベルトルト「……うん」

    ユミル「まさかとは思うが、今更運び方に恥を覚えたとでも」

    ベルトルト「…//」テレテレ

    ユミル「おせーーよ!!!」
  52. 52 : : 2016/08/23(火) 20:30:15
    ユミル「私はな!!あの日、お姫様抱っこされる屈辱を!女子寮に着いた時の視線を!ひとりで耐えてたんだぞ!!」

    ベルトルト「あれお姫様抱っこだったんだ…//」

    ユミル「自覚ナシとは恐れいったぜこのトンマ!!」

    ベルトルト「ご、ごめん。あの時は暴れる君を落とさない事だけに必死で…」

    ユミル「あー落として欲しかったなあ!」

    ベルトルト「…最初にやった、肩に担ぐ方法のがよかった?」

    ユミル「あれはもっっっとダメだバカ!!!」

    ベルトルト「だ、だよね!!!ハレンチだし!!」

    ユミル「はあ…アホなお前と可哀想な私をを見て、みんな内心「今時お姫様抱っことか(笑) 」「ちょーウケる(笑)」って思ってたに違いねえ」

    ベルトルト「う、うわあああ…」ピョンピョン

    ユミル「跳ぶのムカつくからやめてくんね」

    ベルトルト「はい」
  53. 53 : : 2016/08/25(木) 21:13:50
    ユミル「なんで飛び跳ねてんだよ」

    ベルトルト「恥ずかしさのあまり…?」

    ユミル「かわい子ぶってんじゃねーぞおらおら!」グイグイ

    ベルトルト「い、痛いよ!」

    ユミル「ああ知ってるぜ!」

    ベルトルト「知ってるならやめて欲しいな!」

    ユミル「やだね!今私はベルトルさんを痛めつけたい気分なんだよ!」

    ベルトルト「どんな気分だよ!」

    ユミル「こんな気分だ!」グイグイ

    ベルトルト「いっ、痛いって!せめてやり方を考えてくれ!ち、ちょっとこれは…」
  54. 54 : : 2016/08/25(木) 21:21:12
    ミーナ「あ、噂の二人だ!」

    アニ「…」

    ベルトルト「!?」

    ミカサ「…アルミン、ユミルとベルトルトは何してるの?」

    アルミン「えっ…と僕にもよく分からないけど、ユミルがベルトルトのベルトを掴んで、全力でズボンを上げようとしてるところじゃないかな」

    ミカサ「…ダジャレ?笑った方がいい?」ニカ-

    アルミン「狙って言ったわけじゃないからウケたフリしなくていいよ」

    ミーナ「わーお…制服のズボンって食い込んで痛そうね」

    アニ「…あんまり見るもんじゃないよ」

    ベルトルト「はっ…(ア、アニの視線が過去最高に冷めてる!!)」


    ベルトルト「ユミル!!早く離れて!!」

    ユミル「今忙しい!」

    ベルトルト「バカなこと言うなよ!」

    ユミル「うるせえ!このまま股が裂けちまえ!」

    ベルトルト「や、やめっ…!」



    \アッー/
  55. 55 : : 2016/08/25(木) 21:39:15
    ユミル「ふースッキリした」

    ベルトルト「…グスッ(犯された気分…)」シクシク

    ユミル「なに泣いてんだよ、女々しいな」

    ベルトルト「誰のせいだと思ってるんだ…さっきの4人、ドン引きで去っていったじゃないか」

    ユミル「気のせい気のせい!」

    ベルトルト「気のせいで済ませられたら苦労しないよ!」

    ベルトルト「怪我してるくせに、君のどこにそんな力が隠されてるんだ?僕、もう怖くて眠れないよ」

    ユミル「あー火事場の馬鹿力ってやつ?」

    ベルトルト「それは文字通り火事に遭った時発揮してくれ」
  56. 56 : : 2016/08/25(木) 21:52:23
    ユミル「よし、帰るか。満足したしな」

