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ひぐらしのなく頃に哀 日暮し編

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  1. 1 : : 2016/06/12(日) 14:13:07
    以下のことに注意してください。


    ・更新が遅い時もあります。

    ・文章が変になるかもしれません。

    ・荒らしのコメントは禁止です。

    ・ひぐらしのなく頃に解を見ていない方はネタバレになってしまうかもしれません。

    これを読んで「いいよ!」という人だけお読みください。
  2. 2 : : 2016/06/12(日) 14:40:38
    ひぐらし好きなので期待です!
  3. 3 : : 2016/06/12(日) 16:57:52
    >>2んばーるさん、ありがとうございます!
  4. 4 : : 2016/06/12(日) 16:58:04
    ひぐらしとか懐かしい...期待です
  5. 5 : : 2016/06/12(日) 17:30:40
    ~教室~


    ワイワイガヤガヤ


    レナ「それでね…その犬が…」

    魅音「うんうん」

    レナ「おもいっきり転んだの!もうその姿がおかしくってwww」プププ

    詩音「へぇ、どんな感じに?」

    レナ「なんかこう…もうひっくり返ったようなwwあぁダメww思い出したら余計にwww」

    沙都子「そんなにその姿がおもしろかったんですの?」

    レナ「うんwwwみんなも一度はwww見てみるといいよwwwすっごくおもしろいからwww」

    梨花「今度見てみるのです!(誰がみるか。)」ニパー

    圭一「お?なんだ何の話してるんだ?俺もまぜてくれよ」

    レナ「圭一君はダメだよ」

    圭一「え!?どうしてだよ!」

    魅音「だって圭ちゃんは女の子じゃないからね~」ニヤニヤ

    圭一「はぁ!?意味がわかんねぇよ!」

    詩音「今、私たちは女子会を開いているんです」

    圭一「女子会?なにそれ、食えるのか?」

    沙都子「フフフ…学がない圭一さんに説明して差し上げますわ。女子会というのは、男性の前では言えないことを女子同士で話し合う会のことですのよ」

    梨花「なので、圭一は残念ながら僕たちのグループには入れないのです~(ざまぁwww)」ニパー

    圭一「ちぇっ、つまんねぇの。おい、お前ら行くぞ」スタスタ

    男子小学生2人「へーい」スタスタ



    ガラガラピシャッ
  6. 6 : : 2016/06/12(日) 17:31:37
    >>4紫陽花さん、ありがとうございます!
  7. 7 : : 2016/06/12(日) 17:40:00
    期待しています
  8. 8 : : 2016/06/12(日) 18:19:04
    魅音「さて…男どもがいなくなったところで、女子会を再開しますか!」

    詩音「では…何から話そうか?」

    レナ「やっぱり、恋バナとかかな?かな?」

    魅音「恋ばなって…」ハァ

    詩音「いいね! じゃぁ…レナは好きな人とかいるの?」

    レナ「え!?」ドキッ

    魅音「やめようよ詩音。こんなことしてもつまらないだけだって」

    詩音「え~別にいいじゃない…で?どうなの?」

    レナ「うん…いるよ///」

    詩音「おぉ!で、誰なの?」ワクワク

    レナ「そ、それは…言えない…よ///」カァ

    詩音「まぁ、そりゃそうだよね~よし!次はおねぇ!」

    魅音「えぇ!?」

    詩音「さぁさぁ、今まで心に溜まってたものを吐き出した方が楽だよ~言っちゃいなよ~」ニヤニヤ

    魅音「じゃ、じゃぁ、詩音が先に言ってよ。そ、そしたら言うよ…タブン…」

    詩音「いるよ」

    魅音「え?」

    詩音「私は悟史くんが好きなの。ねぇ~沙都子?」

    沙都子「オーホッホッホッ…その通りですわ。私もにーにーのことが好きですのよ」

    詩音「学校終わったら、一緒に悟史くんのお見舞いに行くんだよね~?」ニコッ

    沙都子「ね~」ニコッ

    魅音「い、いいのか?それで…」

    梨花「仲がよくてなりよりなのです~」ニパー

    詩音「さぁ、次はおねぇの番だよ」

    魅音「え、えーと…その…お、おじさん、そういう恋愛…とか…そういうの…興味ないんだよね…ハハハ…(圭ちゃんが好きだなんて口が裂けても言えないよ…)」

    詩音「なーんだ。つまんないの~」ムッスー

    魅音「はいはい。私はつまらない人間ですよーだ」ベー

    レナ「梨花ちゃんはどうかな?かな?」

    梨花「みぃ?」クビヲカシゲル

    詩音「好きな人とかいるの~?大丈夫だよ、言っても言いふらしたりとかしないから~」ニヤニヤ

    魅音「…信用できん…」シラー

    沙都子「もし梨花に好きな人がいたら、明日の天気が空からあめ玉が降ってきますわ」

    レナ「確かに、梨花ちゃんにそういう雰囲気はないよね」

    魅音「でも、逆にあったらおもしろいかも…」

    詩音「さぁ、どうなの?」ジッ

    梨花「僕は…」

    一同(梨花以外)「」ジッ

    梨花「好きな人はいないのです~!僕はそういうのには一切興味がないのです~!にぱー☆」ニコッ

    詩音「なーんだ。てっきりいるかと思った」

    沙都子「まっ、それが梨花らしいですわね」

    魅音「じゃぁ、もうこの話はもうおしまい!別の話をしようよ!」

    レナ「はいはーい!じゃぁ、レナが昨日おきた出来事なんだけどね…」

    梨花「…」
  9. 9 : : 2016/06/12(日) 18:20:17
    >>7Mr.Obitoさん、期待ありがとうございます!
  10. 10 : : 2016/06/12(日) 21:28:30
    ~授業中(体育)~

    詩音「さぁ、水鉄砲鬼ごっこを始めますよ!」

    魅音「圭ちゃんが鬼ね~」タッ

    圭一「何でだよ!」

    梨花「圭一から逃げろ逃げろなのです~」タッ

    沙都子「わたくしを捕まえてごらんなさい!オーホッホッホッ!」タッ

    圭一「くっそ…なんで俺ばっかり…」ハァ

    レナ「圭一くん」

    圭一「ん?どうしたレナ。当てられたいのか?」

    レナ「ちょっと耳貸して…」

    圭一「え?…あぁ…」ミミヲチカズケル

    レナ「えーとね…コショコショコショコショ…」ボソボソ

    圭一「お!いいねそれ!」

    レナ「お願いね!」タッ

    圭一「よーし、やってやるぜ!」タッ
  11. 11 : : 2016/06/12(日) 21:46:36
    魅音「ハーハッハッハ!どっからでもかかってこい!」ジャキ

    詩音「おねぇ、その水鉄砲どこで手にいれたの?」

    魅音「フフフ…市販で売っている大型のを色々改造したのだ!」ドヤァ

    詩音「相変わらず、手が汚いわね」ハァ

    魅音「そういう詩音だって、たくさん水風船持っているじゃないか」

    詩音「あ…アハハ…」

    魅音「そういうところも似ているね」クスッ

    詩音「双子だからね」クスッ

    魅音「フフフ」クスクス

    詩音「フフフ」クスクス

    ???「そんなのんきに会話してていいのかな?かな?」

    魅音「!!その声は!」バッ

    レナ「フフフ…びしょびしょに濡らしてあげる…」ジャキ

    詩音「フフフ…あなたも間抜けですね…ニ対一ではもうすでに勝負は決まっているのに…」ジャキ

    レナ「もしかしたら…勝てるかもしれないよ?」

    魅音「寝言は寝てからいいな」ジャキ



    バチャァバチャァ



    魅音「ひぁあ!?」ビショビショ

    詩音「きゃああ!!」ビショビショ

    ???「へっへっへ…大成功だぜ」
  12. 12 : : 2016/06/12(日) 22:14:27
    魅音「その声は…圭ちゃん!!」

    圭一「フフフ…まんまと引っ掛かったな…」

    レナ「私たちは手を組んだの」

    圭一「先に一番厄介な敵を始末した方が後が楽だろ?」

    詩音「うぅ…卑怯なり…」ガクッ

    レナ「魅ぃちゃん達も同じことしてるじゃない」

    魅音「クッソー…」ガクッ

    圭一「さぁ、次は沙都子だ!行こうぜ!」タッ

    レナ「うん!」タッ





    沙都子「オーホッホッホッ!私の罠をかいくぐれるかしら?」ジャキ

    圭一「うっわぁ…絶対あいつの回りに落とし穴があるぜ…」

    レナ「大丈夫。私に任して」スタスタ

    沙都子「おや、最初の犠牲者が来ましたわ」

    レナ「沙都子ちゃん。さっきトイレに行ったよね?」

    沙都子「えぇ…確かに…」

    レナ「その時、私落とし穴を埋めたんだ」

    沙都子「え!?そ、そんなの嘘ですわ!」

    レナ「ほんとだよ?おまけに場所まで知ってるよ」

    沙都子「な…そんなバカなこと…」

    レナ「じゃぁ?当ててあげようか?」

    沙都子「や…やれるもんならやってみなさいよ…」

    レナ「そこと…そこ」ユビサス

    沙都子「(!!あ、当たっていますわ…)」サァ

    レナ「図星かな?かな?」

    沙都子「クッ…」

    レナ「位置が分かればもう怖くない…後は疲れるまでずっと追いかければいいだけ…」ジャキ

    沙都子「ヒィ…」アトズサル

    レナ「さぁ、覚悟しなさい!」タッ

    沙都子「い、いやですわ!」タッ



    バキッ



    沙都子「え?…うわあああああああああ!!」ヒュードン!!

    レナ「フフフ…引っ掛かったね。沙都子ちゃん」ザッ

    沙都子「うぅ…騙しましたね…」

    レナ「その通り」ピュー

    沙都子「きゃっ!」ビショビショ

    レナ「悪いけど、勝つのはレナだから」クルッタッ

    沙都子「うぅ…」ガクッ
  13. 13 : : 2016/06/12(日) 22:35:14
    圭一「やったな、レナ!」

    レナ「うん!」

    圭一「後は梨花ちゃんだけか…」

    レナ「どこかに隠れて待ち伏せしている可能性があるかもね…」

    圭一「そうだな…手分けして探してみるか…」

    ???「僕は逃げも隠れもしないのです!!」

    圭一「!!この声は!」

    レナ「いた!校舎の屋根の上!」ユビヲサス

    梨花「さぁ、好きに射つがいいのです」バッ

    圭一「へへへ…じゃぁ、お言葉に甘えて…」ジャキ

    レナ「待って。梨花ちゃん、隠し持っている銃を捨てて」

    梨花「…どうしてなのですか?」

    レナ「あなたの後ろに見えているからよ」

    梨花「…分かったのです…」カチャッポイッ

    圭一「よく気がついたな!」

    レナ「さぁ…覚悟はいい?」カチャッ



    バチャァバチャァ



    レナ「きゃっ!」ビショビショ

    圭一「うぉあ!」ビショビショ

    梨花「フフフ…残念でした…なのです」カチャッ

    レナ「ま、まさか…もう一つあったとは…」ビショビショ

    梨花「逆光を利用して、僕が銃を撃っている姿を見えにくくさせたのです」

    圭一「そ、そういえば眩しくて半開きの状態だったな…」

    レナ「くそ…もう少し早く気づいていたら…」

    梨花「というわけで、この勝負僕の勝ちなのです。にぱー☆」ニコッ
  14. 14 : : 2016/06/12(日) 22:50:49
    魅音「いや~まさか梨花ちゃんが勝つとは…」

    梨花「にぱー☆」ニコッ

    圭一「まったくだぜ、あともう少しだったんだけどな…」

    沙都子「よくあの作戦を思いつきましたわね」

    梨花「フフフ…ある人に教えてもらったのです~!」

    レナ「ある人?」

    梨花「水鉄砲の達人なのです~!」

    圭一「へー会ってみたいな…どこにいるんだ?」

    梨花「それは…」

    圭一「うんうん」

    梨花「教えてあげないのです~!」アッカンベー

    圭一「なんだよ、意地悪だな~」

    詩音「まぁいいじゃないですか。それよりも早く着替えましょうよ。風邪ひいちゃいますよ」

    圭一「そうだな…おーし、行こうぜ」スタスタ

    梨花「…」

    沙都子「…梨花?」

    梨花「…ん?なんですか?」

    沙都子「どうかしたんですの?」

    梨花「ううん、何でもないのです!行こう、沙都子!」タッ

    沙都子「?」
  15. 15 : : 2016/06/12(日) 23:00:57
    ~下校時~

    詩音「じゃぁ、私達は沙都子と一緒に悟史くんの見舞いに行ってくるね」

    魅音「わかった。じゃーねー!」ブンブン

    沙都子「梨花、少し遅くなるかもしれませんの…だから…」

    梨花「分かっているのです!夕飯つくって待っているのです!」

    沙都子「梨花…ありがとう。じゃぁ、行ってきますわね!」タッ

    梨花「気をつけて行ってくるのですよ!」

    圭一「梨花ちゃん、一人で帰れるか?」

    梨花「大丈夫なのです!」ニパー

    圭一「そうか…じゃぁ、また明日!」

    レナ「バイバイ!」テヲフル

    梨花「バイバーイなのです!」テヲフル
  16. 16 : : 2016/06/12(日) 23:15:05
    ~梨花の家~


    ガチャ


    梨花「…ただいま…」スタスタ

    ???「お帰り~なのです!」 ガチャガチャ

    梨花「あぁ、羽入。いたのね」

    羽入「いたのねって…酷すぎるのです…」ショボン

    梨花「ん?なにやってるの?」

    羽入「お味噌汁を作っているのです!」グルグル

    梨花「へぇ…どれどれ…ペロッ…甘っ!!なにこの味噌汁、すごく甘いじゃない!」

    羽入「え?ペロッ…ほんとだ…おかしいのです…確かに塩をいれたはずなのに…」ハコヲモチアゲル

    梨花「…あなた、これ…砂糖よ…」

    羽入「え?…あわわわわわ!ほ、ほんとなのです!」アセアセ

    梨花「まったく…なにしてんだか」ハァ

    羽入「つ、作りなおさなきゃ…」

    梨花「もういいわよ。私がやる」スッ

    羽入「わ、わかったのです…」ショボン
  17. 17 : : 2016/06/12(日) 23:27:13
    羽入「はぁ~美味しかったのです」ポンポン

    梨花「…ところで」

    羽入「ん?何ですか?」

    梨花「あなたって、時々幽霊になったり人間になったりするわよね?」

    羽入「え、えぇ…まぁ…」ドキッ

    梨花「どうして?」

    羽入「そ、それは…あうううう…お、大人の事情なのです!」アセアセ

    梨花「あ、そう…お風呂入ってくる」スタスタ

    羽入「のぼせないように気をつけるのですよ~!」

    梨花「言われなくても分かってるわよ」スタスタ





    ~風呂場~


    梨花「…」



    『好きな人とかいるの?~』



    梨花「…好きな人…か…」ボソッ










    人間、誰でも恋はする…………この私でも。あれは何十年前の事だろうか。私はその時、人生で最初でおそらく最後の恋をしたのだ…




    ーー
    ーーー
    ーーーー
    ーーーーー
  18. 18 : : 2016/06/12(日) 23:28:06
    今日はここまでにします!明日の夕方ごろに書きます!
  19. 19 : : 2016/06/13(月) 18:43:00
    ~数十年前~

    ・梨花の家


    梨花「沙都子~!早くしないと遅刻するのです~!」

    沙都子「待ってくださいまし…よし!行きましょう!」タッ

    梨花「髪の毛に時間をかけすぎなのです」ガチャバタン

    沙都子「だって、寝癖がひどかったんですのよ。そのままで行ったら笑われてしまいますわ」スタスタ

    梨花「僕は寝癖姿の沙都子も可愛いと思うのです」スタスタ

    沙都子「もう、冗談言わないでくださいまし///」スタスタ


    オーイリカチャーンサトコー


    梨花「あ!圭一なのです!」

    圭一「ハァハァ…いや~寝坊しちまってさ、慌てて支度して…」ゼェゼェ

    沙都子「あら~圭一さん、ふしだらですわね~ちゃんと規則正しい生活をしないとご病気にかかりますわよ」

    圭一「アハハ…梨花ちゃん達も珍しいね。寝坊か?」

    沙都子「あなたと一緒にしないでくださいまし。私が丹念に髪のお手入れをなさっていらしたのよ」

    梨花「それで遅くなったのです~!」

    圭一「へぇ…って、立ち話している場合じゃねぇ!急がないと本当に遅刻になる!」タッ

    沙都子「あ!レディを差し置いて…待て~!」タッ

    圭一「よーし、学校まで競争だ!」タタタ

    沙都子「望むとこですわ!」タタタ

    梨花「ふ、二人とも待つのです~」タッ
  20. 20 : : 2016/06/13(月) 19:13:21
    ~教室~


    ガラッ


    圭一「よぉーし、いっちばーん!」ハァハァ

    沙都子「んもう、もっとレディに対して手加減とかございませんの?」ハァハァ

    梨花「(あーぁ、疲れた)」ハァハァ

    レナ「あ!圭一くん、おはよー!」

    圭一「おぉレナ、おはよー」

    魅音「圭ちゃん、遅刻はいけないね~後で罰として、メイド服に着替えてもらおうかな」ニヤニヤ

    圭一「何でだよ!」

    レナ「圭一くんのメイド服姿かぁわいいよ~おっ持ち帰り~」

    圭一「いや、まだ着てないから」

    沙都子「あれ?なんか増えてませんか?」

    圭一「ん?なにが?」

    梨花「そういえば…机が一つ多いのです」

    魅音「あ!そうそう!ビックニュース!うちの学校に転校生が来るんだよ!」

    圭一「転校生?めずらしいな」

    梨花「(転校生?今までこんなことはなかったのに…)」

    魅音「何でも、東京から立派な社会人になるためにここで一人暮しをするらしいよ」

    圭一「へぇ~そりゃぁ、立派だな。感心感心」ウンウン

    沙都子「その転校生は男の子ですの?」

    魅音「いや、そこまではわからないけど…とにかく、来るらしいよ」

    レナ「レナは女の子がいいな~。かわぁいい女の子をあんなことやこんなことを…いや、男の子もいいね…かわぁいい子を…ぐへへへ…」ジュル

    圭一「れ、レナ。とりあえず落ち着こう」

    レナ「とにかくかわぁいい子をお持ち帰りィ!」

    圭一「やめろ~!」

    梨花「(ねぇ、羽入)」



    スー



    羽入「何ですか?」

    梨花「(このことをどう思う?)」

    羽入「さぁ…はじめての事なので分からないのです…」

    梨花「(そう…もういいわ、消えて)」

    羽入「ええええええええ!!ひ、ひどすぎるのです~!」ガーン

    梨花「(いいから)」ギロッ

    羽入「あうううう…」スー
  21. 21 : : 2016/06/16(木) 18:00:31
    ガラッ



    知恵先生「はーい、みんな~席について~!」


    ワイワイガタッガタッ


    知恵先生「今日はみんなにお知らせしたいと思います!なんと、転校生がやってきました!」



    エーダレナンダロ?キニナルナ



    知恵先生「はい、静かに~今教室の前で待っているので、呼んできますね」スタスタガラッ



    モウハイッテキテイイヨ.ワカリマシタ



    ガラッ



    転校生は男の子だった。青髪で、見た目は小学生ぐらいだが、顔立ちは大人っぽかった。



    知恵先生「では、紹介します。日暮勇矢くんです!じゃぁ、お名前書いてくれるかな?」



    彼は返事をしたあと、チョークを持ち、まず漢字で『日暮勇矢』、その上にひらがなで『ひぐらし ゆうや』と書いた。



    知恵先生「何か一言お願いできるかな?」

    日暮「え、え~と…よ、よろしくお願いします!」

    知恵先生「はいありがとう!じゃぁ…古手さんの隣の席が空いているから、そこに座ってね」

    日暮「わかりました」スタスタガラッ

    梨花「よろしくなのです~」ニパ-

    日暮「うん!よろしくね!」ニコッ

    梨花「…」ジッ
  22. 22 : : 2016/07/11(月) 15:53:59
    ~授業~


    知恵先生「ここはこうで……こうなのよ」

    少年A「分かった!ありがとう先生!」

    少女A「先生~ここがわかりませ~ん」

    知恵先生「はいはい」

    圭一「後はこれをこうすれば……ほら、解けただろ?」

    レナ「すごーい!圭一くん、頭いいね!」

    圭一「へへへ…まぁな」テレッ

    魅音「圭ちゃん、ここが分からないんだけどさ…」

    圭一「お!どれどれ……ここをこうして、こうすれば……」

    魅音「分かった!ありがとう圭ちゃん!」

    圭一「よーし、分からない所があったら、どんどん俺に聞いてくれ!」

    レナ「じゃぁ……ここ全部やってくれる?」

    圭一「なんでそうなるんだよ!」

    沙都子「う~ん…」ウデヲクム

    梨花「また、分からないところがあるのですか?」

    沙都子「う~ん…この問題が難し過ぎて意味が分かりませんわ…」ムムム

    梨花「僕が見てあげるのです……ん?」

    沙都子「どうかしましたの?」

    梨花「……わ……分からないのです……」

    沙都子「え!?梨花にも分からない問題があるんですの?」

    梨花「え、いや………その……えぇと…これは……う~ん」ウデヲクム

    沙都子「えーと…じゃぁ……勇矢さんは……この問題解けますの?」

    日暮「どれどれ……えーと…あぁ、これはここをこうして、こうすれば……」

    沙都子「あ!そういうことですの!ありがとうございまし!」

    日暮「どういたしまして!」ニコッ

    沙都子「それにしても、この問題が解けるなんて、勇矢さんは賢いですわね」

    日暮「いや……別に人並みにできるだけあって…賢くはないよ」

    沙都子「だって、梨花も解けない問題ですのよ。ねぇ、梨花?」

    梨花「勇矢くんはすごいのです~にぱー☆」ニコッ

    日暮「そ、そうかな…?」

    沙都子「そうですわよ!じゃぁ、次はここの問題を教えてくださらない?」

    日暮「うん!えーと……これはね……」

    梨花「(……おかしい)」ジッ

    梨花「(いつもだったら、なんなく教えてあげているのに、今までとは全く違う問題が出てきた……こんなことが起きたのははじめて……)」

    梨花「(……どういうことなの?)」

    羽入「そんなこと言って、本当は分からなかったくせに~」ニヤニヤ

    梨花「(……うるさい)」ギロッ

    羽入「ご、ごめんなさいなのです………あうううう…」スー
  23. 23 : : 2016/07/11(月) 17:49:21
    ~体育~



    魅音「よっしゃああ!水鉄砲鬼ごっこを始めるよ!」ピュー

    レナ「圭一くんが鬼だよ!」タッ

    圭一「なんでだよ!」

    梨花「圭一から逃げろ逃げろなのです~」タッ

    沙都子「わたくしを捕まえてごらんなさい!オーホッホッホッ!」タッ

    圭一「くっそ…なんで俺ばっかり…」ハァ

    圭一「くそぉ……よーし、こうなったら全員まとめてビショビショにしてやる!」ゴゴゴ

    圭一「俺を鬼にさせたことを後悔するがいい!うおおおおおおお!」タタタ
  24. 24 : : 2016/07/11(月) 18:38:54
    魅音「」タタタ

    魅音「よし…ここなら…」ジャキ

    魅音「フフフ…ここで待ち伏せして近づいたところを撃てば……間違いなく勝てる!」

    魅音「我ながらナイスアイデア!」

    魅音「さて……罰ゲーム何にしようかなぁ♪メイド服着させようかなぁ♪」ルンルン




    ビシャァ



    魅音「うわっ!!」ビショビショ

    圭一「後ろががら空きだぜ……魅音」ジャキ

    魅音「け、圭ちゃん……全然気づかなかった」

    圭一「フフフ…お前が作戦に酔っている間にこっそりと近づいたのだよ」クルクル

    魅音「うぅ……ちっくしょぉ…やられちゃったなぁ…」ハァ

    圭一「よーし、次は沙都子だ!」タッ




    沙都子「オーホッホッホ!来れるもんなら、来てごらんなさい!」

    圭一「!!むっ…」ピタッ

    圭一「いかにも罠がありますって感じだな…」

    圭一「いつもだったら、あいつに踊らされているが、今日の俺は違う!」タッ

    沙都子「あら、最初の犠牲者が…」

    圭一「うおおおおおおお!!」タタタ

    沙都子「え?」

    圭一「とうっ!」ピョーン

    沙都子「ええええええ!?」

    圭一「隙あり!」ピュー

    沙都子「きゃっ!」ビショビショ

    圭一「へへへ」スタッ

    沙都子「ま、まさか…臆することなく突き進むとは…予測がつきませんでしたわ…」

    圭一「俺をあまく見るなよ!」

    沙都子「…クゥ…負けましたわ…」ガクッ

    圭一「よし!次はレナだ!」タタタ




    レナ「」スタスタ

    レナ「!!」バッ

    圭一「おっと」ジャキ

    レナ「…フッ…いたのは分かっていたよ」ジャキ

    圭一「へへへ…相変わらず鋭いな」ジャキ

    レナ「さて……どうする?このまま圭一くんのことを濡らしちゃっていいのかな?かな?」

    圭一「それはこっちのセリフだぜ…」

    レナ「…」ジリッ

    圭一「…」ジリッ

    レナ「やあああああああ!」タタタ

    圭一「うおおおおおおお!」タタタ




    バッ



    バチャァ



    圭一「…」

    レナ「…クッ…」ビショビショ

    圭一「ヘッヘッヘ…俺の勝ちだな」

    レナ「はうううう…負けちゃったよぉ」ショボン

    圭一「俺を鬼にしたことを後悔しただろ?」

    レナ「……うん…」コクッ

    圭一「よーし!後は梨花ちゃんだけだ!俺の完全勝利は目前だあああああ!!」タタタ

    レナ「…なんか…今日の圭一くん……すごい…」
  25. 25 : : 2016/07/11(月) 22:09:54
    ~物置小屋~


    梨花「ま、まずいのです!」アセアセ

    梨花「今日の圭一は、かなり本気になっているのです!」アセアセ

    梨花「どうしよう…このままだと、負けちゃうのです…」ショボン


    『梨花ちゃん、梨花ちゃん!』


    梨花「?………誰なのですか?」



    『梨花ちゃん!僕だよ!』



    梨花「!!……勇矢?」ガチャ

    日暮「梨花ちゃん、ついてきて!」

    梨花「…え?」

    日暮「いいから!早く!見つかっちゃうよ!」タタタ

    梨花「わ、分かったなのです」タタタ

    日暮「こっち、こっち!」タタタ

    梨花「?」タタタ




    ~校舎裏~


    日暮「よっと」ヒョイ

    梨花「!!何をしているのですか?」

    日暮「……勝ちたいんでしょ?」

    梨花「え?」

    日暮「水鉄砲鬼ごっこ。負けたら、部活のメンバーに罰ゲームをさせられるんでしょ?」

    梨花「う、うん…」

    日暮「……僕が考えた必勝法があるんだけど…のる?」

    梨花「必勝法?」

    日暮「うん。でも、チャンスは1回しかない。もし失敗したら確実に負けるけど……その作戦にのるかどうかは梨花ちゃんにまかせるよ……どうかな?」

    梨花「……分かったのです!その作戦、のったのです!」

    日暮「よし!」ピョーンスタッ

    日暮「ちょっと耳を貸して」

    梨花「」ミミヲチカヅケル

    日暮「作戦は……コショコショ……」

    梨花「うんうん」コクコク

    日暮「……で、梨花ちゃんは……コショコショ……」

    梨花「なるほど!いいアイデアなのです~!」ニパー

    日暮「絶対成功させようね!」ニコッ

    梨花「うん!なのです!」ニパー
  26. 26 : : 2016/07/12(火) 18:11:41
    圭一「ハァハァ…」タタタ

    圭一「くっそぉ…どこにいるんだ?…」ハァハァ

    圭一「どこかに隠れているのか?」ハァハァ

    圭一「………よし、次はあっちを探してみるか」タッ



    『おーい!僕はここなのです~!』



    圭一「!!そこ声は!」バッ

    梨花「さぁ、好きに撃つがいいのです」スッ

    圭一「くそ…眩しいな……ん?降参するのか?」

    梨花「今の圭一には勝てないのです。降参するのです」

    圭一「ヘッヘッヘ…そうか……じゃぁ…その後ろにある銃を捨ててから、撃たせてもらうぜ…」

    梨花「…」カチャポーイ

    圭一「ハハハ…俺を罠にはめようだなんて100年早いぜ。それじゃぁ…かくご!!」カチャ



    バチャァ



    圭一「うわっぷ!」ビショビショ

    梨花「フフフ…ひっかかったのです~♪」クルクル

    圭一「くっそぉ…2個あったのか……」

    梨花「この勝負、僕の勝ちなのです~にぱー☆」ニコッ
  27. 27 : : 2016/07/12(火) 19:21:47
    チリンチリン


    知恵先生「はーい、皆さん。教室に戻ってくださいね~!」


    ハーイ‼イコウゼ!オナカスイタナー


    魅音「いや~まさか、梨花ちゃんが勝つとは…」

    梨花「にぱー☆」ニコッ

    圭一「くっそぉ…俺としたことが…」

    レナ「どうやってやったの?」

    梨花「え~と…まず、校舎に登って後ろに大きめの水鉄砲と足元に小さめの水鉄砲を置くのです。こうすると、校舎の上の方を向いたときに逆光で、大きいものしか見えないようになるのです。その後、圭一を呼んで降参したふりをするのです。大きい水鉄砲が見つかったら、後は簡単なのです。誰ももうひとつあるとは思ってないから、ボクの方をめがけて撃とうとしているはずなのです。この時、逆光で眩しかったり、影で暗かったりして、まばたきの回数が通常よりも多くなるはずなのです。だから、その目がシバシバしていて、水鉄砲を構えて標準を合わせているその一瞬をついて、足元に置いてあった水鉄砲を、素早く取って撃つ…という作戦なのです~」ニパー

