このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
ジャン「ビッグ・シェル占拠事件」 進撃×MGS2
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- 1 : 2016/06/15(水) 09:20:27 :
- 進撃×MGS2のコラボ、いよいよ本編スタートです。
よろしくお願いします<m(__)m>
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- 2 : 2016/06/15(水) 09:21:10 :
原爆を開発し、その破壊力を測定するために
科学者は膨大な計算をしなくてはならなかった。
・・・・・・コンピューター(デジタル)と核兵器は
共に第二次世界大戦の産物であり、共に成長したのである。
スミソニアン協会国立米歴史博物館
「情報時代:人、情報、テクノロジー」展示スペースより
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- 3 : 2016/06/15(水) 09:21:41 :
2009年4月29日未明
ベラザノ橋
『エレン、二年前のタンカー沈没事件を覚えているか?』
「勿論だ。」
『マンハッタン沖約30キロの地点でタンカーがテロリストに沈められ、大量の原油が流出。
政府はすぐ汚染海域一帯にオイルフェンスを敷設。
その中に巨大海上除染施設を建造した。』
「ああ、それが・・・・・・・・・・・・『ビッグ・シェル』だな。浄化はまだ終わってねぇって聞いてるが。」
『そうだ。皮肉なことに、今では環境保護のシンボルになってやがる。気に入らねぇがな。』
海洋除染施設、ビッグ・シェル。
まだ夜が明けきらないこの施設へ向けて、数基の軍用ヘリが近づいていた。
『アルファー・チーム、およびブラボー・チーム。予定通り『ビッグ・シェル』に向かえ。』
軍用の無線で司令部が指示を出す中、別の無線機は大佐の言葉をまだ若い工作員へと伝えていた。
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- 4 : 2016/06/15(水) 16:38:53 :
『今から6時間前、そのビッグ・シェルがテロリストの野郎どもに占拠された。』
「こんな大それたことをやるなんて、どんな連中だ?」
『中核は海軍特殊部隊 内の対テロ訓練部隊『デッド・セル』の元メンバーたちだ。ロシアの私兵部隊も参加してるそうだ。
高度に訓練された連中で、情けねぇ話だが、『ビッグ・シェル』は完全に制圧されてやがる。』
数基の軍用ヘリが海上を通過する中、一人の男が海面から姿を現した。
酸素マスクをかぶり、全身を髑髏のようなスーツに身を包んだその男は、再び海中へと潜ってビッグ・シェルへと接近していく。
男が水中からこっそりと近づく中、軍用ヘリは一気にビッグ・シェルへと接近した。
『風下から接近、一気に上昇!高速ロープ降下 でシェル1に降り立つ!予定到着時間 まであと5分!』
『アルファー・チームは大統領の保護が優先だ。
ブラボー・チームはマルコ・ボットをサポート。C4の解除を優先せよ!』
アルファー・チーム、ブラボー・チーム、
両方の兵士たちがヘリから急降下していく。
一方、髑髏のようなスーツを着た男は、水中から近づいていく。
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- 5 : 2016/06/15(水) 16:39:34 :
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「で、奴らの要求は?」
『現金300億ドル。』
「おいおい、とんだ大金だな!?」
『事件が起こった当日、『ビッグ・シェル』では政府の視察が行われていた。』
「人質かよ。」
『ああ、環境保護団体のVIPと、とびっきりのクソ野郎がな。』
「クソ野郎?」
『フリッツ大統領だ。』
「!? おいおい、大統領かよ!?」
『さらに、要求が聞き入れられなければ、奴らは『ビッグ・シェル』を爆破すると予告してきてやがる。』
「そんなことしたら、原油に火がついて、マンハッタン湾は火の海だ!」
『それだけじゃねえぞ。海水の殺菌に使ってる塩素系の薬物、原油の炎上・・・・・・・・・・・・ダイオキシンを含む大量の有害物質の発生。』
「・・・・・・・・・・・・史上最悪の環境汚染だ。」
『ああ、マンハッタン湾は向こう何百年にもわたって死の海となる。』
通信を交わしながら、水中を進んでいく男。
水中の中にあるオイルフェンスの前に到着すると、フェンスに穴があけられていた。
・・・・・・・・・・・・まだ新しい。
早速不穏な空気を感じながら、男はフェンスの穴をくぐっていく。
『お前に依頼する任務は二つ。
海上除染施設『ビッグ・シェル』に単独潜入し、大統領と人質を救出すること。
テロリストを武装解除することだ。
その為に、お前はあらゆる手段を使っても構わない。』
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- 6 : 2016/06/15(水) 16:40:17 :
バシャアッ!!