    ベルトルト「僕は不満が爆発しそう」

    ユミル「そうか。じゃ、解散!!」

    ベルトルト「ひどい」シクシク


    ベルトルト「…諸々の事情が何も解決してないけど、いいの?」

    ユミル「もうだりーよ。お前といるとロクなことねえ」

    ベルトルト「悲しいけど言えてる」

    ユミル「明日は明日の風が吹く、ってな。まあなんとかなるだろ」

    ユミル「さー帰ろ帰ろ」

    ベルトルト「…あ、はい」スッ

    ユミル「…なんだよ」
  57. 57 : : 2016/08/25(木) 22:09:16
    ベルトルト「え…ほら、肩を…」

    ユミル「揉んでほしいってか?」

    ベルトルト「ち、違うよ。運ぶの禁止されてから、ずっと僕が肩貸して歩いてたじゃないか」

    ベルトルト「だから…いつもみたいに腕、回してくれ」

    ユミル「はー…いいってもう」

    ベルトルト「え?」

    ユミル「ベルトルさんに世話んなるのはもう御免だ。さっきも言ったろ?じゃあな」スッ

    ベルトルト「…」
  58. 58 : : 2016/08/25(木) 22:13:07
    ユミル「…」ヒョコッ、ヒョコッ

    ベルトルト「…」スタスタ


    ユミル「……付いてくんなよ…」

    ベルトルト「いっいや、たまたまだから。気にしないで」

    ユミル「…あっそ」ヒョコッ、ヒョコッ

    ベルトルト「…」スタスタ


    ベルトルト「…歩き方、ヒョコヒョコしてるね」

    ユミル「…」

    ベルトルト「ね?」

    ユミル「…だああっ、うぜえ!!」

    ベルトルト「!?」
  59. 59 : : 2016/08/25(木) 23:13:21
    ユミル「もういい!肩貸せ!!」

    ベルトルト「う、うん」

    ユミル「今日一日だけだぞ、今日一日!」

    ベルトルト「わ…わかった」

    ユミル「はーあ、ったく…こっちはびっこ引いて歩ってるってのに、そのすぐ後ろをついてくなんて間抜けにもほどがあるぜ…」

    ベルトルト「あ、あはは」スッ

    ユミル「一歩がデカい!私の歩幅を考えろ!」

    ベルトルト「はっ、はい!」

    ユミル「あーやれやれ…」
  60. 60 : : 2016/08/25(木) 23:39:43
    ユミル「…」

    ベルトルト「よいしょ、よいしょ…」アセアセ

    ユミル「(…馬鹿みてえに一生懸命だな…どんだけ怒鳴られるのが嫌なんだ、コイツ)」

    ベルトルト「うんせ、よいせ…」

    ユミル「(私に合わせて腰までかがめちゃって…私との身長差は20センチってところか?うわ、キツそー)」

    ベルトルト「…どうしたの?」

    ユミル「キツくね?」

    ベルトルト「えっ…な、なにが?ユミルの性格が?」

    ベルトルト「それはもう周知の事実だから今更後悔しても遅いよ」

    ユミル「今この場で「痴漢!!」って叫んでやろうかてんめえ」

    ベルトルト「やめて!!」
  61. 61 : : 2016/08/26(金) 00:52:30
    ベルトルト「これ以上噂を広めたくないよ…」

    ユミル「なら人の話はよく聞こうな。私は、体勢のことを言ったんだ」

    ベルトルト「体勢…」

    ベルトルト「あ、少し屈んでること?き、気に食わなかった?見下してるみたいで」

    ユミル「そこまで短気じゃねーよ…」

    ユミル「よくその体勢でいられるな、って意味だ!…あ、腰痛めても私は責任取らないからな」

    ベルトルト「そ、そう」


    ベルトルト「…ユミルはたまに優しいんだね」

    ユミル「は?」
  62. 62 : : 2016/08/26(金) 01:07:52
    ベルトルト「あっその…僕のこと気遣ってくれたから」

    ユミル「…はあ?いつ?」

    ベルトルト「い、今さっきだよ。体勢は辛くないかとか、腰は平気かだとか」

    ユミル「…(そんな優しい言葉、ベルトルさんにかけたか?)」

    ユミル「知らねえな。覚えがねえ」

    ベルトルト「…はは、柄じゃないか」

    ユミル「(なに笑ってんだコイツ)」
  63. 63 : : 2016/08/26(金) 01:12:10

    ベルトルト「君を支えながら歩くのは、もう慣れたから。…気にしなくていいよ」

    ユミル「あ、そ」


    ユミル「…(確かに、慣れたって言うだけあって、初めよりずっと歩きやすくなってるな…)」

    ユミル「(こんな細かい事に神経使って…早死にしそー)」

    ユミル「なあ?」

    ベルトルト「よっ、と…」

    ユミル「(…さっき歩幅を注意したからか、下見て歩いてやがる)」


    ユミル「…おい、前」

    ベルトルト「?…前?」

    ユミル「そこに木箱あるぞ。ちょうどベルトルさんの進路だ」

    ベルトルト「あ…本当だ」

    ユミル「このままいったらベルトルさんはすっ転んで、また私が巻き込まれ負傷するとこだったじゃねーか…気を付けろよ」

    ベルトルト「う、うん。ありがとう」

    ユミル「うへっ」ゾワッ

    ベルトルト「えっ」

    ユミル「なんか今…ゾワッとした。うげ〜」

    ベルトルト「なんだよそれ…はは」

    ユミル「…」
  64. 64 : : 2016/08/26(金) 01:46:40
    ユミル「なあ、ベルトルさん」

    ベルトルト「…?」

    ユミル「あの日、私が遅れて倉庫にやってきた時…」

    ベルトルト「へ!?」

    ユミル「お前は…」

    ベルトルト「な…なに!?」

    ユミル「…」
  65. 65 : : 2016/08/26(金) 09:02:25
    ユミル「いや、なんでもねえわ!」

    ベルトルト「!?」

    ユミル「寮の前まで着いたな。じゃ、今度こそ本当に解散!!」

    ベルトルト「えっ、ちょっ…!」

    ユミル「あばよ!」スッ



    ーーーーー
    ーーー

    ユミル「…」キョロキョロ

    ユミル「(ベルトルさんは…さすがについてきてねえな?よし)」

    ユミル「…あーー!最後の雰囲気、気持ち悪かった!!」

    ユミル「(なんだよあの、ベルトルさんのたるんだ顔と生ぬるい声は…あと私を善人扱いしてる感じもしたな。うへえ)」


    ユミル「(…あいつ、あの日の倉庫の出来事を話題にすると、途端に焦るよなあ)」

    ユミル「(便利な性質だぜ、まったく…おかげで助かった)」

    ユミル「(今度から、嫌な話になったり誤魔化したい時にはこの話題を出せば良いんだな。いや〜楽ちん!)」


    ユミル「…ふう」

    ユミル「部屋戻るか」
  66. 66 : : 2016/08/26(金) 10:20:09
    ユミル「…」ガチャッ

    ミーナ「あ、おかえりー!今日も激しかったね!」

    サシャ「は、激しかったってなんですか?」

    ミカサ「サシャ、それ以上聞いてはいけない」

    サシャ「ははあ…なるほど…」

    ユミル「なに察してんだ芋女。ただジャレてただけだっての」

    アニ「…仲、良いんだね」

    ユミル「ああ?…仲が良いっつーか、あいつがまとわりついてくんだよ。いい迷惑だぜ」

    アニ「ふうん…」

    ミーナ「体の方は大丈夫?私達も手助けしようか?」

    サシャ「ただし、報酬(パァン)…次第ですけどね!」

    ユミル「そこは無償奉仕に決まってんだろ」

    サシャ「えー!」

    ユミル「まあ、ベルトルさんはクビにしようと思ってたところだ。お前らには明日にでも…

    クリスタ「だめだよ、二人とも!」

    ユミル「げっ」
  67. 67 : : 2016/08/26(金) 10:35:36
    クリスタ「ユミルとベルトルトは今、大ッッッ事な時期なんだから!!なるべく二人きりにしてあげないと!」

    ユミル「いやなんでだよ!」

    サシャ「そ、そうなんですか…」

    ミーナ「じゃあそっとしておこうか…」

    ミカサ「羨ましい」

    ユミル「…(まずい流れになってるな)」


    ミカサ「…私とエレンは、何故ユミル達のように噂されないんだろうか」

    アニ「…誰かさんがエレンより男前すぎるのが原因じゃないの。男同士じゃ、浮いた話なんて出ないでしょ」

    ミカサ「私は男じゃない。女の武器の代表、胸が、ある」グッ

    アニ「腹筋も?」

    ミカサ「…ある」

    アニ「あんた、同期の中で腹筋割れるの一番早かったよね」

    ミカサ「元々割れてた」ショボン

    アニ「…悪いことじゃないんだから、自信持ちなよ」
  68. 68 : : 2016/08/26(金) 10:57:00
    ーーーーー
    ーーー


    ベルトルト「…ふう」

    ベルトルト「(今日はずっとユミルにくっつくことができたぞ)」グッ

    ベルトルト「(…最後の話題が気がかりだけど…目標は達成できたから、良しとしよう)」

    ベルトルト「問題は、明日なんだよな…」

    ベルトルト「(ユミルは僕を世話係から降ろすつもりでいる。そしたら僕の当面の目標である、”ユミルの監視”が達成できなくなってしまう)」

    ベルトルト「(監視不可となると…いつ、口を滑らせて、僕の正体をうっかりバラされるか分かったもんじゃない)」


    ベルトルト「…まあ本題の”見たか、見ていないのか”を尋ねてしまえばすぐ済むことなんだけど…)」

    ベルトルト「(…うう、尋ねてるところを想像するだけでも緊張する。こんな状態じゃ、僕のほうから墓穴掘っちゃうよ…)」

    ベルトルト「(多少怒られたっていい。明日も監視は続行しよう…)」


    ベルトルト「…でもユミルって、たまに優しいんだよな」

    ライナー「は?」

    ベルトルト「あっ、いや…」

    ライナー「…難しい顔してウンウン唸ってると思ったら…なんだ突然」

    ベルトルト「えっとあの…最近…ユミルに関して気づいたことがあって…」

    ベルトルト「前よりちょっと取っつきやすくなったなって」

    ライナー「…これはアニからの情報なんだけどよ」

    ライナー「お前、ユミルをストーキングしてるんだって?」

    ベルトルト「は?…えっ!?」

    ライナー「四六時中つきまとってるって聞いたぜ」

    ベルトルト「そ、そんなわけ!…」

    ベルトルト「(…いや、あるかもしれない)」

    ライナー「何があったのかは知らねえが…大丈夫か?ベルトルト」

    ベルトルト「う、うん。正常だよ」

    ライナー「…好きなのか?」

    ベルトルト「ぶっ!!ッゲホ、ゲホッ!ゲホッゲホッ…え"?」
  69. 69 : : 2016/08/26(金) 17:07:59
    ベルトルト「僕が!?ユミルを!?」

    ライナー「好き」

    ベルトルト「じ、冗談は筋肉だけにしてくれ!」

    ライナー「なんだその斬新な返し…」

    ベルトルト「いいか!ここだけの話だけど…僕は、彼女の隣にいるだけで汗と動悸が止まらないんだぞ!」

    ライナー「恋煩いの症状か」

    ベルトルト「違うよ!!ドキドキじゃなくてビクビクしてるの!!」

    ライナー「情けないことで声を荒げるな。こっちが情けなくなってくる」

    ベルトルト「き、君がおかしなことを言うから…」

    ライナー「じゃあ好きじゃないのか」

    ベルトルト「うん!!」

    ライナー「そこまで力強く「うん」って返事する奴、初めて見た」


  70. 70 : : 2016/08/26(金) 17:12:46
    ライナー「だよなあ。やっぱりそうだよな」

    ベルトルト「…アニも言ってたの?」

    ライナー「え?」

    ベルトルト「ぼ、僕がユミルに…ほの字だって」

    ライナー「いんや」

    ベルトルト「なんだ…」

    ライナー「アニだけじゃなくて、女子全員だ」

    ベルトルト「!!?」
  71. 71 : : 2016/08/26(金) 17:59:39
    ライナー「なんでも、クリスタが決定的な瞬間を目撃し続けてて」

    ベルトルト「!(今日のことか…!)」

    ライナー「それを詳細に語ってるらしいぜ。主に女子に」

    ベルトルト「ひ、ひどい…「拡散希望!!」なんて言った覚えないのに…」

    ライナー「その反応だとクリスタの目撃談は事実なんだな」

    ベルトルト「?」

    ライナー「ユミルを甲斐甲斐しく世話してたっていう。ついでに、愛を語らってたとも…

    ベルトルト「事実は事実でも、大分盛ってるよそれ!!」

    ライナー「そうか?まあ俺は又聞きしただけだからな」

    ベルトルト「どうしよう、僕…クリスタに悪意が込もってるようにしか感じられないんだけど」

    ライナー「いやあ、善意だろ」

  72. 72 : : 2016/08/26(金) 21:37:47
    ライナー「ただなあ…」

    ベルトルト「な、なんだよ」

    ライナー「…ユミルのことは好きじゃないんだろ?」

    ベルトルト「うん」

    ライナー「となると、ユミルにつきまとう動機が不透明になるんだが」

    ベルトルト「!!」

    ライナー「そこのところはどうなんだ」

    ベルトルト「あ、あのほらあの」

    ベルトルト「僕って責任感が強い人間だからさ!!」

    ライナー「…ほう」

    ベルトルト「…」

    ライナー「俺もよく言われるぜ」

    ベルトルト「そ、そうだね」

    ライナー「…」

    ベルトルト「…」ダラダラ

    ライナー「…俺に隠し事が通じると思ってんのか」

    ベルトルト「…ちょっと期待してる」

    ライナー「そうか。それより汗すげえな」

    ベルトルト「へへ…」
  73. 73 : : 2016/08/26(金) 23:07:35

    ライナー「なあ」

    ベルトルト「はい」

    ライナー「男同士、腹割って話そうぜ」

    ベルトルト「ふ、腹筋ならもう割れてるじゃないか。ハハハ」

    ライナー「…」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「…え、割れてないの?」

    ライナー「ちげえよ、お前の誤魔化し方の下手さに唖然としてたんだ。腹筋は割れてる」バッ

    ベルトルト「見せなくていいよ」

    ライナー「きれいなシックスパックだろ」ババッ

    ベルトルト「そうだね。わかったから仕舞って」

    ライナー「触ってもいいぞ」

    ベルトルト「…」スッ

    ライナー「触んのかよ」

    ベルトルト「なに?触ってもいいって言ったのは君だろ」サワサワ

    ライナー「今の流れは触らない流れだった」

    ベルトルト「僕、あまのじゃくなとこあるから」サワサワ

    ライナー「いつも人に流されてるくせに何を…っつーか触りすぎだ。あと手つきがくすぐってえ」

    ベルトルト「ゴッドハンドって呼んで」サワサワ

    ライナー「あっ…この、脇腹はやめろ!」

    ベルトルト「もっと苦しめ…苦しむがいい…」

    ライナー「お前はなんのキャラ目指してんだよ」



  74. 74 : : 2016/08/26(金) 23:20:32
    ライナー「ッ…待て、本格的にマズくなってきた…」プルプル

    ベルトルト「そう?まあゴッドハンドなだけあるから」サワワ

    ライナー「くすぐりに神もクソもあるか…っ!っあー無理だ!ギブ!」ガシッ

    ベルトルト「えっ」グイ


    ドシーンッ!バリッ、メキメキイッ!