    圭一「な、なんかすごいな…」

    レナ「すごいよ、梨花ちゃん!よくそんな作戦を思いついたね!」

    沙都子「全部梨花が考えましたの?」

    梨花「違うのです!全部、勇矢が考えたのです!」

    圭一「勇矢?勇矢って……今日来た転校生のことか?」

    梨花「そうなのです!」

    レナ「勇矢くんって頭いいね!」

    沙都子「そうですのよ。授業の時でも、わたくしに勉強を教えて下さったりしてくれましたし…」

    圭一「ヘー、すごいな!」

    魅音「…日暮勇矢か……よし、決めた!」ポンッ

    沙都子「決めたって………何をです?」

    魅音「彼を我が部活に招待しようと思う!」

    レナ「いいね!」

    圭一「ついに俺にも後輩が…フフフ…何をしてもらおうかなぁ…」ニヤニヤ

    沙都子「ちょっと、圭一さん。勇矢さんをいじめない方がいいですわよ」

    レナ「そうだよ!まだここに馴染んでないかもしれないよ!」

    圭一「お、おう…そうだな…」

    レナ「勇矢くんは今、どこにいるのかな?かな?」

    梨花「さっき、知恵先生のお手伝いをしに物置小屋に向かったのです」

    魅音「よし!行こう!」 タッ
  28. 28 : : 2016/07/12(火) 21:26:28
    ~物置小屋~


    日暮「…よっと…」コトッ

    知恵先生「手伝ってくれてありがとう。とても助かったわ」

    日暮「いえいえ。当たり前のことをしただけですよ」

    知恵先生「でも、その年でお手伝いできるなんて凄いことよ」

    日暮「そうですか?………まぁ、親に『困っている人がいたら必ず助けるように』…って毎日のように聞かされていましたから」

    知恵先生「いい教育をなされているのね~」

    日暮「…では、教室に戻りますね」クルッタッタッタッ

    知恵先生「うん、ありがとう!(礼儀正しい子ね…親御さんは本当にいい教育をなされているわ…)」テヲフル
  29. 29 : : 2016/07/12(火) 22:31:45
    魅音「お!いたいた!オーイ!」タタタ

    日暮「!!」ピタッ

    レナ「ちょっといいかな?かな?」

    日暮「なんでしょうか?」

    魅音「フッフッフ…日暮勇矢!君を我が部活の入部を許可する!」

    日暮「部活?部活なんてあるんですか?」

    魅音「まぁ、うちらが勝手につくったものなんだけどね…みんなで楽しくゲームをしたりする部活なんだけど…どう?」

    日暮「もちろん!おもしろそうですし、入らせていただきます!」

    魅音「よしゃぁ!ようこそ!我が部活へ!私、この部長をやっている園崎魅音っていうの。で、右から順番に竜宮レナ、北条沙都子、古手梨花、前原圭一」

    レナ「よろしくね!」

    沙都子「オーホッホッホ…よろしくですわ」

    圭一「よろしくな!」グッ

    梨花「にぱー☆」ニコッ

    日暮「よ、よろしくお願いします!」ペコリ

    魅音「よーし、今日は新人歓迎パーティーだ!いっくぞー!」タタタ

    沙都子「おーですわ!」タタタ

    レナ「今日は誰がお持ち帰りぃになるのかな?かな?」タタタ

    圭一「俺は絶対にいやだぞ…」タタタ

    日暮「ハハハ…」タタタ

    梨花「…」タタタ
  30. 30 : : 2016/07/13(水) 13:31:35
    ~放課後~


    サヨウナラーマタネー


    魅音「では、これより!新人歓迎会を始めたいと思う!」

    梨花「ぱちぱちなのです」パチパチ

    魅音「ゲームをはじめる前に、うちにはある掟があるんだけど…」

    日暮「掟?」

    圭一「ヘッヘッヘ…教えてあげるぜ!会則第一条!狙うのは一位のみ!ゲームだからといって、いい加減なプレイは許さない!」

    沙都子「そして会則第二条、そのためにはあらゆる努力が義務付けられていますのよ」

    魅音「…ってな感じで、勇矢くんも本気でかかった方がいいと思うよ。うちのゲームはままごとのようなレベルとは違うからね。さらに、一番ビリの人には罰ゲームがあるから、気をつけてね」

    日暮「…分かりました。頑張ります!」ニコッ

    魅音「じゃあ…難しいのじゃ、勇矢くんが不利になっちゃうから…」カチャガサガサ

    魅音「…普通にトランプでババ抜きでもやりますか?」

    日暮「いいですね!」

    レナ「レナがカードを切るね」シャッシャッシャ

    日暮「…かなり、使い込んでありますね。傷も多いようですし…もしかして、皆さんはその傷とかでどんなカードなのかが分かるんですか?」

    魅音「おっ!するどいね~!そうだよ」

    圭一「フフフ…まぁ、新人の君には少し大変かもしれないが、すぐに覚えられると思うぜ」

    日暮「なるほど…あらゆる努力とはそういうことですか…面白いですね…」

    レナ「はいっ!みんなの分配り終わったよ」パパッ

    圭一「よーし、絶対に負けないぞ!」ガサッ

    魅音「じゃぁ…全部で10回戦。罰ゲームは、一位の人がビリの人に一個命令を下すことができる……この辺でどうかな?」

    沙都子「上等でございますわ」

    梨花「頑張るのです~」ニパー

    日暮「…」サワサワ

    魅音「じゃぁ、始めるよ!」
  31. 31 : : 2016/07/14(木) 23:14:08
    圭一「よーし…これだ!」パッ

    魅音「フフフ…残念だったね、圭ちゃん。それはジョーカーだよ」クスクス

    圭一「なっ!?くっそぉ…」シャッシャッシャ

    沙都子「あらあら…進歩がありませんわね…」クスクス

    圭一「うるせぇやい!さぁ、勇矢!好きなのを選べ!」バッ

    日暮「え~と………これかな?」ヒョイ

    圭一「フッフッフ…残念だったな!それはジョーカーだ!」

    日暮「あっちゃぁ…」ポリポリ

    沙都子「後は勇矢さんの一番右のカードを取れば…あがりですの♪」パッ

    日暮「……なかなか難しいですね…」ウーン

    魅音「おや?早くも罰ゲーム候補は決まりですかな?」ニヤニヤ

    圭一「まぁ、部活の初日に罰ゲームの被害にあうのは当たり前のことだからなぁ」ニヤニヤ

    日暮「う~ん……罰ゲームは何としてでも避けたいですね…頑張ります!」

    魅音「おっいいねぇ、その調子だよ!さぁ、どんどんかかってこい!」









    ~第6回戦目~


    日暮「…」フゥ

    魅音「さて、現在の成績を発表すると…私が2勝。レナ、沙都子、梨花ちゃんがそれぞれ1勝ずつ。圭ちゃんは0勝だけど、無敗。で、勇矢くんが0勝5敗……今のところビリだね」

    日暮「ムムム…」ジッ

    梨花「ファイト、オーなのです♪」ナデナデ

    圭一「気をつけろよ、魅音の罰ゲームはかなりきついぞぉ…」ボソッ

    日暮「いえ、これから巻き返します!」

    魅音「へー!凄いこと言うじゃないか…じゃあ、今勇矢くんが持っているカードを当てるね」

    日暮「…どうぞ」

    魅音「右から順番に…5、8、Q、J、2…どう?」

    日暮「……ムムム…」シャッシャッシャ

    沙都子「オーホッホッホ…カードを並び替えても無駄ですわよ。傷ですぐに分かりますわ。え~と、クイーンは……これですわね!」パッ

    沙都子「………あれ?」

    レナ「ん?どうかしたのかな?かな?」

    沙都子「ど、どうしてジョーカーが!?その傷は確かにクイーンのはずなのに…まさか!はかりましたわね!」

    日暮「………えぇ、そうですよ」ニコッ

    沙都子「クイーンのカードを偽造しましたのね!」

    梨花「すごいのです!一矢を報いたのです!ぱちぱち」パチパチ

    日暮「それだけじゃないですよ。このトランプ全てに傷をつけました」

    魅音「え!?」

    圭一「おいおい、冗談だろ?」

    日暮「嘘だと思うのなら、自分の指で確かめてみてください」

    レナ「……本当だ。1のカードなのに、ジョーカーのカードになっている…」サワサワ

    梨花「こっちも変えられているのです~」サワサワ

    圭一「い、いつのまにこんなことを!?」

    日暮「ひととおり傷を確認してから、カードを取るときや捨てるときに1枚ずつ傷を付け加えたんです……全てのカードの傷を覚えるのは大変でしたが…」

    魅音「くっそぉ…これじゃぁ、誰がどのカードを持っているのか分からないじゃないかぁ…」ムムム

    日暮「フフフ…会則第二条を有効活用させてもらいました」ニコッ

    圭一「くっそぉ……」ガクッ

    日暮「反撃開始です♪」ニコッ
  32. 32 : : 2016/07/15(金) 19:08:29
    ~10回戦目~


    魅音「…」ジッ

    日暮「…」ジッ

    魅音「これだ~~~~~!!」パッ

    日暮「フフッ」ニコッ

    魅音「あっちゃぁ…違ったか…」

    日暮「じゃぁ、僕はこれで…」スッ

    日暮「はい!あがりです!」パッ

    レナ「確認するね…え~と、レナと梨花ちゃんと沙都子ちゃんがそれぞれ一勝ずつで…魅ぃちゃんが2勝。圭一くんが0勝で勇矢くんが…5勝!!すごいね!」

    魅音「いや~まさか、全部のカードを偽造するとは…さすが、私が見込んだだけあるよ!」

    日暮「ありがとうございます!でも、5回も負けているので…普通だと思いますけど…」

    レナ「でも、あの巻き返しは凄いと思うよ」

    沙都子「まぁ、どっちにしても圭一さんが罰ゲームを受けることに変わりはありませんけどね…」クスッ

    圭一「うっ…そういえば、俺は一勝も取ってなかったな…」

    魅音「さぁ、勇矢くん!圭一に何か命令を!」ニヤニヤ

    圭一「や、やめろよ魅音!」

    レナ「ダメだよ、圭一くん!罰ゲームはちゃんとうけなきゃ!」

    圭一「うぅ…」ガクッ

    魅音「さぁ早く!あ、別に何でもいいから!」

    日暮「………何でもいいんですね?」

    魅音「もちろん!」

    圭一「な、何を命令するつもりだ?」ドキドキ

    日暮「じゃぁ…」
  33. 33 : : 2016/07/16(土) 16:22:50
    圭一「俺の家に泊めさせてください~~~~!?」

    日暮「は、はい!」トギマギ

    レナ「あれ?でも、勇矢くんって一人暮らしするんだよね?」

    日暮「本当はそのつもりだったのですか……何かの手違いで物件が他の人に渡されてしまいまして…なので、新しく物件を探そうにも色々と時間がかかっちゃうんです………お願いです!物件が見つかる間だけでいいんです!泊めさせてください!」ペコリ

    圭一「ま、まぁ……そこまで言われたら…いいけど」

    日暮「本当ですか!?ありがとうございます!」ペコリ

    魅音「よかったね、圭ちゃん!新しい弟ができたね!」ポンッポンッ

    圭一「弟か……まぁ、俺一人っ子だしな。弟がほしいと思ってたんだよね」

    レナ「あ、もしよかったらレナの家も泊まっていいよ。一緒にあんなことやこんなことを……グフフフ…おもちかえりぃ!」ジュル

    沙都子「レナさん、目が怖いですわよ」ゾゾゾ

    圭一「………ま、とりあえず…よろしくな、勇矢」

    日暮「は、はい!よろしくお願いします!」ペコリ

    梨花「…」
  34. 34 : : 2016/07/17(日) 09:01:00
    ~下校時~


    沙都子「それではみなさん、ごきげんよう」スタスタ

    梨花「さようならなのです」スタスタ

    魅音「また明日ね~」テヲフル

    レナ「バイバーイ!」テヲフル

    圭一「…よしっ、行こうか」スタスタ

    日暮「はい!」スタスタ



    キョウノバンゴハンナニガイイ?レナガツクッテアゲルヨ.ナンデイエニアガロウトシテイル?ケイイチクン,キョウオヤイナインデショ?ナンデシッテイルンダヨ!!


    梨花「…」スタスタ

    沙都子「今日の晩御飯は何にいたしましょうか」スタスタ

    梨花「…」

    沙都子「…梨花?」

    梨花「!!…え、え~と…今日は…コロッケを作るのです!」トギマギ

    沙都子「どうかしましたの?」

    梨花「な、何でもないのです!にぱー☆」ニコッ

    沙都子「…それならかまいませんけど…」スタスタ

    梨花「…」スタスタ
  35. 35 : : 2016/07/17(日) 18:36:51
    ~梨花の家~



    グツグツ


    沙都子「フフフンフ~ン」グルグル

    梨花「」カチャガサガサ

    梨花「…あ!」

    沙都子「どうかなさいましたの?」

    梨花「お醤油がきれてしまっているのです。おすそわけしに行ってくるのです!」タタタガチャ

    沙都子「気をつけていってらっしゃいませ~!」




    ~高台~


    梨花「…」

    梨花「…ねぇ、羽入」



    スー


    羽入「またですか?」ハァ

    梨花「いいから。ねぇ、今日のことどう思う?」

    羽入「…転校生のことですか?」

    梨花「そう……おかしいとは思わない?」

    羽入「どこがおかしいのですか?」キョトン

    梨花「あんた不審に思わなかったの?ハァ…」タメイキ

    羽入「え?どうしてそんなにがっかりしているのですか?」オロオロ




    『誰とおしゃべりしているの?梨花ちゃん』




    梨花「!!」バッ

    日暮「」ニコッ

    梨花「ゆ、勇矢くん……圭一の家に行ったはずじゃぁ……」

    日暮「うん。でも、散歩しに来たんだ」スタスタ

    梨花「…散歩?」

    日暮「ここって、いい景色だよね。雛見沢全体を見渡せることができる」キョロキョロ

    梨花「……貴方は誰なの?」

    日暮「ん?誰って、日暮勇矢だよ。今日会ったばかりじゃないか」

    梨花「違う!どうして、部活のことを知っていたの?」

    日暮「部活?」

    梨花「えぇ。水鉄砲の時、あなたは部活だけでなく、ゲームに負けたら罰ゲームがあるということまで知っていた。けど、魅音から部活の勧誘を受けたときに、あなたはまるで知らなかったかのように聞いていた」

    日暮「…」

    梨花「ゲームの時だって全てのカードを覚えたというけど、数枚しか触ってなかった。あなた、最初からカードの傷の位置を知っていたんじゃない?」

    日暮「…」

    梨花「あなたの目的はなに?何しにここに来たの?」

    日暮「…………それを聞いて何になるの?」

    梨花「え?」

    日暮「もし僕が転校してくる前にここの学校の部活や罰ゲーム制度、トランプの傷を知っていたとしよう。で、梨花ちゃんの質問に答える……………それを聞いた梨花ちゃんはどういう気持ちになるかな?悲しい?怖い?嬉しい?………答えは「無」。何も感じない。つまり、何の得にもならない」

    梨花「屁理屈はいいから、さっさと答えて!」

    日暮「…どうしてそんなに必死なの?転校生が来ることがそんなに驚くことなの?」

    梨花「それは…」

    日暮「梨花ちゃんがずっと僕のことを観察するような目で見てくるから、不安になって圭一さんに相談してみたんだ。彼も転校生だったらしいけど、そんなことはなかったって言っていたよ。うぅん、おかしいなぁ……まるで僕が来たことが予想外みたいじゃないかぁ…」ウーン

    梨花「…」

    日暮「……ま、別にいいんだけどね…そのことを知っても何の得にもならないし」スタスタ

    日暮「ねぇ、梨花ちゃん」

    梨花「………なに?」

    日暮「こういうイザコザは無しにして、これからも友達でいようよ」ニコッ

    梨花「…あなたが何者かも分からないのに、仲良くしろと?フンッ……冗談じゃないわ。それにあんたのことをまだ友達とは思ってないから」

    日暮「……そう。でも怪しい者じゃないし、それに…」スッ

    日暮「少なくとも、この世界をもっと『悪く』させるようなことはしないよ…」ボソッ

    梨花「!?」

    日暮「フフフ…じゃぁね」スタスタ

    梨花「」アゼン



    スー



    羽入「あわわわわ!い、今のどういう意味なのですか!?」アセアセ

    梨花「私達がこの呪われた世界をループしていることを知っている?いや、それは考えすぎか…」

    羽入「も、もし知っていたとしたら……あうあう!もしかすると、彼が雛見沢大災害を引き起こした犯人かもしれないのです!」アワワワ

    梨花「まさか……でも、どうやって羽入の力無しで時を戻したの?それに、彼に会ったことは今までなかったし…」

    羽入「きっとどこかに隠れていたに違いないのです!あうあう~!」アセアセ

    梨花「…まぁいいわ…帰りましょ。これ以上遅れると沙都子が心配する」スタスタ

    羽入「あうあう~!きっと大災害よりもすごいことが起きちゃうのです~」スー
  36. 36 : : 2016/07/17(日) 22:08:17
    ~梨花の家~



    ガチャ



    梨花「ただいま帰ったのです~」ニパー

    沙都子「あっ梨花!一体どこをほっつき歩いていましたの!」ムスッ

    梨花「お醤油を慎重に運んでいたので、時間がかかってしまったのです~」カチャッ

    沙都子「んもう!早くご飯にしましょ。もうお腹がペコペコですわ」

    梨花「そうするのです~」ニパー



    ~食後~


    梨花「フフフンフ~ン♪ルンルンルン♪」ジャーカチャカチャ

    沙都子「梨花、お風呂先に入ってきますわね」スタスタ

    梨花「分かったのです~」カチャカチャ



    ガラガラピシャッ



    梨花「(…さて、どうしたものか…)」ジャー

    梨花「(彼の正体がつかめない以上…何がおきるか予想が全くつかない…)」ジャー

    梨花「(もし、彼が時間をループしているのだとしたら、なぜ今まで姿を現さなかったのだろう?)」ジャー


    『少なくとも、この世界をもっと悪くさせるようなことはしないよ…』


    梨花「(あの言葉も気になる…まるで、私達が見てきた悲劇を全て知っているかのような言い方…)」ジャー

    梨花「(くそっ!全然分からない!一体何がおきているというの?)」ジャー

    梨花「(あいつはこの世界で何を…)」ジャー

    羽入「あわわわわ!大変なのです!床がみずびだしなのです!」アセアセ

    梨花「え?あ、ああああ!」キュッキュッ

    梨花「あーぁ…床がビショビショ…」フキフキ

    羽入「もう!何をやっているのですか?そんなんじゃお嫁に行けないですよ?」ハァ

    梨花「…あんた、最近私に対して強気じゃない。何かあったの?」フキフキ

    羽入「え?……確かに強気になっているのです…」ウーン

    梨花「……これもあいつの影響かもね……」フキフキ

    羽入「う~ん…そうなのですかね?」ウーン

    梨花「…まぁいいわ。後で頑張って、わさびとタバスコのパフェを食べまくるわね」フゥ

    羽入「あ、あううう~!お、鬼なのです!」ガーン
  37. 37 : : 2016/07/18(月) 16:10:26
    ~次の日~


    沙都子「梨花~早くしてくださいまし~」

    梨花「ちょっと待つのです~」ガサガサ

    梨花「…よしっ!さぁ、出発するのです!」タタタ


    ガチャバタン


    沙都子「めずらしいですわね。梨花が遅れるなんて」テクテク

    梨花「少し確認をしていたのです(あいつのことを考えていたから、あまり寝れなかった…眠い…)」テクテク




    ~学校~


    ガラガラ


    沙都子「みなさん、ごきげんよう」

    梨花「おはようなのです~!」ニパー

    圭一「おっ!おはよう!」

    レナ「おはよう。梨花ちゃん、沙都子ちゃん」

    魅音「おっはよー!」

    日暮「おはようございます!」ニコッ

    梨花「…」ガラッ

    日暮「…?どうかしたの?」

    梨花「…別に…(とにかく、不審なところがないか見張っていよう…それしかない)」

    日暮「…」
  38. 38 : : 2016/07/19(火) 23:00:20
    ~昼食時~


    レナ「見てみて~今日はウサギさんウィンナーを作ってみたんだよ~どうかな?かな?」

    魅音「おっ!かわいい~!」

    日暮「本物のウサギさんにそっくりですね!」

    沙都子「さすが、レナさん。お料理がお上手ですわ」

    レナ「えへへ///」テレッ

    梨花「(不審な様子はみられない…用心深い奴め…)」モグモグ

    圭一「はぁあ…」タメイキ

    魅音「どうしたの圭ちゃん、ため息なんかついて」

    圭一「…実はさ、親が東京に急用があって、数日間ぐらいいないんだよ…」ハァ

    レナ「圭一くんのご両親って大変なんだね」

    圭一「そういうことじゃなくて!飯だよ!飯!親がいない間、どうすりゃいいんだよ!」

    沙都子「それなら、覚悟を決めて自炊なさればいいではありませんの」

    レナ「そうそう!自分で作ったご飯って、とっても美味しいよ!」

    魅音「うん!たまにはそういう経験もいいね!」

    梨花「お指を切ったり、火傷をしたりでかわいそかわいそなのです~」ニコッ

    圭一「ムムム…しかたない!勇矢!今夜は男飯だ!」ガタッ

    日暮「男飯…ですか?」

    圭一「そうだ!俺達でも料理ができることをみせてやろうぜ!」

    日暮「はい!一緒に頑張りましょう!」ニコッ
  39. 39 : : 2016/07/19(火) 23:08:30
    ヨシッ!ナニヲツクロウカ.ヤサイイタメハドウデス?イイネ!


    梨花「(あいつだけ、指切って死んでくれないかなぁ…)」モグモグ

    沙都子「あの…梨花」モジモジ

    梨花「ん?どうしたのです?」

    沙都子「その…えぇと…今日…圭一さんの家に行きません?べ、別に心配しているわけではなくて…一応…確認?偵察…みたいな感じで…その…」モジモジ

    梨花「分かったのです~ランドセル置いたら、自転車で行くのです!」ニパー

    沙都子「梨花…ありがとうございますですわ!」

    梨花「どういたしましてなのです~!(このやりとり、何回やったことか…)」ニパー
  40. 40 : : 2016/07/23(土) 11:00:44
    ~圭一の家~




    圭一「エプロンを着て…と」シュルルギュッ

    圭一「よーし、これより男二人による夕食作りをはじめる!」

    日暮「よっ!」パチパチ

    圭一「とりあえず……料理に使う道具はこれぐらいでいいかな?」ガチャッガチャ

    日暮「えぇと…泡立て器にお好み焼きに使うヘラ、トング、タコ引き包丁、ワイン用の栓抜き、おたま、タコピン、出刃包丁と三徳包丁、菜切り包丁…一体何を作るつもりなんですか?」

    圭一「この『男の料理!今晩のレシピ』に書いてあるやつを作ろうと思っている!」ポンッ

    日暮「はぁ…」

    圭一「では…いざ!」ペラッ

    圭一「なになに…ふむふむ…」ウンウン

    圭一「…分かった!勇矢!冷蔵庫からキャベツを取ってきてくれ!」

    日暮「わかりました!」タタタガラッ

    圭一「で、そいつを投げてくれ!」ジャキッ

    日暮「な、投げる!?……わかりました」ポーン

    圭一「フンッ!」ズバッ



    キャベツ(二等分)ボトッボトッ



    日暮「おぉっ!」パチパチ

    圭一「次は玉ねぎ、ニンジンだ!」

    日暮「はい!」ポーンポーン

    圭一「フンッ!」ズババ



    玉ねぎ(四等分)ボトボト



    圭一「フンッ!」ズババ



    ニンジン(五等分)ボトボト



    日暮「おぉっ!すごいですよ!圭一さん!」パチパチ

    圭一「へっへっへ…俺もその気になればこれくらい朝飯前よ」

    日暮「次は何を持ってくればいいですか?」キラキラ

    圭一「う~ん…そうだな…もう一個キャベツを持ってきてくれ。今度は俺の包丁さばきを見せてやるぜ!」グッ

    日暮「本当ですか!!よーし!」ガラッ
  41. 41 : : 2016/07/23(土) 14:29:33
    ~圭一の家前~



    シャーキキッカチャカチャ


    沙都子「つきましたわ」スタスタ

    梨花「圭一、美味しい料理ができているといいですね」スタスタ

    沙都子「…だといいですわね」ガチャキィ

    沙都子「鍵をかけてないとは…全く、泥棒にでも入られたらどうしますの!」プンプン

    梨花「僕らも泥棒さんと同じようなことをしているのです」スタスタ

    沙都子「あ…それもそうでしたわね…」スタスタ




    圭一「よーし、見てろよ…」ポンッ

    日暮「」ワクワク

    圭一「うおおおおおおおお!」ズバッズババ




    キャベツ(四等分)ポトポト




    日暮「おぉっ!!」パチパチ

    圭一「タタタタ!フンッ!」ズババババ




    キャベツ()バラバラ




    日暮「おおっ!すごいです!」パチパチ

    圭一「切った野菜をボウルにのせてと…」パパッ

    圭一「よしっ!火をつけてくれ!」

    日暮「はい!」カチッ



    ガスコンロ()ボウッ



    圭一「中華鍋に油を注いで…」カタントクトクトクトクトクトクトクトク

    日暮「そ、そんなに入れるんですか?」

    圭一「あぁ、この方がよく焼けるからな」コトッ

    圭一「そして、この中に野菜を投入!」バッ



    中華鍋()ボオオオオオオオ



    圭一「ぬがああ!」バッ

    日暮「大丈夫ですか!?」

    圭一「あぁ…!!おおおおお!」ジー

    日暮「どうかした…おぉ!!」ジー



    中華鍋()ボオオオオオオオ



    圭一「まるで料理の達人だ!」キラキラ

    日暮「ですね!」キラキラ

    圭一「ん?」チラッ



    天井()メラメラ



    圭一「って、まずいかも!?」アセアセ

    日暮「ど、どどどどどうしましょう!?」アセアセ
  42. 42 : : 2016/07/23(土) 15:29:20
    沙都子「ん?」クンクン

    梨花「少し焦げくさいのです」クンクン

    沙都子「まさか!!」ガラガラ

    沙都子「!!何をしてるでございますの!早く火を止めなさいですわ!」タタタ

    圭一「え?…ぐあっ!」ヨロッ

    日暮「おっとと!」ヨロヨロ

    沙都子「」カチッ



    炎()ボォォォォォピタッ



    圭一「おおっ!!」

    沙都子「…ふぅ…」ホッ

    圭一「…って、お前らなんで俺の家にいるんだ!?住居不法侵入だぞ」

    沙都子「それを言うなら、圭一さんなんか放火の現行犯でございますのよ。もうちょっとで大火事ではございませんの?」

    圭一「うっ…やっぱり、あれって火事になりかけてたか?」

    沙都子「当たり前ですわ!」プンプン

    梨花「僕と沙都子が来なかったら、今頃ボーボーで消防車がウーウーなのです」

    圭一「うぅ…」ガクッ

    圭一「す、すみませんでした…皆さんは命の恩人です」ドゲザー

    日暮「も、申し訳ございませんでした!」ドゲザー

    沙都子「…全く、世話が焼けるでございますわ」ニコッ

    圭一「は、はい…」ショボン

    日暮「」ショボン
  43. 43 : : 2016/07/23(土) 16:11:15
    沙都子「」クルクル

    圭一「まさか、沙都子に晩飯を作ってもらうことになるとは…」

    日暮「助かりました!」ニコッ

    沙都子「圭一さん、そんなところでボウッとしている暇がございましたら、お茶碗とお箸の用意をなさいませ。私と梨花も食べますから、用意は四人分でございますわよ。あと、勇矢さんも用意をしてくださいませ」

