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ライナー「今夜星を見に行こう」

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  1. 1 : : 2013/10/02(水) 18:39:05
    ・ご都合主義設定
    ・ご都合主義展開
    ・ネタバレ有り
    ・長い
    某アニソンは引用だけ
  2. 2 : : 2013/10/02(水) 18:39:34
    ある日の夕食時 食堂
    アルミン「でね、その星には東の方では他の伝説があって…」ペラペラ

    ミカサ「その話は昔お母さんから聞いたことがある」

    ミカサ「一年に一度しか会えない、夫婦の話」

    アルミン「そうだよ、よく知ってるね。牽牛と織女っていうんだけど」

    エレン「ケンギューとショクジョ?なんだそれ?変な響きだな」

    アルミン「人の名前だよ。東洋にあった大国の名前でね…」

    エレン「ふーん。アルミンはホントなんでも知ってるよな 」

    アルミン「なんでもは知らないさ、知ってることだけだよ」

    ミカサ「アルミン、もっとその話を聞かせてほしい」

    アルミン「うん。もちろん、いいよ」

    アルミン「元々二人は腕のいい牛飼いと機織りだったんだけど…」

    エレン「うんうん」キラキラ

    ミカサ「…」キラキラ
  3. 3 : : 2013/10/02(水) 18:40:09
    ジャン「ミカサがあんなに顔を輝かせて…」

    マルコ「ジャンも入れてもらってきたら?」

    ジャン「あ?オレはいいよ。星なんてなんの役に立つってんだ」

    マルコ「そうかい?じゃあ、僕は混ぜてもらおうかな」スタスタ

    ジャン「え?あ、おい、マルコ!待てよ、オレも行くから!」ジャン「ミカサがあんなに顔を輝かせて…」

    マルコ「ジャンも入れてもらってきたら?」

    ジャン「あ?オレはいいよ。星なんてなんの役に立つってんだ」

    マルコ「そうかい?じゃあ、僕は混ぜてもらおうかな」スタスタ

    ジャン「え?あ、おい、マルコ!待てよ、オレも行くから!」
  4. 4 : : 2013/10/02(水) 18:41:32
    ライナー「相変わらず、仲がいいな、あいつらは」

    ベルトルト「あいつらって、ジャンたちのこと?それともエレンたち?」

    ライナー「オレが言ったのはエレンたちのことだが」

    ライナー「そうだな、ジャンとマルコもだいたい一緒にいるな」

    ライナー「訓練兵になってからの付き合いなのにな」

    ベルトルト「時間の長さは関係ないってことじゃないか
    な」

    ライナー「ああ、そうだな」

    ベルトルト「逆に僕たちみたいなのもいるし」

    ライナー「?」

    ベルトルト「ずっと一緒だったのにね、ここに来るまでは 」チラッ

    離れた席のアニ「…」

    ライナー「お前、それは…」

    ベルトルト「なんてね。言ってみただけだよ」

    ライナー「笑えない冗談はよせ」

    ベルトルト「ごめんごめん」

    ベルトルト「それにしても、星か…」

    ベルトルト「故郷にいた頃はよく見にいったよね」

    ライナー「ああ。あの辺は星もよく見えたな」

    ベルトルト「懐かしいな…」

    ベルトルト「もう、あんなこともできないんだろうね…」

    ライナー「…」

    ベルトルト「あの頃には、もう、戻れない…」

    ベルトルト「あ、ごめんね。また変なこと言っちゃった」

    ライナー「…よし。そうだな」

    ベルトルト「ライナー?」

    ライナー「今夜、星を見に行こう」



    休憩終わるので、続きは夜に。
  5. 5 : : 2013/10/02(水) 22:13:46
    アルミン「天体観測に行きたいって?」

    ライナー「ああ、できればみんなで」

    ジャン「夜中に抜け出そうってのか?」

    ミカサ「?抜け出すのなら人数は少ない方が良い」

    アルミン「いや、抜け出す事前提で話進めちゃ駄目だよ、ミカサ」

    ライナー「もちろん、合法的にだ」

    アルミン「合法的にって…どうするつもり?」

    ライナー「そこをアルミンに頼みたい」

    アルミン「僕!?無理だよ!」

    ライナー「お前には正解を導く力があると聞く」

    ライナー「ぜひ力を貸してほしい」

    アルミン「そんなこと言われたって…」

    ライナー「どうだ?ミカサ、エレン。話だけじゃなく、実際に本物を見たいと思わんか?」

    エレン「いいよ、別に。明日の訓練に支障が出るだろ」

    ミカサ「エレンが行かないのなら、私も…」

    ライナー「夜中までエレンと一緒にいられるぞ?」ボソッ

    ミカサ「!?」
  6. 6 : : 2013/10/02(水) 22:14:32
    ライナー「訓練所に来てから二年以上、よく我慢してきたじゃないか」ボソボソ

    ミカサ「私は…」

    ライナー「故郷にいた頃を思い出して、久しぶりにエレンとゆっくり夜を過ごしたくないか?」ボソボソ

    ミカサ「アルミン、是非エレンとの夜を…いえ、是非天体観測に行きたい」

    アルミン「聞こえてるよ…」ハァ-

    ジャン「ミ、ミカサが行くならオレも…!」

    エレン「何言ってんだ、ミカサ?明日も訓練があるんだぞ?夜更かしなんかしてられねえだろ」

    ジャン「っ!この野郎、じゃあお前は来なけりゃいいだろうが!」

    ミカサ「いいえ、エレンは来るべき。絶対に、来るべき」

    エレン「なんでだよ…」

    ミカサ「エレンは私と一緒に居ないと早死にする」

    エレン「寮に残るのにどうやって死ぬってんだ…?」

    アルミン「そもそも、僕はなんとかするとは言ってないんだけど…」

    ライナー「クリスタにいいとこ見せるチャンスだぞ」ボソッ

    アルミン「!?」
  7. 7 : : 2013/10/02(水) 22:15:19
    ライナー「お前ほどの知識を持ってるやつが他にいるとは思えん」ボソボソ

    アルミン「僕は…」

    ライナー「クリスタみたいなロマンチストはきっと、お前の話に興味を持つだろう」ボソボソ

    ライナー「お前自身にも、な」ボソボソ

    アルミン「僕に任せてよ!」

    ライナー「さすがアルミンだ」

    エレン「おいおい、マジかよ」

    アルミン「エレン、天文知識を身に付けることは壁外調査できっと役に立つ」

    エレン「そうなのか?」

    アルミン「時間や方角を知る手がかりになるからね。調査兵団に入るなら知ってて損はないよ」

    エレン「でも、明日の訓練が…」

    アルミン「大丈夫だよ、エレン」

    アルミン「必ず、交渉を成功させてみせる!」
  8. 8 : : 2013/10/02(水) 22:16:24
    ライナー「そうしてアルミンは本当に交渉を成功させてきた」

    ライナー「しかも明日の午前中を半休にするところまで含めてだ」

    ライナー「それどころか、教官に迷惑をかけない、という名目で」

    ライナー「訓練兵だけで実施するところまで話をつけてきた」

    ライナー「実地で天文知識をつけることの有用性と」

    ライナー「人類の希望たる兵士として高い教養を身に付ける必要性を説いたということだったが」

    ライナー「それだけで教官が納得するとは思えない」

    ライナー「何をしたのかはわからないが」

    ライナー「全く、末恐ろしいやつである」
  9. 9 : : 2013/10/02(水) 22:51:30
    支援。
  10. 10 : : 2013/10/02(水) 23:21:51
    読んどるよ~~
  11. 11 : : 2013/10/03(木) 00:05:09
    >>9 >>10
    ありがとうございます!
    書き溜めが少ないので、続きは明日以降になります。
  12. 12 : : 2013/10/03(木) 17:19:29
    故あって、名前変えました。

    野球始まるまで、すこしだけ。
  13. 13 : : 2013/10/03(木) 17:20:27
    深夜 森の中
    ユミル「星ね…面倒くせぇ…」

    クリスタ「もう!一応訓練の一環なんだよ?」

    ユミル「教官も居ないのに、訓練とはね」

    クリスタ「アルミンがすごく詳しいから、教えてくれるらしいよ」

    クリスタ「アルミンはなんでも知っててすごいね!」

    ユミル「私だって、星見て方角知ることくらいできるぜ」

    クリスタ「え?そんなことできるの?」

    ユミル「一体、何を学びにいくつもりだったんだ?」

    クリスタ「神話のお話とか…流れ星のお話とか…」

    ユミル「クリスタじゃなかったら、ただのアホだな…」

    クリスタ「え!?ユミル、ひどい!」
  14. 14 : : 2013/10/03(木) 17:21:08
    サシャ「私も方角くらいはわかりますよ」

    コニー「オレもだ。狩りの時に必要だったしな」

    サシャ「あと、昔は星見て種まきや収穫の季節の目安にしてたらしいですね」

    コニー「へー、確かに、夏と冬じゃ見える星が違うな」

    コニー「どっちがどっちか覚えられねえけど」

    サシャ「あとは、時間とかも分かるらしいです」

    コニー「空は回ってるからな!」

    サシャ「空じゃなくて、私たちのいる大地の方が回ってるらしいんですよ、アルミンが言うには」

    コニー「なに!?オレたち回ってるのか!?」

    サシャ「それどころか、私たちがいるこの大地も、ひとつの星らしいですよ」

    コニー「なんだって!?でも、ここは光ってねーぞ?」

    サシャ「不思議ですよねー!」
  15. 15 : : 2013/10/03(木) 17:21:47
    エレン「なあ、アルミン、どこら辺まで行くんだ?」

    アルミン「この森を抜けると、拓けた高台があるだろ?あそこだよ」

    ミカサ「星がよく見えそう」

    エレン「確かに、森の中じゃ木がじゃまだもんな」

    ミカサ「昔、開拓地に居た頃、三人で星を見た時も、広いところで見た」

    エレン「ああ、あったな、そんなことも」

    アルミン「そうだったね。あの時は冬だったから、三ツ星の狩人の話をしたね」

    エレン「あの星座だけは今でも覚えてるぞ!」

    ミカサ「うん。私も」

    アルミン「見つけやすい、冬の代表的な星座だね」
  16. 16 : : 2013/10/03(木) 17:27:53
    ジャン「…」

    マルコ「やきもちかい?ジャン」

    ジャン「ちげーよ…そこまで器ちっちゃくねえっての」ケッ

    マルコ「いいじゃないか、三人は幼馴染み。共通の思い出の十や二十あるさ」

    ジャン「だから違うって言ってんだろ」

    マルコ「うん、そうだね。ジャンがやきもち妬くのは、ミカサとエレンの二人であって」

    マルコ「アルミンを含めた三人じゃないもんね」

    ジャン「だから…もういいや」

    ジャン「やきもちっつーか、なんつーかな…」

    マルコ「ああ、羨ましかったのか」

    ジャン「変わらねえじゃねえか…」

    アニ「…」

    マルコ「ああ、アニ、そこ根っこが張り出してるから、気を付けて」

    アニ「ん…」
  17. 17 : : 2013/10/03(木) 17:28:32
    ジャン「なんだよ、相変わらず無愛想だな、眠いのか?」

    アニ「別に。必要性を感じないだけだよ」

    ジャン「まあな、合法的に夜更かしができるってのは、悪くないけどな」

    アニ「ガキだね」

    ジャン「あぁ!?」

    アニ「夜更かしが嬉しいなんて、ガキの感想だよ」

    マルコ「まあまあ、二人とも」

    マルコ「アニは、星とか興味ないの?」

    アニ「…あるように見えるかい?」

    ジャン「ハハッ、確かにそんなロマンチックな趣味は持ってねえよな」

    マルコ「ジャン、失礼だよ。アニだって女の子なんだ」

    アニ「いいよ、その馬面はムカつくけど、似合わないのは私も同感だし」

    ジャン「誰が馬面だ、コラ」

    マルコ「ジャン!」
  18. 18 : : 2013/10/03(木) 17:29:11
    ライナー「…」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「ねえ、ライナー」

    ライナー「ん?なんだ、ベルトルト」

    ベルトルト「どういうつもりなの?」

    ライナー「なんのことだ?」

    ベルトルト「これのことだよ!またクリスタがどうこうって考えてるのかと思ったら」

    ベルトルト「アルミンにいいとこ譲るようなこと言ってるし」

    ベルトルト「なんだって、こんなこと提案したんだ…?」

    ライナー「…」

    ベルトルト「さっき、僕が言ったことが理由なら、正直言って余計なお世話だよ」

    ライナー「…やっぱり、そうか」

    ベルトルト「そうだよ」

    ライナー「いや、まあ確かに、あの頃を思い出したのもあるんだが…」

    ライナー「今からだって、思い出は作れるってことだ」ニカッ
  19. 19 : : 2013/10/03(木) 17:29:48
    森を抜けたところにある拓けた高台
    エレン「おおー!すっげー!」

    マルコ「いい場所だね」

    アルミン「うん。実は、前々から目はつけていたんだ」

    ミーナ「すっごい!星だよ!星!」

    クリスタ「ホント!すごいね!」

    コニー「確かに、これは…」

    ジャン「すげぇ…」

    ミカサ「きれい…」

    アニ「…」

    ライナー「よく見えるもんだな」

    ベルトルト「うん」
  20. 20 : : 2013/10/03(木) 17:30:45
    ―――――――――
    ―――――――
    ―――――
    ―――