    ライナー「っしゃあ!」


    コニー「んあ!?なんだなんだ!?」ガバッ

    アルミン「ちょっ…何事!?」ガバッ

    エレン「…ぐう( ˘ω˘ )」スヤ

    ジャン「誰だよ、俺の安眠を妨害した奴は!床が揺れたぞオイ…」

    マルコ「うーん…おまけに木の板が折れたような音しなかった…?」ムニャムニャ

    ライナー「…やっべ(勝利の雄たけびあげてる場合じゃねえ)」
  75. 75 : : 2016/08/26(金) 23:27:46
    ライナー「あーその、簡単に説明するとだな…」

    アルミン「ライナー?な、何か知ってるの?」

    ライナー「知ってるも何も事を起こした本人だ。まあ落ち着いて聞いてくれ」

    アルミン「この時点で落ち着けないよ!?」

    コニー「犯人はライナーかあ」

    エレン「ぐうぐう」スヤスヤ


    ライナー「まず第一に、床が一部抜けた」

    マルコ「!?」

    ジャン「はあっ?」


    コニー「なあ…それより、なんか抜けてね?」

    ジャン「お前はバカか!今言ったろ!」

    コニー「ちげえよ、床じゃなくて!なんか…足りない気がすんだよ」

    マルコ「ん、ベルトルト…?」

    アルミン「…あっ」

    ライナー「察しが良いな。そうだ、ベルトルトはこの部屋にいない」

    アルミン「ちょ、ちょっと待ってよお、もお…どうしたらこんな事態に陥るの…」

    ジャン「アイツ主体の事件起きすぎだろ…ネタが尽きねえなこの訓練所は」

    コニー「へっ?ベルトルトは神隠しにでもあったのか?」

    マルコ「いいや…多分、僕らの真下でのびてるんじゃないかな…」



    ベルトルト「う、うーん…」ガクッ
  76. 76 : : 2016/08/27(土) 00:06:11

    ユミル「ダッハッハッハ!!」ゲラゲラ

    ベルトルト「そんなに笑わなくてもいいじゃないか…」

    ユミル「んなこと言ったって…ダッハッハ!ひー…っゲホッ!
    ゲホ…ぶふっ」

    ベルトルト「…(笑い方汚いな…)」

    ユミル「今、笑い方が汚ねえって思っただろ」

    ベルトルト「ひっ」


    ユミル「っはー…ジャレ合いからなんでスープレックス喰らうまでに発展するんだか…こりゃ一生笑えるネタだぜ」ニヤニヤ

    ベルトルト「もう…仕方ないだろ、僕が加減を考えずにやりすぎたんだ。そうしたらライナーは反射的に手がでちゃって…」

    ユミル「で、ガタが来てた床板にたまたま落ちたと?」

    ベルトルト「うん」

    ユミル「ぶふっ、ひー!」ゲラゲラ

    ベルトルト「…」

    ユミル「ベルトルさんもベルトルさんだけど、ライナーもライナーだよなあ。スープレックスなんて、反射的にってレベルじゃねーぞ!」

    ベルトルト「…僕の魔の手から早く逃れたいのと…あの時は夜遅かったから、あんまり大声で笑って皆を起こしたら悪いと思ったんじゃないかな…」

    ユミル「あっはっはっは!床板ぶち抜く方がうるせえっての!」

    ベルトルト「と、咄嗟のことでそこまで考えが回ってなかったんだよ!」

    ユミル「つーか、狭いベッドの上でよくかましたもんだ!ライナーの技術力にゃ脱帽だぜ!」

    ユミル「ついでに、ギャグのセンスにもな!ダハハハ!」

    ベルトルト「もう何とでも言ってくれ…今朝からすでにみんなの笑い者だ」
  77. 77 : : 2016/08/27(土) 02:29:45

    ユミル「教官の反応はどうだったんだ?」

    ベルトルト「呆然としてて、言葉もないって感じだったよ」

    ユミル「クク…そりゃそうだろうな…怒る気力もわかねえわ」

    ユミル「けど、営倉行きは免れたんだって?部屋ブッ壊しといてお咎めなしとは…いつから教官様はそんなご寛大になられたんだ」

    ベルトルト「…教官が事情を尋ねた途端、アルミンが「ベルトルトの寝相です!」って叫んだからね」

    ユミル「ぶっ…おい嘘だろ?」

    ベルトルト「僕もそれを聞いた時は愕然としたけど、実際それで済んじゃったし……ところで、寝相を直す方法って知らない?」

    ユミル「体をベッドに縛り付けりゃいんだよ」

    ベルトルト「そんな荒療治、嫌だな…」
  78. 78 : : 2016/08/27(土) 02:58:46
    ユミル「あー頬が引きつってら…今日は顔全体が筋肉痛だな」ダハハ

    ベルトルト「…それよりさ」

    ユミル「んあ?」

    ベルトルト「僕から距離を置くんじゃ…なかったの?」

    ユミル「…」

    ベルトルト「…あっ」

    ベルトルト「ぼ、僕としてはそばに置いてもらった方が有難いんだけど!」

    ユミル「…そうか」

    ユミル「そんなに私に仕えたいか」

    ベルトルト「えっ」

    ベルトルト「いや、まあ…うん」

    ユミル「なら仕方ねえな!こき使ってやるよ、感謝しろ!」

    ベルトルト「?…???」

    ユミル「どうした、嬉しくないのか?」

    ベルトルト「う、嬉しいです」

    ユミル「よしよし」


    ユミル「(クリスタのおかげで女子にはもう手伝い頼めねえし、これで断られたら頭下げるハメになるとこだったが…コイツが人に仕えるのが大好きなドMでよかった!)」

    ベルトルト「(よ、よくわからないけど心配してた問題は解決されたのかな…?ユミルが心変わりしてよかった)」
  79. 79 : : 2016/08/27(土) 11:32:39
    ユミル「安心したらトイレ行きたくなってきた」

    ベルトルト「どういう原理だよ。なんだよ、安心って」

    ユミル「こっちの話だ。ちょっくら行ってくるわ」

    ベルトルト「あ…僕も行くよ」

    ユミル「…女子トイレに世の男子の夢と希望が詰まってるのは理解してるが」

    ユミル「それを実行に移したらただの犯罪者だぞ。次は女に産まれたいと神様にお祈りしてから来世に期待するんだな」

    ベルトルト「ち、違うって!送るだけだよ!」

    ユミル「送るも何も…ここから便所まで近えじゃん。この廊下を10歩歩いて、突き当たりを右に曲がったら更に50歩歩き、外に出て隣の建物に移った後左手に23歩歩いたところにあるんだぞ」

    ベルトルト「その説明だと本当に近いのかよくわからないよ」

    ユミル「個人差はあるが、一般の感覚だと若干遠い」

    ベルトルト「遠いんじゃん!!」
  80. 80 : : 2016/08/27(土) 12:26:56
    ベルトルト「ほら、肩貸して」

    ユミル「私にべったりだな、ベルトルさん…」

    ベルトルト「か、介護してるだけだ。お年寄りを気遣う精神と同じだよ」

    ユミル「実年齢は置いといて、私はまだ17だぞ。墓に片足突っ込んでるような先輩方と一緒にするな」

    ベルトルト「(実年齢…?)」



    ライナー「…本当につきまとってるな…」

    アニ「だろ」

    ライナー「アイツの好みがわからねえ。尻に敷かれたいタイプなのか?」

    アニ「弱味を握られてるっていう設定の方が、まだ信じられるよ」

    ライナー「…それだ」

    アニ「…本気?」

    ライナー「ベルトルトが自分の意思で行動することは極稀だからな。大抵状況に流されて、深みにはまる」

    アニ「否定してやりたいとこだけど、言えてる」

    ライナー「な。」
  81. 81 : : 2016/08/27(土) 12:42:39
    ライナー「さて、俺達はベルトルトを救出しなければいけなくなったわけだが」

    アニ「まだ弱味を握られてると決まったわけじゃないでしょ」

    ライナー「じゃあ聞いてくるわ、ちょうどそこに居るしな。おーいベルトルトー!」

    アニ「」ゲシッ

    ライナー「うっ!」

    アニ「敵の前で堂々と聞く馬鹿がいる?……いや、ここにいたわ」


    ベルトルト「なに?どうしたの?」タッタッ

    アニ「(しかも来ちゃったし…)」

    ベルトルト「あ、あれ…ライナーが伸びてる…」

    アニ「…知らないの?最近死体になりきる遊びが流行ってるんだよ」

    ベルトルト「ふーん…?」


  82. 82 : : 2016/08/27(土) 13:22:12
    ベルトルト「用って、なに?」

    アニ「あー……さっきライナーと決めたんだけど、今夜、集まることにしたから」

    ベルトルト「わかった、いつもの場所だよね」

    アニ「そう。行けそうかい」

    ベルトルト「うん」

    アニ「……」

    ベルトルト「…ん?」

    アニ「あのさ…


    ユミル「おーい、膀胱破裂しそうなんだけどー!」

    ベルトルト「いっ今行く!最悪、漏らして待ってて!」

    ユミル「嫌に決まってんだろ早くしろ!」


    ベルトルト「ごめん、急いでて」

    アニ「みたいだね。…じゃ」ガシッ

    ライナー「うーん…」ズルズル

    ベルトルト「…(引きずられても起きないんて、随分リアリティのある死体ごっこだな)」


    ユミル「わっ!」バッ

    ベルトルト「わっ!…び、びっくりした。おどかさないでくれ」

    ユミル「送るって言い出した奴が待たせんなよな。行くぞ」

    ベルトルト「うん。…よいしょ」スッ

    ユミル「あー楽ちん楽ちん」

    ベルトルト「…全体重を僕に預けるなよ。さすがにこれじゃ歩けないって」

    ユミル「んなもん気合いだ、ほれっ!」

    ベルトルト「いや、ほれっ!って言われても」



    アニ「…」チラ
  83. 83 : : 2016/08/27(土) 13:52:49
    ユミル「ライナーと、アニねえ…珍しいカップリングだったな。何話してたんだ?」