男はついに、ビッグ・シェルの脚部、シェル1のA脚の底部へと潜入した。
そこは、水の中に潜るための潜水服や小型の潜水艦が置かれている。
水中から水の上へと上がると、そこかしこにゴキブリのような、三葉虫のような生物がうようよしていた。
『それと、俺たちと同時に、SEALのチーム10が作戦行動をとっている。』
「合同作戦か?」
『いや、俺たちFOXHOUNDは影の部隊。奴らはお前の存在を知らない。』
男はしゃがみ込み、血液内に流し込んだナノマシンを介した体内通信を開始した。
「大佐・・・・・・こちらエレン。シェル1A脚内に潜入した。」
『状況はどうだ?』
「幸い、ここには見張りはいないみたいだ。」
『視界は?』
「明かりはついてる。」
『ほかに問題は?』
「オイルフェンスの切断面が真新しかった。俺たちのほかにも侵入者がいるらしい。」
『考えられない話だ。』
「で、SEAL10の突入班の様子は?」
『ビッグ・シェル上部に降下済みだ。それとエレン。今後の通信はコードネームを変更して行う。』
「エレンだと問題があるのか?」
『そういうことだ。今後、お前をジャンと呼ぶ。お前のコードネームはジャン・キルシュタインだ。』
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- 7 : 2016/06/15(水) 16:41:57 :
- ジャン!?
期待っす
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- 8 : 2016/06/15(水) 16:42:20 :
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「ジャン・キルシュタインか・・・・・・了解した。」
『よし、まずは『ビッグ・シェル』の上部へと出ろ。エレベーターがあるはずだ。』
「よし・・・・・・。」
ジャンは立ち上がり、移動を開始した。
移動する傍ら、ジャンは大佐から、今身に着けているスーツについての説明を受けた。
『今回のスニ―キング・スーツは、光ファイバーを使った光紡績技術を使ってる。
質感はゴムみてぇだが、様々な有毒物質を遮断するすぐれものだ。
しかも、様々なセンサーも仕込まれてる。軍で開発中のスマートスキンだ。
お前の体内のナノマシンと呼応して、出血量やダメージがフィードバックされる。』
「内臓が圧迫されてんだが?」
『機能促進と保護のためだ。この新型スーツはスカルスーツと呼ばれている。ありがたく使え。』
通信を終えると、ジャンはぼそりとつぶやいた。
「よし、任務開始・・・・・・と行こうじゃねえか。」
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- 9 : 2016/06/15(水) 16:43:39 :
- >>7
いつも期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
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- 10 : 2016/06/19(日) 09:30:13 :
部屋の扉へと進み、ハンドルを回すジャン。
重い扉をひいて開け、薄暗い通路を進んでいく。
すると・・・・・・・・・・・・
通路の奥の突き当りの曲がり角に一瞬、人影らしきものが見えた。
AN94アサルトライフルにマカロフ、グレネード・・・・・・・・・・・・いずれもロシア製の兵器だった。
「大佐、敵兵を一名見つけた。」
『ザックレー大佐の部隊だな。』
「おいおい、ザックレーといや。」
『ああ。四年前のシャドーモセス事件でテロリストたちと合流しようとした奴だ。』
M9麻酔銃を構え、慎重に薄暗い廊下を進んでいくジャン。
と、ここで突然、奥のほうから悲鳴が聞こえてきた。
「・・・・・・なんなんだ、一体?」
廊下を抜けて荷物の集積場につくと、二人の兵士が気絶させられているのが目に入った。
ちょうど、奥のエレベーターは男を乗せて上昇していった後であった。
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- 11 : 2016/06/19(日) 09:30:43 :