    アルミン「さて、大体、時間と方角の見当の付け方はわかったかな?」

    エレン「M字の星座から、こっちの方向に伸ばして…あの星の方角が北だな!」

    アルミン「そう、北極星だね」

    エレン「壁外で迷ったら、あの方向に逃げればいいんだな」

    ミカサ「大丈夫。エレンは迷子になんかならない。私がいる」

    エレン「何言ってんだ、お前」

    ジャン「ちくしょう、エレンのやつ…!」

    マルコ「ほら、ジャン、落ち着いて」

    マルコ「もうひとつ、北極星を見つける方法を教えてもらったけど覚えてるかい?」

    ジャン「あれだろ、北斗七星から、こっちに伸ばして…」

    アルミン「そうそう。エレンもジャンも正解だよ」

    アルミン「大体、これで教えることは終わりかな?」

    アルミン「なにか、聞きたいことがある人はいる?」

    ミカサ「アルミン、ケンギュウとショクジョはどこ?」

    アルミン「ああ、牽牛と織女だね 」
  21. 21 : : 2013/10/03(木) 17:33:48
    アルミン「ほら、ちょうど、真上。星の帯が見えるかい?」

    ミカサ「わかる」

    アルミン「その帯を挟むように明るい星が二つあるだろう?」

    ミカサ「両横に小さな星がくっついてるあれ?」

    アルミン「そうそう。あれが牽牛。織女はちょうどその反対側だよ」

    エレン「んー?どれだ?」

    ミカサ「エレン、私の指の先」

    エレン「あ?どれだよ…」
  22. 22 : : 2013/10/03(木) 17:34:24
    ベルトルト「わかるかい?ライナー」

    ライナー「あれと…あれか、その伝説の話は知らんが、あれは確か三つセットの星じゃなかったか?」

    ベルトルト「夏の大三角ってやつだね。たしか、もう一つは…」

    アルミン「ほら、あそこだよ」

    ライナー「アルミン!」

    ベルトルト「あれ?ミカサたちは?」

    アルミン「クリスタたちに牽牛と織女の伝説を教えてるよ」

    アルミン「女の子はああいう話が好きだね」

    ライナー「アニまでいるのか、意外だ…」
  23. 23 : : 2013/10/03(木) 17:34:57
    アルミン「ほら」

    アルミン「あれが、デネブ、アルタイル、ベガ」

    アルミン「アルタイルが牽牛でベガが織女だ」

    コニー「ん?同じ星なのに名前がいっぱいあるのか?」

    マルコ「アルミンが言ってるのは、東の方の伝説絵らしいよ」

    コニー「なるほど」

    ジャン「お前、本当にわかってんのか?」

    コニー「そこまでバカじゃねえよ!」

    コニー「でも、東の伝説では、三角形のうち、一つだけ仲間はずれなんだな」
  24. 24 : : 2013/10/03(木) 17:37:31
    ライナー「…」

    ベルトルト「…」

    アルミン「ははっ、コニー、面白いことを言うね」

    ジャン「考えたのが別のやつなんだから、仲間外れも何もねえだろ」

    マルコ「コニーらしい、素直な感想じゃないか」

    アルミン「でも、そうだね。それぞれの呼び方がいつ頃出来上がったものなのか調べてみても、面白いかもしれないね」

    コニー「アルミンは知らないのか?」

    アルミン「うん。どちらも古い話だからね」

    コニー「アルミンでも知らないことがあるんだなー」

    アルミン「当然だよ」

    ライナー「…」

    ベルトルト「…」
  25. 25 : : 2013/10/03(木) 17:38:08
    クリスタ「へぇ…悲しいけど、素敵なお話だね」

    ミーナ「うんうん、一年に一度しか会えないなんて…」

    ハンナ「フランツと一年に一回しか会えないなんて、私耐えられない!」

    フランツ「僕もだよ、ハンナ!」

    ハンナ「フランツ!」ダキッ

    フランツ「ハンナ!」ダキッ

    ユミル「ふーん、なんつーか、教訓めいてるっつーか…な?」

    アニ「…」

    サシャ「ケンギューの飼ってる牛は美味しいんでしょうか?ミカサ、知ってます?」

    ミカサ「知らない。アルミンなら知ってるかもしれない」

    ミカサ「アルミン!教えてほしいことがある」

    アルミン「ん?なんだい?ミカサ」

    サシャ「ケンギューが飼ってた牛は美味しいんですか?」

    サシャ「はっ!まさか、乳牛!?」
  26. 26 : : 2013/10/03(木) 17:38:44
    アルミン「うーん?どうだろうね?そこまでは本に書いてなかったな…」

    ミカサ「アルミンに知らないことがあるなんて…」

    ミカサ「ケンギュウは秘密主義だったのかもしれない」ウ-ン

    アルミン「ぼ、僕だって、なんでも知ってる訳じゃないんだよ!?」

    アルミン「今日はよくこの話するな」

    アルミン「そんなことより、みんな、そろそろ帰ろう」

    アルミン「明日は午後からとはいえ、あまり遅くまで寝てるわけにはいかないからね」

    サシャ「朝御飯が食べられないのは困りますからね!」

    クリスタ「うーん…もっと見ていたかったなぁ」

    ユミル「私は星よりクリスタを見ていたいけどな」

    クリスタ「もう!ユミル!ちゃんと北の見つけ方覚えたの!?」

    ユミル「だから、それは元から知ってたんだって」
  27. 27 : : 2013/10/03(木) 17:42:44
    ライナー「どうだ、ベルトルト、来てよかったか?」

    ベルトルト「…うん。まあ、そうだね」

    ベルトルト「悪くなかったよ…」ミアゲ

    エレン「…」

    アルミン「エレンたちも、帰ろう」

    エレン「ああ…」スクッ

    エレン「なあ、アルミン、ミカサも…」

    エレン「…また来ようぜ」

    ミカサ「うん…」

    アルミン「そうだね…」

    ユミル「今度は私と二人っきりで来よう、クリスタ」

    クリスタ「次もみんなで来るの!」
  28. 28 : : 2013/10/03(木) 17:46:06
    アニ「あ…」

    サシャ「流れ星です!」

    コニー「願い事しねえと!」

    クリスタ「え?どこどこ?」

    エレン「駆逐駆逐駆逐」

    ミカサ「エレンエレンエレン」

    アルミン「二人とも…」

    ジャン「ミカサミカサミカサ」

    マルコ「ジャン…」

    ライナー「最後にいいもの見れたな…」

    ベルトルト「…そうだね」
  29. 29 : : 2013/10/03(木) 17:54:29
    野球見てきます。夜中にもしかしたら更新するかも。
  30. 30 : : 2013/10/04(金) 22:28:32
    翌日 食堂
    ライナー「うーん、半休だとゆっくり眠れていいな」

    ベルトルト「午後からは普通に訓練なんだから、あんまりだれてちゃダメだよ?」

    ライナー「わかってるよ」

    アルミン「あ、ライナー、ベルトルト、おはよう」

    エレン「おはよ」

    ミカサ「おはよう」

    ライナー「おお、アルミン、エレン、ミカサも、おはよう」

    ベルトルト「おはよう」

    アルミン「ゆっくり眠れたみたいだね」

    ライナー「おかげさまでな」

    ライナー「しかし、オレたちは早い方かと思ってたんだが、意外とみんな起きてるな」

    ミカサ「みんな早起きが習慣になってしまっている」

    アルミン「午後の訓練で居眠りしないように気を付けないといけないね」

    ベルトルト「ジャンとコニーはまだ寝てたよ」

    ライナー「ああ、そういえば、マルコがもう少ししたら起こすって言ってたな」

    エレン「あとは、フランツもだな」

    ミカサ「女子はクリスタとユミル、それにアニがまだ」
  31. 31 : : 2013/10/04(金) 22:29:13
    ライナー「(天使も寝坊するのか)」

    エレン「ユミルはまだしも…アニもか?」

    ベルトルト「珍しいね」

    ミカサ「エレン?アニのことが気になるの?」

    エレン「は?なんだよ、意外だと思っただけだよ、あいつが遅いの」

    ライナー「逆にサシャはいるんだな、あいつは遅くまで寝てそうだが…」

    アルミン「朝御飯食べるためだね。急だったから、ご飯の時間までは変えられなくて…」

    ライナー「なるほど、あいつらしいな」

    ガチャ

    アニ「…」

    クリスタ「おはよう!みんな!」

    ユミル「ふぁ~あ…」
  32. 32 : : 2013/10/04(金) 22:33:44
    ライナー「お、おはよう!クリスタ!」

    クリスタ「あ、おはよう、ライナー」

    ライナー「(結婚したい)」

    クリスタ「みんなも、おはよう」

    エレン「おはよ」

    アルミン「おはよう」

    ミカサ「おはよう、クリスタ、ユミル、アニ」

    ベルトルト「おはよう」

    アニ「おはよ…」

    ユミル「よう。おい、ライナー、ぼさっと突っ立ってんじゃねえよ」

    ユミル「図体でかいから邪魔だ」

    ライナー「ん?っと、すまん」

    ベルトルト「じゃあ、僕たちは向こうで食べようか、ライナー」

    ライナー「そうだな」

    ベルトルト「行くよ」

    ベルトルト「アニ」
  33. 33 : : 2013/10/04(金) 22:34:24
    ライナー「!?」

    アニ「ん…」

    ライナー「な、なんでアニを…?」

    ベルトル「?なんでって?何を言ってるんだい?」

    ベルトルト「アニとはいつも一緒に食べてるじゃないか」

    ライナー「い、いつも…?」

    ベルトルト「ライナー?どうしたの?」

    ライナー「いや、だって、オレたちは…」

    ベルトルト「?」

    アニ「…気にすることないよ、ベルトルト」

    アニ「所詮、幼馴染みに朝の挨拶もろくにしないやつだ」

    ライナー「はあああああ!?」

    アニ「!?」ビクッ

    ベルトルト「ちょっと、どうしたんだい?ライナー」

    ライナー「どうしたもこうしたも、お前ら、その事は…」ヒソヒソ

    ライナー「オレたちが同郷だってことは、秘密のはずじゃ…」ヒソヒソ

    ベルトルト「秘密って?」

    アニ「なんでだい?」
  34. 34 : : 2013/10/04(金) 22:34:56
    アルミン「どうしたんだい?ライナー」

    ベルトル「アルミン、聞いてくれよ、ライナーが僕たちが幼馴染みだってこと、秘密だとか言い出してさ」

    アルミン「え?なんで?」

    エレン「隠すようなことじゃねえだろ?」

    ミカサ「ライナー、それは酷い」

    ユミル「つーか、隠すなら、最初から隠しとけよ」

    クリスタ「急にどうしちゃったの?ライナー」

    ライナー「…お前ら、オレたちが同郷出身の幼馴染みだってこと知ってたのか?」

    一同「知ってた」

    ライナー「…」
  35. 35 : : 2013/10/04(金) 22:39:37
    訓練前 人気のない訓練所の隅
    ライナー「だからな、今言ったように…」

    ベルトルト「故郷のために、僕たちの関係を隠して、訓練兵団に入ったって?」

    ライナー「そうだ」

    ライナー「故郷のこと、座標のこと、任務のこと、それに巨人のことも、ちゃんと覚えてるんだな?」

    ライナー「それはあってるんだな?」

    ベルトルト「覚えてるし、あってるよ」

    ベルトルト「故郷のことも、座標のことも、任務のことも、君が言った通りだ」

    ライナー「そ、そうか…」

    ベルトルト「でも」

    ベルトルト「それだけだ」

    ベルトルト「僕たちは、僕たちの関係を隠したりしてない」

    ベルトルト「訓練兵団に入ってからも、三人一緒だった」

    ライナー「…」
  36. 36 : : 2013/10/04(金) 22:40:14
    ライナー「しかし、オレの記憶では…」

    ベルトルト「ライナー、正直に言っていいかな?」

    ライナー「?」

    ベルトルト「率直に言って、君の記憶は、あまり信用できない」

    ライナー「!」

    ベルトルト「君はまるで、自分が兵士かのように振る舞うことがある」

    ベルトルト「しかも、最近は頻繁に」

    ベルトルト「今も、それが悪化したんじゃないかと思ってるよ」

    ライナー「…」

    アニ「ライナー」

    ライナー「どうした?アニ」

    アニ「訓練兵団に入る前、その話をしたこと、覚えてる?」

    ライナー「その話?」

    アニ「関係を隠した方がいいんじゃないかって話」

    アニ「私が提案したんだけど」

    ライナー「そう、だったな…」

    ライナー「(それは覚えている。アニが提案して、オレもベルトルトも賛成した)」
  37. 37 : : 2013/10/04(金) 22:49:28
    アニ「覚えてるんだ?」

