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密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの祈念』
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- 1 : 2016/06/23(木) 13:57:17 :
- 密めき隠れる恋の翼たち~『エルヴィン・スミス暗殺計画』
(http://www.ssnote.net/archives/2247)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスとの1週間』
(http://www.ssnote.net/archives/4960)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの苦悩』
(http://www.ssnote.net/archives/6022)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの審判』
(http://www.ssnote.net/archives/7972)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの否応』
(http://www.ssnote.net/archives/10210)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの溜飲』
(http://www.ssnote.net/archives/11948)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの流転』
(http://www.ssnote.net/archives/14678)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの渇望』
(http://www.ssnote.net/archives/16657)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの血涙』
(http://www.ssnote.net/archives/18334)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの証明』
(http://www.ssnote.net/archives/19889)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの慕情』
(http://www.ssnote.net/archives/21842)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの天命』
(http://www.ssnote.net/archives/23673)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの微睡』
(http://www.ssnote.net/archives/25857)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの再陣』
(http://www.ssnote.net/archives/27154)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの謀反』
(http://www.ssnote.net/archives/29066)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの杞憂』
(http://www.ssnote.net/archives/30692)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの勇敢』
(http://www.ssnote.net/archives/31646)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの挽回』
(http://www.ssnote.net/archives/32962)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの慈愛』
(http://www.ssnote.net/archives/34179)
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- 2 : 2016/06/23(木) 13:58:05 :
- 密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの青天』
(http://www.ssnote.net/archives/35208)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの夢想』
(http://www.ssnote.net/archives/36277)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの愛念』
(http://www.ssnote.net/archives/37309)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの咆哮』
(http://www.ssnote.net/archives/38556)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの大望』
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密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの死闘』
(http://www.ssnote.net/archives/40165)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの火蓋』
(http://www.ssnote.net/archives/41081)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの贖罪』
(http://www.ssnote.net/archives/41737)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの危難』
(http://www.ssnote.net/archives/42605)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの災厄』
(http://www.ssnote.net/archives/43586)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの負戦』
(http://www.ssnote.net/archives/44454)
密めき隠れる恋の翼たち~『番外編・エルヴィン・スミスの幻想』
(http://www.ssnote.net/archives/45992)