    圭一「あっ!はいはい…」ガタッ

    日暮「わかりました!」ガタッ

    日暮「え~と、お箸は…」ガチャガチャ

    圭一「」ギィカチャッ

    梨花「みぃ」スッ

    圭一「ん?梨花ちゃんは上機嫌みたいだな」スッ

    梨花「」スッテクテク

    圭一「沙都子の不機嫌とは偉い違いだ」

    梨花「沙都子は全然不機嫌じゃないです。久しぶりにとても楽しそうなのですよ」ニコッ

    圭一「楽しそう?あれがか?」チラッ

    沙都子「」クルクル

    梨花「沙都子はにーにーと一緒だった頃みたいです」

    圭一「ん?ニーニー?」

    梨花「にーにーは、兄々です。沙都子のお兄さんなのですよ」

    圭一「沙都子の兄?」

    沙都子「悟史といいますです」

    圭一「サトシ?」

    沙都子「悟史と一緒にいるときの沙都子はいつもこんなふうに楽しそうだったのですよ」

    圭一「ん?楽しそう…だった?今、沙都子とは別居中なのか?」

    梨花「はい……とても仲よしな兄弟だったです…今日、圭一のところへ来たのだって、沙都子が言い出したのですよ」

    圭一「沙都子が?」

    梨花「ほうっておけなかったのですよ。沙都子は今でもしっかりものの妹なのです」

    圭一「ふ~ん…」ジー

    日暮「…」ガチャガチャ
  44. 44 : : 2016/07/23(土) 17:02:03
    沙都子「はい、どうぞ」スッ

    圭一「サンキュー!」スッ

    沙都子「勇矢さんも、はいどうぞ」スッ

    日暮「ありがとうございます!」スッ

    圭一「じゃっ、いっただきまーす♪」パクッモグモグ

    圭一「おっ!ご飯いい感じで炊きあがってるな。おかずもよくできているよ」モグモグ

    日暮「ご飯が進みます~!」モグモグ

    沙都子「オーホッホッホッ…褒められるのは光栄ですけど…そんなに立派ではありませんのよ…おかずはお惣菜屋さん。これは、缶詰を開けただけですし…」

    圭一「いやぁ、これは立派な夕食だよ!」

    日暮「そうですよ。愛情がこもっていれば、どんな料理でも高級料理に負けないくらいの食事になりますよ」モグモグ

    沙都子「フフッ…まぁ、私にもそこそこのお料理ができることが分かっていただけたのでしたら、それで充分ですわ」

    梨花「こうして、ご飯を食べてると悟史と一緒にご飯を食べてるみたいで楽しいのです。(一人余計なのがいるけどね…)」

    沙都子「…懐かしいですわね。一体今ごろどこでどうしてるのやら…」フゥ

    圭一「ん?」

    沙都子「…あぁっ!悟史っていうのは私のにーにー…あっ!じゃなくて…えぇと…兄なのですのよ」

    圭一「あぁ、そうなんだ」ニコッ

    沙都子「…あんなに生活力のない人に家出なんて解消があったなんて…ビックリでございますけど…」

    圭一「家出?」

    沙都子「まぁ、そのうちひょっこり帰って来るにきまってますわ」

    圭一「…俺、沙都子のこと誤解してたよ」ガタッ

    沙都子「え?」

    圭一「お前がこんなにしっかりものだなんて、思わなかった」ナデナデ

    沙都子「わ、私は最初っからしっかりものでしてよ///圭一さんに合わせて悪ふざけしてたにすぎませんわ///」テレテレ

    圭一「そうだな。えらいえらい!」ナデナデ

    沙都子「ムゥ…本当に褒めてますの?なんだかバカにされてるようなぁ…」

    圭一「本当に褒めてる。沙都子の料理はかなり美味しい!なぁ、梨花ちゃん?」

    梨花「みぃ!缶詰のいわしさんも美味しいのですよ~!」ニコッ

    沙都子「もう!梨花~~~!」

    梨花「みぃ~~」ニコッ

    日暮「ハハハハ」クスッ

    圭一「ハハハハ」ニコッ
  45. 45 : : 2016/07/23(土) 17:39:29
    ~夕食後~




    圭一「いや~満腹満腹」ポンポン

    日暮「ごちそうさまでした~」ゲプッ

    沙都子「さぁ、お片付けしますわよ。二人とも手伝ってくださいませ」ガタッ

    圭一「いや、俺達二人だけでやるよ。なぁ?」ガタッ

    日暮「もちろんですとも!」ポンッ

    沙都子「そう…ありがとうございますですわ」ニコッ

    梨花「沙都子、向こうで一緒にテレビを見ませんか?」

    沙都子「えぇ、もちろんいいですわよ」

    梨花「じゃぁ圭一、お片付けよろしくなのです」タタタ

    圭一「まかしとけ!」グッ

    沙都子「お皿割ったりしないように気をつけるのですわよ」タタタ

    圭一「わ、分かってるって…」



    ジャー



    日暮「」カチャッカチャッ

    日暮「」コトッ

    圭一「」フキフキ

    日暮「…どう思います?」ボソッ

    圭一「ん?…何が?」

    日暮「……沙都子ちゃんのお兄さんのことですよ」ボソッ

    圭一「あ、あぁ…何で家出なんかしたんだろうな…」フキフキ

    日暮「…まぁ、いわゆる…ドラマでお馴染みの親と喧嘩して『お父さん・お母さんなんか大嫌い!』…のパターンなんですかね?」ゴシゴシ

    圭一「まぁ、それが一番妥当だろうな」フキフキ

    日暮「…」ゴシゴシ
  46. 46 : : 2016/07/24(日) 13:57:45
    ~圭一の家前~



    沙都子「それではまた明日」

    圭一「本当に送らなくていいのか?真っ暗だぞ」

    沙都子「ここからだったら、目をつむっても帰れますわ」

    梨花「二人そろっていれば、怖いものなしなのです」

    圭一「そうか」

    沙都子「寝る前にはちゃーんと、歯を磨くんですのよ」

    圭一「へいへい」

    沙都子「」シャー

    梨花「…」

    圭一「ん?どうしたの梨花ちゃん?忘れ物か?」

    梨花「今日の圭一は100点満点でした。ぱちぱちぱちなのです」パチパチパチ

    圭一「え?」

    梨花「沙都子もきっと、にーにーが帰って来たような気がしてとても楽しかったと思いますです。たまにこれからも、沙都子のお小言につきあってあげてほしいのですよ」ニコッ

    圭一「…早く帰ってくるといいな…にーにー」

    沙都子「梨花~~!」テヲフル

    梨花「お休みなさいなのです」ニコッ

    圭一「あぁ、おやすみ」テヲフル

    日暮「おやすみなさい!」テヲフル

    梨花「」シャー

    圭一「…さて、風呂入って寝ますか」スタスタ

    日暮「背中流して差し上げましょうか?」スタスタ

    圭一「おっ、サンキュー!」
  47. 47 : : 2016/07/24(日) 14:33:30
    ~梨花の家~


    沙都子「さーて、お風呂も入ったことですし…お布団を敷いて…」パンパン

    梨花「ぐっすり寝るのです!」

    沙都子「お休みなさーいですわ」カチャッ

    梨花「お休みなさいなのです」




    ~数十分後~


    沙都子「」スースー

    梨花「…」クルクル



    スー



    羽入「未成年の飲酒はダメですよ!」

    梨花「違うわよ。これはブドウジュース。まぁ、酒でもいいんだけどね…」ゴクゴク

    羽入「今回は沙都子のパターンのようなのです」

    梨花「そのようね…今のところはいつもと同じ…あいつは特に何もしなかった…」クルクル

    羽入「う~ん…彼は一体何がしたいのですかね?」ムムム

    梨花「…さぁね。とりあえず、もうすぐ雛見沢ファイターズと興宮タイタンズの試合があるから、それで様子を見ましょう」クルクル

    羽入「…う~ん…分かったのです…」スー

    梨花「(一体あいつは何者なの?)」ゴクゴク
  48. 48 : : 2016/07/24(日) 16:41:21
    ~数日後~


    カットバセー!イケー!


    野球少年(雛)A「」ブンッ

    野球少年(興)A「」カッキーン

    魅音「あっちゃぁ…」ガクッ

    レナ「このままだと負けちゃうね…」

    梨花「みぃ…」ショボン

    沙都子「仕方ありませんわね…助っ人を呼びますわ!」

    レナ「助っ人?」

    沙都子「」タタタ

    梨花「沙都子?」タタタ

    沙都子「えぇと、圭一さんの電話番号は…」チャリンチャリンピポパ

    梨花「圭一を呼ぶつもりなのですか?」

    沙都子「えぇ、適当なことを言ってここに呼び出しますわ…あ、もしもし前原さんのお宅で間違いありませんでしょうか?…ご用件は…」





    ~数十分後~


    野球少年(雛)B「くっ」スカッ

    審判員「三振バッターアウト!」

    レナ「ま、まずいよ…」アセアセ

    沙都子「…そろそろ来るころですわね…」



    マテマテマテ-!!



    沙都子「!!」

    圭一「前原圭一、ただいま参上!!」バッタタタ

    圭一「…って、ん?」キョロキョロ

    レナ「」

    魅音「」

    梨花「」ハァ

    沙都子「…あの、一つ聞いてよろしいですの?」

    圭一「…はぁ…」トギマギ

    沙都子「どうしてゴルフクラブなんか持ってますの?」

    圭一「うぅ…」カァ

    圭一「うっそおおおおお!!」

    梨花「(なにやってんだが…)」ハァ




    圭一「…」ジリッ

    野球少年(興)B「」ブンッ

    圭一「くっ…」スカッ

    審判員「ストライク!バッターアウト!」

    圭一「…はぁ…」トボトボ

    魅音「もう!なにやってるのよ、圭ちゃん!ゴルフクラブ持ってきたり、三振なんかしたりして!」プンプン

    圭一「…まさか…野球だとは…てっきり乱闘かと…」

    レナ「ちゃんと人の話を聞かなきゃダメでしょ圭一くん!」

    圭一「…はぁい…」ショボン



    カッキーン



    圭一「ん?」チラッ

    沙都子「やりましたわ!」グッ

    審判員「ゲームセット!勝者、雛見沢ファイターズ!」




    ヤッタァ!カッタゾー!ヨッシャァ!




    沙都子「ルンルンルンっ♪」スキップスキップ

    レナ「やったね沙都子ちゃん!」

    沙都子「オーホッホッホッ…これくらいのこと、どうってことないですわ」

    梨花「ぱちぱちぱちなのです」パチパチパチ

    圭一「すごいなぁ…」ハァ
  49. 49 : : 2016/07/24(日) 17:23:36
    ジュージュー



    少年A「わーい!お肉焼けたぞ肉!」

    少年B「やったぁ!」タタタ

    男性A「んん~うまい!」モグモグ

    沙都子「あむ…モグモグ…ん~美味しいですわ!」

    梨花「沙都子!あっちのお肉が焼けたのです!」タタタ

    沙都子「待ってくださいまし!」タタタ

    梨花「いっただきまーす!」ヒョイアムッ

    沙都子「ん~~ほっぺたがこぼれ落ちそうですわ~」トローン

    梨花「(…ん?)」キョロキョロ

    梨花「(そういえばあいつの姿を見ていないな…)」キョロキョロ

    梨花「…沙都子」

    沙都子「ん?なんですの?」モグモグ

    梨花「勇矢はここには来ていないのですか?」

    沙都子「えぇと…あっ!ちょうど今来ましたわ!」

    日暮「…ふぅ…」タッタッタッ

    圭一「おっ、勇矢!どうしたんだ?」

    日暮「『どうしたんだ?』じゃないですよ!置いていくなんてひどいじゃないですか!」プンプン

    圭一「あ、あぁ…それね…てっきり、乱闘かと思ってたから、お前をまき込ませないように…と思って」

    日暮「乱闘?今日は雛見沢ファイターズの試合の日ですよ。喧嘩なわけないじゃないですか」ハァ

    圭一「え?お前知ってたのか!?」

    日暮「いや…正確には家にいるときは、まだ知らなかったんですけど…圭一さんが電話の後、急に家を飛び出したので、何事かと思って追いかけたんです。そしたら、たまたま知恵先生に会って、部活メンバーのことを聞いたら、ここで試合の手伝いをしていると言うので、場所も聞いて駆けつけたわけです」

    圭一「いや~ごめんな。試合も終わっちゃったけど、バーベキューやってるからそれで許してくれ!頼む!」

    日暮「…わかりました。試合どっちが勝ちましたか?」

    圭一「えぇと…雛見沢ファイターズが勝ったぜ」

    日暮「本当ですか!?やったぁ!」ガッツポーズ

    日暮「じゃぁ、お肉食べてきますね!」タタタ

    沙都子「…どうやら、置いてかれていたようですわね…」

    梨花「みぃ…」モグモグ
  50. 50 : : 2016/07/24(日) 18:04:36
    魅音「ほーら、ここまでおいで~」タタタ

    沙都子「待て待て~」タタタ

    梨花「(この後は、圭一が入江と会って三年前の事件のことや沙都子や悟史の話を聞くはず…いつもと同じ…)」モグモグ

    梨花「(あいつに関しては…)」チラッ

    日暮「うまっ!」モグモグ

    梨花「(呑気に飯を食ってるし…特に変わったことはない…気のせいだったのかな…)」モグモグ

    レナ「楽しいね♪」

    梨花「みぃ♪お肉も美味しいですし、雛見沢ファイターズも勝ったし、今日は素敵な日なのです~」ニコッ

    レナ「フフフ…そうだね!」

    沙都子「…ふぅ」ハァハァ

    梨花「お疲れ様なのです」ニコッ

    沙都子「いやー、疲れましたわ…でも、楽しいですわね!」ニコッ

    梨花「とても楽しいのです~にぱー☆」ニコッ

    魅音「こらこら~勝手に終わらせちゃぁ、だめでしょ~」ツンツン

    沙都子「もう!やめてくださいまし///」

    魅音「そう言って、本当は嬉しいくせに~ほれほれ」ツンツンツンツン

    沙都子「んもう///」テレッ

    レナ「フフフ」クスッ

    梨花「フフフ」クスッ
  51. 51 : : 2016/07/24(日) 22:08:53
    ~夕方~


    カァカァ



    圭一「手伝いますよ」

    男性A「おっ、悪いねぇ。助かるよ。じゃっ、このプレートを洗ってきてくれないか?」

    圭一「わかりました!」カタッ

    日暮「僕もお手伝いしますよ」

    男性A「おっ最近の若い者はちゃんとしてるねぇ~関心関心」ウンウン

    日暮「このプレートを洗えばいいんですね?」カタッ

    男性A「あぁ!頼んだぞ」

    日暮「わかりました!行きましょう、圭一さん」スタスタ

    圭一「おう!」スタスタ

    梨花「…沙都子」

    沙都子「ん?なんですの?」

    梨花「僕はちょっと寄り道するので、先に帰ってくださいなのです」

    沙都子「あまり遅くならないようにするのですのよ」

    梨花「分かっているのです」ニコッ

    沙都子「」タタタ

    梨花「(さて、少しあいつの後をつけてみよう。何か分かるかもしれない)」クルッタタタ
  52. 52 : : 2016/07/24(日) 22:54:05
    ~水飲み場~




    圭一「」ジャーゴシゴシ

    日暮「」ジャーゴシゴシ

    圭一「…けっこう大変だな」ゴシゴシ

    日暮「そうですね」ゴシゴシ

    ???「こんにちは」

    日暮「!!あれ?魅音さん。どうしたんですか?」

    圭一「いや、あれは魅音じゃないぜ」ゴシゴシ

    日暮「え?」

    詩音「はじめまして、園崎詩音といいます。魅音とは双子の姉妹で、雛見沢ファイターズのマネージャーをしています。圭ちゃん、このかわいい子は新しく来た子?」

    圭一「あぁ、この前転校してきたばかりなんだ」ゴシゴシ

    詩音「へー…ボク、お名前は?」

    日暮「はい!え~と…日暮勇矢といいます。よろしくお願いします!」ペコリ

    詩音「フフフ…よろしくね!」ニコッ

    圭一「それで詩音。何しに来たんだ?」ゴシゴシ

    詩音「あ、そうそう!聞きましたよ~圭ちゃん、試合で大活躍したそうじゃないですか!」

    圭一「けっ…大活躍ねぇ…大活躍なら、ホームランを決めた沙都子の方だろ。あいつ、運動神経よかったんだなぁ…」ゴシゴシ

    詩音「…悟史くんと大違いです…きっと、運動神経は妹に全部取られちゃったんですねぇ…」

    圭一「ん?知ってるのか、兄貴のことを?」

    詩音「圭ちゃんこそ、知ってるんですか?」

    圭一「あぁ、会ったことはないけど、少しな…確か両親が亡くなった後、転校…したんだよな?」

    詩音「…転校?」

    圭一「ん?」

    詩音「誰が…誰がそんなことを言ったんですか!!」

    圭一「え?…いや…誰って…なんだよお前…急に…」

    詩音「はっ!……すみません…でも圭ちゃん、よく知りもしないで悟史くんのこと、転校とか言わないでください………本当に…お願いします…」

    圭一「…」

    日暮「…」ジャーゴシゴシ

    詩音「圭ちゃんと勇矢くんのプレートで最後みたいですよ。洗い物っ」スタスタ

    圭一「お、おい…」

    日暮「ふぅ!終わりました!」ピカピカ

    圭一「…」

    日暮「あれ?圭一さん、どうかしましたか?」

    圭一「…いや、なんでもない…持っていこうぜ」キュッキュッカタッスタスタ

    日暮「…?」カタッスタスタ






    梨花「今のところは変化なし…か」ジッ

    梨花「たまたま転校してきただけなのかぁ…」ウーン



    スー



    羽入「つきまとい行為は駄目なのですよ!」

    梨花「うるさい!」キッ

    羽入「あ、あうううう~~~」スー
  53. 53 : : 2016/07/24(日) 23:16:45
    圭一「洗い終わりました」カタッ

    日暮「よっ」カタッ

    男性A「おっ!ありがとな!後は俺達がやるから、帰っていいぞ」

    日暮「お疲れさまでした!」ペコリ

    圭一「…お疲れさまでした」

    男性A「おう!お疲れさん!」

    魅音「あ、圭ちゃん!」タタタ

    圭一「ん?なんだ魅音、それにレナも」

    レナ「一緒に帰らない?勇矢くんもどうかな?かな?」

    日暮「もちろん、いいですよ!」ニコッ

    魅音「ほら、圭ちゃん。自転車とゴルフクラブを持ち帰って」ニヤニヤ

    圭一「…分かってるって」カチャッテクテク

    魅音「…ん?どうしたの圭ちゃん。元気ないね」

    圭一「…別に…」テクテク

    日暮「きっと、はしゃぎすぎて疲れちゃったんですよ」

    魅音「そうだね。圭ちゃん、色々と大活躍してたもんね~」ニヤニヤ

    日暮「帰ったら、ぐっすり眠りたいです~」ノビー

    レナ「フフフ」クスッ

    圭一「…」シャー
  54. 54 : : 2016/07/25(月) 11:54:20
    ~帰り道~





    レナ「そういえばまだ、6月なんだよね。今年は梅雨とか無しにいきなり夏みたいだね」

    魅音「中明けあたりからは、梅雨らしい天気だってよ」

    日暮「蒸し暑くなりそうですね」

    圭一「…あのさぁ、沙都子に兄貴っていたよな?…悟史って名前だっけ?」

    レナ「…あれ?言わなかったかな?転校しちゃったんだよ」

    圭一「家出じゃないのかよ」

    レナ「え?」

    圭一「本当は家出して、いなくなったんだろ!」

    レナ「…」

    魅音「…」

    圭一「あっ!あ、別に二人を責めているわけじゃないんだぜ。ただ、その…」

    魅音「別に隠そうとか、騙そうとか、そういうつもりじゃないんだ」

    圭一「じゃぁ、どうして?」

    レナ「…ある日から家に帰ってこないの」

    圭一「どこへ行ったんだよ」

    レナ「知らない」

    圭一「え?」

    魅音「ある日を境に、悟史は帰って来なかった。村中みんなで探したし、警察も方々探してくれたよ。それでも見つからなくて、家出じゃないかって話になってさ…警察の人が調べたらさ、悟史ってバイトとかでコツコツとお金を貯めてたんだけど、それをいなくなった日に全部おろしてたのが分かったんだよ…で、名古屋駅で悟史によく似た人が目撃されたとかで…」

    レナ「私はそんなの嘘だと思う」

    魅音「!!」

    レナ「悟史くんは家出なんかじゃない」

    圭一「ちょっと待てよ。家出じゃないなら…」

    魅音「やめなよレナ」

    レナ「だってこれは…オヤシロ様の…たたりだもの」

    圭一「たたり?」

    日暮「…」

    レナ「悟史くんは消える前、私に教えてくれた。誰かに見張られてる、後をつけられてる…家の中までついてくる…寝るとき枕元に立って見下ろしてるって…教えてくれた」

    魅音「レナ!」

    レナ「それは間違いなく、オヤシロ様のたたりの前兆…きっと悟史くんは、心のどこかで雛見沢を捨てて逃げ出そうという気持ちがあったんだと思う。それをオヤシロ様は許さなかった」

    魅音「だからやめなって!」

    レナ「オヤシロ様は雛見沢の守り神様…雛見沢を捨てて逃げ出そうとする人を絶対に許さない。私はそれを謝った。でも悟史くんは謝らなかった。だから、オヤシロ様のたたりにあってしまった!」

    圭一「オヤシロ様の…たたり?」

    レナ「警察が家出だって決めつけたって、私は絶対に信じない!そんなの、たたりだと認めたくない人達が勝手に決めただけの嘘っぱち!!オヤシロ様のたたりは、信じようと信じまいと!」


    パチン



    レナの帽子()ポトッ




    魅音「いい加減にしろって、言ってるでしょ!!」

    レナ「…」スリスリ

    圭一「…」

    日暮「…」

    魅音「…あのさぁ、圭ちゃん…前に漫画貸すって約束したじゃない?よかったら、寄ってく?」

    圭一「え?…あ、あぁ!そうするよ…」

    魅音「…勇矢くんも…どうかな?」

    日暮「もちろん、お供させてもらいます!」ニコッ

    レナ「…そうなんだ…」スッ

    レナ「じゃぁ、レナは先に帰ってるね」

    魅音「じゃぁね、レナ。また明日」

    レナ「うん。また明日ね…」スタスタ
  55. 55 : : 2016/07/25(月) 12:35:48
    魅音「…さっきの、あまり気にしないでね」

    圭一「いや…別に…俺の方が悪かったと思う」

    魅音「悟史の話は、別に隠してたわけじゃないんだよ。その…あまりふれない方がいい話だからさ…」

    圭一「…」

    魅音「オヤシロ様のたたりのお話…聞いたことある?」スタスタストッ

    圭一「…ほんの少しくらいなら…」

    日暮「僕はまだ来たばかりなので、一度も」

    魅音「…悟史の死んだ親ってのはさぁ…ダムの留置派でね…」

    圭一「え?雛見沢の人って、村中でダムに反対してたんじゃないのか?」

    魅音「まぁ…色々事情があってね…ダム計画に反対する人ばかりでもなかったんだけどさぁ…悟史の親ってのは、留置派のリーダー格だったんだ」

    圭一「…」

    魅音「国はダム工事にともなって、多額の補償金を用意してたからねぇ…そのお金が欲しくて、ダム計画に賛成してた人達もけっこういたんだよ…運悪く、その両親がオヤシロ様をまつるお祭りの日に事故死しちゃったんだよね…で、オヤシロ様のたたりにあったんじゃないかってことになっちゃったわけ…」

    圭一「…それで、悟史が家出したのまで、オヤシロ様のたたりってことにされちまったわけか…」

    魅音「…まぁ、そんな感じ…沙都子にとっては、両親の事故も悟史の家出も…そしてオヤシロ様のたたりなんて話も…愉快な話じゃないわけよ…」

    圭一「…あぁ…」

    魅音「だからさ!私達は沙都子の家族の話には、ふれないことにしてる。悟史のことは仮に聞かれても…転校したって、ごまかすことにしてるんだ…」

    圭一「…そっか…今日は…悪かったな…」

    魅音「…うん…」

    圭一「じゃっ、また明日な」スタスタ

    魅音「あ!あとさ、沙都子にだけじゃなく、レナの前でも悟史の話は慎んでくれるかな?」

    圭一「え?」ピタッ

    魅音「分かったと思うけど、レナってどういうわけか…オヤシロ様のたたりの話だけは、笑い事では済まないんだよ…転校してきた時から…」

    圭一「あいつ…なんであんなにマジになるんだろう…」

    魅音「レナはね…あっ、これ内緒だよ。言ったら絶交だから!」

    圭一「言わねぇよ」

    日暮「僕も言うつもりはありません」

    魅音「…レナはね…オヤシロ様のたたりにあったことがあるんだって…」

    圭一「え!?」

    日暮「…」

    魅音「本人はそう言ってるし、そう信じてる。ちゃかすとかなり怒る。レナは普段、ちゃらけてるけど、怒るとかなり怖い」

    圭一「…分かった。悟史の話はこれで終わりだ」

    魅音「…それじゃっ、また明日!」スタスタ

    日暮「…あっ、魅音さん」

    魅音「ん?どうしたの?」ピタッ

    日暮「えぇと…オヤシロ様の名前は何ですか?」

    魅音「え?」

    日暮「仏像の名前です。ほら、大仏とか阿修羅像とか、仏像に名前がありますよね?ここ雛見沢にはあるのかな?って…」

    魅音「…よく分からないけど、オヤシロ様はここの村の守り神の名前。仏像は…小さい頃、古手神社の祭具殿にはオヤシロ様の仏像があるって、聞かされた…どうして、そんなことを聞くのかな?」

    日暮「特に理由はありません。ただの興味本位です」ニコッ

    魅音「そう…じゃぁね!」スタスタ

    圭一「じゃあな」

    日暮「さようなら!」テヲフル
  56. 56 : : 2016/07/25(月) 16:51:45
    圭一「なぁ」

    日暮「ん?なんですか?」

    圭一「どうして、あんなことを聞いたんだ?オヤシロ様の名前がどうこうとか…」

    日暮「あぁ、それはですね…」スッ


    彼は、ポケットからメモ帳を取り出し、キレイな字で『おやしろしま』と書いた。


    日暮「これが、この村の守り神とされていますが、僕はこれを別のものだと勘違いしていたんです」

    圭一「別のもの?」

    日暮「はい」カキカキ



    そう言うと、彼はひらがなで書いた隣に『お社様』と書いた。



    圭一「お、おしゃ…さま?」

    日暮「これで『おやしろしま』と読むんです」

    圭一「へー…でも、それと何か関係あるのか?」

    日暮「はい。『お』や『様』は尊敬語だとして…この『社』…『やしろ』と読みますが、これは神をまつる場所や神社などを表す時に使う言葉なんですよ」

    圭一「へー、そうなんだぁ…」

    日暮「仮にここの守護神である『オヤシロ様』が、この『お社様』だとしたら…ここの神は名前が無いことになるんです」

    圭一「名前がないと何か問題があるのか?」

    日暮「古来、昔の人々は火や水には神がいると思っていました。そしてそれぞれに『名前』をつけ、崇めてきました。名前をつけた方がどの効力を持っているのか一目瞭然ですからね。しかし、『名前』が無いとなると、どんな効力を持っているのかも分かりません。いや、効力を『持っていない』と言った方が正しいですね」

    圭一「つまり…ここ雛見沢の守り神『オヤシロ様』は、御利益を持っていないことになるのか?」

    日暮「そうです。御利益の無い神様は、人々に幸運や希望を与えたり、逆に不幸やたたりなどを与えたりすることもできません。ただ、『見ている』ことしかできないんです。この村がダムに沈められようとも、村を捨てて出ていこうとも、怒ったり、悲しんだりはするかもしれません。でも、それ以上をすることはできない…ただ、『見ている』ことしかできないんです」

    圭一「じゃ、じゃぁ…レナや魅音が話した『オヤシロ様のたたり』は?」

    日暮「あぁ、あれはおそらく人為的なことでしょうね。例えば、思春期特有の病気とか…精神的に不安定だったり、過剰なストレスだったり…沙都子さんの両親に関しては、本当の事故か、はたまた誰かが故意的に仕組んだことなのかは分かりませんが」

    圭一「悟史が体験した怪奇現象は?」

    日暮「それは、本当かどうかは分かりませんけど…仮に悟史さんがこの村を捨てて逃げ出そうと思っていたとしましょう。そしたら、ここの神がお怒りになって、悟史さんをつきまとったり、枕元から出てきたりしますよね?もし、効力のある神ならば、とっくに悟史さんを呪い殺しているはずです。あるいは、家具や照明を上から落としたり、川に引きずり込んだりもしているはず…なぜそれをしないのでしょうか?答えは簡単です。それをすることが出来ないからです。なぜなら、ここの神は『名前のない神』。見ることしかできないんです」

    圭一「な、なるほど…つまり、『オヤシロ様のたたり』は存在しないってことなのか?」

    日暮「えぇ。でも、あくまで僕の推測に過ぎませんが…」

    圭一「…」

    日暮「さっ!帰りましょうか。今夜の晩ごはんはなんでしょうかね?」スタスタ

    圭一「あ、あぁ…」スタスタ






    梨花「…」



    スー



    羽入「あ、あうううう!!何だが、僕のことを言っているみたいなのです~」オロオロ

    梨花「羽入?あの話は正しいの?」

    羽入「え、えぇと…それは…わ、分からないのです~」オロオロ

    梨花「…ハァ…もういいわ。今日は帰りましょ。お腹が空いたわ」スタスタ

    羽入「あうううう…」スー
  57. 57 : : 2016/07/25(月) 22:45:23
    ~梨花の家~



    ガチャッ



    梨花「…ただいま」スタスタ

    梨花「沙都子は…いないの?」スタスタ

    梨花「ん?」ペラッ




    梨花へ


    今、私のおじ様が来ておられるので、しばらく私の家に戻りますわ。一人で寂しくなると思いますけど、ちゃーんとご飯を食べてるんですのよ!