    ライナー「ああ」

    アニ「じゃあ、その時あんたが言った言葉も、覚えてる?」

    ライナー「オレの記憶では、すぐに賛成している」

    アニ「違うよ、ライナー」

    アニ「あんたは、反対した。反対してくれた」

    アニ「いや、あんただけじゃない。ベルトルトも一緒に、訓練兵団でも三人一緒だと言ってくれた」

    ライナー「…」

    ベルトルト「うん。あのときも言ったけど、アニは案外寂しがり屋なところがあるからね」

    あに「あれ、結構嬉しかったんだけどね…」

    アニ「本当に覚えてないのかい?」

    ライナー「…」

    ベルトルト「…」

    アニ「…」
  38. 38 : : 2013/10/04(金) 22:58:37
    ライナー「…覚えてる、よ」

    ベルトルト「ライナー!」

    ライナー「正確には、思い出した、だ」

    ライナー「やっぱり、おかしくなっちまってるようだな、オレは」

    ライナー「すまない」

    ベルトルト「じゃあ、君はちゃんと戦士なんだね?」

    ライナー「ああ、もちろんだ」

    ライナー「悪かったな、アニ。大事なこと忘れちまってて」

    アニ「別にいいさ」

    アニ「じゃあ、私、今日当番入ってるから…」

    バルトルト「あ、僕もだった。途中まで一緒に行こうよ、アニ」

    アニ「そうだね」
  39. 39 : : 2013/10/04(金) 22:59:07
    アニ「…」

    アニ「…ねえ、ベルトルト、ライナー…」

    ライナー「ん?なんだ?」

    ベルトルト「どうしたの?アニ、なにか問題があった?」

    アニ「…いや、なんでもないよ。行こうか」スタスタ

    ライナー「…」

    ライナー「アニ!」

    アニ「なんだい?」クルッ

    ライナー「昼飯も、三人で食おうな!」

    アニ「!」

    アニ「ふん、仕方ないね…」
  40. 40 : : 2013/10/04(金) 23:30:11
    ライナー「当然ながら、そんなことは覚えていないし」

    ライナー「思い出してもいない」

    ライナー「が、昔、故郷にいた頃に見た切りだった、アニの泣きそうな顔を見ていたら」

    ライナー「久しぶりにそんな顔をみていたら」

    ライナー「口をついて、嘘が零れていた」

    ライナー「そうだ、入団前のアニはあんな感じだった」

    ライナー「表情豊か、とまではいわないものの」

    ライナー「隠そうとして隠しきれない感情が、表情が出てしまう」

    ライナー「寂しがり屋で恥ずかしがり屋の」

    ライナー「普通の女の子だった」

    ライナー「そんなアニを置いて、オレの記憶の正当性を主張できるわけがない」

    ライナー「周りの様子を見る限り」

    ライナー「おかしいのはオレの方なのだから」
  41. 41 : : 2013/10/05(土) 00:11:49
    ライナー「とはいえ、現実とオレの記憶に齟齬があるのは確かだ」

    ライナー「現実味がないのは承知で言うが」

    ライナー「別の世界にでも、紛れ込んだんじゃないのか?」

    ライナー「物語じゃあるまいし、そんなことが有り得ないのは、まあ分かってるんだが…」

    ライナー「そうじゃないとすれば、やっぱりオレがおかしいんだろうか…」ウ-ン

    アルミン「ライナー、さっきから一人でなに唸ってるの? 」

    ライナー「!なんだ、アルミンか。驚かすなよ」

    アルミン「ボーッとしてるからだよ」

    アルミン「やっぱり、寝不足なんじゃないかい?」

    ライナー「いや、そういうわけじゃないんだ…」

    アルミン「午後の座学、寝ちゃわないようにね」

    ライナー「ああ、そうだな。気を付ける」

    ライナー「ああ、アルミン」

    アルミン「ん?なんだい?」

    ライナー「相談があるんだが…」
  42. 42 : : 2013/10/05(土) 00:24:41
    ライナー....
  43. 43 : : 2013/10/05(土) 01:50:43
    アルミン「どうしたの?」

    ライナー「いや、今朝のことなんだが」

    アルミン「ああ、あれね」

    アルミン「あれはいくらなんでも酷いよ、ライナー」

    ライナー「すまん」

    アルミン「僕じゃなくて、アニに謝らなきゃ」

    ライナー「もう死ぬほど謝ったさ」

    アルミン「なら良かった」

    アルミン「で、ちゃんと思い出したのかい?というか、本当に忘れてたの?」

    ライナー「実を言うとな、アルミン」

    ライナー「今もよく分かってないんだ」

    アルミン「まだ思い出してないってこと?」

    ライナー「思い出してない、というか、やっぱりオレは自分がアニたちのことを忘れているとは思えないんだ」

    ライナー「が、だからといって、アニたちの記憶がおかしいとも思えない」

    ライナー「なんというか、突拍子もない話で申し訳ないんだが」

    ライナー「別の世界に来てしまったような、そんな違和感があるんだ」
  44. 44 : : 2013/10/05(土) 17:17:04
    アルミン「別の世界?」

    ライナー「そう、オレの記憶にある世界から、この世界に、一人だけ飛ばされてきたような」

    アルミン「そういう空想小説は確かによくあるね」

    ライナー「現実味がないことは分かってるんだ…」

    アルミン「うんうん。でも、よくあるっていうのはベタってことだけじゃなくてね?」

    ライナー「ほう」

    アルミン「いや、そもそも、ベタっていう言葉を悪い意味で使うのもどうかと思うんだ」

    ライナー「ん?」

    アルミン「ベタでよくある話っていうのは、つまり、需要があるってことだからね」

    ライナー「アルミン?」

    アルミン「もちろん、数ある中で、どう差異をつけるかっていうのが作者の腕の見せどころであって、例えば今回の話であれば、別世界に飛ばされた理由、動機」

    ライナー「いや、アルミン、話が思わぬ方向にずれていってる気が…」

    アルミン「そうだね…ライナーがそれを望んだからっていうのがベタの中でまたベタかな?」

    ライナー「…」
  45. 45 : : 2013/10/05(土) 17:19:31
    飛ばし読み可。

    アルミン「それでいて、ライナーの記憶だけが変わってないっていうのは、これもやっぱりベタだえけど、ライナーは無意識に深層心理でそれを望んでいるということだろうね。もちろん、ライナー以外が理由であり動機である可能性はある。これはちょっと複雑になるかな?なぜライナーだけが記憶を保持しているかっていう理由付けがね。これはライナーがその人と特別親しいとか、逆に全く接点がないとかがよくあるかな?あと、ライナーが特別な血筋とか、そんなのも。このパターンだと同じように特別な血筋の誰かが現れて、力を合わせてもとの世界に戻ろうとする展開が熱いよね。これが異性で、もとの世界に戻っても、ちょっといい関係になっちゃったりするっていうのもあるよね。好きな子を助けるためにっていうのは動機としても分かりやすいし、結構多いかな?実はお互いがお互いのために、異世界に飛んでたりもするんだけどね。僕としては男同士の友情なんて展開の方が好きなんだ。結構仲の悪い相手だったりして最初はぎくしゃくするけど、そのうち大きな転機が訪れるんだ、で、仲を深めた二人は…ていうの。エレンとジャンなんかはうまくはまりそうだね。それにさ、方法っていうのも大事な要素だよ。どうやって、この世界に来たのか。有名なのだと、夢とかタイムスリップとか、何度もタイムスリップを繰り返すループっていうのもあったなあ。もちろん、他にもあるよ。夢落ちってさ、やりやすいからタブー視されてる感もあるんだ。夢から覚めても、夢と同じ世界でしたとか、夢だと思ったのが実は現実で、現実だと思ったのが実は夢でっていうのも、いい加減多いしね。しかも、これは結構有名な故事があった気がするけど…。あ、記憶だけ異世界に飛ばすっていうのもあったなあ、ん?あれは過去に飛ばしたんだっけな?まあいいや、あとで読み直そう。これは、未来の凄い装置を使ったんだったかな。魔法を使ったものも多いね、神様の偶像に祈ったり星に祈ったり、生け贄とか使うのって魔法の一つなのかな?時間を操る魔法っていうのは結構使い勝手良さそうだよね。繰り返す時間もい色々多様性があってさ、長いものだとその人の一生、短いものだと一日、僕が知ってるなかだと死ぬ直前の30分を繰り返すっていうのがあったかなあ。そうそう!人類の肉体から魂を解き放つっていうとんでもない計画があってね、このお話でループする男の子が守ろうとする相手が男の子なんだ!
  46. 46 : : 2013/10/05(土) 17:20:16
    これが、ふつうの友情とはちょっと違う気がするんだけど…そういえば、魔法で時間を越えるやつも女の子が女の子を守ろうとする話だったなあ…ねえ、ライナー、これどう思う?」



    全部入らなかったorz
  47. 47 : : 2013/10/05(土) 22:50:25
    ライナー「」

    アルミン「ライナー?どうしたの?大丈夫?」

    ライナー「…はっ!すまん、大丈夫だ、大丈夫」

    アルミン「本当かい?」

    ライナー「ああ、ちょっと、ものすごい量の情報を脳に直接ぶち込まれたみたいだっただけだ…」

    アルミン「!もしかして、僕また喋りすぎちゃった?」

    アルミン「よくエレンやミカサもそんな風になってたんだ…」シュン

    アルミン「ごめんね、ライナーが困ってるのに面白がっちゃって…」

    ライナー「い、いや!確かに、驚きはしたが、話自体は面白かったし、また今度ゆっくりと聞かせてくれ」

    アルミン「本当かい!?うん!絶対だよ!」

    アルミン「ああ、そういえば、大事なことを聞いてなかったよ」

    ライナー「ん?なんだ?」

    アルミン「ライナーのもといた世界っていうかさ、ライナーの記憶ではアニたちとはどんな関係だったの?」

    ライナー「ああ。オレたちは…」

    アルミン「っていうのもね、登場人物の関係性っていうのは、結構大事な要素なんだよ。これは、過去に戻るようなお話に多いんだけどね。蝶の羽ばたき効果といって、過去で起こした何かによって現在が変わってしまうというもので、それによって出会うはずだった人とであわなくなったりするんだよね。ループものだと、ループするごとに、人間関係が変わってたりとか、あと…」

    ライナー「アルミン!アルミン!またな!また今度絶対聞いてやるから、ゆっくり!」

    アルミン「あ、またやっちゃった。ゴメン、ライナー」シュン

    ライナー「いいよ、本当にもう」
  48. 48 : : 2013/10/05(土) 23:52:09
    ライナー「で?元の世界のオレたちの関係だったか?」

    アルミン「うん。それもヒントになるかもしれないよ」キラキラ

    ライナー「(楽しんでやがるな)」

    ライナー「あー、元の世界でもオレたちは…はっ!」

    ライナー「(いや、どうなんだ?ここでアルミンにオレたちが同郷の幼馴染みであることを話したとして、元の世界に戻れたときに、あっちのアルミンはこのことを覚えているのか?それはマズイよな)」

    ライナー「いや、オレとベルトルトは幼馴染みだったが、アニは違った、よ…」

    アルミン「そうなんだ。じゃあ、誰かが君たち三人が幼馴染みだったらと望んだってことなのかな?」

    ライナー「そ、そうだな…」

    アルミン「ライナー、だれか、心当たりはないかい?」

    アルミン「君たち三人が親しくなって、得するような人に」

    ライナー「そうは言われてもなあ…」

    アルミン「単純に考えれば、君たちの中にいるんだろうけど…ベルトルトもアニも、誰か特定の個人と仲良くなって、得しようなんて考えるタイプじゃないよなあ…」

    ライナー「親しくなって、仲良くなって特をする、か…」

    アルミン「何か心当たりある?」

    ライナー「いや、思い付かん」

    アルミン「そっかぁ…」

    ライナー「いや、だが、話ができてすこし落ち着いたよ」

    ライナー「もう少し自分でも考えてみる」

    ライナー「結局、オレが忘れてただけってオチが今のところ濃厚だしな」

    ライナー「ありがとうな、アルミン」

    アルミン「あんまり役に立てなくてごめんね」

    ライナー「気にするな、十分だよ」

    アルミン「そう?じゃあ、僕、もう行くから」ダッ

    アルミン「また、今度夢落ちとタイムスリップについて話そうね!」フリフリ

    ライナー「あ、ああ…そのうちな…」
  49. 49 : : 2013/10/06(日) 00:13:56
    頑張ってくださいー
  50. 50 : : 2013/10/06(日) 00:25:35
    >>49 いつもありがとうございます。
  51. 51 : : 2013/10/07(月) 17:53:07
    午後 座学教室
    ベルトルト「あ、ライナー、遅かったね」

    アニ「席、取ってあるから」

    ライナー「ああ、ありがとう」

    アニ「課題、ちゃんと終わらせてあるんだろうね?」

    ライナー「ああ、作戦立案のレポートか、大分苦労したが…」

    ベルトルト「正直、アルミンたちがいなかったら、終わってなかったよね」

    アニ「アルミン、たち?」

    ベルトルト「うん。ジャンとマルコがね、結構うまいこと考えるんだよ」

    ライナー「ジャンのやつは意外と教えるのうまかったしな、口は悪かったが」

    ベルトルト「本当に、この程度もわからねえのか、とか言う人いるんだね」

    アニ「馬面だしね」

    ジャン「聞こえてんだよ!」クルッ
  52. 52 : : 2013/10/07(月) 22:21:49
    続き書いてたら、ユミルが予想より早く真相に辿り着いてしまったので、プロット練り直します。
  53. 53 : : 2013/10/08(火) 03:00:39
    ジャン「誉めるのか馬鹿にするのかどっちかにしろよ!」