    ベルトルト「えっと……今日のお天気とか」

    ユミル「コミュ障でももっとまともな話題出すぞ」

    ベルトルト「知らなかった?僕、コミュ障以下なんだよ」

    ユミル「なるほどな」

    ベルトルト「…えっ納得しちゃうの?」


    ユミル「あの二人はどういった関係なんだ?」

    ベルトルト「…」ダラダラ

    ユミル「…」


    ベルトルト「………き、筋肉同好会」

    ユミル「は?」

    ベルトルト「ラ、ライナーって筋骨隆々だろ?」

    ユミル「まあそうだな。見てるだけで暑苦しいくらいに」

    ベルトルト「実はアニもわりと筋肉質で…格闘技をやってたからかな」

    ユミル「…へえ」

    ベルトルト「とにかく二人ともムキムキなんだよ」

    ユミル「御託を並べて、結局のところ何が言いたい」

    ベルトルト「さ、最初に言った通りだ。…二人の関係は、筋肉を鍛えることが趣味である筋肉同好会のメンバー同士なんだよ」

    ユミル「…」

    ベルトルト「…君も入る?」

    ユミル「…遠慮する」

    ベルトルト「そ、そっか。残念」


    ベルトルト「(よし、なんとか誤魔化せた!)」
  84. 84 : : 2016/08/27(土) 14:10:24
    ーーーーー
    ーーー



    ベルトルト「っていう事があったんだけどね」

    ライナー「いや誤魔化せちゃいねえだろ」

    ベルトルト「えっ、褒めてって言おうとしたのに」

    ライナー「筋肉同好会ってなんだよ…暑苦しいこと極まりねえネーミングしやがって」

    ベルトルト「暑苦しいを体現してる君が言えたことじゃないぞ」

    ライナー「やめろ、あんまり修造キャラ定着させるな。俺冷え性だし」

    ベルトルト「ええ、嘘」

    ライナー「なんなら確かめてみるか?」スッ

    ベルトルト「うわ!あっつい」ベシッ

    ライナー「いてっ」

    ベルトルト「普通に体温高いじゃないか!僕、冷え切った手を触るつもりでいたのに、モヤモヤするよ!」

    ライナー「あれ、おかしいな…冬とか冷たいんだけどよ」

    ベルトルト「冬は誰でも冷たいよ」

    ライナー「それよりアニ遅いな」

    ベルトルト「嫌な流れから逃れようとしたね、今」

    ライナー「気のせいだ。それより遅いな」

    ベルトルト「そうだね遅いね。君の勘違いは後世語り継ぐことにするよ」

    ライナー「何の為にもならねえ出来事に子孫を巻き込むな」
  85. 85 : : 2016/08/27(土) 14:24:54
    ベルトルト「僕達、子孫を残せるのかな」

    ライナー「急なシリアス展開よせよ」

    ベルトルト「子どもが出来ました。さてなんて名付ける?」

    ライナー「残せる道に進んだのか。お前、思ったよりもポジティブだな」

    ライナー「…そうだなあ。月並みかもしれんが、俺か伴侶の名前をもじって入れたいな」

    ベルトルト「バカにしながらも真剣に答えてくれるあたり、僕好き」

    ライナー「どうも」

    ベルトルト「僕はライナーってつけようかな」

    ライナー「ややこしくなるからやめとけ。あと女の子には遠慮してやれよ」



    ベルトルト「…アニ、遅いなあ…」

    ライナー「ああ、遅いな」


    ベルトルト「今日なんかあったっけ?」

    ライナー「俺とお前が訓練所中の笑い者になった日」

    ベルトルト「いや、今日のメモリーを振り返りたかったんじゃなくて…アニが遅れるような事情あったかなって」

    ベルトルト「でもその節は本当ごめん」

    ライナー「いいさ。アルミンの機転がなかったら、ひとりで懲罰受けるつもりだったろ?お前」

    ベルトルト「うん。さすがに悪いし」

    ライナー「水臭いこというなよ、室内で起きた違反は連帯責任だ。どうせなら班員全員巻き込もうぜ☆」

    ベルトルト「君、たち悪いなあ」

    ライナー「いっぺん気の合う奴らを巻き込んでバカやってみたかったんだ。アルミンもコニーもマルコも良い奴だしな、許してくれるだろ」

    ベルトルト「誰か忘れてるよ」

    ライナー「あ、あとエレンも」

    ベルトルト「ジャン!ジャンは!」

    ライナー「あいつは後からグチグチ言ってきそうだからパス」

    ベルトルト「フォローできない」
  86. 86 : : 2016/08/27(土) 15:07:20
    ライナー「もっと色んなバカやってみてえなあ」

    ベルトルト「例えば?」

    ライナー「100人にナンパ」

    ベルトルト「ぶふっ!うっ…わ、それきっつい…今時ナンパなんてほぼ失敗に終わるよ」プルプル

    ライナー「おもしれえだろ?ルールはチーム対抗戦にしてよ」

    ベルトルト「追加で、”100人達成しない限り帰れない。ただし、ナンパが成功した場合ノルマ99人免除”」

    ライナー「大胆でいいな。白熱しそうだ」

    ベルトルト「その日は僕達が血眼になって街中駆け回る姿が見られるだろうね」

    ライナー「門限破った奴には厳しいしな、ここ」

    ベルトルト「…ターゲットは女の子じゃなきゃ駄目かな?」

    ライナー「まさかお前…」

    ベルトルト「僕とライナーが組んだらある意味最強だと思うんだ」

    ライナー「バカな事考えるな!よせ!」

    ベルトルト「ある路地裏が穴場になってるらしくて…きっとそこで圧勝できるよ」

    ライナー「ってそんな情報どこで仕入れたんだよ」

    ベルトルト「全部想像だよ。安心して」

    ライナー「本当にお前があっちの人間じゃないかとハラハラしたぜ」

    ベルトルト「それは僕もたまに君に対して思ってる」

    ライナー「お互い疑心暗鬼に陥ってるじゃねーか。殺伐とした関係すぎやしないか?」

    ベルトルト「今一度、関係のありかたを考え直す必要があるね」
  87. 87 : : 2016/08/27(土) 18:16:17
    ベルトルト「もっと、こう…友情を……いい感じに…」

    ライナー「育む」

    ベルトルト「そう!友情を育もう」

    ライナー「じゃあ記念にハグでもするか」

    ベルトルト「あ、嫌」

    ライナー「てめえ」


    ベルトルト「でもライナーってモテそうだよね」

    ライナー「…勘弁してくれ」

    ベルトルト「あっ、異性に」

    ライナー「そっちか。だが期待を裏切るようで悪いが、何もねえぞ。さっぱりだ」

    ベルトルト「ライナーは友好状態から好き状態までが長いんだよ」

    ライナー「はあ…?」

    ライナー「お前はどうなんだよ」

    ベルトルト「無いに決まってるじゃないか」

    ライナー「ユミルとも何も?」

    ベルトルト「ま、またそれか?」

    ライナー「サイズ的にはお似合いだぜ」

    ベルトルト「よせよライナー…もうちょっと大人しい子がいい」

    ライナー「けどよ…まあ、アニが揃ってからにするか」

    ベルトルト「?」
  88. 88 : : 2016/08/27(土) 18:58:26
    ライナー「…」

    ベルトルト「…どうした?ライナー」

    ライナー「眠くなってきた」

    ベルトルト「嘘でしょ」

    ライナー「横になっていいか?」

    ベルトルト「いいけど、下は石だらけだよ」

    ライナー「うーん厳しいな…ぐう」スヤ

    ベルトルト「ちょっともう…しっかりしてくれよ」ユサユサ

    ライナー「ううーん、アニ遅えなあ…」

    ベルトルト「そうだね」


    ライナー「このままいけば、俺達は憲兵団だな…」

    ベルトルト「そうだね。というか突然だね」

    ライナー「何に遠慮してるかは知らんが…好きな女くらい自由に作れよ」

    ベルトルト「…え?どういう意味?」

    ライナー「あの、憲兵団だぜ…自分と、誰かひとりを養えるくらいの豊かさは提供してくれるさ」

    ライナー「それから中央に住んで、ゆっくりすりゃいい…」

    ベルトルト「…ライナー?」

    ライナー「そう、あと少しで安泰を手に入れられるわけだ…ま、兵士の職務はちゃんと全うしなきゃならねえけどな…」

    ベルトルト「ラ、ライナー」
  89. 89 : : 2016/08/27(土) 21:11:39
    ライナー「…ぐう」スヤ

    ベルトルト「…ライナー起きて」ユサユサ

    ライナー「ぐう」

    ベルトルト「起きて」ユサユサユサ

    ライナー「ぐうう」

    ベルトルト「起きて、起きてよ…」ユッサユッサ

    ライナー「ぐっ………あ、兵士の職務は全うしたか?」


    ベルトルト「起きろ!!!!」バチーン!