    沙都子より




    梨花「あぁ、そういうことね…」



    スー



    羽入「今のところは、何の変化も無しなのです」

    梨花「う~ん…あいつ、鋭いところはついているような気はするのよね…」

    羽入「このまま何も変わらずに運命を迎えるのですかね?」

    梨花「さぁね…」
  58. 58 : : 2016/07/26(火) 17:51:50
    ~数日後~



    チリンチリンチリンチリン



    圭一「沙都子、今日も休みなのか?」

    梨花「みぃ…」コクッ

    レナ「風邪にしては長引くね…早くよくなるといいのに」

    圭一「そうだな…」

    梨花「(今頃沙都子は、叔父に虐待をうけている頃だろう…助けたいけど…どうすることもできない…)」チラッ

    日暮「魅音さん!」

    魅音「なに?」

    日暮「新しいゲームを考えたんですけど…かくれんぼで、隠れている人を見つけたら負けっていうのはどうです?」

    魅音「へー!面白そう!今日の部活のゲームは、それにするよ!」

    日暮「ありがとうございます!」ニコッ

    梨花「(…異常なし…か)」ハァ

    梨花「(引き続き、尾行調査を続けますか)」
  59. 59 : : 2016/07/26(火) 20:18:06
    圭一「よっ…ほっ!」ツンツン

    圭一「テイッ!」トンッ



    白いボール()ポーン



    少年A「ほっ」キャッチ

    少年A「さすが、前原さん!」

    少年B「よっ!日本一っす!」

    圭一「この貸し忘れるでないぞ!」

    少年A・B『はい!一生忘れませーん!』タタタ

    圭一「まったく、調子のいい奴らだぜ」

    ???「どうもぉ、こんにちはぁ」

    圭一「ん?」チラッ

    ???「お昼休み中、すみませんが」

    圭一「え?はぁ…」

    大石「私、興宮警察署から参りました。大石といいます」スッ

    圭一「職員室なら…あっちですけど…」ユビヲサス

    大石「はぁ、いえいえそういうのじゃなくて…北条沙都子さん、呼んできてもらえませんか?」

    圭一「!!警察が沙都子に何のようですか?」ムッ

    大石「あぁ、いえいえ…たいした用事じゃないんですがねぇ…」

    圭一「…」キッ

    大石「…ハァ…アポイントメントが無いと面会はかないませんか…」ギロッ

    少女A「フフフ」タタタ

    少女B「待て待て~」タタタ

    大石「!!あぁ、もしもし~」

    少女A・B『!!』ピタッ

    大石「ちょっといいですかなぁ?北条沙都子さんを呼んできてほしいんですがねぇ」

    少女A「えっと…北条さんは今日、おやすみですけど…」ビクビク

    大石「休み?いやはや、こいつはついてないですねぇ…で、ここにいるお兄さんは何て名前か教えてくれますかぁ?」

    圭一「…」キッ

    少女A「前原…圭一さんですけど…」ビクビク

    少女B「いこう…」タタタ

    少女A「」タタタ

    大石「あぁ、あなたひょっとして、前原屋敷の御曹子。お父さん、高名な芸術家さんなんですってねぇ…」

    圭一「だったら、何ですか!」

    大石「」ガシッ

    圭一「!!」

    大石「こういう土地ではねぇ…敵は作らない方がいいですよぉ…さもないと…」グググ

    圭一「くっ…」グググ

    大石「妙なところで買った恨みが、信じられないところで返ってくることがあるかもしれませんよ」グググ

    圭一「くっ…」グググ

    ???「それくらいになさった方がいいんじゃないですか?」

    大石「んん~?」ピタッ

    入江「」ザッザッ

    日暮「圭一さん!」タタタ

    圭一「勇矢…それに監督も」スリスリ

    大石「おや、これは入江先生じゃないですか。先生の所にも後でお伺いしようと思っていたんですよぉ。いつもお忙しいとかでぇ?ろくろくお話ができませんからねぇ…」

    入江「なら、令状をお持ちになった方がいい。職務質問と任意同行は、拒否できますから」

    大石「フンッ」スタスタ

    日暮「!!もしかして、おじさん…刑事ですか?」

    大石「えぇ、まぁ…そうですが…」ピタッ

    日暮「すごい!本物の刑事だぁ!聞き込みですか?何か事件があったんですか?」キラキラ

    大石「いや、そういうのじゃないんですけどねぇ…」ポリポリ

    日暮「名刺ありますか?もしあるなら欲しいんですけど…駄目ですかね?」

    大石「…う~ん…まぁ…いいですよ」ガサゴソ

    大石「はい、どうぞ」スッ

    日暮「やったぁ!ありがとうございます!」ニコッ

    大石「ボク、名前は何て言うの?」

    日暮「はい!日暮勇矢といいます!」

    大石「将来は刑事になりたいのかい?」

    日暮「はい!悪いやつをたくさん捕まえたいんです!」

    大石「そうか。頑張れよ」スタスタ

    日暮「はい!」ケイレイ

    圭一「…あんな奴の名刺をもらっても意味はないと思うぞ…アイテテテ…」スリスリ

    日暮「大丈夫ですか?」

    圭一「あぁ…くっそぉ…あの野郎…」スリスリ

    入江「彼は大石蔵人という刑事です」

    圭一「大石…」

    入江「詳しい話は保健室でしましょうか。ついでに肩も見てあげますよ」スタスタ

    圭一「ありがとうございます」スタスタ

    日暮「」スタスタ






    梨花「…たかが刑事の名刺をもらったぐらいで…子供みたい」ハァ

    羽入「彼は子供なのですよ」

    梨花「次は保健室ね」タタタ

    羽入「入るんですか!?」オロオロ

    梨花「バカ。ドアから盗み聞きするのよ」タタタ

    羽入「な、なんかいけないことをしているようなぁ…」
  60. 60 : : 2016/07/26(火) 21:08:15
    ~保健室~




    入江「じゃぁ、服を脱いでください」

    圭一「はい」シャツヲヌグ

    圭一「あんなに痛かったのに…アザひとつない…」

    入江「あの男はこういうことに慣れてるんですよ…湿布をはって…これで大丈夫」ペタッ

    圭一「あいつ、沙都子に用事があるとか言ってきて…」シャツヲキル

    入江「沙都子ちゃんに?…しつこい男だ…」カチャカチャ

    圭一「沙都子のところへよく来るんですか?」

    入江「前原さんは、オヤシロ様のたたりと沙都子ちゃんの話、少しは聞いたことがありますか?」

    圭一「あぁ、沙都子の両親がダム計画の賛成派で…転落事故で死んだのは、オヤシロ様のたたりだって話ですか?」

    入江「ご両親が亡くなった後…沙都子ちゃんとお兄さんの悟史くんは、叔父夫婦宅に身を寄せることになりまして…」

    圭一「え?そうなんですか?」

    日暮「…」

    入江「叔父というのは、沙都子ちゃんのお父さんの弟にあたる方なんですが…」

    圭一「はじめて聞きました」

    入江「ただ…その後の生活は、沙都子ちゃん達兄弟にとっては、とてもつらいものだったと聞いています」

    圭一「え?つらい生活って?」

    入江「…虐待…です」

    圭一「!!」

    日暮「…」

    入江「ですが、幸か不幸か…その叔母が去年のお祭りの夜に、覚醒剤の常用者に殴り殺されたんです。この死もたんなる殺人事件ではなく、オヤシロ様のたたりではないかと、村中でささやかれました」

    圭一「…」ギュッ

    入江「叔父もオヤシロ様のたたりを怖がり、雲隠れしてしまった…聞いた話では、興宮の愛人宅に転がり込んでるとか…」

    圭一「…それで…沙都子が解放されたと?」

    入江「はい…しかし、まるでその後を継ぐように、あの男が現れるようになったんです」

    圭一「あの男?」

    入江「大石ですよ」

    圭一「!!…でも、なんであいつ…沙都子につきまとう必要があるんですか?」

    入江「…分かりません」

    圭一「…」

    入江「…では、私はこれで…」ガタッ

    圭一「ありがとうございました」

    日暮「入江先生。さようなら!」

    入江「」ガララ





    ~廊下~


    梨花「!!」ササッ

    入江「」ガララピシャッスタスタ

    梨花「…あっぶなかったぁ…」フゥ

    羽入「危うく見つかるところだったのです…」フゥ

    梨花「!!また来る!」ササッ



    ガララ



    圭一「」ガララピシャッ

    日暮「圭一さん、キャッチボールしませんか?」スタスタ

    圭一「いいぜ」スタスタ




    梨花「…ふぅ…」ホッ

    羽入「梨花、こういうのやめたらどうなのです?」

    梨花「うるさいわね。いちいち首を突っ込まないで」スタスタ

    羽入「あうううう…」
  61. 61 : : 2016/07/26(火) 22:14:04
    ~校庭~



    圭一「いくぞ~それっ!」ポーン

    日暮「ほっ」パシッ

    圭一「ナイスキャッチ!」グッ

    日暮「ありがとうございます!」ペコリ

    圭一「よーし、思いっきり投げてみろ!」

    日暮「それっ!」ブンッ

    圭一「おっ!」パシッ

    圭一「いいぞ!その調子だ!」

    少年A「あの…」

    圭一「ん?どうした?お前らもまざるか?」

    少年B「いえ…ちょっといいですか?」

    圭一「あぁ…勇矢、ちょっとここで待っててくれ」ポーン

    日暮「ほっ」パシッ

    日暮「分かりました!」ニコッ

    少年A「ここじゃ言いにくいので…向こうの方で話します」タタタ

    圭一「分かった」タタタ





    ~校舎裏~


    圭一「…で、話ってなんだ?」

    少年A「ちょっと気になる噂を聞いたんすよ」

    圭一「噂?」

    少年B「はい。帰ってきたらしいんですけど…」

    圭一「帰ってきたって…何が?」

    少年A「北条のおじさんです」

    圭一「そいつが帰ってくるのと、沙都子の欠席と何か関係があるのかよ」

    少年A「そ、それは…分かりませんけど…」

    圭一「分からないってなんだよ!」

    少年A・B『』ビクッ

    圭一「あっ!あぁ…ごめん…」

    少年A「いえ…」スタスタ

    少年B「…」スタスタ

    圭一「…沙都子…」ポツリ





    日暮「」ポンッポンッ

    圭一「」タタタ

    日暮「あっ、圭一さん!続きやりますか?」ポンッポンッ

    圭一「…なぁ…」

    日暮「はい?」ポンッポンッ

    圭一「今日、一緒に沙都子のお見舞いに…行かないか?」

    日暮「えぇ、もちろん構いませんよ!」ニコッ

    圭一「そうか…よし!やるか!」ニコッ

    日暮「いきますよ~それっ!」ポーン





    梨花「私達も行くよ」

    羽入「えええええええええ!!」ガビーン

    梨花「何よ。そんなに驚くことなの?」

    羽入「いや、だって…もし、沙都子に見つかったらどうするのですか?」

    梨花「大丈夫よ。遠くから見ていればバレりゃしないわよ」

    羽入「はぁ…(本当にそれで大丈夫なのですかね…)」
  62. 62 : : 2016/07/26(火) 23:10:42
    ~沙都子の家前~


    圭一「…」ザッザッ

    日暮「つきましたね…」

    圭一「…この家が…」


    ブーン


    圭一「!!」



    車(薄紫)ガチャッ



    入江「」バタン

    圭一「監督?」

    入江「!!前原さん、勇矢くんも…こんなところで…お会いするとは…」

    沙都子「」ガチャッバタン

    圭一「!!沙都子?」

    沙都子「買い物の帰りに、偶然監督にお会いしたんですのよ。送ってくださるというので、お言葉に甘えたのですわ」

    入江「自転車ではこんなに運びきれませんからね」ガタン

    沙都子「」ガサッヒョイ


    袋(ビール瓶やおつまみなど)ガラッ


    圭一「!!沙都子…これ…」

    沙都子「あぁ、これは…」




    窓()ガラガラ



    沙都子「!!」ビクッ

    叔父「あ~ん?沙都子!やかんかけっぱなしで、出よったんな!このだらず!」

    沙都子「ごめんなさい!すぐに買いに行けって言ったから…」

    叔父「ボケが!」ブンッ



    灰皿()ガタンッ



    沙都子「」ビクッ

    入江「」ザッ

    叔父「!!おやぁ!入江の先生じゃないですかぁ!」

    入江「沙都子ちゃんに偶然お会いしたもので…」

    叔父「そうですか。ハハハハハ!」

    叔父の友人「オーイ、てっちゃーん」

    叔父「なんねツバキ?あんた、またリーチかいな」ガラッピシャッ

    沙都子「…町からおじさんのお友達が来てて、マージャンをやってますの」

    圭一「何だよそれ!自分は遊び呆けてて、沙都子にこんなのを買いに行かせるのかよ!」ザッ

    沙都子「ま、待ってくださいまし!」ザッ

    圭一「!!そのアザ…どうしたんだよ、おい!」

    沙都子「…」ブルブル

    圭一「あの野郎…!」

    入江「」ガシッ

    圭一「ぐっ…」

    入江「気持ちは分かります。ですが、今は耐えてください!」

    沙都子「…ありがとうございますですわ。圭一さん」

    圭一「…沙都子…」

    沙都子「今、圭一さんが本当のにーにーみたいに見えました。私の本当のにーにーはいなくなってしまったけど、今は圭一さんというにーにーがいてくれる…」ニコッ

    圭一「…俺は…絶対に逃げないから」

    沙都子「!!」ポロリ

    圭一「…」



    「沙都子!はよう乾き物持ってこいよ!」



    沙都子「…では…失礼しますわ」グイッヨロヨロ

    圭一「…くそっ!」

    入江「…家まで送ってあげますよ」ガチャッ

    圭一「…」ヒョイ

    日暮「…」ヒョイ

    入江「」バタンスタスタガチャッバタン




    車()ブォーン




    梨花「…沙都子…」ハァ

    羽入「ひどいのです!」プンプン

    梨花「…本当に…沙都子の叔父はひどい奴だわ…」ハァ

    羽入「本当にそうなのです!子供にお酒を買いに行かせるのはダメなことなのです!」プンプン

    梨花「…怒るところ違くない?」

    羽入「それに何なのですかマージャンって!遊んでないで、働きなさいなのです!」プンプン

    梨花「…この後は、入江から沙都子が叔父のいじめに耐えることが試練だということ…虐待を認めていないことなどを話しているはず…今日はここまでね…帰りましょう」スタスタ

    羽入「リーチって何なのですか!何がリーチなのですか!」プンプン

    梨花「いいから、変なところで怒ってないで…今日の晩ごはんはカレーね」スタスタ

    羽入「超甘口にして欲しいのです!」

    梨花「いや、超激辛するわ」スタスタ

    羽入「あ、あうううう…悪魔~!」ガーン
  63. 63 : : 2016/07/27(水) 17:02:51
    ~翌朝・教室~



    ワイワイガヤガヤ


    レナ「…沙都子ちゃん…今日もお休みだね…」

    梨花「みぃ…」ショボン

    魅音「…元気な姿を見たいね…」

    レナ「うん…そうだと…いいね…」



    ガラッ



    日暮「おはようございます!」ニコッ

    レナ「おはよう、勇矢くん。あれ?圭一くんは?」

    日暮「なんか体調が悪いみたいで、何度おこしても起きないんですよ」

    魅音「えー!もしかして、圭ちゃんも風邪!?」

    日暮「…たぶん…」コクッ

    梨花「最近、風邪が流行っているようなのです。(おそらく、昨日のショックで寝込んじゃったようね)」

    レナ「あ!そうだ!今日、沙都子ちゃんのお見舞いに行かない?」

    梨花「賛成なのです~!」ニコッ

    魅音「いいね!沙都子もきっと喜ぶと思うよ!」

    レナ「勇矢くんも行かない?」

    日暮「もちろん、いいですよ!何かお菓子とか持っていった方がいいですかね?」

    魅音「お菓子かぁ…風邪の時は食欲がないからな…」ウーン

    レナ「果物とかどうかな?かな?」

    魅音「それいいね!帰りに、八百屋さんに寄ってから沙都子の家に行こうか!」

    日暮「分かりました!」ニコッ

    梨花「(…昨日見てきたのに、何でこんなに元気なの?…無理して周りに合わせているだけか…)」




    ガラッ



    知恵先生「はーい、みなさん。席についてください。授業を始めますよ」スタスタ

    魅音「…じゃっ、そういうことで」スタスタ

    レナ「うん」コクッスタスタ

    梨花「…」スタスタ
  64. 64 : : 2016/07/27(水) 17:31:42
    ~お昼頃~



    ガラッ



    圭一「」スタスタ

    レナ「あ!圭一くん!」タタタ

    圭一「…」ストッ

    梨花「圭一まで欠席なのかと、とても心配しましたのですよ」

    圭一「あぁ…」チラッ



    沙都子の席()ガラーン



    圭一「…」

    レナ「…沙都子ちゃん…風邪が長引いてるって、連絡があったらしいよ」

    梨花「かわいそうなので、みんなでお見舞いに行こうという話が出ていますのですよ」

    圭一「何言ってんだよ、梨花ちゃん!」

    レナ「!!」

    梨花「!!」ビクッ

    圭一「みんなだって、沙都子が風邪じゃないことは知ってるんだろ?二度とそういう白々しいこと言うな!」

    魅音「…誰から聞いたの?」

    圭一「…昨日…見てきた…」

    レナ「圭一くんだけじゃないよ。みんな…つらいよ…」

    梨花「…」

    圭一「!!………ごめん……」

    日暮「…」





    チリンチリンチリンチリン


    魅音「起立!礼!」

    クラス一同『さようなら~!』



    ワイワイガヤガヤ



    圭一「」ガサゴソ

    魅音「圭ちゃん、帰ろ。部活…する気にもならないでしょ?」

    圭一「あっ!魅音!今日さ、お前の家に寄ってもいいか?漫画…少しまとめて借りたいんだけど…」

    魅音「え?…いいけど…」

    圭一「じゃぁ、行こうぜ」スタスタ

    日暮「」ガサゴソ

    圭一「あっ、勇矢。今日魅音の家に寄るんだけどさ…」

    日暮「あ、僕今日ちょっと寄りたいところがあるので、先に行っててください」

    圭一「…そうか…行こうぜ、魅音」ガララスタスタ

    魅音「うん」スタスタ



    ガララピシャッ



    日暮「」ガサゴソヒョイ

    日暮「」ガララスタスタ



    ピシャッ



    梨花「(どこに寄るつもりなの?…よし!…)」タタタ

    レナ「梨花ちゃん」

    梨花「!!な、何ですか?」ピタッ

    レナ「ちょっと話したいことがあるんだけど…ダメかな?かな?」

    梨花「も、もちろん…いいのです…(チッ…余計な邪魔がはいりやがった…)」

    レナ「よかったぁ…じゃぁ、レナのお家で話そうか…」スタスタ

    梨花「わ、分かったのです…(がっつり話す気満々ね…ハァ…)」スタスタ
  65. 65 : : 2016/07/27(水) 18:52:39
    ~レナの部屋~



    レナ「はい、どうぞ」コトッ

    梨花「いただきますなのです」ズズズ

    梨花「ぷはッ…それで…何の話なのですか?」

    レナ「うん…」ストッ

    レナ「…沙都子ちゃんの…話なんだけどね…」

    梨花「!!」

    レナ「…梨花ちゃんも知ってると思うけど、沙都子ちゃんは叔父からひどい虐待を受けている…ずっと休みなのも、叔父が色々とこきつかって、学校に出させてくれないからだと思う」

    梨花「…それで?」

    レナ「…私達で何か出来ないのかな?なにか…沙都子ちゃんの助けになるようなことを…」

    梨花「…残念ながら、それは無理なのです。沙都子が虐待を認めていない限り、僕らは何もしてやれないのです…」

    レナ「…どうして…」

    梨花「ん?」

    レナ「どうして、梨花ちゃんはそんなに冷静なの?」

    梨花「え?」

    レナ「ずっと一緒に住んでいたんだよね?普通は、圭一くんよりも梨花ちゃんがもっと怒っているはず!なのに、どうしてそんなに冷静でいられるの?」

    梨花「…僕も…本当はつらいのです…でも、どうすることもできない!僕たちがいくら叫んでも警察や児童相談所は何もしてくれない!こんなんで、どうやって沙都子を救えるというの?」

    レナ「…」

    梨花「たとえ、沙都子の叔父を無理やり追い出したとしても沙都子はちっとも幸せにならない!なぜなら…沙都子は虐待を耐えることで兄が戻ってくる信じているから…それをやめたら、帰ってこなくなるから…だから!」ポロポロ

    レナ「もういいよ…無理を言ってごめんなさい…」

    梨花「…僕も…強く言い過ぎたのです…」ゴシゴシ

    レナ「今日はありがとう。少しだけ楽になったような気がする…」

    梨花「…早く沙都子の家から出ていって欲しいのです…」

    レナ「…そうだね…」ポロリ
  66. 66 : : 2016/07/27(水) 19:09:02
    ~帰り道~




    梨花「…」ザッザッ

    羽入「…梨花…」

    梨花「…何も変わってない…」ボソッ

    羽入「え?」

    梨花「あの会話も…これまで起きた出来事も…いつもと同じ…どういうことなの?」

    羽入「…もしかしたら、勇矢くんは今まで出てこなかっただけで本当は雛見沢に来る予定の人だったのかもしれないですよ」

    梨花「…そうかもね…もういいわ」ハァ

    羽入「え?」

    梨花「羽入、私この運命を受け入れることにするわ。どうせ無理だったのよ、運命を変えることなんて…」

    羽入「あ、諦めちゃダメなのです!」

    梨花「じゃぁ、沙都子を虐待から救う方法はあるの?」

    羽入「うぅ…それは…」オロオロ

    梨花「…ほらね…何もやってもムダ。運命から、逃れることはできないのよ…」ザッザッ

    羽入「…梨花…」
  67. 67 : : 2016/07/27(水) 19:53:58
    ~翌朝・教室~



    ガララ



    梨花「」スタスタ

    沙都子「あら、おはようございますですわ」

    梨花「!!沙都子!」

    沙都子「やっと風邪が治りましたの。最近の風邪は治りにくいですわね」ハァ

    梨花「…」

    沙都子「梨花?どうかしたんですの?」

    梨花「本当に風邪が治ってよかったのです~にぱー☆」ニコッ

    沙都子「フフフ」ニコッ

    梨花「今日はいっぱいお話しするのです~」ガラッストッ

    沙都子「えぇ!そうしましょう!」ニコッ




    タッタッタッ



    圭一「沙都子!」タタタ

    梨花「みぃ?」

    沙都子「なんなんですの?朝っぱらから、騒がしいですわね」

    レナ「…沙都子ちゃん…」

    沙都子「保護司、呼んだのはどなたですの?まったくとんだ騒ぎでしたのよ」ハァ

    圭一「保護司?来たのか!」

    沙都子「急に押しかけられて、私もおじさまもとんだ迷惑でしたのよ。もうっ!」プンプン

    魅音「おじさんは…どうなったの?」

    沙都子「多少誤解があったことを認めて、二人でごめんなさいをしましたわ」

    日暮「…そうですか…久しぶりに見ましたけど、元気そうでなりよりです!」ニコッ

    沙都子「私はもともと元気でしてよ」

    レナ「フフフ…そうだね…」ニコッ

    圭一「…」


    ツンツン


    圭一「ん?」

    梨花「…みぃ…」ツンツン

    圭一「なんだよ、梨花ちゃん?」

    梨花「」グイッスタスタ

    圭一「?」スタスタ

    梨花「…沙都子は保護司に何でもないと言って、追い返してしまいました…」

    圭一「誰が呼んだんだ?」

    梨花「知恵先生です」

    圭一「え?」チラッ

    知恵先生「…」ハァスタスタ

    圭一「…知ってたのか?」

    梨花「あぁ見えても、一応は担任ですから…」

    圭一「それを追い返してしまったのか…自分で?」

    梨花「はいです」

    圭一「だけど、いくら沙都子が否定したって、虐待は事実だろ?」

    梨花「…これで3回目なのです」

    圭一「え!?」

    梨花「沙都子の児童虐待の通報は、過去にも2度あったのです…」

    圭一「過去?」

    梨花「はい、死んでしまったお父さんの時にも…死んでしまったお父さんは、沙都子の本当のお父さんではないのです」

    圭一「え?」

    梨花「沙都子のお母さんは、再婚なのです。沙都子と悟史はお母さんの連れ子で、お父さんと血は繋がっていなかったのです。沙都子は叔父夫婦に預けられる以前も、家族とはあまり良好な関係ではなかったのです。沙都子は義理のお父さんを落とし入れるのを目的に、嘘の虐待話を作って、自分で虐待SOSに電話したのです…それが保護司にバレて…」

    圭一「…で、今回も嘘だと思われてるってことか?」

    梨花「それは分かりませんが、少なくとも…緊急保護はされなかったんだと思います」

    圭一「何だよそれ。つまり、沙都子は嘘をつくかもしれないから、様子を見てるってことかよ?」

    梨花「…」コクッ

    圭一「…沙都子…」グッ

    梨花「(一応、言ったけど…果たして変わるかどうか…まぁ、どうせムダだと思うけど…)」
  68. 68 : : 2016/07/27(水) 20:32:45
    ~昼食時~



    ワイワイガヤガヤ


    沙都子「さぁて、お昼でございますわね♪」ゴソゴソ

    梨花「みぃ♪」ニコッ

    沙都子「フフフッ」ニコッ

    レナ「はうううう!見てみて!今日はオムライスなんだよ~!」ババーン

    沙都子「さすがレナさん。これならいつお嫁に行っても、おかしくない腕前ですわ!」

    レナ「え!レナがお嫁さん!?」

    魅音「おっ!よかったね、レナ!」

    レナ「はうううう~///」テレッ

    圭一「…」スッ

    沙都子「!!」

    圭一「沙都子…」ナデナデ

    沙都子「いやあああああああああああ!!」ドンッ

    圭一「うがっ!」ドガッ

    梨花「!!」

    レナ「…沙都子ちゃん?」

    沙都子「あ、あぁ…あああ…」ガタガタ

    圭一「おい、どうしたんだよ?」スッ

    沙都子「!!うっ…」ガタッヨロヨロ

    沙都子「おえっ……」オロオロ

    魅音「沙都子!!」ガタッ

    レナ「沙都子ちゃん…」ガタッ

    沙都子「ハァハァ…ああああ…」ヨロヨロ

    圭一「さ、沙都子?大丈夫か?」ポンッ

    日暮「さわっちゃ駄目だ!」

    沙都子「!!いやあああああああああああ!」ドンッ

    圭一「」ドガッ

    魅音「沙都子!あんたどうしちゃったの!」

    沙都子「いや…いや…いや…いやです…いや…いや…いや…いやぁ!」ヨロヨロ

    圭一「沙都子…」

    沙都子「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」ガタガタブルブル

    圭一「沙都子…」

    魅音「沙都子、保健室行こう」スッ

    沙都子「ごめんなさい…ごめんなさい…」ガタガタ

    レナ「大丈夫だから…ねっ?」スッ

    沙都子「…」ガタガタ

    レナ「…」

    魅音「梨花ちゃん、知恵先生呼んできて…」

    梨花「みぃ!」コクッ



    ガララピシャッ



    サトコチャンドウシタノカナ?ハイテタゾ


    圭一「…沙都子…」

    日暮「…圭一さん、しばらく沙都子さんに近づかない方がいいですよ…」

    圭一「…あぁ…」

    日暮「…」
  69. 69 : : 2016/07/27(水) 21:36:58
    ~廊下~



    日暮「沙都子さん、大丈夫ですかね?」スタスタ

    圭一「…」スタスタ


    ガララ


    圭一「!!先生、沙都子は?」

    知恵先生「今は落ち着いて寝ています。一時的にパニック状態になっただけだと思うけど…少ししたら診療所に連れていきますから、大丈夫です」

    魅音「…行こう、圭ちゃん、勇矢くん」スタスタ

    圭一「あぁ…」スタスタ

    圭一「(…このままでは、確実に沙都子は壊れる…だから俺は決心する…)」グッ

    圭一「(沙都子の叔父を殺す!!)」ギロッ

    日暮「…」




    ~保健室~


    沙都子「…」スースー

    梨花「…沙都子…」

    レナ「…沙都子ちゃん…」

    知恵先生「竜宮さん、古手さん、もう遅くなるから、今日のところは帰りなさい。大丈夫、沙都子ちゃんは、よくなりますよ…」

    レナ「…分かりました…」ギィスタスタガララ

    梨花「…」ギィスタスタ







    ~帰り道~




    レナ「じゃぁ、またね」スタスタ

    梨花「…」フゥ

    梨花「(…今ごろ、圭一は沙都子の叔父を殺す計画を考えているころだろう…殺さなきゃ沙都子は確実に壊れるとおもって…)」スタスタ

    梨花「(そして、圭一に…雛見沢症候群の症状である記憶障害がおこる…もうこうなってしまうと、誰も手をつけることはできない…)」スタスタ

    羽入「…」
  70. 70 : : 2016/07/27(水) 21:58:27
    ~梨花の家~



    梨花「…」スースー

    羽入「…梨花」

    梨花「…」ゴロン

    羽入「梨花!!」

    梨花「…何よ」ゴシゴシ

    羽入「本当にいいのですか?」

    梨花「……別にいいわよ…」ゴロン

    羽入「もしかしたら、何かすれば運命が変わるかもしれないですよ!」

    梨花「…じゃぁ、その『何か』ってなによ」

    羽入「うぅ…それは…」

    梨花「………私だって、最初は変えようと努力したわよ。でも、いくらやっても変わらなかった…同じ運命の繰り返し……だから私気づいたの。これが私の『運命』なんだって…」

    羽入「梨花…」

    梨花「……これで最後にしましょ。これ以上友達が殺されるのは見たくない…」

    羽入「…もう時を戻さなくて…いいのですか?」

    梨花「そう言っているでしょ!」

    羽入「…」

    梨花「…ねぇ、羽入」

    羽入「…何ですか?」

    梨花「…生まれ変わったら、またあなたに会いたいわ…」

    羽入「!!梨花…」

    梨花「そして今度は…一緒に楽しい人生を送りましょ…希望に満ちた運命を…」

    羽入「梨花…」

    梨花「…おやすみ…」ゴロン

    羽入「…」
  71. 71 : : 2016/07/27(水) 22:51:18
    ~圭一の家~




    圭一の母「…」カキカキ




    ガチャッ



    日暮「お風呂、入りましたよ」スタスタ

    圭一の母「あ!はいはい。じゃぁ、圭一にお風呂入るように伝えてくれる?」

    日暮「はい!分かりました!」ニコッ

    圭一の母「お願いね!」

    日暮「はい!」ガチャッバタン

    日暮「」コッコッコッ

    日暮「」スッ



    ミオンカ?チョットオネガイシタイコトガアルンダガ…



    日暮「!!」ピタッ



    アシタノワタナガシノオマツリ…サトコヲ…ツレテイッテヤッテホシンダ…



    日暮「…」



    タトエ,スコシノアイダデモ,アノイジワルナオジノモトカラハナレラレルナラ,サトコモヨロコブダロ?



    日暮「…」



    チョットアシタハヨウジガアッテサ…マツリニハイケナインダ…タイシタヨウジジャナインダケド…



    日暮「…」



    …サトシ…マツリニイカナカッタノカ?……………………ア,ソウナンダ…スマン.オレガデンワヲスルマデモナカッタナ…ジャァ…ヨロシクタノム………タ,タイシタヨウジジャナイヨ………ジャッァ…オヤスミ……



    日暮「…」コンッコンッ



    ハ,ハイッ!