    マルコ「ジャン、これくらいの冗談受け流しなよ」

    ライナー「馬鹿って言葉には、馬って入ってるよな」

    アニ「馬はジャンでしょ?」

    ベルトルト「マルコは鹿だったんだ」

    マルコ「あれ?流れ弾?」

    ジャン「誰が馬だよ!マルコは確かにちょっと鹿っぽいかも知れねえけどよ!」

    マルコ「そんなこと思ってたの!?」

    ジャン「冗談だろ、受け流せよ」

    マルコ「なんでだろう?納得いかない」

    ライナー「ははっ、すまんちょっとからかってやる空気だったもんで、ついな」

    マルコ「ついで鹿呼ばわりされたあげく、親友の思わぬ本心を聞くことになるとは…」

    ジャン「お前、よく親友とか、そういうことはっきり言えるよな…」

    マルコ「別に、事実だろう?ジャン、君らしくもない」

    ジャン「あのな…」
  54. 54 : : 2013/10/08(火) 03:01:43
    ライナー「なんだ、照れてるのか、ジャン?」ニヤニヤ

    ジャン「あぁ!?ちげえよ!」

    ベルトルト「案外かわいいところあるよね、ジャンは」

    ジャン「ベルトルト!違うつってんだろ!」

    アニ「馬面」

    ジャン「馬面は関係ないだろうが!」

    マルコ「仲良しだなぁ」

    ジャン「あん?」

    マルコ「ライナーたちってさ、息があってるっていうか」

    ジャン「人の悪口で息ぴったりでもなあ」

    マルコ「さすが、幼馴染みってことなのかな?」

    ジャン「幼馴染みねえ…」
  55. 55 : : 2013/10/08(火) 03:02:38
    ライナー「ふむ…」

    ライナー「なあ、ジャン、マルコ、二人に聞いてみたいことがあるんだが」

    ジャン「なんだよ?今オレは機嫌が悪いんだ。下らねえこと聞くなよ」

    マルコ「ジャン、そんな風に邪険に扱ったらダメだよ」

    マルコ「どうしたんだい?ライナー」

    ライナー「お前らは、お互いが幼馴染みだったらとか、考えたことはないか?」

    ジャン「はあ?」

    マルコ「幼馴染みって、ライナーたちみたいにってことだよね?」

    ライナー「あるいはエレンたちみたいに、だな」

    ベルトルト「どうしたんだい?ライナー」

    ライナー「なに、ちょっと気になっただけだ」
  56. 56 : : 2013/10/08(火) 03:04:52
    ジャン「幼馴染みねえ…考えたこともねえけど」

    マルコ「僕も考えてもみなかったなぁ」

    マルコ「僕はどちらかというと、ジャンとは幼馴染みじゃなくてよかったけどなぁ」

    ジャン「どういう意味だよ…」

    マルコ「もちろん、小さい頃から一緒っていうのは、楽しそうだけど…」

    マルコ「それだと、同じような価値観とかに育っちゃうかなぁって思ってさ」

    ライナー「価値観…」

    マルコ「ジャンと一緒にいるとね、今まで考えたこともなかったようなことを考えさせられるんだ」

    マルコ「僕とは全然違う考え方っていうかさ、正直なところとか、性格面も含めて」

    マルコ「僕とジャンは全然違う人間だから、今こうしていられるんだと思ったらさ、ある程度人格ができてから出会えたのは逆によかったのかなって」

    マルコ「もちろん、ライナーたちが同じ価値観に縛られてると言うつもりはないよ」

    マルコ「ただ、僕は今のジャンと出会えて本当に良かったと思ってるんだ。僕を変えてくれたのは、紛れもなくジャンだからね」
  57. 57 : : 2013/10/08(火) 03:05:29
    マルコ「ジャンはどう思う?」

    ジャン「ああ、まあな…」

    マルコ「うん?どうかしたの?」

    ジャン「なんでもねえ、けど、ちょっと待って」モンモン

    マルコ「?そうかい?」

    ライナー「(照れてる)」

    ベルトルト「(褒められ慣れてないから)」

    アニ「(マルコ、恐ろしい子…)」

    ジャン「っはぁー、まあ、オレも大体同意見だよ」

    ジャン「あれだ、よく言うだろ、時間の長さは関係ないってやつ。そういうことなんじゃねえの?」

    ジャン「今さら、幼馴染みって言われても違和感しかねえしな」

    マルコ「うんうん。あ、でも昔から一緒だったらジャンの口の悪さを直してやることもできたのか」

    ジャン「おい、いい話で終わろうぜ」

    ライナー「…」

    マルコ「どうしたのかは知らないけど、どうかな?何かの参考になった?」

    ライナー「ん?あ、ああ。そうだな。時間じゃないし、今さらだよな」
  58. 58 : : 2013/10/08(火) 03:06:05
    褒められ慣れてないジャンを褒め殺したい。
  59. 59 : : 2013/10/08(火) 14:57:59
    ジャン「あ、でも、ミカサと幼馴染みっていうのはありかもしれない…」

    マルコ「いい話で終わらせるんじゃなかったの…?」

    ベルトルト「それに、ミカサと幼馴染みってことはエレンとも幼馴染みってことにならないかい?」

    ジャン「それは嫌だな…じゃあ、オレとエレンの立場を入れ換えるってことで…」

    アニ「都合のいい妄想だね…」

    ジャン「いいだろ。夢見るくらいよ」

    ジャン「叶わねえことくらい、わかってるんだよ」

    ベルトルト「まあ、物語の中でならまだしも、そんなこと現実にはあり得ないよね」

    マルコ「そういえば、そんな話、アルミンが好きだったよ」

    アニ「アルミンはたくさん本読んでるみたいだね」

    マルコ「うん。前にさ、読んだ本の話をしてるときに、夢落ちの話を振ってみたんだ」

    マルコ「そうしたら、変なスイッチ入っちゃったみたいでさ、すごい勢いで話始めたのは、驚いたなあ…」

    ライナー「あれをマルコも見たのか」
  60. 60 : : 2013/10/08(火) 20:49:27
    ジャン「知ってんのか、ライナー」

    ライナー「ついさっき、ちょっとな」

    アニ「あんたがアルミンと夢落ちの話なんかするの?似合わないね」

    ライナー「いや、オレは異世界ものの話をした」

    アニ「どっちも似合わないよ」

    ライナー「そういえば、その話のなかで、何かが気になったんだが、なんだったか…?」

    ベルトルト「気になったって?何が?」

    マルコ「何か面白そうな物語の話でもしてたかい?アルミンは色々と引用するのが好きだから」

    ジャン「へえ、どんだけ詰まってンだろうな、あいつの頭の中」

    ライナー「うーん、そういうんじゃなかったような…」
  61. 61 : : 2013/10/08(火) 20:50:14
    ジャンが一方さんみたいになってしまった。
  62. 62 : : 2013/10/08(火) 22:18:52
    ライナー「確か…魔法の話だったか…?」

    マルコ「魔法…?」

    ライナー「いや、男同士の友情の話だったか…?」

    ジャン「お、男の友情…?」

    ベルトルト「ジャン、ジャン、大丈夫だよ、ライナーにその気はないよ」

    ライナー「神様に祈ってどうのこうの…」

    アニ「神様ねえ…」

    ライナー「あ…思い出した」

    ベルトルト「それは良かった。で、なんの話だったんだい?」

    ライナー「…」

    アニ「ライナー?」

    ライナー「ああ、いや。大した話じゃなかったよ」

    ライナー「今度、また異世界モノの話をしようと言われたんだが、どう切り抜けようかと思ってな」ハハッ

    ジャン「切り抜ける?ちゃんと聞いてやれよ」

    マルコ「ジャンはあのアルミンを見たことがないからそんなことが言えるんだ」

    ジャン「マルコがそこまで言うとは…」

    ベルトルト「アルミンは一体どうなっしまうんだ…?」
  63. 63 : : 2013/10/08(火) 22:20:24
    ―――――――――
    ―――――――
    ―――――
    ―――

    ライナー「今度は本当に思い出した」

    ライナー「まあ、思い出したのは、アルミンの長話の切り抜け方なんかじゃないが」

    ライナー「動機だか理由だか方法だかは忘れたが」

    ライナー「アルミンは言っていた」

    ライナー「その内の一つとして」

    ライナー「つまり、星だ」

    ライナー「昨日見た流れ星」

    ライナー「星に願うといえば、まず流れ星だ」

    ライナー「そして、俺たち三人が仲良くなって得をするやつ」

    ライナー「アルミンはベルトルトやアニはそういうタイプではないと言ったが」

    ライナー「それは買いかぶりってもんだ」

    ライナー「少なくとも、アイツは得をする」

    ライナー「惚れてるのに、好きなのに」

    ライナー「ずっと一緒にいた幼馴染みの傍にいることか叶わないアイツは」

    ライナー「そう」

    ライナー「今回の件の動機であり、理由である」

    ライナー「その人物は…」
  64. 64 : : 2013/10/11(金) 14:32:47
    夜 人気のない訓練所の隅
    ライナー「お前だな、ベルトルト」

    ベルトルト「急になんだい?ライナー」

    ライナー「お前が、三人一緒にいることを望んだ」

    ライナー「星にそう願った」

    ライナー「だから、こうなった」

    ライナー「そうだな?」

    ベルトルト「ライナー?何を言ってるんだ?」

    ライナー「オレが違う世界に来ちまったのかと思ってた」

    ライナー「だが、違った」

    ライナー「世界の方が変わってたんだ」

    ライナー「何故かはわからんが、オレ一人を残して」

    ライナー「お前が、昨日の夜、星に願ったからだ」

    ライナー「昔のように、三人一緒にいたいと、アニと一緒にいたいと」

    ライナー「願いが届いちまったんだな…」

    ライナー「現実味のない話なのはオレが一番わかってる」

    ライナー「だが、そう考えると辻褄があうんだ…」

    ベルトルト「ライナー…!」
  65. 65 : : 2013/10/11(金) 14:33:28
    ベルトルト「ライナー、君は何を言ってるんだ?」

    ベルトルト「ついに、本当におかしくなってしまったのか?」

    ベルトルト「言ってることがめちゃくちゃだ。非現実的にも程がある」

    ベルトルト「星に願ったとか、世界が変わったとか…」

    ベルトルト「バカなこと言わないでくれ…」

    ライナー「だがな、ベルトルト…!」

    ベルトルト「大体!」

    ライナー「?」

    ベルトルト「僕は君とは違う」

    ベルトルト「僕は、戦士だ」

    ライナー「君の話を信じるなら、そう願ったのは君がいた世界の僕で」

    ベルトルト「その僕はアニと僕らとの関係を隠すことに賛成したんだろ?」

    ベルトルト「そんな僕が、そんなことを願うわけないじゃないか」

    ベルトルト「バカにするのも大概にしてくれ…!」
  66. 66 : : 2013/10/11(金) 14:34:11
    ライナー「き、きっと無意識だったんだ!」

    ライナー「そうだ、お前はもとから無意識にアニを見てるようなやつだったんだ」

    ライナー「それに、そうだ。昨日、星を見に行く直前だ」

    ライナー「昔の話をした。それで、懐かしくなって…それで…」

    ベルトルト「ライナー…」

    ライナー「そ、それで…それで…」

    ベルトルト「はぁー…」

    ベルトルト「仮に、仮にだよ?」

    ベルトルト「ライナーの言ってることが正しいとして」

    ベルトルト「それで僕にどうしろって言うのさ?」

    ライナー「元に、戻す、とか…」

    ベルトルト「どうやって?」

    ライナー「流れ星に、願う、とか…」

    ベルトルト「やってみるかい?」

    ライナー「いや、無駄だろうな…」

    ベルトルト「わかってくれた?」

    ライナー「ああ、すまん」
  67. 67 : : 2013/10/11(金) 14:34:46
    ベルトルト「とはいえ、どうやら重症みたいだね」

    ライナー「重症…か…」

    ベルトルト「ああ、ごめん。今のは責めてるわけじゃないんだ」

    ライナー「いや、気にするな」

    ベルトルト「まあ、ライナーがそこまで言うんだから、本当に何かあった可能性も捨てきれないんだよね」

    ライナー「いや、やっぱり、オレの勘違いで…」

    ベルトルト「ライナーはさ、勘違いで僕を疑うようなやつじゃないだろ?」

    ライナー「ベルトルト…」

    ベルトルト「僕も勘違いで疑われたくはないしね」ニコッ

    ベルトルト「とりあえず、もう少し様子を見ようよ」

    ベルトルト「何かわかるかもしれないし」

    ベルトルト「案外、明日になったら全部元通りになってるかもしれないしね」

    ベルトルト「ほら、夢落ち、だろ?」

    ライナー「ああ、そうだな。ありがとう、ベル…」

    ベルトルト「ハハッ、懐かしい呼び方だね」
  68. 68 : : 2013/10/11(金) 18:09:21
    ライナー「ああ、そういえばそうだな」

    ライナー「訓練兵になってからは全然呼んでなかったな」

    ライナー「オレも、アニも」

    ベルトルト「そうだね…」

    ベルトルト「あ、いや、アニは呼んでくれたことあるよ」

    ライナー「ん?そうだったか?」

    ベルトルト「ほら、最初の年だったと思うけど、いつものようにエレンとジャンが僕らの喧嘩してさ」

    ベルトルト「夕飯の時だったよ、僕らが座ってる目の前で」

    ベルトルト「で、なんでだったか、僕にとばっちりがきて」

    ベルトルト「寝相悪いくせにとか、名前覚えにくいくせにとか言われて」

    ベルトルト「そこから発展して、僕の名前いじりが始まっちゃって」

    ベルトルト「コニーやダズまで入ってきてさ」

    ベルトルト「アルミンとかミカサとかマルコが止めに入って、ちょっとした騒ぎになって」

    ベルトルト「そうしたら、ライナーが言ったんだよ?」

    ベルトルト「あだ名でもつけてやれって」
  69. 69 : : 2013/10/11(金) 22:11:01
    ベルトルト「でも、それも、ベルベルトとかトルトルベとか、ばっかりでさ」