    ライナー「いっってえ!!!」


    ライナー「なんだ!は?ビンタか!?」

    ベルトルト「起きたか!?目覚めたか!?」ガシッ

    ライナー「お、起きた起きた」

    ベルトルト「頭はバッチリ冴えてるか!?」

    ライナー「えっ…い、今までにないくらい冴えてるぜ」

    ベルトルト「そう…よかった」

    ライナー「…なんなんだ一体…」
  90. 90 : : 2016/08/27(土) 21:22:59
    ベルトルト「…なんか君、おかしな事言ってたよ」

    ライナー「何?寝言か?ちょっとハズいな」

    ベルトルト「寝言というか…」

    ライナー「あー…そういや寝ぼけて夢見てた気がするな」

    ライナー「誰かが俺に相談を持ち掛けてきたんだ。恋愛系のな。だから俺は…一兵士として…」

    ベルトルト「…ライナー、やっぱり変だよ」

    ライナー「?…どこがだ?」

    ベルトルト「兵士兵士ってうるさいところが」

    ライナー「ああ…?俺達は訓練兵といえど兵士に所属してるわけだろ?それを口にして何が悪い」

    ベルトルト「やめろよ…」

    ライナー「…なんだよ、その目は」

    ベルトルト「冗談はここまでにしてくれって訴えてるんだ」

    ライナー「冗談だって?普段はあれだが、今の俺は至って真剣モードだぜ」

    ベルトルト「まだ、夢見てるのか」

    ライナー「いいやさっきの一撃で眠気は吹っ飛んだ」

    ベルトルト「もう一回引っ叩いてやる!」

    ライナー「俺の話聞けよ!!」
  91. 91 : : 2016/08/27(土) 21:40:51
    ーーーーー
    ーーー


    アニ「ごめん、遅くなっ…」

    アニ「…」


    アニ「プロレスでもしてるの」

    ライナー「ベルトルトが俺の頬を何べんも叩こうとしてくんだよ…っ!」ギギギ

    ベルトルト「念には念を入れて…しておきたいんだ…っ!」ギギギ

    ライナー「訳わかんねえぞ!」

    アニ「大男が取っ組み合ってる構図って迫力満点だね。あ、ポップコーンある?」

    ライナー「観戦を決め込むな!」


    ベルトルト「あっもう無理疲れた…もういいや」バタリ

    ライナー「やっと諦めたか…体がだりい」バタリ

    アニ「さて、帰るか」

    ベルトルト「すぐに回復するからちょっと待って!」

    ライナー「やれやれ…今日集まった理由を忘れそうだ」

    ライナー「で、議題はなんだったっけか」

    アニ「…ベルトルトのことでしょ」

    ライナー「ああそうだ、それ」

    ベルトルト「(既に忘れてるじゃないか)」
  92. 92 : : 2016/08/27(土) 22:09:40


    ベルトルト「僕がどうかした?…まあ最近、目立ちまくる行動ばかりしてるけど」

    アニ「本当だよ。少しは用心したらどうなんだい」

    ライナー「まったくだ」

    アニ「あんたもだけどね」

    ライナー「だってよ、ベルトルト」

    ベルトルト「僕、二人もいないよ」


    アニ「周りの話題といえば、あんたとユミルのことばかり…はっきり言って異常さ。ベルトルトのキャラがブレにブレてるね」

    ライナー「ああ、本来は地味で目立たない路線のはずなのにな」

    ベルトルト「え、キャラの方向性の問題?」

    ライナー「ところで全然関係ない話になるが、いいか?」

    ベルトルト「だめ」

    アニ「却下」

    ライナー「俺の当たり強くねえ?」

    アニ「失礼だね、私はライナーもベルトルトも平等に雑な対応を心掛けてるよ」

    ベルトルト「僕は除外してよ。ライナーのこと好きにしていいから」

    ライナー「関係に亀裂が生じるような発言を積極的に繰り出すなよ」
  93. 93 : : 2016/08/27(土) 22:20:19
    ライナー「だめと言われても話すぜ、俺は」

    ベルトルト「自己中すぎる」

    アニ「仕方ないな…聞いてやるから早くして」

    ライナー「いや、なんてことはないちょっとした疑問なんだけどな」

    ライナー「なんで遅れてきたんだ?」

    ベルトルト「あ、それ僕も気になる。どうしたの?」

    アニ「ああ…ユミルと話つけてきた」

    ライナー「ほう、ユミルと」

    アニ「そう。ユミルと」

    ベルトルト「へえ、ユミルと…」

    ベルトルト「え"?」


    ライナー「親しくない奴に話しかけるなんて、お前がんばったなあ」スッ

    アニ「頭撫でようとしないで。ヘアスタイルが崩れる」バシッ

    ベルトルト「は、話?え?なに話してきたの?」

    ライナー「そう言われるとやり遂げたくなるのが男の性」シュッ

    アニ「迷惑極まりないね」バシッ

    ベルトルト「聞いて!!」

  94. 94 : : 2016/08/27(土) 22:35:12
    ベルトルト「何を、話して、きたの?」

    ベルトルト「(まさか僕の失態をユミルから聞いて…)」

    アニ「筋肉同好会がどうとか」

    ベルトルト「ブッ」ズコー‼

    ライナー「どうしたベルトルト!急に後ろへひっくり返ったと思ったら、足を天に向けるとは!」

    ベルトルト「な、なんでそれを話題に…」

    アニ「向こうが尋ねてきたのさ。筋肉同好会って知ってるか?ってね」

    ライナー「その返答が気になるな」

    アニ「…私はてっきり、知らない間にそういうのが流行してるのかと思って…」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ユミル「…なあ、筋肉同好会って知ってるか?」

    アニ「?」

    ユミル「私はベルトルさんから聞いたんだけどよ…」

    アニ「…」

    アニ「ああ、あれね」

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ベルトルト「し、知ったかぶりーーー!」

    ライナー「変なところでプライド高いもんな、アニ」

    アニ「うるさいな。相手がユミルだったから、無知を悟られたら煽られて面倒なことになるんじゃないかと思っただけ」

    ベルトルト「でも良かった…奇跡的にうまい方向へいって」

    ライナー「お前が今日のMVPだ」

    アニ「…寮室壊したあんたらには負けるよ」
  95. 95 : : 2016/08/27(土) 23:38:44
    アニ「そもそも筋肉同好会って何」

    ライナー「説明しよう。筋肉を鍛えるのが趣味で、かつ筋肉が好きな者達が集う、激しくダサい同好会のことである。活動内容は主に筋トレ。かっこ、ベルトルト考案」

    アニ「うっわダッサ」

    ベルトルト「その説明はライナーのアレンジまみれだから!僕そこまで言ってない!」

    ライナー「ちなみにメンバーは俺とアニ」

    アニ「自分だけ除外するところがまた悪質…」

    ベルトルト「じゃあ僕も追加して!」


    アニ「どうしてこんな…口にしただけで体温が上がりそうなホットな同好会作ったのさ」

    ベルトルト「ユミルに、アニとライナーの関係性を聞かれたんだよ…それでパッと思いた共通点を同好会に…」

    アニ「…それが」

    ライナー「筋肉…」

    アニ「こいつはともかく、私はそんな脳筋要員じゃないんだけど」

    ライナー「俺はお前に対人格闘で負けたことがある。つまり、筋力で上回っているのは…」

    アニ「私のは技術だから。そこ勘違いしないでくれる?なんなら、今ここで学ばせてやっても構わないよ」スッ

    ライナー「アニって非力だよなー!な!」

    ベルトルト「う、うん。華奢で、か弱いね」

    アニ「まあ、よしとしよう」スッ…
  96. 96 : : 2016/08/29(月) 13:40:54
    ベルトルト「…って、談笑してきただけ?」

    アニ「まさか。私が話しかけた目的は別だよ」

    ライナー「お友達になりましょう?」

    アニ「どうやら私の技術を披露する時が来たみたい」

    ライナー「すまん、ほんの出来心だ」

    ベルトルト「いちいち煽って横槍入れないでよ…」

    ライナー「俺の何かが囁くんだ。今だ!ってな」

    アニ「いいよ、いつでも来な」スッ

    ライナー「暴力で迎え撃つ必要は無いぞ。ひとまずそのファイティングポーズを解け」

    ベルトルト「話戻っていい?」
  97. 97 : : 2016/08/29(月) 13:52:12
    アニ「目的?だから話つけてきたんだよ」

    ライナー「ベルトルトに金輪際近づいて来ないで!とか?」

    アニ「そう」

    ベルトルト「ラ、ライナー、それはいくらなんでも…」


    ベルトルト「…えっ!?」

    ライナー「へえー」

    ベルトルト「えっ、な、なんで?というかライナー反応薄くない?」

    ライナー「茫然自失に加え、目眩が止まらねえんだ。ちょっと休ませてくれ」

    ベルトルト「な…なんだ動揺してたのか…」

    アニ「お大事に」


    ベルトルト「…」

    アニ「…」

    ベルトルト「あっ…あのさ!近づかないでって、どういうことかな!」

    アニ「……ユミルだけじゃない」

    ベルトルト「え」

    アニ「あんたもだよ、ベルトルト。…もうユミルに近づくのはよしな」

    ベルトルト「!…」

    アニ「特定の人間とひっつくのは良くないって、分かるでしょ?任務に支障をきたすし、それに…」

    ベルトルト「いや、これには深い訳があって…」

    アニ「…どんな?」

    ベルトルト「えーと、その…」
  98. 98 : : 2016/08/29(月) 20:42:09
    ベルトルト「…実は、正体がバレてるかもしれないんだ!えへへ!」

    アニ「はあ?」スッ

    ライナー「その構えは…必殺アニキック!」

    アニ「フンッ!!」バシィ!!