    日暮「」ガチャッ

    圭一「お、勇矢か…何のようだ?」

    日暮「圭一さんのお母さんからの伝言で、お風呂に入ってくださいとのことです」

    圭一「…おうそうか…分かった。入るよ」スクッ

    日暮「……沙都子の叔父さんを…殺すつもりですか?」ボソッ

    圭一「!!」ピタッ

    日暮「……どうやら大当たりのようですね…」

    圭一「…な、何を根拠に…そんなことを…俺が…沙都子の叔父を殺すわけないだろ…」アセアセ

    日暮「じゃぁ、今日家に帰ったあとすぐに制服のまま出掛けましたよね?………どこに行ってたんですか?」

    圭一「!!そ、それは…宝探しだよ!レナと…約束していたから…」

    日暮「宝探し?…沙都子さんが倒れたというのに、よくそんな気分でいられますね…」ジー

    圭一「いや…飛びっきりのお宝が…あるから…」

    日暮「…ふーん…沙都子さんの命よりもよく分からないお宝を優先したんですか……へぇ…じゃぁ、沙都子さんの虐待はどうでもいいと?」

    圭一「!!そんなわけねぇだろ!沙都子は必ず俺が助ける!たとえ…どんな手段を使っても…あっ…」

    日暮「どんな手段を使ってもねぇ…」ジー



    ケイイチ-?ドウカシタノ-?



    圭一「何でもねぇよ!」



    ソウ…ハヤクオフロニハイッテネ!



    圭一「分かってる!」

    日暮「…」ジッ

    圭一「…言っておくけど、俺の決心は固いからな。お前にどんなことを言われようとも俺は必ず沙都子の叔父を殺す…」キッ

    日暮「……沙都子さんを救いたいその気持ちは、とても素晴らしいです…ですが、殺すのはよくありません。いくらなんでもそれはやりすぎですよ」

    圭一「じゃぁ、殺すこと以外に何かいい方法はあるのかよ!」

    日暮「ありますよ」

    圭一「!!………………本当か?」

    日暮「えぇ」コクッ

    圭一「…………どんな方法だ?」

    日暮「…」ニコッ

    日暮「…それは…」
  72. 72 : : 2016/07/29(金) 22:37:01
    ~綿流し祭の日・梨花の家~



    梨花「」スースー


    チュンチュン


    梨花「…ん…」ムクッ

    梨花「…」トコトコ

    梨花「…」シャー

    梨花「…ついに…この時が来たか…」ハァ





    梨花「…いただきます…」モグモグ

    梨花「…テレビでもつけるか…」カチッ



    キャスター「………なお、凶器は発見されておらず、現在捜索にあたっています…」



    梨花「ふーん、興宮で殺人事件ねぇ…」モグモグ



    キャスター「……たった今、入ってきた情報によりますと、凶器が見つかったようです。発見された場所は、鹿骨市雛見沢村のダムの工場現場だった場所で発見されました。ビニール袋でくるまれた状態で見つかったとのことです」


    梨花「……ふぅーん…」モグモグ



    キャスター「…その指紋から雛見沢村在住の北条鉄平容疑者が殺人容疑で逮捕されました」



    梨花「…え?」ピタッ



    キャスター「警察は、被害者の間宮リナと金銭的なトラブルがあったとみて現在、犯行の動機を調べています」


    梨花「………逮捕………?」



    キャスター「では、お天気です。明日は全国的に晴れで…」



    梨花「………北条の叔父が………逮捕……された……?」

    羽入「あ、あうあううううう!!ど、どどどどどうなっているのですか!?」オロオロ

    梨花「わ、分からない……」

    羽入「とりあえず、警察署に行ってみるのです!」

    梨花「えぇ………(どういう……ことなの?)」





    ~興宮警察署~



    ガチャッ



    大石「お待たせしましたね」スタスタ

    梨花「お忙しい中、時間をさいてくれてありがとうございますなのです」ペコリ

    大石「いやいや、古手さんの頼みですから。これくらいどうってことないですよ……」ストッ

    大石「……で、ご用件は?」

    梨花「沙都子の叔父が逮捕されたって、本当なのですか?」

    大石「……えぇ。今朝、殺人の容疑でね…被害者の方は北条鉄平の愛人で、二人で恐喝や詐欺をしていました……きっと金銭的なトラブルで殺したんでしょうなぁ…」ポリポリ

    梨花「……凶器はダム現場の所で発見されたのですか?」

    大石「えぇ、そうですけど………何か?」

    梨花「どうして、そこを探そうと思ったのですか?」

    大石「おかしなことを聞きますなぁ。もしかして、何か心当たりでも?」

    梨花「いえ………興宮周辺の所も探したのですか?」

    大石「う~ん……それは、お教えできませんな。あまり調査のことを言ってしまいますと、情報の漏洩になってしまいますからねぇ…」

    梨花「……分かったのです……今日はありがとうございましたなのです」ペコリ

    大石「あ、そうそう。古手さんは綿流しの祭りの演舞をやられますよね?」

    梨花「そうですけど……」

    大石「演舞、頑張って下さい」ニコッ

    梨花「ありがとうございますなのです……では、失礼しますです」ガチャッバタン




    ~興宮警察署前~



    梨花「…」

    羽入「これは一体どういうことなのですかね?」

    梨花「…分からない。急におきたことだから何がなんだか…」

    羽入「あ!梨花、早くしないと集合時間に間に合わないのです!」

    梨花「……そうね。とりあえず急ぎましょ」タタタ
  73. 73 : : 2016/07/30(土) 16:29:22
    ~古手神社~



    梨花「お待たせしましたのです~」タタタ

    魅音「おそいぞ、梨花ちゃん!」

    レナ「珍しいね。梨花ちゃんが遅れるなんて」

    梨花「……ちょっと……用事があったのです…」ハァハァ

    ???「梨花…」

    梨花「!!沙都子!」

    沙都子「…」

    梨花「沙都子……えぇと、その……元気?」

    沙都子「えぇ、もちろんですわよ!」ニコッ

    梨花「……そう…」ホッ



    オーイ



    レナ「あ!圭一くん達も来たよ!」

    梨花「…」

    圭一「わりぃ、遅くなっちまった」タタタ

    魅音「おっそーい!祭りの貴重な時間を1分1秒無駄にするな!」

    日暮「すみません…」ペコリ

    圭一「あ、沙都子!お前のおじさん…逮捕されたんだってな…」

    沙都子「……えぇ…まさか、殺人をおこしていたなんて…ビックリしましたわ」

    圭一「まぁ、あんな奴だからな……でも、よかったな沙都子。これで自由の身だな」

    沙都子「えぇ、そうですわね!」ニコッ

    魅音「……さてと、色々と一件落着したところで、部活動お祭りスペシャルを行おうと思う!」

    日暮「お祭り…スペシャルですか?」

    魅音「そう!ちなみに、スペシャルなので罰ゲームはいつもの2倍!!」

    沙都子「お祭りだからって、容赦はしませんわよ!」

    レナ「圭一くん、勇矢くん。初参加で勝てるとでも思っているのかな?かな?」

    圭一「フッフッフッ……今までの部活動では、本気じゃなかったんだぜ?」

    魅音「な、なんだと!?」

    圭一「俺様の本気……見せてやる!」ビシッ

    日暮「かっこいいですよ!」パチパチ

    梨花「……というわけで、部活動をはじめるのです~」

    魅音「よっしゃぁ!気合いいれていくよ~!」

    一同『おー!』
  74. 74 : : 2016/07/30(土) 20:03:37
    魅音「まずは、たこ焼き早食い対決!!」

    圭一「うおおおおお!!」バクバクバクバク

    圭一「んんんん~~~」ジタバタ

    レナ「大丈夫!?はい、水」スッ

    圭一「」パシッゴクゴク

    圭一「ぷはぁ…」ホッ

    魅音「ハッハッハッ…だらしないねぇ~」パクパク

    圭一「う、うるせぇやい!」ハァハァ

    沙都子「」パクパクパクパク

    レナ「」パクパクパクパク

    梨花「」パクパクパクパク

    圭一「…くっそ~何でそんなに食えるんだよ~」ハァ

    日暮「作り置きしたのを食べているんだと思います」モグモグ

    圭一「な!!きったねーぞ!」ムッ

    魅音「あまいんだよ圭ちゃん。あれれ~?もしかして、今のが本気ってやつですか?」プププ

    圭一「な、なめやがって…次だ!」




    魅音「次は、かき氷対決!」

    圭一「うおおおおお!!」シャリシャリシャリシャリシャリシャリ

    圭一「あ、あたまが…」キーン

    魅音「うぅ…」キーン

    レナ「イタタ…」キーン

    梨花「」シャリシャリシャリシャリ

    沙都子「……あたま痛くなりますわよ」キーン

    梨花「全然平気なので、たくさん食べれるのです~」ニコッ

    魅音「うぅ…今回は梨花ちゃんの勝ちだね」キーン

    圭一「ムムム……よーし、次は…綿菓子だ!」




    圭一「うおおおおお!!」バクバクバクバクバクバク

    魅音「」バクバクバクバクバクバク

    レナ「」バクバクバクバクバクバク

    沙都子「」バクバクバクバクバクバク

    梨花「」バクバクバクバクバクバクバクバク

    日暮「…」ウップ

    圭一「ん?腹一杯なのか?」モグモグ

    日暮「えぇ……あんまり大食いには向いてないみたいですね…」ウップ

    梨花「フン……情けないわね」モグモグ

    日暮「なっ!!」カチン

    梨花「…」テマネキ

    日暮「…?」チカヨル

    梨花「……ねぇ、勝負しましょうよ」ボソッ

    日暮「…勝負?」ボソッ

    梨花「どちらかは多く食べた方が、ひとつ命令ができる……ていうのはどう?」ボソッ

    日暮「……急にどうしたの?」ボソッ

    梨花「…沙都子の叔父のこと……何か知ってるんでしょ?」ボソッ

    日暮「……分かった。もし梨花ちゃんが勝ったら、そのことを話してあげるよ」ボソッ

    梨花「…よし……決まりね」ボソッ

    日暮「魅音さん」

    魅音「なに?」モグモグ

    日暮「僕と梨花ちゃんで、大食い対決をしたいんですど…だめですかね?」

    魅音「うん!もちろんいいよ!え~と、じゃぁ…」チラッ

    魅音「…焼きそば対決なんかどう?」

    日暮「いいですね!」

    梨花「たくさんモグモグするのです~」ニコッ
  75. 75 : : 2016/07/30(土) 20:31:43
    圭一「頑張れよ、勇矢!」グッ

    日暮「はいっ!がんばります!」ニコッ

    沙都子「梨花…ファイト!」グッ

    梨花「頑張るのです~」ニコッ

    魅音「では……いちについて…」

    日暮「」ジリッ

    梨花「」ジリッ

    魅音「よーい………ドンッ!」

    日暮「」バクバクバクバクズルズルズルズルズルズル

    梨花「」バクバクバクバクモグモグモグモグズルズル

    圭一「な、なんてたべっぷりだ!」

    レナ「もう2、3杯目にはいるよ!」

    梨花「」モグモグモグモグモグモグモグモグズルズル

    日暮「」バクバクバクバクズルズルズルズルズルズル

    魅音「おぉ~」

    沙都子「いいですわよ梨花!その調子!」

    梨花「(絶対負けられない…)」モグモグズルズルズルズルモグモグモグモグズルズルズルズル

    日暮「」モグモグズルズルズルズルモグモグモグモグ






    ~10分後~



    魅音「え~と………結果は……梨花ちゃん、13杯。勇矢くん、12杯で………梨花ちゃんの勝ち!!」

    沙都子「やりましたわ梨花!!」パチパチ

    梨花「…」ウップ

    日暮「…」ウップ

    圭一「大丈夫か勇矢?」

    日暮「えぇ………しばらく、焼きそばは食べたくありませんね……」ウップ

    梨花「………本当に………そうね……」ウップ

    レナ「で、罰ゲームは何かな?かな?」ハァハァ

    梨花「もう決まってあるのです……が、そろそろ衣装に着替えないといけないので、罰ゲームは後にしますです……」ヨロヨロ

    沙都子「梨花、大丈夫?」

    梨花「えぇ………なんとか……」ヨロヨロ

    レナ「演舞頑張ってね!」テヲフル

    梨花「…」ヨロヨロ

    魅音「…さてと、部活を続けますか!」

    日暮「……僕はもういいです……お腹いっぱい…」ウップ

    魅音「そうか……よし、圭ちゃん!勇矢くんの分まで頑張って食べてね!でないと………もし負けたら二人とも罰ゲームを受けてもらいます!」

    圭一「えぇ~~!?」ガビーン

    日暮「が、頑張ってください!」アセアセ

    圭一「よ、よーし本気出すか!」アセアセ

    沙都子「あら、さっきまで本気じゃなかったんですの?」

    圭一「あんなの様子を見てただけだ!次は必ず勝つ!」グッ
  76. 76 : : 2016/07/30(土) 21:10:54
    ~数時間後~



    圭一「……うぅ……」ガクッ

    日暮「圭一さん…」

    圭一「俺の……負けだ…」ガクッ

    日暮「…そんな…」

    圭一「すまねぇ……勇矢……俺が不甲斐ないせいで……」

    日暮「そんなことないですよ!圭一さん、かっこよかったですよ!」

    圭一「……そうか……なら……よかっ……た…」ガクッ

    日暮「圭一さん?………圭一さん!」ユサユサ

    日暮「そんな……圭一さん…」

    魅音「……そんな小芝居で、逃げられるとでも思っているの?」

    圭一「……バレたか…」ハァ

    日暮「…うまくいくと思ったんですがね…」ハァ

    魅音「さーて、罰ゲームは何にしようかな~」ニヤニヤ

    日暮「な、なるべく…優しいのをお願いします…」ビクビク

    沙都子「それはいけませんわよ。だって、今日はスペシャル。いつもの2倍ですわよ~」ニヤッ

    日暮「そ、そんなぁ…」

    レナ「フフフ……おもちかいりぃ……」ニヤッ

    圭一「く……くるなぁ!」ガタガタ



    ドンドン(太鼓の叩く音)



    魅音「!!あ!梨花ちゃんの演舞、はじまっちゃう!」タタタ

    レナ「行こう!」タタタ

    沙都子「急がないと、終わっちゃいますわ!」タタタ

    圭一「………助かったのか?」

    日暮「おそらく……って、僕たちも急ぎましょう!」タタタ

    圭一「お、おう!」タタタ
  77. 77 : : 2016/07/30(土) 21:39:15
    ドンッドンッ



    梨花(巫女姿)「…」



    ドンッドンッ



    梨花「」シャラン



    ドンッ



    梨花「」シャラン



    ドンッ



    梨花「」シャラン



    ドンッ



    梨花「」スッザクッ



    ドンッ



    梨花「」スッ



    ドンッ



    梨花「」スッ



    パチパチパチパチ



    梨花「…」









    圭一「演舞、よかったぜ!」グッ

    沙都子「最高でしたわ!」

    魅音「文句なしの満点だったよ!」

    日暮「とてもよかったですよ!」

    レナ「巫女姿かわいぃよぉ…おもちかいりぃ」ハァハァ

    梨花「ありがとうございますなのです」ニコッ

    魅音「……そういえば、圭ちゃんと勇矢くんの罰ゲームがまだだったねぇ…」ニヤッ

    圭一・日暮『うっ…』ドキッ

    魅音「さ~~て、何にしようかなぁ~?」ニヤニヤ

    日暮「……あっ!ボク…ちょっとトイレに…」タタタ

    魅音「え?……うん……分かった」

    梨花「……僕も演舞中、ずっと我慢していたので…トイレに行ってくるのです!」タタタ

    レナ「行ってらっしゃーい!」

    魅音「…さて、圭ちゃん……覚悟はいい?」

    圭一「えっ……ちょっ……」サアア

    魅音・レナ『フフフ…』ニヤッ
  78. 78 : : 2016/07/30(土) 22:28:04
    ~森~



    日暮「…」

    梨花「…さて…話してもらうわよ。沙都子の叔父をどうやって逮捕させたのか…」

    日暮「……そんなの簡単ですよ。たまたまダム現場で寄り道をしていたら、沙都子のおじさんが来たんです。どうしたのかな?って思って、しばらく隠れて様子を見ていたら、真っ赤に染まった斧をビニール袋に入れるところを目撃したんです……で、その後大石さんに連絡して……今に至るわけですよ」

    梨花「何しにダム現場に寄ったの?」

    日暮「……宝探しです」ニコッ

    梨花「宝探し?……レナみたいなことをするじゃない」

    日暮「あそこはまだ使えるものが多いんですよ。今日もいくつか拾ってきました」

    梨花「…ふーん…」

    日暮「……驚きました?」

    梨花「なにが?」

    日暮「決まっていた『運命』が変わって」

    梨花「!!」

    日暮「梨花ちゃんは『運命』を変えることを諦めていたようだけど、考え方しだいで簡単に変えられるんですよ?」

    梨花「……あなた……何者なの?」

    日暮「さぁ……誰でしょうね…」

    梨花「………そうね……そんなことはどうでもいいわね…」

    日暮「…どうでもいい?」

    梨花「……そう……あなたが何者であろうと関係ない……あなたは定められていた『運命』を変えてくれた……」

    日暮「…」

    梨花「……勇矢」

    日暮「何ですか?」

    梨花「………沙都子を救ってくれて……ありがとう」ニコッ

    日暮「………どういたしまして」ニコッ

    梨花「…悪かったわね。色々と疑ったりして」

    日暮「別に気にしてなんかいませんよ。ただ…」

    梨花「ただ?」

    日暮「尾行してくるのは、さすがにどうかと思いましたけど…」

    梨花「……え?……もしかして……バレていたの?」

    日暮「足音と視線ですぐに分かりましたよ」ハァ

    梨花「……ごめんなさい」ペコリ

    日暮「いえいえ別に怒ってなんかいませんよ」

    梨花「…そう……ならよかった」ホッ

    日暮「梨花ちゃんって、意外と大食いですね。焼きそばを13杯も食べるなんて」

    梨花「そういうあなたこそ、お腹いっぱいだとか言って、けっこう食べてたじゃない」

    日暮「……僕は以外と負けず嫌いなんでね…」

    梨花「……私も同じく……」

    日暮「次は絶対に勝ちますよ」

    梨花「ふん……やれるもんならやってみなさい」

    日暮「おや?水鉄砲鬼ごっこの時に、僕の作戦に頼ってきたのはどこの誰でしたっけ?」

    梨花「うっ……あの時は追い詰められてて……私だって、その気になればあなたの力なんかいらなくても、勝てるのよ」

    日暮「ほう……じゃぁ、射的で勝負しようよ」

    梨花「もちろん、いいわよ。負けたらラムネおごりね」

    日暮「えぇ、かまいませんよ」

    梨花「………フフフ」ニコッ

    日暮「フフフ」ニコッ

    日暮「…じゃぁ、先に戻っていますね」

    梨花「分かった」

    日暮「」タタタ

    梨花「…」



    スー



    羽入「…梨花…」

    梨花「…羽入……私頑張るわ」

    羽入「!!」

    梨花「この世界で私の『運命』を変えてみせる」

    羽入「……梨花……」
  79. 79 : : 2016/07/31(日) 11:19:36
    日暮「おまたせしました!」タタタ

    魅音「トイレにしては長かったね」

    日暮「ちょっとお腹をこわしていたので…きっと焼きそばの食べ過ぎだと思いますけど…」

    レナ「大丈夫?」

    日暮「えぇ………ところで圭一さん、その格好は何ですか?」

    圭一(メイド服)「…」ムッス

    魅音「あぁ、これ…罰ゲームとしてメイド服を着させたんだよ」

    沙都子「ちなみに、猫耳をつけているのがポイントなのですのよ」

    レナ「はうううう~~かぁいいよぉ~おもちかいりぃ♪」ハァハァ

    圭一「…うぅ……ひどすぎる…」シクシク

    梨花「」タタタ

    沙都子「あ!梨花、お腹大丈夫ですの?」

    梨花「大丈夫なのです!」ニコッ

    日暮「魅音さん、次は射的をやりましょうよ」

    魅音「おっ、そうしようか。ほら圭ちゃん、いつまでも膨れっ面してないで行くよ」スタスタ

    圭一「へいへい…」スタスタ

    レナ「はうううう~~♪」ウキウキ
  80. 80 : : 2016/07/31(日) 14:45:05
    カシャッ



    日暮「!!」チラッ

    ???「あぁ、ごめん。君達があまりにも楽しそうな顔だったからつい……」

    圭一「あ!富竹さん!今俺のメイド服姿もとっただろ!」

    富竹「ハッハッハッ…その服装似合っているよ」

    魅音「その写真、コンクールに出しちゃえば~?」

    圭一「や、やめてくれ~」

    ???「あらあら、楽しそうね」

    レナ「鷹野さん、こんばんは」

    鷹野「フフフ…こんばんは」ニコッ

    魅音「富竹さん!圭ちゃんと一緒に射的をやってよ!」

    富竹「あぁ、もちろんいいよ」

    圭一「よーし、負けないぜ!」





    魅音「いちについて…よーい、ドンッ!」

    圭一「よっ!」パンッパンッ

    富竹「せいやっ!」パンッパンッ

    日暮「圭一さん、うまいですね!」

    圭一「へっへっへっ…こんなの朝飯前だぜ!」パンッパンッ

    鷹野「富竹さんも頑張って~」

    富竹「よっ!」パンッパンッ

    レナ「あ、圭一くん。あの熊のぬいぐるみ取ってくれないかな?かな?」

    圭一「よーし、富竹さん。あの熊とったほうが勝ちってことにしますか?」ジリッ

    富竹「あぁ、いいとも…」ジリッ

    圭一「ほっ!」パンッ

    富竹「はっ!」パンッ



    熊のぬいぐるみ()パインッパインッ



    魅音「ありゃりゃ…どっちも落とせなかったね…」

    圭一「くっそ~…まっ、引き分けってところかな…」

    富竹「圭一くん、射的のセンスあるね」

    圭一「いやいや…それほどでも///」

    レナ「………くまさん……ほしかったなぁ…」ハァ

    日暮「僕が取ってあげましょうか?」

    レナ「ほんとに!?ありがと~」

    梨花「僕も取ってあげるのです~」

    沙都子「では、どちらが先に熊のぬいぐるみを取れるのか、勝負ということになりますわね」

    圭一「勇矢!今度こそ絶対勝てよ!」

    日暮「もちろんですとも!」グッ

    梨花「くまさん、絶対に取るのです」ニコッ
  81. 81 : : 2016/07/31(日) 16:05:19
    魅音「よーい、スタート!」

    日暮「」パンッパンッパンッ

    梨花「」パンッパンッパンッ



    熊のぬいぐるみ()パインッパインッパインッ



    梨花「なかなか取れないのです~」

    日暮「(頭の部分を狙うか)」パンッパンッ



    熊のぬいぐるみ()ユラッ



    圭一「おぉ!!」




    熊のぬいぐるみ()ピタッ




    圭一「あぁ~」ガクッ

    日暮「うぅ…取れませんでした…」ガクッ

    梨花「この勝負……もらったわ」カチャッ




    パンッパンッ




    熊のぬいぐるみ()ヨロッヒューストンッ




    魅音「おぉ~」パチパチ

    屋台の親父「やったなお嬢ちゃん!大当たりだ!」スッ

    梨花「ありがとうございますなのです!」ニコッ

    沙都子「やりましたわね梨花!」グッ

    梨花「はいっ♪どうぞなのです」スッ

    レナ「わぁ~♪かぁいいよぉ~ありがとぉ」スリスリ

    日暮「…僕の負けですね…」ハァ

    梨花「……じゃっ、ラムネ1本おごってもらうわよ」

    日暮「わかっていますよ」

    レナ「あ!梨花ちゃんだけずるい!レナも!」

    日暮「え?いや、これは僕と梨花ちゃんの勝負で…」

    魅音「これは勇矢くんの罰ゲームだよ。部活メンバー全員にラムネをおごる………あれ?もしかして他のほうがよかった?」ニヤッ

    日暮「いえ、ラムネ全員分おごります」

    圭一「ちょっと待て!何で勇矢だけ軽いやつなんだよ!」

    魅音「だって、罰ゲーム初心者だからねぇ~あんまりきついのをやっちゃうと、登校拒否にでもなられたら、たまったもんじゃないからねぇ」

    圭一「そ、それもそうか…」

    日暮「はいっ!みなさん、買ってきましたよ!」

    魅音「おっサンキュー」ヒョイプシュッゴクゴク

    魅音「ぷはぁ~夏はやっぱり、ラムネにかぎりますなぁ~」シミジミ

    沙都子「そうですわね~」シミジミ

    レナ「ん~冷たくて美味しい~」ゴクゴク

    梨花「お喉がうるおうのです~」

    日暮「ご満足いただけたのなら、幸いです」ニコッ

    圭一「…ありがとうな、勇矢」

    日暮「はい?」

    圭一「…よかったよ。俺が沙都子の叔父を殺さなくて…」

    沙都子「ん?どういうことですの?」

    圭一「お前が倒れたとき、俺は決心したんだ『沙都子の叔父を殺す!』…ってね。そのほうが沙都子を救うことができるし、それが最善の方法だって思っていた…けど、勇矢がそれよりも、もっといい方法があるって言ってきて…」

    魅音「もっといい方法?」

    圭一「あぁ…それは、沙都子の叔父を殺人罪で逮捕させること…」

    レナ「…どういうことなのかな?」

    日暮「僕、たまたまダム現場で宝探しをしていたら、沙都子のおじさんが凶器を隠しているところを目撃してしまったんです。それでそのことを警察に伝えた方が殺すよりもいいって話したんですよ」

    沙都子「なるほど……そういうことでしたの」

    圭一「もし、お前がそのことを話さなかったら、俺はとんでもないあやまちをおかしていたかもしれない…本当にありがとうな」

    日暮「いえいえ、当然のことをしたまでです…」

    沙都子「…圭一さん、勇矢さん……私のために…ありがとうございますですわ」ニコッ

    圭一「沙都子…」

    沙都子「おかげで、今日のお祭り……とても楽しむことができましたわ」ニコッ

    日暮「沙都子ちゃん……どういたしまして」ニコッ

    富竹「うおおおおおお!」ドッバアアアア

    魅音「うわっ!いきなりどうしたの!?」

    富竹「君達のあつい友情にとても感動した!」ドッバアアアア

    圭一「は、はぁ…」

    富竹「同級生のためにそこまでやるとは……すばらしい!すばしいよぉぉぉぉ」ドッバアアアア

    鷹野「あらあら、大の大人が泣いちゃって…はいっ」スッ

    富竹「うぅ…鷹野さん…ありがとう」フキフキ
  82. 82 : : 2016/07/31(日) 16:54:31
    鷹野「じゃぁ、私達はこれで……お祭り楽しんでね」スタスタ

    日暮「あっ!待ってください!」

    鷹野「あら、何かご用で?」ピタッ

    日暮「富竹さん、ちょっとこっちに来てくれますか?」

    富竹「ん?なんだい」スタスタ



    彼は、富竹と鷹野の手を取ると、ミサンガみたいなもので、二人の手首をぐるぐると巻いた。



    日暮「……これでよしっ!」ギュッ

    富竹「なんだいこれは?」

    日暮「二人が離れないようにするためのおまじない……みたいなものです!お二人は付き合っているんですよね?」

    富竹「え?いや……その…ハハハ…まいったなぁ///」

    鷹野「あらあら…」クスッ

    日暮「夜はなにかと物騒ですからね。鷹野
    さんを家に送り届けるまで、ほどいちゃダメですよ!」

    鷹野「ハイハイ、ちゃんと送り届けてくれるまでほどきませんよ……ねぇ富竹さん?」ギュッ

    富竹「あ、あぁ///」

    圭一「おっ、あついですねぇ~」ニヤニヤ

    梨花「ヒューヒューなのです!」

    魅音「よっ!ベストカップル!」

    富竹「よ、よせよ///」

    レナ「照れてる富竹さん、かぁいいよぉ~」ハァハァ

    富竹「じゃ、じゃぁ…行こうか///」スタスタ

    鷹野「えぇ…」スタスタ

    梨花「…」

    鷹野「あ、そうそう…」クルッ

    圭一「なんですか?」

    鷹野「『鬼隠し』にあわないように気をつけるのよ」

    圭一「え?」

    日暮「……あなたもね」

    鷹野「フフフ…じゃぁね…」スタスタ

    梨花「…」





    その後、鷹野と思われる焼死体と富竹さんの死体が発見された。
  83. 83 : : 2016/07/31(日) 17:53:42
    フォローありがとう!頑張ってね!
  84. 84 : : 2016/07/31(日) 19:04:52
    >>83ありがとうございます!!頑張ります!
  85. 85 : : 2016/07/31(日) 20:06:17
    ~学校~



    ワイワイガヤガヤ



    圭一「富竹さんと鷹野さんが殺されたぁ!?」

    魅音「うん……そうみたい……」

    沙都子「昨日あんなに元気でしたのに…」

    レナ「一体何があったんだろうね…」

    梨花「…」

    日暮「…」



    ガララ



    知恵先生「勇矢くん」

    日暮「!!はい」

    知恵先生「警察の方があなたに聞きたいことがあるそうよ」

    日暮「はい……分かりました」

    梨花「…」





    大石「あぁ、どうもぉ…先日は捜査ご協力ありがとうございました。おかげさまで、無事犯人を逮捕することができました」ペコリ

    日暮「当たり前のことをしたまでですよ……それで、何が聞きたいんですか?」

    大石「あぁ、はいはい……えぇと……昨夜、9時ごろすぎ……園崎魅音さん、前原圭一さん、北条沙都子さん、竜宮礼奈さん、古手梨花さんとあなたは鷹野三四さんと富竹ジロウさんに会っていますよね?」