    ベルベルト「その時に、アニが向こうの方から」ウシロユビサシ

    ベルベルト「ベルでいいんじゃないって」

    ベルベルト「まあ、結局全然定着しなくて、一日か二日しか呼ばれなかったんだけど」

    ベルトルト「ちょっと嬉しかったんだ、アニが庇ってくれたこと」テレッ

    ベルベルト「アニの声すら久しぶりに聞いたくらいだったからさ」

    ライナー「え?」

    ベルベルト「え?」

    ライナー「…」

    ベルベルト「…」

    ベルベルト「あ、いや…何を言ってるんだ、僕は…」

    ベルベルト「アニとは、訓練兵になってからも、ずっと一緒に…」

    ライナー「ベルベルト」

    ベルベルト「ち、違うよ!今のはなんでか勢いで言っちゃったけど、本当に僕たちはずっと一緒に…!」

    ベルベルト「ほ、本当だ。今だってなんであんな風に言ったぬか分からないんだ…!」

    ライナー「…ベルトルト、聞いてくれ」

    ベルトルト「なんだい、ライナー」

    ライナー「やっぱり、オレの言ってることは正しかったのかもしれん」
  70. 70 : : 2013/10/12(土) 23:13:40
    ベルトルト「君が違う世界に来たとか、世界が変わったとかって話かい?」

    ライナー「もしかしたら、だが」

    ライナー「今のお前の発言は、心だか頭だかの奥底にある違和感のせいじゃないのか?」

    ライナー「やっぱり、世界は変わってる」

    ライナー「変えられてる」

    ベルトルト「まさか、そんなことが…」

    ライナー「オレだって、信じられん」

    ライナー「が、もしかすると、可能性はゼロじゃないのかもしれん」
  71. 71 : : 2013/10/13(日) 01:49:07
    翌朝 食堂
    ライナー「おはよう、アニ」

    アニ「ああ、おはよう」

    アニ「なんだ、ちゃんと挨拶できるんじゃないか」

    ライナー「昨日のことはさんざん謝っただろうが」

    アニ「言ってみただけさ」

    ベルトルト「アニ、おはよう」

    アニ「おはよう、ベルトルト」

    ベルトルト「二人のも朝御飯取ってくるよ」

    ベルトルト「先に座ってて」

    ライナー「一人で大丈夫か?」

    ベルトルト「大丈夫だよ、僕の腕は長いんだ」タッ

    ライナー「なんだ、アイツ、あんな冗談言えたのか」

    アニ「ベルトルトが体の大きさをネタにするのは珍しいことじゃないでしょ?」

    ライナー「そうだったか?」

    アニ「それも忘れたの?」

    ライナー「あ、いや、違う…」

    アニ「いいさ、別に。全部思い出すまで付き合うよ」

    ライナー「アニ…」
  72. 72 : : 2013/10/13(日) 02:29:04
    ベルトルト「おまたせ。なんの話してたの?」

    アニ「ライナーがあんたの身長ネタを忘れてた話」

    ベルトルト「ええ?酷いなぁ」

    ベルトルト「ライナーが言ったんだよ?せっかくのキャラなんだから生かせとかさあ」

    ライナー「そう、だったか…すまん」

    ベルトルト「いいんだよ。最後まで付き合うから」

    ライナー「…」

    ベルトルト「どうしたの?ライナー」

    ライナー「お前ら、オレの記憶のこと二人で話したのか?」

    ベルトルト「ううん、してないけど。どうかしたの?」

    ライナー「同じことを、言うから」

    ベルトルト「え?本当かい?アニ」パァッ

    アニ「まあ、確かに私も思い出すまで付き合うとは言ったけどさ」

    アニ「当然じゃないか、そんなの」

    アニ「私たちは同郷の幼馴染みで仲間なんだから」

    ライナー「アニ」ジ-ン

    ベルトルト「アニ」ジ-ン

    アニ「なにさ、気持ち悪い…」
  73. 73 : : 2013/10/18(金) 18:12:42
    アニ「さっさと食べて、訓練いくよ!」

    ライナー「ああ、立派な兵士になるためだもんな」

    ベルトルト「ライナー…?」

    ライナー「冗談だ」ハハッ

    ベルトルト「笑えない冗談はよしてくれよ」ハァ-

    アニ「いいじゃないか、冗談だってわかってる分には」

    ライナー「お!アニ、いいことを言うな」

    ベルトルト「アニ、甘やかしちゃダメだよ」

    アニ「べ、別に甘やかしてなんかないさ」

    ベルトルト「そうか、アニは優しいだけか」

    アニ「なっ!?優しいとかそんなんじゃないよ!」

    ベルトルト「はいはい」ニコニコ

    ライナー「ハハハッ」
  74. 74 : : 2013/10/18(金) 18:13:20
    ミカサ「朝から賑やか」

    アルミン「相変わらずだね、三人とも」

    ライナー「おう、ミカサ、アルミン、おはよう」

    ベルトルト「おはよう、エレンは?」

    アルミン「おはよう、エレンなら…」

    ミカサ「寝癖がついていたので、直しに行かせた」

    ミカサ「みっともない」

    アニ「相変わらず世話焼きだね」

    ミカサ「家族の面倒を見るのは当然」

    ミカサ「あなたは違うの?」

    アニ「こいつらは家族じゃないよ」

    ミカサ「言葉が足りなかった、謝る」

    ミカサ「私は、もし、アルミンが寝癖をつけたままだったとしても同じことをした」

    ミカサ「あなたは違うの?」

    アニ「そうだね、私も直しに行かせただろうね」

    ミカサ「ライナーには寝癖がつくほどの髪はないけれど」

    アニ「今のは冗談かい?」

    ミカサ「そう」

    アニ「あんた、冗談なんて言えたんだね」

    ミカサ「あなたに言われたくはない」ムッ

    アニ「それもそうか」フフッ
  75. 75 : : 2013/10/18(金) 18:14:04
    ライナー「なあ、ベルトルト」

    ベルトルト「なんだい?ライナー」

    ライナー「あの二人あんなに仲が良かったか?」

    ベルトルト「うん?特に険悪だったことはないと思うよ?」

    ベルトルト「成績上位で格闘術と立体起動に長けるっていう共通点があるから、けっこう会話はしてる方だと思うけど」

    ライナー「そうなのか…」

    ベルトルト「ああ…君の記憶では違うのかい?」

    ライナー「ああ、いや、険悪って訳じゃないんだが…」

    ライナー「(オレたちといることで、アニの性格や行動に差が出たのか?それで、エレンを巡っての確執が生まれなかった、と…)」

    ライナー「(そういえば、アルミンが言ってたな。蝶がどうとかって…)」
  76. 76 : : 2013/10/20(日) 00:26:02
    エレン「直してきたぞー」

    ライナー「お、男前になったか」

    エレン「何を言ってるんだよ…」

    エレン「ほら、ミカサ、これで文句ないだろ?」

    ミカサ「問題ない。ただ、次からは言われなくても直しておくべき」

    アニ「ミカサの言う通りだね」

    エレン「寝癖ぐらいどうだっていいだろ?」

    アニ「そうでもないさ」

    アニ「寝癖が付いてる兵士と付いてない兵士、どっちの方に人類の未来を預けたいか、考えてごらんよ」

    エレン「それは…」

    ミカサ「アニはいいことを言った」

    ミカサ「エレン、兵士には、身だしなみも大切」

    アニ「仮にも、市民の税金で活動してる身だからね 」

    ミカサ「その通り」

    アルミン「ニ人がかりじゃ敵わないね、エレン」ハハッ
  77. 77 : : 2013/10/20(日) 00:26:45
    ライナー「…」

    アルミン「ライナー?」

    ライナー「ああ、すまん。ボーッとしてた」

    アルミン「まだ寝不足かい?」クスクス

    ライナー「そんなんじゃないさ」

    ライナー「さて、オレたちはもう行くぞ」

    エレン「なんだ、もう食べ終わってたのか」

    アニ「私、まだなんだけど…」

    ライナー「なんだ、そうだったのか…」

    アニ「食べるの遅いんだよ、悪かったね」

    ベルトルト「今日は随分おしゃべりだったしね」

    ベルトルト「いいよ、待つよ。ね?ライナー」

    ライナー「ああ、もちろんだ」

    アニ「悪いね」

    アニ「ありがと」
  78. 78 : : 2013/10/20(日) 00:27:20
    エレン「アニがお礼…」

    アニ「なんだい?」

    ミカサ「エレン、失礼」

    アルミン「…」ジト-

    ベルトルト「エレン…」

    エレン「え?あ、ごめん」

    エレン「珍しいと思っただけなんだけどな…」

    ベルトルト「そんなことないよ、アニはちゃんとお礼言える子だよ」

    アニ「子供扱いしないでくれる?」

    ベルトルト「あ、ごめんね」

    ミカサ「エレンだって、アニにお礼を言われたことはある。私は覚えている」

    アニ「そんなこともあったかい?」

    エレン「覚えてねえな」

    アルミン「アニのは照れ隠しだとしても、エレンが覚えてないのは失礼だよ」

    エレン「あ、そうだな。ごめんな、アニ」

    アニ「別に構わないよ」
  79. 79 : : 2013/12/03(火) 23:00:48
    アニ「私はもういくよ」

    ライナー「ん?ああ、食べ終わったのか」

    ベルトルト「じゃあね、またあとで」

    エレン「おう、じゃあな」

    アルミン「また訓練でね」

    ミカサ「…」フリフリ
  80. 80 : : 2013/12/03(火) 23:01:11
    とても久しぶりに。
  81. 81 : : 2013/12/03(火) 23:02:13
    ライナー「お前、ミカサと仲いいのか?」

    アニ「特別仲がいいって訳でもないけど…」

    アニ「まあ、よく話はする方かもね」

    ライナー「そうか…」

    アニ「なんだい?」

    ライナー「いや、なんだもない」

    ベルトルト「ライナーはアニに友達ができて安心したんだよ」

    アニ「は?なんだい、それ?」

    ベルトルト「あるいは、寂しくなったのかな?」

    ライナー「いや、オレは…というか、ベルトルト、それはお前じゃないのか」ニヤッ

    ベルトルト「ぼ、僕はそんなこと…!」アセアセ

    アニ「バカだね、あんたち」

    ライナー「そうだぞ、ベルトルト」

    ライナー「アニにとって、オレたちが一番であることに変わりはない」

    アニ「いや、そうでもないよ」

    ベルトルト「え!?アニ!?」

    ライナー「なに!?」

    アニ「冗談だよ」フフッ
  82. 82 : : 2013/12/03(火) 23:03:08
    ライナー「まあ、もう気づいてるよな」

    ライナー「アニの性格が、オレの記憶と大分違う」

    ライナー「といっても、知らないアニというわけではなく」

    ライナー「前も言ったように、故郷にいた頃のアニに近い」

    ライナー「訓練兵になってからの二年間、オレたちと一緒にいたか否かが」

    ライナー「こうもあいつの人格に影響を及ぼすとは」

    ライナー「正直思っていなかった」

    ライナー「氷の女ではなかった頃のアニを懐かしく思うと同時に」

    ライナー「もう、戻れなくてもいいかとも思ってしまっている自分がいる」

    ライナー「この世界の方が、アニもベルトルトも、そしてオレも幸せなんじゃないかと思ってしまっている」

    ライナー「オレは、戦士としてのオレはどうするべきなのか」

    ライナー「身の進退を考えるべきなのかもな…」
  83. 83 : : 2013/12/03(火) 23:18:16
    午前中
    ライナー「今日は一日、森で立体起動演習か…」

    ベルトルト「任意で三人組になれなんて、けっこう緩いよね」

    ライナー「ご都合主義ってやつだ」ボソッ

    ベルトルト「え?」

    ライナー「いや、なんでもない」

    ライナー「まあ、一応は三人でそれぞれ伸ばし合い助け合うっていうのが目的だろ?」

    ライナー「自分の長所を生かし、短所をフォローしてくれる相手を探すのも」

    ライナー「必要な能力ってことだろ」

    アニ「成績下位者は、どれだけ普段より好成績を残せるか」

    アニ「成績上位者は、どれだけ下位者を引き上げられるか」

    アニ「それも評価対象なんでしょ?」

    ライナー「ああ、まあ、それも個人の能力を生かすってことなんだろう」
  84. 84 : : 2013/12/03(火) 23:19:28
    ベルトルト「だから、ジャンがダズと組んでるんだ?」