★巨人に右腕を喰われたエルヴィンと最愛のミケを失うが、エルヴィンに仕えることになった隠密のイブキとの新たなる関係の続編。
『進撃の巨人』の最新話に私の想像(妄想)を書き足したオリジナルストーリー(短編)です。
オリジナル・キャラクター
*イブキ
かつてイヴと名乗りエルヴィンの命を狙っていた隠密の調査兵 。
生前のミケ・ザカリアスと深く愛し合っていた。
ミカサ・アッカーマンの年の近い叔母。
※SSnoteのルールに則り感想等を書いていただくグループコミュニティを作りました。
お手数ですが、コメントがございましたら、こちらまで
お願いします⇒http://www.ssnote.net/groups/542/archives/2
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- 3 : 2016/06/23(木) 13:58:52 :
- 調査兵団の兵士たちが発射した弧を描く信炎弾の煙はすでに面影さえなく消えていて、それを放った兵士の命も儚く散った。丘陵に向かうほど、若い兵士の身体と共に駆けた愛馬たちが無残な姿を晒している。風は吹いていない。だが、少し前までに一陣の狂風を起こした投石が兵士たちを容易く奪ったのがその原因だった。
獣の巨人を纏うジーク戦士長が、同兵団兵士長、リヴァイの刃に倒れたのもほんの僅かなひと時だった。リヴァイの隙を突いて、仲間の四つ足の巨人がジークを咥えて逃げ去った――。
元暗殺者で調査兵に生まれ変わったイブキは投石を腹部で受け止めてしまい、大地に横たわっていた。出血の酷さから意識は朦朧としていたが、身体に感じる振動でようやく目を覚ます。すると、背後に調査兵団団長のエルヴィン・スミスが左手を背後から回して力なく抱きしめていた。微かにごぐりと唾を飲み込む音がイブキの耳に届く。それで、エルヴィンも意識があるのだと、イブキは感じていた。ふたりが見つめる先では、駆け寄る大型巨人にブレードを向けるリヴァイが懸命に飛び回っていた。
身体を寄せ合うふたりの血液は混ざり合う。せっかくの止血も虚しく新たな血液はその身体からゆっくりと流れている。エルヴィンの温もりを感じて、喉が渇ききったイブキの唇が開いた。
「ねぇ、私たちが平凡に会っていたら……」
「――我々に平凡なんて……ありえない」
口を挟むようにエルヴィンは言うが、痛みで顔を歪めてもいつもの冷酷さはどこか保っているようだ。
「じゃあ……この世界に壁なんかなくて、あなたは……お父さんと同じような学校の先生で……」
唇から漏れる溜め息は苦しげに震えている。イブキは朦朧としながらも幻に手探りし、別の世界を見ているとエルヴィンは感じた。互いの命は燃え尽きるであろう、という感覚はゆっくりでも確実に押し寄せている。すると、イブキに倣い、強打して、もやが掛かっていたような脳裏に同じ世界を映し出そうとした。
「ミケはねぇ……何となくだけど、街の建物とか……作ってたりしていそう」
「というと……建築士か……。あいつは器用だし、似合いそうだな」
エルヴィンはミケ・ザカリアスの名をイブキから聞いても、男として妬むような気持ちが広がることは無い。ただ全身に駆け巡る痛みから気をそらすように、イブキの話に耳を傾けていた。
兵士としての力はほとんど残って無くても、イブキに触れる柔らかさはまるで最後の足掻きのようだ。
「で、君は何をしているんだ?」
微かに頬を上げてイブキに問う。
「私はね……街から街に旅をする、旅役者のひとりで。あなたたちの街にきて」
「君の舞台を観て、俺とミケが一目惚れか……」
消え入りそうな口ぶりの返しにイブキは微かに鼻を鳴らして笑った。
「それで、俺たちが……君を奪い合うのか……」
「それは……わかんない。だって、あなたは……ミランダさんと一緒になっているかも……しれない」
エルヴィンがかつて愛したミランダ・シーファーに思いを馳せると、イブキは寂しくつぶやく。
「今は……それを言うな」
力なく左手で抱きしめた。自分が死んだ意味を知りたいであろう、かつての仲間たちに愛する女性も含まれる。それでも、エルヴィンは温もりをイブキと分かち合いたいと寄り添う。今だけは――。
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- 4 : 2016/06/23(木) 14:00:18 :
- 「俺とミケで……君を巡って決闘してもいいかもな」
エルヴィンは自分の胸元のイブキに囁く。ふたりは目の前の現実とは程遠い、御伽噺の世界に寄り添うようだ。視線はたったひとりで、ブレードを大型巨人に向けるリヴァイに向いていた。
微笑みから緩んでいたイブキの唇が突として震えだす。呼吸も困難なようで、さらに胸には異様な高鳴りが広まった。
「誰……誰だろ」
「どうした?」
エルヴィンの左腕にもイブキの体の震えが伝わった。
「今……壁の中で、ひとり……誰かの命が」
苦痛を感じるほどイブキの唇は震え、乾く喉の奥が詰まるようで、うまく言葉が継げなくなる。ふたりが横たわる位置からシガンシナの壁だいぶ離れていて、壁内で轟かせているであろう爆音は微塵も感じられない。
少し前まで気を紛らわせていた影響で鈍くなっていた激痛が、再びエルヴィンの全身に駆け巡り始めた。苦しげに、イブキが放った意味を問おうとした。
「君のよく知っている兵士か?」
「わからない……でも、私が調査兵になって、ずっと傍にいた温もりがひとつ消えた……のを感じた。まさか、ミカサ……」
調査兵になってようやく会えた姪、ミカサ・アッカーマンに思いを募らせれば、涙が自然と溢れ、血のにじんだ頬に伝わった。
エルヴィンは104期の兵士から死者を出したのか、と想像すれば日常的に信心深くなくても、目を閉じて祈念するしかない。また若い命を散らしてしまった、と痛感すれば背後に位置する壁の向こうに意味も無く罪悪感を覚える。
左腕でイブキの頭を優しく抱えて、ポニーテールが乱れた黒髪に頬を寄せる。ゆっくりと目を見開けば、視線の先に、どうにか生き延びたかのような一輪の白い花が揺れていた。辺りは血なまぐさい空気が漂っていても、その花びらさえ、血飛沫を浴びたようには見えない。
その白き無垢に執拗に責められるな気がして、エルヴィンは視線を逸らして目を再び閉じた。
(エルヴィン……俺たちが捧げた心臓がどうなったか……もうじき見えそうだ)
イブキの身体を通してミケ・ザカリアスの声が染み渡った。声を感じれば自然と目を見開いて、無垢にゆれる白い花を眺める。その凛とした花びらの遠い先ではリヴァイがその顔に巨人の血を浴びながら、だだ懸命に巨人のうなじにブレードを差し込んでいた。
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- 5 : 2016/06/23(木) 14:01:16 :
- ★あとがき★
いつもありがとうございます。
今回はまた衝撃で、今回は短い内容しか妄想が浮かばなかったです。
104期の死亡フラグは立っていたけど、まさかアルミンが…って
ショックで泣けてきました。
エレンに向かって海に行こう!って語っていた夢が
叶うと思っていのに…まさかエレンに託すだけになるとは。。
エルヴィンも、今月は出てこなかったけど、あの瀕死の重傷でどうなっている
のでしょうか。私の作品の中だけでも、イブキと一緒にいさせてあげたい。
リヴァイも一人で戦ってどうなっているのでしょうか。
気になってしょうがないのです。ホントに進撃から目が離せません。。
引き続き来月もよろしくお願いします。
お手数ですが、コメントがございましたら、こちらまでお願いいたします!
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