    日暮「えぇ、それが何か?」

    大石「何か……手首にミサンガみたいなものを着けておられましたかな?」

    日暮「ミサンガ?あぁ、それ僕が着けました」

    大石「ほう、それはどうして?」

    日暮「夜は物騒ですからね。富竹さんが鷹野さんをしっかり守ってくれるように、僕がおまじないを込めて二人の手首に巻きつけたんですよ。あの二人いい感じでしたからね」

    大石「はっはぁ……なるほど……今、『二人の手首に巻きつけた』と言いましたが、それは別々に着けましたか?」

    日暮「いいえ、二人の手首をまとめて着けましたが……それがどうかしたんですか?」

    大石「実はですね………富竹さんの遺体の近くに、切れたミサンガが落ちていたんですよ」

    日暮「切れたミサンガ?」

    大石「えぇ、しかもそのミサンガ、鋭利の刃物のような物できれいに切った跡があるんですよ」

    日暮「……鋭利の刃物で?それは本当ですか?」

    大石「えぇ。おそらく富竹さんと鷹野さんを襲ったときに、何者かが切った可能性が高いと思われますが………そこのところ何か心当たりはありますかね?」

    日暮「……いいえ」

    大石「……そうですか。では、今日はこの辺で失礼させていただきます。また何かありましたら、いつでもご連絡下さい」ザッザッ

    日暮「お疲れ様でした!」ペコリ

    大石「」ザッザッ

    日暮「…」
  86. 86 : : 2016/07/31(日) 21:07:44
    ~校舎裏~



    梨花「切れたミサンガが落ちていた?」

    日暮「そう。襲ったときに誰かが切ったって、大石さんは言っていたけど……」

    梨花「…ふ~ん…」

    日暮「あのミサンガは富竹さんと鷹野さんを鬼隠しから、救うためにやった対策だったんだけど…ある欠点があったんだ」

    梨花「欠点?あぁ……もし、襲われたときに攻撃しようと思っても、片手が相手と結ばれているから二人同時で戦わなきゃいけない……ってことでしょ?」

    日暮「そう……しくじったなぁ…」ハァ

    梨花「普通に考えて、もし襲われたら富竹が鷹野を守るでしょうね。そしたら、間違いなくミサンガを切るはず……でも、あいつ刃物なんて持ってたかしら?」

    日暮「そこは僕も疑問に思っていたんだよ。仮に刃物を持っていたとしても、襲われている状況で冷静に切れると思う?少なくとも、焦りで切れ方がまばらになるはず………だけど、落ちていたミサンガはきれいに切られていた……」

    梨花「つまり、誰かが富竹と鷹野を殺したあと、切ったってことになるの?」

    日暮「……そうかしれないね…」

    梨花「ということは……富竹と鷹野が殺されたのはあんたのせいってことになるわよ」

    日暮「うぅ……そうなりますね……」ハァ

    梨花「……まぁ、彼らが殺されるのは『運命』で決まっていたし、仕方のないことだと思うけど…」

    日暮「…」ハァ

    梨花「そう落ち込まないで。もっとよく考えなかったあんたが悪いと思うけど、直接殺したわけじゃないから、犯人にならないって」

    日暮「……それ誉めてるの?けなしているの?」

    梨花「どっちもね」

    日暮「…そう…」

    梨花「……ま、過ぎたものはしょうがない。今日は久しぶりに部活をやろうと思うんだけど……あんたもやる?」

    日暮「えぇ、それはかまいませんけど…」

    梨花「じゃっ、決まりね…」

    日暮「!!」バッ

    梨花「……どうかしたの?」

    日暮「…今…誰かに見られてる感じがしませんでしたか?」

    梨花「……確かにそんな感じはしたわね……」

    日暮「…気をつけてください。次は梨花ちゃんかもしれませんよ」

    梨花「……そうかもしれないわね……」

    日暮「…行きましょうか」ニコッ

    梨花「えぇ……」スタスタ

    日暮「…」スタスタ




    ザッ



    小此木「…」ジッ
  87. 87 : : 2016/07/31(日) 23:05:51
    ~放課後~



    魅音「これより、部活をはじめたいと思う!」

    沙都子「パチパチですわ」パチパチ

    圭一「やるのひっさしぶりだなぁ~」

    レナ「色々あったからね…」

    魅音「なので、おもいっきり遊びまくりたいと思う!」

    圭一「賛成だぜ!」

    魅音「内容は…勇矢くんからの提案で、逆かくれんぼをやります!」

    日暮「隠れている人を見つけたら負けというゲームです」

    圭一「…それかくれんぼじゃねぇよな?」

    魅音「うん。だから『逆かくれんぼ』」

    圭一「…何か頭がこんがらってきた…」

    レナ「要するに、『みーつけた』って言ったら負けっていうことだよね?」

    魅音「そのとおり!」

    圭一「ふん……そんなの簡単じゃねぇか!やってやるぜ!」

    レナ「じゃぁ通常のかくれんぼどおり、鬼を決めるね!」

    圭一「じゃんけんぽい!」バッ



    圭一…グー
    沙都子…パー
    レナ…パー
    魅音…パー
    梨花…パー
    日暮…パー



    圭一「うげっ…」

    沙都子「相変わらずじゃんけんが弱いですわね」

    圭一「うぅ…ちきしょうめ…」シクシク

    魅音「制限時間は30分!『見っけ』って言った人が罰ゲームをうける!もし言わずに30分間のりきれたら、鬼以外の人が罰ゲームをうける…これでどうかな?」

    日暮「かまいませんよ」

    レナ「よーし、頑張るぞ!」

    魅音「じゃっ、圭ちゃん。目を隠して30秒数えて」

    圭一「え?逆かくれんぼなんだろ?やる意味あるのか?」

    魅音「いいから!」

    圭一「へいへい…いーち、にーい、さーん…」







    圭一「にじゅうはーち、にじゅうくー、さんじゅう!!」

    圭一「よーし、見つけてやるぜ!」

    圭一「……って、見つけたらダメなんだっけ…」

    圭一「よーし探さないぞ~!…!!」




    ~花壇の上~

    魅音「」コソコソ



    ~物置~

    レナ「…」チラチラ



    ~木~

    沙都子「…」ジー



    ~校舎の屋根の上~


    梨花「…」ジー




    圭一「うっわぁ…くっそーあいつら…あんなにバレバレな所に隠れやがって…いや、もう隠れてなんかいないか…」

    圭一「俺をはめようとしてるな…だが、あまい!俺は絶対に言わない!みっ…おっと…あぶないあぶない…危うく自滅するところだったぜ…」

    圭一「よーし、このまま言わずに30分間乗りきるぞ!」
  88. 88 : : 2016/07/31(日) 23:22:12
    ~25分経過~



    圭一「…」ウトウト




    沙都子「ムムム…こんなにバレバレに隠れているのに全然気づかないなんて…」

    日暮「…たぶん、気づかないふりをしているんだと思いますけど…」

    沙都子「!!勇矢さん!?いつのまに!?」

    日暮「沙都子さんが『ムムム…』って言った時からです」

    沙都子「最初っから聞いていましたのね…」

    日暮「……いい方法お教えしましょうか?」

    沙都子「……いい方法?」

    日暮「えぇ、100%勝てますよ」

    沙都子「ひゃ、ひゃくぱーせんと!?」

    日暮「…どうします?」

    沙都子「…その…いい方法とは……なんですの?」

    日暮「それは……ゴニョゴニョ……」

    沙都子「うんうん…なるほど!それなら勝てますわね!」

    日暮「さっそく、やってみましょう!」
  89. 89 : : 2016/07/31(日) 23:51:25
    圭一「…」コクリコクリ



    ドガッ



    圭一「!!いって~」スリスリ

    圭一「誰だよ石を投げたやつ!打ち所が悪かったら死んでたぞ!……ん?石に何か貼ってあるな…」ピラッ





    ~圭一さんへ~


    『見っけ』って言ってくれたら、エンジェルモートのスイーツ食べ放題チケットを差し上げますわ


    沙都子より




    圭一「なっ!エンジェルモートの食べ放題チケットだと~!?」チラッ

    沙都子「」ピラピラ

    圭一「くっそー……食べ物で俺を吊るすきか…その手には乗らないぜ!」





    沙都子「全然効いていませんわよ!」

    日暮「ムムム……かくなる上は…」




    圭一「あともう少し…もう少しで……俺様の勝ちだ!」




    ドガッ




    圭一「いって!今度は何だよ!」ピラッ




    ~圭一さんへ~



    もし『見っけ』って言ってくれたら、エンジェルモートの食べ放題だけでなく、魅音さんと詩音さんの女体盛りもプレゼントさせていただきます



    沙都子より





    圭一「な、なに~!?」

    圭一「魅音と詩音の……女体盛り……だと?」

    圭一「いや、落ち着け前原圭一!これは罠だ!絶対に罠だ!」

    圭一「……でも、もし罠じゃないとしたら…」

    圭一「…もし俺が『見っけ』って言ったら…魅音と詩音の……女体盛りを…」

    圭一「グフフフフフフ…」ジュル

    圭一「その話乗ったぜ!沙都子、みーつけた!」




    沙都子「やりましたわ!」

    日暮「僕達の勝ちですよ!」

    沙都子「ところで、勇矢さん」

    日暮「なんですか?」

    沙都子「ニョタイモリってなんですの?」

    日暮「あぁ、それは……えぇと………あ!とてつもなく珍しいイモリのことですよ!」

    沙都子「へぇ~そうなんですの…」

    日暮「(何とかごまかせたぁ…)」フゥ

    沙都子「?」
  90. 90 : : 2016/08/01(月) 12:19:01
    魅音「圭ちゃん、アウト~」

    レナ「おしかったね圭一くん」

    圭一「あぁ……そうだな…」

    魅音「さてと……罰ゲームは何にしようかな…」

    日暮「エンジェルモートで、スイーツ食べ放題を全額おごるというのはどうです?」

    梨花「賛成なのです~」

    圭一「え?食べ放題のチケットがあるんじゃないのか?」

    魅音「え?」

    レナ「え?」

    梨花「みぃ?」

    日暮「え?」

    沙都子「え?」

    圭一「……え?だって、エンジェルモートの食べ放題のチケットがあるって……沙都子が……」

    沙都子「……何を言っていますの?そんなのありませんわ」

    圭一「え?さっき、お前らが見せたチケットは?」

    日暮「これはただ細長く切った新聞紙ですよ」ピラピラ

    圭一「え?………じゃぁ……あ、あれ…は?」

    日暮「それもありません」

    圭一「………お前ら!騙しやがったな!」

    沙都子「オーホッホッホッ…騙される方が悪いんですのよ」

    圭一「くっそ~!」

    魅音「……というわけで圭ちゃん、エンジェルモートの食べ放題、ごちそうさまです!」

    圭一「うぅ…」ガクッ

    レナ「じゃぁ…エンジェルモートへレッツゴー!」
  91. 91 : : 2016/08/01(月) 20:02:57
    ~エンジェルモート~



    ウェイトレス一同『いらっしゃいませ!エンジェルモートへようこそ!』



    圭一「おぉ!!スゲーな!」

    レナ「制服かぁいいよぉ~おもちかえりぃ」ハァハァ

    ???「いらっしゃいませ~」

    圭一「あれ?……もしかして…詩音か?」

    詩音「はい!ここで、アルバイトしているんです!」

    圭一「へー…そうなんだ」

    魅音「詩音、6人なんだけど……大丈夫かな?」

    詩音「はい!大丈夫です!6名様ご案内で~す」






    詩音「ご注文は何にいたしますか?」

    魅音「スイーツ食べ放題を6人前!」

    詩音「はい!かしこまりました~制限時間は1時間で、そちらのメニューからお好きなものをお選びください!」

    沙都子「さて……どれにしましょうか………この、プリンアラモードにしますわ」

    レナ「レナ、パフェがいい!」

    梨花「僕はあんみつにするのです」

    魅音「私はフルーツの盛り合わせと……勇矢くんと圭ちゃんは?」

    圭一「う~んと…ショートケーキ!!」

    日暮「じゃぁ……ゼリーで!」

    詩音「かしこまりました!ごゆっくりどうぞ~!」

    魅音「さぁ、遠慮なく注文していいよ!全部圭ちゃん持ちだからねぇ~」ニヤニヤ

    圭一「うぅ……でも、詩音がここで働いているなんて意外だな」

    魅音「詩音が言うには…お給料がいいからだって」

    圭一「そうなのか」

    レナ「詩ぃちゃん、制服似合っていたな~……はううう~おもちかえりぃ」ハァハァ

    魅音「れ、レナ…さすがに私の妹をお持ち帰りするのはやめてくれ…」

    レナ「え~」







    詩音「おまたせしました~」コトッ

    圭一「おぉ!うまそうだな!」

    レナ「いっただきまーす!」パクッモグモグ

    レナ「ん!ちょうどいい甘さで、いくらでも食べれるよ!」パクパク

    詩音「ありがとうございま~す」ニコッ

    圭一「完全にウェイトレスになりきっているな」

    詩音「最初は恥ずかしかったんですけど……今は馴れてしまってこの仕事を楽しんでいます!」

    魅音「よかったね、いい仕事が見つかって」

    詩音「えぇ」

    日暮「改めて見ると……本当にそっくりですね」

    詩音「よくおねぇに間違われます」

    魅音「でも、色々と便利な時もあるんだよね~例えば……学校サボりたいときに入れ換えて登校するとか」

    圭一「え!?お前ら交代で学校に通ってんのか!?」

    魅音「そんなことするわけないでしょ!」

    詩音「あくまで例えですよ!あとは……好きな人にお弁当を送りたいときとか…」

    魅音「ちょっと…詩音///」

    詩音「あれれ~?急に反応しちゃって…もしかして心当たりがあるんですか~?」ニヤニヤ

    魅音「そ、そんなわけ///」

    日暮「そういえば、圭一さんのご両親の方が東京に行ってた時に、詩音さんからお弁当をもらいましたね…」

    圭一「あぁ、あれか!すっごくうまかったぞ!」

    詩音「フフフ…ありがとうございます」ニコッ

    日暮「…どちらがお作りになられたんですか?」

    詩音「それは…」チラッ

    魅音「そ、それはもちろん詩音だよ!おじさん、ぶきっちょだし…」

    圭一「まぁ、お前が料理得意なわけないか」

    魅音「う、うるさい!」バシッ

    圭一「いった!…何すんだよ!」

    魅音「と、ところで圭ちゃん。そのショートケーキ食べないの?食べないなら、それもらっちゃうぞ~?」

    圭一「うるせぇ!これから食べるつもりだったんだよ!」バクバク

    魅音「ふーんだ」ベー

    圭一「ふーんだ」ベー

    詩音「フフフ…」クスッ

    梨花「(相変わらず圭一は鈍感ね…)」モグモグ
  92. 92 : : 2016/08/01(月) 20:39:21
    詩音「あ、そうだ!明日みんなでピクニックに行きません?」

    沙都子「あら、いいですわね!」

    レナ「じゃぁ、レナがお弁当作ってくるよ!」

    日暮「レナさんの手料理ですか…楽しみですね!」

    詩音「決まりね!場所は…古手神社はどうかしら?」

    魅音「え?でも、あそこは梨花ちゃんの所有物だし…」

    梨花「神社はみんなで使うところなので、別にかまわないのです。にぱー☆」

    詩音「梨花ちゃまありがとう!」

    魅音「…あ!話に夢中になっていたから、あと40分しかない!みんな、どんどん食べて!」バクバク

    レナ「」バクバクバクバク

    沙都子「」バクバクバクバク

    梨花「」バクバクバクバク

    圭一「何をそんなに慌てているんだ?」

    魅音「圭ちゃん、食べ放題っていうのはね…元を取らなきゃダメなんだよ!」バクバク

    圭一「はぁ…」

    魅音「詩音!このメニューに書いてあるやつ全部持ってきて!あと、ポテト2皿別料金で追加ね!!」バクバク

    詩音「はいはい~い♪」

    魅音「ほら、圭ちゃん!口動かしている暇があったら、どんどん食べて!」バクバク

    圭一「はぁ……」

    魅音「それとも…もうお腹いっぱいなの?情けないね~」

    圭一「なっ!!……よーし、食ってやろうじゃねぇか!」バクバク





    詩音「はい!食べ放題終了でーす!みなさん、たくさん食べましたね~!」

    圭一「あ、あぁ…」ウップ

    魅音「は、腹が…」ウップ

    沙都子「もう何も食べれませんわ…」ウップ

    梨花「お腹パンパンなのです~」ウップ

    レナ「みんな、大丈夫?」

    日暮「あれ?レナさんは平気なんですか?」

    レナ「レナは甘いもの好きだから、これくらいペロリと平らげちゃうよ。そう言う勇矢くんも平気そうな顔をしているけど…」

    日暮「僕はポテトを中心に食べていましたから…みなさん、本当に大丈夫ですか?」

    圭一「あぁ、大丈夫………じゃない…」ウップ

    魅音「甘いもの……嫌いになりそう……」



    『おめでとうございまーす!』



    圭一「!?」

    詩音「て、店長?」

    店長(男)「いや~君達すごいよ!今、キャンペーンで『エンジェルモート』スイーツ全品食べたら、お会計がタダになるのをやってましてね…」

    圭一「え?ということは……」

    店長「お会計は払わなくてけっこうです!」

    詩音「おめでとうございます!」パチパチ

    日暮「やったぁ!」

    魅音「よし!」

    梨花「とてもうれしいのです~」

    沙都子「やりましたわ!」

    レナ「やったね!」

    圭一「よっしゃぁ!………!!」ピタッ

    日暮「……圭一さん?」

    圭一「………ちょっとトイレに…」サササ

    魅音「もう、圭ちゃん///」

    一同『ハハハハハ!!』クスクス
  93. 93 : : 2016/08/01(月) 21:54:13
    ~エンジェルモート前~




    魅音「じゃぁ、私達は少し寄り道してから帰るから」

    圭一「そうか、またな!」

    詩音「それではみなさん、また明日会いましょうね♪」

    圭一「おう!」

    日暮「さようなら!」

    レナ「また明日会おうね~!」

    沙都子「……では、私と梨花はこれから買い物に行かなければなりませんので、ここで失礼しますわ」

    圭一「おう、またな!」

    レナ「じゃぁね梨花ちゃん、沙都子ちゃん」

    日暮「バイバイ!」

    梨花「バイバイなのです~」

    日暮「!!」バッ

    圭一「どうした?」

    日暮「……何か視線を感じませんでしたか?」

    圭一「……いや?何も感じないけど…」

    日暮「そうですか…行きましょう」スタスタ

    圭一「……勇矢のやつ何かあったのか?」ボソッ

    レナ「さぁ?……きっと部活で疲れちゃったんだよ」

    圭一「そうだな」

    日暮「…」






    ~梨花の家~



    梨花「……また視線を感じた?」



    『うん。誰かが僕達のことをつけているんだと思う』



    梨花「……えぇ。そうだと思うわ」



    『犯人に何か心当たりはある?』



    梨花「……ないわ」



    『そう……恐らく狙いはきみだと思う。だから、しっかり戸締まりしといて。あと、もし何かあったらすぐに警察に電話すること』



    梨花「………分かったわ……」



    『じゃぁ……おやすみ』



    梨花「おやすみ……」




    ガチャッ



    沙都子「ふぅ~」フキフキ

    梨花「…」カチャ

    沙都子「あら、誰とお電話をしていましたの?」

    梨花「明日のピクニックの確認をしていたのです~」

    沙都子「あぁ…明日楽しみですわね!」

    梨花「にぱー☆」





    沙都子「」スースー

    梨花「…」



    スー



    羽入「梨花……『運命の日』は近いのです…」

    梨花「えぇ……」

    羽入「……怖いですか?」

    梨花「当たり前じゃない……私は殺されるんだから……」

    羽入「……何か方法はないのですかね?」

    梨花「う~ん……警察に言って保護させてもらうしか…」

    羽入「相手は『山狗』ですよ!警察が太刀打ちできるわけないのです!」

    梨花「……じゃぁ……どうすればいいの…」

    羽入「…」

    梨花「……もし彼に全てを打ち明けたら……何かいい策が出るかもしれないわね…」

    羽入「梨花!それはダメなのです!」

    梨花「……フフッ……そうね……さすがに彼を巻き込むわけにはいかないわね……これは、私だけの問題……自分で考えてみるわ。私は絶対に殺されたりなんかしない……」ギュッ

    羽入「…」
  94. 94 : : 2016/08/02(火) 21:37:41
    ~翌日・古手神社~




    詩音「では、みなさんお揃いのようなので、ピクニックをはじめましょう!」

    レナ「わーい!ピクニック♪ピクニック♪」

    詩音「みなさ~ん!私の後についてきてくださ~い!」

    レナ「は~い!」

    圭一「詩音、すごいハイテンションだな…」

    梨花「詩音は僕達と一緒に過ごせるのがうれしいのだと思いますです」

    圭一「ハハハ…そうかもな」

    梨花「詩音が通っている学校はとても規則が厳しいのです。そのせいで友達すらまともに作れないのです」

    圭一「そうなのか…じゃぁ、今日はおもいっきり楽しませてから帰ってもらおうぜ!」

    梨花「みぃ♪」ニコッ

    詩音「おーい、そこの二人~早く~」

    圭一「行こうか」タタタ

    梨花「!!」バッ

    圭一「ん?梨花ちゃん?」ピタッ

    梨花「な、なんでもないのです…」

    圭一「そうか」タタタ

    梨花「…」タタタ



    ザッ



    隊員(山狗)A「…」






    レナ「じゃじゃ~ん!レナのお弁当スペシャルバージョンだよ~」

    圭一「おぉ~!」

    沙都子「すごい量ですわね…」

    レナ「えへへ…張り切りすぎて、少し作りすぎちゃった…」

    梨花「でも、どれも美味しそうなのです~」

    詩音「さっそく、いただきましょう!」

    一同『いっただきまーす!』

    圭一「」パクッモグモグ

    レナ「…どうかな?かな?」

    魅音「うまい!」モグモグ

    日暮「このハンバーグ、肉汁が口の中で広がってとても美味しいです!」モグモグ

    圭一「どれも最高だぜ!」

    梨花「レナは料理がとっても上手なのです~」

    レナ「よかったぁ…」ホッ

    詩音「ほーら、沙都子ちゃんが大好きなかぼちゃですよ~」

    沙都子「ちょっとやめてくださいまし!わたくし、かぼちゃは大嫌いですのよ!」

    圭一「そんなこと言っていると大きくなれないぞ」

    日暮「そうですよ。かぼちゃには色々と体に必要な栄養分が入っていますから、魅音さんや詩音さんのような魅力的な女性になりたいのでしたら、食べた方がいいですよ!」

    梨花「(何ですって!?)」

    沙都子「魅力的な女性……」

    魅音「おっ!勇矢くん分かっているね~!圭ちゃんとは大違い」チラッ

    圭一「ふんっ、俺はお前が魅力的だとは思わないね!」

    魅音「はぁ!?それどういう意味よ!」

    圭一「お前は女じゃない!ベロベロベー!」

    魅音「ふーんだ!圭ちゃんのドアホー!」

    沙都子「…」

    詩音「ほら、あ~ん…」

    沙都子「…あ~ん…」パクッモグモグ

    魅音「おぉ!!」

    レナ「あの沙都子ちゃんがかぼちゃを…」

    沙都子「…」モグモグ

    詩音「どう?美味しい?」

    沙都子「………やはり変な味ですけど……悪くは……ありませんわね…」モグモグ

    圭一「やったな沙都子!かぼちゃ克服だな!」

    沙都子「えぇ……なんとか…」モグモグ

    詩音「じゃぁここにあるの全部食べれるわよね~?」

    沙都子「そ、それは勘弁してくださいまし~!」

    一同『ハハハハハ!』クスクス

    レナ「あれ?梨花ちゃんって、そんなにかぼちゃ好きだっけ?」

    梨花「みぃ?」パクッモグモグ

    圭一「うわっ!すっげー量だな!」

    梨花「僕も魅力的な女性になりたいので、いっぱいかぼちゃを食べるのです~」

    沙都子「あっ!そんなに食べて!わたくしにもよこしてくださいまし~!」

    魅音「ハハハ…かぼちゃ大人気だねぇ~」

    レナ「もっと作ってくればよかったかな?」

    梨花「(これを食べれば魅音や詩音のような魅惑的なボディに…)」バクバクバクバクバクバク

    日暮「あぁ、そうそう!魅力的な女性になれるというのは、好き嫌いを無くすと背が大きくなるという話であって、別にかぼちゃを食べると胸が大きくなるということではありませんよ」

    梨花「!!」ピタッ

    沙都子「そんなの分かっていますわよ。わたくしは好き嫌いを無くすことで、魅音さんや詩音さんのように背が高くなりたいですのよ」

    圭一「え?そうだったのか?俺はそのままの方がいいと思うな」

    詩音「そうですよ。その背が低くて可愛らしいのが沙都子ちゃんの魅力なんですから」

    レナ「沙都子ちゃんは充分魅力的な女性だよ!だよ!」

    沙都子「オーホッホッホッ…それもそうですわね!」

    圭一「梨花ちゃんもそう思うよな?」

    梨花「…」

    圭一「……梨花ちゃん?」

    梨花「」キッ

    日暮「ん?……何か?」

    梨花「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    日暮「………え?」
  95. 95 : : 2016/08/02(火) 23:24:26
    梨花「あむ……モグモグ……ん~♪このたこさんウィンナーとっても美味しいのです!」モグモグ

    レナ「…」

    梨花「こっちの卵焼きも美味しそうなのです~いっただきまーす♪」パクッ

    魅音・詩音『…』

    梨花「ん~♪やっぱり、レナの手料理は最高なのです~」モグモグ

    沙都子「…」

    梨花「ん?みんなどうしたのですか?なんで黙っているのですか?」

    魅音「いや…ねぇ…?」チラッ

    詩音「梨花ちゃま……あれは?」

    梨花「あぁ……あれですか?」チラッ

    日暮「誰か助けてください!!」ブラーン

    圭一「勇矢!大丈夫か!」

    日暮「梨花ちゃん、僕が何か変なことを言いましたか?」

    梨花「あなたは一生そこで、宙ぶらりんになりながら、自分のあやまちでも考えていなさい」

    日暮「そんな…」

    圭一「勇矢!今すぐ助けにいくぞ!」

    日暮「圭一さん……ありがとうございます!」

    梨花「圭一、助けたらだめなのですよ」

    日暮「え!?」

    圭一「おいおい……勇矢が梨花ちゃんに何か気にさわるようなことをしたのか知らないけど、いくらなんでもミノムシみたいにグルグル巻きにして、木の一番高いところに吊るすのはないだろ…」

    梨花「これは『反省』なのです♪これくらいしないと、自分のためにはならないのです♪」

    圭一「でも……」

    梨花「もしかしてあなたも『反省』……したいの?」

    圭一「いや、それは……」チラッ

    日暮「圭一さん?ま、まさか……」

    圭一「すまねぇ勇矢!!」クルッタタタ

    日暮「圭一さん?……圭一さ~ん!」ブラーンブラーン

    梨花「圭一、いい子いい子なのです~」

    魅音「お、鬼だ…」

    詩音「り、梨花ちゃまは怒るといつもあんな感じになるんですか?」

    沙都子「いえ………あんな梨花は初めてみましたわ……」

    レナ「梨花ちゃん?いくらなんでもやりすぎだよ!」

    梨花「……あら?あなたも『反省』されたいの?」

    レナ「ひっ……い、いや……その……」

    日暮「ちょっとみなさん!………そんな……」ガクッ

    梨花「フフフ……これを見ながらのご飯はとっても美味しいのです!にぱー☆」
  96. 96 : : 2016/08/03(水) 16:26:45
    ~夕方~