    ライナー「たぶんな。こういう言い方もアレだが、ダズは伸び代がデカイから」

    アニ「あの馬面が考えそうなことだね」

    ベルトルト「でも実際、どうだろう?ジャンもマルコも指揮官体質と言うかさ」

    ベルトルト「指示とか的確だし、相手を引き上げちゃうところない?」

    ライナー「コニーのレポートか…」

    アニ「コニーのレポート?」

    ライナー「昨日の作戦立案のレポートな、コニーが史上最高得点を取ったらしい」

    ベルトルト「ジャンとマルコが手伝ったやつね」

    ライナー「今思えば、あれは見事な飴と鞭だった」

    アニ「へー」

    ライナー「強敵だな」
  85. 85 : : 2013/12/03(火) 23:20:25
    ライナー「あとは…お、エレンたちも三人で組んでるんだな」

    ベルトルト「それぞれ特技のベクトルがちがうから、三人集まるとかなりバランスいいよね」

    アニ「(ベクトル…ベルトルト…)」

    ベルトルト「アニ、何か失礼なこと考えてないかい?」

    アニ「別に?」

    ライナー「良くも悪くもがむしゃらエレンと優秀故に独走しがちなミカサをアルミンがまとめるのか」

    ライナー「確かに、バランスいいな」

    ライナー「強敵だな」
  86. 86 : : 2013/12/03(火) 23:20:53
    アニ「ユミルとクリスタと…サシャか…」

    ベルトルト「恩人様とか言ってたけど、今もやってるの?」

    アニ「いや、最近は普通に三人仲良くやってるみたいだけど」

    アニ「まあ、ユミルが三人目にサシャを選んだのは、足手まといにもならなければ」

    アニ「手柄一人り締めもしないってところだろうけど」

    ベルトルト「あと、あれもかな?」

    ベルトルト「ほら、前にアニが言ってた…クリスタに譲ってるってやつ」

    アニ「ああ、確かに、ユミルならサシャにうまく指示してクリスタの手柄やることはできるだろうね」

    ライナー「なんだ、ユミルのやつはそんなことやってるのか?」

    ベルトルト「前にアニが調べてくれたんじゃないか」

    ベルトルト「クリスタを探ってウォール教が入り込んだ時に…」

    アニ「クリスタが成績上位なのは中央の力なのかと思って調べてみたんだけどね」

    アニ「まあ、私もユミルがそこまでクリスタに執心してるとは思ってなかったから、驚いたけど」

    ライナー「クリスタは天使だからな」

    アニ「言ってなよ…」
  87. 87 : : 2013/12/03(火) 23:21:45
    ベルトルト「あれ?でも、サシャがユミルたちと組んでるってことは、コニーは?」

    アニ「あそこ」ユビサシ

    ライナー「まさかバカ夫婦に挟まれているとは…」

    ベルトルト「なんでだろう…?」

    アニ「コニーが一番邪魔にならなそうだからじゃない?」

    ライナー「ハンナとフランツがいちゃつく邪魔、か?」

    アニ「そう」

    ベルトルト「無邪気というか素直というか馬鹿というか…そういうところがいいのかな?」

    ライナー「逆に邪魔になりそうだが…」

    アニ「子供ができたときの練習になるって言ってるのを聞いたことがある」

    ライナー「ああ…」

    教官「ブラウン!フーバー!レオンハート!」

    教官!「出発だ!行け!」

    三人「はっ!」バシュッ
  88. 88 : : 2013/12/09(月) 04:11:03
    立体起動演習場森の中
    エレン「なあ、アルミン」

    アルミン「なんだい?エレン」

    エレン「アニって礼言えるやつだったっけ?」

    アルミン「エレン、まだ言ってたのかい?」

    ミカサ「エレン、いくらなんでもアニに失礼」

    エレン「そうは言っても、本当に覚えてねえんだって」

    エレン「オレがアニに礼言われたっていつのことだよ?」

    アルミン「あれは確か…」

    ミカサ「去年の終わりごろ、立体起動の演習中にエレンがアニを助けたことがあった」

    ミカサ「何があったのかは結局教えてくれなかったけれど、アニは寝不足だったらしい」

    アルミン「ミーナが言うには、夜中までベッドの中で何か調べ物してたらしいよ」

    エレン「へー、そうだったんだ」

    ミカサ「エレン」

    エレン「なんだよ、わかってるよ、思い出すって」

    アルミン「ははっ、たぶんエレンにとっては大したことじゃなかったんだろうね」

    ミカサ「アルミン?」

    アルミン「ああ、アニのことじゃないよ」

    アルミン「アニを助けたことが、だよ」
  89. 89 : : 2013/12/09(月) 04:11:42
    ユミル「おし、サシャ!そこだ!その馬面の邪魔してやれ!」

    サシャ「了解です!」

    ジャン「てめっ!この芋女!なにしやがる!?」

    サシャ「今です!クリスタ!やっちゃってください!」

    クリスタ「うん!ごめんね、ジャン!」

    ジャン「ああ!?」

    ジャン「…なんつってな」ニヤッ

    クリスタ「え?」

    ダズ「うおぉぉぉぉぉぉ!」ザシュッ

    マルコ「よし!いいぞ!ダズ」

    ユミル「この地形で伏兵だと!?どこに隠れてやがった!?」

    ジャン「はっ!残念だったな、ブス!」

    マルコ「ごめんね、三人とも、ライナーたちやエレンたちに勝とうと思ったら」

    マルコ「騙し討ちくらいしないと」

    ダズ「すごいぜ!マルコ!オレ、こんなにうまくいったのはじめてだ!」

    マルコ「ダズだって筋は悪くないんだ」

    マルコ「ちょっとの工夫ですぐよくなるよ」

    ダズ「そうか!?」

    ジャン「そうやって、油断してたらよくなるもんもならねえけどな!」

    ダズ「そ、そうか…オ、オレ、頑張るよ!」
  90. 90 : : 2013/12/09(月) 04:12:23
    ユミル「チッ、マルコにうまくやられちまったな」

    サシャ「うぅー、すみません、私が伏兵に気づけていれば…」

    クリスタ「そんな!サシャのせいじゃないよ!」

    クリスタ「私がもっと速く斬れていればよかったんだし…」

    ユミル「いや、あいつらを甘く見た私のミスだ」

    サシャ「いえ、索敵は私の仕事でしたし…」

    クリスタ「ううん。やっぱり私の力不足で…」

    サシャ「いえ、私が…」

    クリスタ「ううん、私の方が…」

    ユミル「っだー!いつまでやるんだよ、それ!?」

    ユミル「ほら、クリスタ!サシャ!気ぃ取り直して、次いくぞ!」

    クリスタ「うん!」

    サシャ「はい!」
  91. 91 : : 2013/12/09(月) 04:12:56
    久しぶりすぎて、一部設定を忘れている。
  92. 92 : : 2013/12/10(火) 03:52:22
    コニー「いよっしゃー!」

    フランツ「ほら、見てごらんよ、ハンナ」

    フランツ「もう三体目だよ」

    ハンナ「本当ね、フランツ」

    ハンナ「私たちの分まで頑張ってくれてるわ」

    フランツ「ああ、僕たちも彼の頑張りに全力で答えないとね」

    ハンナ「ええ、そうね」

    フランツ「ハンナ!」

    ハンナ「フランツ!」

    コニー「こういう時に何て言えばいいかこの間ジャンに教えてもらったんだよ」

    コニー「なんだったっけな?」

    トーマスミリウスナック「リア充爆発しろぉぉぉぉぉぉぉ!」ザシュッ

    コニー「おお!それだ、それ!」

    コニー「って、あ!お前ら!それ、オレの獲物だぞ!」
  93. 93 : : 2013/12/10(火) 03:53:15
    ライナー「なんだか、あっちの方騒がしくないか?」

    ベルトルト「演習中だからね」

    ベルトルト「あちこち騒がしくても不思議じゃないよ」

    ライナー「いや、何か禍々しいものを感じるんだが…」ハテ?

    アニ「そろそろ、正午かい?」

    ベルトルト「ああ、そうみたいだね」ミアゲ

    ライナー「お前ら、それよくわかるよな」

    ライナー「オレはいまだに太陽の位置から」

    ライナー「時間を計算するやつできないんだが…」

    アニ「あんたは、座学の時間、何やってるんだい…?」

    ベルトルト「一昨日、アルミンに教えてもらった」

    ベルトルト「星の位置から時間を計算するのは?」

    ライナー「あれは…なんとなくなら…」

    ベルトルト「アルミン泣くよ?」

    アニ「教官もね」
  94. 94 : : 2013/12/10(火) 03:54:01
    アニ「星か…」

    ベルトルト「アニ?」

    アニ「いや、今夜も見れるのかと思ってね…」

    ベルトルト「まあ、ノルマをこなして帰るまでに夜になれば見えるけど…」

    ライナー「そんな遅くまでやってたら、成績の方は悲惨なことになるぞ」

    アニ「そうだね…」

    アニ「ちょっと言ってみただけさ…」

    ライナー「…」

    ベルトルト「アニ…?」

    アニ「なにさ、二人とも、変な顔して…」

    ライナー「いや…」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「アニ」

    アニ「なんだい?」

    ベルトルト「また星を見に行こうよ」

    ベルトルト「みんな一緒でもいいし」

    ベルトルト「今度は三人だけでもいい」

    ベルトルト「もしかしたら、故郷に帰った後になっちゃうかもしれないけどさ」

    ベルトルト「必ず…」

    アニ「…うん、そうだね…」
  95. 95 : : 2013/12/10(火) 04:32:20
    クリスタ、動かし難い。
  96. 96 : : 2013/12/13(金) 03:17:49
    演習後 食堂
    ベルトルト「あ、マルコたち、お疲れさま」

    ジャン「なんだ、お前ら、もう帰ってたのか」

    ベルトルト「うん、なかなかのタイムだったよ」

    ライナー「ミカサたちには負けちまったけどな」

    マルコ「残念だったね」

    ライナー「お前らは意外と掛かったな」

    ダズ「オレのせいだ…あ、でも、ライナー!聞いてくれよ!」

    ライナー「お?どうした?ダズ」

    ダズ「オレ、今回の演習、討伐数過去最高だったんだ!」

    ライナー「おお!すごいじゃないか!」

    ダズ「ああ!ジャンとマルコのおかげだ!」

    ジャン「別になにもしてねえよ」

    マルコ「そうそう、ダズはもともとあれくらいの力があったってことだよ」

    ダズ「いや、でもオレ、譲ってもらってばっかりで…」
  97. 97 : : 2013/12/13(金) 03:20:19
    ジャン「あのなぁ、今回の演習は、成績下位者をどこまで引き上げられるかってのも評価のうちだったんだぜ?」

    ジャン「オレはそれを利用しただけだっての」

    ダズ「う…」

    マルコ「また、ジャンはそんな憎まれ口叩いて」

    マルコ「ジャン、いつもと違うルート選んでたろ?」

    マルコ「あれ、ダズのためだよね?」

    ダズ「ジャン…!」

    ジャン「あぁ?ちがうっての!」

    マルコ「はいはい」ハハッ

    ジャン「あのなぁ、マルコ…」

    ダズ「いや、でもオレほんと助けてもらってばっかりでさ…」

    ジャン「ま、お前はもっと、相手と息合わせることを覚えるべきだな」

    ジャン「劣るなら劣るなりに、息の合う瞬間ってのがあるんだよ」

    マルコ「オクターブちがいで同じ音出すようなイメージだよね」
  98. 98 : : 2013/12/13(金) 03:21:17
    ダズ「そうか…オレあんまり友達いないから、そういうのよくわからないんだ…」

    ライナー「友達の量は関係ないだろう」

    マルコ「そうそう、じゃなきゃジャンがあんなにうまく連携とれるわけないもんね」

    ジャン「おい、マルコ、どういう意味だ」

    ダズ「でも、たまに思うよ、ジャンとマルコみたいなと親友がいたらなあって…」

    ダズ「ライナーたちのようにっていうのは今からじゃ
    ちょっと無理があるからさ…」

    ジャン「あ?何言ってんだ、変わらねえよ」

    マルコ「そうそう。時間じゃないもんね」

    ベルトルト「そうだよ、ダズ」

    アニ「いつまでも暗い顔してんじゃないよ」

    ダズ「そうか…そうだな!」

    ダズ「なあ、オレたちもう、親友だよな…!」

    一同「いや、それはない」
  99. 99 : : 2013/12/13(金) 17:53:34
    夕食後 女子浴場
    サシャ「っはー、生き返りますー!」

    ミーナ「もう身体中ギシギシ!」

    クリスタ「今日は一日中立体起動してたもんね」

    クリスタ「そういえば、ミーナは誰と組んでたの?」

    ミーナ「うん、実は私、班組みに出遅れちゃって」

    ミーナ「結局、あぶれた人同士で組んだんだよね」

    ユミル「誰だよ?」

    ミーナ「モブティーナとモブリア」

    ユミル「ああ…」

    ミーナ「うん、別に二人が下手だった訳じゃなくてね」

    ミーナ「というか、私なんかよりずっと上手なんだけど…」

    ユミル「そうか?あいつらに比べたらミーナの方がよっぽど…」

    クリスタ「ユミル!」

    モブティーナ&モブリア「…」ジ-

    ユミル「なんだよ、本当のことだろ」

    クリスタ「本当のことなら何でも言っていいわけじゃないでしょ?」

    クリスタ「ミーナがせっかく濁したのに…」

    ユミル「へいへい、クリスタちゃんはいい子ですねー」

    サシャ「ユミルはさすがに極端ですけど、ミーナはもっと自信を持つべきですね」

    サシャ「卑屈になっては伸びるものも伸びませんよ?」
  100. 100 : : 2013/12/14(土) 02:16:12
    あれ?エピソードまるまる1つ飛んでました!
    99は無かったことにしてください。
  101. 101 : : 2013/12/14(土) 02:17:25
    コニー「あー、つっかれたー!」