    ベルトルト「ぎゃー!」バキバキメキィ!
  99. 99 : : 2016/08/29(月) 21:12:28
    ーーー
    ーーーーー


    ベルトルト「(…うーん、言えない!!)」

    アニ「何…早く言ってよ」

    ベルトルト「あ、あわわ…」


    ライナー「…おい、アニ」

    ライナー「嫉妬もそこまでにしとけ。度が過ぎるとかわいくねえぞ」

    アニ「…はあ?」

    ライナー「やっぱり正々堂々が一番だと思うんだよな、俺は…裏で手を回すのは、コイツも気分が良くないと思うぜ」

    アニ「…それはあんたの感想でしょ?こうでもしないと、後戻りできないとこまで行ってたかもしれないじゃないか」

    ライナー「その時はお前も受け入れろ。この問題で重要なのは、どう転ぶかはベルトルト次第ってところだ…」

    ライナー「…だろ?」

    ベルトルト「え、あ、うん」

    アニ「ベルトルトの気持ちを優先しろって言いたいわけ?」

    ライナー「そうだ…当然だろ?」

    アニ「それはつまり、見過ごせってことだろ。…理解に苦しむよ」

    アニ「…今日は帰る」

    ライナー「おう、またな」



    ベルトルト「…(訳が分からないうちに、話し合いが終了してしまった)」
  100. 100 : : 2016/08/29(月) 21:27:56
    ライナー「あいつもまだ子どもなんだ、許してやれ」

    ベルトルト「それは君もだろ」

    ライナー「はは…そうだな…」

    ベルトルト「…?ライナー、君…もしかして」

    ライナー「…ぐう」スヤッ

    ベルトルト「やっぱり!!」ベチ-ン!!

    ライナー「いって!!」


    ベルトルト「アニの衝撃告白から沈黙を守ってるなと思ったら、トロンとした目で急にボソボソ喋り出して…どうもおかしいと思ったんだ」

    ライナー「んん?…ぐう」

    ベルトルト「まだ寝る気か。こら、起きろ」ペチペチ

    ライナー「ううーん……ふぁーあ」

    ライナー「…? ひとり居なくなってるぞ」ポリポリ

    ベルトルト「君がバイバイしちゃったんだよ」

    ライナー「んー、心当たりがねえなあ…さっき何話してたんだ?記憶が曖昧なんだ…ぐう」スヤ

    ベルトルト「隙あらば寝ようとするのやめてくれ」ユサユサ
  101. 101 : : 2016/08/29(月) 22:29:58
    ライナー「…あいつがお前のこと好きだったとはなあ…」

    ベルトルト「…は?」

    ライナー「ったく、何も無いとか言いやがって…モテモテじゃねえか…」ニヤ

    ベルトルト「半目で何を喋ってるんだ君は」

    ライナー「三角関係の話だよ…あー、ユミルはお前のこと好きじゃないんだっけな…」

    ベルトルト「え…なに?」

    ライナー「アニもあれで良い奴だし、二人で仲良く憲兵団入って…一生を終えるのもアリかもな…」ハハ


    ベルトルト「お、起きろ!!!」ゲシッ!!

    ライナー「うおっ!」

    ベルトルト「起きろ、バカ!起きろ!!」ゲシゲシ

    ライナー「お、起きた!起きたっての!!だから踵落としはよせ!!」
  102. 102 : : 2016/08/30(火) 01:38:31
    ライナー「お前、自分の足の長さ理解してねえだろ…身体に穴が空くかと思ったぞ」

    ベルトルト「スタイル褒めてくれるのは嬉しいけど、君が悪いんだからな!よくもあんなこと…」

    ライナー「あー…?ああ、茶化したことか?はっきり言ってよく覚えちゃいねえが、そんな激昂するこたないだろ」

    ベルトルト「だって…僕らだけの時は、使命を忘れた話はしない約束じゃないか!」

    ライナー「…」

    ライナー「なんじゃそりゃ?」

    ベルトルト「…え?」


    ベルトルト「な、なんだよ?まだ寝ぼけてるのか?」

    ライナー「そう感じるなら、そうなのかもしんねえな。アニも居ないことだし、部屋戻って寝ようぜ」

    ベルトルト「…僕の話、わかってる?」

    ライナー「俺はまだ夢の中なんだろ?解決するにはまっすぐベッドへ向かうのが上策だ」

    ベルトルト「うーん…でも…」

    ライナー「ほら、行くぞ。明日も早い」

    ベルトルト「……うん」
  103. 103 : : 2016/08/30(火) 12:27:54
    翌日



    ライナー「起きろ。時間、ギリギリだぞ」ユサユサ

    ベルトルト「うーん…」モゾモゾ

    ベルトルト「(……朝か)」

    ベルトルト「(起きてすぐ、女子寮の前までユミルを迎えに行くことが日課になってたけど…)」ボ-ッ

    ベルトルト「…」


    エレン「あれ?ベルトルト、今日はゆっくりしてていいのか?」

    マルコ「いつもみたいに慌てて部屋を飛び出さないね」

    ライナー「まあ、コイツも疲れてんだろ」

    ベルトルト「んー……」ムニャムニャ

    ジャン「ふぁーあ…おお?えらく優雅な朝だな。愛しの彼女はどうした、破局か?」ハハ

    ライナー「ジャン…ベルトルトに構って欲しいのは分かるが、もっとジョークのセンスを磨いてからにしてこい。つまらん」

    ジャン「なにい!?」

    エレン「言うなあ、ライナー!」


    ライナー「…ベルトルト、昨日のことは気にするな。自分の意思に従って行動しろよ」ボソッ

    ベルトルト「…ぐう」

    ライナー「聞けよ」
  104. 104 : : 2016/08/30(火) 20:26:26
    マルコ「ん?コニーは?まだ寝てるの?」

    アルミン「ううん…さっきから、なぜか扉の前で動かないんだよ」

    エレン「いつも騒々しい奴が静かにしてるなんて、不気味だな」

    ジャン「お前も普段騒々しいだろ。これだからガキは」

    エレン「あ?」

    ジャン「あ?」

    マルコ「ま、まあまあ…」


    コニー「……なんか外から足音がする」

    ライナー「いいか、コニー。この扉の先には廊下なるものがあってだな…」

    コニー「そりゃ分かってるって!このあいだの中間考査で一桁取ったからってバカにすんなよな!」

    マルコ「えっそれ、どうやったら取れるの」

    コニー「考査を受けたら誰でも取れるぜ」フフン

    マルコ「そっか…」

    アルミン「足音は男子の誰かじゃないの?」

    コニー「でも音がおかしいんだよ…ヒョコ、ヒョコって」

    ベルトルト「え?」


    ユミル「どーーーん!!」ガチャッ

    コニー「おわあっ!?」

    アルミン「!?」

    ベルトルト「ユ、ユミル!?」
  105. 105 : : 2016/08/30(火) 23:00:14
    ユミル「ベルトルさん、遅刻だぜ!あんまりにも遅いもんだからこっちから迎えに来てやったよ。どうだ、有難く思え」

    ベルトルト「えっ、ちょっ、いやあの」

    ユミル「おいまだか?」

    ベルトルト「それ以前に、あの


    コニー「きゃーエッチー!!」

    エレン「スケッチー!!」

    ベルトルト「ほっほら!ここ仮にも男子の領域だから!」

    ユミル「安心しろ、男の裸なんて興味ねえし」

    ベルトルト「そういう問題じゃなくて!」


    ジャン「ぶはっ!今度はそっちからかよ!見せつけてくれるな、ベルトルト!」

    ベルトルト「ち…ちょっとだけ部屋の外で待っててくれ!すぐ着替えるから!!」カアア

    ユミル「早くしろよなー」ガチャッ

    ベルトルト「もう…!」ゴソゴソ

    ライナー「ベルトルト…シャツが上下逆だぞ」

    ジャン「上下逆って、どんだけ動揺してんだよ…」クク

    エレン「むしろそれでどう着こなそうと思ったんだ」


    アルミン「…僕、頭痛がしてきたよ」

    マルコ「あはは…ベルトルトの近くにいると、刺激が絶えないね」

    ライナー「…なんかすまん」

    マルコ「いえいえ」
  106. 106 : : 2016/08/30(火) 23:56:46
    ベルトルト「…」ガチャッ

    ユミル「お、来た来た」

    ベルトルト「…っ君は……本当に…もう!」

    ユミル「ほい、腕」スッ

    ベルトルト「まったく…なんてことを…」グイ、ガシッ

    ユミル「ブツブツ言ってちゃわかんねーよ。おら、進めー」

    ベルトルト「…もう」スタスタ
  107. 107 : : 2016/08/31(水) 15:32:27
    ベルトルト「自分が何してるのか分かってるのか?」