    カァカァ



    圭一「おぉ~」

    沙都子「綺麗な夕日ですわね~」

    梨花「心が洗われそうなのです~」

    レナ「………梨花ちゃん」

    梨花「みぃ?」

    レナ「そろそろ……ほどいてあげてもいいんじゃないのかな?」チラッ

    日暮「…」グッタリ

    レナ「反省しているようだし……許してくれないかな?かな?」

    梨花「………そうね。あれが誰かに見つかったらめんどくさいことになりそうだし…」スタスタ

    梨花「……よっと」ヒョイヒョイヒョイヒョイ

    日暮「………!!梨花ちゃん……」

    梨花「特別に許してあげるわ」ホドキホドキ

    日暮「梨花ちゃん………ありがとう……」

    梨花「…後は自分でほどいて」ヒョイヒョイヒョイヒョイ

    日暮「うん!許してくれてありがとう!」ニコッ

    梨花「…」





    圭一「大丈夫か勇矢?」

    日暮「えぇ……さすがに長時間吊るされるのはキツかったですけど……一生吊るされるよりはまだマシです」

    圭一「そうか…」

    梨花「…」

    日暮「……梨花ちゃん」

    梨花「………何よ」

    日暮「梨花ちゃんが傷つくようなことを言ってごめんない!」ペコリ

    梨花「……私も……吊るして悪かったわ…」

    レナ「じゃぁ、仲直りの握手!ねっ?」

    日暮「」スッ

    梨花「…」ニギッ

    レナ「はいっ!これでおしまい!またいつものように仲良くしてね!」

    日暮「はい!」ニコッ

    梨花「……分かったわ」パッ

    魅音「さてと……もう日が暮れていることだし…今日のところは解散!!」

    レナ「レナ、お父さんの夕飯作らなきゃいけないから、先に帰ってるね!」

    圭一「おう!またな!」

    日暮「さようなら、レナさん!」

    レナ「じゃぁね!」タタタ

    魅音「………沙都子ちゃん」ボソッ

    沙都子「ん?何ですの?」ボソッ

    魅音「梨花ちゃんはどの部分で怒っていたの?いまいち、勇矢くんが失礼なことを言っていたようには見えなかったんだけど…」ボソッ

    沙都子「おそらく……『かぼちゃを食べると胸が大きくなる』………のことだと思いますわ」ボソッ

    魅音「あぁ、な~るほど…」ボソッ

    詩音「意外に気にしているんですね…」ボソッ

    圭一「ん?何の話をしているんだ?」

    沙都子「圭一さんには関係のないことですわ」

    詩音「女の子の特有の悩みですからね~」

    圭一「はぁ……」

    梨花「そこ!!私の悪口を言っている声が聞こえたような気がするけど?」

    詩音「い、いえいえ!」ブンブン

    魅音「ただの世間話!」

    沙都子「梨花には関係のないことですわ!」

    梨花「………そう…なら、いいけど……」

    沙都子「……ふぅ……」ホッ

    魅音「何とかうまくごまかせたぁ…」ホッ

    圭一「?」
  97. 97 : : 2016/08/03(水) 21:15:53
    梨花「…」

    日暮「…梨花ちゃん」

    梨花「……なに?」

    日暮「高いところから見て分かったんだけど、やはり僕達のことをつけている人がいる。しかも一人だけじゃない。何人もいる」

    梨花「……で、そいつらは何をしていたの?」

    日暮「たしか……無線で誰かと連絡をとっていたように見えた…」

    梨花「……どうすれば対処できる?」

    日暮「……まずは戸締まりをしっかりして。もし扉や窓を破るような行動が見られたら、すぐに警察に電話を。その後は、どこか適当な場所へ隠れるのがいいと思う」

    梨花「……もしそれをやってもダメだったら?」

    日暮「その時は……全力で逃げるしかない」

    梨花「……分かったわ……」

    魅音「おーい!梨花ちゃ~ん、勇矢く~ん!帰るよ~」

    日暮「……じゃぁ……気をつけて」タタタ

    梨花「……えぇ……」

    梨花「……」

    梨花「はたして、それで私の『運命』が変わるのかどうか……分からない………けど……やるしかない」

    梨花「私は絶対に自分の『運命』を変えてみせる!!」

    沙都子「梨花~!そこで何をしていますの~?早く帰りましょ~!」

    梨花「!!はーい!すぐ行くのです~」タタタ




    スー



    羽入「……梨花……」

    羽入「『運命』を変えたい………それは僕も同じ気持ちなのです……」

    羽入「でも梨花………誰かの『強い意志』が働いているかぎり………『運命』を変えることはできないのですよ……」

    羽入「どうせ今回も………同じ運命なのですよ……」
  98. 98 : : 2016/08/03(水) 22:22:46
    ~梨花の家~


    ガチャッ


    梨花「ただいまなのです~」バタン

    沙都子「あ~今日はとても楽しい1日でしたわね~」

    梨花「みぃ♪」カチャカチャ

    梨花「(これでよし……一応チェーンはかけたかけど…油断できない……後でドアの前に家具でも置いておくか…)」

    沙都子「何だかお腹が空きましたわね……晩ごはんでも作りましょうか」

    梨花「昼はあんなに食べたのに………沙都子は本当に食いしん坊さんなのです♪」

    沙都子「へへへ///」






    沙都子「さて、いただきましょうか!」

    梨花「いっただきま~すなのです!」パクッ

    沙都子「この肉じゃが、味が染みてて美味しいですわね!」モグモグ

    梨花「みぃ!」モグモグ

    沙都子「あの………梨花?……今日…おふろ…一緒に入りません?」

    梨花「もちろんいいのです!」

    沙都子「本当に!?やったぁ!」

    梨花「フフフ…」クスッ





    梨花「ふぅ~」

    沙都子「極楽ですわね~」

    梨花「お背中お流しいたしますのです」

    沙都子「あら、ご親切にどうも」

    梨花「ゴシゴシゴシ…」ゴシゴシ

    沙都子「あぁ~いいですわよ~気持ちいいですわ~」

    梨花「ありがとうございますです!」ゴシゴシ

    沙都子「今日はいつも以上にサービスがいいですわね?何かあったんですの?」

    梨花「僕はいつもサービス旺盛なのですよ~」

    沙都子「フフ……そうでしたわね」

    梨花「(もしかしたら、こんなことも出来なくなるかもしれない……でも、『運命』を変えることができたら……)」

    梨花「……沙都子」

    沙都子「ん?何ですの?」

    梨花「今度の週末、みんなでプールにでも行きませんか?」

    沙都子「いいですわね~暑い夏にはぴったりですものね」

    梨花「部活メンバーで、泳ぎの競争もしたいのです~」

    沙都子「それもいいですわね!フフフ…圭一さんが溺れているのが目に浮かびますわね……明日誘ってみましょうか」

    梨花「みぃ♪」






    沙都子「」スースー

    梨花「よいしょっと……」ゴトッ

    梨花「ふぅ……」グィッ

    梨花「(これだけ置けば、さすがの山狗でも入れないだろう………窓もかぎをかけたし……後は……)」

    梨花「(朝まで見張るのみね)」
  99. 99 : : 2016/08/03(水) 23:42:55
    ~数時間後~


    梨花「」コクリコクリ

    梨花「………はっ!」

    梨花「いつの間にか眠ってしまった…」ゴシゴシ

    梨花「………今は……深夜0時か……」



    ガサッ



    梨花「!!」




    ガサッガサッ



    梨花「(……ついに来たのね……)」スタスタ

    梨花「沙都子!!おきなさい!」ユサユサ

    沙都子「……………ん?何ですの?……」ゴシゴシ

    梨花「不審者が来るわ!!隠れて!」

    沙都子「………何を言っていますの?」




    ドンッ



    梨花・沙都子『!!』




    ドンッドンッドンッドンッドンッドンッガチャッガチャッガチャッ



    沙都子「り、梨花……」サアア

    梨花「」タタタガラッ

    梨花「」ヒョイカポッ

    梨花「ここに隠れて!早く!」

    沙都子「う、うん…」ヒョイ

    梨花「私は警察に電話してくるから、あなたはそこで隠れてて!」タタタ

    沙都子「わ、分かりましたわ!」

    梨花「」カチャクルッジークルッジークルッジー

    梨花「…………ん?」

    梨花「(電話が繋がらない!?どうして……?)」

    梨花「(……まさか……くそっ…あいつら!もしものことを考えて電話線を切ったのね!!)」

    梨花「(………どうしよう……)」チラッ



    オイッ!ナゼヒラカナインダ!?ドアノマエニナニカオイテアルヨウデス.
    クソッ!マドカラハイルゾ!!



    梨花「(たとえ隠れたとしても、あいつらなら徹底的に探すはず……沙都子を危険な目にあわせるわけにはいかない……)」

    沙都子「梨花!!何をしていますの!早く!」

    梨花「………沙都子……何があっても絶対にそこから出ないで」

    沙都子「……梨花?」

    梨花「………さようなら……大丈夫よ……またすぐに会えるから…」タッ

    沙都子「梨花?……梨花~!!」

    梨花「」カチャガラッ

    隊員A「!!」

    梨花「やぁ!!」ドガッ

    隊員A「ぐあっ!!」ズッドーン

    梨花「」タタタピョーンスタッ

    梨花「………ごめん……沙都子……」タタタ

    隊員B「おい!どうした!」

    隊員A「奴が逃げました!」

    隊員B「追うぞ!」タタタ

    隊員数名『』タタタ

    隊員C「……こちら燕2…」カチッ



    『こちら鳳1。どうした?』



    隊員C「目標が逃走しました。現在、数名の隊員が追っています」



    『そうか……絶対に逃すんじゃないぞ』



    隊員C「了解」カチッ
  100. 100 : : 2016/08/04(木) 16:49:30
    ~森~




    梨花「はぁはぁ…」タタタ

    隊員数名『』タタタ

    梨花「くそ………しつこいわね……」タタタ



    ガサッ



    梨花「!!」ピタッ

    隊員A「」ザッザッ

    梨花「チッ……」クルッ

    隊員数名『』ザッザッ

    梨花「(…………囲まれたか……)」

    隊員数名『』ジャキッスタスタ

    梨花「(……もう…ここまでね……)」

    隊員A「」ジャキッスタスタ

    梨花「(……さようならみんな…………また……別の世界で会いましょう……)」

    隊員A「」ブンッ







    私はゆっくりと目をつぶった







    まぶたの裏には、この世界での思い出が次々とよぎっていった






    この後私は殺されて、雛見沢大災害が起こるだろう







    今回も『運命』を変えることはできなかった







    これで何度目だろう








    何回腹を引き裂かれただろう







    分からない







    もう……………いいや








    これが私の『運命』なのだ








    どうせまたやり直しても同じ『運命』の繰り返し………







    諦めよう








    私はこの『運命』を受け入れる








    この絶望的な『運命』を…………………










    『諦めるな!』








    …………………え?








    その声が聞こえてきた後、周りからかすかな電流の音と大きな悲鳴が耳にはいってきた。







    目を開けると、そこで見たのは倒れてもだえている山狗達とスタンガンを持っている勇矢だった






    梨花「………………勇矢?」

    日暮「奴らが起きる前に早く!!」タタタ

    梨花「え、えぇ…」タタタ
  101. 101 : : 2016/08/04(木) 16:55:10
    隊員A「…………くそ………」カチッ

    隊員A「………こちら……燕1………」




    『こちら鳳1。どうした?』




    隊員A「しゅ…………襲撃です…………何者かに………スタンガンで……………」




    『なに!?誰に襲われたんだ!?』





    隊員A「わ………分かりません…………あまりにも突然のことだったので……………」





    『すぐに増援を呼ぶ。必ず捕らえろ、いいな』





    隊員A「りょ…………了解………」カチッ
  102. 102 : : 2016/08/04(木) 17:04:53
    ~とある基地~




    小此木「………チッ」カチッ

    ???「何かあったの?」

    小此木「!!はい………また古手梨花を逃してしまいました」

    ???「あぁ、そう………でも、増援さえ送れば何とかなるわよ」

    小此木「いえ、それが………どうやら彼女の仲間がいるようなんです」

    ???「仲間?」

    小此木「はい………詳しくは分かりませんが………そいつはスタンガンを持っていたとのことです」

    ???「なるほど………じゃぁ、私が直接その仲間とやらを排除してくるわ」

    小此木「え!?危険ですよ!」

    ???「大丈夫よ。相手は子供だし、死にはしないわ」

    小此木「しかし………」

    ???「それとも何?私があいつらよりも弱いとでも言いたいの?」

    小此木「いえいえ!別にそのようなことでは…」

    ???「じゃぁ、いいわよね?」

    小此木「はい………お気をつけて行ってください…………三佐」

    鷹野「その仲間っていうのもおそらく子供。私が負けるはずはないわ」

    小此木「しかし、もしかすると複数いる可能性もございます」

    鷹野「大丈夫よ。その時は………」カチャッ

    小此木「!!」

    鷹野「この銃で頭を吹き飛ばしてあげる………フフフ…」チュッ
  103. 103 : : 2016/08/04(木) 17:35:38
    ~森~



    梨花「はぁはぁ…」タタタ

    日暮「はぁはぁ…」タタタ

    梨花「………はぁはぁ……」ゼェゼェ

    日暮「……ここまでくれば…………奴らも追ってこないだろう………」ゼェゼェ

    梨花「…………勇矢……どうしてあなたが……あんな所に?」

    日暮「あぁ……実は君の家を見張っていたんだよ」

    梨花「………まったく、あなたも奴らと同じじゃない」ハァ

    日暮「ハハハ………そうかもね…」

    梨花「……助けてくれて……ありがとう……」

    日暮「どういたしまして」ニコッ

    梨花「………そのスタンガン……」

    日暮「ん?あぁ、これ?これは………ダムのところから持ってきたんだ」

    梨花「ダムの所から?………まさか!?」

    日暮「そのまさか。沙都子の叔父さんの凶器に使っていた中から持ってきちゃいました♪」

    梨花「あなた………警察に捕まるわよ」

    日暮「大丈夫だよ。後で謝ればいい話なんだから」

    梨花「………それで済めばいいけどね……」






    ガサッ





    日暮「!!」

    隊員B「」ザッザッ

    日暮「まずい追っ手だ!逃げよう!」タタタ

    梨花「えぇ!」タタタ

    隊員B「逃がすな!追え!」

    隊員数名『』タタタ
  104. 104 : : 2016/08/04(木) 18:59:06
    梨花「」タタタ

    日暮「」タタタ

    隊員数名『』タタタ

    日暮「くそ!どんどん近づいてくる!」タタタ

    梨花「あんたが呑気に話していたからでしょ!」タタタ

    日暮「質問してきたのはそっちの方でしょ!」タタタ

    梨花「言い訳はいいから走りなさい!」タタタ

    日暮「君もね………!!うわあああああ!」

    梨花「!?勇……!!きゃあああああ!!」




    ズザザザザザ




    日暮「………いてて……」

    梨花「………いたた……」

    日暮「…」チラッ

    隊員B「チッ………落ちたか……」

    隊員C「死んだか?」

    隊員B「まだ生きている。回り込むぞ!」

    隊員数名『』タタタ

    日暮「…………どうやら、助かったみたいだね……」

    梨花「全然助かってないわよ……いたた…」

    日暮「大丈夫?」

    梨花「えぇ………いたっ!」ズキッ

    日暮「捻挫したみたいだね………僕がおんぶしてあげるよ」スッ

    梨花「え?………別にいいわよ」

    日暮「いいから!」

    梨花「わ……分かったわ……」ヒョイ

    日暮「よっと……」スタスタ

    梨花「……まったく、あんたのせいで捻挫したじゃない」

    日暮「崖があるとは思わなかった」スタスタ

    梨花「………これからどうするの?」

    日暮「このまま興宮まで行く」スタスタ

    梨花「もし奴らに見つかったら?」

    日暮「見つかったときは………その時に考える」スタスタ

    梨花「全然計画してないのね」ハァ

    日暮「うん」スタスタ

    梨花「…………勇矢……」

    日暮「ん?………なに?」スタスタ

    梨花「………どうして………助けてくれたの?」

    日暮「どうしてって?そりゃぁ………仲間だから」スタスタ

    梨花「仲間………」

    日暮「梨花ちゃん、どんな時でも諦めないことが大事なんだよ」スタスタ

    梨花「諦めない……こと?」

    日暮「そう。それさえあれば、どんな絶望な『運命』だって変えられるんだよ。その証拠に今梨花ちゃんはこうして生きているじゃないか」スタスタ

    梨花「それはあなたが助けてくれたから……」

    日暮「梨花ちゃん……自分を信じようよ。自分を信じれば、『運命』なんて簡単に変えられるんだよ」スタスタ

    梨花「…そうなの?」

    日暮「うん。僕も自分を信じたからこそ、沙都子ちゃんや君の『運命』を変えることができたんだ」スタスタ

    梨花「………あなたって、本当に何者なの?」

    日暮「……フフフ……内緒♪」スタスタ




    ガサッ




    日暮「!!」

    梨花「走って!」

    日暮「言われなくても分かってる!」タタタ

    隊員B「いたぞ!追え!」

    隊員数名『』タタタ

    日暮「はぁはぁ……」タタタ

    隊員数名『』タタタ

    日暮「…まずい………どんどん近づいてくる…」タタタ

    梨花「私をおぶっているからよ!早くおろして!」

    日暮「………君をここでおろすわけにはいかない…」タタタ

    梨花「でも、このままだと二人とも死ぬのよ!」

    日暮「……梨花ちゃん……」タタタ

    梨花「なに?」

    日暮「……歩けますか?」タタタ

    梨花「えぇ……少しぐらいなら……」

    日暮「なら……先に行っててください」ピタッ

    梨花「え………?」

    日暮「この先に大きな橋があります。そこを渡れば興宮です」

    梨花「でも、あんたはどうするの?」

    日暮「僕は後から追いつきますから…」

    梨花「なにかっこつけたこと言っているの!そういう台詞言うやつは大体の確率で死ぬのよ!」

    日暮「大丈夫ですよ。自分を信じれば生きられますから」

    梨花「でも……」

    日暮「いいから早く!奴らが追い付かれる前に!」

    梨花「……分かった……」ヒョイ

    日暮「…」

    梨花「……」ヨロヨロ

    日暮「……梨花ちゃん……」

    梨花「……なに?」

    日暮「また……会いましょう!」ニコッ

    梨花「……えぇ、もちろんよ!」ニコッ

    隊員B「見つけたぞ!」タタタ

    梨花「!!」ヨロヨロ

    日暮「…さてと…」クルッタタタ
  105. 105 : : 2016/08/04(木) 20:55:16
    隊員B「!!」ピタッ

    日暮「ここから先には行かせませんよ」

    隊員B「ほう……お前が古手梨花の仲間か……おい…」

    隊員数名『』ジャキッ

    日暮「フフフ……その刃物で僕に勝てるとでも?」

    隊員B「大人をなめるな、小僧」ジャキッ

    ???「あら、あなただったの」

    日暮「!!」

    隊員B「三佐!!お前ら敬礼!」

    隊員数名『』ビシッ

    鷹野「まぁ、あの子は足を痛めているようだし……すぐに追いつくわね」

    日暮「……やはり、あなたでしたか」

    鷹野「ん?あなた……気づいていたの?」

    日暮「……高野一二三……」ボソッ

    鷹野「!!」

    日暮「フフフ……やはりご存じでしたか…」

    鷹野「あなた…誰から聞いたの?」

    日暮「ここに来る前に少しこの村のことについて調べてみたんです。そしたら、『雛見沢症候群』という病気やそれを研究している研究者……高野一二三さんの存在………そして、あなたがその研究を継いでいることを知りました。オヤシロ様の祟りと言われている連続怪死事件は、あなた方がやったんですよね?」

    鷹野「フフフ……どうやら…ただの坊やじゃなさそうね…」カチャッ

    日暮「!!拳銃ですか………警察に見つかったら取り上げられますよ」

    鷹野「おあいにく様……私は県警を鎮圧できるほどの権力を持っているの」

    日暮「……そうですか」カチャッ

    隊員B「なに!?」

    鷹野「!!あなた…その拳銃…」

    日暮「沙都子の叔父さんに感謝ですよ。まさかこういうのも持っていたなんて…」

    鷹野「フン……銃の撃ち方すらまともにできないくせに…」

    日暮「フフフ……どうですかね?人間、自分を信じていれば思いがけない力を発揮するものですよ」

    鷹野「ふんっ……いい気になって…」

    日暮「悪いけど、あなたはここで死んでもらいます。あなたのせいで、何十年も苦しんでいる人がいるんでね」

    鷹野「………?なんのこと?」

    日暮「あなたは知らなくていいです」カチッ

    鷹野「!!」
  106. 106 : : 2016/08/04(木) 21:24:42
    バンッ



    梨花「!!(今の音は………銃声?……)」ヨロヨロ

    梨花「(まさか……)」ヨロヨロ

    梨花「(………いや……あいつは絶対に生きている………)」ヨロヨロ

    梨花「(……私も頑張って生きよう……)」ヨロヨロ




    ガサッガサッ




    梨花「!!(チッ……増援か?)」

    梨花「(………走るか…)」タッ

    隊員数名『』タタタ

    梨花「(足が痛くて……うまく……走れない)」ズルズル

    隊員数名『』タタタ

    梨花「(追いつかれる……)」ズルズル




    ザッ



    梨花「!!」

    隊員C「」ドンッ

    梨花「きゃっ!」ドスン

    隊員C「やっと追いついたぞ………ちょこまかと逃げやがって……」ジャキッ

    梨花「くっ……そこをどきなさい!」

    隊員C「どくと思うか?……この状況で?」チラッ

    隊員数名『』ジャキッ

    梨花「………チッ……」

    隊員C「安心しろ。お前を眠らせてから殺すから痛みは感じない」スタスタ

    梨花「…」キッ

    隊員C「……あっ!そうだ!冥土のみやげに見せてあげるよ……おい」

    隊員B「」ポイッ




    ドスン




    梨花「!!」

    日暮「」

    梨花「………勇矢?」

    隊員B「バカなやつだぜ。お前を逃がそうとして死ぬなんてな!」

    梨花「あ…………あぁ………」

    隊員C「すぐにこいつの所に行かせてやるからな」ジャキッ

    梨花「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

    隊員B「うわっ!急に大きな声を出すな!」

    梨花「殺してやる…………殺してやる……」ブツブツ

    隊員C「おいっ!さっさとやるぞ!」

    梨花「くっ……」ガクッ



    カチャッ



    梨花「(ん……?これは……)」

    隊員C「死ね」ブンッ
  107. 107 : : 2016/08/04(木) 21:48:33
    バチッ




    隊員C「ぐああああああ!!」ビリビリ

    隊員B「なに!?」

    梨花「」バチッ

    隊員B「ぐああああああ!!」ビリビリ

    隊員E「てめぇ!」ブンッ

    梨花「」スッバチッ

    隊員E「ぐああああああ!!」ビリビリ

    隊員F「この野郎!!一気に攻めるぞ!」タタタ

    梨花「…」

    隊員数名『』タタタ

    梨花「」バチッバチッバチッバチッバチッバチッバチッ

    隊員×7人『ぐああああああ!!』ビリビリ



    ドサッドサッ



    隊員×10人『』

    梨花「…」




    ドウシタ?サケビゴエガキコエタゾ!




    梨花「!!逃げなきゃ……」ポイッズルズル





    ~大きな橋~



    梨花「………はぁはぁ……」ズルズル

    梨花「あと……もう少しで………興宮……」ズルズル

    隊員A「いたぞ!!捕まえろ!」

    隊員数名『』タタタ

    梨花「!!くそ……」

    梨花「………飛び降りるしか……」

    梨花「でも、もし死んでしまったら……」

    梨花「いや……自分を信じるのよ………」ヒョイ

    隊員A「!!」

    梨花「」バッ





    ドッポーン




    隊員A「あの野郎………」タタタ

    隊員G「……ダメです……見失いました」

    隊員A「…チッ……報告は俺がする。お前たちは『終末作戦』の準備を進めろ」

    隊員数名『はっ!!』タタタ

    隊員A「…」カチッ

    隊員A「………こちら燕1………」




    『こちら鳳1。どうした?』




    隊員A「目標が……橋の上から飛び降りました」




    『なに?』




    隊員A「おそらく、自殺と考えるのが妥当かと……」




    『そうか………まぁ、いい。どっちにしても死ぬことに変わりはない。早く元の陣地に戻れ』




    隊員A「了解」カチッ
  108. 108 : : 2016/08/04(木) 23:58:19
    ~川のほとり~





    梨花「…」

    梨花「………はっ!」

    梨花「ここは……?」キョロキョロ

    梨花「………助かったのね……」

    梨花「……自分を信じてみて正解だった……」

    梨花「…」

    ???「うーん…」

    梨花「!!………沙都子?沙都子!!」

    沙都子「………あれ?……梨花!探しましたわよ!」

    梨花「沙都子!あなたどうしてこんなところにいるのよ!」

    沙都子「それは……あれからずっと隠れてましたのよ……それでしばらく経って梨花を探しに行ったら………レナさんの………」

    梨花「レナの?」

    沙都子「レナさんの死体があったんですの!それで私、思わず叫んだら変な人達に追われて……それで橋のところで隠れようとしたらそのまま落ちて……」

    梨花「分かったわ沙都子。少し落ち着きましょう」

    沙都子「……そうですわね………でも、梨花が無事でよかったですわ」

    梨花「……言ったでしょ?また会えるからって」

    沙都子「フフフ……そうですわね……」ニコッ

    梨花「(おそらく、レナは奴らのことをどこかで嗅ぎ付けたんだと思う……ピクニックの時はレナが一番最初に帰っていった……その後に彼女は奴らと接触して………殺された……)」

    沙都子「………梨花……これから……どうすればいいんですの……」

    梨花「とりあえず………上の方まで登るのです…」

    沙都子「でも、もし変な人達がまだいたら……」

    梨花「その時は……大声で叫ぶのです」

    沙都子「……分かりましたわ…」ヨロッ

    梨花「沙都子……肩を貸してあげるのです…」

    沙都子「ありがとうございますですわ…」スッ

    梨花「困った時はお互い様なのです♪にぱー☆」

    沙都子「フフフ…そうですわね!行きましょう!」ズルズル

    梨花「いたっ…」ズキッ

    沙都子「梨花?……大変!捻挫してますの!」

    梨花「僕は大丈夫なのです……早く上に…」

    沙都子「えぇ…」ズルズル
  109. 109 : : 2016/08/05(金) 00:36:20
    ~学校付近~



    沙都子「はぁはぁ…」ズルズル

    梨花「はぁはぁ…」ズルズル



    ソッチノホウヲ,ソウサクヲシテクレ!ワカリマシタ!



    沙都子「………騒がしいですわね…」ズルズル

    梨花「みぃ………何かあったのかもしれないのです…(これが雛見沢大災害………はじめて見たわ…)」ズルズル



    オーイ!コレヲハコンデクレ!ハイ!



    沙都子「!!学校に明かりが…?」ズルズル

    梨花「見てみるのです!」ズルズル

    沙都子「…」チラッ

    沙都子「!!」

    梨花「……!!これは……」





    隊員(自衛隊)A「まったく……ひでぇもんだな」

    小学生×10人以上『』

    老人×3人以上『』

    校長「」

    知恵先生「」

    圭一「」

    詩音「」

    魅音「」

    隊員B「きっと避難していたところを巻き込まれたんだろうな」

    隊員A「あぁ………そうだな……」







    沙都子「あ………あぁ……」ガクッ

    梨花「そんな………こんなことって……」ガクッ

    沙都子「いやああああああああああ!!」

    隊員C「!!なんだ!?」

    隊員D「見ろ!生存者だ!」

    隊員E「女の子が二人いるぞ!」

    隊員C「誰か救護班を呼べ!!」

    沙都子「あ…………ああ…………あぁ………」ガクガク

    梨花「」
  110. 110 : : 2016/08/05(金) 19:02:56
    ~翌日・病院~



    ガララ



    大石「」ピシャッ

    梨花「」スーハー

    大石「こんにちは、古手さん」スタスタ

    大石「昨日おきた雛見沢大災害についてお訊きしたいことが、山ほどあるんですが…」

    梨花「」スーハー

    大石「まさか、あなたも北条さんと同じ精神的ショックで廃人状態になってしまうとは……」

    梨花「」スーハー

    大石「……まぁ……聞くだけきいてください………実はね………こんなものを見つけましてね……」ガサゴソ

    大石「この帽子、見覚えはありませんか?ここにね……刺繍で名前が書かれているんですが……『Ryuguu』って書いてあるんですよ………これはあなたのお友達の竜宮礼奈……レナさんの帽子だと思われるんですがね……ここに赤い染みがあるでしょ?……これ、血なんですよ。それもレナさんと同じ血液型のね」

    梨花「」スーハー

    大石「妙なのはここからなんですがねぇ………この帽子が見つかったのが雛見沢大災害……つまり、火山性ガスが流出した地域からちょっと離れた山の中なんですよ……自衛隊の捜索の方が見つけてくれましてね………届けてくれたんです。ですが、どうも私には分からない。なぜそんなところに血の着いたレナさんの帽子が落ちていたのか?ちなみに、レナさんの遺体も出ていないんですよ……」

    梨花「」スーハー

    大石「災害がおきたのは深夜遅くです………あの人、どうしてそんな遅い時間に山の中に出掛けていたんでしょうかねぇ………なぜ愛用の帽子だけが、山の中に落ちていたんでしょう?」

    梨花「」スーハー

    大石「………私はね……この帽子……レナさんからのメッセージではないかと考えているんです」

    梨花「」スーハー

    大石「あの災害………実はガス災害ではなく……もっと他の事故か……あるいは事件で、それを知ってしまったレナさんは誰かに伝えようとして、村を逃れたのでは……」

    梨花「」スーハー

    大石「実はレナさんだけじゃない。20人ほどの方が…行方不明扱いになっているんですよ。深夜の大災害ですよ?就寝中の災害でほとんどの人が自宅の寝室でお亡くなりになっているのに……なのに遺体がない!なぜか帽子は山の中………これは一体どういうことなんですかねぇ?」

    梨花「」スーハー

    大石「………これは自然災害なんかじゃない。あの夜雛見沢で何が?あんたは一体何を見たんだ!」

    梨花「」スーハー

    大石「………と言うようなことを、北条さんにもお伝えしたんですけどね……全く反応がありませんでした………あなたもそうですか……」ハァ



    ガララ



    看護師「どうかしましたか?」

    大石「いや、別に……」

    看護師「そうですか…」

    梨花「」スーハー

    大石「………また来ますよ」スタスタ

    大石「………あ。ひとついい忘れたことがありました」ガサゴソ

    大石「これ何か分かります?『スタンガン』っていう電流を当てて動きを封じる物なんですが………指紋を調べたところ、北条鉄平容疑者と日暮勇矢さん……そしてなぜかあなたの指紋が出たんですよ」