    マルコ「ああ、コニー、おかえり」

    コニー「よう、お前ら、なに集まってんだ?」

    ジャン「なんでもねえよ」

    ジャン「意外と遅かったな」

    コニー「いやー、人に合わせるのって難しいなー」

    マルコ「コニーは誰と組んでたの?」

    コニー「ハンナとフランツ」

    ジャン「バカ夫婦かよ…」

    ベルトルト「二人どんな感じだったの?」

    ベルトルト「そんなに立体起動が苦手でもなかったはずだけど…」

    コニー「なんかな、二人は1メートル以上離れたらし死んじまうらしいんだ」

    コニー「そんな近くじゃまともに立体起動使えねえだろ?」

    コニー「それを考えてたら、思うように動けなくてよ…」

    ジャン「バカ夫婦と馬鹿を組ませたらダメだな」

    アニ「訓練中になにやってんだい、あの二人…」

    ベルトルト「コニーもそんなこと信じちゃダメだよ」

    コニー「え?あれ嘘だったのか?」

    マルコ「ハンナとフランツもまさか信じるとは思ってなかったんだろうけど…」

    ライナー「いや、どうだろうな…」
  102. 102 : : 2013/12/14(土) 02:18:07
    コニー「そうか、嘘だったのか」

    ライナー「ま、まあ、悪く思ってやるなよ」

    アニ「いや、あきらかにあいつらが悪いでしょ」

    コニー「そうかー、いやー、本当はなちょっと心配だったんだ」

    ダズ「心配って?」

    コニー「だってよ、寮とか別々なんだぜ?どうやったって1メートル以上離れちまうじゃねえか」

    コニー「あいつら、毎晩どうやって生き延びてるのかと思ってたんだけどな」

    コニー「そうか、嘘だったんなら大丈夫だな」

    ライナー「コニー、お前ってやつは…」

    マルコ「なんていい子なんだ…」

    アニ「いや、疑うことを覚えた方がいいと思うよ」

    ジャン「信じるものはバカを見るぜ」

    ベルトルト「(ライナーとマルコの反応の原因はこの口の悪い二人と一緒にいるからだと思うんだよね…)」
  103. 103 : : 2013/12/14(土) 02:29:45
    コニー「さーて、飯だ飯」

    コニー「もう腹減っちまって仕方なかったんだ」

    ライナー「おい、コニー、オレのパンやろうか?」

    マルコ「僕のスープもいるかい?」

    アニ「ライナー、あんたでかいんだからしっかり食べないともたないよ」

    ジャン「マルコ、お前がそこまでやってやる必要ないだろ」

    ベルトルト「(この二人意外と似てるかもしれない…身内に甘いとことか)」

    コニー「ああ?いいよ、別に」

    コニー「大体、お前ら三人の飯邪魔するのも悪いしな」

    コニー「じゃあな、オレはあっちでサシャたちと食うよ」スタスタ

    ライナー「コニーはいい子だな」

    マルコ「癒されるよね」

    アニ「馬鹿なだけでしょ」ムッ

    ジャン「イラつくだけだろ」ムッ

    ベルトルト「(似てる…)」ムッ
  104. 104 : : 2013/12/14(土) 02:30:49
    ライナー「ん?そういえば、サシャ『たち』ってだれのことだ?」

    マルコ「さあ?サシャと一緒にいるのは…あ、ユミルとクリスタだな」

    ライナー「コニー、お前には失望した…」

    マルコ「え?なんで?」

    ジャン「…」

    ジャン「なあ、マルコ」

    マルコ「なんだい?ジャン」

    マルコ「あ、もしかして、ジャンもスープ欲しかった?」

    ジャン「なんでだよ!ちげえよ!」

    ジャン「さっきの話、なんか違和感なかったか?」

    マルコ「さっきの話って?どの話?」
  105. 105 : : 2013/12/14(土) 02:31:35
    ジャン「ダズが言ってたやつだよ」

    ジャン「オレたちみたいにとか、ライナーたちみたいにとか」

    マルコ「ああ、その話か」

    マルコ「特に違和感とかはなかったけど、どうかしたかい?」

    ジャン「違和感っつーか、お前の言ってることがよく分からなかったっつーか…」

    マルコ「ええ!?僕そんな変なこと言ったかな?」

    ジャン「いや、多分変なことは言ってない」

    ジャン「ライナーたちは普通の反応だったしな」

    マルコ「で、僕が何言ってるか分からなかったとこってどこ?」

    ジャン「時間は関係ない、だったか?」

    マルコ「確かに言ったけど…」

    マルコ「え?ジャンは付き合った時間と友情が関係あると思ってる人なの?」

    ジャン「思ってねえよ、そうじゃなくてだな」

    ジャン「オレたちの付き合いの長さと、ライナーたちの付き合いの長さは一緒だろうが」

    マルコ「え?」

    ジャン「いや、ライナーとベルトルトは昔から一緒だったらしいが」

    ジャン「アニとは訓練兵になってからだろ?」

    マルコ「え?」

    ジャン「え?」
  106. 106 : : 2013/12/14(土) 02:32:09
    夕食後 女子浴場
    サシャ「っはー、生き返りますー!」

    ミーナ「もう身体中ギシギシ!」

    クリスタ「今日は一日中立体起動してたもんね」

    クリスタ「そういえば、ミーナは誰と組んでたの?」

    ミーナ「うん、実は私、班組みに出遅れちゃって」

    ミーナ「結局、あぶれた人同士で組んだんだよね」

    ユミル「誰だよ?」

    ミーナ「モブティーナとモブリア」

    ユミル「ああ…」

    ミーナ「うん、別に二人が下手だった訳じゃなくてね」

    ミーナ「というか、私なんかよりずっと上手なんだけど…」

    ユミル「そうか?あいつらに比べたらミーナの方がよっぽど…」

    クリスタ「ユミル!」

    モブティーナ&モブリア「…」ジ-

    ユミル「なんだよ、本当のことだろ」

    クリスタ「本当のことなら何でも言っていいわけじゃないでしょ?」

    クリスタ「ミーナがせっかく濁したのに…」

    ユミル「へいへい、クリスタちゃんはいい子ですねー」

    サシャ「ユミルはさすがに極端ですけど、ミーナはもっと自信を持つべきですね」

    サシャ「卑屈になっては伸びるものも伸びませんよ?」
  107. 107 : : 2013/12/14(土) 19:51:16
    ユミル「お、いいこと言うじゃねえか、芋女の癖に」

    サシャ「もうそれで呼ぶのやめてくださいよー」

    ユミル「なかなかのインパクトだったからな、そう簡単には忘れられないぜ?」

    ユミル「で?ミーナ、あいつらと組んでどうだったんだ?」

    ミーナ「あ、そうか、そんな話だったね」

    ミーナ「私たち三人とも普段からそんなに仲がいいわけじゃないでしょ?」

    ミーナ「なかなか息が合わないし、指揮系統も役割分担もはっきりしないまま始めちゃったし…」

    ユミル「散々だったわけだな」

    ミーナ「うぅ…」

    サシャ「だ、大丈夫ですよ!ミーナは普段から協調性ありますし、一度や二度の失敗で落ちこぼれることはありませんって!」

    クリスタ「そうそう、それにミーナ技巧の成績いいし、普段からみんなの面倒みてくれるし!」

    ミーナ「うう…二人とも、ありがとうね」

    ユミル「まあ、ミーナの成績はこの際放っておいてだな…」

    ミーナ「放っておくんだ…」
  108. 108 : : 2013/12/15(日) 18:36:31
    ユミル「上位陣はさすがだよな、やっぱり」

    クリスタ「エレンたちがトップ、その次がジャンたちとライナーたちだっけ?」

    サシャ「ジャンたちはタイムではライナーたちに負けてましたけど、総合成績で並んだみたいですね」

    ユミル「ダズ入れてあのタイムなら、まあ納得だな」

    ミーナ「結構失礼なこと言ってるよね…」

    ユミル「いつものことだろ」

    ミカサ「エレンの話をしていた?」ヒョコッ

    クリスタ「わ!ミカサ!」

    ミーナ「おどかさないでよ…」

    ミカサ「ごめんなさい、そんなつもりではなかった…」

    サシャ「いいんですよ、ミカサ」

    サシャ「油断してる二人が悪いんです!」

    ミーナ「お風呂でまで気を張ってなきゃダメなの!?」
  109. 109 : : 2013/12/15(日) 18:52:16
    ミカサ「それで?エレンの話をしていたの?」

    ミカサ「なんの話をしていたの?」

    ミカサ「場合によっては、私は今後のあなたたちとの付き合い方について検討しなければいけない…」

    ユミル「エレンの話っていうか、エレンたちの話だけどよ…」

    ユミル「てゆーか、なんだよ、検討って…」

    ミカサ「エレンに一定以上の好意を抱き、友人以上の地位を望むなら、私を倒してからにしてもらう」

    クリスタ「ミカサを倒さなきゃいけないの!?」

    ミーナ「無理でしょ!それは!」

    ミカサ「今のは言葉のあや」

    ミカサ「私が納得できるような女性でなければいけない」

    ユミル「ほう…ちなみに条件は?」

    ミカサ「ひとつ、私より強くあること」

    ミーナ「言葉のあやじゃなかったの!?」

    ミカサ「私より弱いようではエレンを守れない」

    ミカサ「エレンを守れない女性にはエレンを任せるわけにはいかない」
  110. 110 : : 2013/12/15(日) 18:53:12
    クリスタ「でも、ミカサより弱い女の子をエレンが好きになったらどうするの?」

    ミカサ「それは、条件の二つ目」

    ミカサ「ひとつ、エレンが認める魅力があること」

    サシャ「つまりエレンがその子を好きなのであれば無条件で認めると?」

    ミカサ「無条件とは言わない」

    ミカサ「エレンは騙されやすい」

    ミカサ「演技ではないかどうか、私が見極めなければいけない」

    ミーナ「見極めた結果、演技じゃなかったら?」

    ミカサ「そのときは認めることはやぶさかではない」

    ミカサ「少し、悔しいけれど…」

    ユミル「少しだぁ?」

    ミカサ「とても、悔しいし、悲しいけれど…」

    ユミル「正直でよろしい」
  111. 111 : : 2013/12/16(月) 00:37:25
    ユミル「もひとつちなみに、アルミンはどうなんだ?」

    ユミル「あいつも幼馴染みなんだろ?…いや、エレンは家族だったか?」

    ミカサ「アルミンも変わらない」

    ミカサ「でも、アルミンはちゃんと自分で相手を見極めることができる」

    ミカサ「私は見守るだけ」

    ミカサ「少し…いえ、とても寂しいけれど」

    ミーナ「ふーん、てっきり、エレンは誰にも渡さない!とか言うのかと思ってた」

    ミカサ「エレンに好意を抱く女性がいるのならば、真っ向から対峙する覚悟がある」

    ミカサ「けれど、エレンの方から好きになってしまっては…」シュン

    ミーナ「あ、ご、ごめんね?、落ち込ませるつもりはなかったんだけど…」

    ミカサ「わかってる、ミーナはそんな人ではない」

    サシャ「ふむふむ、幼馴染みというのはみんなこんな感じなんでしょうか?」

    サシャ「私は故郷で仲良くしていた同世代というのがいないのでよくわからないんですが…」

    クリスタ「わ、私も、そういう人はいなかったな…」

    ユミル「右に同じ」

    ミーナ「私も女の子とばかり遊んでたからなー」

    サシャ「では、やはりこの方にご登場いただきましょうか!」

    サシャ「ということで、さっきからそこで聞き耳たててるアニー!」
  112. 112 : : 2013/12/16(月) 00:53:53
    アニ「は、はあ?聞き耳なんて…!」

    サシャ「またまたぁ、何度もこっちチラ見してたじゃないですかぁ」

    アニ「いや、そんなことは…」

    ユミル「こりゃ、嘘ついてる反応だな」

    ミカサ「アニ、話に入りたいのならそう言ってくれれば、それでいい」

    ミーナ「サシャ、よく気づいたね」

    サシャ「狩猟民俗の視野の広さを舐めてもらっちゃあこまります!」

    クリスタ「おおー、サシャすごーい!」

    ユミル「いいんだよ、そこは流せば」
  113. 113 : : 2013/12/16(月) 03:09:57
    アニ「はあ…で、何の用だい?」

    サシャ「話は聞いてたでしょう?」

    サシャ「幼馴染みに恋人ができたらって話ですよ」

    ミーナ「うん?ちょっと飛躍してない?」

    ミカサ「そう、サシャ。情報伝達は正しく行われなければいけない」

    ミカサ「家族や幼馴染みに想いを寄せる相手に対してどう対処すべきかという話」

    ユミル「ミカサのもちょっと違う気がするが…まあ、いいか」

    クリスタ「アニだったらどう?ライナーやベルトルトを好きな人がいたら」

    アニ「私には関係ないでしょ」

    アニ「あいつらの人生なんだし、好きにすればいいよ」

    クリスタ「寂しくないの?」

    アニ「寂しがる理由がわからないけど」

    ミカサ「アニ、思い出してみてほしい、昔のライナーやベルトルトを」

    アニ「ん?」

    ミカサ「あなたたちがまだ故郷にいた頃、まだ小さかった頃のかわいかった二人を…」

    ミーナ「ライナーのかわいかった頃…」

    ユミル「ベルトルさんの小さかった頃…」プッ

    サシャ「思い浮かべることができないのは私が馬鹿だからではないですよね?」
  114. 114 : : 2013/12/16(月) 03:10:26
    ミカサ「三人で遊んだ広場」

    ミカサ「三人で走り回った野原」

    ミカサ「三人で涼んだ小川」

    ミカサ「三人で戦った裏路地」

    ミカサ「三人で語った夢」

    ミカサ「あの頃からエレンは調査兵団に入りたいと言って、おばさんを困らせていた。エレンは正義感が強くて、路地裏でよく喧嘩もしていたけどぜんぜん弱かったから。でも、アルミンと一緒に外の世界を見て廻るのだと言って聞かなかった。だから私も一緒に行ってエレンを守ってあげなければいけない。ああ、エレンが外の世界に興味を持ったのはアルミンが持っていた本…」