    ユミル「ああ。食堂に向かってら」

    ベルトルト「頓知はいらないよ!」


    ベルトルト「はあ、なんでまたあんなこと…」

    ユミル「昨日さ、」

    ベルトルト「…?」

    ユミル「アニに言われたんだよ。ベルトルさんから距離を置け、ってな」

    ベルトルト「…あっ」

    ユミル「生憎私はあまのじゃくでさ。そう言われるとやってみたくなる性分なんだ」

    ユミル「しかし今朝のベルトルさんは、私のこと迎えに来なかっただろ?」

    ベルトルト「…」

    ユミル「アニが一枚噛んでるのかは知んねえけど…もし今日、このままベルトルさんと言葉を交わさなかったら」

    ユミル「二度と会えないような気がしてな」

    ベルトルト「…」

    ユミル「だから会いにきた」
  108. 108 : : 2016/08/31(水) 17:26:05

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「(ライナーの言う通りだ)」

    ベルトルト「(大事なのは、誰が何を言ってきたかじゃない…)」

    ベルトルト「(僕の意思だ)」


    ユミル「…自分でも変なこと言ってるのはわかってるよ。同期なんだから、嫌でも毎日顔会わすもんな」

    ユミル「ただ、昨日までの様な関係でいられなくなるのは確実だろ?」


    ユミル「最近気付いたんだ。私はベルトルさんのことを…

    ベルトルト「僕も同じ気持ちだよ」

    ユミル「いや、最後まで聞けよ」
  109. 109 : : 2016/08/31(水) 17:37:38
    ベルトルト「聞かなくてもわかるよ。僕も、誰がなんと言おうと君のそばに居させてもらうつもりだ」

    ユミル「お、おう…」

    ベルトルト「なんでちょっと引いてるんだよ」

    ユミル「言葉が重いんだよなあ…朝にピザ食らった気分だ…」

    ベルトルト「ピザなんてご馳走じゃないか。もっと喜んだらどう?」

    ユミル「朝食にはノーサンキュー」



    サシャ「…」コソッ

    サシャ「(えっと…どうしましょう)」

    サシャ「(と、とりあえず状況を確認すると……今、私の目の前でカップルが新たに誕生した…?)」

    サシャ「(いや意味がわからないです!!よりによってなんで廊下で告ってるんですか!!もっと場所考えてくださいよ!!)」
  110. 110 : : 2016/08/31(水) 18:03:25

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「(そうだ…周りの意見は関係ない)」

    ベルトルト「(なぜなら、僕の命と使命がかかっているから!)」

    ベルトルト「(支障をきたすどころか、任務自体がおじゃんになったらマルセルも泣く!!)」

    ベルトルト「(ここはユミルと友好な関係を築いておいて、そしてある日…何でもない風に「そういえば以前の倉庫事件で、なんか見なかった?」って聞こう…)」

    ベルトルト「(…監視をよりしやすくする為にも、ユミルとは仲良くしておいた方が良さそうだ)」ウンウン


    ユミル「…」

    ユミル「(はー、良かった。アニに先越されてなくて)」

    ユミル「(…私はベルトルさんのことを、一緒にいて一番気楽に過ごせる奴だと思ってる)」

    ユミル「(だって言うことすぐ聞くし、弱っちいし、マヌケだし。そばに居ても気を張はらずに済むっていうの?しもべにピッタリなんだよな〜)」

    ユミル「(まあ、さっきの「ユミル様に仕えたいです!!」発言は重すぎて引いたが…こいつを使わない手はないぜ)」ウンウン



    サシャ「(え、ええ〜!どうしよう…無言でお互いを見つめ合ったまま、良い雰囲気醸し出しちゃってますよお〜…えーん><)」アセアセ

    サシャ「(……二人の噂は本当だったんでしょうか…数が多すぎて、どの噂がとは言えませんが…)」

    サシャ「…」グウウウ

    サシャ「(とにかく、早くそこ退いてくださいよ二人とも!!その廊下を通らないと食堂へ行けないんですよ!?)」イライラ
  111. 111 : : 2016/09/02(金) 11:39:06
    ーーーーー
    ーーー


    ミーナ「サシャが、廊下で…」

    クリスタ「ふむふむ」

    アニ「(…なんだか女子が騒がしいな)」

    ミーナ「…それで、ベルトルトとユミルは正式に付き合うことになったらしいよ」

    クリスタ「本当?!すごーいっ!」

    アニ「ブフーーッ」


    ライナー「!? どうした、アニ!」

    アニ「げほっ、げほっ……あんた、今の聞かなかったの?」

    ライナー「ああ、めでたいよな」

    アニ「バカ」
  112. 112 : : 2016/09/02(金) 12:06:25
    アニ「真偽は定かじゃないけど…昨日近づくなってアドバイスしたはずなのに、どうして一日でより親密な関係になってるの…」

    ライナー「はっはっは、まあいいじゃねえか」

    アニ「…」

    アニ「ユミルから離すことに積極的だったやつが今じゃ180度意見を変えてるなんて、信じられないね」

    ライナー「誰の話だ?」

    アニ「…さあ」


    アニ「あんたはベルトルトにどうして欲しいの」

    ライナー「あー?まあ…幸せになってくれたら御の字だな。お前も、相手の幸せを願えるくらいの器じゃねえとだめだぞ」

    アニ「幸せかどうか以前に…私達にはもっと大事なことがあるでしょ」

    ライナー「ん?」

    アニ「…なに、そのキョトンとした顔は…」

    アニ「…まさかわからないって言うんじゃ


    ベルトルト「ふ、二人とも!」

    アニ「!」

    ライナー「なんだ、ベルトルト」

    ベルトルト「あの…ぼ、僕の噂が追加されたこと知ってる…?」

    アニ「…ユミルと付き合うことになったとか」

    ライナー「おめでとう」

    ベルトルト「めでたくないよ!」
  113. 113 : : 2016/09/02(金) 13:42:46
    ベルトルト「喋ったことのない人からも祝われるし、ユミルはカンカンだし…」