    梨花「」スーハー

    大石「あぁ、そうそう……あなたのお友達の日暮勇矢さん……その20人の方と同じく行方が分かってないんですよ……」

    梨花「」ピクッ

    大石「!!い、今!動いていませんでしたか?」

    看護師「あぁ……ただの生体反応です。意識を取り戻したわけじゃないですよ」

    大石「そ、そうですか………まぁ、何か思い出したら教えてください……古手さん」

    梨花「」スーハー

    大石「…」スタスタ

    看護師「…」
  111. 111 : : 2016/08/05(金) 20:32:48
    ~ナースステーション~



    看護師「………こちら…隼2……」カチッ



    『こちら鳳1。どうした?』




    看護師「古手梨花が意識を取り戻したようです」



    『そうか。すぐに隊員がそちらに向かう。そこで心不全をおこす薬をもらえ。あとは………分かっているよな』




    看護師「はい」




    『では……頼んだぞ。くれぐれもバレないようにな』




    看護師「了解」カチッ
  112. 112 : : 2016/08/05(金) 21:44:57
    ~深夜~




    梨花「」スーハー





    ーー
    ーーー
    ーーーー



    梨花「………はっ!」ガバッ

    梨花「ここは……どこなの?」キョロキョロ

    羽入「どうやら雛見沢の商店街のようなのです!」

    梨花「あの時私は橋から飛び降りて………その後沙都子に会って、学校を見たことまでは覚えている……」

    羽入「もしかして……あの世?……なのですかね?」

    ???「違うよ」

    梨花「!!勇矢!」

    日暮「ここは君の頭の中。まぁ、夢を見ている感覚だと思えばいいね」

    梨花「じゃぁ、何であんたは私の夢の中に入れるのよ」

    日暮「う~ん……死んだから…かな?」

    梨花「……そうか……あなたはあの時に…」

    羽入「……って、勇矢さんは僕のことが見えるのですか!?」

    日暮「うん。だって幽霊になったから」

    羽入「あ…あううう…」

    日暮「立ち話もなんだし、あそこのお店でかき氷でも食べようよ」スタスタ

    梨花「…」スタスタ

    日暮「すいませ~ん!」

    おじさん「あいよ!」

    日暮「メロン味のかき氷と……梨花ちゃんは?」

    梨花「………いちご」

    日暮「それください!」

    おじさん「あいよ!そこで座って待っててくれ!」

    日暮「はい!」ニコッ

    梨花「…」
  113. 113 : : 2016/08/05(金) 22:01:08
    おじさん「はい!お待ちどう!」コトッ

    日暮「おぉ~美味しそう!いっただきま~す!」シャリシャリパクッ

    日暮「ん~甘くて美味しい!」シャリシャリ

    梨花「……」シャリシャリパクッ

    梨花「!!……夢の中でも、味はするのね」

    日暮「うん。そうみたいだね」シャリシャリ

    梨花「……ごめんなさい…」

    日暮「ん?何が?」シャリシャリ

    梨花「あの時……私が捻挫なんてしなかったら…あなたが犠牲にならずにすんだのに…」

    日暮「梨花ちゃんのせいじゃないよ。僕がちゃんと考えていなかったのが悪いんだ」

    梨花「…でも…」

    日暮「僕の言った通りだったでしょ?」

    梨花「え?」

    日暮「自分を信じれば、どんな絶望な『運命』だって変えられる………君はその言葉の通りに今こうして生きている…」

    梨花「別にあなたの言葉を信じてやったわけじゃない。絶体絶命のピンチだったから、とっさにやっただけ」

    日暮「ふ~ん」シャリシャリ

    梨花「…何よ」

    日暮「別に?何でもないけど?」シャリシャリパクッ

    梨花「……そう…」

    日暮「」シャリシャリパクッ

    梨花「…」

    日暮「……やっぱり、僕は間違っていたのかもしれない」

    梨花「え?」

    日暮「僕は自分だけの力で『運命』を変えようとした。けど、そのせいで富竹さんや鷹野さんが犠牲になってしまった……もしかしたらその時点で、『本当の未来』ではなかったのかもしれない……」

    梨花「本当の……未来?それって、あんな災害がおきている未来じゃなくて?」

    日暮「そう。悲劇がおきていない誰もが幸せな未来……」

    梨花「……それを手にいれる方法があったら苦労しないわよ」ハァ

    日暮「あるよ」

    梨花「え!?」

    日暮「教えてあげようか?」

    梨花「ぜひ!」

    日暮「それは…」

    梨花「それは…?」

    日暮「それは自分で見つけてください!」

    梨花「……何よ。ケチ」

    日暮「大丈夫。梨花ちゃんならきっと探しだせられるよ」ニコッ

    梨花「……だといいんだけど…」

    梨花「…あ!……そういえば、あんたの正体…訊いてなかったわね」

    日暮「僕の正体?」パクッ

    梨花「そうよ。あんたいつも言葉を濁したような言い方していたから…」

    日暮「う~ん……そうだね……そろそろ教えてもいいかな?」

    梨花「やっと教える気になったのね」

    日暮「僕の正体は……」

    梨花「」ゴクリ

    日暮「君と同じだよ」

    梨花「……は?」

    日暮「僕もずっと雛見沢でおきている惨劇を見てきたんだ」

    梨花「……で?」

    日暮「で?……って?」

    梨花「え?それがあなたの正体!?……分かりにくいわよ」

    日暮「う~ん……いまいちな反応だなぁ…」

    梨花「じゃぁ、あなたどうやって時を戻しているのよ」

    日暮「う~ん…それがよく分かんない」

    梨花「分かんない?」

    日暮「そう。いつの間にか、ずっと同じ時を旅しているって感じかな?」

    梨花「はぁ……」

    日暮「その惨劇を見続けて僕は思ったんだ。『この悲惨な運命を変えたい』……ってね。だから僕はこの世界に来たんだ」

    梨花「なるほど……だから、あんたは部活のことや沙都子の虐待のこと……私や羽入のことまでも知っていたってわけね」

    日暮「その通り!」

    梨花「なんで、もっと早く教えてくれなかったのよ」

    日暮「だって……その方が面白そうだからだよ。謎めいた転校生………かっこいいでしょ?」

    梨花「………バッカじゃないの?」ハァ

    日暮「な!?別にいいでしょ…それが男のロマンなんだから!」

    梨花「……フフフ…」クスッ

    日暮「ん?」

    梨花「男のロマンとか……バカみたいww」クスクス

    日暮「なっ///……笑うなよ!」

    梨花「だってww…ロマンとかw…あんたにロマンなんてあるの?」

    日暮「そりゃぁ……あるよ」

    梨花「ロマン……フフフ…」クスッ

    日暮「…やめてよ…恥ずかしくなってくるじゃないか…」

    梨花「フフフ……ごめんなさい。あまりにもあんたの発言がおかしかったからつい…」

    日暮「別にどーせ、僕はロマンとはかけ離れている人ですよーだ!」ベー

    梨花「…フフフ…」クスッ

    日暮「ん?…今度はなに?」

    梨花「あなたの舌……緑色よ」クスッ

    日暮「え?……あっ///」

    梨花「フフフ…」クスクス

    日暮「もう///笑うな!」
  114. 114 : : 2016/08/05(金) 22:17:27
    日暮「………さてと……そろそろ行こうかな…」スタスタ

    梨花「……え?もう?」

    日暮「うん。もう充分伝えることは伝えたし……あとは君の今後の活躍をゆったりと眺めていることにするよ」

    梨花「………また……会える?」

    日暮「……君が望んでいる『本当の未来』が手にいれることができたら……また会えるかもしれないね…」

    梨花「……分かったわ!私、絶対に幸せな未来を手に入れてみせる!」

    日暮「うん!頑張ってね!」ニコッ

    日暮「……羽入さん」

    羽入「!!あうっ!?………な…なんですか?」

    日暮「羽入さんもしっかりと梨花ちゃんのサポート…お願いね!」ニコッ

    羽入「わ…分かったのです!」

    日暮「じゃぁ……またね………」スゥー

    梨花「!!待って!」







    ーー
    ーーー
    ーーーー




    梨花「…………はっ!」ガバッ

    梨花「………ここは……病院?」

    梨花「じゃぁ………さっきのは……夢?」

    梨花「…」



    ガララ



    梨花「!!」

    看護師「……やっぱり、意識は戻っていたようね」スタスタ

    梨花「……あなた……もしかして…山狗の…」

    看護師「あなたが知る必要はないわ」スッ

    梨花「!!」

    看護師「安らかに……眠ってね」スッ

    梨花「いやだ!!」ドンッ

    看護師「きゃっ!」ドスン

    梨花「」ブチッバッ

    梨花「」スタッタタタ

    看護師「待ちなさい!」ガシッ

    梨花「」ガブッ

    看護師「いたっ!」バッ

    梨花「」ガラッタタタ

    看護師「ま……待ちなさい!」タタタ
  115. 115 : : 2016/08/05(金) 22:33:43
    梨花「」タタタ

    羽入「り、梨花!!どこに向かうつもりなのですか?」

    梨花「沙都子の病室!!」タタタ

    羽入「でも……どうやって探すのです?」

    梨花「手当たり次第にやるしかないでしょ!」タタタ

    羽入「えぇ!?」

    看護師「待ちなさい!」タタタ

    梨花「チッ………しつこいわね……」タタタ

    看護師「(絶対に捕まえて殺してやる!)」タタタ

    医師「ちょっときみ!」

    看護師「!!は、はい!」ピタッ

    医師「看護師あろう者が、廊下を走るとは何事だ!」

    看護師「いや、実は…」

    医師「いいわけは無用!ちょっと来なさい!」グイッ

    看護師「え……ちょっと……離して!」バッ

    医師「!!きさま!」ガシッ

    看護師「な……なんて馬鹿力なの…」グググ

    医師「こうみえても柔道の黒帯を修得していてね……さぁ、大人しく来なさい!」グイッ

    看護師「くそっ……」ズルズル

    梨花「………どうやら運も味方してくれたみたいね…」

    羽入「さぁ!早く沙都子の病室を探すのです!」

    梨花「えぇ!」タタタ
  116. 116 : : 2016/08/05(金) 23:22:45
    看護師A「(あーぁ、早く帰って寝たいなぁ…)」カッカッカッ

    梨花「あのぉ…」

    看護師A「ん?あれ……どうしたの?トイレ?」

    梨花「北条沙都子さんの病室はどこにあるのでしょうか?」

    看護師A「えぇとね……3-4号室よ。この階段を下りてすぐのところ」

    梨花「ありがとうございますなのです!」タタタ

    看護師A「あ!ちょっと……」

    看護師A「……あの子ってたしか……あの雛見沢大災害の生存者よね?……」

    看護師A「…意識戻ったのかしら?」

    看護師A「……まっいっか!早く帰って寝ようっと…」カッカッカッ




    ~3-4号室~



    ガララ



    梨花「沙都子!!」タタタ

    沙都子「」スーハー

    梨花「沙都子!おきて!沙都子!」ユサユサ

    羽入「そんなに振ったら、気持ち悪くなるのですよ…」

    梨花「沙都子!!カムバッ~ク!」ユサユサ

    沙都子「………ん?」パチリ

    梨花「!!沙都子!」

    沙都子「…………梨花?………」

    梨花「沙都子!!早く病院から出るのよ!でないと、殺される!」

    沙都子「え?」

    梨花「早く!」

    沙都子「うん……」ブチッ

    梨花「立てる?」

    沙都子「えぇ………何とか…」ヨロッ

    梨花「行くよ!沙都子!」タタタ

    沙都子「ま……待ってくださいまし…」ヨロヨロ

    梨花「早くしないとやつらに……」



    ドンッ



    梨花「!!」

    看護師「見つけたわよ……この糞餓鬼どもが…」ハァハァ

    梨花「……チッ……」

    沙都子「!!梨花……」

    梨花「沙都子!逃げるのです!」タッ

    看護師「おっと、そうはさせない」ガシッ

    梨花「くっ………はなせ!」グググ

    看護師「離すもんですか……お前をこの注射でぶっささないといけないんでね…」

    梨花「沙都子!!あんただけでも逃げて!」

    沙都子「でも……」

    梨花「私のことはいいから!」

    看護師「駄目だよ沙都子ちゃん……友達を見捨てる気?」

    沙都子「………違いますわ……」

    看護師「じゃぁ、そこで大人しく待っていなさい」スッ

    梨花「や……やめろ……」

    ???「何をしているんですか?………あなた」
  117. 117 : : 2016/08/05(金) 23:51:55
    梨花「!!…大石!」

    大石「注射器を持ちながら子供を押さえつけているとは……この病院の看護師はこういうやり方が主流なんですか?」

    看護師「あっ、いえ……これは栄養剤を投与しようと思って…」

    梨花「大石!助けて!」

    沙都子「私達は命を狙われていますの!だから……私達を保護してください!」

    看護師「こら!余計なことを言うな!」

    大石「おや?何か言ったらまずいことでもあるんですか?」

    看護師「あっ!……それは……えぇと……」

    大石「…彼女たちを保護させていただきます……おい」

    刑事A「はい!」タタタ

    梨花「大石!」

    沙都子「ありがとうございます!」

    看護師「ちょっと!そんな勝手なことが許されるとでも思っているんですか!?」

    ???「見つけたぞきみ!」

    看護師「!!あ……」

    医師「きさま!説教している途中に逃げ出すとは……それでも社会人か!」

    大石「どうもぉこんばんはぁ」

    医師「!!おや…刑事さんではないですか!何かご用でも?」

    大石「この子達を保護したいんですがね…」

    医師「この子達を?……何か問題でも?」

    大石「実は命を狙われてましてね…ここの病院じゃぁ警備が心配なので、直接我々が保護することに決めたんです」

    医師「そりゃぁ大変だ!どうぞ保護でも何でもしてください!あとで担当の看護師に伝えときますから」

    大石「ご協力感謝します」ペコリ

    看護師「ちょっと!そんなことしていいの!?」

    医師「なんだね君は……態度といい……言葉遣いといい……君は社会に対する基本がなっていない!ちょっと来なさい!」ガシッ

    看護師「はなせ!」ジタバタ

    医師「みっちり話つけてやるから覚悟しろ!」グイグイ

    看護師「うぅ…」ズルズル

    梨花「……ざまぁみなさい…」フンッ

    沙都子「……大石さん…」

    大石「……ついてきてください。署まで連れてってあげますよ」スタスタ

    沙都子「!!やりましたわね梨花!」

    梨花「はいなのです!」ニコッ
  118. 118 : : 2016/08/06(土) 00:00:53
    ~病院前~



    大石「さぁ、乗ってください」ガチャッ

    沙都子「」ヒョイ

    梨花「」ヒョイ

    大石「」バタンッスタスタガチャッ

    大石「よっと…」ヒョイ



    バタンッ



    車(警察用)ブーン




    ウィーン



    看護師「はぁはぁ…」タタタ

    看護師「くそっ!」ドガッ

    看護師「………」カチッ

    看護師「こちら隼2………」





    『こちら鳳1。どうした?』




    看護師「古手梨花と……北条沙都子が………警察に保護されました…」




    『なに!?なぜ早く始末しなかったんだ!!』




    看護師「申し訳ありません……」




    『………………まぁいい。今奴らはどこにいる?もう署についてしまったのか?』




    看護師「いえ、ちょうど車に乗って署に向かっているところです。車のナンバーを伝えておきます。車のナンバーは………」
  119. 119 : : 2016/08/06(土) 15:06:19
    ~車内~


    ブーン


    刑事A「……いいんですかね?……こんな勝手なことをして…」

    大石「かまわん」

    刑事A「しかし……命を狙われているだなんて……
    デタラメを言っている可能性がありますよ」

    大石「あの子達の目を見たか?……あの目は本気だった」

    刑事A「…しかしですね……」

    大石「つべこべ言わずに運転に集中しろ!」

    刑事A「は、はい!」

    沙都子「…」

    梨花「(何とかここまで生き延びることができた……)」

    梨花「(でも……これからどうすればいいんだろう………)」

    梨花「(このまま一生奴らに追われる日々が続くのだろうか………)」

    沙都子「……梨花」

    梨花「ん?なんですか?」

    沙都子「梨花………私…怖いんですの」

    梨花「どうしてですか?」

    沙都子「これからも……あの変な人達に追われるのかと思うと………怖くて……」

    梨花「!!沙都子……」

    大石「大丈夫ですよ。我々がしっかりお守りしますから」

    沙都子「………もし、警察の中にあいつらの仲間がいて……襲われたりでもしたら……」

    大石「仲間?ハッハッハッ……そんなのいるわけないじゃないですか」

    沙都子「でも……」

    梨花「……沙都子」

    沙都子「!!……なんですの?」

    梨花「疑心暗鬼になっちゃだめ。ほら、深呼吸して」

    沙都子「えぇ……」スーハースーハー

    梨花「………落ち着いた?」

    沙都子「……少しだけ……ですけど…」

    梨花「大丈夫。私達の身の安全は警察が保証してくれる」

    沙都子「……警察が安全とは…かぎりませんわ…」

    梨花「もしその時がきたら……私達二人で乗り越えましょ」

    沙都子「……乗り越えられますの?……相手は得たいの知れない連中ですのよ?」

    梨花「あなた、あの連中から逃げ延びることができたじゃない。もっと自分に自信を持ちなさい。そうすれば、どんな時だって乗りこえられるわよ」

    沙都子「梨花……」

    梨花「大丈夫。あなたは一人じゃない。私がついているわ」

    沙都子「フフフ……そうでしたわね………梨花、この危機を二人で乗り越えますわよ!」

    梨花「はいなのです!」ニコッ

    大石「署についたら、色々と聞かせてもらいますよ……お話したいことが山ほどありますからねぇ」

    沙都子「その前に、お着替えをさせてもらえません?いつまでも患者の服装じゃ、華がありませんわ」

    大石「ハッハッハッ……分かりました。先に着替えてからでいいですよ」

    梨花「沙都子は本当にオシャレさんなのです~にぱー☆」

    沙都子「オーホッホッホッ……これくらい気を遣わないと、一流のレディになれませんでしてよ」

    梨花「みぃ♪」

    梨花「(そうだ………私には沙都子がいる……沙都子と一緒ならきっとどんな運命でも乗り越えられるはず……)」

    梨花「(勇矢………私頑張るわ……この世界をきっと幸せな未来にしてみせる……)」
  120. 120 : : 2016/08/06(土) 16:25:26
    刑事A「ん?」

    大石「どうした?」

    刑事A「何か事件でもあったんですかね?検問していますよ」

    大石「おいおい……ついてねぇな…」ハァ



    トントン



    大石「ん?……はーい」ウィーン

    警察A「すいません、ちょっとよろしいですか?」

    大石「え?…はい」

    警察A「実はちょっと事件がありましてね……今怪しい人がいないか調べているんですよ……失礼ですが、ご職業は何をされていますか?」

    大石「あぁ……我々はこういう者で…」スッ



    シュー



    刑事A「」ガクッ

    大石「な……」ガクッ

    梨花「!!沙都子!早く車から出るのです!」

    沙都子「えぇ!」ガチャッ



    シュー



    沙都子「」ガクッ

    梨花「沙都子!!………」ハァハァ

    梨花「そ……そん………な…」ハァハァ

    梨花「ここまで………きて……」ハァハァ

    梨花「…………」ガクッ

    警察A「………全員眠りにつきました」

    ???「ごくろうさま」

    警察A「しかし、わざわざあなた様がここに向かわれる必要はありませんでしたのに……」

    鷹野「取り逃がしたっていう報告があったから慌てて来たのよ……」

    警察A「そうですか……」

    鷹野「あの看護師の役立たずは、後で排除しておいて」

    警察A「かしこまりました」ペコリ

    隊員E「三佐!!こいつらはどうしましょうか?」

    鷹野「ん?」チラッ

    刑事A「」

    大石A「」

    鷹野「あぁ………適当に処分しといて」

    隊員E「はっ!」タタタ

    鷹野「あと、その子供達も……どこか適当な場所で、殺しておいて」

    隊員F「了解!」

    鷹野「フフフ………これでもう邪魔者はいなくなった……」

    鷹野「これから、雛見沢大災害は後世まで語り継がれ………そして、オヤシロ様の祟りや雛見沢症候群も……永遠に……フフフ……」

    鷹野「私はついに………『神』になったのよ!フフフ……ハハハ……アーハッハッハッ!!」






    こうして、私はこの世界での『運命』の幕を閉じた





    殺されたあと、私は羽入の力を借りて時を戻してもらったが………





    彼の姿は……………どこにもなかった………





    ーー
    ーーー
    ーーーー
    ーーーーー
  121. 121 : : 2016/08/06(土) 17:08:42
    梨花「(あれから……数十年の時が過ぎた………)」

    梨花「(私は何度も失敗を繰り返し………また諦めそうになった時もあったけど………私は『本当の未来』を手にいれることができた)」

    梨花「(でも…………いまだに彼は姿を現さない……)」

    梨花「(あれは………夢だったの?)」

    梨花「(全てが私の妄想の中の出来事で………日暮勇矢なんて人物も………存在しないの?……)」

    梨花「(…………まぁ………いいわ……)」

    梨花「(別にあの世界が妄想とか関係ない………今私は最高の運命を歩んでいる………)」

    梨花「(それだけで充分満足………)」

    梨花「(…………………)」







    ガチャッ



    梨花「……」ヨロヨロ

    沙都子「あっ梨花!ただいまですわ!」

    梨花「………沙都子?ずいぶん………遅かったじゃない………」ヨロヨロ

    沙都子「ごめんなさい。わたくし、魅音さんの家でお夕食をいただいてましたの」

    梨花「…………そう………なら………いいわ……」ヨロヨロ

    沙都子「………梨花?」

    梨花「」ドサッ

    沙都子「!!梨花!どうしましたの!」



    ガチャッ



    羽入「!!あうううう!!梨花!」タタタ

    梨花「………はにゅう……?」

    羽入「梨花!どどどどうしたのですか!?」

    梨花「………少し……のぼせたみたい……」ハァハァ

    羽入「少しどころじゃないのです!すごい熱なのです!」

    沙都子「あなたどれくらい入っていましたの!?」

    梨花「………三時間……くらい……かしら…」

    沙都子「さ、三時間!?」

    羽入「と、とりあえず、水と氷枕なのです!」タタタ








    梨花「……ふぅ……」

    羽入「体の具合はどうですか?」

    梨花「えぇ………良くなったわ……迷惑かけてごめんなさい」

    沙都子「まったくもう!三時間もお風呂に入るなんて、どうかしていますわよ!」プンプン

    梨花「お風呂の中で寝ちゃってしまったのです………にぱー☆」

    沙都子「『にぱー☆』じゃっありませんわよ!下手すれば死んでましたのよ!」プンプン

    梨花「みぃ…………ごめんなさいなのです……」ショボン

    沙都子「まったくもう!次からは気をつけるんですのよ!」プンプン

    梨花「はーいなのです!」

    羽入「…」
  122. 122 : : 2016/08/06(土) 21:56:04
    ~夜~




    沙都子「」スースー

    梨花「…」

    羽入「梨花……」

    梨花「なに羽入?」

    羽入「何か……悩みごとがあるのですか?」

    梨花「……どうして?」

    羽入「梨花はいつも悩んでいる時、お風呂の中に入り続けてのぼせていたのを思い出したのです…」

    梨花「あぁ……小さい頃あったわね……なにで悩んでいたのか忘れたけど……」

    羽入「何か悩みがあるなら、僕に打ち明けてくださいなのです!」

    梨花「……大したことじゃないわよ……ちょっと過去のことを……振り返ってただけ……」

    羽入「過去のことって………もしかして……勇矢さんのことなのですか?」

    梨花「……そうよ」

    羽入「そういえばあの時以来、一度も姿を見ていないのです」

    梨花「いなかったんじゃない?もとから………そんな奴なんていないのよ…」

    羽入「いや、彼は確かにいたのです!それは梨花が一番よく分かっているのです!」

    梨花「……じゃぁなんで『幸せな未来』を手にいれたのに、姿を見せないの?」

    羽入「それは……えぇと…」

    梨花「夢だったのよ……全部……それに私は今最高の運命を歩んでいるの。あいつなんかいなくたって、私は充分幸せなのよ……」

    羽入「……本当にそうなのですか?」

    梨花「……なによ」

    羽入「本当は会いたいんじゃないのですか?」

    梨花「はぁ?そんなわけないじゃない」

    羽入「僕が見たかぎりでは……勇矢さんと一緒にいる時の梨花は、とても楽しそうだったのです」

    梨花「!!……う、うるさいわね!さっさと寝なさい!」

    羽入「あ、あうううう~ひ、ひどいのです~」ガーン
  123. 123 : : 2016/08/06(土) 23:07:44
    沙都子「」スースー

    羽入「」スースー

    梨花「……」



    『本当は会いたいんじゃないのですか?』




    『僕が見たかぎりでは……勇矢さんと一緒にいる時の梨花は、とても楽しそうだったのです』




    梨花「………」





    私は彼との思い出をもう一度振り返ってみた。






    最初に会った時







    水鉄砲鬼ごっこの時







    ババ抜きの時







    高台で話した時








    圭一の家で一緒に料理を食べた時







    綿流しのお祭りの時





    ピクニックの時





    そして………あの雛見沢大災害の日の時






    全ての思い出が頭の中で高速によぎっていく






    梨花「(いつもと変わらなかったけど………あいつと会って少しだけ……いや、大きく『運命』が変わった……)」




    私はふと、ある詩を口ずざんだ。






    その詩はいつ書いたのかは忘れたが、彼への私の思いをつづった詩だった。








    ……………あなたは今どこで何をしていますか?










    ……………この空の続く場所にいますか?










    ……………今まで私の心を埋めていたモノ










    ……………失って初めて気づいた









    ……………こんなにも私を支えてくれていたこと









    ……………こんなにも笑顔をくれていたこと









    ……………失ってしまった代償は









    ……………とてつもなく大きすぎて









    ……………取り戻そうと必死に









    ……………手を伸ばしてもがくけれど









    ……………まるで風のようにすり抜けて









    ……………届きそうで届かない









    ……………孤独と絶望に胸を締め付けられ









    ……………心が壊れそうになるけれど









    ……………思い出に残るあなたの笑顔が









    ……………私をいつも励ましてくれる









    ……………もう一度あの頃に戻ろう









    ……………今度はきっと大丈夫









    ……………いつもそばで笑っていよう









    ……………あなたのすぐそばで










    ……………あなたは今どこで何をしていますか?









    ……………この空の続く場所にいますか?









    ……………いつものように笑顔でいてくれますか?









    ……………今はそれを願い続ける









    梨花「(…………勇矢………)」

    梨花「(あなたは『運命』を変えることを諦めていた私に『運命を変えようとする勇気』と『自分を信じること』を教えてくれた………)」

    梨花「(あれから数十年の時がたって………私はついに……『幸せな未来』を手にいれることができた……)」

    梨花「(…………勇矢……………もう一度だけでいいから…………あなたに……会いたい………)」
  124. 124 : : 2016/08/07(日) 07:05:18
    ~翌朝・梨花の家~




    梨花「羽入~!早くしなさ~い!」

    羽入「ま、待ってくださいなのです~………えぇと……ここかな?」ガラッ

    沙都子「さっきから何を探していますの?」

    羽入「僕のお気に入りのハンカチがどこにもないのです~」

    梨花「………そのハンカチって、あんたの頭の上に乗っているやつのこと?」

    羽入「え?………あっ!見つかったのです!」

    沙都子「相変わらず羽入さんは、どじっ子ですわね~」

    羽入「うぅ…」

    梨花「さぁ!さっさと出るわよ!でないと、遅刻!」ガチャッ

    羽入「はいなのです~」タタタ

    梨花「」バタンッカチャッカチャッ

    沙都子「学校に間に合いますの?」

    羽入「たぶん遅刻ギリギリなのです~」

    梨花「じゃぁ、走るわよ!」タタタ

    沙都子「了解ですわ!」タタタ

    羽入「あっ!ま、待ってくださいなのです~」タタタ





    カナカナカナカナ




    梨花「!!」ピタッ

    沙都子「ん?梨花……?」

    梨花「いま……ヒグラシの鳴き声が……」

    羽入「あぁ!ヒグラシは早朝と夕暮れの時に鳴くのですよ!………それがどうかしたのですか?」

    梨花「……いや……行きましょ!」タタタ

    羽入・沙都子『?』タタタ

    梨花「(……………考えすぎか……)」タタタ






    カナカナカナカナ




  125. 125 : : 2016/08/07(日) 08:49:17
    ~学校~


    ガララ



    梨花「」ハァハァ

    羽入「つ、疲れたのです~」ヘトヘト

    沙都子「……何とか間に合いましたわ」ハァハァ

    圭一「おっ!おはよ~!」

    詩音「おはよう♪沙都子♪」ムギュッ

    沙都子「ちょっと///やめてくださいまし///」

    詩音「フフフ…照れちゃって…かわいいな~」ギュー

    魅音「ハハハ…朝からあついねぇ~」

    圭一「今日は遅かったな。寝坊でもしたのか?」

    梨花「羽入がお気に入りのハンカチを探していて遅くなってしまったのです」

    圭一「そうか」

    梨花「でも、そのハンカチは羽入の頭の上にあったのです~」

    圭一「あ、頭の上!?」

    羽入「!!梨花!それだけは言わないでほしいのです…」

    レナ「はううう~かぁいいよぉ~お持ち帰りぃ♪」

    羽入「お、お持ち帰りはいやなのです~」




    ガラッ




    知恵先生「はい、みなさん!席についてください!」



    ワイワイガタッガタッ



    知恵先生「え~と………全員いますね!今日はみなさんにお知らせしたいことがあります!何と、この学校に新しいお友達がきます!」

    梨花「!!(え………?)」



    エーダレダロ?キニナルナ



    魅音「先生!その新しいお友達っていうのは、男の子ですか?女の子ですか?」

    知恵先生「う~んと……それは見てからのお楽しみとして………その子は、先生の友達の友達の……そのまた友達の友達の友達の子供を預かっている子なの!」

    梨花「(…………なーんだ……期待して損した……)」ハァ

    羽入「(梨花………)」

    圭一「と、友達の友達の友達の……ってそれってもう他人じゃないですか?」

    知恵先生「う~ん……まぁ細かいことは気にしないでください!今教室の前で待っているので、呼んできますね!」スタスタガラッ

    圭一「い、いいのか?…」



    モウハイッテキテイイヨ.ワカリマシタ



    ガラッ



    魅音「!!おぉ~」

    レナ「はううう~かぁいいよぉ~」ハァハァ

    梨花「!!」

    知恵先生「それでは、紹介します!日暮勇矢くんです!」

    日暮「よろしくお願いします!」ニコッ




    その名前を聞いたとたんに、私は立ち上がった





    ふらふらな足取りで教卓の方へと向かい…………





    周りの目を気にせず、思いっきり彼を抱き締めた





    そして……………思いっきり泣いた






    周りからは、ざわつく声が聞こえてくる






    彼は私を包み込むかのように抱き締めて、私の耳元で





    「………………ただいま……梨花ちゃん」






    ………とそっとささやいた






    その言葉を聞いて私はさらに泣いた








    やっとあなたに会うことができた









    ひぐらしのなく頃に………………







    ~END~
  126. 126 : : 2016/08/07(日) 08:58:38
    ~あとがき~




    『ひぐらしのなく頃に哀 日暮し編』
    いかがだったでしょうか?
    この物語は、『you』の歌詞を元にして書きました。
    最後まで読んでくれて、ありがとうございました!

  127. 127 : : 2020/10/03(土) 09:06:37
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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新ローザス・オリバー

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