    ユミル「ストップ、ストップだ、ミカサ。落ち着け」

    ユミル「今はお前の思い出話をする時間じゃないだろ?」

    ミカサ「はっ、そうだった。ごめんなさい、昔を思い出したらつい…」

    ミーナ「ミカサは本当にエレンとアルミンが好きなんだね」

    ミカサ「そう、だから、いい加減な女性には渡せない」

    ミカサ「アニも考えてみてほしい、かわいかったあの二人が、あなただけのものだったあの二人が、他の女のものになることを」

    アニ「いや、別に、もともと私のものって訳じゃ…」

    ミカサ「本当に?」

    アニ「本当だよ」

    ミカサ「違う、そこではない」

    ミカサ「本当に寂しくないの?」

    ミカサ「私は寂しい。とても寂しい」

    ミカサ「エレンやアルミンが好きになった女性であるなら、頑張って祝福する、時間はかかると思うけれど」

    ミカサ「だけど、やっぱり寂しい」

    ミカサ「もう三人でいられないのかと思うと、とても寂しい」

    ミカサ「たまには私のことも構ってほしい」

    ミカサ「…」シュン
  115. 115 : : 2013/12/16(月) 03:11:16
    アニ「ちょっと、そんなに暗くならないでよ」

    アニ「もしもの話でしょ?」

    アニ「今はまだ三人一緒にいられるんだからさ…」

    ミカサ「そうだった、ちょっと思い込みすぎてしまった」

    クリスタ「そ、それで?アニは?どうなの?」

    アニ「だから、どうもこうもないよ」

    ミカサ「それは嘘」

    アニ「なんでわかるのさ?」

    ミカサ「私とあなたは似ているから」

    アニ「…」

    サシャ「うーん…確かにわかる気がしますね、ミカサの話」

    ミーナ「え?サシャ幼馴染みなんているの?」

    サシャ「いえ、幼馴染みに限った話ではなくて」

    サシャ「例えば、コニーに彼女ができて、今みたいに一緒にご飯食べたり遊んだりできなくなるのは、確かに寂しいなあと思いまして」

    クリスタ「私も!ユミルに彼氏ができたら、寂しいよ?」

    ユミル「大丈夫だよ、私はお前と結婚するんだから!」

    ミカサ「ほら、サシャもクリスタもこう言っている」

    ミカサ「アニが寂しくないわけがない」

    ユミル「まあな、私もクリスタに近づく男なんか全部潰してやるし」

    ミーナ「わ、私だって、アニに恋人ができて、一緒にいられなくなったら寂しいよ!」

    アニ「あんたたち…」

    ユミル「だから、いい加減素直に言っちまえよ」

    アニ「…」

    ミカサ「アニ、今はそれでよくても、いざという時、寂しいと言えなければきっと後悔する」
  116. 116 : : 2013/12/16(月) 03:12:16
    アニ「私は…」

    アニ「私は、寂しくない」

    アニ「こともない、よ」

    ユミル「ん、正直でよろしい」

    ミーナ「もう、アニはもっと素直にならなきゃ!」

    クリスタ「そうだよ?それこそ、アニに好きな人ができたとき、苦労するよ?」

    ユミル「今度はライナーたちが全力で阻止してきそうだな」

    ミーナ「ライナーは怖そうだねえ」

    サシャ「いえいえ、実はベルトルトの方が過保護と見ました」

    ミーナ「えー?そうかなあ?ベルトルトってあんまり主張しないから、何も言ってこないんじゃない?」

    ユミル「普段主張しないからこそ、ここぞって時に本音が出るんだろ」

    ミーナ「そっかあ…ベルトルトねえ、せっかく二枚目なんだから、もっと友好的にっていうか協調性をもってっていうか…」

    サシャ「おや?ミーナはベルトルトみたいな見た目が好みですか?」
  117. 117 : : 2013/12/16(月) 03:12:56
    アニ「…」

    ミーナ「ち、違うよ!一般的に見てって話だよ」

    ミーナ「そんな顔しないでよ、アニー」

    アニ「別に変な顔しちゃいないでしょ?」

    クリスタ「ベルトルトかぁ…おっきくていいよねえ」

    ユミル「な、なんだ、クリスタ、背の高い男が好きなのか!?」

    クリスタ「羨ましいって意味だよ!」

    クリスタ「あ、でも、確かに背の高い人って安心するかも」

    ユミル「それは私のことだよな!?」

    クリスタ「えー?どうかなー?」

    ユミル「クリスター!」

    サシャ「では、部屋に戻って、恋バナでもしますか!?」

    ミカサ「それはいい、エレンの魅力なら一晩中だって語っていられる」

    アニ「私はしないからね」

    ミーナ「そんなこと言って、いつも側にはいるよね?」

    アニ「は!?何言って…!?」

    サシャ「おお、ミーナよく気がつきましたね」

    ミーナ「家畜以下を舐めないでよね!」

    ユミル「ついに自虐に走ったか…」

    ミーナ「ユミル、ひどい!」

    キャッキャウフフ…
  118. 118 : : 2013/12/16(月) 23:24:22
    翌朝 食堂
    アニ「おはよ」

    ベルトルト「ああ、アニおはよう」

    アニ「ライナーは?」

    ベルトルト「トイレ寄ってくるってさ」

    アニ「そう」

    アニ「…」ジ-

    ベルトルト「な、なんだい?アニ」

    アニ「いや、やっぱり、大きいなあと思っただけさ」

    ベルトルト「大きいって、身長のことかい?」

    アニ「うん」

    ベルトルト「えーっと、アニとだと、40cmくらい差があるんだっけ?」

    アニ「39cmだよ!」

    ベルトルト「あ、ごめん」

    アニ「やっぱり、背が高いのっていいね」

    ベルトルト「…それは、羨ましいって意味だよね?」

    アニ「?他に意味があるの?」

    ベルトルト「いや、そうだね…」

    アニ「ああ、背が高い男がかっこいいとかそういう意味?」
  119. 119 : : 2013/12/17(火) 00:01:34
    ベルトルト「え?あ、ああ、そんなことも聞くよね」ハハッ

    アニ「なんか、クリスタとかミーナがそんなこと言ってたよ」

    ベルトルト「アニは、背の高い人って好きじゃない?」

    アニ「いや、特には…」

    ベルトルト「そっか…」

    アニ「あんたいいとこって、別に身長じゃないしね」

    ベルトルト「え?」

    アニ「え?って…そんな卑屈にならないでよ」

    ベルトルト「…え、アニから見て、僕のいいとこってどんなとこ?」

    アニ「優しいとことか、真面目なとことか」

    ベルトルト「普通だね…」シュン

    アニ「あとは、常に冷静で、一歩退いたところから物事を見れるところとか、普通に尊敬してるけどね」

    ベルトルト「ほ、本当に?」

    アニ「本当だよ、私やライナーは何だかんだで直情型だからさ」

    アニ「あんたの冷静さには、正直言って何度も助けられてるよ」

    ベルトルト「そ、そっか…!」

    アニ「?なに、喜んでんのさ?」
  120. 120 : : 2013/12/17(火) 00:20:09
    アニ「ああ、今日は私が朝食持ってくるよ」

    ベルトルト「え?一人で持てる?」

    アニ「失礼だね、大した量じゃないでしょ」

    ベルトルト「あ、ごめん」

    ベルトルト「じゃあ、お願いするよ」

    アニ「ん、任せな」スタスタ

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「ふふっ」

    ベルトルト「さて、席をとっておこうかな」

    ベルトルト「アニはああ言ってたけど、女の子が一人で持ってくるのは大変だろうし」

    ベルトルト「配膳口の近くがいいよね」

    ベルトルト「うん、ここの端の席にしよう」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「ふふっ」

    ベルトルト「(尊敬してる、か…)」

    ベルトルト「(そういう意味は含んでないことはわかってるけど…)」

    ベルトルト「やっぱり嬉しいなあ」ニヤニヤ
  121. 121 : : 2013/12/17(火) 00:59:39
    ライナー「何が嬉しいんだ?」

    ベルトルト「うわっ!?ライナー!?」

    ライナー「嬉しがったり驚いたり、忙しいやつだな」

    ベルトルト「あ、え?僕、声に出してた?」

    ライナー「ばっちりな」

    ライナー「ついでに言えば顔にも出てたぞ」

    ベルトルト「か、顔にもって?」

    ライナー「ニヤニヤしてた」

    ベルトルト「っ!」バッ

    ライナー「今さら隠しても遅いが…よいしょっと」

    ベルトルト「ライナー、椅子に座るときによいしょとかいうのやめなよ、おじさんくさいよ」

    ライナー「ああ、気を付ける」

    ライナー「で?何がそんなに嬉しいんだ?」

    ベルトルト「あ、話逸らしてくれないんだ」

    ライナー「今ので逸らせると思ってたのか?」

    ライナー「なんだ、アニと何かあったか?」

    ベルトルト「え?ええ!?ア、アニは関係ないよ!?」

    ライナー「(分かりやすすぎるだろ…)」

    ライナー「そうか?てっきりそうだと思ったんだが…」

    ベルトルト「うん、アニは全然関係ないよ」

    ベルトルト「そもそも、別に何かがあったわけではないよ?」

    ライナー「じゃあ、なんで嬉しいとか言ってたんだ?あんなに顔を緩めて」

    ベルトルト「あ、あれは…」

    ベルトルト「そ、そうだよ、今日と言う日を無事に迎えられたことが嬉しかったんだ!」

    ライナー「は?」

    ベルトルト「ライナー!君は今日という新しい一日がやって来たことが嬉しくないというのかい!?」

    ベルトルト「今日も一日が始まる!素晴らしいことじゃないか!」

    ベルトルト「これ以上に嬉しいことがあるか!?」

    ライナー「そ、そうだな…」
  122. 122 : : 2014/01/10(金) 23:46:15
    コニー「よう、ライナー、ベルトルト、朝からなに騒いでんだ?」

    サシャ「おはようございます!お隣いいですか?」

    ライナー「コニー、サシャ、おはよう」

    ベルトルト「おはよう、いいよ、座りなよ」

    サシャ「では、失礼します!」

    コニー「じゃあ、オレはベルトルトの隣だな」

    ベルトルト「え?」

    コニー「え?ダメだったか!?サシャだけか!?」

    ベルトルト「えっと、ごめん、そうじゃなくて…」

    サシャ「バカですね、コニーは」

    サシャ「コニーがベルトルトの隣に座ってしまったらアニはどこに座るんですか?」

    サシャ「ライナーの隣は私が座ってますし。反対側は通路ですよ?」

    コニー「は?なに言ってんだ、お前」

    コニー「なんで、アニが出てくるんだよ?」

    サシャ「コニーが何を言ってるんですか?」

    サシャ「ライナーとベルトルトとアニが一緒にご飯食べるのはいつものことじゃないですか」

    コニー「は?なんでそんなことになるんだよ?」

    コニー「ライナーとベルトルトはだいたいいつも二人でいるだろうが!」

    サシャ「コニー、頭でも打ったんですか?いくらなんでも、三人のことを忘れるなんて考えられません!」

    サシャ「三人は同郷の幼馴染みでいつも一緒にいたじゃないですか!?」

    コニー「はあ?幼馴染みなのも同郷なのもライナーとベルトルトの二人だけだろ?」

    コニー「三人一緒なのはエレンたちだろうが!」

    サシャ「コニー!いくらなんでも失礼ですよ!」

    ライナー「おい、お前らそのくらいに…」

    アルミン「何事だい?」

    ジャン「朝からうるせえな」

    ミーナ「なに?どうしたの?」
  123. 123 : : 2014/01/10(金) 23:47:03
    コニー「サシャが訳わかんねえこと言い出してよぉ」

    サシャ「訳わかんないのはコニーの方ですよ!」

    コニー「なんだと!?」

    サシャ「なんですか!?」

    ライナー「だから、お前ら、やめろって!」

    アルミン「そうだよ、二人とも、一体どうしたんだい?」

    サシャ「コニーがライナーたちが同郷だってことも幼馴染みだってことも忘れちゃってるんですよ!」

    ユミル「なんだ、コニー、お前そこまでバカだったのかよ」

    コニー「みんなも、そんなこと思ってたのか!?」

    ミーナ「そんなことって…」

    クリスタ「三人が幼馴染みなのは、本当だし…」

    アルミン「…」
  124. 124 : : 2014/01/10(金) 23:47:46
    アニ「なんだい、騒がしい」

    ベルトルト「アニ…」

    サシャ「コニーが変なこと言い出したんですよ」

    アニ「変なこと?」

    ミカサ「アニたち三人は同郷ではないという話」

    アニ「は?」

    ミカサ「つい、昨日も似た話を聞いた」チラッ

    ライナー「うっ…」

    マルコ「…」チラッ

    ジャン「…」プイッ

    クリスタ「なんのこと?」

    ユミル「さあな」

    コニー「なんだよ、オレがおかしいのか?」

    アニ「ま、そうみたいだね」

    コニー「んー?そうだったかー?おかしいなあ…」

    アルミン「まあ、そんなこともあるよ」

    ユミル「ねえよ」

    ジャン「コニーの頭だぜ?」

    ユミル「そんなこともあるか」

    コイー「そうか、そんなこともあるのか」

    コニー「オレが馬鹿なのかと思って焦っちまったよ」

    ジャン「いや、お前は馬鹿だよ」

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natose_ss

とある科学の馬面贔屓

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