「ややこしくなってきたぞ・・・・・・大佐、聞こえるか?」
『なんだ?』
「俺のほかに侵入者がいる。しかも単独潜入だ。」
『ちっ、気に入らねぇな・・・・・・。』
「まあ運良く敵さんを片付けてくれた。」
『まぁな。今のうちにその部屋にあるノードにアクセスしておけ。』
「了解だ。」
エレベーターが下りてくるまでの間、ジャンはその脇にある画面に手を触れた。
「うおっ!?」
途端に電流が走り、全身が少ししびれる。
ビッグ・シェルの支援システムへジャンのナノマシンがアクセスし、ジャンのソリトン・レーダーにA棟のマップが表示された。
このソリトン・レーダー、敵を赤い光点で示してくれる優れものである。
「ったく、ナノマシンってのも慣れねぇもんだなぁ。」
『ふん。これでレーダーが使える。VR訓練を思い出せ。』
「ああ、敵にみつかりゃ使えなくなる。」
『そうだ。ソリトン・レーダーはもはや既存技術。簡単に妨害されるからな。それと音響共鳴の強い場所でも使えねえ。』
まあ、訓練通りやってりゃ大丈夫だろう。
この日のために、俺は今まで本番さながらのVR訓練に耐えてきたんだからな。
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- 12 : 2016/06/19(日) 09:31:34 :
『それと、今回の任務の記録は、専門のアナリストが行う。』
「アナリスト?」
『よお、聞こえるか? ジャック?』
と、ここで、ジャンにとっては聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。
こんな男勝りな、しかも俺の本名であるジャックという名を知っている女性は、一人しか思い当たらなかった。
「おいおい、なんでお前がここにいるんだ、ユミル!?」
『当然だろ? 私もこの作戦に参加することになったんだ。』
「バカ言え! どういうことだ、大佐!?」
『聞いての通りだ。こいつも今回作戦に参加する。』
「なんでユミルなんだよ!?」
なぜジャンはかくまでに驚くのか。
ユミルはジャンの想い人であり、婚約者であったがためだった。
いわば身内の人間を作戦に参加させることは、ジャンにとっては気の進まないことであった。
『本来作戦を担当するはずだったFOXHOUNDのオペレーターが事故で参加できなくなってな。で、ユミルを選んだってわけだ。』
「だからってなぁ!」
『それに、ユミルはお前をよく知ってる。そうだろ?』
「・・・・・・・・・・・・。」
大佐に説得され、しぶしぶ引き下がるジャン。
とここで、ユミルが大佐に通信をかけた。
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- 13 : 2016/06/19(日) 09:32:10 :
『ただ、今回の任務を引き受けるには条件がある。』
『なんだ?』
『あんたとジャックの会話も全部傍聴させてもらうからな。』
『ふん。好きにしろ。それと、任務中はジャンと呼べ。いいな?』
不器用なユミルは彼女なりにジャンのことを案じていた。
大佐の条件にユミルは頷き、それからジャンに声をかけた。
『まあそういうことだ。なんかあったら通信して来いよ。』
『はいはい。』
『ああそれと・・・・・・明日は何の日だか・・・・・・覚えてるか?』
『明日? 4月30日か?』
『ああ。』
『・・・・・・・・・・・・なんかあったか?』
『まあ思い出すまでせいぜい頑張れよ。』
エレベーターがようやく降りてきたので、ジャンは通信を切った。
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- 14 : 2016/08/20(土) 10:07:43 :
- 続きが気になる!!
期待です!
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- 15 : 2017/09/18(月) 23:23:08 :
- 期待してます
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