    アニ「…私の忠告を無視したらしいね」ジロッ

    ベルトルト「ひっ」

    ベルトルト「い、いやアニの言う事が最もだっていうことはわかってるんだけど…」

    アニ「…面倒見きれないよ」スッ

    ベルトルト「あ…」

    ライナー「…行っちまったな。まあ、あいつも虫の居所が悪い時はあるさ。むしろ良い時が少ない」

    ベルトルト「…(…これで、いいんだろうか)」


    ベルトルト「…ライナー、話があるんだ。場所を変えよう」

    ライナー「ん?おう」


  114. 114 : : 2016/09/02(金) 14:06:21

    ライナー「なんだ、改まって。相談か?」

    ベルトルト「…君は、何かを忘れていないか」

    ライナー「はあ?…んー、一昨日の晩飯のメニューなら忘れちまったな」

    ベルトルト「そうじゃなくて」

    ライナー「昨晩のは覚えてるぜ」

    ベルトルト「茶化さないでくれ」


    ベルトルト「…君がさっきアニと話していた時、意見が食い違ってたじゃないか」

    ライナー「…」

    ベルトルト「アニに勘付かれる前に僕が思わず割り込んじゃったけど…」

    ライナー「…何が言いたい?」

    ベルトルト「…」


    ベルトルト「(勇気を出せ……この場で聞くんだ)」ダラダラ

    ベルトルト「(…僕より先に、アニを悲しませるようなことはしたくない)」


    ベルトルト「あ、あのさ…ただの確認なんだけど……」

    ベルトルト「…ライナーは…戦士、だよね?」

    ライナー「…何言ってんだ、アホか」

    ベルトルト「!…そっそうだよね!聞くまでもない質問だ、ごめん変な事言って…


    ライナー「俺達は兵士だろ?」

    ベルトルト「…え?」
  115. 115 : : 2016/09/02(金) 14:13:47
    ベルトルト「いや、そんな……ライナー!君は…」

    ライナー「何を混乱してるんだ。自分の所属を間違えてどうする?戦じゃなくて兵だぞ」

    ベルトルト「僕は…僕達は戦士だよ!」

    ライナー「はあ…?」

    ベルトルト「どうして…おかしいよ、こんなの…」

    ライナー「…お前…疲れてんじゃねえの」

    ライナー「しばらく独りにしといてやるから、もしそれでも落ち着かないようなら俺んとこ来い。話聞いてやる」

    ライナー「まあ…あんまり背負い込みすぎるなよ」肩ポン

    ベルトルト「…」

    ライナー「じゃあな」スタスタ


    ベルトルト「…」
  116. 116 : : 2016/09/02(金) 15:23:44


    ユミル「ベルトルさーん、急に消えたと思ったらどこ行きやがったー」ヒョコヒョコ

    ユミル「観念して私にこき使われろー…っと」

    ユミル「ん、あの建物の裏にいるデカブツは…」

    ユミル「(…間違いねえ、ベルトルさんだ)」


    ユミル「お前、どこほっつき歩いてん…

    ベルトルト「……グスッ」

    ユミル「!!」サッ


    ユミル「(…私のバカ、なに反射的に隠れてんだ…これじゃ覗きじゃねえか)」

    ユミル「…」

    ユミル「」チラッ

    ベルトルト「……グスン」

    ユミル「……」
  117. 117 : : 2016/09/02(金) 16:08:16
    ーーーーー
    ーーー




    ベルトルト「…あ、いた」

    ベルトルト「探したぞ、どこにいたんだよ」

    ユミル「…ああ、ちょっとな」

    ベルトルト「…もしかして、トイレ?」

    ユミル「は?」

    ベルトルト「便秘とか…」

    ユミル「ざっけんな。トイレにこもる趣味はねえ」

    ユミル「んなことよりお前、次は立体起動訓練だろ。私に構ってないで早く行けよ」

    ベルトルト「でも、君も一応演習場所に連れてかないと」

    ユミル「ひとりで行ける。おら、こうしてる間に準備する暇がなくなるぞ。とっとと走れ」

    ベルトルト「…う、うん」


    ベルトルト「(おかしいな…前は僕の迷惑なんて気にしなかったのに…)」
  118. 118 : : 2016/09/02(金) 16:49:12
    夕食



    ユミル「なあ、私の飯分けてやるよ」スッ

    ベルトルト「えっ…あ、ありがとう」

    ベルトルト「(ってこれ、野菜ばかりじゃないか。…自分の嫌いなものを寄越したな?)」チラ

    サシャ「私は!私には!」

    ユミル「お前にはコニーのパンをやろう」

    サシャ「わーい!!」

    コニー「えっなんで俺!!?」

    ユミル「くっくっくっ……あ、ベルトルさんの顔、なんかついてるぞ」

    ベルトルト「!…ほ、本当?パンクズか何かかな…」

    ユミル「いいや、目と鼻と口が。取ってやろうか?」

    ベルトルト「…いい」

    ユミル「ダッハッハ、冗談だって。でも本当に何かついてるぜ」ヒョイ

    ベルトルト「え、あ…どうも」


    ベルトルト「…(なにかが変だ…)」

    ベルトルト「(ユミルが心なしか優しい…?いや、全然優しくないけど、なんか…優しい…)」


    ユミル「眉間にシワ寄せてどうした」グイー

    ベルトルト「ちょっ、僕の眉間のシワ伸ばさないでよ」

    ユミル「変な事考えてんじゃねえだろうな」

    ベルトルト「ま、まさか……ただ…ユミルが…」

    ユミル「は?私がなんだよ」

    ベルトルト「…ユミルが、気になって」

    ユミル「…」

    ベルトルト「……はっ」

    ベルトルト「そ、そういう意味じゃなくて!ユミルが気になることには気になるんだけど、ちょっと別の角度というか」

    ユミル「…ごっそさん。ちょっくら外行ってくる」ガタッ

    ベルトルト「え…もう真っ暗だよ?な、なんで?」

    ユミル「ただの散歩だよ。ついてくるかは好きにしろ」スッ

    ベルトルト「…」
  119. 119 : : 2016/09/02(金) 17:07:51

    ユミル「…」

    ユミル「…よう、ベルトルさん。来ると思ったぜ」

    ベルトルト「あ、その……よ、夜は暗いから…危ないし、心配で」スッ

    ユミル「そうかい」

    ベルトルト「(…やっぱり、ユミルの様子がおかしい…)」


    ユミル「なあ、お前ってさあ」

    ベルトルト「…うん?」

    ユミル「私と付き合いたいか?」

    ベルトルト「ブッ!!」


    ベルトルト「えっ…えっ!?ユミルは!!?」

    ベルトルト「(僕のバカ!なんで聞き返してるんだ!)」

    ユミル「私か?そうだなあ…」

    ユミル「付き合ったら今みたいに、ずっと奉仕してくれんだろ?それに飯も奢ってもらえるだろうし…この特典はデカい」

    ベルトルト「(…肝心の僕はそれらの特典を付けると一言もいってないぞ)」

    ユミル「だから、悪かねえと思ってる。で…ベルトルさんは?」

    ベルトルト「え、えっと…うーん…」ダラダラ


    ベルトルト「ぼ…僕は…周りに流されて、成り行きで付き合うっていうのには…賛成できない」

    ベルトルト「利益があるから…とかじゃなくて…やっぱり、付き合うっていう行為には感情が伴っていなきゃ」

    ユミル「そうか」

    ベルトルト「…ごめん」

    ユミル「は?なんで私がフラれたみたいになってんだよ」

    ベルトルト「え?」
  120. 120 : : 2016/09/02(金) 17:29:20
    ユミル「あーよかった!オッケー出されなくて!」

    ベルトルト「…あの、わけが…わからないんだけど」

    ユミル「私は借りを作りたくないタイプなんだ。恩に着せられるっつーのが大嫌いでな」

    ベルトルト「へ、へえ…」

    ユミル「ベルトルさんは…仕えるの大好き!な物好きだろ?さすがの私も気味が悪くなってきたんだよ。今尽くしといて、あとから何か要求するんじゃねえか、とか」

    ベルトルト「(別に、仕えるの大好き!なわけじゃないけど…)」

    ユミル「そこで今のうちに対価を払っておこうかと思ってな」

    ベルトルト「…それが、あれ?」

    ユミル「もし成立してたら、ベルトルさんは私といることができてハッピー。私は楽できてハッピー。ウィンウィンな関係だろ?」

    ベルトルト「え、うーん…」

    ユミル「まあはっきり言って私が付き合いたいのはクリスタだし、ベルトルさんは眼中にねえし。期待させたならごめんな!」ウインク

    ベルトルト「…(何もかもが無茶苦茶だ…)」
  121. 121 : : 2016/09/02(金) 17:51:41
    ベルトルト「(…でも、なんだろうこの違和感は…)」

    ベルトルト「……ユミル、君は…」

    ユミル「あ?」

    ベルトルト「僕に気を遣ってないか?」

    ユミル「はあー?んでだよ。ベルトルさんなんて気を遣う価値もねえよ」

    ベルトルト「…そうだよね。はは」

    ユミル「急に何を言ったかと思えば…私がそんな善人に見えるか?」

    ベルトルト「悪人面には見えるね」

    ユミル「それはどこぞのエレンさんのことだろ」

    ベルトルト「君もいい勝負してるよ」

    ユミル「てめえ」


    ベルトルト「もう帰ろう。送るよ」

    ユミル「へえへえ、わかりましたよっと」

    ベルトルト「…(ユミルは僕に心を開いてくれたのかな)」

    ユミル「今度はニヤニヤしてどうした…きもちわりいぞ…」

    ベルトルト「そ、そんなに笑ってないよ。ちょっと口角がいつもより上がってるだけだ」

    ユミル「ベルトルさん、普段死んだ顔してるからなあ…少しでも明るい表情になると目立つんだよ」

    ベルトルト「え…そ、そう?」

    ユミル「とはいっても、最近はマシだが。私にパシられて活き活きしてるぜ」

    ベルトルト「…そんなつもりないけど、ありがとう」
  122. 122 : : 2016/09/11(日) 23:59:07
    ユミル「ふんふふんふーん」

    ベルトルト「急に謎言語で喋るのやめてよ」

    ユミル「バカ、これは鼻歌だ」

    ベルトルト「そ、そう」


    ベルトルト「…ユミルってさ、優しいんだね」

    ユミル「…またお前は訳の分からないことを…」

    ベルトルト「僕、少し前まで君のことを、ちょっと…いや、かなり…ううん、めちゃくちゃ警戒してたよ」

    ユミル「私に話す前に内容をまとめてから喋ってくれ」

  123. 123 : : 2016/09/12(月) 00:15:42
    ベルトルト「でも、こうして一緒にいる時間が長いとさ…慣れて、お互いのことが分かってくるっていうか」

    ユミル「…お前に私の何がわかる?」

    ベルトルト「え?…」

    ベルトルト「ああ、なんでも分かるよ」

    ベルトルト「雨の日が嫌いで、その日は事あるごとに舌打ちが止まらないけど、実は晴れの日もそんなに好きじゃない」

    ベルトルト「理由は、変に日焼けの痕がつくのが嫌だから。この間前髪がかかってないおデコの部分だけ日焼けしかけてて、おかしくなってたもんね」

    ユミル「…」

    ベルトルト「あと、サボれるところはすぐサボろうとする。僕に頼む内容第1位が、″そこにある物を取って系″だし…この時点で察するよ」

    ベルトルト「それから…クリスタのことが好き。僕をクリスタに見立てようと努力するくらいに。それだけ彼女と仲が良いのかなって思う」

    ベルトルト「それから…

    ユミル「もういい」

    ベルトルト「あ…うん」

    ユミル「堰を切ったようにペラペラと…喋りすぎだ、お前」

    ベルトルト「ご、ごめん」
  124. 124 : : 2016/09/12(月) 00:31:10
    ベルトルト「それぐらい、喋ることがあったから…」

    ユミル「私の観察日記でもつけてんのか?」

    ベルトルト「え…日記なんてもの自体、書いたことないけど」

    ユミル「皮肉だバカ」

    ベルトルト「あ、あはは…」


    ユミル「…確かに」

    ベルトルト「?」

    ユミル「私のことはよーくわかってるみてえだな」

    ベルトルト「…あっ、これは好意を抱いてるが故の観察眼、とかじゃなくて!僕、人間観察が趣味みたいなことあるから…」

    ベルトルト「それにユミルって、裏表がないというか…わかりやすいから、余計に

    ユミル「ほー、私が単純でわかりやすいアホとおっしゃると?」バキゴキバキィッ!

    ベルトルト「ち、違います!指鳴らさないでこわい!」
  125. 125 : : 2016/09/12(月) 00:58:18
    ユミル「まったく、私をなんだと思ってやがる…」

    ベルトルト「え、えっと、物言いがストレートで、利己心むき出しで生きてます!みたいな感じがあって…」

    ユミル「それは否定しない」

    ベルトルト「だけど、なんというか…遠回しに、人が気付かないよう配慮してる…」

    ユミル「はあ、何を言いたいのかさっぱりだ。誰か解読班呼んでくれ」

    ベルトルト「うーん…その…隠してるような感じがするんだ、なんか」

    ユミル「…へえ、そうかい」

    ユミル「お喋りは終わりだ、ここからはひとりで帰るよ。毎度のことながら送迎ご苦労さん」

    ベルトルト「あ、うん」

    ユミル「じゃあな」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「(今日は、ユミルにとても近づけた気がする)」

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